JP5021249B2 - スライドレール - Google Patents

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Description

本発明は、引き出しなどに用いられるスライドレールに関するものである。
従来から、引き出しなどに用いられるスライドレールが知られている。スライドレールを利用した引き出しなどの収納家具は、スライドレールを用いないものに比べて滑りが良く、開閉に力を必要としないという利点がある。
その一方で、摩擦が少ないため、そのままでは閉めた状態で固定されずに、何かの拍子でスライドが移動し、引き出しなどが飛び出してしまうという問題があり、その解決のため、様々な解決方法が提案されてきている(特許文献1参照)。
特開2004−113512号公報
しかしながら、従来の解決方法とは、特許文献1に示したような機械的なロック機構や、コイルスプリングを用いた引き込み機構ばかりであり、設計、加工、取付が困難で、耐久性も悪く、スライドレール自体の生産性が下がる結果となっていた。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、引き込み機能、収納キャッチ機能を有しつつ、収納部品点数が少なく、高耐久、高生産性、を実現したスライドレールを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によるスライドレールは、第1磁石を有し、本体側に取り付けるための第1レールと、第2磁石を有し、該第1レールに対し回転体を介してスライド可能に係合する第2レールとを備え、該第2レールを引き出し対象物に取り付けることにより、引き出し対象物の引き出し方向への移動及び引き込み方向への移動を案内するスライドレールであって、前記第1磁石及び前記第2磁石は、それぞれの対向する面の磁極が逆極性となり、前記第1磁石は、前記第1レールが前記第2レールを完全に引き込んだ状態において、前記第2磁石よりも前記引き込み方向側で且つ、その対向面の一部が前記第2磁石の対向面と対向するように前記第1レール上に配されることを特徴とする。
本発明によれば、引き込み機能、収納キャッチ機能を有しつつ、収納部品点数が少なく、高耐久、高生産性、を実現したスライドレールを提供することができる。
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素の相対配置、数値等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(第1実施形態)
本発明に係るスライドレールの第1実施形態について、図1を用いて説明する。図1に示すように、本実施形態に係るスライドレール100a、100bは、本体200側に取り付けられる第1レール101a、101bと、第1レール101に対し回転体を介してスライド可能に係合する第2レール102a、102bとを備える。回転体は、図示されていないが、第1レール101a、101bと第2レール102a、102bとの間に介在しており、その相対移動を潤滑にしている。なお、回転体としてはボールベアリングが挙げられるが、ローラなど他の機構でもよい。
第2レール102は、引き出し対象物300に取り付けられている。図1では、分かりやすくするため、スライドレール100a、100bをできる限り実線で示しているが、図1の中で実際に視覚できるのは、手前側の第2レール102aの引き出されて外部に出た部分のみである。つまり、奥側の第2レール102bは、引き出し対象物300の外側に取り付けられているため、図1の角度からでは視覚できない。
このようなスライドレール100a、100bの案内により、引き出し対象物300は、本体200に対して、非常にスムーズかつ軽負荷で引き出し及び引き込み動作を行なうことができる。
第1レール101a、101bの内部には、第1磁石103a、103bと、第3磁石105a、105bが固定されている。また、第2レール102a、102bの内部には、第2磁石104a、104bが固定されている。
図1では、引き出し対象物300が、本体200に対して半分だけ引き出された状態を示しているため、それぞれの磁石は離れた状態にある。この状態から、引き出し対象物300を押し込み、引き出し対象物300が本体200に収容されていくと、第1レール101a、101bが第2レール102a、102bを引き込んだ状態に移行する。そして、第2磁石104a、104bは第2レール102a、102bと共に移動し、第1磁石103a、103bと対向する位置に近づいていく。これにより、第1磁石103a、103bと、第2磁石104a、104bとの間の磁力が、第2レール102a、102bをより引き込む方向に付勢するため、使用者が引き出し対象物300を押し込まなくても、途中から、引き出し対象物300自体が、勝手に奥へと移動し、本体200に引き出し対象物300が引き込まれた状態でロックされる。
従って、本実施形態によれば、1対の磁石により引き込み機能、収納キャッチ機能を実現することができ、コイルスプリングなどを利用した場合に比較して、高温使用時における故障率を低下させることができる。また、フェライト系磁石を使用すれば大気雰囲気中で450℃位まで使用可能であり、耐水性も備える。磁石の個数、大きさ、形状、相対する磁石の距離を変えることにより引き込み力、引き込み量、緩衝力を自由に変化させることができ、また、部品点数も少なく安価に製造することができる。
なお、上記では、第1磁石103a、103bと、第2磁石104a、104bとの間の磁力が、第2レール102a、102bをより引き込む方向に付勢すると記載したが、実際には、この付勢力を実現するため幾つかの構成が考えられる。この構成について図2(a)、(b)を用いて説明する。なお、スライドレール100a、100bは、同じ構成であるため、移行の説明及び図面では、a、bを省略して、説明する。
まず考えられるのは、図2(a)に示すように、第1磁石103の磁極と、第2磁石104の磁極とが引き合うパターンである。第1レール101が第2レール102を引き込んだ状態において、第1磁石103と、第2磁石104とが互いに引き合う位置に、これらの磁石が設けられる。また、第1磁石103と第2磁石104は板状であって厚み方向にS極とN極とを有し、第1レールが前記第2レールを引き込んだ状態において、第1磁石103と第2磁石104の対向する面の磁極が逆極性(SとN)となるように、これらの磁石が設けられる。
また、図2(b)に示すように、第1磁石103の磁極と、第2磁石104の磁極とが反発する力を利用する構成も考えられる。言い換えれば、第1レール101が第2レール102を引き込んだ状態において、第1磁石103と、第2磁石104とが互いに反発し合う位置に、これらの磁石が設けられる。また、第1磁石103と第2磁石104は板状であって厚み方向にS極とN極とを有し、第1レールが前記第2レールを引き込んだ状態において、第1磁石103と第2磁石104の対向する面の磁極が同極性(S同士またはN同士)となるように、これらの磁石が設けられる。ただし、図2(b)に示すように、この構成では、図2(a)の構成に比べて、第1磁石103を、少し手前に配置する必要がある。また、ユーザは、一旦、第1磁石103と、第2磁石104との反発力を乗り越えるだけの力を加えなければならない。
なお、ここで、第1磁石103及び第2磁石104による引き込み速度を抑制するための緩衝手段を更に有することが好ましい。これにより、引き出し対象物300がゆっくりと引き込まれて、最終的に磁力により簡易的にロックされるため、ユーザが指を挟んだりすることを防止できる。なお、この緩衝手段としては、第1レール103と第2レール104との間に、高い粘性のグリースを使用することが考えられる。また、第1レール103と第2レール104との間に、緩衝手段としてダンパーを設けてもよい。
次に、図1に示した第3磁石105a、105bの機能について図3(a)を用いて説明する。第3磁石105は第1レール101の内部に設けられているが、ユーザから見て、第1磁石103よりも、第1レール101において手前側に固定されている。
第1レール101が第2レール102を引き込んだ状態では、第1磁石103と第2磁石104がほぼ対向しており、第2レール102が引き出されると、第2磁石104が、第3磁石105とほぼ対向する位置に移動する。これにより、第2レール102が引き込まれた状態でも、引き出された状態でも、ロックが働くことになる。
この構成によれば、引き出し対象物が引き出された状態において、ある程度の力で固定されるため、ユーザは、引き出し対象物を引き出した状態での作業を容易に行なうことができ、不用意に引き出し対象物が閉まってしまうことを防止できるという効果がある。
なお、図1では、第1レール101に第3磁石105を設けた例を示したが、図3(b)のように、第2レール102に、第4磁石106を設けても同様の効果を得ることができる。ただし、この場合、第2磁石104は、ユーザから見て、第4磁石106よりも、第2レール102において手前側に固定され、第1磁石103も、第1レール101において、手前側に固定される。つまり、第4磁石106は、第2レール102の奥の端部に設けられる。
図3(b)の構成において、第1レール101が第2レール102を引き込んだ状態では、第1磁石103と第2磁石104がほぼ対向しており、第2レール102が引き出されると、第4磁石106が、第1磁石103とほぼ対向する位置に移動する。これにより、第2レール102が引き込まれた状態でも、引き出された状態でも、ロックが働くことになる。
図3(a)では、例として、第2磁石104と、第1磁石103及び第3磁石105とが、互いに引き合う構成について説明した。しかし、図2(b)で説明したようにそれぞれが互いに反発し合う構成でも良い。或いは、第2磁石104と第1磁石103とは反発し、第2磁石104と第3磁石105とが引き合う構成でも良いし、その逆に、第2磁石104と第1磁石103とが引き合い、第2磁石104と第3磁石105とが反発し合う構成でも良い。図3(b)の構成でも同様である。
また、図3(a)、(b)では、第2レール102が第1レール101に引き込まれた状態において、第1磁石103と第2磁石104が、若干ずれた位置に存在しているが、これは意図的なものである。第1磁石103と第2磁石104が完全に対向する位置で引き出し対象物をロックさせようとすると、引き出し対象物の設計誤差や、磁石の取付位置の誤差などで、ロック状態にも関わらず、引き出し対象物と本体との間に隙間が生じてしまう可能性がある。そこで、それらの誤差を吸収するため、引き出し対象物が完全に引き込まれた位置においても、第1磁石103が第2磁石104よりも奥側に位置するように構成することが望ましい。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について、図4を用いて説明する。上記第1実施形態では、第1磁石と第2磁石は板状であって厚み方向にS極とN極とを有していたが、本実施形態では、図4に示すように、第1磁石103と第2磁石104は棒状であって長尺方向の両端にS極とN極とを有するものである。第1磁石103と第2磁石104は、それぞれ、第1レール101及び第2レール102の長尺方向に沿って取り付けられている。そして、第1レール101が第2レール102を引き込んだ状態において、第1磁石103のN極が第2磁石104のS極に対向し、第1磁石103のS極が第2磁石104のN極に対向するように、それぞれの磁石が設けられている。
本実施形態では、第1磁石103と第2磁石104が反発するまでは通常のスライド動作を行ない、第1磁石103のS極と第2磁石104のS極が一旦反発しあう。図4(a)はその状態である。その後、それらの反発力に抗して引き出し対象物を押し込むと、第1磁石103と第2磁石104の反発力を乗り越えた段階で、第1磁石103と第2磁石104とは、引き合うようになり、引き出し対象物を収納する方向に第2レール102を押し込む力に変わる。これにより、スムーズに可動する収納機能となる。この構成によれば、第1磁石103と第2磁石104とが反発することで得られる押し込み力と、それらが引き合う力との両方が第1レール101と第2レール102とに作用することになり、より強いロック機能を得ることができる。
なお、このような棒状の磁石は、第1磁石、第2磁石に限らず、上述した第3磁石として採用してもよい。図2に示したような板状の磁石を2つ並べることによって、図4のような棒状の磁石を実現してもよい。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、図1に示したように、各磁石をレールの内部に固定する構成について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、磁石のレールに対する取付方法としては図5(a)〜(c)に示すように様々なものを採用することができる。図5(a)に示すように、上述した実施形態と同様、磁石を第1レール101、第2レール102の内部に設ける構成では、全体としてスライドレールをコンパクトに構成できるため、取付位置に制限がある場合など、非常に好ましい。
一方、図5(b)に示すように、磁石を、第1レール101、第2レール102の上面(或いは下面)に設ける構成としてもよい。これによれば、スライドレールを側面方向にはコンパクトに構成でき、かつ、磁石を厚みのあるものや大きなものとすることができるため、引き出し対象物が重く、ロック力が必要な場合などに好ましい。
更に、図5(c)に示すように、磁石を、第1レール101、第2レール102の側面に設ける構成としてもよい。これによれば、スライドレールを上下方向にはコンパクトに構成でき、かつ、磁石を厚みのあるものや大きなものとすることができるため、引き出し対象物が重く、ロック力が必要な場合などに好ましい。
本発明の第1実施の形態に係るスライドレールの使用状態を示す図である。 本発明の第1実施の形態に係るスライドレールの構成を示す図である。 本発明の第1実施の形態に係るスライドレールの引き出し状態でのロック機能について説明する概略図である。 本発明の第2実施の形態に係るスライドレールの構成を示す概略図である。 本発明の他の実施の形態に係るスライドレールの構成を示す概略図である。

Claims (6)

  1. 第1磁石を有し、本体側に取り付けるための第1レールと、第2磁石を有し、該第1レールに対し回転体を介してスライド可能に係合する第2レールとを備え、該第2レールを引き出し対象物に取り付けることにより、引き出し対象物の引き出し方向への移動及び引き込み方向への移動を案内するスライドレールであって、
    前記第1磁石及び前記第2磁石は、それぞれの対向する面の磁極が逆極性となり、
    前記第1磁石は、
    前記第1レールが前記第2レールを完全に引き込んだ状態において、前記第2磁石よりも前記引き込み方向側で且つ、その対向面の一部が前記第2磁石の対向面と対向するように前記第1レール上に配される
    ことを特徴とするスライドレール。
  2. 前記第1レールは、
    前記第2磁石と対向する面の磁極が逆極性となる第3磁石を更に有し、
    前記第3磁石は、
    前記第1レールと前記第2レールとが係合した状態で且つ前記第1レールから前記第2レールが完全に引き出された状態において、前記第2磁石よりも前記引き出し方向側で且つ、その対向面の一部が前記第2磁石の対向面と対向するように前記第1レール上に配される
    ことを特徴とする請求項1記載のスライドレール。
  3. 前記第2レールは、
    前記第1磁石と対向する面の磁極が逆極性となる第4磁石を更に有し、
    前記第4磁石は、
    前記第1レールと前記第2レールとが係合した状態で且つ前記第1レールから前記第2レールが完全に引き出された状態において、前記第1磁石よりも前記引き込み方向側で且つ、その対向面の一部が前記第1磁石の対向面と対向するように前記第2レール上に配される
    ことを特徴とする請求項1記載のスライドレール。
  4. 前記第1及び第2磁石による引き込み速度を抑制するための緩衝手段を更に有する
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のスライドレール。
  5. 前記第1レール及び前記第2レール間に、前記緩衝手段としてのグリースを使用することを特徴とする請求項に記載のスライドレール。
  6. 前記第1レール及び前記第2レール間に、前記緩衝手段としてのダンパーを設けることを特徴とする請求項に記載のスライドレール。
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