JP5020984B2 - エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、手動変速機を有する車両のエンジン制御装置に関し、特に、運転者等によって予め設定された制限速度を超えないようにエンジン出力を制御するエンジン制御装置に関する。
例えば自動車の最高速度制限装置のように運転者等の意思とは関係無く法規やエンジン保護等の観点から制限速度が特定の固定値に設定されているものとは異なり、安全確保等の観点から運転者等によって任意に設定された制限速度を越えないように制御する車速制限装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。
このような車速制限装置では、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合でも、車速が制限速度に達すると、制限速度以上に加速しないように、エンジン出力が抑えられるようになっている。
ところで、手動変速機を有する車両の場合、一般的に運転者は変速操作においてクラッチを切った後にアクセルペダルを操作して、変速後のギア位置に求められるエンジン回転数に合わせてからクラッチを締結させることで、スムーズな変速を実現している。
特に、シフトダウン操作においては、変速後のギア位置に要求されるエンジン回転数は、変速前のギア位置に要求されるエンジン回転数よりも高くなる為、運転者はアクセルペダルを踏み込むことによって、エンジン回転数を上昇させている。
しかしながら、前記シフトダウン操作時に、上記した車速制限装置によってエンジン出力が低く制限されていると、運転者がアクセルペダルを踏み込んでも、所望のエンジン回転数まで到達できないことがある。
エンジン回転数が所望の値よりも低い状態でクラッチを締結させると、エンジンブレーキトルクによって、車両に減速ショックが発生するおそれがあり、特に実際のエンジン回転数と所望のエンジン回転数の乖離が大きい場合には、クラッチ締結直後にホイールロックが発生して、車両の挙動を乱すおそれもある。
このような問題を解決すべく、クラッチペダルやシフトレバーの状態を観測して、変速操作中と判断された場合には、車速制限機能を一時的に解除する技術が知られている(例えば特許文献2を参照)。
特開2003−148193号公報 特開平11−35100号公報
前記特許文献2に示すような車速制限機能は、燃料噴射量や点火時期を調整してエンジン出力を抑える方法を採用しているので、エンジン出力制限値を緻密に制御することは困難であった。
従って、変速操作中に車速制限機能を一時解除する場合には、エンジン出力の制限を完全に無効化するものが主流であった。その結果、変速操作時のエンジン回転数合わせに必要とされるエンジン出力は、運転者のアクセルペダル操作によって実現可能となるものの、運転者がアクセルペダルをより深く踏み込めば、変速操作時のエンジン回転数合わせに必要とされる以上にエンジン回転数を上昇させることも可能となってしまい、このような状態でクラッチを締結させると、直後に速度制限機能に設定された制限速度を超過してしまうおそれがあった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、変速操作中におけるエンジン回転数合わせに適切に対応でき、且つ必要以上のエンジン回転数の上昇を制限できるエンジン制御装置を提供することである。
前記課題を解決する本発明のエンジン制御装置は、エンジンと手動変速機を有する車両のエンジン制御装置であって、運転者要求出力が予め設定された速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ手動変速機が変速操作中の場合には、エンジンのエンジン出力制限値として変速操作中用エンジン出力制限値が選択されることを特徴とする。
従って、運転者要求出力が速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ手動変速機が変速操作中の場合は、変速操作中用エンジン出力制限値が選択されるので、エンジン要求出力を速度制限用エンジン出力制限値よりも大きくすることができ、変速時におけるエンジン回転数合わせを不自由なく行うことができる。
また、変速操作中は、エンジン要求出力を無制限に大きくすることを可能にするものではなく、エンジン要求出力を速度制限用エンジン出力制限値から変速操作中用エンジン出力制限値に切り換える方法を採用している。
従って、変速操作中に運転者がエンジン回転数合わせに必要とされる以上にアクセルペダルを操作してしまった場合でも、エンジン回転数の不要な上昇を抑制でき、クラッチの締結時に速度が制限速度を超過してしまうのを防ぐことができる。
また、本発明のエンジン制御装置は、運転者要求出力が速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ変速操作中である場合に、変速操作中用エンジン出力制限値と速度制限用エンジン出力制限値とを比較して、変速操作中用エンジン出力制限値が速度制限用エンジン出力制限値よりも大きいときのみ、エンジンのエンジン出力制限値として変速操作中用エンジン出力制限値が選択されることが好ましい。
これによれば、変速操作中用エンジン出力制限値が速度制限用エンジン出力制限値よりも大きいときのみ、エンジンのエンジン出力制限値として変速操作中用エンジン出力制限値が選択されるので、変速操作中に運転者によるアクセルペダルの操作を伴わずにエンジン出力が低く抑えられてしまうのを防ぎ、運転者に違和感が与えられてしまうのを回避することができる。
本発明によれば、速度制限機能が有効な場合における変速操作時のエンジン出力制限値を適切に制御することで、エンジン回転数合わせに不便を感じさせることなく、かつエンジン回転数の必要以上の上昇によるクラッチ締結直後に発生し得る制限速度超過を回避することができ、運転性の向上が実現される。
本実施の形態に係わるエンジン制御装置の内部機能を説明するブロック図。 本発明を実現するシステム構成の一例を示す図。 車両の速度が制限される場合のエンジン要求出力の変化を示す図。 従来の動作例を示した図。 従来の動作例を示した図。 本実施の形態に係わるエンジン制御装置の動作例を示した図。 本実施の形態に係わるエンジン制御方法を説明するフローチャート。
次に、本実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係わるエンジン制御装置の内部機能を説明するブロック図である。
エンジン制御装置100は、手動変速機を備えた自動車のエンジンを制御するエンジンコントロールユニット101の内部に構成される。
エンジン制御装置100は、変速操作判定手段109と、変速操作中用エンジン出力制限値算出手段110と、エンジン要求出力演算手段102を有しており、これらの各手段は、エンジンコントロールユニット101内における専用のプログラムの実行によって具現化される。
変速操作判定手段109には、運転者等によって速度制限を設定するか否かを操作可能な速度制限機能スイッチ、エンジン回転数、車速、クラッチの締結または解除を検出するクラッチスイッチ、手動変速機のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ等の情報が入力される。
変速操作判定手段109では、これらの情報に基づいて、速度制限機能が有効な状態において運転者によって手動変速機の変速操作が行われているか否かを判定し、その変速操作判定結果をエンジン要求出力演算手段102に出力する。
変速操作中用エンジン出力制限値算出手段110には、速度制限機能スイッチ、エンジン回転数、車速、シフトポジション、変速操作判定結果、後述する速度制限用エンジン出力制限値等の情報が入力される。
前記変速操作中用エンジン出力制限値算出手段110は、変速操作判定手段109によって判定された変速操作判定結果が変速操作中の場合に、これらの入力に基づいて変速操作中用エンジン出力制限値を算出する。
エンジン要求出力演算手段102には、運転者要求出力、速度制限用エンジン出力制限値、クルーズコントロール要求出力、リンプホーム要求出力等の各種エンジン要求出力と、変速操作判定手段109の変速操作判定結果が入力される。
運転者要求出力は、運転者によって操作されるアクセルペダルの踏み込み量に基づいて算出される。速度制限用エンジン出力制限値は、図示していない速度制限値設定手段によって設定された速度制限値に基づいて設定される。速度制限値設定手段は、運転者等によって速度制限値を任意に設定可能な構成を有している。速度制限値は、車両の最高速度を任意に設定するものである。
クルーズコントロール要求出力は、クルーズ走行を実現するためのエンジン要求出力であって、図示していないクルーズコントロール手段によって設定される。リンプホーム要求出力は、アクセルペダルの踏み込み量を検出するセンサ等の故障が検出された時に使用されるエンジン要求出力であり、図示していないリンプホーム制御手段によって設定される。
エンジン要求出力演算手段102では、これらの入力に基づいて、状況に応じた最適なエンジン出力制限値を選択し、最終的なエンジン要求出力を演算する。例えば、変速操作判定手段109によって判定された変速操作判定結果が変速操作中である場合には、速度制限用エンジン出力制限値の代わりに、変速操作中用エンジン出力制限値をエンジンのエンジン出力制限値として選択する処理を行う。
エンジン制御装置100は、エンジン要求出力演算手段102によって演算されたエンジン要求出力を実現すべく、電制スロットル弁106、インジェクタ107、点火コイル108等の各種アクチュエータを、それぞれ最適に駆動する。電制スロットル弁106は、エンジンの吸気通路に設けられており、電子制御によってモータを駆動し、吸気通路内におけるスロットル弁の開度を調整する構成を有している。
空気量制御手段103は、電制スロットル弁106を制御して、エンジンに吸入される吸入空気量を制御する。燃料噴射制御手段104は、インジェクタ107を制御して燃料噴射量および燃料噴射時期を制御する。点火時期制御手段105は、点火コイル108を制御して点火時期を制御する。
また、エンジン要求出力演算手段102は、最終的にエンジン要求出力として選択された要求出力が、どの入力のものであるかを判別し、エンジン要求出力と共にその調停結果判別情報を出力する。
図2は、本発明を実現するシステム構成の一例を示す図である。エンジン制御装置100が内部に構成されるエンジンコントロールユニット101には、エンジン回転数センサ、車速センサ、吸入空気量センサ、アクセル開度センサ等の各種センサ信号が入力される。
エンジンコントロールユニット101は、マイクロコンピュータを有しており、RAMの一時記憶機能を利用しながら、ROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。エンジンコントロールユニット101において、演算された制御信号は、電制スロットル弁106、インジェクタ107、点火コイル108等の各種アクチュエータへ出力される。
次に、図3を用いて、車両の速度を制限する方法について説明する。
図3は、車両の速度が制限される場合のエンジン要求出力の変化を示す図である。まず、図3の時間(a)以前では、運転者要求出力が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも小さいので、アクセルペダルの踏み込み量に基づいて算出された運転者要求出力L0がエンジン要求出力として用いられる。
次に、図3の時間(a)から時間(b)の間では、運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きいので、運転者が設定した制限速度以上に車両が加速することを防ぐ為に、エンジン要求出力として速度制限用エンジン出力制限値L1が選択される。
つまり、時間(a)から時間(b)の間では、実際のアクセルペダルの踏み込み量に代表される運転者要求出力の代わりに、速度制限用エンジン出力制限値L1を各種演算に用いることで、速度制限用エンジン出力制限値L1以上の運転者要求出力L0は全て無視している。
以降、同様に、図3の時間(b)から時間(c)の間、及び図3の時間(d)以降では、運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも小さいので、エンジン要求出力として運転者要求出力L0が選択される。
そして、図3の時間(c)から時間(d)の間では、運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きいので、エンジン要求出力として速度制限用エンジン出力制限値L1が選択される。以上のようにして、運転者が設定した制限速度以上に加速しないようにエンジン要求出力を制御している。
尚、図3は速度制限機能の概要を説明する為に簡易化されており、エンジン要求出力が、運転者要求出力と速度制限用エンジン出力制限値の間で切り替わる各点において、他方へ直接遷移しているが、実際には前記のような切り替わり点において、急激なトルクの変動による運転性の悪化を回避する為に、両要求出力の間を徐々に遷移するように制御されている。
具体的には、例えば、図3の時間(a)の近傍において、車速が制限車速から所定の範囲内に入ると、エンジン要求出力は、運転者要求出力から所定の傾きで速度制限用エンジン出力制限値へ向かって変化する。つまり、制限速度に到達する直前では、エンジン要求出力はなだらかに変化し、車速もなだらかに速度制限機能の制限車速に向かって収束する。
ここで、運転者が図3の時間(a)から時間(b)の付近、もしくは図3の時間(c)から時間(d)の付近のように、運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きい状況、もしくは運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1に近い状況において、運転者が変速操作を行うとする。
このとき、速度制限機能が無効な状態、つまり、運転者要求出力L0が、常時エンジン要求出力として採用されている状態では、変速操作時に運転者がアクセルペダルを踏み込めば、それに応じてエンジン要求出力が上昇し、エンジン回転数も上昇する。従って、エンジン回転数合わせが可能であり、変速先のギアへスムーズに締結することができる。
一方で、速度制限機能が有効な状態、つまり、速度制限用エンジン出力制限値L1によってエンジン要求出力が制限されている状態では、変速操作時に運転者がアクセルペダルを踏み込んでも、運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1に達すると、それ以上はエンジン要求出力が上昇せず、エンジン回転数も上昇しない。従って、エンジン回転数合わせが困難であり、変速先のギアへスムーズに締結することができない場合が存在する。
このような状況を回避する為には、速度制限機能が有効な場合の変速操作において、速度制限用エンジン出力制限値L1によるエンジン要求出力の制限を一時的に解除することが考えられる。
しかしながら、速度制限用エンジン出力制限値L1によるエンジン要求出力の制限が解除された状態で、運転者が変速操作に求められる以上にアクセルペダルを踏み込むと、それに応じてエンジン要求出力は上昇し、エンジン回転数が必要以上に上昇してしまう。
このような状態で、クラッチを締結させると、車両は加速することとなり、変速操作が完了して、再び速度制限用エンジン出力制限値によるエンジン要求出力の制限が有効となるまでの期間において、速度制限機能に設定された制限速度を超過する恐れがある。
従って、本発明では、速度制限機能が有効な場合の変速操作中に、速度制限用エンジン出力制限値L1によるエンジン要求出力の制限を解除するのではなく、一時的に別の制限へ切り替えることとする。この速度制限用エンジン出力制限値L1の代わりに用いる制限が変速操作中用エンジン出力制限値L2であり、変速操作時のエンジン回転数合わせに必要とされる値に相当する。
次に、図4〜図6を用いて、従来の動作例と、エンジン制御装置100の動作例について説明する。図4および図5は、従来の動作例を示すタイムチャート、図6は、エンジン制御装置100による動作例を示すタイムチャートである。図4〜図6では、速度制限機能が有効であり、時間(m)と時間(n)の間、および時間(o)と時間(p)の間で、変速操作が行われたとする。
図4に示す従来の動作例は、速度制限用エンジン出力制限値L1によるエンジン要求出力の制限を変速操作中も解除しない場合である。変速操作中である図4の時間(m)と時間(n)の間、および時間(o)と時間(p)の間においても、エンジン要求出力は速度制限用エンジン出力制限値L1の制限を受けており、エンジン要求出力は速度制限用エンジン出力制限値L1に等しい。
この状況においては、運転者がアクセルペダルを踏み込んで、速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きい出力を要求しても、その運転者要求出力L0はエンジン要求出力には反映されない。従って、所望のエンジン回転数に到達させることができず、変速操作時のエンジン回転数合わせが困難な場合が生ずるおそれがある。
また、図5に示す従来の動作例は、変速操作中に速度制限用エンジン出力制限値L1によるエンジン要求出力の制限を解除する場合である。変速操作中である図5の時間(m)と時間(n)の間、および時間(o)と時間(p)の間においては、エンジン要求出力は速度制限用エンジン出力制限値L1の制限を受けていない。従って、エンジン要求出力は運転者要求出力に等しくなり、変速操作時にエンジン回転数合わせを実現することはできる。
しかしながら、図5の時間(o)と時間(p)の間に示すように、運転者要求出力が変速操作中用エンジン出力制限値よりも大きい場合には、エンジン回転数がエンジン回転数合わせに必要とされる以上の値まで、上昇してしまうことがある。従って、かかる状態でクラッチを締結すると、直後に速度制限機能に設定された制限速度を超過してしまう可能性があった。
そこで、エンジン制御装置100を適用した場合の動作例について図6を用いて説明する。
変速操作中である図6の時間(m)と時間(n)の間、および時間(o)と時間(p)の間において、エンジン要求出力には、速度制限用エンジン出力制限値L1の代わりに、変速操作中用エンジン出力制限値L2が選択されている。
図6の時間(m)と時間(n)の間では、変速操作中用エンジン出力制限値L2が運転者要求出力L0よりも大きいので、図5の時間(m)と時間(n)の間と同様に、エンジン要求出力として運転者要求出力が選択される。
一方で、図6の時間(o)と時間(p)の間では、変速操作中用エンジン出力制限値L2が運転者要求出力L0よりも小さいので、エンジン要求出力として変速操作中用エンジン出力制限値L2が選択される。
これにより、図6の時間(o)と時間(p)の間では、エンジン回転数がエンジン回転数合わせに必要とされる以上に上昇することを回避可能となり、この状態でクラッチを締結しても、直後に速度制限機能に設定された制限速度を超過してしまうことはない。
尚、図6では、変速操作中用エンジン出力制限値L2が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きい場合について述べたが、実際の変速操作では、変速操作中用エンジン出力制限値L2が速度制限用エンジン出力制限値L1以下の場合もある。
このような場合において、エンジン出力制限値を、速度制限用エンジン出力制限値L1を変速操作中用エンジン出力制限値L2に切り替えると、運転者のアクセルペダル操作を伴わずにエンジン回転数が低下して、運転者に違和感を与えるおそれがある。
従って、変速操作中用エンジン出力制限値L2と速度制限用エンジン出力制限値L1を比較して、変速操作中用エンジン出力制限値L2が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きい場合にのみ、速度制限用エンジン出力制限値L1の代わりに変速操作中用エンジン出力制限値L2をエンジン出力制限値として選択することで、変速操作中の違和感の発生を回避している。
図7は、エンジン制御装置100のエンジン制御方法を説明するフローチャートである。
まず、最初に速度制限機能が有効であるか否かを判定する(S701)。処理S701において、速度制限機能が有効である(YES)と判定された場合には、次に変速操作中か否かを判定する(S702)。処理S702において、変速操作中である(YES)と判定された場合には、変速操作中用エンジン出力制限値L2を算出する(S703)。続けて、処理S703によって算出された変速操作中用エンジン出力制限値L2が、速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きいか否かを判定する(S704)。
処理S704において、変速操作中用エンジン出力制限値L2が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きい(YES)と判定された場合には、速度制限用エンジン出力制限値L1の代わりに、処理S703で算出した変速操作中用エンジン出力制限値L2をエンジン要求出力として選択する(S705)。
また、処理S701、S702、S704の各条件判定のいずれかにおいて、条件が不成立(NO)と判定された場合には、速度制限用エンジン出力制限値L1をそのままエンジン出力制限値として採用する。
処理S701の判定は、例えば速度制限機能のスイッチ状態に基づいて行われる。処理S702の判定は、車両のシステム構成に準じて行われる。通常は、変速操作中にクラッチが開放されることから、クラッチの締結と開放を検出するクラッチスイッチからの情報に基づいて変速操作中であるか否かを判定する方法が容易である。
しかしながら、クラッチスイッチは、開放と締結の二つの状態を検出するのみであり、いわゆる半クラッチの状態を検出することは困難である。従って、例えば、シフトポジションセンサによる手動変速機のシフトポジションの検出情報を用いる方法や、エンジン回転数と車速の比率が所定範囲内に収まっているか否かによって、クラッチの締結状態を判定する方法等と組み合わせると良い。
処理S703では、車速とシフトポジションに基づいて、変速操作中用エンジン出力制限値L2を算出する。クラッチが締結された状態でのエンジン回転数と車速の比率は、変速比によって一意に定まる。
従って、変速操作後にも同じ車速を保つ為に必要となるエンジン回転数は、変速操作後の変速比(シフトポジション)から求めることができ、そのエンジン回転数を実現するエンジン要求出力が変速操作中用エンジン出力制限値である。
例えば、運転者要求出力L0によって実現されるエンジン回転数が目標のエンジン回転数近傍に達したら、運転者要求出力L0の代わりに、目標のエンジン回転数に向けてフィードバック制御を行うことで、変速操作中用エンジン出力制限値L2を算出することができる。
また、処理S703において、エンジン出力に基づいて変速操作中用エンジン出力制限値L2を算出してもよい。同じ車速を保つ為に必要とされる駆動力は、ギア位置に依らず一定である。また、前述の通り、変速操作後のエンジン回転数は、変速操作後の変速比から求めることができる。従って、例えば、駆動力とエンジン回転数を用いてデータマップを参照することで、変速操作後に必要となるエンジン出力を求めることができ、そのエンジン出力が変速操作中用エンジン出力制限値L2となる。
このようにして、運転状況に適したエンジン出力制限値を算出している。尚、変速操作時のエンジン回転数合わせにおいて、高いエンジン出力が要求されるのはシフトダウン操作の場面である。
処理S703では、ギアを複数段飛ばしてシフトダウン操作することを想定して、変速操作後の変速比として、現在のギア位置よりも複数段低いギア位置の変速比を用いることで、変速操作中用エンジン出力制限値L2を大きな値に設定することも可能である。
しかしながら、速度制限機能の制限速度超過を回避するには、変速操作中用エンジン出力制限値L2を必要以上に大きくすることは好ましくないので、前述の変速操作後の変速比は、現在のギア位置よりも一段低いギア位置の変速比とすることが望ましい。
処理S704の判定は、処理S703において算出した変速操作中用エンジン出力制限値L2と、速度制限用エンジン出力制限値L1を比較することで行う。
処理S705では、処理S701、S702、S704の各条件判定の全てにおいて、条件が成立と判定された場合に、速度制限用エンジン出力制限値L1の代わりに、処理S703で算出した変速操作中用エンジン出力制限値L2を選択する。
上記したエンジン制御装置100によれば、運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きく且つ非変速操作中の場合はエンジン出力制限値として速度制限用エンジン出力制限値L1が選択され、運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きく且つ変速操作中の場合はエンジン要求出力として変速操作中用エンジン出力制限値L2が選択される。
従って、変速操作中は、速度制限用エンジン出力制限値L1ではなく、変速操作中用エンジン出力制限値L2が選択され、エンジン要求出力が速度制限用エンジン出力制限値L1によって制限されるのを防ぐことができる。従って、エンジン要求出力を速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きくすることができ、変速時におけるエンジン回転数合わせを不自由なく行うことができる。
また、変速操作中は、エンジン要求出力を無制限に大きくすることを可能にするものではなく、エンジン要求出力を速度制限用エンジン出力制限値L1から変速操作中用エンジン出力制限値L2に切り換える方法を採用している。
従って、変速操作中に運転者がエンジン回転数合わせに必要とされる以上にアクセルペダルを操作してしまった場合でも、エンジン回転数の不要な上昇を抑制でき、クラッチの締結時に速度が制限速度を超過してしまうのを防ぐことができる。
また、エンジン制御装置100は、運転者要求出力L0が速度制限用エンジン出力制限値L1よりも大きく且つ変速操作中である場合に、変速操作中用エンジン出力制限値L1と速度制限用エンジン出力制限値L2とを比較する。そして、変速操作中用エンジン出力制限値L1が速度制限用エンジン出力制限値L2よりも大きいときのみ、エンジンのエンジン出力制限値として変速操作中用エンジン出力制限値L1が選択され、変速操作中用エンジン出力制限値L1が速度制限用エンジン出力制限値L2以下のときは、エンジンのエンジン出力制限値として速度制限用エンジン出力制限値L2が選択されることが好ましい。
これによれば、変速操作中用エンジン出力制限値L1が速度制限用エンジン出力制限値L2よりも大きいときのみ、エンジンのエンジン出力制限値として変速操作中用エンジン出力制限値L1が選択されるので、変速操作中に運転者によるアクセルペダルの操作を伴わずにエンジン出力が低く抑えられてしまうのを防ぎ、運転者に違和感が与えられてしまうのを回避することができる。
上記したエンジン制御装置100によれば、速度制限機能が有効な場合における変速操作時のエンジン出力制限値を適切に制御することで、エンジン回転数合わせに不便を感じさせることなく、かつエンジン回転数の必要以上の上昇によるクラッチ締結直後に発生し得る制限速度超過を回避することができ、運転性の向上が実現される。
尚、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、運転者が任意に制限速度を設定可能な構成の場合について説明したが、地図情報等に基づいて制限速度が設定される構成についても適用することができる。
101 エンジンコントロールユニット
102 エンジン要求出力演算手段
103 空気量制御手段
104 燃料噴射制御手段
105 点火時期制御手段
106 電制スロットル弁
107 インジェクタ
108 点火コイル
109 変速操作判定手段
110 変速操作中用エンジン出力制限値算出手段
302 IGNセンサ
303 エンジン回転数センサ
304 アクセル開度センサ
305 スロットル開度センサ
306 吸入空気量センサ
307 吸入空気温センサ
308 ブレーキ操作量センサ
309 車速センサ

Claims (10)

  1. エンジンと手動変速機を有する車両のエンジン制御装置であって、
    運転者要求出力が予め設定された速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ非変速操作中の場合は前記エンジンのエンジン出力制限値として速度制限用エンジン出力制限値が選択され、
    前記運転者要求出力が前記速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ変速操作中である場合に、変速操作中用エンジン出力制限値と前記速度制限用エンジン出力制限値とを比較して、
    前記変速操作中用エンジン出力制限値が前記速度制限用エンジン出力制限値よりも大きいときのみ、前記エンジンのエンジン出力制限値として前記変速操作中用エンジン出力制限値が選択されることを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 前記運転者要求出力が前記速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ変速操作中である場合に、
    前記運転者要求出力が前記変速操作中用エンジン出力制限値以下のときは、前記エンジンのエンジン要求出力として運転者要求出力が用いられることを特徴とする請求項に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記変速操作中用エンジン出力制限値は、前記エンジンのエンジン回転数と前記手動変速機のシフトポジションに基づいて算出されることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン制御装置。
  4. 前記速度制限用エンジン出力制限値は、任意に設定可能であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一つに記載のエンジン制御装置。
  5. エンジンと手動変速機を有する車両のエンジン制御装置において、
    前記車両の速度を制限するための速度制限用エンジン出力制限値を設定する速度制限用エンジン出力制限値設定手段と、
    前記エンジンに対して運転者が要求する運転者要求出力を算出する運転者要求出力算出手段と、
    前記手動変速機の変速操作中における前記エンジンの変速操作中用エンジン出力制限値を算出する変速操作中用エンジン出力制限値算出手段と、
    前記手動変速機の変速操作が行われているか否かを判定する変速操作判定手段と、
    前記運転者要求出力が前記速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ前記変速操作手段により非変速操作中であると判定されたときは前記エンジン出力制限値として速度制限用エンジン出力制限値を選択し、前記運転者要求出力が前記速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ前記変速操作判定手段により速操作中であると判定されたときは、前記変速操作中用エンジン出力制限値と前記速度制限用エンジン出力制限値とを比較して、前記変速操作中用エンジン出力制限値が前記速度制限用エンジン出力制限値よりも大きいときのみ、前記エンジンのエンジン出力制限値として前記変速操作中用エンジン出力制限値を選択するエンジン要求出力演算手段と、
    を有することを特徴とするエンジン制御装置。
  6. 前記エンジン要求出力演算手段は、前記運転者要求出力が前記速度制限用エンジン出力制限値よりも大きく且つ前記変速操作判定手段により変速操作中であると判定された場合に、前記運転者要求出力と前記変速操作中用エンジン出力制限値とを比較し、前記運転者要求出力が前記変速操作中用エンジン出力制限値以下のときは、前記エンジンのエンジン要求出力として前記運転者要求出力を用いることを特徴とする請求項に記載のエンジン制御装置。
  7. 前記変速操作中用エンジン出力制限値算出手段は、前記車両の速度と前記手動変速機のシフトポジションに基づいて前記変速操作中用エンジン出力制限値を算出することを特徴とする請求項5または6に記載のエンジン制御装置。
  8. 速度制限値を設定する速度制限値設定手段を備え、
    前記速度制限用エンジン出力制限値設定手段は、該速度制限値設定手段により設定された速度制限値に基づいて前記速度制限用エンジン出力制限値を設定することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一つに記載のエンジン制御装置。
  9. 前記運転者要求出力算出手段は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて前記運転者要求出力を算出することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一つに記載のエンジン制御装置。
  10. 前記エンジン要求出力演算手段によって演算されたエンジン要求出力に基づいて前記エンジンの電制スロットル弁を制御する空気量制御手段を有することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一つに記載のエンジン制御装置。
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