JP5020872B2 - 気体圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は気体圧縮機に関し、詳細には、圧縮機本体から吐出された圧縮気体から油分を遠心分離する油分離器の改良に関する。
従来より、空気調和システム(以下、空調システムという。)には、冷媒ガスなどの気体を圧縮して、空調システムに気体を循環させるための気体圧縮機(コンプレッサ)が用いられている。
ここで、一般的なコンプレッサは、気体を圧縮して吐出する圧縮機本体と、この圧縮機本体から吐出された圧縮冷媒ガスから冷凍機油等の油分を分離する油分離器とを備えた構成となっている。
油分離器としては、例えば、排油路が形成された端壁で下端面が閉じられた略円柱状の空間を有する本体部材と、本体部材の略円柱状の空間と略同軸であって本体部材の内側に配設された略円筒状の内筒部材とを有して、本体部材の内周面と内筒部材の外周面とによって画成された略円筒状の空間(油分離空間)を、圧縮冷媒ガスを旋回させながら通過させることにより、冷凍機油を遠心分離させるものが知られている(特許文献1)。
ここで、内筒部材と本体部材とは別体部品であり、内筒部材は本体部材に圧入や加締めによって本体部材に固定され、油分離器全体として一体的に構成されている。
特開2007−327340号公報
ところで、圧縮機本体は、空調システムの所望出力に応じて、その回転数が変化するが、高速回転時には、油分離器の油分離空間での流速が非常に速くなり、遠心分離による油分離性能は通常の運転時よりも向上する。
一方、油分離性能が向上することによって、冷媒ガスとともに、気体圧縮機から空調システムに吐き出される冷凍機油の量は減ること(OCR(Oil Content Rate;オイル循環率)の低下)になるが、空調システム(凝縮器)への冷凍機油の流出量が減ると、空調システム(蒸発器)から冷媒ガスとともに気体圧縮機に戻される冷凍機油も減ることになる。すると、圧縮室に吸入される冷媒ガスに混在している冷凍機油の量が減ることとなり、冷媒ガスとともに圧縮室内に導入される冷凍機油が減少し、冷却媒体として作用する冷凍機油の減少によって、圧縮室から吐出された冷媒ガスの温度が高くなり、結果的に体積効率の低下を招く。
そこで、高速回転時には、OCRの過度の低下を防ぐことが求められている。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、高速回転時にオイル循環率の過度の低下を防ぐことができる気体圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る気体圧縮機は、圧縮機本体から油分離器に圧縮気体を通過させる圧縮気体通路または油分離器の油分離空間に、圧力弁を設けて、気体圧縮機の高速回転によって、これら圧縮気体通路または油分離空間の内圧が高くなったときは圧力弁を開いて、油分離が十分なされていない圧縮気体を、圧力バイパス通路を介して気体圧縮機からシステムに吐出して、オイル循環率(OCR)の過度の低下を防ぐものである。
すなわち、本発明に係る気体圧縮機は、供給された気体を高圧の圧縮気体に圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体から吐出された圧縮気体から油分を分離する油分離器と、前記圧縮気体が前記圧縮機本体から前記油分離器まで通過する圧縮気体通路とを備え、前記油分離器は、前記圧縮気体が導入されて前記油分を分離する油分離空間を有し、前記油分離空間に、前記油分離空間の内圧よりも相対的に圧力が低い空間に連通する圧力バイパス通路が形成され、前記圧力バイパス通路には、前記圧力バイパス通路が形成された前記油分離空間の内圧に応じて、前記圧力バイパス通路を開閉する圧力弁が設けられていることを特徴とする。
このように構成された本発明に係る気体圧縮機によれば、圧縮機本体の高速回転によって、圧縮機本体から油分離器に吐出される圧縮気体の圧力が高められると、圧縮気体が通過する、圧縮機本体から油分離器までの圧縮気体通路および油分離器の油分離空間の内圧が高くなる。
そして、圧縮気体通路および油分離器の油分離空間の内圧が高くなると、圧縮気体通路または油分離空間の内圧に応じて開閉する圧力弁が、圧縮気体通路または油分離空間とこれらの空間よりも相対的に圧力の低い空間とを連通させる圧力バイパス通路を開き、この結果、圧縮気体通路および油分離空間は、相対的に圧力の低い空間に連通し、圧縮気体通路または油分離空間内の圧縮気体は、油分離空間内で油分の分離が十分になされる以前に、圧力バイパス通路を通って相対的に圧力の低い空間に逃げる。
したがって、その相対的に圧力の低い空間に逃げた圧縮気体は、油分離空間で油分離が十分になされた後の本来の圧縮気体よりも油分を多く含むこととなり、従来よりも油分を多く含んだ圧縮気体が、相対的に圧力の低い空間から気体圧縮室の外部(空調システム)に吐出されることで、OCRが増大し、高速運転時におけるOCRの過度の低下を防ぐことができる。
なお、前記相対的に圧力が低い空間は、油分離空間で冷凍機油が遠心分離された後の圧縮冷媒ガスが吐出される空間(吐出室)であり、この吐出室に通じる油分離空間からの通路よりも広い空間であるため、圧縮気体が油分離器の内部(油分離空間内)から油分離器の外部(吐出室)に吐出された際の圧力差が非常に大きくなる。したがって、圧力弁を開閉させる圧力の閾値を設定し易い。
なお、圧力弁が圧力バイパス通路を開いて油分離空間の圧力が下げられることにより、油分離空間を画成する部材の必要強度を従来よりも低く設定することもできる。
本発明の気体圧縮機において、圧力弁が油分離器の油分離空間に設けられていて、油分離器として、一端が閉じられた略円柱状の空間を形成するとともに、閉じられていない側の端部に座面が形成された本体部材と、この略円柱状の空間よりも小径の略円筒状の内筒部を有するとともに内筒部の端部に連なり、座面に当接可能のフランジ部を有する内筒部材と、本体部材の略円柱状の空間の軸方向に沿って略円柱状の空間の内部に内筒部材の内筒部を配設した状態で本体部の座面に内筒部材のフランジ部が当接するように内筒部材を本体部材に付勢するバネと、を備えたものとし、本体部材の内面と内筒部材の内筒部の外面とによって画成された略円筒状空間が、油分離空間であり、バネは、油分離空間の内圧が予め設定された所定の圧力以上のとき、油分離空間の内圧により、内筒部材のフランジ部が座面から離れるように設定されていて、座面とフランジ部とバネとが圧力弁となり、座面とフランジ部との間の隙間が圧力バイパス通路となるように構成されたものでは、以下の一層優れた効果を発揮する。
すなわち、圧縮機本体の高速回転によって、圧縮室から吐出された圧縮冷媒ガスの圧力が過度に高くなると、油分離器の油分離空間の内圧も過度に高くなり、加締めや圧入による本体部材と内筒部材との固定が不安定となって、固定が外れる虞がある。
しかし、本発明に係る気体圧縮機によれば、油分離器の油分離空間の内圧が過度に高くなると、内筒部材のフランジ部を本体部材の座面に当接させるようにフランジ部を付勢しているバネが、その内圧によって、バネの有する弾性力に抗して弾性変形させられ、フランジ部は座面から離れる。
この結果、座面とフランジ部との間にできた隙間が、上述した圧力バイパス通路として機能するとともに、座面とフランジ部とバネとが、上述した圧力弁として機能し、油分離空間の圧縮気体は、この圧力バイパス通路を通って、上述した吐出室に逃がされ、気体圧縮室の外部(空調システム)に吐出される。
圧縮機本体が高速回転から低くなると、油分離器の油分離空間の内圧が低くなり、フランジ部を付勢するバネの弾性変形量が低減して、内筒部材のフランジ部を本体部材の座面に元の通り当接させ、圧力バイパス通路は閉じられて、油分離器は、元の油分離機能を発揮する。
したがって、圧縮機本体の高速回転によっても、従来の気体圧縮機による油分離器のように本体部材と内筒部材との固定が不安定となることがなく、また、高速回転から低回転に戻ったときには、元の油分離性能を維持することができる。
本発明に係る気体圧縮機によれば、高速回転時にオイル循環率の過度の低下を防ぐことができる。
以下、本発明の気体圧縮機に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサ100を示す縦断面図、図2は図1におけるサイクロンブロック70の詳細を示す拡大図である。
図示のコンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、単に空調システムという。)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する。)とともに、冷却媒体の循環経路上に設けられている。
そして、コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスG(気体、圧縮気体)を圧縮し、この圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを周囲の空気等との間で熱交換することにより冷媒ガスGから放熱させて液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
気化した低圧の冷媒ガスGは、コンプレッサ100に戻って圧縮され、以下、上記工程を繰り返す。
コンプレッサ100は、圧縮機本体60と遠心分離式の油分離器であるサイクロンブロック70とをハウジング10の内部に収容している。
ハウジング10は、一端が閉じられ、他端が開放された筒状体を呈したケース11と、このケース11の開放された他端を覆うフロントヘッド12とからなり、フロントヘッド12がケース11に組み付けられた状態で、ハウジング10の内部に、圧縮機本体60およびサイクロンブロック70(油分離器)を収容する空間が画成される。
フロントヘッド12には、蒸発器から供給された低圧の冷媒ガスGを内部に取り込む吸入ポート12aが形成されており、ケース11には、圧縮機本体60で圧縮された高圧の冷媒ガスGを凝縮器に吐出する吐出ポート11aが形成されている。
圧縮機本体60は、軸回りに回転駆動される回転軸51と、この回転軸51と一体的に回転する円柱状のロータ50と、ロータ50の外周面の外方を取り囲む断面輪郭略楕円形状の内周面49を有するとともに両端が開放されたシリンダ40と、ロータ50の外周に、外方に向けて突出可能に埋設され、その突出側の先端がシリンダ40の内周面49の輪郭形状に追従するように突出量が可変とされ、回転軸51回りに等角度間隔でロータ50に埋設された5枚の板状のベーン58と、シリンダ40の両側開放端面の外側からそれぞれ開放端面を覆うように固定されたフロントサイドブロック30およびリヤサイドブロック20とからなる。
そして、2つのサイドブロック20,30、ロータ50、シリンダ40、および回転軸51の回転方向に相前後する2つのベーン58,58によって画成された各圧縮室48の容積が、回転軸51の回転にしたがって増減を繰り返すことにより、フロントサイドブロック30を介して各圧縮室48に吸入された冷媒ガスGを圧縮して、リヤサイドブロック20を介して吐出するように構成されている。
なお、ロータ50の両端面側からそれぞれ突出した回転軸51の部分のうち一方の部分は、フロントサイドブロック30の軸受部32に軸支されるとともに、フロントヘッド12を貫通して外方まで延び、図示しない外部の動力が伝達される駆動力伝達部80に連結されている。
回転軸51の突出部分のうち他方の側は、リヤサイドブロック20の軸受部22により軸支されている。
ケース11と圧縮機本体60およびサイクロンブロック70とによって画成された吐出室21は、圧縮機本体60からサイクロンブロック70を介して冷媒ガスGが吐出される空間であり、前述の吐出ポート11aは、この吐出室21に連通している。
吐出室21の底部には、サイクロンブロック70によって冷媒ガスGから分離された冷凍機油Rが溜められていて、この冷凍機油Rは、ベーン58を突出させるための背圧や圧縮室48の潤滑油等として、リヤサイドブロック20等に形成された導油路を通って圧縮機本体60の内部に供給されている。
サイクロンブロック70は、圧縮機本体60のリヤサイドブロック20に組み付けられていて、圧縮室48からリヤサイドブロック20を介して吐出された高圧の冷媒ガスGから冷凍機油R(油分)を分離するものであり、図2に詳細を示すように、下端が閉じられた略円柱状の空間71dを形成するとともに、閉じられていない側の端部側に座面71eが形成された本体部材71と、この本体部材71の略円柱状の空間71dよりも小径の略円筒状の内筒部72aを有するとともに、内筒部72aの上端部に連なり、本体部材71の座面71eに当接可能のフランジ部72bを有する内筒部材72と、本体部材71の略円柱状の空間71dの軸方向に沿って、略円柱状の空間71dの内部に内筒部材72の内筒部72aを配設した状態で、本体部材71の座面71eに内筒部材72のフランジ部72bが当接するように内筒部材72を本体部材71に付勢するつるまきバネ73と、このつるまきバネ73の他端側(フランジ部72bに当接していない側)が変位しないように押さえる押さえ部材74とを備えている。
ここで、本体部材71の下端には、このサイクロンブロック70によって、冷媒ガスGから分離された冷凍機油Rを吐出室21の底部に排出する排出孔71cが形成されている。
押さえ部材74は、加締めや螺合によって本体部材71の上端部に固定されており、その中央部には、冷媒ガスGを吐出室21に通過させるガス排出孔74aが形成されている。
また、内筒部材72のフランジ部72bを本体部材71の座面71eに当接させた状態に付勢するつるまきバネ73は、押さえ部材74と内筒部材72との間に挟持されている。
圧縮室48から吐出された高圧の冷媒ガスGは、図2に示すように、リヤサイドブロック20に形成された第1通路25、並びにリヤサイドブロック20に形成された第2通路71aおよび第3通路71bからなる圧縮ガス通路(圧縮気体通路)を通過して、サイクロンブロック70の本体部材71の内面と内筒部材72の内筒部72aの外面とによって画成された略円筒状空間75に吐出される。
そして、この略円筒状空間75に吐出された高圧の冷媒ガスGは、吐出された際の気流によって略円筒状空間75を螺旋状に旋回しながら降下し、旋回している間に作用する遠心力によって、この高圧の冷媒ガスGに混在していた冷凍機油Rを分離し、分離された冷凍機油Rは、本体部材71の略円柱状の空間71dの底部へ流れ落ちて排出孔71cから吐出室21に滴下する。
一方、冷凍機油Rが分離された後の冷媒ガスGは、本体部材71の略円柱状の空間71dの底部で跳ね返って上昇し、内筒部材72の内筒部72aの内側空間72cを通過し、さらに押さえ部材74に形成されたガス排出孔74aを通って吐出室21に吐出される。
このように、本体部材71の内面と内筒部材72の内筒部72aの外面とによって画成された略円筒状空間75は、冷媒ガスGから冷凍機油Rを分離する空間(油分離空間)となっている。
つるまきバネ73は、通常は、その弾性力によって内筒部材72のフランジ部72bを本体部材71の座面71eに当接付勢しているが、コンプレッサ100の高速回転時や液圧縮持など略円筒状空間75の内圧が予め設定された所定の圧力以上となったときは、弾性変形で縮むように、その弾性係数および初期縮み量が設定されている。
すなわち、略円筒状空間75の内圧が予め設定された所定の圧力以上となったときは、図3に示すように、フランジ部72に下方から作用する当該内圧がつるまきバネ73の付勢力を上回って、つるまきバネ73は弾性変形により縮み、これによって内筒部材72が上方に変位し、内筒部材72のフランジ部72bが本体部材71の座面71eから離れて、フランジ部72bと座面71eとの間に隙間が生じる。
そして、このフランジ部72bと座面71eとの間に生じた隙間が、略円筒状の空間75の内圧よりも相対的に圧力が低い空間である吐出室21に連通する圧力バイパス通路76を構成し、略円筒状空間75に吐出された高圧の冷媒ガスGは、圧力バイパス通路76を通り、押さえ部材74のガス排出孔74aを通って吐出室21に吐出される。
このとき、高圧の冷媒ガスGは、略円筒状の空間75内で螺旋状に旋回しながら降下していないため、冷凍機油Rの遠心分離が十分になされておらず、吐出室21に吐出された冷媒ガスGには、通常の運転状態(高速運転以外の運転状態)における冷媒ガスGよりも多くの冷凍機油Rが混在している。
したがって、吐出ポート11aを介してコンプレッサ100外部の空調システム(凝縮器)に持ち出される冷凍機油Rの量は、通常の運転状態よりも多くなり、高速運転時の低OCR(オイル循環率)を回避することができる。
すなわち、本実施形態のコンプレッサ100は、高速回転時にはサイクロンブロック70の略円筒状空間75での冷媒ガスGの流速が通常運転時よりも速くなり、略円筒状空間75での遠心分離による油分離性能は通常運転時よりも向上する。
一方、油分離性能が向上することによって、冷媒ガスGとともに、コンプレッサ100から空調システム(凝縮器)に吐き出される冷凍機油Rの量は減る(低OCR)ことになるが、空調システム(凝縮器)への冷凍機油Rの流出量が減ると、空調システム(蒸発器)から冷媒ガスGとともにコンプレッサ100に戻される冷凍機油Rの量も減ることになる。
すると、圧縮室48に吸入される冷媒ガスGに混在している冷凍機油Rの量が減ることとなり、冷媒ガスGとともに圧縮室48内に導入される冷凍機油Rが減り、冷却媒体としての冷凍機油Rの減少によって、圧縮室48から吐出された冷媒ガスGの温度が高くなって、結果的に体積効率の低下を招く。
しかし、本実施形態のコンプレッサ100は、本体部材71座面71eと内筒部材72のフランジ部72bとつるまきバネ73(押さえ部材74も含めて)とが、圧力バイパス通路76が形成された略円筒状の空間75(油分離空間)の内圧に応じて圧力バイパス通路76を開閉する圧力弁を構成していて、高速運転によって高められた略円筒状空間75の内圧に基づいて圧力バイパス通路76を開くため、第1通路25、第2通路71aおよび第3通路71bからなる圧縮ガス通路および略円筒状空間75は、相対的に圧力の低い吐出室21に連通し、圧縮ガス通路または略円筒状空間75は、略円筒状空間75内で冷凍機油Rの分離が十分になされる以前に、圧力バイパス通路76を通って吐出室21に逃げる。
したがって、吐出室21に逃げた冷媒ガスGは、略円筒状空間75で冷凍機油Rの分離が十分になされた後の本来の圧縮冷媒ガスGよりも冷凍機油Rを多く含むこととなり、従来よりも冷凍機油Rを多く含んだ圧縮冷媒ガスGが、吐出室21を通ってコンプレッサ100の外部(空調システム)に吐出されることで、OCRが増大し、高速運転時におけるOCRの過度の低下を防ぐことができる。
また、本実施形態に係るコンプレッサ100のサイクロンブロック70は、内筒部材を本体部材に圧入したり、圧入に加えて加締めを行うなどして、内筒部材を本体部材に強固に固定していた従来の油分離器に比べて、そのような強固な固定を行うための工程が不要となる。さらに、例え両者を強固に固定しているものであっても、圧縮室48で液圧縮が生じた場合などのように、略円筒状空間75の内圧が想定外の異常な高圧となった場合に、予期しない破損が生じて、両者の固定が外れる事態も起こり得るが、本実施形態のコンプレッサ100では、そもそも内筒部材72は本体部材71に固定されていないため、そのような両者の固定が外れることはなく、しかも、略円筒状空間75の内圧は想定外の異常な高圧となる以前に、すなわち異常な高圧よりも低い所定の圧力となった時点で、圧力バイパス通路76が開かれ、略円筒状空間75の内圧が所定の圧力を超えた状態が長期間に亘って継続するのを回避することができ、サイクロンブロック70が予期しない破損に至るのを防止することができる。
よって、サイクロンブロック70の略円筒状空間75を画成する部材(本体部材71および内筒部材72)の必要強度を従来よりも低く設定することも可能である。
なお、高速運転から中・低速運転に移行し、あるいは液圧縮状態が解消すると、略円筒状空間75の内圧が予め設定された所定の圧力未満まで低下し、これにより、フランジ部72に下方から作用する当該内圧がつるまきバネ73の付勢力を下回り、つるまきバネ73は初期縮み量よりも縮んでいた状態で生じていた復元力(弾性力)によって、内筒部材72のフランジ部72bを本体部材71の座面71eに当接させるように付勢し(初期縮み量まで伸び)、フランジ部72bと座面71eとの間に生じていた隙間である圧力バイパス通路76が閉じる。
この結果、サイクロンブロック70は、図2に示した元の状態(通常の運転時や停止時における状態)に復帰し、略円筒状空間75に吐出された冷媒ガスGは前述したように、略円筒状空間75内を螺旋状に旋回して降下し、遠心分離により冷凍機油Rが分離され、冷凍機油Rは排出孔71cから吐出室21に滴下し、冷媒ガスGは内筒部72の内側空間72c、押さえ部材74のガス排出孔74aを通って吐出室21に吐出される。
また、本体部材71と内筒部材72との両者が同時に圧力弁の構成要素とならない態様の油分離器(本体部材71のみが圧力弁の構成要素となる油分離器や内筒部材72のみが圧力弁の構成要素となる油分離器;上記実施形態におけるサイクロンブロック70に相当)にあっては、上述した実施形態のコンプレッサ100のように、本体部材71と内筒部材72とが別体の構成である必要はない。
すなわち、油分離器は、一端が閉じられた略円柱状の空間を形成した本体部(図示した実施形態における本体部材71に相当する部分)と、この略円柱状の空間の軸方向に沿って設けられた略円筒状の内筒部(図示した実施形態における内筒部材72の内筒部72aに相当する部分)とを有し、これらは一体的に構成されており、本体部の内面と内筒部の外面とによって画成された略円筒状空間が、油分離空間(図示した実施形態における略円筒状空間75に相当する部分)であればよく、本体部乃至内筒部に、吐出室21に連通する圧力バイパス通路を形成し、さらにこの圧力バイパス通路を開閉する圧力弁を、この圧力バイパス通路が形成された本体部乃至内筒部に設ければよい。
本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサを示す縦断面図である。 図1におけるサイクロンブロックの詳細を示す拡大図であり、高速運転時および液圧縮時を除いた通常運転時または停止時の状態を示す図である。 図1におけるサイクロンブロックの詳細を示す拡大図であり、高速運転時または液圧縮時の状態を示す図である。
符号の説明
20 リヤサイドブロック(圧縮機本体の一部)
60 圧縮機本体
70 サイクロンブロック(油分離器)
71 本体部材(圧力弁の一部)
71e 座面(圧力バイパス通路の一部、圧力弁の一部)
72 内筒部材(圧力弁の一部)
72b フランジ部(圧力バイパス通路の一部、圧力弁の一部)
73 つるまきバネ(圧力弁の一部)
74 押さえ部材(圧力弁の一部)
75 略円筒状空間(油分離空間)
76 圧力バイパス通路
100 コンプレッサ(気体圧縮機)
G 冷媒ガス(気体、圧縮気体)
R 冷凍機油(油分)

Claims (4)

  1. 供給された気体を高圧の圧縮気体に圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体から吐出された圧縮気体から油分を分離する油分離器と、前記圧縮気体が前記圧縮機本体から前記油分離器まで通過する圧縮気体通路とを備え、
    前記油分離器は、前記圧縮気体が導入されて前記油分を分離する油分離空間を有し、
    記油分離空間に、前記油分離空間の内圧よりも相対的に圧力が低い空間に連通する圧力バイパス通路が形成され、
    前記圧力バイパス通路には、前記圧力バイパス通路が形成された前記油分離空間の内圧に応じて、前記圧力バイパス通路を開閉する圧力弁が設けられていることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記圧力弁は、前記内圧が予め設定された所定の圧力以上のときは、前記圧力バイパス通路を開き、前記内圧が予め設定された所定の圧力未満のときは、前記圧力バイパス通路を閉じるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 前記油分離器は、一端が閉じられた略円柱状の空間を形成した本体部と、この略円柱状の空間の軸方向に沿って設けられた略円筒状の内筒部とを有し、前記本体部の内面と前記内筒部の外面とによって画成された略円筒状空間が、前記油分離空間であることを特徴とする請求項1または2に記載の気体圧縮機。
  4. 前記油分離器は、
    一端が閉じられた略円柱状の空間を形成するとともに、閉じられていない側の端部側に座面が形成された本体部材と、
    この略円柱状の空間よりも小径の略円筒状の内筒部を有するとともに、前記内筒部の端部に連なり、前記座面に当接可能のフランジ部を有する内筒部材と、
    前記本体部材の前記略円柱状の空間の軸方向に沿って、前記略円柱状の空間の内部に前記内筒部材の前記内筒部を配設した状態で、前記本体部材の前記座面に前記内筒部材の前記フランジ部が当接するように前記内筒部材を前記本体部材に付勢するバネと、を備え、
    前記本体部材の内面と前記内筒部材の前記内筒部の外面とによって画成された略円筒状空間が、前記油分離空間であり、
    前記バネは、前記油分離空間の内圧が予め設定された所定の圧力以上のとき、前記油分離空間の内圧により、前記内筒部材の前記フランジ部が前記座面から離れるように設定されていて、前記座面と前記フランジ部と前記バネとが前記圧力弁となり、前記座面と前記フランジ部との間の隙間が、前記圧力バイパス通路となることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の気体圧縮機。
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