JP5020600B2 - 化成処理性に優れた高張力鋼板 - Google Patents

化成処理性に優れた高張力鋼板 Download PDF

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本発明は、高張力鋼板に関し、特に高強度でかつ良好なプレス成形性と化成処理後に良好な耐食性を示す高張力鋼板に関する。
近年の地球温暖化防止等、環境問題の意識向上に伴い、自動車業界では、燃費向上のため、鋼板の薄肉化による車体軽量化が積極的に行われている。一方、自動車の衝突時においても安全性をより確保する観点から、車体を軽量化しつつ、高い車体強度を維持する必要性も出てきている。この車体軽量化と車体の安全性向上を両立するため、強度の高い高強度鋼板が適用されるケースが増加している。
また、このような高強度鋼板に対しては、上述した機械的特性に加えて、さらに耐食性を向上させるための表面処理方法も検討されている。この表面処理方法の一つに化成処理がある。化成処理は、従来より防錆の目的で鋼板表面に対して施されてきたが、近年において塗装下地として塗膜の剥離を防止し、塗膜に疵が付いても錆びが広がらないようにすることを目的とし、自動車を始めとした工業製品に広く採用されている。
近年において、この化成処理は、フルディップ方式で鋼板表面に2〜3g/m程度の薄膜を塗装下地層として形成させることが一般的である。この塗装下地層としての化成処理層の上層には、カチオン電着塗装が施される場合が多い。このカチオン電着塗装を施す場合において、化成処理層の表面は強アルカリ性になるため、耐食性を向上させるためには、先ずこの化成処理層につき耐アルカリ性を持たせる必要があった。
この耐アルカリ性を表す指標として、従来よりP値と呼ばれるパラメータが利用されてきている。鋼板上に形成されるリン酸塩としてはZn−P−Oからなるホバイト(以下、Hという)と、Zn−Fe−P−Oからなるフォスフォフィライト(以下、Pという)が存在する。耐アルカリ性の観点からは、このホバイトよりもフォスフォフィライトの方が優れるため、耐アルカリ性を向上させるためには、P値(=P/(P+H))の値を高くした方が効果的であることが知られている。現状においてこのP値は0.3〜0.6の範囲にあり、化成処理後の耐アルカリ性をより向上させるためには、P値を0.8以上、さらには0.9以上の範囲に設定する必要が出てくる。
従来、P値を向上させる方法としては、特許文献3において、焼鈍酸洗後にNiメッキ処理、あるいはCoメッキ処理を施す方法が提案されている。この方法においては、上記のメッキにより化成処理皮膜の核を生成させようとするものであり、P値を0.80以上に向上させることが出来ることが提案されている。しかし、Siが0.54%と高くNiメッキ処理が無い場合には、P値は0.7以下で耐食性に劣ることが示されている。本発明では焼鈍後のメッキ処理をしない方法でP値を改善することを考えているので特許文献3の発明では実現できない。
更に、従来においてこの耐食性を向上させることに着目した技術としては、鋼板表面のSi濃化量の平均値を鋼中Si濃度の20倍以下とするとともに、表面Si濃度分布に占める鋼中Si濃度に対する濃度比が10以上である部位の面積率が95%以下とした冷延鋼板が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この冷延鋼板によれば、Si酸化物の濃度のばらつきを減少させることで、Si酸化物低濃度部への腐食電流の局部集中を緩和させ、耐食性を向上させることができるが、P比自体は従来の性能が良好の普通鋼とほぼ同様(0.7〜0.8程度)であった。
また、特許文献2においては、焼き入れ後又は焼き戻し後に酸洗する冷延鋼板の製造方法が開示されている。この冷延鋼板の製造方法では、鋼板を温度50℃以上、濃度10mass%以上の塩酸あるいは硫酸に7秒以上浸漬することにより酸洗を行い、化成処理性を向上させるが、この場合の化成処理性の指標は燐酸亜鉛結晶の皮膜が全面に付着しているか、一部に付着していない部分があるかであり、その為にSi基酸化物(SiO)の被覆率が20%以下であることを必要な条件としている。この文献では燐酸亜鉛結晶の構成については述べられていないので、P値の向上に関する効果や耐食性に関する記載も示唆もない。
更に、特許文献5には、MnとSiの原子比が0.5以上の長径が0.01μm〜5μm以上のMn−Si複合酸化物が10個/100μm2以上存在することとSiが主体の酸化物の表面被覆率が10%以下の鋼板が提案されている。この場合の化成処理性の指標は燐酸亜鉛結晶の皮膜が全面に付着しているか、一部に付着していない部分があるかであり、この核として、上記の長径が0.01μm〜5μm以上のMn−Si複合酸化物が作用するとしている。また、塗料の密着性には表面にクラックが無いことを併せて提案している。しかし、この文献にも燐酸亜鉛結晶の構成については述べられていないので、P値の向上に関する効果や耐食性に関する記載も示唆もない。
P値を0.9以上にする方法としては、極低炭鋼で、かつ、Siが非常に低い材料でかつ、表面の結晶粒を10μm程度に小さくさせると、粒界に溶質元素が濃化するので化成処理性が向上すると言う提案が有る(特許文献4)。しかし、Cは0.005%以下であり、SiやMnはそれぞれ0.1%、0.5%以下が良いとされており、本発明のような高Si,高Mn鋼においては同様な効果は望めない。ちなみに、特許文献4の表2の比較例kにはC=0.012%の普通鋼の例が挙げられているが、この場合のP値(特許文献4ではP比)は0.75(特許文献4では75%)であり、通常のP値である。
したがって、C:0.01〜0.3%、Si:0.2〜3.0%、Mn:0.1〜3.0%のような成分を含む鋼では、従来、P値を0.9以上に安定して製造できる技術は無かった。
特開2004−204350号公報 特開2004−323969号公報 特開2005−213643号公報 特開平10−158783公報 特開平2005−290440公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、P値を0.9以上と高いレベルに維持することにより化成処理後の強アルカリ性下における耐食性を向上させることが可能な化成処理性に優れた引張強さ500MPa以上の高張力鋼板およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは引張強さ500MPa以上の高張力鋼板を種々の条件で化成処理する際の鋼板表面のミクロ組織と鋼板の化成処理性との関係を鋭意検討した結果、以下のことを確認した。
(1)引張強さ500MPa以上の高張力鋼板の化成処理時に鋼板のFeとリン酸塩溶液とが反応する際に、鋼板表面のFeがリン酸塩溶液中に溶出して、フォスフォフィライトを形成する。
(2)上記リン酸塩溶液中に溶出するFeが優先的に溶出するサイトは、高Si、高Mn鋼からなる鋼板表面において露出する地鉄(Fe領域)と表層酸化物(第1酸化物、第2酸化物)とのSiおよびMnが欠乏層に相当する界面である。
(3)焼鈍処理後に鋼板表面に形成される表面に露出する地鉄(Fe領域)と表層酸化物(第1酸化物、第2酸化物)が表面上で均一に分散するほど、これらのSiおよびMnの欠乏層に相当する界面の密度が高くなり、化成処理時にフォスフォフライトの生成が促進される。
本発明は、上記知見を基になされたものであり、その発明の要旨とするところは以下の通りである。
即ち、本発明に係る化成処理性に優れた高張力鋼板は、質量%でC:0.01〜0.3%、Si:0.2〜3.0%、Mn:0.1〜3.0%、Al:0.01〜2.0%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる引張強度が500MPa以上の高張力鋼板において、該鋼板表面に露出したFeを主成分としたFe領域が、酸化シリコンからなる第1の酸化物領域、及びマンガンシリケートからなる第2の酸化物領域の何れか又は双方により隔てられ、Fe領域間の平均間隔は0.4μm以下であることを特徴とする。
このとき、前記Fe領域の面積率は15〜35%であり、前記酸化シリコンからなる第1の酸化物領域の面積率は5〜25%であり、前記マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域の面積率は50〜70%であることを特徴としてもよい。
本発明によれば、焼鈍処理によって鋼板表面に形成される表面に露出する地鉄(Fe領域)と表層酸化物(第1酸化物、第2酸化物)を表面上で均一に分散し、これらのSiおよびMnの欠乏層に相当する界面の密度が高くなり、化成処理時にフォスフォフライトの生成が促進される。この結果、引張強度が500MPa以上の高張力鋼板のP値を0.9と高いレベルに維持することができ、化成処理後の強アルカリ性下での耐食性を向上させることが可能となる。
以下、本発明に係る化成処理性に優れた高張力鋼板及びその製造方法について詳細に説明をする。
本発明に係る高張力鋼板は、引張強度が500MPa以上の高張力鋼板であり、プレス加工などの加工性を良好に維持できる鋼板を対象とする。その鋼板組織については特に限定する必要はないが、室温での加工誘起変態による優れた加工性と強度を付与できる鋼板組織として、フェライト相、ベイナイト相、オーステナイト相を含有する複相組織であることがこのましい。
また、本発明が対象とする高張力鋼板は、上記引張強度および成形性を満足させる点から鋼板中C、Si、Mn、Alの基本成分の含有量を以下のように限定する。
以下、組成における質量%は、単に%と記載する。
C:0.01〜0.3%
Cは、鋼の焼き入れ性と強度を制御する最も基本的な元素であり、且つ残留オーステナイトを確保するために必須の元素である。詳細には、オーステナイト相中に十分なCを固溶させ、室温でも所望のオーステナイト相を残留させる為に重要な元素であり、強度−伸びフランジ性のバランスを高めるのに有用である。このCが0.01%未満では、組織強化鋼板として必要となる残留オーステナイト組織を確保することが困難となる。これに対してCが0.3%を超えると、その効果が飽和するのみならず、溶接性も低下してしまう。このため、Cの含有量は、0.01〜0.3%とすることが望ましい。
Si:0.2〜3.0%
Siは、脱酸あるいは強度向上に有効であるとともに、安定な残留オーステナイトの生成に有効な元素である。このSiが0.2%未満では必要とする引張強さの確保が困難になる。またこのSiが3.0%を超えると強度上昇の効果が飽和するとともに、パーライト中のフェライト延性が劣化し、加工性を悪化させる要因ともなる。このため、Siの含有量を0.2〜3.0%とした。
Mn:0.1〜3.0%
Mnは、母材の強度上昇の役割を有し、また安価であることからCに次いで活用される元素である。このMnが0.1%未満では、強度上昇の効果を得ることができない。これに対してMnが3.0%を超えると、スラブに割れが生じやすくなり、またスポット溶接性も劣化してしまう。このため、Mnの含有量を0.1〜3.0%とした。
Al:0.01〜2.0%
Alは、脱酸元素として有効であり、また鋼の靱性向上のためにも有効な元素である。Al含有量が0.01%未満ではこれらの十分な効果が得られず、逆にAl含有量が2.0% を越えると、溶接性を劣化させたり、アルミナ系介在物の増加により鋼の靱性を劣化させる。したがって、Al含有量は0.01 〜2.0% の範囲とすることが望ましい。
本発明は、以上の成分を基本成分とするが、これに加えて、引張強度が500MPa以上の高張力鋼板の強度を満足し、プレス加工などの加工性を良好に維持できる限り、鋼板の諸特性を改善するために、その効果を有するその他の成分を上記基本成分に加え適宜含有されていてもよい。
例えば、上述した主成分の元素に加え、焼入れ向上効果のあるB、Ti、V、Cr、および、Nbのうちの1種または2種以上を、Bを0.0005%以上0.01%未満、Tiを0.01%以上0.1%未満、Vを0.01%以上0.3%未満、Crを0.01%以上1%未満、Nbを0.01%以上0.1%未満の含有量の範囲内で添加してもよい。これらの元素を添加する場合は、鋼板の焼入れ性の向上効果を十分に得るためにそれぞれ元素の上記添加量の下限値以上の添加が好ましく、また、上記添加量の上限値を超えた量を添加しても、効果が飽和し、コストに見合うだけの焼入れ性改善効果は期待できなくなるため好ましくない。
また、例えば、強度改善効果のあるNi、Cu、Co、および、Moのうちの1種または2種以上をそれぞれ0.01%以上2.0%未満の添加量の範囲で添加しても良い。これらの元素を添加する場合は、強度改善効果を十分に得るためにそれぞれ元素の上記添加量の下限値以上の添加が好ましく、また、上記添加量の上限値を超えた量を添加しても、強度の過剰や合金コストの上昇につながるため好ましくない。
また、強度改善効果のあるP、S、Nなどの、一般的な不可避元素を含有していてもよい。
次に本発明に係る化成処理性に優れた高張力鋼板の表面組織について説明する。
図1に本発明に係る焼鈍処理により得られた鋼板表面を走査型電子顕微鏡により30000倍の倍率で観察した結果の一例を示す。
この図1では、上記高Siおよび高Mnの成分組成からなる引張強度が500MPa以上の高張力鋼板を焼鈍処理した後、鋼板表面には酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31、および、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32と、表面が露出したFeを主成分としたFe領域33(地鉄)が形成される。本発明者らの検討の結果、鋼板表面に露出したFeを主成分としたFe領域33が、この周囲に形成された、酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31、および、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32の何れか、または、両方により隔てられ、かつFe領域33間の平均間隔は0.4μm以下とすることにより、鋼板表面におけるFe領域33と第1酸化物および/または第2酸化物との界面に形成させるSiおよびMnの欠乏層の単位面積あたりの密度が増加し、これを反応サイトとして化成処理時のフォスフォフライトの生成が促進し、鋼板の化成処理性を十分に向上できることを確認した。
ここで、Feを主成分としたFe領域33とは、いわゆる地鉄を意味する。
また、酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31とは、酸化物中に酸化シリコンが90%以上含有するものを意味し、この他にアルミなどの金属酸化物を含有は本発明の効果に影響がない範囲で含有することが許容される。
同様に、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32は、酸化物中にマンガンシリケートが90%以上含有するものを意味し、この他にアルミなどの金属酸化物を含有は本発明の効果に影響がない範囲で含有することが許容される。
本発明における上記Fe領域間の平均間隔は、焼鈍処理後の鋼板表面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、この観察画像からFe領域33の重心座標を求め、酸化物を介して隣接するFe領域の重心座標間の距離を測定した観察画像における各測定値の平均値を意味する。
鋼板表面において前記Fe領域33間の平均間隔が0.4μmを越える場合には、鋼板表面における第1酸化物領域31および/または第2酸化物領域32の面積率が相対的に大きくなり、Feとリン酸塩溶液との反応は遅れ、フォスフォフライトの生成が十分なされず、P値が0.9以上の優れた化成処理性は得られなくなる。
また、本発明の好ましい形態として、上記効果を安定して得るために、さらに、上記鋼板表面において、鋼板表面において前記Fe領域33の面積率を15%〜35%とし、酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31の面積率を5〜25%とし、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32の面積率を50〜70%とすることが好ましい。このとき、これら第1の酸化物領域31と、第2の酸化物領域32と、Fe領域33の面積率の総和が100%となるようにする。
ここで、本発明における上記Fe領域33の面積率は、焼鈍処理後の鋼板表面を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、この観察画像の全体面積に対するFe領域33の面積の割合を測定する。
鋼板表面において前記Fe領域33の面積率が15%未満の場合には鋼板の化成処理時の燐酸塩溶液とFeとの反応が遅れるため、P値が0.9以上の優れた化成処理性は得られなくなる。一方、このFe領域33の面積率が35%を超えると、Fe領域33が連続する領域が多くなり、鋼板表面におけるFe領域33と第1酸化物および/または第2酸化物との界面に形成されるSiおよびMnの欠乏層の単位面積あたりの密度が減少するために、化成処理時のフォスフォフライトの生成促進効果が十分に得られず、P値が0.9以上の優れた化成処理性は得られなくなる。
酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31の面積率が5%未満の場合、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32の面積率が50%未満の場合には、これらの表面酸化物領域によりFe領域33間を隔てることができず、Fe領域33の面積率やFe領域33間の平均間隔が過度に大きくなり、安定してP値が0.9以上の優れた化成処理性を得られない場合が生じる。また、酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31の面積率が25%を超える場合、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32の面積率が70%を超える場合には、Fe領域33の面積率が過度に小さくなり、Feと燐酸塩溶液との反応が遅れるため、安定してP値が0.9以上の優れた化成処理性を得られない場合が生じる。
次に、本発明に係る化成処理性に優れた高張力鋼板の製造方法について説明をする。
上述した成分からなる鋼板を成形後、残留応力の除去や切削性の向上を図るべく焼鈍を行う。この焼鈍では、鋼板の成形後、再結晶温度まで加熱してこれを一定温度で保定した後、普通炉冷により緩やかに冷却させる。
図2は、本発明を適用した高張力鋼板の製造方法における焼鈍温度履歴の一例を示している。この焼鈍においては、予熱工程S11(実際の焼鈍炉内では予熱帯に相当する)と、昇温工程S12(実際の焼鈍炉内では加熱帯に相当する)と、再結晶化工程S13(実際の焼鈍炉内では焼鈍帯に相当する)と、降温工程S14(実際の焼鈍炉内では冷却帯に相当する)とからなる。
先ず、予熱工程S11においては、鋼板を室温から予熱温度Tp(℃)まで昇温させる。Tpは300〜500℃とする。予熱温度Tpが300℃未満の場合には鋼板内の残留応力の除去が不十分となり好ましくない。また、予熱温度Tpが500℃を超える場合にはコスト面で好ましくない。
また、この予熱工程S11におけるN2とH2の混合ガスからなる焼鈍雰囲気のPH2O/PH2がlog(PH2O/PH2)≦−2.8×10-6 Tp+273) 2+6.8×10-3 Tp+273)−4.8を満たすように制御する。log(PH2O/PH2)が−2.8×10-6 Tp+273) 2+6.8×10-3 Tp+273)−4.8を超えると、鋼板表面にFe酸化物が顕著に生成し、鋼板表面に疵を作る原因となるので望ましくない。
図3(a)〜(c)は、焼鈍が施される鋼板5の断面模式図を、また図3(d)〜(f)は、焼鈍が施される鋼板5の表面の模式図を示している。図3(a),(d)は、予熱工程S11を、また、図3(b),(e)は、昇温工程S12を、また図3(c),(f)は、再結晶化工程S13を模式的に表している。
この予熱工程S11においては、図3(a)に示すように鋼板5中に何ら内部酸化物が生成されていない状態にある。この予熱工程S11において焼鈍温度を予熱温度Tpまで昇温させた後、次の昇温工程S12に移行する。
昇温工程S12においては、鋼板5を予熱温度Tpから再結晶化温度Tr(650℃〜900℃)まで昇温させる。この昇温工程S12においては、雰囲気のPHO/PHが5.3×10−8Tr+1.4×10−5Tr−0.01≦(PHO/PH)≦6.4×10−7Tr+1.7×10−4Tr−0.1であり、図3(b)に示すように鋼板5表面から深さ1μmまでの領域において微細な内部酸化物11が生成される。この内部酸化物とは、酸化シリコン、酸化マンガン、マンガンシリケート、マンガンアルミニウム酸化物、マンガンアルミニウムシリケートから選ばれる1種以上の酸化物粒子である。
この昇温工程S12において内部酸化物11を生成させるためには、PHO/PHを、5.3×10−8+1.4×10−5T−0.01≦log(PHO/PH)≦6.4×10−7+1.7×10−4T−0.1を満たすように制御する。その理由として、log(PHO/PH)が6.4×10−7+1.7×10−4T−0.1を超えると内部酸化物11が粗大化し、後述する再結晶工程で、鋼板表面のミクロ組織を微細化するための内部酸化物11による粒界ピン止め効果が減少し、さらにPHO/PHを上昇させると表面にFe酸化物が顕著に生成されFe領域が減少し地鉄/酸化物界面の密度が減少するので好ましくない。これに対して、log(PHO/PH)が5.3×10−8+1.4×10−5T−0.01を下回ると、鋼板表層からの酸素の供給がこの温度域において不十分となり、微細な内部酸化物11を充分に生成させることができなくなるためである。
なお、昇温工程S12では、昇温速度を1〜20℃/秒とする。ここでいう昇温速度とは、予熱温度Tpから再結晶化温度に至るまでの加熱速度の平均であり、加熱途中の加熱条件を規定するものではない。このため、加熱速度の平均が上述した範囲内にあれば、ある期間において昇温速度が上述した範囲を逸脱するものであってもよい。
昇温速度が1〜20℃/秒とした理由は、昇温速度が1℃/秒以下である場合には、酸化物粒子が粗大化してしまい、地鉄と酸化物から構成された鋼板表面のミクロ組織を微細化させることが不可能となり、昇温速度が20℃/秒以上である場合には、酸化物粒子の形成が遅れるため、地鉄と酸化物から構成された鋼板表面のミクロ組織を微細化させることができない。ちなみに、この昇温速度は、酸化物粒子の十分な形成量を得る観点から1℃/秒〜20℃/秒の範囲とすることが望ましい。この昇温工程S12において焼鈍温度を再結晶化温度まで昇温させた後、次の再結晶化工程S13へ移行する。
再結晶化工程S13においては、再結晶化温度Tr(650〜900℃)で一定に保持する。
再結晶化温度Trが650℃未満の場合には再結晶が不十分であり、鋼板に必要なプレス加工性を具備することはできない。また、再結晶化温度Trが900℃を超えるような温度で焼鈍することはコストの上昇を招くため好ましくない。
この再結晶化工程における焼鈍雰囲気の水素分圧比(PHO/PH)をlog(PHO/PH)≦5.3×10−8+1.4×10−5T−0.01を満たすように制御する。その結果、昇温工程S12において生成させた内部酸化物11を、この再結晶化工程S13において図3(c)に示すように結晶粒界12において成長させ、内部酸化物15とすることが可能となる。この再結晶化工程S13において成長した内部酸化物15は、鋼板表面近傍等から元素を多く吸収していることから、内部酸化物11と比較してその成分比率が異なる。また、この内部酸化物15は、内部酸化物11と比較してそのサイズが大きくなっている。
なお、この水素分圧比log(PHO/PH)が5.3×10−8+1.4×10−5T−0.01を超える場合には、内部酸化物の粒子が粗大化し、粒界ピン止め効果が減少して鋼板組織の結晶粒が粗大化してしまうため、(PHO/PH)は上述した範囲内とする。再結晶化温度における保持時間を40〜600秒とする。再結晶化温度での保持時間が40秒以下では、鋼板組織の再結晶化が十分でなく、所望の特性が得られない。また、保持時間が600秒以上では、内部酸化物の粒子が粗大化し、粒界ピン止め効果が減少して鋼板表面組織の結晶粒が粗大化してしまう。
昇温工程S12における昇温速度を上述した範囲内に設定して、微細な内部酸化物の単位体積当たりの数を増加させ、かかる内部酸化物が十分に形成されている状態下において、再結晶化温度における保持時間を、40秒〜600秒の範囲内とすることにより当該内部酸化物を成長させる。
また、この再結晶化工程S13においては、鋼板表面に表層酸化物13が形成され、この表層酸化物13が、鋼板表面に露出した結晶粒界12を覆う場合もある。仮に、この結晶粒界12に酸化物が付着するとしても、これは、厚さ10nmにも満たないいわゆる自然酸化膜である。以下では、このような自然酸化膜としての酸化物13が鋼板表面において粒界形成されていたとしても、鋼板表面において粒界が露出しているものと同等と考えるものとする。
この再結晶化工程S13において再結晶温度での保定を終了させた後、降温工程S14へと移行する。降温工程S14においては、普通炉冷により鋼板を冷却させる。
なお、平面的に見た模式図では、昇温工程S12において図3(e)に示すように鋼板表面に酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32が徐々に現れてくる。そして、再結晶化工程S13において、図3(f)に示すように第1の酸化物領域31、第2の酸化物領域32の何れか又は双方により隔てられたFe領域33が形成されることになる。
表1に示す組成からなる鋼を熱間圧延、酸洗後、冷間圧延を行い、厚さ0.8mmの冷延鋼板とした。
Figure 0005020600
ちなみにこの表1では、本発明において規定した成分の範囲内にある鋼種A〜Eの本発
鋼を例示している。
次に、上述の成分からなる本発明鋼、比較鋼を連続焼鈍設備を使用して焼鈍を行った。この連続焼鈍設備では、炉内の水蒸気分圧と水素分圧の比PHO/PHが制御可能とされている。即ち、炉内における水素ガス中に水蒸気を導入し、炉内のPHO/PHが表2に示すような雰囲気1)となるように調整した。
また、炉内の水素濃度、水蒸気濃度の制御は、炉内に設置した室温での露点計と、水素濃度計をモニタリングしつつ、制御することとした。
この表2における雰囲気1)の値は、鋼板温度が室温から予熱温度に至るまでの予熱工程S11におけるlog(PHO/PH)を示している。
Figure 0005020600
また、この表2に示される昇温速度(℃/秒)は、昇温工程S12での昇温速度を示しており、また雰囲気2)は、昇温工程S12における炉内のPHO/PHを示している。
さらに、この表2に示される再結晶化温度(℃)は、再結晶化工程S13における再結晶化温度を示しており、また雰囲気3)は、再結晶化工程S13における炉内のPHO/PHを示している。
ちなみに、熱処理条件はHP1〜HP8の8種類について行うこととし、HP1、4、5は本発明において規定した製造条件の範囲内とした。また、HP2は、雰囲気1)について本発明で規定した製造条件から逸脱させ、またHP3は、雰囲気2)について、本発明で規定した製造条件から逸脱させた。HP6は、雰囲気3)について本発明で規定した製造条件から逸脱させ、更にHP7は昇温速度を0.5℃/秒とすることにより本発明で規定した製造条件から逸脱させた。また、HP8は、昇温速度を30℃/秒とすることにより本発明で規定した製造条件から逸脱させた。
なお、全ての熱処理条件HP1〜HP8に関して、予熱温度は500℃、再結晶化温度は、800℃とした。また、再結晶化工程S13における再結晶化温度での保持時間は、60秒とした。
焼鈍後の本発明鋼について、Fe領域33の平均間隔、Fe領域33、酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31、および、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32の各面積率、化成処理後のP値、化成処理後の耐食性について評価を行った。表3は、その評価結果を示している。
Figure 0005020600
鋼板表面におけるFe領域33の平均間隔は、走査型電子顕微鏡の観察画像から、Fe領域33の重心座標を求め、酸化物を介して隣接するFe領域の重心座標間の距離を求め、観察画像における各測定値の平均値が0.4μm以下の場合は合格(○)とし、0.4μmを超える場合には不合格(×)とした。なお、平均間隔の意味するところは、あくまで図3(f)に示すFe領域33aとFe領域33bのように一の第1の酸化物領域31又は一の第2の酸化物領域32を介して隣接するものの間隔を示すものであり、例えばFe領域33aとFe領域33cのように複数の領域31〜33を跨ぐものを意味するものではない。
鋼板表面におけるFe領域33の面積率は、走査型電子顕微鏡の観察画像からFe領域の面積を測定し、観察画像における各測定値の平均値が本発明で規定する15〜35%の範囲を満足する場合を合格(○)とし、外れる場合を不合格(×)とした。
鋼板の化成処理後のP値は、X線回折により、フォスフォフィライトの(110)面とホパイトの(020)面からの回折線の強度をそれぞれP、Hとし、P/(P+H)のピーク強度比によって表すこととした。P値が0.9以上を合格(○)とし、それ未満を不合格(×)とした。
さらに、化成処理を施した鋼板に電着塗装を行った後、耐食性を評価した。電着塗装は、日本ペイント製のV−50を使用して膜厚を25μmとして焼付け温度は170℃とした。電着後、カッターによって電着塗装面の上からカット疵を付け、55℃、5%のNaCl水溶液に240時間浸漬し、カット疵部分でテープ剥離試験を行い、カット疵周辺の塗膜の最大剥離幅を測定した。最大剥離幅が2mm未満を合格(○)とし、2mm以上を不合格(×)とした。
表3から、熱処理条件HP1、3〜5については、本発明鋼としての鋼種A〜Eについて何れも各評価項目について合格という結果を得ることができた。これに対して、熱処理条件HP2、6〜8については、鋼種A〜Eについて何れも各評価項目について不合格であった。
これらの結果より、本発明に係る高張力鋼板で規定した成分を有する鋼片につき、本発明の製造方法で規定した熱処理条件に基づいて焼鈍処理を行うことにより、Fe領域33を酸化シリコンからなる第1の酸化物領域31、および、マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域32により隔てることが可能となる。同様に、P値を安定して高いレベルとさせることで耐食性を向上させることが可能となる。即ち、この表3の結果から、本発明所期の作用効果を得ることができることが示唆されている。
本発明に係る焼鈍処理により得られた鋼板の表面を走査型電子顕微鏡により30000倍の倍率で観察した結果の一例を示す図である。 本発明を適用した高張力鋼板の製造方法における焼鈍温度履歴の一例を示す図である。 焼鈍が施される鋼板の断面模式図を示す図である。
符号の説明
31 酸化シリコンからなる第1の酸化物領域
32 マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域
33 表面が露出したFeを主成分としたFe領域

Claims (2)

  1. 質量%でC:0.01〜0.3%、Si:0.2〜3.0%、Mn:0.1〜3.0%、Al:0.01〜2.0%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる引張強度が500MPa以上の高張力鋼板において、該鋼板表面に露出したFeを主成分としたFe領域が、酸化シリコンからなる第1の酸化物領域、及びマンガンシリケートからなる第2の酸化物領域の何れか又は双方により隔てられ、Fe領域間の平均間隔は0.4μm以下であることを特徴とする化成処理性に優れた高張力鋼板。
  2. 前記Fe領域の面積率は15〜35%であり、前記酸化シリコンからなる第1の酸化物領域の面積率は5〜25%であり、前記マンガンシリケートからなる第2の酸化物領域の面積率は50〜70%であることを特徴とする請求項1記載の化成処理性に優れた高張力鋼板。
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