JP2007277627A - 高強度鋼板及び高強度メッキ鋼板の製造方法とその製造に用いる焼鈍炉及び製造設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】高強度鋼板を焼鈍のために炉内を通板する際、鋼板表面からロール表面へ移行してビルドアップの原因となる酸化物の量を少なくすることによって、従来よりも簡単な手段でロール表面のビルドアップを防止する。
【解決手段】質量%で、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を再結晶焼鈍して高強度鋼板あるいは高強度メッキ鋼板を製造するにあたり、前記鋼板を焼鈍温度に加熱する前に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施す。
【選択図】図1
【解決手段】質量%で、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を再結晶焼鈍して高強度鋼板あるいは高強度メッキ鋼板を製造するにあたり、前記鋼板を焼鈍温度に加熱する前に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施す。
【選択図】図1
Description
本発明は、高強度鋼板を焼鈍のために炉内を通板する際における、焼鈍炉内の通板ロール表面のビルドアップを防止する方法およびその方法を実施するための装置に関する。
一般に、冷延鋼板を焼鈍するには700℃を超える高温に加熱する必要がある。一般的なハースロール炉では、こうした温度域での加熱により、鋼板表面の鉄やMn酸化物等がハースロール表面に付着して堆積するビルドアップが発生し、鋼板に押疵を生じ、表面品位や特性の劣化を引き起こす。
特に近年、自動車分野においては、衝突時に乗員を保護するような機能の確保と燃費向上を目的とした車体軽量化という相反する要求を同時に満たすことが求められており、そのための手段として高強度鋼板や高強度メッキ鋼板の適用が拡大している。
これら高強度鋼板では、SiやMnの固溶強化を利用するため、Si:0.4〜2.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%(なお、以下の記載では、元素の含有量における「質量」の記載を省略する。)を含有する鋼が用いられているが、これらの元素は、圧延後の焼鈍工程で選択酸化されて鋼板表面に濃化し、ビルドアップの発生をより促進する。
特に近年、自動車分野においては、衝突時に乗員を保護するような機能の確保と燃費向上を目的とした車体軽量化という相反する要求を同時に満たすことが求められており、そのための手段として高強度鋼板や高強度メッキ鋼板の適用が拡大している。
これら高強度鋼板では、SiやMnの固溶強化を利用するため、Si:0.4〜2.5質量%、Mn:0.2〜2.0質量%(なお、以下の記載では、元素の含有量における「質量」の記載を省略する。)を含有する鋼が用いられているが、これらの元素は、圧延後の焼鈍工程で選択酸化されて鋼板表面に濃化し、ビルドアップの発生をより促進する。
また、最近では、さらに、焼鈍時の鋼板表面における反応を均一化させ、焼鈍後の表面状態やその後の表面処理性を良好とするため、加熱手段として全てラジアントチューブを用いたオールラジアント型焼鈍炉を使用して焼鈍することが増えてきており、また、溶融メッキ鋼板の製造でも、メッキ外観を良好とするために、オールラジアント型焼鈍炉を使用した製造設備が普及してきている。
オールラジアント型焼鈍炉による焼鈍では、ハースロール表面のビルドアップを防止するため、Si酸化物や、Mn酸化物が鋼板表面に生成しないように水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002未満という低露点での操業が行なわれている。
しかしながら、そのような低露点での焼鈍でも、上記のような高強度鋼板を焼鈍する場合には、焼鈍炉内のロールハースロール表面に、特にMn酸化物によるビルドアップが発生する。
しかしながら、そのような低露点での焼鈍でも、上記のような高強度鋼板を焼鈍する場合には、焼鈍炉内のロールハースロール表面に、特にMn酸化物によるビルドアップが発生する。
従来、ハースロール表面へのビルドアップを防止するには、ビルドアップ源である鉄やマンガン酸化物等とハースロールの表面被膜との反応を抑制するか、または、反応生成物がロールから取れやすくするなどの手段が採用されている。そのような手段として、例えば特許文献1、2には、ハースロール表面に特定の材料からなる溶射被膜を形成する方法が提案されている。
しかし、これらの方法では、ビルドアップ源であるMn酸化物等の鋼板からの移行自体を少なくすることは何ら考慮されておらず、しかも、ロールに特別な処理をしなければならないと問題もある。
しかし、これらの方法では、ビルドアップ源であるMn酸化物等の鋼板からの移行自体を少なくすることは何ら考慮されておらず、しかも、ロールに特別な処理をしなければならないと問題もある。
また、特許文献3には、特にMnによるビルドアップについて、そのロール表面への付着量を監視して、付着量が所定量に達するとロールを交換してビルドアップの発生を事前に防止することが記載されているが、ロール表面へのMn付着量を監視する操作が必要で、ビルドアップ源の発生自体を防止しようとするものではない。
また、高強度鋼からなる溶融メッキ鋼板の製造にあたり、焼鈍の際に鋼板を特定の条件で熱処理して、鋼板表面の状態を変化させることも、例えば、特許文献4、5で知られている。しかし、これらの技術は、鋼板表面の状態をメッキ工程などの表面処理に適した状態にするためのもので、ロール表面へのビルドアップを防止するために鋼板状態を改質することは何ら考慮されていない。
特開2005−2240124号公報
特開2003−27204号公報
特開2005−200763号公報
特開平7−34210号公報
特開平7−316764号公報
本発明は、以上のような状況に鑑み、高強度鋼板を焼鈍のために炉内を通板する際、鋼板表面から通板ロール表面へ移行してビルドアップの原因となる酸化物の量を少なくすることによって、従来よりも簡単な手段でロール表面のビルドアップ防止することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は次のようにしたことを特徴とする。
請求項1の発明は、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を再結晶焼鈍して高強度鋼板を製造するにあたり、前記鋼板を焼鈍温度に加熱する前に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施すことを特徴とする。
請求項2の装置の発明は、請求項1の発明において、前記焼鈍と内部酸化処理を、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉で行うこと特徴とする。
請求項1の発明は、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を再結晶焼鈍して高強度鋼板を製造するにあたり、前記鋼板を焼鈍温度に加熱する前に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施すことを特徴とする。
請求項2の装置の発明は、請求項1の発明において、前記焼鈍と内部酸化処理を、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉で行うこと特徴とする。
請求項3の発明は、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を無酸化炉で加熱した後、還元性雰囲気で再結晶焼鈍し、その後溶融メッキ処理して、高強度メッキ鋼板を製造するにあたり、前記鋼板を無酸化炉で加熱する前段で、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の前記の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施すことを特徴とする。
請求項4の発明は、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉によって再結晶焼鈍した後、溶融メッキ処理して、高強度メッキ鋼板を製造するにあたり、前記鋼板を前記焼鈍炉で焼鈍温度に加熱する前段で、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の前記の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施すことを特徴とする。
請求項5の発明は、前記高強度鋼板の製造方法を実施する焼鈍炉であって、該焼鈍炉の前段に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の前記の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で鋼板を加熱処理する内部酸化帯を設けたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記焼鈍炉が、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉であること特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記焼鈍炉が、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉であること特徴とする。
請求項7の発明は、無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉に続いて溶融メッキ設備を配置した前記の高強度メッキ鋼板の製造方法を実施する製造設備であって、前記無酸化炉の前段に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の前記の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で鋼板を加熱処理する内部酸化帯を設けたことを特徴とする。
請求項8の発明は、焼鈍炉に続いて溶融メッキ設備を配置した前記高強度メッキ鋼板の製造方法を実施する製造設備であって、前記焼鈍炉を全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉とし、該焼鈍炉の前段に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の前記の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で鋼板を加熱処理する内部酸化帯を配設したことを特徴とする。
請求項1および請求項5の発明によれば、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する高強度鋼板を焼鈍する場合でも、鋼板表面のMnやSiによる酸化膜の生成を少なくすることができ、焼鈍炉内のロール表面のビルドアップを防止することができる。
請求項2および請求項6の発明によれば、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉におけるMn酸化物によるロール表面のビルドアップを防止することができる。
請求項2および請求項6の発明によれば、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉におけるMn酸化物によるロール表面のビルドアップを防止することができる。
請求項3、4および請求項7,8の発明によれば、溶融メッキ鋼板の製造の際の焼鈍においても、同様にビルドアップを防止することができるとともに、さらに、MnやSiの酸化物が鋼板表面に濃化することが少なくなり、それによるメッキ性の悪化も防止することができる。
本発明者らは、SiやMnを多く含有する高強度鋼板を焼鈍のために炉内を通板する際、鋼板表面から搬送ロール表面へ移行する酸化物の量を少なくする方法を検討するにあたり、まず、表面の酸化物の生成が少ない、オールラジアント型焼鈍炉を用いて焼鈍した場合のビルドアップの原因について検討した。
オールラジアント型焼鈍炉では、前記のように比PH2O/PH2が0.002未満の雰囲気で焼鈍が行われており、そのような低露点の操業では、従来、表面での酸化物の生成が抑制されていると言われていたが、SiやMnを多く含有する鋼板では、実際は鋼板表面に微量なMnOが生成しており、鋼板と通板ロールとの接触によってそのMnOがロールに付着してビルドアップが発生することがわかった。
オールラジアント型焼鈍炉では、前記のように比PH2O/PH2が0.002未満の雰囲気で焼鈍が行われており、そのような低露点の操業では、従来、表面での酸化物の生成が抑制されていると言われていたが、SiやMnを多く含有する鋼板では、実際は鋼板表面に微量なMnOが生成しており、鋼板と通板ロールとの接触によってそのMnOがロールに付着してビルドアップが発生することがわかった。
従来、Si系介在物の場合は、露点を下げると鋼板内のSiが内部酸化されて鋼板表面に移行しないことが知られているので、まず、オールラジアント型焼鈍炉の露点を更に下げることを試みた。しかしながら、この場合にも微量なMnOがロール表面に付着することを抑制できなかった。
そこで、焼鈍の際に鋼板表面にMnOを形成させない手段についてさらに検討した結果、鋼板を再結晶焼鈍する前に、鋼板表面にMnやSiの酸化膜を生成させないような低温で加熱処理して、SiやMnの内部酸化層を充分に成長させておけば、鋼板内部のMnは内部酸化層中の酸化物の成長に消費されるので、焼鈍時にMnが表面に拡散しても、その量は少なく、表面でのMn酸化物による酸化膜の生成は僅かであるということを見出した。
さらに、この知見をオールラジアント型焼鈍炉以外の炉、例えば、ゼンジマー型の溶融メッキ鋼板の製造設備で用いられている無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉での焼鈍に適用することについても検討した。
このような焼鈍炉では、まず無酸化炉により弱酸化性雰囲気で加熱される。この加熱により鋼板表面にFe酸化物が生成され、このFe酸化物は次の還元雰囲気の焼鈍炉で還元されるが、このときにMn酸化物が表面に生成し、このマンガン酸化物によるビルドアップが発生している。この場合でも、無酸化炉による加熱に先立ち、低温で加熱処理して鋼板内部のMnを内部酸化しておけば、オールラジアント型焼鈍炉と同様にビルドアップの防止に有効であることを見出した。
本発明は、上記のような検討結果を基に、さらに最適な内部酸化の条件を検討してなされたものである。
このような焼鈍炉では、まず無酸化炉により弱酸化性雰囲気で加熱される。この加熱により鋼板表面にFe酸化物が生成され、このFe酸化物は次の還元雰囲気の焼鈍炉で還元されるが、このときにMn酸化物が表面に生成し、このマンガン酸化物によるビルドアップが発生している。この場合でも、無酸化炉による加熱に先立ち、低温で加熱処理して鋼板内部のMnを内部酸化しておけば、オールラジアント型焼鈍炉と同様にビルドアップの防止に有効であることを見出した。
本発明は、上記のような検討結果を基に、さらに最適な内部酸化の条件を検討してなされたものである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明では、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する高強度鋼板を製造の対象とする。鋼板のSi、Mn含有量をそのように限定したのは、下限についてはそれぞれ強度の確保のためであり、上限についてはそれぞれ加工性の確保のためである。さらに、そのような含有範囲において、焼鈍炉内のロールのビルドアップが問題になるからである。
本発明では、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する高強度鋼板を製造の対象とする。鋼板のSi、Mn含有量をそのように限定したのは、下限についてはそれぞれ強度の確保のためであり、上限についてはそれぞれ加工性の確保のためである。さらに、そのような含有範囲において、焼鈍炉内のロールのビルドアップが問題になるからである。
そのような鋼板は、熱延鋼板および冷延鋼板として、熱間圧延後あるいは冷間圧延後に700℃から880℃の間で再結晶焼鈍され、その後、塗装、化成処理あるいはメッキ処理などの必要に応じた処理がなされる。
再結晶焼鈍は、通常の横型あるいは縦型の焼鈍炉によって行われる。上記のようにオールラジアント型焼鈍炉も使用される。ライン内焼鈍方式の溶融メッキ鋼板の製造設備では、無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉やオールラジアント型焼鈍炉によって、溶融メッキに先立ち焼鈍される。
焼鈍温度は、例えば、720℃以上880℃以下のフェライト、オーステナイト二相共存域とする。焼鈍温度が720℃未満では再結晶が不十分であり、鋼板に必要なプレス加工性を具備できない。880℃を超すような温度で焼鈍することはコストの上昇を招くため好ましくない。
再結晶焼鈍は、通常の横型あるいは縦型の焼鈍炉によって行われる。上記のようにオールラジアント型焼鈍炉も使用される。ライン内焼鈍方式の溶融メッキ鋼板の製造設備では、無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉やオールラジアント型焼鈍炉によって、溶融メッキに先立ち焼鈍される。
焼鈍温度は、例えば、720℃以上880℃以下のフェライト、オーステナイト二相共存域とする。焼鈍温度が720℃未満では再結晶が不十分であり、鋼板に必要なプレス加工性を具備できない。880℃を超すような温度で焼鈍することはコストの上昇を招くため好ましくない。
本発明では、前記鋼板を焼鈍温度に加熱する前に、加熱温度:350℃〜550℃、加熱保持時間:3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で内部酸化処理する。
SiやMnを内部酸化するには、鋼板表面が酸化されず、鋼板表面からO2が内部に拡散する温度であって、Si、Mnは拡散しない温度で加熱する必要があり、さらに、そのような温度で内部酸化が十分起こるための適切な酸化性雰囲気条件および処理時間を選定する必要がある。
SiやMnを内部酸化するには、鋼板表面が酸化されず、鋼板表面からO2が内部に拡散する温度であって、Si、Mnは拡散しない温度で加熱する必要があり、さらに、そのような温度で内部酸化が十分起こるための適切な酸化性雰囲気条件および処理時間を選定する必要がある。
550℃未満の加熱温度で、適切なPH2O/PH2の範囲を選ぶと、鋼板表面にFe3O4が生成されないで、鋼板表面から酸素が内部に拡散する。
このとき、PH2O/PH2が、0.002≦(PH2O/PH2)≦0.60の範囲で、3分以上10分未満の内部酸化帯の通過時間内では、鋼板表面でFe3O4が分解して、鋼板表面から内部に必要量の酸素を供給できる。
(PH2O/PH2)>0.60の範囲では、表面にFe3O4が生成し、また、(PH2O/PH2)<0.002の範囲では、内部酸化を生じさせるだけの酸素が十分に供給されない。
350℃未満の加熱温度では、上記のPH2O/PH2の範囲でも、酸素を十分内部に拡散させることはできない。
このとき、PH2O/PH2が、0.002≦(PH2O/PH2)≦0.60の範囲で、3分以上10分未満の内部酸化帯の通過時間内では、鋼板表面でFe3O4が分解して、鋼板表面から内部に必要量の酸素を供給できる。
(PH2O/PH2)>0.60の範囲では、表面にFe3O4が生成し、また、(PH2O/PH2)<0.002の範囲では、内部酸化を生じさせるだけの酸素が十分に供給されない。
350℃未満の加熱温度では、上記のPH2O/PH2の範囲でも、酸素を十分内部に拡散させることはできない。
550℃以上の加熱温度では、Fe3O4よりFeOが優先的に生成する(熱力学の状態図では570℃以上で、Fe3O4よりFeOが安定である)。また、エリンガムダイアグラムでは、FeOの方がFe3O4よりも酸素との親和力が強い。この為に550℃以上の加熱温度で、鋼板表面にFeOを生成させないで鋼板表面から内部にO2を供給する為には、PH2O/PH2を大きい値に調整する必要が生じるので、鋼板表面にMn酸化物等が発生しやすくなる。
内部酸化処理における加熱は、350℃〜550℃の温度範囲に保持される通算の滞在時間を3分以上10分未満となるように行う。滞在時間が3分未満では、ビルドアップを防止するのに必要な内部酸化層を形成させることができず、また、通常の焼鈍炉で10分以上の滞留時間を確保することは炉の改造を必要としコスト高になるからである。
内部酸化処理の加熱の主な態様としては、次の二通りがある。
(1)350℃〜550℃の間のある温度で所定時間一定に保持し、その後焼鈍温度まで加熱する。この場合は、保持時間に、350℃から保持温度の間と保持温度から550℃の間の加熱時間を加えた通算の時間を3分以上10分未満とする。
(2)350℃以下の温度から550℃以上の温度まで連続的に昇温する。
この場合は、350℃〜550℃の温度範囲の滞在時間を3分以上10分未満とする。
(1)350℃〜550℃の間のある温度で所定時間一定に保持し、その後焼鈍温度まで加熱する。この場合は、保持時間に、350℃から保持温度の間と保持温度から550℃の間の加熱時間を加えた通算の時間を3分以上10分未満とする。
(2)350℃以下の温度から550℃以上の温度まで連続的に昇温する。
この場合は、350℃〜550℃の温度範囲の滞在時間を3分以上10分未満とする。
上記のような内部酸化処理は、焼鈍炉で次のように実施される。
(1)無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉に適用する場合。
例えば、ゼンジマー型の溶融メッキ鋼板の製造設備で用いられている無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉では、無酸化炉の前段に、上記の条件で鋼板を加熱処理できる内部酸化帯を設ける。
(1)無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉に適用する場合。
例えば、ゼンジマー型の溶融メッキ鋼板の製造設備で用いられている無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉では、無酸化炉の前段に、上記の条件で鋼板を加熱処理できる内部酸化帯を設ける。
(2)オールラジアント型焼鈍炉による焼鈍に適用する場合
ラジアントチューブ型焼鈍炉の前段に、上記の条件で鋼板を加熱処理できる内部酸化帯を配設する。この焼鈍炉では、上記のようにPH2O/PH2が0.002未満に制御されているが、内部酸化帯では、0.002≦PH2O/PH2≦0.60に設定される。
ラジアントチューブ型焼鈍炉の前段に、上記の条件で鋼板を加熱処理できる内部酸化帯を配設する。この焼鈍炉では、上記のようにPH2O/PH2が0.002未満に制御されているが、内部酸化帯では、0.002≦PH2O/PH2≦0.60に設定される。
なお、上記の内部酸化帯のH2,H2O以外の気体は、N2であること前提に、その分圧の比(PH2O/PH2)を求めた。内部酸化帯のH2,H2O以外の気体は、N2であることが望ましい。その理由は、焼鈍炉では鋼板を還元するためのガスとして一般にH2が用いられ、また炉帯リーク防止として炉圧を保持するための不活性ガスとしてN2が用いられる。N2は大気中のエアーの分解やアンモニアガスの分解により、他の不活性ガスと比較して、安価に入手可能であるためである。
以下、本発明を溶融亜鉛メッキ鋼板の製造に適用した実施例を説明するが、本発明は、溶融メッキ処理前の焼鈍に限定されるものではなく、以下の実施例は、本発明の実施可能性及び効果を確認するための一条件例である。本発明は、特許請求の範囲に記載される事項によってのみ規定されており、その事項の範囲内において種々の条件を採用し得るものである。
質量%で、Si:1.7%、Mn:1.8%を含有する冷延鋼板を、予熱帯、内部酸化帯、再結晶焼鈍帯を有するオールラジアント型焼鈍炉を用いて焼鈍した。
鋼板を10℃/secの加熱速度で所定の保持温度まで加熱した後、その保持温度で所定の時間保持する内部酸化処理を施し、その後20℃/secの加熱速度で850℃まで加熱し、その温度で20sec焼鈍した後、溶融亜鉛メッキおよび合金化処理を施して、溶融亜鉛メッキ鋼板を製造した。図1に、そのときの温度とPH2O/PH2の変化の一例を示す。
表1に、焼鈍炉におけるビルドアップ発生の有無と、得られた鋼板のメッキ性を評価した結果を示す。表1より、本発明で規定する内部酸化の条件を満たす例は、いずれもビルドアップ発生はなく、得られた鋼板のメッキ性も良好であった。
鋼板を10℃/secの加熱速度で所定の保持温度まで加熱した後、その保持温度で所定の時間保持する内部酸化処理を施し、その後20℃/secの加熱速度で850℃まで加熱し、その温度で20sec焼鈍した後、溶融亜鉛メッキおよび合金化処理を施して、溶融亜鉛メッキ鋼板を製造した。図1に、そのときの温度とPH2O/PH2の変化の一例を示す。
表1に、焼鈍炉におけるビルドアップ発生の有無と、得られた鋼板のメッキ性を評価した結果を示す。表1より、本発明で規定する内部酸化の条件を満たす例は、いずれもビルドアップ発生はなく、得られた鋼板のメッキ性も良好であった。
質量%で、Si:1.7%、Mn:1.8%を含有する冷延鋼板を、ゼンジマー型の溶融メッキ鋼板の製造設備で用いられている無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉で焼鈍した。
鋼板を、無酸化炉の前段で、1.0℃/secの加熱速度で350℃まで加熱し、ついで種々の昇温速度で昇温しながら、350℃〜550℃の間の温度に種々の時間滞在させて内部酸化処理を施し、その後、800℃まで昇温し還元炉で鋼板表面を還元処理した後、溶融亜鉛メッキおよび合金化処理を施して、溶融亜鉛メッキ鋼板を製造した。
表2に、同様にその結果を示す。この実施例においても、本発明で規定する内部酸化の条件を満たす例は、いずれもビルドアップ発生はなく、得られた鋼板のメッキ性も良好であった。
鋼板を、無酸化炉の前段で、1.0℃/secの加熱速度で350℃まで加熱し、ついで種々の昇温速度で昇温しながら、350℃〜550℃の間の温度に種々の時間滞在させて内部酸化処理を施し、その後、800℃まで昇温し還元炉で鋼板表面を還元処理した後、溶融亜鉛メッキおよび合金化処理を施して、溶融亜鉛メッキ鋼板を製造した。
表2に、同様にその結果を示す。この実施例においても、本発明で規定する内部酸化の条件を満たす例は、いずれもビルドアップ発生はなく、得られた鋼板のメッキ性も良好であった。
Claims (8)
- 質量%で、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を再結晶焼鈍して高強度鋼板を製造するにあたり、
前記鋼板を焼鈍温度に加熱する前に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施すことを特徴とする高強度鋼板の製造方法。 - 全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉で前記焼鈍と内部酸化処理を行うこと特徴とする請求項1に記載の高強度鋼板の製造方法。
- 質量%で、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を無酸化炉で加熱した後、還元性雰囲気で再結晶焼鈍し、その後溶融メッキ処理して、高強度メッキ鋼板を製造するにあたり、
前記鋼板を無酸化炉で加熱する前段で、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施すことを特徴とする高強度メッキ鋼板の製造方法。 - 質量%で、Si:0.4〜2.5%、Mn:0.2〜2.0%を含有する鋼板を、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉によって再結晶焼鈍した後、溶融メッキ処理して、高強度メッキ鋼板を製造するにあたり、
前記鋼板を前記焼鈍炉で焼鈍温度に加熱する前段で、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で前記鋼板に内部酸化処理を施すことを特徴とする高強度メッキ鋼板の製造方法。 - 請求項1に記載の高強度鋼板の製造方法を実施する焼鈍炉であって、該焼鈍炉の前段に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で鋼板を加熱処理する内部酸化帯を設けたことを特徴とする焼鈍炉。
- 前記焼鈍炉が、全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉であること特徴とする請求項5に記載の焼鈍炉。
- 無酸化炉と還元炉よりなる焼鈍炉に続いて溶融メッキ設備を配置した請求項3に記載の高強度メッキ鋼板の製造方法を実施する製造設備であって、前記無酸化炉の前段に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で鋼板を加熱処理する内部酸化帯を設けたことを特徴とする高強度溶融メッキ鋼板の製造設備。
- 焼鈍炉に続いて溶融メッキ設備を配置した請求項4に記載の高強度メッキ鋼板の製造方法を実施する製造設備であって、前記焼鈍炉を全てラジアントチューブにより加熱する焼鈍炉とし、該焼鈍炉の前段に、加熱温度範囲が350℃〜550℃、該温度範囲の滞留時間が3分以上10分未満、加熱雰囲気の水分分圧と水素分圧の比PH2O/PH2が0.002以上0.60以下の条件で鋼板を加熱処理する内部酸化帯を配設したことを特徴とする高強度溶融メッキ鋼板の製造設備。
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-
2006
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