JP5020552B2 - Nmrプローブ - Google Patents

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Description

本発明は、同調周波数を可変できるNMRプローブに関し、特に、共振回路を構成するインダクタンス、キャパシタンス等の同調素子を両面に配置した円盤型同調素子ブロックを組み込んだNMRプローブに関する。
図1は、従来のNMR装置の主要部分を示したものである。多重共鳴用NMR装置200の測定においては、磁場補正装置6で制御された室温シム3で磁場ひずみを補正したマグネット2の静磁場内に、試料30を収容した試料管1をセットし、この試料30に静磁場強度に応じた周波数のRFパルスを照射してNMR現象を起こさせる。
その場合、RFパルスは、その試料30中の観測したい核種に応じて、発振器14からのパルス信号を複数の周波数バンド(図示例では3バンド;以下、3バンドで説明する)の中から選択し、それぞれ周波数f1に対応する電力増幅器13、周波数f2に対応する電力増幅器15、周波数f3に対応する電力増幅器16で増幅し、入出力を切り替えるデュプレクサ9を介して多重共鳴用NMRプローブ4に入力することにより、多重共鳴用NMRプローブ4からそれぞれ試料管1中の試料30に照射する。
すると、試料30は、NMR現象により、その核種に固有の共鳴周波数のNMR信号を出力するので、そのNMR信号を多重共鳴用NMRプローブ4で捉える。
そのとき、試料30をある所定の温度で測定する必要がある場合は、多重共鳴用NMRプローブ4内の試料管1周辺の温度を、コンピュータ7で制御される温度可変装置5で可変制御するようになっている。
そして、多重共鳴用NMRプローブ4で捉えられたNMR信号をデュプレクサ9を介して増幅器10に送って増幅した後、復調検波器11でオーディオ周波数に変換し、更に、A/D変換器(ADC)12でデジタル信号に変換する。
こうして、このデジタル信号をコンピュータ7に取り込み、コンピュータ7が信号を分析することにより、試料30が分析され、その分析結果が表示機8に表示されて、多重共鳴用NMR装置により物質の構造が調べられる。
図2は、NMRプローブに組み込まれたRF共振回路を示したものである。左側の従来例1は不平衡型共振回路の例で、C1がチューニングのための同調容量素子、バリコン1がチューニングのための補助同調可変容量素子、バリコン2がマッチングのための整合用可変容量素子である。これらの同調整合部とサンプルコイル部との干渉を避けるため、サンプルコイル部は接地電位の導体製サポートによって同調整合部から電磁気的にシールドされている。そして、サポートに設けられた2つの小孔を介して、サンプルコイル部から2本の引き出し線が引き出され、うち1本は同調整合回路と接続され、もう1本はNMRプローブを取り囲む接地電位の導体製フレームに接続されている。この共振回路は不平衡回路のため、RF磁界の振幅はサンプルコイルの上端で最大となり、サンプルコイルの下端でゼロとなる。
一方、右側の従来例2は平衡型共振回路の例で、C1、C2がチューニングのための同調容量素子、バリコン1がチューニングのための補助同調可変容量素子、バリコン2がマッチングのための整合用可変容量素子である。これらの同調整合部とサンプルコイル部との干渉を避けるため、サンプルコイル部は接地電位の導体製サポートによって同調整合部から電磁気的にシールドされている。そして、サポートに設けられた2つの小孔を介して、サンプルコイル部から2本の引き出し線が引き出され、うち1本は同調整合回路と接続され、もう1本は同調容量素子C2を介してNMRプローブを取り囲む接地電位の導体製フレームに接続されている。この共振回路は平衡回路のため、RF磁界の振幅はサンプルコイルの上下端で最大となり、サンプルコイルの中心でゼロとなる。
このようなRF共振回路において、同調範囲を広げるときは、C1ないしC2を取り外し、別のエレメント(例えば、容量の異なる容量素子やコイルのような誘導素子など)と交換する。この交換は、半田付けではなく、スティックと呼ばれる先端にエレメントを固定したシャフトを抜き差しして行なう(特許文献1、2)。
図3〜4は、それを自動化できるように、マルチエレメント化したものである。このうち、図3に示したタイプの装置は、図2左側の従来例1のような不平衡型共振回路に適用されるもので、同調容量素子C1を別のエレメントと置き換えるのに用いられる。回転シャフト上に設けられた円盤状ディスクに置き換え用のエレメントが配置される。ディスクが回転することにより、エレメントがC1から別のエレメントへと置き換えられる。これにより、従来例1のような不平衡型共振回路の共振周波数をシフトさせ、同調範囲を広げる(特許文献3)。
一方、図4に示したタイプの装置は、図2右側の従来例2のような平衡型共振回路に適用されるもので、同調容量素子C1、C2を対の形で別のエレメントと置き換えるのに用いられる。レール上に設けられた矩形状スライダーに置き換え用のエレメントが対の形で配置される。スライダーが摺動することにより、エレメントがC1、C2のペアから別のエレメントのペアへと置き換えられる。これにより、従来例2のような平衡型共振回路の共振周波数をシフトさせ、同調範囲を広げる。
尚、これらのエレメントは、エレメント間で放電などが起きないように、十分な間隔を置いて配置されている。
実開平2-45477号公報 実開平3-10282号公報 特開平3-223686号公報
このようなマルチエレメント切り替え方式のNMRプローブの問題点は、例えば、図3の場合、エレメントが1個ずつの置き換えになるので、不平衡型共振回路には適用できるが、平衡型共振回路には適用できないことであった。また、ディスク面が静磁場と直交しているので、回転動作時にディスク面内に渦電流が発生し、その結果生じる局所磁場がNMRロックに悪影響を与える。そのため、ディスク回転時には、NMRロックのループを閉じない、測定しない、分解能操作をしないなどの制限をしなければならない。その結果、高速処理のスループット向上の障害になりやすい。
一方、図4の場合、長手方向に寄生インダクタンスが出るため、この方式では、切り替え機構そのものの自己共振周波数は100MHz水準で限界を迎え、数百MHzクラスの高磁場NMR装置では、致命的な性能欠陥を生む。高磁場NMR分野は、今日、1H核の共鳴周波数で920MHz相当まで達し、下位クラスである300MHz相当から見ると、600MHz以上の幅がある。ちなみに600MHzクラスの31P核の共振周波数は243MHz相当であり、スライダー方式を実施する場合には、既に限界にあり、性能低下をもたらす要因になっている。
また、スライダー方式は、レール上を摺動させるため、接触抵抗・線路総延長に相当する導体抵抗成分が極端に大きくなり、回路のQ値の低下を招く。すなわち、数百mΩから数Ωの抵抗になり、数百程度のQ値を余儀なくされる。また、十数nH〜数十nHの寄生インダクタンスを生じるため、NMR検出器にとって当然であるHF領域の核種(1H、19Fなど)の回路系に干渉する寄生共振が生じ、HF側の性能に重大な悪影響を及ぼす。具体的には、10nHの寄生インダクタンスと4pFの浮遊容量で〜800MHz、10nHの寄生インダクタンスと10pFの浮遊容量で〜500MHz、30nHの寄生インダクタンスと10pFの浮遊容量で〜300MHzの寄生共振を生じる。このような寄生共振がもたらす不要信号は、ゴースト信号として排除しなければならないが、このようにゴースト信号の数が多くなると、主要な核種以外への影響は無視せざるを得なくなる。
その他にも、(i)スライダーには合成樹脂を使わざるを得ないため、バックグラウンド信号が大きくなる、(ii)レール上を摺動する際に電磁ノイズが発生する、(iii)レールが長いため、波長共振を起こしやすい(ちなみに800MHzでの1/4波長共振は〜90mm)、(iv)NMR検出器下部からの電磁界放射を助長する、などの問題がある。
本発明の目的は、上述した点に鑑み、従来の欠点を改良したマルチエレメント方式の切り替え機構を備えたNMRプローブを提供することにある。
この目的を達成するため、本発明にかかるNMRプローブは、
NMRプローブ本体内に回転可能に支持され、非磁性体でできた回転体表面に対をなすように複数対の同調素子を配置して構成した回転型同調素子ブロックと、
前記対をなす同調素子をNMRプローブ本体内に組み込まれたサンプルコイルの両端、または、該サンプルコイルの両端から引き出された引き出し線と選択的に接触可能な接点手段と、
前記回転型同調素子ブロックを回転させる回転駆動手段と
を備え、
前記回転型同調素子ブロックは、円盤体の両方の盤面に複数対の同調素子を配置して構成した円盤型同調素子ブロック、または円筒体の周面に複数対の同調素子を配置して構成した円筒型同調素子ブロックであり、
該回転型同調素子ブロックの回転によりサンプルコイルに接続される同調素子の対を選択するようにしたことを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロックを回転させる回転駆動手段は、ロータリーエンコーダーで構成することにより、同調素子の位置再現性を得るようにしたことを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロックの回転軸方向は、NMRプローブに印加される静磁場軸とほぼ直交していることを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロックの回転軸方向は、NMRプローブに印加される静磁場軸方向の方向成分を有していることを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロック表面には、周方向に対して交差する向きの溝部が設けられていることを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロックの回転時にNMRロックをホールドし、その時間帯だけシム操作を中断し、古いシム情報を保持できるようにしたことを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロックは、シールドされた導体ケースの中に収納されていることを特徴としている。
また、前記シールドされた導体ケースは、接地電位に保たれていることを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロックを構成する前記回転体は、金めっきしたリン青銅や非磁性真鍮などの非磁性金属で作られていることを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロックを構成する前記回転体の金めっきの下地には、ニッケルめっきなどの磁性体金属めっきを施さないことを特徴としている。
また、前記複数対の同調素子は、容量素子、誘導素子(コイル)、短絡素子(ショート)、無端子、の4種類の素子の組み合わせによって構成されていることを特徴としている。
また、前記複数対の同調素子の組み合わせは、容量素子―容量素子、無端子―無端子、誘導素子―誘導素子、容量素子―短絡素子、誘導素子―短絡素子、無端子―容量素子、誘導素子―容量素子、無端子―誘導素子のいずれか1つを含むことを特徴としている。
また、前記同調素子の接触端子は、リン青銅や非磁性真鍮などの非磁性金属で作られた、圧接によってコンタクトするばね性端子盤であることを特徴としている。
また、前記回転型同調素子ブロックを構成する円盤状ディスクは、リン青銅製のアースばねで前記シールドされた導体ケースに圧接することにより、接地電位に保たれていることを特徴としている。
本発明にかかるNMRプローブによれば、
NMRプローブ本体内に回転可能に支持され、非磁性体でできた回転体表面に対をなすように複数対の同調素子を配置して構成した回転型同調素子ブロックと、
前記対をなす同調素子をNMRプローブ本体内に組み込まれたサンプルコイルの両端、または、該サンプルコイルの両端から引き出された引き出し線と選択的に接触可能な接点手段と、
前記回転型同調素子ブロックを回転させる回転駆動手段と
を備え、
前記回転型同調素子ブロックは、円盤体の両方の盤面に複数対の同調素子を配置して構成した円盤型同調素子ブロック、または円筒体の周面に複数対の同調素子を配置して構成した円筒型同調素子ブロックであり、
該回転型同調素子ブロックの回転によりサンプルコイルに接続される同調素子の対を選択するようにしたので、
従来の欠点を改良したマルチエレメント方式の切り替え機構を備えたNMRプローブを提供することが可能になった。
以下、図面に基づいて、本発明の実施例について説明する。図5は、本発明にかかるNMRプローブを説明した図である。
サンプルコイル40からの2本の引き出し線41は、サンプルコイル40と同調整合部42との間を電磁気的にシールドする導体製のサポート43を貫通して、サンプルコイル40側から同調整合部42側に引き出される。引き出し線41は、サポート43と短絡しないように、ガラス製の図示しないブッシュなどで絶縁されている。
2本の引き出し線41は、本発明の核心部分であるエレメント切り替えボックス44に引き込まれ、NMRプローブの同調周波数に応じたエレメントを選択して接続できるような構成を取っている。また、エレメント切り替えボックス44のケースには、非磁性導体製のシールド容器が採用される。このケースは、NMRプローブの図示しない接地電位のフレームに接続され、常に接地電位を保つ。
引き出し線41の片方は、補助同調可変容量素子としてのバリコン1、整合用可変容量素子としてのバリコン2とも接続され、図示しない外部伝送路とサンプルコイル40との同調整合を調整している。バリコン1は、電極の一端が接地されている。それに対して、バリコン2は、電極が接地電位から浮いた状態を保っている。
図6は、エレメント切り替えボックス44の中に収められているエレメントの内容を示したものである。エレメント切り替えボックス44の中には、容量素子、短絡端子、誘導素子などのエレメントが対を成す形で納められており、これらのエレメントを対の形で切り替える。
図7は、エレメント切り替えボックス44の内部構造を具体的に示したものである。エレメントは、金めっきしたリン青銅や非磁性真鍮(静磁場を乱さないため、下地にニッケルめっきは施さない)などの非磁性金属でできた円盤状ロータリーディスク45の両方の盤面に、チップコン46のペア、あるいはインダクター(コイル)47のペアなどとして配置されている。ロータリーディスク45の回転シャフト48は、回転時にロータリーディスク45の表面に渦電流が発生して静磁場を乱さないように、NMRプローブに印加される静磁場軸とほぼ直交して設けられている。
図8は、エレメント切り替えボックス44のケースの具体的外観を示したものである。ケースの上面には、サンプルコイル40からの引き出し線41を挿入するための小孔が2つ開けられている。また、ケースの左右面には、ロータリーディスク45の回転シャフト48を支持するための穴が各1個ずつ開けられている。また、ケースの下面には、ロータリーディスク45を回転駆動させるための駆動シャフト49を挿入するための穴が1個開けられている。駆動シャフト49は、該穴に設けられたブッシングやベアリングなどの支持手段により適切に支持される。ケースはフレームに接続され、接地電位となっている。
なお、ケースは、基本的には、全方向を導体でシールドされていることが望ましいが、例えば、電磁界放射に対してNMRプローブ本体のフレームで十分補償できる場合や、端子間相互のクロストークがない場合や、他のデバイスからの雑音混入がない場合や、コストダウンで上部カバーがない方が利便性が高い場合など、その状況に応じてケース壁の一部を省略しても良い。
図9は、ロータリーディスク45を接地する方法を示したものである。エレメント切り替えボックス44のケースは、前述のように、NMRプローブの図示しない接地電位のフレームに接続され、常に接地電位を保っている。したがって、ケースとロータリーディスク45との間に、堅牢で且つばね性があるリン青銅でアースばねを構成し、ロータリーディスク45とアースばねが常に圧接することで接地させる。
図10は、エレメント切り替えボックス44の接点手段を示したものである。この接点手段は、対をなすロータリーディスク45上のエレメント(同調素子)をNMRプローブ本体内に組み込まれたサンプルコイルの両端、または、該サンプルコイルの両端から引き出された引き出し線と選択的に接触させることが可能な構造をしている。接点端子には、リン青銅や非磁性真鍮などの非磁性金属で作られた、圧接によって各エレメントとコンタクトするばね性端子盤が採用される。図の斜線部が金属、それ以外は耐熱ポリマー、ダイフロン(登録商標)、テフロン(登録商標)などの樹脂、あるいはセラミックなどの絶縁体で作られている。また、駆動シャフト49の回転を伝えるギア(傘歯車)50の材質は、硬質樹脂ないしは非磁性真鍮である。駆動シャフト49は、外部の図示しないロータリーエンコーダーで回転させることにより、エレメントの位置再現性を得る。エレメント切り替えボックス44の細部の寸法は、寄生インダクタンス、導体抵抗、接触抵抗に配慮したサイズを持っている。
図11は、円盤状ロータリーディスク45の両方の盤面に配置されるエレメントの組み合わせを示したものである。エレメントには、容量素子、誘導素子(コイル)、短絡端子(ショート)、無端子の4種類があり、これらの組み合わせを目的に従って選択し、ロータリーディスク45上に配置する。標準的には、誘導素子−誘導素子、無端子−無端子、容量素子−容量素子、容量素子−短絡端子などの組み合わせが広い範囲の周波数をカバーする目的で多用される。
図12は、ロータリーディスクの変形例を示したものである。円盤型ディスクの代わりに、円筒状ローラー型のエレメント設置部を用いても良い。この場合、円筒の全周面に渡ってエレメントを配置する場合は、円筒の回転軸を経由してエレメントが接地される。また、半円部分など円筒の限定された領域にエレメントを配置する場合は、その残りの半円部分がエレメントの接地に利用される。
図13は、ローラー型エレメント設置部の変形例を示したものである。この実施例では、ディスクの凸部円周面上にエレメントを配置することにより、ディスクとディスクのすきまの凹部にバリコンなど他の部材を配置することが可能になる。
図14は、ローラー型エレメント設置部の別の変形例を示したものである。この実施例では、ディスクとディスクの間の凹部円周面上にエレメントを配置することにより、全周360°に渡ってエレメントを配置させることが可能になる。これにより、より多くの帯域選択が可能となる。この場合は、ディスクの凸部円周面上で接地させる。
なお、本発明では、ロータリーディスクの回転軸をNMRプローブに印加される静磁場方向と直交させるように構成したが、これには図15に示すような変形が可能である。すなわち、ロータリーディスクの回転軸が静磁場方向を多少向いていたとしても、渦電流の発生を妨げるために円盤の表面に周方向に対して交差する向きの溝部を刻印しておけば、渦電流のループは遮断される。具体的には、ロータリーディスクの回転軸が仮に静磁場方向と平行であっても、円盤表面に周方向と直交する放射状の溝部を刻印しておけば、渦電流の発生はほとんど抑制することができる。この方式の良い点は、駆動シャフト49の回転軸とロータリーディスク45の回転軸が一致するため、回転を90°曲げて伝えるギア(傘歯車)が不要となり、コストと構造上の複雑さが大きく改善することである。
この方式の利点を更に決定的なものとするために、ロータリーディスク回転時にNMRロックをホールドし、その時間帯だけシム操作を中断し、古いシム情報を保持するようにさせる。そうしてやれば、ロータリーディスクの回転時に発生する渦電流から来る静磁場の乱れの悪影響を、ほとんど回避することができる。
このように、本発明によれば、2端子を同時に切り替えることができ、且つ、エレメントの接地性能を向上させた機構を採用したので、高電力に対応でき、高Q、広域での同調が可能になり、感度向上などの性能向上につながった。
また、自己共振周波数が高いエレメント切り替え機構により、スプリアス信号を伴わない回路構成が実現できるため、HF/LF間の干渉が抑制され、LF側(13C、15N、31Pなど)ばかりでなく、HF側(1H、19Fなど)に対しても性能向上が見込まれる。
また、静磁場方向に対し、渦電流抑圧方向に配置されているため、従来からあった駆動時の磁場の揺らぎ、ロックの揺らぎが軽減され、測定上の安定度が増すとともに、この揺らぎ時間を無視できるので、待ち時間がいらず、スループットが向上した。
また、ケースのシールドと接地の性能が増したので、電磁ノイズ、電磁界放射、バックグラウンド信号発生に対し、抑圧性能が増した。
また、円盤の両方の盤面にエレメントを配置することによって、エレメントの2つのホット電位部位が空間的に離れたので、放電耐圧が向上した。
NMRプローブに広く利用できる。
従来の多重共鳴NMR装置を示す図である。 従来の共振回路を示す図である。 従来のエレメントユニットを示す図である。 従来のエレメントユニットを示す図である。 本発明にかかる多重共鳴NMR装置の一実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの一実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの一実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの一実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの一実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの一実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメントの組み合わせの一実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの別の実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの別の実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの別の実施例を示す図である。 本発明にかかるエレメント切り替えボックスの別の実施例を示す図である。
符号の説明
1:試料管、2:マグネット、3:室温シム、4:NMRプローブ、5:温度可変装置、6:磁場補正装置、7:コンピュータ、8:表示機、9:デュプレクサ、10:増幅器、11:復調検波器、12:ADC、13:電力増幅器、14:発振器、15:電力増幅器、16:電力増幅器、30:試料、40:サンプルコイル、41:引き出し線、42:同調整合部、43:サポート、44:エレメント切り替えボックス、45:ロータリーディスク、46:チップコン、47:インダクター、48:回転シャフト、49:駆動シャフト、50:ギア、200:多重共鳴NMR装置

Claims (14)

  1. NMRプローブ本体内に回転可能に支持され、非磁性体でできた回転体表面に対をなすように複数対の同調素子を配置して構成した回転型同調素子ブロックと、
    前記対をなす同調素子をNMRプローブ本体内に組み込まれたサンプルコイルの両端、または、該サンプルコイルの両端から引き出された引き出し線と選択的に接触可能な接点手段と、
    前記回転型同調素子ブロックを回転させる回転駆動手段と
    を備え、
    前記回転型同調素子ブロックは、円盤体の両方の盤面に複数対の同調素子を配置して構成した円盤型同調素子ブロック、または円筒体の周面に複数対の同調素子を配置して構成した円筒型同調素子ブロックであり、
    該回転型同調素子ブロックの回転によりサンプルコイルに接続される同調素子の対を選択するようにしたことを特徴とするNMRプローブ。
  2. 前記回転型同調素子ブロックを回転させる回転駆動手段は、ロータリーエンコーダーで構成することにより、同調素子の位置再現性を得るようにしたことを特徴とする請求項1記載のNMRプローブ。
  3. 前記回転型同調素子ブロックの回転軸方向は、NMRプローブに印加される静磁場軸とほぼ直交していることを特徴とする請求項1または2記載のNMRプローブ。
  4. 前記回転型同調素子ブロックの回転軸方向は、NMRプローブに印加される静磁場軸方向の方向成分を有していることを特徴とする請求項1または2記載のNMRプローブ。
  5. 前記回転型同調素子ブロック表面には、周方向に対して交差する向きの溝部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のNMRプローブ。
  6. 前記回転型同調素子ブロックの回転時にNMRロックをホールドし、その時間帯だけシム操作を中断し、古いシム情報を保持できるようにしたことを特徴とする請求項4記載のNMRプローブ。
  7. 前記回転型同調素子ブロックは、シールドされた導体ケースの中に収納されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のNMRプローブ。
  8. 前記シールドされた導体ケースは、接地電位に保たれていることを特徴とする請求項7記載のNMRプローブ。
  9. 前記回転型同調素子ブロックを構成する前記回転体は、金めっきしたリン青銅や非磁性真鍮などの非磁性金属で作られていることを特徴とする請求項記載のNMRプローブ。
  10. 前記回転型同調素子ブロックを構成する前記回転体の金めっきの下地には、ニッケルめっきなどの磁性体金属めっきを施さないことを特徴とする請求項記載のNMRプローブ。
  11. 前記複数対の同調素子は、容量素子、誘導素子(コイル)、短絡素子(ショート)、無端子、の4種類の素子の組み合わせによって構成されていることを特徴とする請求項ないし10のいずれか1項に記載のNMRプローブ。
  12. 前記複数対の同調素子の組み合わせは、容量素子―容量素子、無端子―無端子、誘導素子―誘導素子、容量素子―短絡素子、誘導素子―短絡素子、無端子―容量素子、誘導素子―容量素子、無端子―誘導素子のいずれか1つを含むことを特徴とする請求項11記載のNMRプローブ。
  13. 前記同調素子の接触端子は、リン青銅や非磁性真鍮などの非磁性金属で作られた、圧接によってコンタクトするばね性端子盤であることを特徴とする請求項ないし12のいずれか1項に記載のNMRプローブ。
  14. 前記回転型同調素子ブロックを構成する円盤状ディスクは、リン青銅製のアースばねで前記シールドされた導体ケースに圧接することにより、接地電位に保たれていることを特徴とする請求項ないし13のいずれか1項に記載のNMRプローブ。
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