JP4041293B2 - 多重共鳴用nmrプローブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核磁気共鳴(以下、NMRともいう)装置に用いられる多重共鳴用NMRプローブの技術分野に属し、特に、NMRプローブ多重同調回路の素子間にチップ状素子を挿入することにより、種々の仕様のNMRプローブ多重同調回路に対応して使用可能な多重共鳴用NMRプローブの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
NMR装置はその重要な構成要素の1つとしてNMRプローブを備えているが、このNMRプローブはサンプルコイルとこのサンプルコイルと組み合わされる同調回路とを備え、静磁場内に配置された試料に高周波パルスを照射するとともにこの照射により試料から発生するNMR信号を検出し、検出したNMR信号をフーリエ変換等の処理を行ってNMRスペクトルを得ている。
【0003】
このようなNMRプローブとして、サンプルコイルに対して照射系の比較的高い高周波の周波数、観測系の比較的低い高周波の周波数、および磁場のドリフトを避けるために採用されるNMR−LOCK(NMRロック)系の高周波の周波数が互いに異なるように設定されたNMRプローブ多重同調回路を備えた多重共鳴用NMRプローブが開発されている。
【0004】
図15は、従来の多重共鳴用NMRプローブの一例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す図である。図中、21はNMRプローブ多重同調回路、22は比較的高い周波数f1の高周波が入力されるHF(高周波)入出力ポート、23はHF高周波の波長λの1/4(λ/4)の波長を有するヘリカル共振器、24はHF同調用バリコン、25はHF整合用コンデンサ、26は比較的低い周波数f2の高周波が入力されるLF入出力ポート、27はHF高周波の波長λのλ/4の波長を有するヘリカル共振器、28はLF同調用バリコン、29はLF整合用コンデンサ、30は周波数f3のNMR−LOCK用高周波が入力されるLOCK(ロック)入出力ポート、31はHFリジェクタ、32はLOCK同調用バリコン、33はLOCK整合用コンデンサ、L1,L100はサンプルコイルである。
【0005】
図15に示すように、LOCK系は、一般的には2H核の重化された溶媒を測定対象試料に入れて(試料を重化溶媒に溶かしても同じ)、2H核でNMRロックをかけて信号の安定度と分解能の補償管理を行う。LOCK入出力ポート30からの入力は、ヘリカル共振器23があるため、その構成によるインダクタンスに近似したダミーコイルとサンプルコイルL1がなす見かけのサンプルコイルに対してLOCK同調用バリコン32、LOCK整合用コンデンサ33等でチューニングをとるようになっている。
【0006】
また、HF系は、一般的には1H核を想定するが、ときには19F核も想定する。HFというテクニックを使って、その核種での観測の場合と炭素核につながる水素核などの結合を見る。HF入出力ポート22からの入力は、サンプルコイルL1のHF同軸共振器23により動作してHF同調用バリコン24、HF整合用コンデンサ25等でチューニングをとっている。
【0007】
更に、LF系は、一般的には炭素核を想定するが、リン核、酸素核、珪素核、窒素核なども想定する。分極移動や照射というテクニックを使って、その核種での観測の場合と水素核につながるその核などの結合の相関を見る。LF入出力ポート26からの入力は、サンプルコイルL100に対してLF同調用バリコン28、LF整合用バリコン29等でチューニングをとっている。
そして、それぞれの周波数の合わせ込みは、2つのサンプルコイルL1,L100につながる同調回路のチューニングを合わせることで行う。
【0008】
図16は、従来の多重共鳴用NMRプローブにおけるNMRプローブ多重同調回路の他の一例を示す図である。なお、前述の図15に示す例と同じ構成要素には同じ符号を付している。また、図中、34はLFリジェクトである。
図16に示すように、この例のNMRプローブ多重同調回路におけるHF系は、図15に示す例と同様に1H核を想定するが、ときには19F核も想定する。このHF系においては、HF入出力ポート22からの入力は、サンプルコイルL2の両端のHF同軸共振器23,27により動作するHF同調用バリコン24、HF整合用コンデンサ25等でチューニングをとっている。
【0009】
また、LF系は、13Cの炭素核を想定する。このLF系においては、LF入出力ポート26からの入力は、HF側にあるHF共振器23がLF周波数で接地しているので、ダミーコイルが入っているように見える見かけのサンプルコイルに対してLF側にあるHF共振器27がなすキャパシタンス、LF同調用バリコン28、LF整合用バリコン29等でチューニングをとっている。
【0010】
更に、LOCK系も、図15に示す例と同様に2H核でNMRロックをかけて信号の安定度と分解能の補償管理を行う。このLOCK系においては、LFリジェクト34があるため、その構成によるインダクタンスに近似したダミーコイルとサンプルコイルL2がなす見かけのサンプルコイルに対してLOCK同調用バリコン32、LOCK整合用バリコン33等でチューニングをとっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図15に示す従来例の多重共鳴用NMRプローブでは、3バンド以上の周波数バンドを得るには、サンプルコイルを2個以上(図示例ではL1,L100)用意しなければならない。このため、サンプルコイルの数が多くなって多重同調回路を効率よく構成することはできない。
【0012】
また、図16に示す従来例の多重共鳴用NMRプローブでは、HF側に挿入されている同軸共振器23がLF側回路から見ると、サンプルコイルL2にシリーズに入るインダクタンスとなっているため、LF側からのエネルギはHF側にリークしてしまう。言い換えると、LF側から投入したRF電力は、その一部がHF側に流れてしまうため、効率のよいLF側核種の90°パルス幅を与えない。したがって、LF側感度が低下してしまう。
【0013】
更に、リークしたRF電力は、このような感度の低下などの効率の問題ばかりでなく、多重共鳴用NMRプローブにつながる周辺機器にも影響を及ぼすとともに、流れ込んだポートの増幅器に損傷を与える場合もあり、更には、外部空間に伝播し、電磁障害を周辺に及ぼす場合がある。
【0014】
その他に、3バンドが互いに結合しているハイインピーダンス側のノードで考えると、互いにインピーダンスが高いため、チューニングを合わせる過程で負荷変動が起こり、互いに干渉し合う。
更に、特に重要なのはLFの周波数を変化させると、NMRロックの同調がずれ、測定上最も重要な磁場の固定(=スペクトルの出る位置)が不安定になってしまうことである。
【0015】
更に、使い勝手では、LF側のチューニングを合わせるとHF側のチューニングがずれてしまうので、再度、HF側のチューニングを合わせることになるが、HF側のチューニングを合わせると、今度はLF側のチューニングがずれてしまうので、HF側およびLF側のチューニングを繰り返し合わせなければならなく、いたちごっこになる不便さがあるとともに、最適な同調に至らないため、性能が低下してしまう。
【0016】
更に、通常、多重共鳴用NMRプローブを組み込んでチューニングを行うため、前述のような回路構成上の損失やリーク(=クロストーク)を容易に変更したり、調整したりすることができない場合が多い。
このように、従来の多重共鳴では多くの核種に対応した多くの周波数バンドを必要とするが、従来のような考え方では限界があり、多くの核種に対応するにはそれらに専用のプローブを用意しなければならなく、1台のプローブでは多くの核種に対応することはできなかった。
【0017】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、多重共鳴において1台のプローブで多くの核種に対応することのできる多重共鳴用NMRプローブを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明の多重共鳴用NMRプローブは、静磁場中にセットされた試料に、3バンド以上の多数の異なる周波数の共鳴周波数の信号を照射し、それぞれ、この照射信号に対応して核磁気共鳴現象により試料から出力される共鳴周波数の信号を捉える多重共鳴用NMRプローブにおいて、単独のサンプルコイルと、3バンド以上の多数の異なる周波数の信号に対応して設けられかつ前記サンプルコイルに接続されて、それぞれ対応する周波数の信号が入力されるポートと、着脱可能に装着され、それぞれのポートから入力される周波数の信号を前記サンプルコイルへ通すように制御する、前記異なる周波数と同数の着脱式のリアクタンスエレメントとを少なくとも備え、これらのリアクタンスエレメントが、それぞれ、異なる回路が結合する各ノードに組み込まれていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項2の発明は、前記3バンド以上の多数の異なる周波数が、少なくともNMR−LOCK信号の周波数、水素核またはフッ素核の周波数、および炭素核を中心とするリン核未満の測定核種から窒素核周辺域までの可変域を保有する周波数を少なくとも含んでいることを特徴としている。
【0020】
【作用】
このように構成された本発明の多重共鳴用NMRプローブにおいては、多数の核種に対応してリアクタンスエレメントを予め用意しておく。そして、予め用意されたリアクタンスエレメントの中から、測定する試料の核種の周波数に応じたリアクタンスエレメントを適宜選択し、選択したリアクタンスエレメントをプローブ本体の対応する接続端子間に着脱可能に装着することで、単独のサンプルコイルだけで測定する試料の多数の周波数に応じた多重共鳴用NMRプローブが簡単に構成可能となる。
【0021】
このように、多重共鳴において、多くの核種に対応した周波数バンドに対して、リアクタンスエレメントをその周波数バンドに対応したリアクタンスエレメントに交換するだけで、1台の多重共鳴用NMRプローブで対応可能となる。
【0022】
また、ポートから入力される周波数の信号がこの信号に対応するリアクタンスエレメントによりサンプルコイルへ通すように制御されるので、信号のリークが防止される。これにより、効率が向上し、感度が向上する。
更に、サンプルコイルを更に追加することで、3周波数バンド以上の多数の周波数バンドを更に追加可能となり、より多くの周波数帯について観測可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る多重共鳴用NMRプローブが適用される多重共鳴用NMR装置の一例を模式的に示す図である。
まず、本発明の多重共鳴用NMRプローブが適用される多重共鳴用NMR装置の一例を簡単に説明する。
【0024】
図1に示すようにこの多重共鳴用NMR装置200においては、試料30を収容した試料管1をマグネット2の静磁場中にセットし、この試料30に磁場強度に応じた共鳴周波数のRFパルス信号を照射して核磁気共鳴現象を起こさせる。その場合、RFパルス信号は、発振器14からのNMRパルス信号をその試料30の核種に対応して多くの周波数バンド(図示例では3バンド;以下、3バンドで説明する)を、それぞれ、周波数f1に増幅する電力増幅器13、周波数f2に増幅する電力増幅器15、周波数f3に増幅する電力増幅器16で増幅し、入出力を切り替えるデュプレクサ9を介して多重共鳴用NMRプローブ4に入力することにより、多重共鳴用NMRプローブ4からそれぞれ試料管1中の試料30に照射する。すると、試料30はNMR現象により共鳴周波数のNMR信号を出力するので、そのNMR信号を多重共鳴用NMRプローブ4で捉える。
【0025】
このとき、試料30をある所定温度で測定する場合、多重共鳴用NMRプローブ4の温度をコンピュータ7で制御される温度可変(以下、VTとも表記する)装置5で可変制御するようになっている。
【0026】
そして、多重共鳴用NMRプローブ4で捉えられた信号をデュプレクサ9により増幅器10に送って増幅した後、復調検波器11でオーディオ周波数に変換し、更に、A/D変換器(ADC)12でデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号をコンピュータ7に取り込み、コンピュータ7がこの信号を分析することにより、試料30を分析し、その分析結果を表示機8に表示する。こうして、多重共鳴用NMR装置により物質の構造が調べられる。
【0027】
ところで、多重共鳴用NMRプローブ4の中心部は、それぞれ固有の磁化率を有する種々の部品から構成されており、これらの部品固有の磁化率が形成する磁場分布でマグネット2が作り出す静磁場分布が歪みを受けるようになる。そこで、多重共鳴用NMRプローブ4の中心部の各部品の形状構造および各部品の材料の特性に基づいて、マグネット2による静磁場分布と各部品による静磁場分布とからなるトータルの静磁場分布を室温シム3で補正することで、トータルの静磁場マップの歪みを補正している。具体的には、NMR LOCKと呼ばれる、一般的には重水素核で置換された溶媒を、測定する試料30と一緒に試料管1に入れ、重水素核のNMR信号をモニタしてその強度が高まるように室温シム3を調整することで、トータルの静磁場マップを補正している。
【0028】
図2は、本発明に係る多重共鳴用NMRプローブの実施の形態の一例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す図である。なお、前述の図15および16に示す構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図2に示すように、この例の多重共鳴用NMRプローブ4のNMRプローブ多重同調回路21では、図16に示すNMRプローブ多重同調回路21において同軸共振器23,27およびLFリジェクタ31,34がそれぞれ設けられていなく、また、図16に示すHF整合用コンデンサ25がHF整合用バリコン25に、図16に示すLOCK同調用バリコン32がLOCK同調用コンデンサ32に、図16に示すLOCK整合用コンデンサ33がLOCK整合用バリコン33に、それぞれ、変更されている。なお、図16にはサンプルコイルがL2で示されているが、本発明の各例では、サンプルコイルはLSで示す。
【0029】
更に、この例のNMRプローブ多重同調回路21では、サンプルコイルLSのHF側に第1リアクタンスエレメント35が接続されている。この第1リアクタンスエレメント35は、コイル36とコンデンサ37とを並列に配置した共振回路として構成されており、この共振回路はコンデンサを介して接地されている。そして、この第1リアクタンスエレメント35は図16に示す同軸共振器23と同機能を有するように構成されていて、低い高周波信号LFhighは通すが、高い高周波信号HFは遮断するようになっており、更にLOCK信号を選択的に通すタンク回路として構成されている。
【0030】
また、サンプルコイルLSのLF側に第2リアクタンスエレメント38が接続されている。この第2リアクタンスエレメント38は、コイル39とコンデンサ40との並列回路にコンデンサ41を直列に配置した共振回路として構成されており、この共振回路は、第1リアクタンスエレメント35の場合と同様にコンデンサを介して接地されている。そして、第1リアクタンスエレメント35と同様にこの第2リアクタンスエレメント38は図16に示す同軸共振器23と同機能を有するように構成されていて、低い高周波信号LFhighは遮断するが、高い高周波信号HFは通すようになっており、更にサンプルコイルLSへのLOCK信号の入力時には接地される。
【0031】
更に、第1リアクタンスエレメント35のサンプルコイルLS側と反対側には、第3リアクタンスエレメント42が接続されている。この第3リアクタンスエレメント42は、コイル43とコンデンサ44との並列回路にコンデンサ45を直列に配置した共振回路として構成されており、この共振回路は、LOCK同調用コンデンサ32を介して接地されているとともに、LOCK整合用バリコン33を介してロック入出力ポート30に接続されている。そして、この第3リアクタンスエレメント42は図16に示すLFリジェクト34と同機能を有するように構成されていて、低い高周波信号LFhighは遮断するが、LOCK信号は通すようになっている。
【0032】
更に、HF入出力ポート22とHF整合用バリコン25との間には、HF信号のみを通す、高周波信号を選択して通すHPF46が配設されている。図2(b)に示すように、このHPF46は、例えば直列接続された一対のコンデンサ47,48との間がコイル49を介して接地された回路、またはコイル50とコンデンサ51とが直列接続された回路で構成されている。これらに限らず、HPF46の機能を有するものであれば、他の回路構成を用いることができることは言うまでもない。
【0033】
更に、サンプリングコイルLSと第2リアクタンスエレメント38との接続点よりLF入出力ポート26側には、LF信号を通すがHF信号は遮断するBRF52が配設されている。図2(c)に示すように、このBRF52は、例えばコイル53とコンデンサ54とが並列接続された回路で構成されている。これに限らず、BRF52の機能を有するものであれば、他の回路構成を用いることができることは言うまでもない。
【0034】
このように、この例のNMRプローブ多重同調回路21は、周波数が3バンドの3重同調回路として構成されている。図3(a)に示すように、このNMRプローブ多重同調回路21を模式的に示すと、単独のサンプルコイルLSの一端側にHF入出力ポート22が接続されるとともに、サンプルコイルLSの他端側にLF入出力ポート26が接続され、また、サンプルコイルLSのHF入出力ポート側に第1リアクタンスエレメント35が接続されるとともに、この第1リアクタンスエレメント35に第3リアクタンスエレメント42が直列に接続され、更に、第3リアクタンスエレメント42にロック入出力ポート30が接続され、更に、サンプルコイルLSのLF入出力ポート側に第2リアクタンスエレメント38が接続される回路構成となっている。
【0035】
図4は、本発明の実施の形態の他の例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図である。なお、前述の図15および16に示す構成要素および図2に示す構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
前述の図2示す例では、互いに直列に接続された第3リアクタンスエレメント42が第1リアクタンスエレメント35を介してサンプルコイルLSのHF入出力ポート側に接続されるようになっているが、図4に示すようにこの例のNMRプローブ多重同調回路21は、第1および第3リアクタンスエレメント35,42がともにサンプルコイルLSのHF入出力ポート側に直接接続されるようになっている。この例の他の構成は、図16に示す従来例と同様にLOCK同調用バリコン32が用いられている以外は、図2に示す例と同じである。
【0037】
この例のNMRプローブ多重同調回路21も同様に3重同調回路として構成されており、その場合、図3(b)に示すように、サンプルコイルLSのHF入出力ポート側に第1および第3リアクタンスエレメント35,40が直接接続されるとともに、サンプルコイルLSのLF入出力ポート側に第2リアクタンスエレメント38が接続される回路構成となっている。
【0038】
図5は第1ないし第3リアクタンスエレメント35,38,42の構成要素の組合せの例を示す図である。
図5(a)に示す組合せの例は、前述の図2および図4に示す例と同じである。また、同図(b)に示す組合せの例は、同図(a)において第1リアクタンスエレメント35のコイル36とコンデンサ37との並列回路にもう1つのコンデンサ55を直列に接続した回路であり、また、第1リアクタンスエレメント35の他の構成要素、第2および第3リアクタンスエレメント38,42はそれぞれ同図(a)と同じである。
【0039】
更に、同図(c)に示す組合せの例は、同図(a)において第1リアクタンスエレメント35のコンデンサ37を削除するとともに、第2リアクタンスエレメント35のコンデンサ40を削除し、更に、第3リアクタンスエレメント42のコンデンサ45を削除した回路であり、また、第1ないし第3リアクタンスエレメント35,38,42の他の構成要素はそれぞれ同図(a)と同じである。更に、同図(d)に示す組合せの例は、同図(c)において第3リアクタンスエレメント42にコンデンサ45を同図(a)と同様に配設した回路であり、また、第1および第2リアクタンスエレメント35,38と第3リアクタンスエレメント42の他の構成要素はそれぞれ同図(c)と同じである。更に、同図(e)に示す組合せの例は、同図(c)において第2リアクタンスエレメント38にコンデンサ41を削除した回路であり、また、第1および第3リアクタンスエレメント35,42と第2リアクタンスエレメント38の他の構成要素はそれぞれ同図(c)と同じである。
【0040】
更に、同図(f)に示す組合せの例は、同図(a)において第1リアクタンスエレメント35のコイル36を削除するとともに、第2リアクタンスエレメント35のコイル39およびコンデンサ40を削除し、更に、第3リアクタンスエレメント42のコンデンサ45を削除した回路であり、また、第1ないし第3リアクタンスエレメント35,38,42の他の構成要素はそれぞれ同図(a)と同じである。更に、同図(g)に示す組合せの例は、同図(b)において第1リアクタンスエレメント35のコンデンサ37を削除するとともに、第2リアクタンスエレメント35の2つのコンデンサ40,41を削除し、更に、第3リアクタンスエレメント42のコンデンサ45を削除した回路であり、また、第1ないし第3リアクタンスエレメント35,38,42の他の構成要素はそれぞれ同図(b)と同じである。
なお、第1ないし第3リアクタンスエレメント35,38,42のコイルとコンデンサの少なくとも1つからなるリアクタンス構成要素は、図5に示す以外にも測定する試料の周波数に応じて種々設定可能であることは言うまでもない。
【0041】
そして、各リアクタンスエレメントのリアクタンス構成要素を設定するには、まず第1および第2リアクタンスエレメント35,38についてリアクタンス構成要素を設定し、その後に第3リアクタンスエレメント42についてリアクタンス構成要素を、第1および第2リアクタンスエレメント35,38のリアクタンス構成要素に合わせて設定するようにする。このようにすることで、第3周波数について最適となり、この第3周波数信号(LOCK信号)の入力がし易くなる。
【0042】
図6は、1つの組立体としてプラグ化した第1ないし第3リアクタンスエレメントのいくつかの例を示す図、図7はこれらのリアクタンスエレメントの各構成要素の分解図である。
図6(A)に示す例のプラグ化したリアクタンスエレメントは、図7(A)の(a)に示す金属導体等の導体からなる図において左方開口した有底筒状の第1ケース部材56と、この第1ケース部材56の左端にその右端が螺合される、図7(B)の(a)に示す金属導体等の導体からなる筒状の第2ケース部材57と、この第2ケース部材57にねじ等で接合される、図7(C)に示すレジンまたはセラミック等の絶縁性材料からT字状に形成された第3ケース部材58と、この第3ケース58に電気的接続部材66を介して固定される、金属導体等の導体からなるチップ59と、第3ケース部材58のチップ59と反対側に螺合される、図7(D)に示すレジンまたはセラミック等の絶縁性材料から部分的に筒状に形成されたボビン60と、このボビン60に螺合される、図7(E)に示す金属導体等の導体から円柱状に形成された第1電気接続部材61と、この第1電気接続部材61に圧接される、図7(F)に示す金属導体等の導体から円柱状に形成された短絡チップ導体62と、この短絡チップ導体62に圧接されるとともに第1ケース部材56に螺合される、図7(G)に示す金属導体等の導体から円柱状に形成された第2電気接続部材63と、ボビン60に巻回されるコイル64と、このコイル64を第1電気接続部材61および電気的接続部材66にともに電気的に接続する導線65とから構成されている。
【0043】
そして、これらの部材が図6(A)(a)に示すように組み立てられてプラグ化されたリアクタンスエレメントが形成され、リアクタンスエレメントのこの状態では、第1ケース部材56、第2ケース部材57、チップ59、短絡チップ導体62、第1および2電気接続部材61,63、コイル64、および電気的接続部材66が電気的に導通している。このプラグ化されたリアクタンスエレメントの寸法はNMRプローブの使用する高周波の波長λに対し共振モードになり易い所定の大きさ、例えば軸方向長さが約30mm前後(HFの場合は約20〜30mm;LFの場合は約30〜40mm)に設定されている。もちろん、プラグ化されたリアクタンスエレメントの寸法はこの例示の寸法に限定されることはない。
このように構成された図6(A)(a)に示すプラグ化されたリアクタンスエレメントは、同図(b)に示すように1つのコイル64からなるリアクタンスエレメントに構成されている。
【0044】
なお、図7(A)(b)に示すように第1ケース部材56は4つの部材から、また、図7(B)(b)に示すように第2ケース部材57は2つの部材から、それぞれ、分割構成することもできる。
【0045】
また、図6(B)(a)に示す例のプラグ化したリアクタンスエレメントは、図6(A)に示す例のリアクタンスエレメントの金属導体等の導体からなるチップ59に代えて、図7(H)に示す高耐電圧基層からなるチップコンデンサ(以下、チップコンともいう)67を備えている。すなわち、チップコン67はその右側の端子が第3ケース58に電気的接続部材66を介して固定されている。この例のプラグ化したリアクタンスエレメントの他の構成は、図6(A)(a)に示す例と同じである。
このように構成された図6(B)(a)に示すプラグ化されたリアクタンスエレメントは、同図(b)に示すように1つのコイル64と1つのコンデンサ67とを直列に接続した回路からなるリアクタンスエレメントに構成されている。
【0046】
更に、図6(C)(a)に示す例のプラグ化したリアクタンスエレメントは、図6(B)に示す例のリアクタンスエレメントの金属導体等の導体からなる円柱状の第1電気接続部材61に代えて、図7(I)に示す金属導体等の導体からなるT字状の第3電気接続部材68を備えている。この第3電気接続部材68はボビン60に螺合されるだけではなく、第2ケース部材57の内周面にも螺合される。また、コイル64は導線65によりチップコン67の図において左側の端子に電気的に接続されている。この例のプラグ化したリアクタンスエレメントの他の構成は、図6(B)(a)に示す例と同じである。
【0047】
このように構成された図6(C)(a)に示すプラグ化されたリアクタンスエレメントは、同図(b)に示すように1つのコイル64と1つのコンデンサ67とを並列に接続した回路からなるリアクタンスエレメントに構成されている。
なお、図6(C)(a)に示すリアクタンスエレメントにおいては、同図(b)に示すようにコイル64とコンデンサ67との並列回路に代えて、前述の図16に示すと同様のHF周波数の波長λのλ/4の波長の信号を出力する波長型共振器を用いることもできる。
【0048】
更に、図6(D)(a)に示す例のプラグ化したリアクタンスエレメントは、図6(C)に示す例のリアクタンスエレメントの金属導体等の導体からなる短絡チップ導体62に代えて、図7(H)に示すチップコン67と同様のチップコン69備えている。また、第1電気接続部材61は円柱状に形成されている。そして、図7(J)に示す電気的接続構造70により、チップコン67の左側の端子が導線65でコイル64に電気的に接続され、またチップコン67の右側の端子が導線71で第1電気接続部材61に電気的に接続されている。この例のプラグ化したリアクタンスエレメントの他の構成は、図6(C)(a)に示す例と同じである。
【0049】
このように構成された図6(D)(a)に示すプラグ化されたリアクタンスエレメントは、同図(b)に示すように1つのコイル64と1つのコンデンサ67とを並列に接続した回路とこの回路に直列に接続されたもう1つコンデンサ69とからなるリアクタンスエレメントに構成されている。
【0050】
このプラグ化されたリアクタンスエレメントを、図5に示すコイルとコンデンサの少なくとも1つからなるリアクタンス構成要素、あるいはこれ以外の、測定する試料の周波数に応じて種々設定可能なリアクタンス構成要素について、予め用意しておく。
【0051】
一方、図8(a)に示すように、多重共鳴用NMRプローブのプローブ本体72の同調部には、各リアクタンスエレメントに対応して3つのソケット72a,72b,72cが設けられており、これらのソケット72a,72b,72cには、それぞれ、同図(b)に示すようにNMRプローブ多重同調回路21の、各リアクタンスエレメントが組み込まれる部分の各ノードに接続される接続端子73,74が設けられている。そして、予め用意されたプラグ化されたリアクタンスエレメントを測定する試料の核種の周波数に応じて適宜選択し、図8(b)に示すように選択したリアクタンスエレメントをプローブ本体72の対応する接続端子73,74間に着脱可能に圧接挿入することで、単独のサンプルコイルを有するだけで測定する試料の多数の周波数に応じたNMRプローブ多重同調回路21を簡単に構成可能になっている。すなわち、各リアクタンスエレメントはプローブ本体72のソケットに着脱可能に装着される着脱式エレメントとされている。
【0052】
図9(a)および(b)は、それぞれ、3重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21の他の例を模式的に示す、図3(a)および(b)と同様の図である。
3重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21の他の例としては、図9(a)に示すようにサンプルコイルLSのHF入出力ポート側に第1リアクタンスエレメント35が直接接続されるとともに、サンプルコイルLSのLF入出力ポート側に第2および第3リアクタンスエレメント38,42が直接接続される回路構成、あるいは、図9(b)に示すようにサンプルコイルLSのHF入出力ポート側に第1リアクタンスエレメント35が接続されるとともに、サンプルコイルLSのLF入出力ポート側に第2リアクタンスエレメント38が接続され、更に、この第2リアクタンスエレメント38に第3リアクタンスエレメント42が直列に接続される回路構成を用いることもできる。
これらの3重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21においても、本発明の前述のプラグ化されたリアクタンスエレメントが用いられる。
【0053】
図10ないし図13は、それぞれ、本発明の実施の形態の他の例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図である。なお、前述の図15およびYに示す構成要素および図2に示す構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
前述の各例のNMRプローブ多重同調回路21はいずれも3重同調回路であるが、図10ないし図13に示す各例のNMRプローブ多重同調回路21は、いずれも4重同調回路の例である。
【0054】
図10に示す例のNMRプローブ多重同調回路21は、図2に示す例のNMRプローブ多重同調回路21において、LF整合用バリコン29とBRF52との間に第4リアクタンスエレメント75が接続されており、この第4リアクタンスエレメント75はコイル76とコンデンサ77との並列回路で構成されている。また、第4リアクタンスエレメント75はLF同調用バリコン78を介して接地されているとともに、LF整合用バリコン79を介して第2のLF入出力ポート(LF2)80に接続されている。この例のNMRプローブ多重同調回路21の他の構成は図2に示す例と同じである。
【0055】
図11に示す例のNMRプローブ多重同調回路21は、図10に示す例のNMRプローブ多重同調回路21において、第4リアクタンスエレメント75がコイル76とコンデンサ77との並列回路にもう1つのコンデンサ81が直列に接続されて構成されている。この例のNMRプローブ多重同調回路21の他の構成は図10に示す例と同じである。
【0056】
図12に示す例のNMRプローブ多重同調回路21は、図10に示す例のNMRプローブ多重同調回路21に対して、第4リアクタンスエレメント75が第2リアクタンスエレメント38に直列に接続されている点が異なり、他の構成は図10に示す例と同じである。また、図13に示す例のNMRプローブ多重同調回路21は、図12に示す例のNMRプローブ多重同調回路21において、第4リアクタンスエレメント75がコイル76とコンデンサ77との並列回路にもう1つのコンデンサ81が直列に接続されて構成されている。この例のNMRプローブ多重同調回路21の他の構成は図12に示す例と同じである。
【0057】
そして、図10および図11に示す例の4重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21は、図14(a)に模式的に示すように第1ないし第4リアクタンスエレメント35,38,42,75からなる4重同調回路を構成し、また、図12および図13に示す例の4重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21は、図14(b)に模式的に示すように第1ないし第4リアクタンスエレメント35,38,42,75からなる4重同調回路を構成している。
【0058】
これらの例のNMRプローブ多重同調回路21では、HF22からの比較的高い高周波数、第1のLF入出力ポート(LF1;前述の例のLF入出力ポートLFに相当)26からの比較的低い高周波数、第2のLF入出力ポート(LF2)80からの比較的低い、LF1の周波数と異なる高周波数、LOCK入出力ポート30からのLOCK周波数の異なる4種の周波数の信号が入力されて4重同調が行われるようになる。
【0059】
そして、これらの図10ないし図13に示す例の4重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21においても、第1ないし4リアクタンスエレメント35,38,42,75に、それぞれ、本発明の前述のプラグ化されたリアクタンスエレメントが用いられる。
【0060】
なお、前述の4重同調回路はいずれも図3(a)に示す第1および第3リアクタンスエレメント35,42が直列に配置された同調回路に適用されるものとしているが、これらの4重同調回路はいずれも図3(b)に示す第1および第3リアクタンスエレメント35,42がともにサンプルコイルのHF側に直接接続された同調回路に適用できることは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る多重共鳴用NMRプローブによれば、多数の核種に対応して予め用意されたリアクタンスエレメントの中から、測定する試料の核種の周波数に応じたリアクタンスエレメントを適宜選択し、選択したリアクタンスエレメントをプローブ本体の対応する接続端子間に着脱可能に装着するようにしているので、単独のサンプルコイルだけで測定する試料の多数の周波数に対応できる多重共鳴用NMRプローブを簡単に構成できる。
【0062】
また、多重共鳴において、多くの核種に対応した周波数バンドに対して、リアクタンスエレメントをその周波数バンドに対応したリアクタンスエレメントに交換するだけで、1台の多重共鳴用NMRプローブで対応可能となる。
【0063】
更に、ポートから入力される周波数の信号をこの信号に対応するリアクタンスエレメントによりサンプルコイルへ通すように制御して信号のリークを防止しているので、効率を向上できるとともに、感度を向上できる。
更に、サンプルコイルを更に追加することで、3周波数バンド以上の多数の周波数バンドを更に追加可能となり、より多くの周波数帯について観測可能となる。
【0064】
更に、リアクタンスエレメントを着脱可能にし、かつこのリアクタンスエレメントを多数の核種に対応して予め用意するようにしているので、リアクタンスエレメントの製造が容易となって製造上の利便性が得られるとともに、測定しようとする核種に柔軟に対応でき、回路の効率化を図ることができるとともにポート間で良好なアイソレーションを得ることができる。
【0065】
また、リアクタンスエレメントのバリエーション化を効果的に図ることができるので、NMRプローブ多重同調回路の回路構成の標準化を図ることができる。これにより、ユーザーは所望する周波数を簡単にかつ確実に設定することができ、核種の観測の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多重共鳴用NMRプローブが適用される多重共鳴用NMR装置の一例を模式的に示す図である。
【図2】 本発明に係る多重共鳴用NMRプローブの実施の形態の一例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す図である。
【図3】 本発明のNMRプローブ多重同調回路を3重同調回路の場合について模式的に示し、(a)は図2に示すNMRプローブ多重同調回路の模式図、(b)は図4に示すNMRプローブ多重同調回路の模式図である。
【図4】 本発明の実施の形態の他の例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図である。
【図5】 第1ないし第3リアクタンスエレメントの構成要素の組合せの例を示す図である。
【図6】 1つの組立体としてプラグ化した各リアクタンスエレメントのいくつかの例を示す図である。
【図7】 図6に示す各リアクタンスエレメントの各構成要素の分解図である。
【図8】 各リアクタンスエレメントのプローブ本体への装着を説明する図である。
【図9】 本発明のNMRプローブ多重同調回路を3重同調回路の場合の他の例について模式的に示ず図である。
【図10】本発明の実施の形態の更に他の例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図である。
【図11】本発明の実施の形態の更に他の例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図である。
【図12】本発明の実施の形態の更に他の例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図である。
【図13】本発明の実施の形態の更に他の例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図である。
【図14】(a)は図10および図11に示すNMRプローブ多重同調回路の模式図、(b)は図12および図13に示すNMRプローブ多重同調回路の模式図である。
【図15】従来の多重共鳴用NMRプローブの一例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す図である。
【図16】従来の多重共鳴用NMRプローブの他の例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す図である。
【符号の説明】
21…NMRプローブ多重同調回路、22…HF入出力ポート、26…LF(LF1)入出力ポート、30…LOCK(ロック)入出力ポート、35…第1リアクタンスエレメント、38…第2リアクタンスエレメント、42…第3リアクタンスエレメント、75…第4リアクタンスエレメント、80…LF2入出力ポート

Claims (2)

  1. 静磁場中にセットされた試料に、3バンド以上の多数の異なる周波数の共鳴周波数の信号を照射し、それぞれ、この照射信号に対応して核磁気共鳴現象により試料から出力される共鳴周波数の信号を捉える多重共鳴用NMRプローブにおいて、
    単独のサンプルコイルと、3バンド以上の多数の異なる周波数の信号に対応して設けられかつ前記サンプルコイルに接続されて、それぞれ対応する周波数の信号が入力されるポートと、着脱可能に装着され、それぞれのポートから入力される周波数の信号を前記サンプルコイルへ通すように制御する、前記異なる周波数と同数の着脱式のリアクタンスエレメントとを少なくとも備え
    これらのリアクタンスエレメントは、それぞれ、異なる回路が結合する各ノードに組み込まれていることを特徴とする多重共鳴用NMRプローブ。
  2. 前記3バンド以上の多数の異なる周波数は、少なくともNMR−LOCK信号の周波数、水素核またはフッ素核の周波数、および炭素核を中心とするリン核未満の測定核種から窒素核周辺域までの可変域を保有する周波数を少なくとも含んでいることを特徴とする請求項1記載の多重共鳴用NMRプローブ。
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