JP2003035759A - 多重共鳴用nmrプローブ - Google Patents

多重共鳴用nmrプローブ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】多重共鳴において1台のプローブで多くの核種
に対応することのできる多重共鳴用NMRプローブを提
供する。 【解決手段】NMRプローブ多重同調回路21は、単独
のサンプルコイルLSの一端側にHF入出力ポート2
2、第1および第3リアクタンスエレメント35,42
が接続されるとともに、サンプルコイルLSの他端側に
LF入出力ポート26、第2リアクタンスエレメント3
8が接続される回路構成となっている。各リアクタンス
エレメントは着脱可能に装着されており、試料の多数の
核種の周波数に対応して予め用意されている。そして、
測定する試料の核種に対応したリアクタンスエレメント
を選択して、それぞれ、対応する場所に装着する。これ
により、1台の多重共鳴用NMRプローブで多数の核種
に対応することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴(以
下、NMRともいう)装置に用いられる多重共鳴用NM
Rプローブの技術分野に属し、特に、NMRプローブ多
重同調回路の素子間にチップ状素子を挿入することによ
り、種々の仕様のNMRプローブ多重同調回路に対応し
て使用可能な多重共鳴用NMRプローブの技術分野に属
するものである。
【0002】
【従来の技術】NMR装置はその重要な構成要素の1つ
としてNMRプローブを備えているが、このNMRプロ
ーブはサンプルコイルとこのサンプルコイルと組み合わ
される同調回路とを備え、静磁場内に配置された試料に
高周波パルスを照射するとともにこの照射により試料か
ら発生するNMR信号を検出し、検出したNMR信号を
フーリエ変換等の処理を行ってNMRスペクトルを得て
いる。
【0003】このようなNMRプローブとして、サンプ
ルコイルに対して照射系の比較的高い高周波の周波数、
観測系の比較的低い高周波の周波数、および磁場のドリ
フトを避けるために採用されるNMR−LOCK(NM
Rロック)系の高周波の周波数が互いに異なるように設
定されたNMRプローブ多重同調回路を備えた多重共鳴
用NMRプローブが開発されている。
【0004】図15は、従来の多重共鳴用NMRプロー
ブの一例におけるNMRプローブ多重同調回路を示す図
である。図中、21はNMRプローブ多重同調回路、2
2は比較的高い周波数f1の高周波が入力されるHF
(高周波)入出力ポート、23はHF高周波の波長λの
1/4(λ/4)の波長を有するヘリカル共振器、24
はHF同調用バリコン、25はHF整合用コンデンサ、
26は比較的低い周波数f2の高周波が入力されるLF
入出力ポート、27はHF高周波の波長λのλ/4の波
長を有するヘリカル共振器、28はLF同調用バリコ
ン、29はLF整合用コンデンサ、30は周波数f3の
NMR−LOCK用高周波が入力されるLOCK(ロッ
ク)入出力ポート、31はHFリジェクタ、32はLO
CK同調用バリコン、33はLOCK整合用コンデン
サ、L1,L100はサンプルコイルである。
【0005】図15に示すように、LOCK系は、一般
的には2H核の重化された溶媒を測定対象試料に入れて
(試料を重化溶媒に溶かしても同じ)、2H核でNMR
ロックをかけて信号の安定度と分解能の補償管理を行
う。LOCK入出力ポート30からの入力は、ヘリカル
共振器23があるため、その構成によるインダクタンス
に近似したダミーコイルとサンプルコイルL1がなす見
かけのサンプルコイルに対してLOCK同調用バリコン
32、LOCK整合用コンデンサ33等でチューニング
をとるようになっている。
【0006】また、HF系は、一般的には1H核を想定
するが、ときには19F核も想定する。HFというテク
ニックを使って、その核種での観測の場合と炭素核につ
ながる水素核などの結合を見る。HF入出力ポート22
からの入力は、サンプルコイルL1のHF同軸共振器2
3により動作してHF同調用バリコン24、HF整合用
コンデンサ25等でチューニングをとっている。
【0007】更に、LF系は、一般的には炭素核を想定
するが、リン核、酸素核、珪素核、窒素核なども想定す
る。分極移動や照射というテクニックを使って、その核
種での観測の場合と水素核につながるその核などの結合
の相関を見る。LF入出力ポート26からの入力は、サ
ンプルコイルL100に対してLF同調用バリコン2
8、LF整合用バリコン29等でチューニングをとって
いる。そして、それぞれの周波数の合わせ込みは、2つ
のサンプルコイルL1,L100につながる同調回路の
チューニングを合わせることで行う。
【0008】図16は、従来の多重共鳴用NMRプロー
ブにおけるNMRプローブ多重同調回路の他の一例を示
す図である。なお、前述の図15に示す例と同じ構成要
素には同じ符号を付している。また、図中、34はLF
リジェクトである。図16に示すように、この例のNM
Rプローブ多重同調回路におけるHF系は、図15に示
す例と同様に1H核を想定するが、ときには19F核も
想定する。このHF系においては、HF入出力ポート2
2からの入力は、サンプルコイルL2の両端のHF同軸
共振器23,27により動作するHF同調用バリコン2
4、HF整合用コンデンサ25等でチューニングをとっ
ている。
【0009】また、LF系は、13Cの炭素核を想定す
る。このLF系においては、LF入出力ポート26から
の入力は、HF側にあるHF共振器23がLF周波数で
接地しているので、ダミーコイルが入っているように見
える見かけのサンプルコイルに対してLF側にあるHF
共振器27がなすキャパシタンス、LF同調用バリコン
28、LF整合用バリコン29等でチューニングをとっ
ている。
【0010】更に、LOCK系も、図15に示す例と同
様に2H核でNMRロックをかけて信号の安定度と分解
能の補償管理を行う。このLOCK系においては、LF
リジェクト34があるため、その構成によるインダクタ
ンスに近似したダミーコイルとサンプルコイルL2がな
す見かけのサンプルコイルに対してLOCK同調用バリ
コン32、LOCK整合用バリコン33等でチューニン
グをとっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図15に示
す従来例の多重共鳴用NMRプローブでは、3バンド以
上の周波数バンドを得るには、サンプルコイルを2個以
上(図示例ではL1,L100)用意しなければならな
い。このため、サンプルコイルの数が多くなって多重同
調回路を効率よく構成することはできない。
【0012】また、図16に示す従来例の多重共鳴用N
MRプローブでは、HF側に挿入されている同軸共振器
23がLF側回路から見ると、サンプルコイルL2にシ
リーズに入るインダクタンスとなっているため、LF側
からのエネルギはHF側にリークしてしまう。言い換え
ると、LF側から投入したRF電力は、その一部がHF
側に流れてしまうため、効率のよいLF側核種の90°
パルス幅を与えない。したがって、LF側感度が低下し
てしまう。
【0013】更に、リークしたRF電力は、このような
感度の低下などの効率の問題ばかりでなく、多重共鳴用
NMRプローブにつながる周辺機器にも影響を及ぼすと
ともに、流れ込んだポートの増幅器に損傷を与える場合
もあり、更には、外部空間に伝播し、電磁障害を周辺に
及ぼす場合がある。
【0014】その他に、3バンドが互いに結合している
ハイインピーダンス側のノードで考えると、互いにイン
ピーダンスが高いため、チューニングを合わせる過程で
負荷変動が起こり、互いに干渉し合う。更に、特に重要
なのはLFの周波数を変化させると、NMRロックの同
調がずれ、測定上最も重要な磁場の固定(=スペクトル
の出る位置)が不安定になってしまうことである。
【0015】更に、使い勝手では、LF側のチューニン
グを合わせるとHF側のチューニングがずれてしまうの
で、再度、HF側のチューニングを合わせることになる
が、HF側のチューニングを合わせると、今度はLF側
のチューニングがずれてしまうので、HF側およびLF
側のチューニングを繰り返し合わせなければならなく、
いたちごっこになる不便さがあるとともに、最適な同調
に至らないため、性能が低下してしまう。
【0016】更に、通常、多重共鳴用NMRプローブを
組み込んでチューニングを行うため、前述のような回路
構成上の損失やリーク(=クロストーク)を容易に変更
したり、調整したりすることができない場合が多い。こ
のように、従来の多重共鳴では多くの核種に対応した多
くの周波数バンドを必要とするが、従来のような考え方
では限界があり、多くの核種に対応するにはそれらに専
用のプローブを用意しなければならなく、1台のプロー
ブでは多くの核種に対応することはできなかった。
【0017】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、多重共鳴において1台のプ
ローブで多くの核種に対応することのできる多重共鳴用
NMRプローブを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明の多重共鳴用NMRプローブは、
静磁場中にセットされた試料に、3バンド以上の多数の
異なる周波数の共鳴周波数の信号を照射し、それぞれ、
この照射信号に対応して核磁気共鳴現象により試料から
出力される共鳴周波数の信号を捉える多重共鳴用NMR
プローブにおいて、単独のサンプルコイルと、3バンド
以上の多数の異なる周波数の信号に対応して設けられか
つ前記サンプルコイルに接続されて、それぞれ対応する
周波数の信号が入力されるポートと、着脱可能に装着さ
れ、それぞれのポートから入力される周波数の信号を前
記サンプルコイルへ通すように制御する、前記異なる周
波数と同数の着脱式のリアクタンスエレメントとを少な
くとも備えていることを特徴としている。
【0019】また、請求項2の発明は、前記3バンド以
上の多数の異なる周波数が、少なくともNMR−LOC
K信号の周波数、水素核またはフッ素核の周波数、およ
び炭素核を中心とするリン核未満の測定核種から窒素核
周辺域までの可変域を保有する周波数を少なくとも含ん
でいることを特徴としている。
【0020】
【作用】このように構成された本発明の多重共鳴用NM
Rプローブにおいては、多数の核種に対応してリアクタ
ンスエレメントを予め用意しておく。そして、予め用意
されたリアクタンスエレメントの中から、測定する試料
の核種の周波数に応じたリアクタンスエレメントを適宜
選択し、選択したリアクタンスエレメントをプローブ本
体の対応する接続端子間に着脱可能に装着することで、
単独のサンプルコイルだけで測定する試料の多数の周波
数に応じた多重共鳴用NMRプローブが簡単に構成可能
となる。
【0021】このように、多重共鳴において、多くの核
種に対応した周波数バンドに対して、リアクタンスエレ
メントをその周波数バンドに対応したリアクタンスエレ
メントに交換するだけで、1台の多重共鳴用NMRプロ
ーブで対応可能となる。
【0022】また、ポートから入力される周波数の信号
がこの信号に対応するリアクタンスエレメントによりサ
ンプルコイルへ通すように制御されるので、信号のリー
クが防止される。これにより、効率が向上し、感度が向
上する。更に、サンプルコイルを更に追加することで、
3周波数バンド以上の多数の周波数バンドを更に追加可
能となり、より多くの周波数帯について観測可能とな
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明に係る多重共鳴
用NMRプローブが適用される多重共鳴用NMR装置の
一例を模式的に示す図である。まず、本発明の多重共鳴
用NMRプローブが適用される多重共鳴用NMR装置の
一例を簡単に説明する。
【0024】図1に示すようにこの多重共鳴用NMR装
置200においては、試料30を収容した試料管1をマ
グネット2の静磁場中にセットし、この試料30に磁場
強度に応じた共鳴周波数のRFパルス信号を照射して核
磁気共鳴現象を起こさせる。その場合、RFパルス信号
は、発振器14からのNMRパルス信号をその試料30
の核種に対応して多くの周波数バンド(図示例では3バ
ンド;以下、3バンドで説明する)を、それぞれ、周波
数f1に増幅する電力増幅器13、周波数f2に増幅す
る電力増幅器15、周波数f3に増幅する電力増幅器1
6で増幅し、入出力を切り替えるデュプレクサ9を介し
て多重共鳴用NMRプローブ4に入力することにより、
多重共鳴用NMRプローブ4からそれぞれ試料管1中の
試料30に照射する。すると、試料30はNMR現象に
より共鳴周波数のNMR信号を出力するので、そのNM
R信号を多重共鳴用NMRプローブ4で捉える。
【0025】このとき、試料30をある所定温度で測定
する場合、多重共鳴用NMRプローブ4の温度をコンピ
ュータ7で制御される温度可変(以下、VTとも表記す
る)装置5で可変制御するようになっている。
【0026】そして、多重共鳴用NMRプローブ4で捉
えられた信号をデュプレクサ9により増幅器10に送っ
て増幅した後、復調検波器11でオーディオ周波数に変
換し、更に、A/D変換器(ADC)12でデジタル信
号に変換する。そして、このデジタル信号をコンピュー
タ7に取り込み、コンピュータ7がこの信号を分析する
ことにより、試料30を分析し、その分析結果を表示機
8に表示する。こうして、多重共鳴用NMR装置により
物質の構造が調べられる。
【0027】ところで、多重共鳴用NMRプローブ4の
中心部は、それぞれ固有の磁化率を有する種々の部品か
ら構成されており、これらの部品固有の磁化率が形成す
る磁場分布でマグネット2が作り出す静磁場分布が歪み
を受けるようになる。そこで、多重共鳴用NMRプロー
ブ4の中心部の各部品の形状構造および各部品の材料の
特性に基づいて、マグネット2による静磁場分布と各部
品による静磁場分布とからなるトータルの静磁場分布を
室温シム3で補正することで、トータルの静磁場マップ
の歪みを補正している。具体的には、NMR LOCK
と呼ばれる、一般的には重水素核で置換された溶媒を、
測定する試料30と一緒に試料管1に入れ、重水素核の
NMR信号をモニタしてその強度が高まるように室温シ
ム3を調整することで、トータルの静磁場マップを補正
している。
【0028】図2は、本発明に係る多重共鳴用NMRプ
ローブの実施の形態の一例におけるNMRプローブ多重
同調回路を示す図である。なお、前述の図15および1
6に示す構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付し
てその詳細な説明は省略する。図2に示すように、この
例の多重共鳴用NMRプローブ4のNMRプローブ多重
同調回路21では、図16に示すNMRプローブ多重同
調回路21において同軸共振器23,27およびLFリ
ジェクタ31,34がそれぞれ設けられていなく、ま
た、図16に示すHF整合用コンデンサ25がHF整合
用バリコン25に、図16に示すLOCK同調用バリコ
ン32がLOCK同調用コンデンサ32に、図16に示
すLOCK整合用コンデンサ33がLOCK整合用バリ
コン33に、それぞれ、変更されている。なお、図16
にはサンプルコイルがL2で示されているが、本発明の
各例では、サンプルコイルはLSで示す。
【0029】更に、この例のNMRプローブ多重同調回
路21では、サンプルコイルLSのHF側に第1リアク
タンスエレメント35が接続されている。この第1リア
クタンスエレメント35は、コイル36とコンデンサ3
7とを並列に配置した共振回路として構成されており、
この共振回路はコンデンサを介して接地されている。そ
して、この第1リアクタンスエレメント35は図16に
示す同軸共振器23と同機能を有するように構成されて
いて、低い高周波信号LFhighは通すが、高い高周波信
号HFは遮断するようになっており、更にLOCK信号
を選択的に通すタンク回路として構成されている。
【0030】また、サンプルコイルLSのLF側に第2
リアクタンスエレメント38が接続されている。この第
2リアクタンスエレメント38は、コイル39とコンデ
ンサ40との並列回路にコンデンサ41を直列に配置し
た共振回路として構成されており、この共振回路は、第
1リアクタンスエレメント35の場合と同様にコンデン
サを介して接地されている。そして、第1リアクタンス
エレメント35と同様にこの第2リアクタンスエレメン
ト38は図16に示す同軸共振器23と同機能を有する
ように構成されていて、低い高周波信号LFhighは遮断
するが、高い高周波信号HFは通すようになっており、
更にサンプルコイルLSへのLOCK信号の入力時には
接地される。
【0031】更に、第1リアクタンスエレメント35の
サンプルコイルLS側と反対側には、第3リアクタンス
エレメント42が接続されている。この第3リアクタン
スエレメント42は、コイル43とコンデンサ44との
並列回路にコンデンサ45を直列に配置した共振回路と
して構成されており、この共振回路は、LOCK同調用
コンデンサ32を介して接地されているとともに、LO
CK整合用バリコン33を介してロック入出力ポート3
0に接続されている。そして、この第3リアクタンスエ
レメント42は図16に示すLFリジェクト34と同機
能を有するように構成されていて、低い高周波信号LF
highは遮断するが、LOCK信号は通すようになってい
る。
【0032】更に、HF入出力ポート22とHF整合用
バリコン25との間には、HF信号のみを通す、高周波
信号を選択して通すHPF46が配設されている。図2
(b)に示すように、このHPF46は、例えば直列接
続された一対のコンデンサ47,48との間がコイル4
9を介して接地された回路、またはコイル50とコンデ
ンサ51とが直列接続された回路で構成されている。こ
れらに限らず、HPF46の機能を有するものであれ
ば、他の回路構成を用いることができることは言うまで
もない。
【0033】更に、サンプリングコイルLSと第2リア
クタンスエレメント38との接続点よりLF入出力ポー
ト26側には、LF信号を通すがHF信号は遮断するB
RF52が配設されている。図2(c)に示すように、
このBRF52は、例えばコイル53とコンデンサ54
とが並列接続された回路で構成されている。これに限ら
ず、BRF52の機能を有するものであれば、他の回路
構成を用いることができることは言うまでもない。
【0034】このように、この例のNMRプローブ多重
同調回路21は、周波数が3バンドの3重同調回路とし
て構成されている。図3(a)に示すように、このNM
Rプローブ多重同調回路21を模式的に示すと、単独の
サンプルコイルLSの一端側にHF入出力ポート22が
接続されるとともに、サンプルコイルLSの他端側にL
F入出力ポート26が接続され、また、サンプルコイル
SのHF入出力ポート側に第1リアクタンスエレメン
ト35が接続されるとともに、この第1リアクタンスエ
レメント35に第3リアクタンスエレメント42が直列
に接続され、更に、第3リアクタンスエレメント42に
ロック入出力ポート30が接続され、更に、サンプルコ
イルLSのLF入出力ポート側に第2リアクタンスエレ
メント38が接続される回路構成となっている。
【0035】図4は、本発明の実施の形態の他の例にお
けるNMRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の
図である。なお、前述の図15および16に示す構成要
素および図2に示す構成要素と同じ構成要素には、同じ
符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】前述の図2示す例では、互いに直列に接続
された第3リアクタンスエレメント42が第1リアクタ
ンスエレメント35を介してサンプルコイルLSのHF
入出力ポート側に接続されるようになっているが、図4
に示すようにこの例のNMRプローブ多重同調回路21
は、第1および第3リアクタンスエレメント35,42
がともにサンプルコイルLSのHF入出力ポート側に直
接接続されるようになっている。この例の他の構成は、
図16に示す従来例と同様にLOCK同調用バリコン3
2が用いられている以外は、図2に示す例と同じであ
る。
【0037】この例のNMRプローブ多重同調回路21
も同様に3重同調回路として構成されており、その場
合、図3(b)に示すように、サンプルコイルLSのH
F入出力ポート側に第1および第3リアクタンスエレメ
ント35,40が直接接続されるとともに、サンプルコ
イルLSのLF入出力ポート側に第2リアクタンスエレ
メント38が接続される回路構成となっている。
【0038】図5は第1ないし第3リアクタンスエレメ
ント35,38,42の構成要素の組合せの例を示す図で
ある。図5(a)に示す組合せの例は、前述の図2およ
び図4に示す例と同じである。また、同図(b)に示す
組合せの例は、同図(a)において第1リアクタンスエ
レメント35のコイル36とコンデンサ37との並列回
路にもう1つのコンデンサ55を直列に接続した回路で
あり、また、第1リアクタンスエレメント35の他の構
成要素、第2および第3リアクタンスエレメント38,
42はそれぞれ同図(a)と同じである。
【0039】更に、同図(c)に示す組合せの例は、同
図(a)において第1リアクタンスエレメント35のコ
ンデンサ37を削除するとともに、第2リアクタンスエ
レメント35のコンデンサ40を削除し、更に、第3リ
アクタンスエレメント42のコンデンサ45を削除した
回路であり、また、第1ないし第3リアクタンスエレメ
ント35,38,42の他の構成要素はそれぞれ同図
(a)と同じである。更に、同図(d)に示す組合せの
例は、同図(c)において第3リアクタンスエレメント
42にコンデンサ45を同図(a)と同様に配設した回
路であり、また、第1および第2リアクタンスエレメン
ト35,38と第3リアクタンスエレメント42の他の
構成要素はそれぞれ同図(c)と同じである。更に、同
図(e)に示す組合せの例は、同図(c)において第2
リアクタンスエレメント38にコンデンサ41を削除し
た回路であり、また、第1および第3リアクタンスエレ
メント35,42と第2リアクタンスエレメント38の
他の構成要素はそれぞれ同図(c)と同じである。
【0040】更に、同図(f)に示す組合せの例は、同
図(a)において第1リアクタンスエレメント35のコ
イル36を削除するとともに、第2リアクタンスエレメ
ント35のコイル39およびコンデンサ40を削除し、
更に、第3リアクタンスエレメント42のコンデンサ4
5を削除した回路であり、また、第1ないし第3リアク
タンスエレメント35,38,42の他の構成要素はそれ
ぞれ同図(a)と同じである。更に、同図(g)に示す
組合せの例は、同図(b)において第1リアクタンスエ
レメント35のコンデンサ37を削除するとともに、第
2リアクタンスエレメント35の2つのコンデンサ4
0,41を削除し、更に、第3リアクタンスエレメント
42のコンデンサ45を削除した回路であり、また、第
1ないし第3リアクタンスエレメント35,38,42の
他の構成要素はそれぞれ同図(b)と同じである。な
お、第1ないし第3リアクタンスエレメント35,38,
42のコイルとコンデンサの少なくとも1つからなるリ
アクタンス構成要素は、図5に示す以外にも測定する試
料の周波数に応じて種々設定可能であることは言うまで
もない。
【0041】そして、各リアクタンスエレメントのリア
クタンス構成要素を設定するには、まず第1および第2
リアクタンスエレメント35,38についてリアクタン
ス構成要素を設定し、その後に第3リアクタンスエレメ
ント42についてリアクタンス構成要素を、第1および
第2リアクタンスエレメント35,38のリアクタンス
構成要素に合わせて設定するようにする。このようにす
ることで、第3周波数について最適となり、この第3周
波数信号(LOCK信号)の入力がし易くなる。
【0042】図6は、1つの組立体としてプラグ化した
第1ないし第3リアクタンスエレメントのいくつかの例
を示す図、図7はこれらのリアクタンスエレメントの各
構成要素の分解図である。図6(A)に示す例のプラグ
化したリアクタンスエレメントは、図7(A)の(a)
に示す金属導体等の導体からなる図において左方開口し
た有底筒状の第1ケース部材56と、この第1ケース部
材56の左端にその右端が螺合される、図7(B)の
(a)に示す金属導体等の導体からなる筒状の第2ケー
ス部材57と、この第2ケース部材57にねじ等で接合
される、図7(C)に示すレジンまたはセラミック等の
絶縁性材料からT字状に形成された第3ケース部材58
と、この第3ケース58に電気的接続部材66を介して
固定される、金属導体等の導体からなるチップ59と、
第3ケース部材58のチップ59と反対側に螺合され
る、図7(D)に示すレジンまたはセラミック等の絶縁
性材料から部分的に筒状に形成されたボビン60と、こ
のボビン60に螺合される、図7(E)に示す金属導体
等の導体から円柱状に形成された第1電気接続部材61
と、この第1電気接続部材61に圧接される、図7
(F)に示す金属導体等の導体から円柱状に形成された
短絡チップ導体62と、この短絡チップ導体62に圧接
されるとともに第1ケース部材56に螺合される、図7
(G)に示す金属導体等の導体から円柱状に形成された
第2電気接続部材63と、ボビン60に巻回されるコイ
ル64と、このコイル64を第1電気接続部材61およ
び電気的接続部材66にともに電気的に接続する導線6
5とから構成されている。
【0043】そして、これらの部材が図6(A)(a)
に示すように組み立てられてプラグ化されたリアクタン
スエレメントが形成され、リアクタンスエレメントのこ
の状態では、第1ケース部材56、第2ケース部材5
7、チップ59、短絡チップ導体62、第1および2電
気接続部材61,63、コイル64、および電気的接続
部材66が電気的に導通している。このプラグ化された
リアクタンスエレメントの寸法はNMRプローブの使用
する高周波の波長λに対し共振モードになり易い所定の
大きさ、例えば軸方向長さが約30mm前後(HFの場
合は約20〜30mm;LFの場合は約30〜40m
m)に設定されている。もちろん、プラグ化されたリア
クタンスエレメントの寸法はこの例示の寸法に限定され
ることはない。このように構成された図6(A)(a)
に示すプラグ化されたリアクタンスエレメントは、同図
(b)に示すように1つのコイル64からなるリアクタ
ンスエレメントに構成されている。
【0044】なお、図7(A)(b)に示すように第1
ケース部材56は4つの部材から、また、図7(B)
(b)に示すように第2ケース部材57は2つの部材か
ら、それぞれ、分割構成することもできる。
【0045】また、図6(B)(a)に示す例のプラグ
化したリアクタンスエレメントは、図6(A)に示す例
のリアクタンスエレメントの金属導体等の導体からなる
チップ59に代えて、図7(H)に示す高耐電圧基層か
らなるチップコンデンサ(以下、チップコンともいう)
67を備えている。すなわち、チップコン67はその右
側の端子が第3ケース58に電気的接続部材66を介し
て固定されている。この例のプラグ化したリアクタンス
エレメントの他の構成は、図6(A)(a)に示す例と
同じである。このように構成された図6(B)(a)に
示すプラグ化されたリアクタンスエレメントは、同図
(b)に示すように1つのコイル64と1つのコンデン
サ67とを直列に接続した回路からなるリアクタンスエ
レメントに構成されている。
【0046】更に、図6(C)(a)に示す例のプラグ
化したリアクタンスエレメントは、図6(B)に示す例
のリアクタンスエレメントの金属導体等の導体からなる
円柱状の第1電気接続部材61に代えて、図7(I)に
示す金属導体等の導体からなるT字状の第3電気接続部
材68を備えている。この第3電気接続部材68はボビ
ン60に螺合されるだけではなく、第2ケース部材57
の内周面にも螺合される。また、コイル64は導線65
によりチップコン67の図において左側の端子に電気的
に接続されている。この例のプラグ化したリアクタンス
エレメントの他の構成は、図6(B)(a)に示す例と
同じである。
【0047】このように構成された図6(C)(a)に
示すプラグ化されたリアクタンスエレメントは、同図
(b)に示すように1つのコイル64と1つのコンデン
サ67とを並列に接続した回路からなるリアクタンスエ
レメントに構成されている。なお、図6(C)(a)に
示すリアクタンスエレメントにおいては、同図(b)に
示すようにコイル64とコンデンサ67との並列回路に
代えて、前述の図16に示すと同様のHF周波数の波長
λのλ/4の波長の信号を出力する波長型共振器を用い
ることもできる。
【0048】更に、図6(D)(a)に示す例のプラグ
化したリアクタンスエレメントは、図6(C)に示す例
のリアクタンスエレメントの金属導体等の導体からなる
短絡チップ導体62に代えて、図7(H)に示すチップ
コン67と同様のチップコン69備えている。また、第
1電気接続部材61は円柱状に形成されている。そし
て、図7(J)に示す電気的接続構造70により、チッ
プコン67の左側の端子が導線65でコイル64に電気
的に接続され、またチップコン67の右側の端子が導線
71で第1電気接続部材61に電気的に接続されてい
る。この例のプラグ化したリアクタンスエレメントの他
の構成は、図6(C)(a)に示す例と同じである。
【0049】このように構成された図6(D)(a)に
示すプラグ化されたリアクタンスエレメントは、同図
(b)に示すように1つのコイル64と1つのコンデン
サ67とを並列に接続した回路とこの回路に直列に接続
されたもう1つコンデンサ69とからなるリアクタンス
エレメントに構成されている。
【0050】このプラグ化されたリアクタンスエレメン
トを、図5に示すコイルとコンデンサの少なくとも1つ
からなるリアクタンス構成要素、あるいはこれ以外の、
測定する試料の周波数に応じて種々設定可能なリアクタ
ンス構成要素について、予め用意しておく。
【0051】一方、図8(a)に示すように、多重共鳴
用NMRプローブのプローブ本体72の同調部には、各
リアクタンスエレメントに対応して3つのソケット72
a,72b,72cが設けられており、これらのソケット
72a,72b,72cには、それぞれ、同図(b)に示
すようにNMRプローブ多重同調回路21の、各リアク
タンスエレメントが組み込まれる部分の各ノードに接続
される接続端子73,74が設けられている。そして、
予め用意されたプラグ化されたリアクタンスエレメント
を測定する試料の核種の周波数に応じて適宜選択し、図
8(b)に示すように選択したリアクタンスエレメント
をプローブ本体72の対応する接続端子73,74間に
着脱可能に圧接挿入することで、単独のサンプルコイル
を有するだけで測定する試料の多数の周波数に応じたN
MRプローブ多重同調回路21を簡単に構成可能になっ
ている。すなわち、各リアクタンスエレメントはプロー
ブ本体72のソケットに着脱可能に装着される着脱式エ
レメントとされている。
【0052】図9(a)および(b)は、それぞれ、3
重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21の他の例
を模式的に示す、図3(a)および(b)と同様の図で
ある。3重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21
の他の例としては、図9(a)に示すようにサンプルコ
イルLSのHF入出力ポート側に第1リアクタンスエレ
メント35が直接接続されるとともに、サンプルコイル
SのLF入出力ポート側に第2および第3リアクタン
スエレメント38,42が直接接続される回路構成、あ
るいは、図9(b)に示すようにサンプルコイルLS
HF入出力ポート側に第1リアクタンスエレメント35
が接続されるとともに、サンプルコイルLSのLF入出
力ポート側に第2リアクタンスエレメント38が接続さ
れ、更に、この第2リアクタンスエレメント38に第3
リアクタンスエレメント42が直列に接続される回路構
成を用いることもできる。これらの3重同調回路のNM
Rプローブ多重同調回路21においても、本発明の前述
のプラグ化されたリアクタンスエレメントが用いられ
る。
【0053】図10ないし図13は、それぞれ、本発明
の実施の形態の他の例におけるNMRプローブ多重同調
回路を示す、図2と同様の図である。なお、前述の図1
5およびYに示す構成要素および図2に示す構成要素と
同じ構成要素には、同じ符号を付してその詳細な説明は
省略する。前述の各例のNMRプローブ多重同調回路2
1はいずれも3重同調回路であるが、図10ないし図1
3に示す各例のNMRプローブ多重同調回路21は、い
ずれも4重同調回路の例である。
【0054】図10に示す例のNMRプローブ多重同調
回路21は、図2に示す例のNMRプローブ多重同調回
路21において、LF整合用バリコン29とBRF52
との間に第4リアクタンスエレメント75が接続されて
おり、この第4リアクタンスエレメント75はコイル7
6とコンデンサ77との並列回路で構成されている。ま
た、第4リアクタンスエレメント75はLF同調用バリ
コン78を介して接地されているとともに、LF整合用
バリコン79を介して第2のLF入出力ポート(LF
2)80に接続されている。この例のNMRプローブ多
重同調回路21の他の構成は図2に示す例と同じであ
る。
【0055】図11に示す例のNMRプローブ多重同調
回路21は、図10に示す例のNMRプローブ多重同調
回路21において、第4リアクタンスエレメント75が
コイル76とコンデンサ77との並列回路にもう1つの
コンデンサ81が直列に接続されて構成されている。こ
の例のNMRプローブ多重同調回路21の他の構成は図
10に示す例と同じである。
【0056】図12に示す例のNMRプローブ多重同調
回路21は、図10に示す例のNMRプローブ多重同調
回路21に対して、第4リアクタンスエレメント75が
第2リアクタンスエレメント38に直列に接続されてい
る点が異なり、他の構成は図10に示す例と同じであ
る。また、図13に示す例のNMRプローブ多重同調回
路21は、図12に示す例のNMRプローブ多重同調回
路21において、第4リアクタンスエレメント75がコ
イル76とコンデンサ77との並列回路にもう1つのコ
ンデンサ81が直列に接続されて構成されている。この
例のNMRプローブ多重同調回路21の他の構成は図1
2に示す例と同じである。
【0057】そして、図10および図11に示す例の4
重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21は、図1
4(a)に模式的に示すように第1ないし第4リアクタ
ンスエレメント35,38,42,75からなる4重同調
回路を構成し、また、図12および図13に示す例の4
重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21は、図1
4(b)に模式的に示すように第1ないし第4リアクタ
ンスエレメント35,38,42,75からなる4重同調
回路を構成している。
【0058】これらの例のNMRプローブ多重同調回路
21では、HF22からの比較的高い高周波数、第1の
LF入出力ポート(LF1;前述の例のLF入出力ポー
トLFに相当)26からの比較的低い高周波数、第2の
LF入出力ポート(LF2)80からの比較的低い、L
F1の周波数と異なる高周波数、LOCK入出力ポート
30からのLOCK周波数の異なる4種の周波数の信号
が入力されて4重同調が行われるようになる。
【0059】そして、これらの図10ないし図13に示
す例の4重同調回路のNMRプローブ多重同調回路21
においても、第1ないし4リアクタンスエレメント3
5,38,42,75に、それぞれ、本発明の前述のプラ
グ化されたリアクタンスエレメントが用いられる。
【0060】なお、前述の4重同調回路はいずれも図3
(a)に示す第1および第3リアクタンスエレメント3
5,42が直列に配置された同調回路に適用されるもの
としているが、これらの4重同調回路はいずれも図3
(b)に示す第1および第3リアクタンスエレメント3
5,42がともにサンプルコイルのHF側に直接接続さ
れた同調回路に適用できることは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る多重共鳴用NMRプローブによれば、多数の核種
に対応して予め用意されたリアクタンスエレメントの中
から、測定する試料の核種の周波数に応じたリアクタン
スエレメントを適宜選択し、選択したリアクタンスエレ
メントをプローブ本体の対応する接続端子間に着脱可能
に装着するようにしているので、単独のサンプルコイル
だけで測定する試料の多数の周波数に対応できる多重共
鳴用NMRプローブを簡単に構成できる。
【0062】また、多重共鳴において、多くの核種に対
応した周波数バンドに対して、リアクタンスエレメント
をその周波数バンドに対応したリアクタンスエレメント
に交換するだけで、1台の多重共鳴用NMRプローブで
対応可能となる。
【0063】更に、ポートから入力される周波数の信号
をこの信号に対応するリアクタンスエレメントによりサ
ンプルコイルへ通すように制御して信号のリークを防止
しているので、効率を向上できるとともに、感度を向上
できる。更に、サンプルコイルを更に追加することで、
3周波数バンド以上の多数の周波数バンドを更に追加可
能となり、より多くの周波数帯について観測可能とな
る。
【0064】更に、リアクタンスエレメントを着脱可能
にし、かつこのリアクタンスエレメントを多数の核種に
対応して予め用意するようにしているので、リアクタン
スエレメントの製造が容易となって製造上の利便性が得
られるとともに、測定しようとする核種に柔軟に対応で
き、回路の効率化を図ることができるとともにポート間
で良好なアイソレーションを得ることができる。
【0065】また、リアクタンスエレメントのバリエー
ション化を効果的に図ることができるので、NMRプロ
ーブ多重同調回路の回路構成の標準化を図ることができ
る。これにより、ユーザーは所望する周波数を簡単にか
つ確実に設定することができ、核種の観測の効率化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多重共鳴用NMRプローブが適
用される多重共鳴用NMR装置の一例を模式的に示す図
である。
【図2】 本発明に係る多重共鳴用NMRプローブの実
施の形態の一例におけるNMRプローブ多重同調回路を
示す図である。
【図3】 本発明のNMRプローブ多重同調回路を3重
同調回路の場合について模式的に示し、(a)は図2に
示すNMRプローブ多重同調回路の模式図、(b)は図
4に示すNMRプローブ多重同調回路の模式図である。
【図4】 本発明の実施の形態の他の例におけるNMR
プローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図である。
【図5】 第1ないし第3リアクタンスエレメントの構
成要素の組合せの例を示す図である。
【図6】 1つの組立体としてプラグ化した各リアクタ
ンスエレメントのいくつかの例を示す図である。
【図7】 図6に示す各リアクタンスエレメントの各構
成要素の分解図である。
【図8】 各リアクタンスエレメントのプローブ本体へ
の装着を説明する図である。
【図9】 本発明のNMRプローブ多重同調回路を3重
同調回路の場合の他の例について模式的に示ず図であ
る。
【図10】本発明の実施の形態の更に他の例におけるN
MRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態の更に他の例におけるN
MRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図であ
る。
【図12】本発明の実施の形態の更に他の例におけるN
MRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図であ
る。
【図13】本発明の実施の形態の更に他の例におけるN
MRプローブ多重同調回路を示す、図2と同様の図であ
る。
【図14】(a)は図10および図11に示すNMRプ
ローブ多重同調回路の模式図、(b)は図12および図
13に示すNMRプローブ多重同調回路の模式図であ
る。
【図15】従来の多重共鳴用NMRプローブの一例にお
けるNMRプローブ多重同調回路を示す図である。
【図16】従来の多重共鳴用NMRプローブの他の例に
おけるNMRプローブ多重同調回路を示す図である。
【符号の説明】
21…NMRプローブ多重同調回路、22…HF入出力
ポート、26…LF(LF1)入出力ポート、30…L
OCK(ロック)入出力ポート、35…第1リアクタン
スエレメント、38…第2リアクタンスエレメント、4
2…第3リアクタンスエレメント、75…第4リアクタ
ンスエレメント、80…LF2入出力ポート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静磁場中にセットされた試料に、3バン
    ド以上の多数の異なる周波数の共鳴周波数の信号を照射
    し、それぞれ、この照射信号に対応して核磁気共鳴現象
    により試料から出力される共鳴周波数の信号を捉える多
    重共鳴用NMRプローブにおいて、 単独のサンプルコイルと、3バンド以上の多数の異なる
    周波数の信号に対応して設けられかつ前記サンプルコイ
    ルに接続されて、それぞれ対応する周波数の信号が入力
    されるポートと、着脱可能に装着され、それぞれのポー
    トから入力される周波数の信号を前記サンプルコイルへ
    通すように制御する、前記異なる周波数と同数の着脱式
    のリアクタンスエレメントとを少なくとも備えているこ
    とを特徴とする多重共鳴用NMRプローブ。
  2. 【請求項2】 前記3バンド以上の多数の異なる周波数
    は、少なくともNMR−LOCK信号の周波数、水素核
    またはフッ素核の周波数、および炭素核を中心とするリ
    ン核未満の測定核種から窒素核周辺域までの可変域を保
    有する周波数を少なくとも含んでいることを特徴とする
    請求項1記載の多重共鳴用NMRプローブ。
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