JP5020216B2 - ダイクッション装置及びプレス機械 - Google Patents
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ところが、空気圧を用いた流体圧シリンダは、クッション圧を正確に数値制御することが困難であり、一方、油圧を用いた流体圧シリンダは、大型の装置となるので、メンテナンスが困難である。
また、上記ラックピニオン機構の代わりにボールネジを用いたダイクッション装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
これらのダイクッション装置は、サーボモータが備えられているので、クッション圧を数値制御することが可能であり、装置も小型化され、メンテナンスが容易である。
このため、上記ダイクッション装置においては、上方付勢装置に必要な上方付勢クッション圧が小さくなるので、十分な上方付勢クッション圧を発揮できる。なお、この場合、上方付勢装置や駆動源の小型化又は長寿命化が可能となり、メンテナンスも容易となる。
このため、シリンダクッション圧及び上方付勢クッション圧から実際のプレス時の加工圧を検出することができる。
これにより、上記ダイクッション装置においては、正確なフルクローズトループ制御が可能となるので、ダイクッション装置の応答性が向上する。
ここで、「支柱から上方の可動部」とは、例えば、クッションパッド及び支柱が挙げられる。
なお、支柱と駆動源を兼ねているボールネジとは異なり、支柱と減速機等を分離できるので、各々最適な構造にできるという利点もある。
このため、シリンダクッション圧及び上方付勢クッション圧がより確実に発揮される。
また、この場合、油は緩衝材としても機能するので、プレス時の加工圧によってクッションパッドが加速され始める瞬間に発生する過大な衝撃荷重の、支柱、上方付勢装置及び駆動源への伝播を抑制できる。
まず、本発明のダイクッション装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のダイクッション装置の第1実施形態を概略的に示した正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るダイクッション装置100は、クッションパッド11と、クッションパッド11の下面に取り付けられた支柱12と、支柱12に設けられ、クッションパッド11を上方に付勢する流体圧シリンダであるエアーシリンダ13と、支柱12に取り付けられ、クッションパッド11を上方に付勢する上方付勢装置であるラックピニオン機構14と、ラックピニオン機構14を駆動させるための駆動源であるサーボモータ17と、を備える。
このため、上記ダイクッション装置100においては、ラックピニオン機構14に必要な上方付勢クッション圧が小さくなるので、十分な上方付勢クッション圧を発揮できる。なお、この場合、ラックピニオン機構14やサーボモータ17の小型化又はラックピニオン機構14や減速機18の長寿命化が可能となり、メンテナンスも容易となる。
かかる油室16は、クッションパッド11の下面に取り付けられた下方に開放された中空円筒状の油室用シリンダ15aと、油室用シリンダ15a内を摺動可能となるように支柱12の上端に設けられ、球面座となっている油室用ピストン15bと、の間に形成されている。なお、油室16には、油が充填されている。
このため、ラックピニオン機構14やサーボモータ17のクッション圧がより確実に発揮される。
さらに、支柱12の上端の形状が球面座であるので、金型の偏心配置などによりパッド11に傾きが生じた場合でも問題なく支柱12の軸方向に加工圧を伝達することができる。
かかるエアーシリンダ13は、支柱12が軸中心となるように設けられた有底中空円筒状のエアーシリンダ用シリンダ13aと、エアーシリンダ用シリンダ13a内を摺動可能となるように設けられた円盤状のエアーシリンダ用ピストンヘッド13bと、該エアーシリンダ用ピストンヘッド13bが固定された支柱12と、により形成されている。
すなわち、エアーシリンダ13においては、支柱12がエアーシリンダ用シリンダ13aに対するピストンの働きを担っている。
また、エアーシリンダ13は構造が簡便であるので、メンテナンスが容易となる。
また、エアーシリンダ用シリンダ13a内部の空気が、流出入可能となるようにエアータンク19が設けられている。すなわち、エアータンク19からの空気の流出入によって、エアーシリンダ用シリンダ13aのシリンダクッション圧が略一定に調整される。
そうすると、支柱12から上部の可動部の重量に伴う慣性モーメントが小さくなるので、ダイクッション装置100の応答性がより向上する。
なお、支柱12から上部の可動部の重量をシリンダクッション圧に負担させると、上方付勢装置には、プレス時の下方への変動加工圧が加わるだけとなる。
かかるラックピニオン機構14は、ラック扞14aと、該ラック扞14aに噛合されるピニオン軸14bとからなる。
一方、上記ピニオン軸14bは、ラック扞14aに噛合されると共に、サーボモータ17に接続されている。すなわち、ラックピニオン機構14は、サーボモータ17により駆動される。
さらに、上記ダイクッション装置100においては、エアーシリンダ13を備えているので、ラックピニオン機構14のラック杆14aとピニオン軸14bとの噛み合わせ位置に加わる加工圧が小さくなる。このため、歯間の摩耗が少なくなり、ラックピニオン機構14のガタ付きも生じ難く、ラックピニオン機構14の寿命が長くなる。
このため、上記ダイクッション装置100においては、シリンダクッション圧及び上方付勢クッション圧から実際のプレス時の下方への加工圧を検出することができるので、正確なフルクローズトループ制御が可能であり、ダイクッション装置100の応答性が向上することになる。
このため、上記ダイクッション装置100によれば、設計段階において、プレス時の下方への加工圧を測定し、その測定した値に基づいて、ラックピニオン機構14の上方付勢クッション圧をコントロールできるので、高精度に制御することが可能となる。
このため、サーボモータ17の回転速度または回転トルクをダイクッションにとって必要な範囲に入るように変換することができる。
また、減速比を適切に選択することで、モータ軸トルクを抑えることができるので、特殊な高トルクサーボモータを必要としない。
その時の加工圧がダイクッション装置100に伝わると、ダイクッション装置100の可動部であるクッションパッド11及び支柱12が下方に移動する。
図2は、本実施形態に係るプレス機械の一例を示す部分断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係るプレス機械101は、上述したダイクッション装置100と、該ダイクッション装置100のクッションパッド11の上にクッションピン4を介して設けられたブランクホルダ3と、クッションパッド11の上にライナ26を介して固定されたボルスタ27と、ボルスタ27上に載置された下型22と、該下型22に対応する形状を有する上型21と、上型21が支持されたスライド24とを備える。なお、上述したクッションピン4は、ボルスタ27の内部を貫通している。
このとき、ダイクッション装置100は、ワークWの周縁部にブランクホルダ3が接するように配置される。
次に、本発明のダイクッション装置の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明のダイクッション装置の第2実施形態を概略的に示した正面図である。
図3に示すように、本実施形態に係るダイクッション装置200は、クッションパッド11と、クッションパッド11の下面に取り付けられた2つの上方付勢機構10とを備える。なお、2つの上方付勢機構10は、クッションパッド11の中心線に対して、左右対称に同じものが取り付けられている。
すなわち、上記ダイクッション装置200は、上方付勢機構10を2つ備える点で、第1実施形態に係るダイクッション装置100と異なる。
また、上記ダイクッション装置200は、上方付勢機構10がクッションパッド11の中心線に対して、左右対称に設けられているので、上述した第1実施形態に係るダイクッション装置100の場合よりも、バランスよく上方に付勢することができ、更には大きなクッション圧を発揮することができる。
図4は、本実施形態に係るプレス機械の一例を示す部分断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係るプレス機械201は、上述したダイクッション装置200と、該ダイクッション装置100のクッションパッド11の上にクッションピン4を介して設けられたブランクホルダ3と、クッションパッド11上にライナ26を介して固定されたボルスタ27と、ボルスタ27上に載置された下型22と、該下型22に対応する形状を有する上型21と、上型21が支持されたスライド24とを備える。なお、上述したクッションピン4は、ボルスタ27の内部を貫通している。
このとき、ダイクッション装置200は、ワークWの周縁部にブランクホルダ3が接するように配置される。
なお、加工圧の測定は、ひずみセンサー等の圧力センサーを用いてもよい。
また、エアーシリンダ13においては、支柱12がエアーシリンダ用シリンダ13aに対するピストンの働きを担っているが、別にピストンを設け、これを支柱12に接続させてもよい。
この場合、重量の大きいダイクッション装置の可動部を安全に保持する力を得るのに、一般的なトルクのブレーキを用いることができる。
この場合、よりクッション圧が大きくなり、クッション圧が発揮されるバランスにも特に優れる。
この場合、必要なクッション圧を得ることができるのみならず、ラックピニオン機構14にはバックラッシュは一切発生せず、更に超寿命化が可能となる。また、ダイクッション装置が上昇する過程で電力回生を行うことができる。
4・・・クッションピン
10・・・上方付勢機構
11・・・クッションパッド
12・・・支柱
13・・・流体圧シリンダ
13a・・・流体圧シリンダ用シリンダ
13b・・・流体圧シリンダ用ピストンヘッド
14・・・ラックピニオン機構
14a・・・ラック扞
14b・・・ピニオン軸
15a・・・油室用シリンダ
15b・・・油室用ピストン
16・・・油室
17・・・サーボモータ
18・・・減速機
19・・・エアータンク
21・・・上型
22・・・下型
24・・・スライド
26・・・ライナ
27・・・ボルスタ
100,200・・・ダイクッション装置
101,201・・・プレス機械
W・・・ワーク
Claims (3)
- プレス時の下方への加工圧に対抗してクッション圧を発揮するダイクッション装置において、
クッションパッドと、
該クッションパッドの下面に取り付けられた支柱と、
該記支柱に設けられ、前記クッションパッドを上方に付勢するエアーシリンダと、
前記支柱に取り付けられ、前記クッションパッドを上方に付勢する上方付勢装置と、
該上方付勢装置を駆動させるための駆動源と、
を備え、
前記エアーシリンダが前記支柱から上方の可動部の重量に対抗するクッション圧を発揮するものであり、
前記上方付勢装置が残りのクッション圧を発揮するものであって、
前記クッションパッドと前記支柱との間には、油が充填された油室が設けられており、
前記上方付勢装置が、前記支柱の下端に接続されたラック桿と、該ラック桿に噛合されるピニオン軸とからなるラックピニオン機構であり、
前記駆動源がサーボモータであることを特徴とするダイクッション装置。 - 前記流体圧シリンダに、予め、必要なクッション圧より大きなクッション圧を付加させ、且つ、ラックピニオン機構に、予め、前記支柱を引き下げる方向に力を発生させておくことを特徴とする、請求項1記載のダイクッション装置。
- 請求項1又は2記載のダイクッション装置を備えることを特徴とするプレス機械。
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