JP5019428B2 - 表面プラズマ発生用電極 - Google Patents

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本発明は表面に平行に発生する表面プラズマを用いて表面から立ち上がるプラズマを噴出させるに際して、より強力に、またプラズマの噴出方向を変更することができるようにした表面プラズマ発生用電極に関する。
従来より各種アクチュエータが開発されているが、近年表面プラズマを用いたアクチュエータが注目されている。表面プラズマアクチュエータは、例えば図8(a)に示すように、樹脂、セラミック等の絶縁体71を挟んで表面側電極72と裏面側電極73を設け、両電極に交流電源74によって交流電界を発生させると、表面側電極72の端縁75から絶縁体71の表面に沿って表面プラズマとしてのプラズマジェット76が発生することを利用するものである。特にこの表面プラズマは周囲の気体を誘導し誘導気流77が発生するため、この作用を有効に利用する研究がなされている。
その一つとして例えば図8(d)に示すような翼78の表面における、翼面から空気流が剥離しやすい部分に前記のような表面プラズマ発生装置79を設けるものであり、同図には翼の表面に表面側電極72を1列に形成したものを示している。このような表面プラズマ発生装置79を用いると、前記の原理により表面側電極72の縁部75に表面プラズマが発生する。それによりこの翼78の表面を流れる気流に対して前記誘導気流の発生原理によって影響を与え、この部分に生じやすい剥離の防止作用を行うことができる。特にこのような表面プラズマは、翼表面には表面電極として薄い膜を形成するのみでよいので、翼表面を流れる気流に対する空気抵抗等の影響が少なく、且つ機械的な作動部分がないため、故障すること無く安定して作動させることができるものである。
特に図8(a)に示すように、交流電源74を制御装置80によって制御可能とし、且つセンサ81によって気体速度や温度を検出して、その信号によって制御装置80が交流電源74を制御することにより、そのときの条件に対応して渦流の発生を防止することができるようになる。このときの制御信号としては、例えば図9(b)に示すように、 所定の狭い幅の交流パルスを図示の例では1/15秒間出力するようにし、更に図示の例ではその後13/30秒間休止してから同じ交流パルスを出力している。このような制御状態からより強いプラズマジェットを発生させようとするときには、例えば図9(c)に示すようにパルスの供給時間を多くするデューティー比制御を行うことにより対応することができる。
表面プラズマは現在主として上記のような作動を行うアクチュエータとして利用することが研究されているが、その研究の過程で表面プラズマの特性が更に明らかになり、この表面プラズマアクチュエータは、電極の形状や配置により特有のプラズマジェットを発生させることができ、また、より広い分野のアクチュエータとして利用することが可能であることが明らかとなってきた。
即ち、表面プラズマを発生させる表面側電極の形状と配置によって種々のプラズマジェットを発生させることができ、例えば図9(a)(b)のように絶縁体91の表面に互いに間隔をもって平行に第1表面側電極92と第2表面側電極93とを対向して配置し、裏面に設けた裏面側電極94との間に高電界を発生させると、表面側電極と裏面側電極の配置関係により、各表面側電極の互いに対向する端縁から表面に平行に前記と同様の表面プラズマが発生する。これらのプラズマジェットは各電極の中間部で衝突し、図9(b)に示すように絶縁体91の表面から立ち上がるプラズマジェット95が形成される。その際には周囲の気体は図示するように表面にほぼ直角に誘導される誘導気流96が発生する。
その他例えば図10(a)に示すように表面側電極98を、中心開口97を備えたリング状、或いは図10(b)に示すように中心開口97を備えた矩形に形成し、絶縁体99の裏面に設けた裏面側電極100との間に高電界を発生させると、表面側電極98と裏面側電極102の配置関係により、表面側電極98の中心開口97側の端縁から中心に向けて表面プラズマ99が表面に平行に発生する。この表面プラズマ99は中心部において互いに衝突し、表面から立ち上がるプラズマジェット100が形成される。また、そのプラズマジェット100に誘導されて誘導気流101が表面に直角に発生することとなる。
このように、電極の形状や配置により、種々のプラズマジェットを発生させることができ、これを前記のような翼の渦流発生制御による剥離防止作用を行わせるほか、更に各種のアクチュエータとして利用することが考えられる。
なお、プラズマアクチュエータについては下記文献に詳細に記載されている。
Roth, J. R., Sherman, D. M., and Wilkinson, S. P. (1998). Boundary layer flow control with a one atmosphere uniform glow discharge. AIAA Paper 98-0328, 36th Aerospace Sciences Meeting and Exhibit, Reno, Nevada. Corke, T. C., Jumper, E. J., Post, M. L., Orlov, D., and McLaughlin, T. E. (2002). Application of weakly-ionized plasmas as wing flow-control devices. AIAA paper 2002-0350, 40th Aerospace Sciences Meeting & Exhibit, Reno, Nevada. Santhanakrishnan, A. and Jacob, J. D. (2006). On plasma synthetic jet actuators. AIAA paper 2006-0317, 44th Aerospace Sciences Meeting, Reno, Nevada.
上記のような表面プラズマを用いるプラズマアクチュエータにおいて、前記図9及び図10に示すようなプラズマを発生させることができるものであるが、このプラズマを種々の分野で利用するためには、より多様なプラズマの発生が望まれる。特に図10に示すような、表面から立ち上がり全体がまとまって噴出するプラズマは大きな力を発生させることができるが、このプラズマをより集中的に発生させると更に大きな力を発生させることができる。また、図10に示すプラズマでは表面にほぼ直角な方向のプラズマしか発生させることができないが、より広い用途に用いるに際しては、プラズマの噴出方向を自由に制御できることが望まれる。
したがって本発明は、表面に平行に発生するプラズマを用いて、表面から立ち上がる方向にプラズマを噴出させるに際し、より強力なプラズマを噴出することができ、またプラズマの噴出方向を容易に任意の方向に変更することができるようにした表面プラズマ発生用電極を提供することを主たる目的とする。
本発明に係る表面プラズマ発生用電極は上記課題を解決するため、絶縁体を挟んで表面側電極の裏側に裏面側電極を設けてなる複数の電極対を対向させ、各電極対それぞれの両電極に交流電圧を印することにより、各電極対の前記表面電極の端縁から前記絶縁体の表面に沿って発生させた表面プラズマを衝突させて、前記絶縁体の表面から立ち上がるプラズマを噴射する表面プラズマ発生用電極において、前記電極対のひとつから発生する前記表面プラズマの方向に対して交差する方向表面プラズマ発生するよう、他の電極対を配置することにより前記絶縁体の表面から立ち上がるプラズマに旋回を与えることを特徴とする。
本発明に係る他の表面プラズマ発生用電極は、前記表面プラズマ発生用電極において、前記電極対として、中心を挟んで前記端縁が互いに対向する電極対の組を複数備え、各電極対において、前記表面側電極の各端縁が前記中心に対し、同一の円周方向にずらして配置したことを特徴とする。
本発明に係る他の表面プラズマ発生用電極は、前記表面プラズマ発生用電極において、前記電極対として、中心に開口を形成したリング状電極対の内周に沿って、前記端縁を複数分割して設け、該端縁の向きを前記リング状電極対のリング中心方向からずらすことにより、前記リング状電極対の円周に対して傾斜させて配置したことを特徴とする。
本発明に係る他の表面プラズマ発生用電極は、前記表面プラズマ発生用電極において、前記電極対を、中心に開口を形成したリング状電極対の開口側端縁からの中心側に前記表面プラズマを発生させるものと、前記状電極対リングの開口内に配置され、互いに直交し、かつ、その中心点に対し、前記電極縁が点対称に配置された複数の直線状電極対を備えたものとから構成し、前記直交する複数の直線状電極対のいずれかを選択して通電することにより表面から立ち上がるプラズマの旋回方向を変更することを特徴とする。
本発明に係る他の表面プラズマ発生用電極は、絶縁体を挟んで表面側電極の裏側に裏面側電極を設けてなる複数の電極対を対向させ、各電極対それぞれの両電極に交流電圧を印加することにより、各電極対の前記表面側電極の端縁から前記絶縁体の表面に沿って発生させた表面プラズマを衝突させて、前記絶縁体の表面から立ち上がるプラズマを噴射する表面プラズマ発生用電極において、
前記衝突させる表面プラズマの発生強度を異ならせ、表面から立ち上がるプラズマの方向を傾斜させることを特徴とする。
本発明に係る他の表面プラズマ発生用電極は、前記表面プラズマ発生用電極において、前記電極対を、中心に開口を形成したリング状の表面側電極と、前記該表面側電極の内周縁よりも小さな外周縁半径を有するリング状の裏面側電極とから構成し、前記裏面側電極を前記絶縁体を挟み前記表面側電極の開口内に配置し、前記裏面側電極の外周縁を前記表面側電極の内周縁の一部に選択的に近接させることにより、前記表面側電極の内周側端縁から中心点に向けて発生する表面プラズマの発生強度を異ならせることを特徴とする。
本発明に係る他の表面プラズマ発生用電極は、前記表面プラズマ発生用電極において、中心に開口を形成するリング状電極対を複数に分割して形成した複数の独立した円弧状電極対をリング状に配置し、各円弧状電極対への通電量を調節することにより各円弧状電極から発生する表面プラズマの発生強度を異ならせることを特徴とする。
本発明に係る他の表面プラズマ発生用電極は、前記表面プラズマ発生用電極において、前記衝突させる表面プラズマの発生強度を異ならせ、表面から立ち上がるプラズマに旋回を与えながらその方向を変更することを特徴とする。
本発明は上記のように構成したので、絶縁体を挟んで表面側電極と裏面側電極を配置してなる電極対から発生する表面プラズマを衝突させ、表面から立ち上がる方向のプラズマを発生するに際して、そのプラズマに旋回を与えて安定して大きな力のプラズマを噴射させることができ、またその旋回方向も変更可能となり、更にそのプラズマの噴射方向を任意に変更することができるようになる。それにより、気体燃料の混合攪拌促進用、ファンを用いない流体輸送システム等、流体工学技術分野全般に広く用いることができるようになる。
本発明は表面から立ち上がるプラズマを安定した強い力で噴射でき、噴射方向を任意に変更する、という課題を、絶縁体を挟んで表面側電極の裏側に裏面側電極を配置してなる電極対を用い、両電極に交流電圧を印することにより表面電極の端縁から表面プラズマを発生させ、対向する表面プラズマにより表面から立ち上がるプラズマを噴射する表面プラズマ発生用電極において、前記対向する表面プラズマに対して交差する方向に表面プラズマを発生させる電極対を配置して、表面から立ち上がるプラズマに旋回を与え、また、絶縁体を挟んで表面側電極の裏側に裏面側電極を配置してなる電極対を用い、両電極に交流電圧を印することにより表面電極の端縁から表面プラズマを発生させ、対向する表面プラズマにより表面から立ち上がるプラズマを噴射する表面プラズマ発生用電極において、前記対向する表面プラズマの発生強度を異ならせ、表面から立ち上がるプラズマの方向を変更することにより実現した。
本発明の実施例1を図1に示す。図示する表面プラズマアクチュエータ1においては、同図(b)に示すように絶縁体2の表面側に前記図1と同様の態様をなす直線状の電極縁3を形成する表面側電極4と、絶縁体2の裏面側に設けた図9と同様の態様をなす裏面側電極5からなる第1電極対6を形成する。この第1電極対6の中心位置は表面プラズマアクチュエータ1の中心点Oに対して図示するようにずらして配置している。
前記第1電極対5と同様の構造をなす第2電極対7、第3電極対8、第4電極対9の4個の電極対を中心点Oを中心に90度ずつ回転した位置に図1(a)に示すように配置する。また、全ての表面側電極4は配線10により接続し、また全ての裏面側電極5は配線11により接続して、表面側電極の配線9と裏面側電極の配線10との間に前記図8と同様に図示されていない交流電源から交流パルスを供給する。それにより各電極対における直線状の電極縁3から直角に表面プラズマ12が発生する。それらの表面プラズマは隣接する電極対からの直角方向の表面プラズマ12によって曲げられる。
この作用は全ての電極対に共通して発生する。このようにして曲げられながら、対向する電極対で発生した表面プラズマが衝突し、図10と同様の原理により絶縁体2の表面13から立ち上がるプラズマが噴出する。その際、前記のように各表面プラズマが中心点Oを中心に回転しながら直角方向に噴出する結果、図1(b)に示すように表面13から立ち上がる方向に噴出するプラズマは、螺旋状に回転しながら噴出することとなる。その結果、このプラズマは全体として安定し、大きな力を発生することができる。なお上記実施例では4個の電極対を用いた例を示したが任意の複数個を用いて実施することができる。
前記実施例のように表面から直角方向に発生するプラズマを旋回させながら噴出する手法としては、例えば図2に示す手法によっても実施することができる。図2に示す例においては、前記図9と同様に円環状をなすリング状表面側電極14を用い、その中心開口15側に一端部16がリングの中心点O側に突出し、他端部17が最も外側に位置する、円弧面をなすと共に中心方向からずらして配置することによりリングの円周に対して傾斜させた湾曲傾斜電極を形成する。絶縁体裏面の裏面側電極18はこの湾曲した電極縁19に対応するように形成している。このように形成した湾曲傾斜電極対20を図示実施例では5個等間隔に配置している。
上記のような湾曲傾斜電極対20を用いることにより、各電極からは全体として中心点Oに対してずれた方向の表面プラズマが発生する。そのためこれらの表面プラズマが相互に衝突し、表面から立ち上がる方向のプラズマを噴出するとき、図1(b)と同様に螺旋状に噴出することとなる。
この実施例においても、前記のような湾曲傾斜電極対20は任意の複数個数用いることができる。また、前記実施例では電極縁を湾曲して形成したものであるが、これを直線状に形成しても良い。更に、これらの電極対をリング状に連結する以外に、前記実施例1と同様に分割し、相互に配線で接続しても作動させることができる。
図3に示す実施例においては、前記図10と同様のリング状の表面側電極22と裏面側電極23からなるリング状電極対24と、その中心開口25内に中心点Oから放射状に図8と同様の表面側電極26と裏面側電極27からなる直線状電極対(28〜31)を互いに90度ずつ4個配置する。この4個の直線状電極対26のうち、中心点Oを中心に対向している電極対群については、表面側電極のプラズマ発生用の電極縁32を、中心点Oに大して点対称に配置する。
また、互いに直交する位置に配置されている電極対群についても同様に電極縁33を点対称に配置するものであるが、互いに直角の位置に配置されている電極群では各電極縁が互いに向き合うように配置する。また、互いに直角に配置された電極対群に対しては、いずれかの電極対群を選択して通電可能とする。
上記のような構成をなすプラズマアクチュエータにおいては、例えば図3(a)のように、第2電極対29と第4電極対31に対して通電すると共に、リング状電極対24にも通電することにより、リング状電極対24からは中心方向に均等な表面プラズマ34が発生し、また第2電極対29と第4電極対31において各電極縁33から中心点Oを中心とする円の接線方向に表面プラズマ35を発生する。この接線方向の表面プラズマ35により前記リング状電極対24で発生する中心点Oの方向の表面プラズマ34が図中反時計方向に曲げられる。それにより、リング状電極対24で発生する表面プラズマが図9と同様に表面と直角方向にプラズマが噴出するが、その際上記のようにして曲げられる結果、その噴出するプラズマは図1(b)とは逆方向に螺旋状に噴出することとなる。
それに対して図3(b)のように、第1電極対28と第3電極対30からなる電極対群に対して通電すると共に、リング状電極対24に通電することにより、リング状電極対24から中心点O方向に噴出する表面プラズマ35は前記図(a)とは逆方向に曲げられる。それにより表面から立ち上がる方向に噴出するプラズマは前記とは逆方向に旋回して噴出する。このように、本実施例においては表面から直角方向に噴出するプラズマを旋回させるに際して、その旋回方向を任意の方向に切り替えることができるようになる。したがって、この旋回流によってアクチュエータを作動するとき、任意の方向に回転させる力を与えることができる。
図4に示す実施例においては、リング状表面側電極40の中心開口41側に位置するリング状裏面側電極42を、リング状表面側電極40より僅かに小さく形成し、図4(a)の例においてはリング状裏面側電極42を図中右側に寄せ、それによりリング状表面側電極40の内縁となるリング状電極縁43のうち、図中右側の部分でリング状裏面側電極42の外周が直下に位置することとなる。それに対してこの部分に対向する図中左側の部分は、電極縁43がリング状裏面側電極42の外周と離れる。
上記のような電極配置により、リング状表面側電極40の電極縁43から中心点Oに向けて発生する表面プラズマは、図中矢印で示すように図中右側が強く、左側が弱くなる。その結果前記図10に示す例では表面に略直角方向にプラズマが噴出するのに対して、この実施例では図4(a)の中心部に示した矢印の方向に傾斜して噴出することとなる。この状態は図4(b)に示される。
それに対して図4(c)のように、リング状裏面側電極42を図中左側に寄せ、それによりリング状表面側電極40の内縁となるリング状電極縁43のうち、図中左側の部分でリング状裏面側電極42の外周が直下に位置するように配置する。それに対してこの部分に対向する図中右側の部分は、電極縁43の外周がリング状裏面側電極42の内周と離れる。
上記のような電極配置により、リング状表面側電極40の電極縁43から中心点Oに向けて発生する表面プラズマは、図中矢印で示すように図中左側が強く、右側が弱くなる。その結果前記図4(a)とは逆方向に傾斜したプラズマが噴射することとなる。この状態は図4(d)に示される。
同様にして図4(e)のようにリング状裏面側電極42を図中上方向に寄せて配置すると、図中上から下に傾斜して噴出するプラズマを得ることができる。同様に図4(f)のように、リング状裏面側電極42を図中下方向に寄せて配置すると、図中下から上に傾斜して噴出するプラズマを得ることができる。その結果、例えばリング状表面側電極40を固定して、リング状裏面側電極42をいずれかの方向に寄せると、その寄せた側から他側に向けて表面から噴出するプラズマを傾斜させることができるようになり、任意の方向に噴出するプラズマを得ることができる。なお、裏面側電極を固定し、表面側電極を移動可能としても良い。
表面から傾斜して噴出するプラズマの発生手法としては実施例4の手法のほか、例えば図5に示すような手法を用いることができる。即ち図5に示す例においては、リング状電極対を図中上下部分で分割し、第1円弧状表面側電極44と第1円弧状裏面側電極45とからなる図中左側の第1円弧状電極対46と、これと対称的に形成されている第2円弧状表面側電極47と第2円弧状裏面側電極48からなる図中右側の第2円弧状電極対49とを形成する。この左側の第1円弧状電極対46に対しては図5(b)に示すように第1電源50から交流パルスを供給し、右側の第2円弧状電極対49に対しては、第2電源51から同様に交流パルスを供給し、これらの第1電源50と第2電源51は通電制御装置52によって通電量の制御を可能としている。
通電制御装置52においては例えば図5(a)及び(b)に示す例においては、第2電源51を第1電源50よりも単位時間の通電時間を長くすることにより、第2円弧状電極対49からの表面プラズマを第1円弧状電極対46よりも強くすると、表面プラズマの衝突によって生じる表面から立ち上がるプラズマは図中左方向へ噴出する。それに対して図5(c)(d)に示すように、第1電源50を第2電源51よりも単位時間の通電時間を長くすると、第1円弧状電極対46からの表面プラズマが第2円弧状電極対49からの表面プラズマより強くなり、表面から立ち上がるプラズマは図中右方向へ噴出する。
また、これらのプラズマの傾斜角度は、通電制御装置52による第1電源と第2電源の通電比によって任意に変更可能となる。なお、同図に示す例においては本実施例をわかりやすく説明するため第1電源と第2電源を用いて独立して制御する例を示したが、1つの電源を用いて各円弧状電極対に供給する交流パルスの単位時間あたりの通電時間を制御するのみでも実施することができる。更に、図5に示す電極全体を180度の範囲内で回転させることにより、前記制御と組み合わせることにより、任意の方向にプラズマを噴射させることができる。
前記図5に示す実施例のプラズマ発生制御と同様の手法により、表面から立ち上がるプラズマの方向を任意に制御することができるようにした実施例を図6に示している。同図に示す実施例においては、リング状電極対を円周方向に細分化するものであり、図示の例では8個に分割した例を示している。同図に示す装置においても前記と同様に、円弧状表面側電極と円弧状裏面側電極の対からなる円弧状電極対を備え、各電極対53〜60に対する通電量を通電制御装置61によって制御する。
それにより例えば図6に示すように、右側に位置する円弧状電極対程単位時間の通電時間を長くすることにより、図中右側からの表面プラズマが強くなり、表面から立ち上がるプラズマは図中左側方向に傾斜する。このような通電制御を行うことにより、表面から立ち上がるプラズマは任意の方向に制御可能となる。
前記図1〜3においては表面から立ち上がるプラズマに旋回を与える手法を、また前記図4〜6においては表面から立ち上がるプラズマの方向を制御する手法を説明したが、本発明はこれらを組み合わせ、旋回を与えながら方向を制御することもできる。即ち、例えば図7に示すように、前記図1に示した実施例において各電極対を独立させ、前記図6の実施例と同様に第1電極対62、第2電極対63、第3電極対64、第4電極対65を独立して且つ図示するように対向して配置する。各電極対から発生する表面プラズマの中心が全体の中心Oからずれていることは図1に示した例と同様である。
各電極対は各々通電制御装置66により、前記図6と同様に任意に通電制御可能としており、図7に示す例においては第1電極対62から発生する表面プラズマを最も強くし、次いで第2電極対63とし、第3電極対64及び第4電極対65からのプラズマを小さく設定している。それにより表面から立ち上がるプラズマは図示するように傾斜し、且つ旋回しながら噴出する。これらの噴射方向、及び旋回量は通電制御により任意に設定することができる。
本発明は上記のように表面から立ち上がるプラズマを旋回させ、また任意の方向に傾けることができるので、例えば気体燃料の混合攪拌促進用、ファンを用いない流体輸送システム等、流体工学技術分野全般に広く用いることができる。
本発明の第1実施例の説明図である。 本発明の第2実施例の説明図である。 本発明の第3実施例の説明図である。 本発明の第4実施例の説明図である。 本発明の第5実施例の説明図である。 本発明の第6実施例の説明図である。 本発明の第7実施例の説明図である。 従来例の説明図である。 直線状電極を用いた従来例の説明図である。 リング状電極を用いた従来例の説明図である。
符号の説明
1 表面プラズマアクチュエータ
2 絶縁体
3 電極縁
4 表面側電極
5 裏面側電極
6 第1電極対
7 第2電極対
8 第3電極対
9 第4電極対
10 配線
11 配線
12 表面プラズマ
13 表面

Claims (8)

  1. 絶縁体を挟んで表面側電極の裏側に裏面側電極を設けてなる複数の電極対を対向させ、各電極対それぞれの両電極に交流電圧を印することにより、各電極対の前記表面電極の端縁から前記絶縁体の表面に沿って発生させた表面プラズマを衝突させて、前記絶縁体の表面から立ち上がるプラズマを噴射する表面プラズマ発生用電極において、
    前記電極対のひとつから発生する前記表面プラズマの方向に対して交差する方向表面プラズマ発生するよう、他の電極対を配置することにより前記絶縁体の表面から立ち上がるプラズマに旋回を与えることを特徴とする表面プラズマ発生用電極。
  2. 前記電極対として、中心を挟んで前記端縁が互いに対向する電極対の組を複数備え、各電極対において、前記表面側電極の各端縁が前記中心に対し、同一の円周方向にずらして配置したことを特徴とする請求項1記載の表面プラズマ発生用電極。
  3. 前記電極対として、中心に開口を形成したリング状電極対の内周に沿って、前記端縁を複数分割して設け、該端縁の向きを前記リング状電極対のリング中心方向からずらすことにより、前記リング状電極対の円周に対して傾斜させて配置したことを特徴とする請求項1記載の表面プラズマ発生用電極。
  4. 前記電極対を、中心に開口を形成したリング状電極対の開口側端縁からの中心側に前記表面プラズマを発生させるものと、前記状電極対リングの開口内に配置され、互いに直交し、かつ、その中心点に対し、前記電極縁が点対称に配置された複数の直線状電極対を備えたものとから構成し、
    前記直交する複数の直線状電極対のいずれかを選択して通電することにより表面から立ち上がるプラズマの旋回方向を変更することを特徴とする請求項1記載の表面プラズマ発生用電極。
  5. 絶縁体を挟んで表面側電極の裏側に裏面側電極を設けてなる複数の電極対を対向させ、各電極対それぞれの両電極に交流電圧を印加することにより、各電極対の前記表面側電極の端縁から前記絶縁体の表面に沿って発生させた表面プラズマを衝突させて、前記絶縁体の表面から立ち上がるプラズマを噴射する表面プラズマ発生用電極において、
    前記衝突させる表面プラズマの発生強度を異ならせ、表面から立ち上がるプラズマの方向を傾斜させることを特徴とする表面プラズマ発生用電極。
  6. 前記電極対を、中心に開口を形成したリング状の表面側電極と、前記該表面側電極の内周縁よりも小さな外周縁半径を有するリング状の裏面側電極とから構成し、前記裏面側電極を前記絶縁体を挟み前記表面側電極の開口内に配置し、前記裏面側電極の外周縁を前記表面側電極の内周縁の一部に選択的に近接させることにより、前記表面側電極の内周側端縁から中心点に向けて発生する表面プラズマの発生強度を異ならせることを特徴とする請求項5記載の表面プラズマ発生用電極。
  7. 中心に開口を形成するリング状電極対を複数に分割して形成した複数の独立した円弧状電極対をリング状に配置し、各円弧状電極対への通電量を調節することにより各円弧状電極から発生する表面プラズマの発生強度を異ならせることを特徴とする請求項5記載の表面プラズマ発生用電極。
  8. 前記衝突させる表面プラズマの発生強度を異ならせ、表面から立ち上がるプラズマに旋回を与えながらその方向を変更することを特徴とする請求項1記載の表面プラズマ発生用電極。
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