JP5018854B2 - ロータシャフト - Google Patents

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Description

本発明は、シャフトとロータとをカシメにより固定するロータシャフトに関するものである。
特許文献1には、シャフトとロータとをカシメにより固定する方法として、以下のような発明が開示されている。図20および図21は、特許文献1に開示されたシャフト111にロータ112を固定する方法の実施例1を示すものである。図20に示すように、ロータ112をシャフト111のフランジ部111aの上に配置し、ロータ112の上に固定用部材113を配置する。また、カシメ用治具114がシャフト111の軸部111cの切り欠き部111dを移動できるように配置されている。カシメ用治具114の先端部114aの内径は、シャフト111の切り欠き部111dの外径よりも大きく形成され、かつシャフト111の軸部111cの直径よりも小さく形成されている。
このような構成のもと、カシメ用治具114をシャフト111の切り欠き部111dの終端部に当接させ、カシメ用治具114とシャフト111を相対回転させる。これにより、図21に示すように、シャフト111の軸部111cと切り欠き部111dの境界部分がカシメ用治具114によりカシメられることにより、突出部115が形成される。そのため、固定用部材113が突出部115によりシャフト111にカシメ固定されるとする。
また、図22および図23は、特許文献1に開示されたシャフトとロータとをカシメにより固定する方法の実施例2を示すものである。図22に示すように、ロータ112をシャフト111のフランジ部111aの上に配置し、ロータ112の上に固定用部材113を配置する。また、カシメ用治具116がシャフト111の軸部111cを移動できるように配置されている。カシメ用治具116には、テーパ面116aが形成されている。
このような構成のもと、カシメ用治具116を回転させながらロータ112の中心軸方向に荷重を印加させる。すると、固定用部材113がカシメ用治具116のテーパ面116aによる荷重により圧縮され、固定用部材113の先端部113aをシャフト111の溝111b内に入り込ませる。これにより、固定用部材113がシャフト111にカシメ固定されるとする。
特開2004−48925(第0125、0126、0135、0136段落、第15、16図)
特許文献1に開示されたシャフトとロータとをカシメにより固定する方法の実施例1は、ロータ112の外径がφ160程度でシャフト111の外径が大きい場合には、シャフト111を変形させてカシメることができる。しかし、ロータ112の外径がφ130程度でシャフト111の外径が小さい場合には、構造的にシャフト111の内径側に配置できるカシメ用治具114を製作することが困難となり、カシメることができない。
また、特許文献1に開示されたシャフトとロータとをカシメにより固定する方法の実施例2は、固定用部材113の先端部113aの全てをシャフト111の溝111b内に入り込ませているが、ロータ112は中心軸方向の寸法のバラツキが大きく、カシメに必要なカシメ荷重が大きくなってしまうおそれがある。また、固定用部材113をロータ112の中心軸方向から押圧し座屈させることにより、先端部113aをシャフト11の溝11bに圧入するので、カシメに必要なカシメ荷重が大きくなってしまうおそれがある。そのため、大きなカシメ荷重を与えることが出来ない場合には、ロータシャフトが回転してロータ112に遠心力が掛かったときに固定用部材113によるカシメ固定が外れてシャフト111からロータ112が抜けてしまうときの荷重であるロータ112の抜き荷重を必要な量だけ確保できないおそれがある。
さらに、特許文献1の実施例1および実施例2に共通することであるが、カシメ固定後において固定用部材113によりロータ112がシャフト111に対して必要なロータ112の抜け荷重を確保しつつ固定されたかどうかを確認することができない。そのため、カシメ固定後のロータシャフトの品質の保証を図ることができない。
そこで、本発明は、ロータの外径が小さい場合であってもカシメによりシャフトにロータを固定することができ、カシメに必要なカシメ荷重を小さくして必要なロータの抜き荷重を確保でき、カシメ固定後の品質の保証を図ることができるロータシャフトおよびロータシャフトの製造方法を提案すること目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下のような特徴を有する。
(1)本発明は、ロータの中心軸方向側に隣接配置された固定用部材を径方向に向いた溝を備えるシャフトにカシメ固定するものであって、固定用部材が配置位置において溝と反対側の径方向端部に径方向荷重が印加され肉の一部が溝に圧入されることにより、ロータをシャフトに固定するカシメ固定工程を有するロータシャフトの製造方法において、カシメ治具をシャフトの径方向から固定用部材に押圧することによりロータをシャフトに固定するカシメ固定工程を有することを特徴とする。
(2)本発明は、(1)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ固定工程は、固定用部材をロータの中心軸方向から押圧する押さえ治具と、ロータとの間に隙間を設けてロータをシャフトに固定することを特徴とする。
(3)本発明は、(1)または(2)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ固定工程は、シャフトの外周面に対する溝の切り込み角度をθsとし、固定用部材を押圧するカシメ治具の先端部に備えるテーパ形状とロータの中心軸とがなす角度をθpとしたときに、(θs−20)<θp<(θs−10)とする条件のもとロータをシャフトに固定することを特徴とする。
(4)本発明は、(1)乃至(3)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ治具は周方向に分割されるものであることを特徴とする。
(5)本発明は、ロータの中心軸方向側に隣接配置された固定用部材を径方向に向いた溝を備えるシャフトにカシメ固定するものであって、固定用部材が配置位置において溝と反対側の径方向端部に径方向荷重が印加され肉の一部が溝に圧入されることにより、ロータをシャフトに固定するカシメ固定工程を有するロータシャフトの製造方法において、ロータの中心軸方向に昇降動作することにより固定用部材における溝と反対側の径方向端部に径方向に荷重を印加させるカシメ治具とシャフトとの間の隙間量をパンチシャフト間隙間量Δcとし、固定用部材におけるカシメ治具により径方向荷重が印加される部分の厚みを固定用部材厚みTとし、溝における固定用部材の肉が収まる深さを溝食込み深さΔtとするときに、Δc=T−Δtとする条件のもとシャフトにロータをカシメ固定するカシメ固定工程を有することを特徴とする。
(6)本発明は、(5)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ治具は固定用部材に径方向荷重を印加する内径側の先端部がテーパ形状となっていることを特徴とする。
(7)本発明は、(5)または(6)に記載するロータシャフトの製造方法において、固定用部材は溝と反対側の径方向端部にテーパ部を備え、テーパ部の延長線とシャフトの外周との交点は、シャフトの外径上であってロータの中心軸方向について溝の範囲内に存在することを特徴とする。
(8)本発明は、(5)乃至(7)に記載するいずれか一つのロータシャフトの製造方法において、カシメ治具のロータ側の端部には、シャフトにロータをカシメ固定するときに固定用部材に刻印を押すための突出部が形成されていることを特徴とする。
(9)本発明は、中空円筒形状の積層鋼板からなるロータコアと、ロータコアの中心軸方向に隣接配置されロータコア側の端面に肉欠き部が形成されることによりロータコアとは内径側と外径側の2つの接触面で接するエンドプレートとを含むロータと、径方向外側に開口する溝を外周面に備えるシャフトとを有し、シャフトの外周面においてロータの中心軸方向に隣接配置された固定用部材を介して、ロータがシャフトに対してカシメ固定されたロータシャフトにおいて、固定用部材は、配置位置において前記溝と反対側の径方向端部に径方向荷重が印加され、肉の一部が前記溝に圧入されており、ロータコアとエンドプレートの内径側の接触面の径方向の幅をWとし、エンドプレートの直径をDeとするときに、(2×W/De)<0.26とする条件を満たすことにより、固定用部材を溝に圧入する場合に、エンドプレートの内径側接触面に集中してロータコアを押さえつける荷重を働かせたことを特徴とする。
(10)本発明は、(9)に記載するロータシャフトにおいて、カシメ固定後の固定用部材におけるロータの中心軸方向の端部と溝の入口部との幅とする出代が径方向におけるシャフトの溝の深さより大きいことを特徴とする。
このような特徴を有する本発明は、以下のような作用および効果が得られる。
(1)本発明は、ロータの中心軸方向側に隣接配置された固定用部材を径方向に向いた溝を備えるシャフトにカシメ固定するものであって、固定用部材が配置位置において溝と反対側の径方向端部に径方向荷重が印加され肉の一部が溝に圧入されることにより、ロータをシャフトに固定するカシメ固定工程を有するロータシャフトの製造方法において、カシメ治具をシャフトの径方向から固定用部材に押圧することによりロータをシャフトに固定するカシメ固定工程を有するので、シャフトを変形させるのではなく固定用部材を変形させることからロータの外径が小さい場合であっても対応したカシメ治具を製作してカシメによりシャフトにロータを固定することができ、カシメ治具の押圧力が固定用部材をシャフトの溝内へ圧入する方向に働きカシメ荷重を小さくできることから必要なロータの抜き荷重を確保することができ、カシメ固定後においては固定用部材のカシメ部分の外径を測定することでロータの抜き荷重を確認できることからカシメ固定後のロータシャフトの品質の保証を図ることができる。
(2)本発明は、(1)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ固定工程は、固定用部材をロータの中心軸方向から押圧する押さえ治具と、ロータとの間に隙間を設けてロータをシャフトに固定するので、(1)に記載する効果に加えて、カシメ固定後において固定用部材とロータの間に隙間は生じないことからより確実に必要なロータの抜き荷重を確保することができる。
(3)本発明は、(1)または(2)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ固定工程は、シャフトの外周面に対する溝の切り込み角度をθsとし、固定用部材を押圧するカシメ治具の先端部に備えるテーパ形状とロータの中心軸とがなす角度をθpとしたときに、(θs−20)<θp<(θs−10)とする条件のもとロータをシャフトに固定するので、(1)または(2)に記載する効果に加えて、加工上の強度に問題がなくカシメ治具を製作することができ、所定のカシメ荷重を与えることによりカシメ治具は必要な押し込み量を確保できることからより確実に必要なロータの抜き荷重を確保できる。
(4)本発明は、(1)乃至(3)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ治具は周方向に分割されるものであるので、(1)乃至(3)に記載する効果に加えて、カシメ固定後においてカシメ固定工程を終了した後か否かを目視で確認できることからより確実にカシメ固定後のロータシャフトの品質の保証を図ることができる。
(5)本発明は、ロータの中心軸方向側に隣接配置された固定用部材を径方向に向いた溝を備えるシャフトにカシメ固定するものであって、固定用部材が配置位置において溝と反対側の径方向端部に径方向荷重が印加され肉の一部が溝に圧入されることにより、ロータをシャフトに固定するカシメ固定工程を有するロータシャフトの製造方法において、ロータの中心軸方向に昇降動作することにより固定用部材における溝と反対側の径方向端部に径方向に荷重を印加させるカシメ治具とシャフトとの間の隙間量をパンチシャフト間隙間量Δcとし、固定用部材におけるカシメ治具により径方向荷重が印加される部分の厚みを固定用部材厚みTとし、溝における固定用部材の肉が収まる深さを溝食込み深さΔtとするときに、Δc=T−Δtとする条件のもとシャフトにロータをカシメ固定するカシメ固定工程を有するので、シャフトを変形させるのではなく固定用部材を変形させることからロータの外径が小さい場合であっても対応したカシメ治具を製作してカシメによりシャフトにロータを固定することができ、シャフトとカシメ治具の隙間に入り込む固定用部材の量を増大させてその強度を増大させることからカシメ実施時およびカシメ治具をシャフトから抜く際に固定用部材の一部が脱落することがなくバリの発生を防ぐことができる。
(6)本発明は、(5)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ治具は固定用部材に径方向荷重を印加する内径側の先端部がテーパ形状となっているので、(5)に記載する効果に加えて、小さなカシメ荷重により固定用部材をシャフトの溝に圧入してシャフトにロータを固定できることからより確実に必要なロータの抜き荷重を確保することができる。
(7)本発明は、(5)または(6)に記載するロータシャフトの製造方法において、固定用部材は溝と反対側の径方向端部にテーパ部を備え、テーパ部の延長線とシャフトの外周との交点は、シャフトの外径上であってロータの中心軸方向について溝の範囲内に存在するので、(5)または(6)に記載する効果に加えて、確実に固定用部材をシャフトの溝に圧入してシャフトにロータを固定できることからより確実に必要なロータの抜き荷重を確保することができる。
(8)本発明は、(5)乃至(7)に記載するいずれか一つのロータシャフトの製造方法において、カシメ治具のロータ側の端部には、シャフトにロータをカシメ固定するときに固定用部材に刻印を押すための突出部が形成されているので、(5)乃至(7)に記載する効果に加えて、カシメ固定後は外観によりカシメがなされたことを確認することができることからカシメ固定後のロータシャフトの品質の保証を図ることができる。
(9)本発明は、中空円筒形状の積層鋼板からなるロータコアと、ロータコアの中心軸方向に隣接配置されロータコア側の端面に肉欠き部が形成されることによりロータコアとは内径側と外径側の2つの接触面で接するエンドプレートを有するロータシャフトにおいて、ロータコアとエンドプレートの内径側の接触面の径方向の幅をWとし、エンドプレートの直径をDeとするときに、(2×W/De)<0.26とする条件を満たすので、カシメ固定時において外径部分においてエンドプレートとロータコアの間に隙間が生じるおそれがないことから高速回転時の遠心力によるコアの破断を防止することができる。
(10)本発明は、(9)に記載するロータシャフトにおいて、カシメ固定後の固定用部材におけるロータの中心軸方向の端部と溝の入口部との幅とする出代が径方向におけるシャフトの溝の深さより大きいので、(9)に記載する効果に加えて、固定用部材の先端部の一部がシャフトの溝から突出してバリが発生することを防止することができる。
実施例1の概要図である。(カシメ前) 実施例1の概要図である。(カシメ後) パンチの押圧部の上面図である。 図3のA−A矢視図である。 シャフトの溝の部分の拡大図である。 ロータコアの径方向の位置とその位置における積層厚みとの関係を調べた評価結果を表す図である。 図6に示す評価結果をまとめた図である。 エンドプレートの直径と接触面の径方向の幅の位置関係を示す図である。 シャフトの溝からのカシメプレートの出代とシャフトの溝の深さの関係を示す図である。 実施例2の概要図である。(カシメ前) 実施例2の概要図である。(カシメ後) パンチとロータシャフトとカシメプレートの周辺図である。 Δcとカシメ荷重の関係およびΔtとカシメ抜き荷重の関係の検証結果を示す図である。 パンチの最大ストローク時のシャフトの溝部分の拡大図である。 圧縮荷重を作用させる前のカシメプレートの様子を示す図である。 圧縮荷重を作用させた時のカシメプレートの様子を示す図である。 カシメプレートのテーパ部の設定を示す図である。 パンチの先端部に突起部を設けて、カシメプレートの上面に刻印を押す例を示す図である。 パンチの先端部に突起部を設けて、カシメプレートの側面に刻印を押す例を示す図である。 特許文献1に開示されたシャフトにロータを固定する方法の実施例1を示す図である。 特許文献1に開示されたシャフトにロータを固定する方法の実施例1を示す図である。 特許文献1に開示されたシャフトにロータを固定する方法の実施例2を示す図である。 特許文献1に開示されたシャフトにロータを固定する方法の実施例2を示す図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1と図2は、本発明の実施例1のロータシャフト1の製造方法の概要を示した図であり、図1はシャフト11にロータ12を固定する前の様子を、図2はシャフト11にロータ12を固定した後の様子を示している。図1と図2に示すように、本発明のロータシャフト1の製造方法を実現するための構成として、シャフト11、ロータ12、カシメプレート13、パンチ14、押さえ治具15などを備えている。ロータ12は、ロータコア21とエンドプレート22を備えている。
シャフト11は円筒形状であり、外径がロータコア21の内径にほぼ一致するように形成されている。シャフト11の外周部には全周にわたってフランジ部11aやカシメ溝11bが形成されている。そして、エンドプレート22の中心軸方向の一端面は、シャフト11のフランジ部11aにより支持されている。エンドプレート22は円盤形状からなり、中央部にシャフト11を挿入するための挿入孔22aが形成され、さらにロータコア21側の端面には径方向の所定の範囲について肉を欠いた部分である肉欠き部22bが存在する。そして、このエンドプレート22には、中央部にシャフト11を挿入するための挿入孔22aが形成され円盤形状の積層鋼板からなるロータコア21が載せられている。このロータコア21にはさらに前記のエンドプレート22がさらに載せられ、このエンドプレート22にはカシメプレート13が載せられている。カシメプレート13は断面がL字型に形成される円盤形状からなり、中央部にシャフト11を挿入するための挿入孔が形成されている。このカシメプレート13にはさらに押さえ治具15が載せられている。押さえ治具15は中空円盤形状からなり、内径付近にてカシメプレート13と嵌合している。
また、図1に示すように、パンチ14がカシメプレート13や押さえ治具15に対してロータ12の中心軸方向の位置に配置されており、ロータ12の中心軸方向に昇降するストローク部31と、ストローク部31の接触によりシャフト11の径方向にカシメプレート13を押圧する押圧部32とからなる。ここで、図3は押圧部32の上面図、図4は図3のA−A矢視図である。図3に示すように、パンチ14の押圧部32は中空の円錐台形を4分割したような形状からなり、図4に示すように、外周面32bがテーパ形状に形成されている。
一方、ストローク部31は、テーパ形状に形成された押圧部32の外周面32bと接触しながら昇降するように内周面がテーパ形状に形成された中空円筒形状となっている。このような形状からなるストローク部31と押圧部32について、ストローク部31をロータ12の中心軸方向に昇降させることにより押圧部32がシャフト11の径方向に移動するカム機構を構成している。
このような構成のもと、本実施例では以下のような工程が実現される。
まず、図1に示すように、カシメプレート13の外周部分にパンチ14の押圧部32に備わるパンチ先端部32aを当てる。この時、パンチ14のストローク部31は押圧部32に対してロータ12の中心軸方向にカシメプレート13とは離れた位置に配置されている。
そして、パンチ14のストローク部31をロータ12が配置される方向に移動させる。すると、前記のようにストローク部31と押圧部32がカム機構を構成していることから、押圧部32がシャフト11の径方向に移動してパンチ先端部32aがカシメプレート13を押圧する。押圧されたカシメプレート13は押圧された付近の部分が変形し、シャフト11の溝11bに圧入される。
その後、ストローク部31が最下点の位置まで移動すると、押圧部32がシャフト11の径方向の最も内側に移動してカシメプレート13を押圧する。そのため、カシメプレート13は、エンドプレート22に対してロータ12の中心軸方向に隣接配置した状態でシャフト11に対して圧入固定される。これにより、エンドプレート22およびロータコア21は中心軸方向への移動ができなくなりシャフト11に固定される。従って、カシメプレート13をシャフト11に圧入固定することにより、カシメプレート13がロータ12の中心軸方向に隣接配置されているエンドプレート22およびロータコア21をシャフト11にカシメ固定することができる。
以上のように本実施例では、シャフト11を変形させてカシメるのではなく、カシメプレート13を変形させてカシメるので、ロータコア21の外径が小さい場合であっても対応したパンチ14を製作して、カシメによりシャフト11にロータ12を固定することができる。
また、本実施例では前記のようにパンチ先端部32aがカシメプレート13を径方向から押圧する。そのため、パンチ先端部32aの押圧力(カシメ荷重)がカシメプレート13をシャフト11の溝11b内へ圧入する方向に働くので、カシメプレート13をシャフト11内に圧入するためのカシメ荷重は小さくてもよい。特に、本実施例ではパンチ先端部32aの断面形状が円になっており、パンチ先端部32aがカシメプレート13に最初に当たるときには点で当たってパンチ先端部32aの押圧力が集中するので、カシメ荷重は小さくてもよい。そのため、大きなカシメ荷重を与えなくても必要なロータ12の抜き荷重を確保することができる。
図5は、シャフト11の溝11bの部分の拡大図である。ハイブリッド車両の衝突Gにより、カシメプレート13がシャフト11の溝11bから抜けてロータ12がシャフト11から抜けてしまう時にカシメプレート13にかかる荷重の下限値をロータ12の抜き荷重という。そのため、ロータ12の抜き荷重が大きいほど、ロータ12はシャフト11から抜けにくいといえる。そして、このロータ12の抜き荷重はカシメプレート13のシャフト11の溝11bへの入り込み量と相関関係がある。ここで、本実施例では前記のようにパンチ先端部32aがカシメプレート13を径方向から押圧する。そのため、カシメプレート13のカシメ部分の形状が顕著に現れ、図5に示すカシメ部分の外径Dcの測定がしやすくなる。従って、カシメ固定後にカシメ部分の外径Dcを測定することで、ロータ12の抜き荷重を確認することができ、カシメ固定後のロータシャフト1の品質の保証を図ることができる。
また、シャフト11の溝11bへの入り込み量はパンチ14の径方向へのストローク量との間において相関関係がある。そして、パンチ14がストローク部31と押圧部32とによりカム機構を構成しており、ストローク部31をロータ12が配置される方向に移動させることにより押圧部32がシャフト11の径方向に移動してカシメプレート13を押圧することから、パンチ14の押圧部32の径方向へのストローク量とパンチ14のストローク部31のロータ12の中心軸方向へのストローク量との間にも相関関係がある。以上より、ロータ12の抜き荷重は、パンチ14のストローク部31のロータ12の中心軸方向へのストローク量との間において相関関係があるといえる。従って、パンチ14のストローク部31のロータ12の中心軸方向へのストローク量を管理することによっても、ロータ12の抜き荷重を管理することができる。
また、パンチ14のストローク部31をロータ12が配置される方向に移動させて、押圧部32をシャフト11の径方向に移動させカシメプレート13を押圧する時には、エンドプレート22とロータコア21の間に隙間が生じないように、エンドプレート22を中心軸方向に押さえておく必要がある。そこで、押さえ治具15によりエンドプレート22に中心軸方向の荷重を与える。しかし、ここで、押さえ治具15により直接的にエンドプレート22を押さえると、カシメプレート13はシャフト11にカシメ固定されるので、カシメプレート13とエンドプレート22の間に隙間が生じるおそれがある。そこで、押さえ治具15によりカシメプレート13を押さえ、カシメプレート13に隣接配置されるエンドプレート22を間接的に中心軸方向の荷重を与えることにする。具体的には、図1および図2に示すように、押さえ治具15は内径付近にてカシメプレート13と嵌合させ、押さえ治具15とエンドプレート22の間に隙間を設けておく。これにより、カシメ固定後においてカシメプレート13とエンドプレート22の間に隙間は生じない。そのため、より確実にロータ12を固定することができる。
次に、エンドプレート22の特徴的な形状について説明する。ここで、薄板に突起部分(ダボ)を形成して、それを凹み部分に圧着挿入することによりカシメを成形する方法として、ダボカシメというカシメ方法が存在する。ロータコア21は、積層鋼板を互いにダボカシメにより結合させることにより構成されている。そのため、エンドプレート22のロータコア21側の端面はこのダボカシメがなされた部分を逃がすために、ダボカシメがなされた部分に対応する部分の肉が欠けた形状を形成する必要がある。しかし、肉が欠けた部分の径方向の幅が小さい場合には、ダボカシメがなされた部分を逃がすことが出来たとしても、カシメ時においてエンドプレート22をロータコア21に押さえつけた時に、肉が欠けた部分の径方向の両側に存在するエンドプレート22とロータコア21の接触面(22c、22d)のうち、内径側の接触面22cの幅が大きくなる。そのため、押さえ治具15によりカシメプレート13を介してエンドプレート22を押さえ、エンドプレート22によりロータコア21を押さえるときに、ロータコア21が径方向に全体的に押さえつけられることになる。従って、外径部分においてエンドプレート22とロータコア21の間に隙間が生じるおそれがある。
そこで、本実施例では、エンドプレート22のロータコア21側の端面において、ロータコア21のダボカシメ部の付近から内径付近までの広い範囲の肉が欠けた形状に形成されている。このように、エンドプレート22のロータコア21側の端面を広い範囲で欠けた形状にすることにより、エンドプレート22とロータコア21の接触面22cの径方向の幅が小さくなるので、この接触面22cに集中してロータコア21を押さえつける荷重が働き、外径部分においてエンドプレート22とロータコア21の間に隙間が生じるおそれがない。
そこで、出願人は以上の効果を検証するために、接触面22cの径方向の幅を変化させた場合のロータコア21の積層厚みの変化の様子を調べた。図6は、ロータコア21の径方向の位置とその位置における積層厚みとの関係を示したものである。接触面22cの径方向の幅はA、B、C、Dの4つに変化させて検証した。なお、A<B<C<Dの関係を有している。図6に示すように、ロータコア21の積層厚みについて、接触面22cの径方向の幅が小さい(A、B)ときは、内径側よりも外径側のほうが大きいか、あるいは同等となっている。しかし、接触面22cの径方向の幅が所定の値以上(C、D)になると内径側よりも外径側のほうが小さくなってしまい、エンドプレート22とロータコア21の間に隙間が生じてしまうことが分かる。
そこで、図6に示す評価結果のまとめを図7に示す。図7は、接触面22cの径方向の幅であるA、B、C、Dについて、エンドプレート22の直径に対する接触面22cの径方向の幅の割合と、エンドプレート22とロータコア21の間の隙間の発生の有無との関係について示す。図7に示すように、エンドプレート22の直径に対する接触面22cの径方向の幅の割合が26%以上の場合に、エンドプレート22とロータコア21の間の隙間が発生することが分かる。以上の検証結果から、図8に示すように、エンドプレート22の直径をDeとし、接触面22cの径方向の幅をWとしたときに、(2×W/De)<0.26とする条件を満たす場合には、外径部分においてエンドプレート22とロータコア21の間に隙間が生じるおそれがないといえる。そのため、必要なロータ12の抜き荷重を確保することができる。
次に、シャフト11の溝11bの角度とパンチ14の押圧部32の角度の関係について説明する。本実施例では、前記の図5に示すように、シャフト11の溝11bの切り込み角度をθsとし、パンチ14の押圧部32のテーパ形状とロータ12の中心軸とがなす角度をθpとするときに、以下のように設定する。
Figure 0005018854
このように設定する理由は以下のとおりである。仮に(θs−20°)>θpとする場合には、パンチ14の押圧部32の先端部の角度が大きくなるので、カシメプレート13をパンチ14の押圧部32により押圧したときに、シャフト11の溝11bの側面から受ける反力が大きく、カシメ荷重が顕著に大きくなってしまう。そのため、標準のカシメ荷重ではパンチ14の押圧部32の必要な押し込み量を確保することが出来ず、カシメプレート13のカシメ量が不十分となり、満足できるロータ12の抜き荷重を確保することができない。そこで、パンチ14のロータ12の中心軸方向の許容範囲内におけるカシメ荷重が最も大きくなる最上部においても、満足できるロータ12の抜き荷重を確保することができる条件として、(θs−20°)<θpとする。
また、仮に(θs−10°)<θpとする場合には、超鋼品であるパンチ14の押圧部32の先端部の角度が非常に小さくなり、加工が不可能となってしまうおそれがある。そこで、加工が可能な範囲としてθp<(θs−10°)とする。
以上のような理由から、前記の数1のようにシャフト11の溝11bの角度とパンチ14の押圧部32の角度の関係を設定する。そのため、必要なロータ12の抜き荷重を確保することができる。
次に、シャフト11の溝11bからのカシメプレート13の出代αとシャフト11の溝11bの深さdの関係について説明する。図9は、出代αと深さdの関係を示す図である。ここで、図9に示すように、出代αはカシメプレート13の先端部13aの端部とシャフト11の溝11bの入口部との幅を示している。そして、図9に示すように、シャフト11の溝11bからのカシメプレート13の出代αの値をシャフト11の溝11bの深さの値よりも大きくしている。そのため、カシメプレート13の先端部13aがシャフト11の溝11bに入り込んでしまうことを防止することができ、ロータ12の抜き荷重を確実に確保することができる。また、カシメプレート13の先端部13aの一部がシャフト11の溝11bに入り込み、一部がシャフト11の溝11bから突出してバリが発生するということも防止することができる。
次に、パンチ14の構成について説明する。本実施例では、図3に示すようにパンチ14を周方向に4分割しておりカシメを行なう部分と行なわない部分とを設けている。そのため、カシメ後において、ロータシャフト1の外観を目視することによりカシメ工程を終了した後か否かを確認することができる。なお、パンチ14の分割数は4分割に限られず、2分割、3分割、5分割など複数に分割していればよい。
以上のような実施例1により、以下の効果が得られる。
(1)本実施例は、ロータ12の中心軸方向側に隣接配置されたカシメプレート13を径方向に向いた溝11bを備えるシャフト11にカシメ固定するものであって、カシメプレート13が配置位置において溝11bと反対側の径方向端部に径方向荷重が印加され肉の一部が溝11bに圧入されることにより、ロータ12をシャフト11に固定するカシメ固定工程を有するロータシャフトの製造方法において、パンチ14をシャフト11の径方向からカシメプレート13に押圧することによりロータ12をシャフト11に固定するカシメ固定工程を有するので、シャフト11を変形させるのではなくカシメプレート13を変形させることからロータ12の外径が小さい場合であっても対応したパンチ14を製作してカシメによりシャフト11にロータ12を固定することができ、パンチ14の押圧力がカシメプレート13をシャフト11の溝11b内へ圧入する方向に働きカシメ荷重を小さくできることから必要なロータ12の抜き荷重を確保することができ、カシメ固定後においてはカシメプレート13のカシメ部分の外径Dcを測定することでロータ12の抜き荷重を確認できることからカシメ固定後のロータシャフトの品質の保証を図ることができる。
(2)本実施例は、(1)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ固定工程は、カシメプレート13をロータ12の中心軸方向から押圧する押さえ治具15と、ロータ12との間に隙間を設けてロータ12をシャフト11に固定するので、(1)に記載する効果に加えて、カシメ固定後においてカシメプレート13とロータ12の間に隙間は生じないことからより確実にロータ12を固定することができる。
(3)本実施例は、(1)または(2)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメ固定工程は、シャフト11の外周面に対する溝11bの切り込み角度をθsとし、カシメプレート13を押圧するパンチ14の先端部に備えるテーパ形状とロータ12の中心軸とがなす角度をθpとしたときに、(θs−20)<θp<(θs−10)とする条件のもとロータ12をシャフト11に固定するので、(1)または(2)に記載する効果に加えて、加工上の強度に問題がなくパンチ14を製作することができ、所定のカシメ荷重を与えることによりパンチ14は必要な押し込み量を確保できることからより確実に必要なロータ12の抜き荷重を確保できる。
(4)本実施例は、(1)乃至(3)に記載するロータシャフトの製造方法において、パンチ14は周方向に分割されるものであるので、(1)乃至(3)に記載する効果に加えて、カシメ固定後においてカシメ固定工程を終了した後か否かを目視で確認することができることからカシメ固定後のロータシャフトの品質の保証を図ることができる。
(5)本実施例は、中空円筒形状の積層鋼板からなるロータコア21と、ロータコア21の中心軸方向に隣接配置されロータコア21側の端面に肉欠き部22bが形成されることによりロータコア21とは内径側と外径側の2つの接触面(22c、22d)で接するエンドプレート22を有するロータシャフトにおいて、ロータコア21とエンドプレート22の内径側の接触面22cの径方向の幅をWとし、エンドプレート22の直径をDeとするときに、(2×W/De)<0.26とする条件を満たすので、カシメ固定時において外径部分においてエンドプレート22とロータコア21の間に隙間が生じるおそれがないことから高速回転時の遠心力によるコアの破断を防止することができる。
(6)本実施例は、(5)に記載するロータシャフトにおいて、カシメ固定後のカシメプレート13におけるロータ12の中心軸方向の端部と溝11bの入口部との幅とする出代αが径方向におけるシャフト11の溝11bの深さdより大きいので、(5)に記載する効果に加えて、カシメプレート13の先端部の一部がシャフト11の溝11bから突出してバリが発生することを防止することができる。
次に、実施例2について説明する。
図10と図11は、本発明の実施例2のロータシャフトの製造方法の概要を示した図であり、図10はシャフト11にロータ12を固定する前の様子を、図11はシャフト11にロータ12を固定した後の様子を示している。実施例2のロータシャフト2の製造方法を実現するための構成において、実施例1と異なる点はパンチ16である。パンチ16は、中空円筒形状からなり、中空部を形成する内周面にはテーパ部が形成されている。パンチ16のテーパ部の端面側の直径はカシメプレート13の鉛直部分の外径に比して大きく形成され、パンチ16のテーパ部の内周面側の直径はカシメプレート13の鉛直部分の外径に比して小さく形成されている。パンチ16以外のその他の構成は、実施例1と共通するため、以下の説明は省略する。
このような構成のもと、実施例2では以下のような工程が実現される。
図10に示すような状態からパンチ16をロータ12の中心軸方向に移動する。すると、図11に示すように、パンチ16のテーパ部がカシメプレート13に接触し、カシメプレート13がシャフト11の溝11b側に押圧される。これにより、カシメプレート13の肉の一部をシャフト11の溝11bに圧入してロータ12をシャフト11に固定する。
ここで、図12はパンチ16とシャフト11とカシメプレート13の周辺図である。図12に示すように、本発明では、シャフト11の外周とパンチ16の間の隙間量をΔcとし、カシメプレート13においてパンチ16により径方向荷重が印加される部分の厚みを固定用部材厚みTとし、溝11bにおけるカシメプレート13の肉が収まる深さを溝食込み深さΔtとする。
そして、本発明では、以下のような条件式を設定する。
Figure 0005018854
このように、シャフト11の外周とパンチ16の間の隙間量のΔcを設けることにより、シャフト11とパンチ16の隙間に入り込むカシメプレート13の量が増大して強度が増大するので、カシメ実施時およびパンチ16を抜く際に脱落せずバリの発生を防ぐことができる。
ここで、出願人はΔcとカシメ荷重の関係およびΔtとカシメ抜き荷重の関係を実験により検証した。図13は、Δcとカシメ荷重の関係およびΔtとカシメ抜き荷重の関係の検証結果を示す。図13に示すように、Δcの値とカシメ荷重は比例関係にあり、Δcの値が小さくなるほどカシメ荷重は大きくなり、Δcの値が大きくなるほどカシメ荷重は小さくなることがわかる。また、Δtとカシメ抜き荷重の関係は曲線で表現され、Δtの値が小さくなるほどカシメ抜き荷重は小さくなり、Δtの値が大きくなるほどカシメ抜き荷重は大きくなることがわかる。さらに、図13にはパンチ16を抜く際にシャフト11とパンチ16の隙間に入り込むカシメプレート13が脱落してバリが発生しない領域も示している。図13より、Δcが0.3mm以上の場合にはバリが発生しないことが分かる。そのため、Δcは0.3mm以上が望ましい。
また、前記の図10および図11に示すように、パンチ16の先端部分にはテーパ部が形成されている。このように、テーパ部を形成することにより、パンチ16によりロータ12の中心軸方向にカシメプレート13を圧縮させると、カシメプレート13には径方向に荷重が掛かる。そのため、この径方向に掛かる荷重によりカシメプレート13がシャフト11の溝11bに圧入される。従って、小さなカシメ荷重によりカシメプレート13をシャフト11の溝11bに押し込んで、シャフト11にロータ12を固定することができ、より確実に必要なロータ12の抜き荷重を確保することができる。
図14は、パンチ16の最大ストローク時のシャフト11の溝11b部分の拡大図である。図14に示すように、パンチ16の最大ストローク時にはテーパ形状部の端部がシャフト11の溝11bの先端部よりも、ロータ12の中心軸方向について下にくるように設定している。そのため、パンチ16のテーパ形状部の全体からカシメプレート13にはシャフト11の径方向に荷重を受けることになる。従って、カシメプレート13が確実にシャフト11の溝11bに押し込まれて、エンドプレート22の抜き荷重を大きくすることができる。
図15は、圧縮荷重がかかる直前のカシメプレート13の様子を示す図である。図15に示すようにカシメプレート13にはテーパ部13bが形成されている。この状態から、カシメプレート13の先端部13aにロータ12の中心軸方向に圧縮荷重を加えると、図16に示すように、テーパ部13bが突っ張ることによりカシメプレート13の内周側の材料が流動してテーパ部13bの終点付近が膨れる。そして、この膨れた部分をシャフト11の溝11bに圧入することにより、たとえ溝11bに対してカシメプレート13の先端部13aが遠くても、シャフト11にロータ12を固定することができる。ここで、図17に示すように、テーパ部13bを延長させた線とシャフト11の外周面を延長させた線との交点の位置を溝11bの範囲内となるようにテーパ部13bの形状を設定する。このようにテーパ部13bの形状を設定することにより、シャフト11にロータ12を確実に固定することができ、より確実に必要なロータ12の抜き荷重を確保することができる。
また、図18に示すように、パンチ16の先端部に突起部16aを設けてパンチ16をカシメプレート13に接した時に、カシメプレート13の上面に刻印が押されるようにしたり、図19に示すように、パンチ16の先端部の側面に突起部16bを設けてパンチ16をカシメプレート13に接した時に、カシメプレート13の側面に刻印が押されるようにしてもよい。このようにカシメプレート13に刻印を付けることで、ロータシャフトを外観で目視することによりカシメ固定工程が終了したことを確認することができ、カシメ固定後のロータシャフトの品質の保証を図ることができる。
その他、(1)カシメ固定時に押さえ治具15とエンドプレート22の間に隙間を設けておくこと、(2)エンドプレート22が特徴的な形状を有すること、(3)シャフト11の溝11bからのカシメプレート13の出代αとシャフト11の溝11bの深さdの関係を設定すること、(4)パンチ16を周方向に4分割すること、などは実施例1と共通するため、以下説明は省略する。
以上のような実施例2により、以下の効果が得られる。
(1)本実施例は、ロータ12の中心軸方向側に隣接配置されたカシメプレート13を径方向に向いた溝11bを備えるシャフト11にカシメ固定するものであって、カシメプレート13が配置位置において溝11bと反対側の径方向端部に径方向荷重が印加され肉の一部が溝11bに圧入されることにより、ロータ12をシャフト11に固定するカシメ固定工程を有するロータシャフトの製造方法において、ロータ12の中心軸方向に昇降動作することによりカシメプレート13における溝11bと反対側の径方向端部に径方向に荷重を印加させるパンチ16とシャフト11との間の隙間量をパンチシャフト間隙間量Δcとし、カシメプレート13におけるパンチ16により径方向荷重が印加される部分の厚みを固定用部材厚みTとし、溝11bにおけるカシメプレート13の肉が収まる深さを溝食込み深さΔtとするときに、Δc=T−Δtとする条件のもとシャフト11にロータ12をカシメ固定するカシメ固定工程を有するので、シャフト11を変形させるのではなくカシメプレート13を変形させることからロータ12の外径が小さい場合であっても対応したパンチ16を製作してカシメによりシャフト11にロータ12を固定することができ、シャフト11とパンチ16の隙間に入り込むカシメプレート13の量を増大させてその強度を増大させることからカシメ実施時およびパンチ16をシャフト11から抜く際にカシメプレート13の一部が脱落することがなくバリの発生を防ぐことができる。
(2)本実施例は、(1)に記載するロータシャフトの製造方法において、パンチ16はカシメプレート13に径方向荷重を印加する内径側の先端部がテーパ形状となっているので、(1)に記載する効果に加えて、小さなカシメ荷重によりカシメプレート13をシャフト11の溝11bに圧入してシャフト11にロータ12を固定できることからより確実に必要なロータ12の抜き荷重を確保することができる。
(3)本実施例は、(1)または(2)に記載するロータシャフトの製造方法において、カシメプレート13は溝11bと反対側の径方向端部にテーパ部13bを備え、テーパ部13bの延長線とシャフト11の外周との交点は、シャフト11の外径上であってロータ12の中心軸方向について溝11bの範囲内に存在するので、(1)または(2)に記載する効果に加えて、確実にカシメプレート13をシャフト11の溝11bに圧入してシャフト11にロータ12を固定できることからより確実に必要なロータ12の抜き荷重を確保することができる。
(4)本実施例は、(1)乃至(3)に記載するいずれか一つのロータシャフトの製造方法において、パンチ16のロータ12側の端部には、シャフト11にロータ12をカシメ固定するときにカシメプレート13に刻印を押すための突出部(16a、16b)が形成されているので、(1)乃至(3)に記載する効果に加えて、カシメ固定後は外観によりカシメがなされたことを確認することができることからカシメ固定後のロータシャフトの品質の保証を図ることができる。
(5)本実施例は、中空円筒形状の積層鋼板からなるロータコア21と、ロータコア21の中心軸方向に隣接配置されロータコア21側の端面に肉欠き部22bが形成されることによりロータコア21とは内径側と外径側の2つの接触面(22c、22d)で接するエンドプレート22を有するロータシャフトにおいて、ロータコア21とエンドプレート22の内径側の接触面22cの径方向の幅をWとし、エンドプレート22の直径をDeとするときに、(2×W/De)<0.26とする条件を満たすので、カシメ固定時において外径部分においてエンドプレート22とロータコア21の間に隙間が生じるおそれがないことから高速回転時の遠心力によるコアの破断を防止することができる。
(6)本実施例は、(5)に記載するロータシャフトにおいて、カシメ固定後のカシメプレート13におけるロータ12の中心軸方向の端部と溝11bの入口部との幅とする出代αが径方向におけるシャフト11の溝11bの深さdより大きいので、(5)に記載する効果に加えて、カシメプレート13の先端部の一部がシャフト11の溝11bから突出してバリが発生することを防止することができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
11 シャフト
11a フランジ部
11b 溝
12 ロータ
13 カシメプレート
13a 先端部
14 パンチ
15 押さえ治具
16 パンチ
21 ロータコア
22 エンドプレート
22a 挿入孔
22b 肉欠き部
22c 接触面
22d 接触面
31 ストローク部
32 押圧部

Claims (2)

  1. 中空円筒形状の積層鋼板からなるロータコアと、前記ロータコアの中心軸方向に隣接配置され前記ロータコア側の端面に肉欠き部が形成されることにより前記ロータコアとは内径側と外径側の2つの接触面で接するエンドプレートとを含むロータと、径方向外側に開口する溝を外周面に備えるシャフトとを有し、前記シャフトの外周面において前記ロータの中心軸方向に隣接配置された固定用部材を介して、前記ロータが前記シャフトに対してカシメ固定されたロータシャフトにおいて、
    前記固定用部材は、配置位置において前記溝と反対側の径方向端部に径方向荷重が印加され、肉の一部が前記溝に圧入されており、
    前記ロータコアと前記エンドプレートの内径側の前記接触面の径方向の幅をWとし、前記エンドプレートの直径をDeとするときに、(2×W/De)<0.26とする条件を満たすことにより、前記固定用部材を前記溝に圧入する場合に、前記エンドプレートの内径側接触面に集中して前記ロータコアを押さえつける荷重を働かせたこと
    を特徴とするロータシャフト。
  2. 請求項1に記載するロータシャフトにおいて、
    カシメ固定後の前記固定用部材におけるロータの中心軸方向の端部と前記溝の入口部との幅とする出代が径方向におけるシャフトの溝の深さより大きいこと、
    を特徴とするロータシャフト。
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