本発明の請求項1の発明は、トナーを収容する本体と、トナーを撹拌する撹拌部材と、本体に設けられトナー連通口を開閉するシャッターと、を備えたトナーカートリッジであって、トナーカートリッジが収納される記録装置には、シャッターの長手方向の一方の端部を押圧する開閉フックを具備し、トナーカートリッジには、開閉フックに押圧される側のシャッターの端部に平行して設けられた第1及び第2の弾性アームと、第1及び第2の弾性アームの間に形成され開閉フックに押圧される被押圧部と、開閉フックがシャッターを押圧した際に第1及び第2の弾性アームの外周側をそれぞれ規制して案内するガイド部と、を具備し、第1及び第2の弾性アームは、各々の端部に第1及び第2の弾性アームの互いに内方向に向い合って伸びる第1の突起部と、各々の端部に第1の突起部とは逆方向の外方向に伸びる第2の突起部とを有し、ガイド部は、シャッターがトナー連通口を閉める閉位置にある場合に第2の突起部が落込む溝部を有し、開閉フックは、その先端に被押圧部と当接するボスを有し、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧してトナー連通口を開ける場合、弾性アームの第2の突起部がガイド部の溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟み込み、一方、開閉フックが引き抜かれてシャッターがトナー連通口を閉める場合、第1及び第2の弾性アームの第1の突起部によって両側から挟み込まれた開閉フックのボスがこの挟み込みによって第1及び第2の弾性アームを引き出し、開閉フックの移動に連動してシャッターを移動し、第1及び第2の弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部に落込むまで移動すると、第1及び第2の弾性アームの復元力で第1の突起部は外方向に移動してその間隔が広がり第1及び第2の弾性アームの間からボスが外れることを特徴とするトナーカートリッジである。
この構成によって、トナー連通口を開ける場合、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧することで、弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟込むことにより、開閉フックの押圧する動作によって開閉フックのボスが被押圧部に当接すると共にその押圧動作によって弾性アームの間に入り込んできた開閉フックのボスを開閉フックの押圧動作に連動して内方向へ移動してきた弾性アームの第1の突起部が両側から挟んで弾性アームの間から抜けないようにするので、トナー連通口を開くためにシャッターを開位置に移動させるための動作とトナー連通口を閉じるために開位置に移動したままのシャッターを閉位置に引き戻すための動作とを同時に行うことができ、その結果、トナー連通口を開ける押圧動作と平行しながら確実にシャッターを閉位置に戻すための状態を同時に作り出すことができる。
本発明の請求項2の発明は、トナーを収容する本体と、トナーを撹拌する撹拌部材と、本体に設けられトナー連通口を開閉するシャッターと、を備えたトナーカートリッジであって、トナーカートリッジが収納される記録装置には、シャッターの長手方向の一方の端部を押圧する開閉フックを具備し、トナーカートリッジには、開閉フックに押圧される側のシャッターの端部に平行して設けられた2本の弾性アームと、2本の弾性アームの間に形成され開閉フックに押圧される被押圧部と、開閉フックがシャッターを押圧した際に2本の弾性アームの外周側をそれぞれ規制して案内するガイド部と、を具備し、2本の弾性アームは、各々の端部に2本の弾性アームの互いに内方向に向い合って伸びる第1の突起部と、各々の端部に第1の突起部とは逆方向の外方向に伸びる第2の突起部とを有し、ガイド部は、シャッターがトナー連通口を閉める閉位置にある場合に第2の突起部が落込む溝部を有し、開閉フックは、その先端に被押圧部と当接するボスを有し、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧してトナー連通口を開ける場合、弾性アームの第2の突起部がガイド部の溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟み込み、一方、開閉フックが引き抜かれてシャッターがトナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第1の突起部によって両側から挟み込まれた開閉フックのボスがこの挟み込みによって2本の弾性アームを引き出し、開閉フックの移動に連動してシャッターを移動し、2本の弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部に落込むまで移動すると、2本の弾性アームの復元力で第1の突起部は外方向に移動してその間隔が広がり2本の弾性アームの間からボスが外れることを特徴とするトナーカートリッジである。
この構成によって、トナー連通口を開ける場合、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧することで、弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟込むことにより、開閉フックの押圧する動作によって開閉フックのボスが被押圧部に当接すると共にその押圧動作によって弾性アームの間に入り込んできた開閉フックのボスを開閉フックの押圧動作に連動して内方向へ移動してきた弾性アームの第1の突起部が両側から挟んで弾性アームの間から抜けないようにするので、トナー連通口を開くためにシャッターを開位置に移動させるための動作とトナー連通口を閉じるために開位置に移動したままのシャッターを閉位置に引き戻すための動作とを同時に行うことができ、その結果、トナー連通口を開ける押圧動作と平行しながら確実にシャッターを閉位置に戻すための状態を同時に作り出すことができる。
また、トナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第1の突起部によって両側から挟み込まれた開閉フックのボスが2本の弾性アームを引き出し、開閉フックの移動に連動してシャッターは移動することにより、弾性アームの突起部によってボスを両側から挟み込んだ状態のまま開閉フックを引き抜く方向へボスを移動させることで、開閉フックが完全に引き抜かれてシャッターが閉じる位置まで移動するまでの間、確実に開閉フックのボスを両側から把持しておくので、両側で掴んだボスが移動途中で外れることなく確実にシャッターを元の位置である閉位置へ引き戻すことができる。
また、トナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第2の突起部がガイドの溝に落込むまで移動すると、第1の突起部は弾性アームの撓みにより外方向に移動して弾性アームの間からボスが外れることにより、この弾性アームの作用によって開閉フックを挟む動作が解除されるので、シャッターが閉位置まで引き戻されると、容易に開閉フックをシャッターから取外すことができる。
更に、シャッターによる密封性を高めるため、シャッターによるトナー連通口に対する圧力を高める必要がある。この際、バネを用いてシャッターの端部を押圧してシャッターを移動させる構成を採用した場合、シャッターによるトナー連通口に対する圧力を高めることに比例して、バネ圧も高める必要がある。しかし、バネ圧を高めると、その分却ってシャッターを開けにくくなるという問題が生ずると共に、シャッターと当接する端部と反対側のバネの端部に当接する装置内部の部分の強度も高める必要が生じ、構成が複雑となり、コスト高を招くという問題も生ずる。しかし、請求項1の発明によると、シャッターを開閉する場合、開閉フックを用いてシャッターを一定方向へ押圧しながら或いは引き戻しながら移動させるという構成を採用することにより、開閉フックでシャッターの端部を押圧してシャッターを移動させ、また、開閉フックを引き出してシャッターを引き戻すので、バネ力に対向するだけの力が不要となり、シャッターを閉じる際に高い密封性を高めつつ比較的少ない力で容易にトナー連通口を開閉でき、また、バネ等の弾性部材を使用しないことにより、バネの付勢力の負荷がトナーカートリッジの端部にかかることが無いので、その端部の強度を強めた構成とする必要がなく、バネ圧やバネの線径を考慮した複雑な設計を必要とせず、構成を簡素にすることができる。
本発明の請求項3の発明は、請求項1の発明において、トナー連通口を閉じる閉位置にシャッターを固定させるロック機構を有することを特徴とするトナーカートリッジである。この構成によって、トナー連通口を閉じる閉位置にシャッターをロックして固定させることにより、ロックを解除しない限りシャッターが閉位置から開位置へ移動することが無いので、ユーザが誤ってシャッターに触れてシャッターを押すなど人為的ミスが起こった場合であっても、シャッターは閉位置から開位置へ移動せず、トナー連通口が開いてトナーが排出を防止することができるという効果を有する。
また、シャッターを閉位置にロックして固定することにより、シャッターの密封性か高まりユーザがカートリッジを落とした場合であっても、落とした弾みでシャッターが閉位置から開位置に移動することが無いので、トナー連通口からのトナーの散乱や排出を防止することができる。
本発明の請求項4の発明は、請求項1乃至2の発明において、ロック機構は、トナーカートリッジ本体に設けられシャッターの移動方向と平行に伸びるガイド面を有する係止ガイドと、シャッターに設けられ係止ガイドに向けて付勢されたロック用アームと、該ロック用アームの先端に設けられた係止部と、からなり、トナー連通口が閉じた状態のときは、係止部がロック用アームの付勢力によって係止ガイドの端部に係止してトナー連通口を閉じる位置にシャッターを規制し、一方、ロック用アームの付勢力が解除されたときは、係止部が係止ガイドの端部から乗り上げて係止ガイドのガイド面に沿って移動して、シャッターはトナー連通口を開く位置へ移動可能となることを特徴とするトナーカートリッジである。
この構成によって、これにより、係止ガイドに向けて付勢されたロック用アームの先端に設けられた係止部がロック用アームの付勢力によって係止ガイドの端部に係止してトナー連通口を閉じる位置にシャッターを規制することにより、ロック用アームの付勢力を利用してロック用アームに設けられた係止部を係止ガイドの端部に係止させているので、簡易な構成によりロック機構を実現できる。
また、ロック用アームの付勢力を利用してロック機構を実現するので、その付勢力によってロック用アームの係止部が係止ガイドの端部にかかり易くなり、確実にロック用アームの係止部を係止ガイドの端部にかけることができ、トナー連通口を閉じる位置にシャッターを確実に規制することができるという効果を有する。また、係止部が係止ガイドの端部から乗り上げて係止ガイドのガイド面に沿って移動するとシャッターはトナー連通口を開く位置へ移動可能となることにより、係止部はロック用アームの付勢力に抗してガイド面に沿って移動するので、ロック用アームの付勢力を利用してロック機構を構成した場合でも、ロックの解除状態を安定して維持することができる。プロセスカートリッジの挿入動作と平行しながらシャッターのロックを解除するので、トナーカートリッジとプロセスカートリッジが連結された時のみシャッターはトナー連通口を開く位置へ確実に移動可能状態とすることができるという効果を有する。
本発明の請求項5の発明は、請求項1乃至2の発明において、開閉フックは、その先端からシャッターの押圧方向と同一方向に伸びるスリットを有し、開閉フックが2つの羽根部に分割されたことを特徴とするトナーカートリッジである。この構成によって、これにより、先端からシャッターの押圧方向と同一方向に伸びるスリットを有し開閉フックを2つの羽根部に分割することにより、分割された開閉フックの先端をスリットの分だけ相互に近づけさせて先端の幅を狭くできるので、何らかの原因でシャッターが途中まで開き、第1の突起部が内方向に移動して2つの第1の突起部の間が狭くなった状態になっても、狭くなった第1の突起部の間に開閉フックの先端を挿入させることができるという効果を有する。
本発明の請求項6の発明は、請求項5の発明において、シャッターの2本の弾性アームがガイドの溝部から乗り上げた状態でガイドの途中に止まって第1の突起部が内方向に移動している場合、開閉フックがシャッターの2本の弾性アームの間に挿入されると、開閉フックの羽根部の先端は、スリットの幅の分だけ相互に近づき、内方向に移動した2本の弾性アームの第1の突起部の間を通り抜けることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、何らかの原因でシャッターが移動して途中まで開いた場合、2本の弾性アームの第1の突起部は内方向に移動して第1の突起部の間隔は狭くなる。この場合、開閉フックのボスは、第1の突起部の間隔は狭くなるので、第1の突起部の間に挿入できなくなる。その結果、シャッターを更に押してトナー連通口を開くことも、また、シャッターを引き戻してトナー連通口を塞ぐこともできなくなる。
しかし、請求項6の発明によると、第1の突起部が内方向に移動している場合、開閉フックがシャッターの2本の弾性アームの間に挿入されると、開閉フックの羽根部の先端は、スリットの幅の分だけ相互に近づき、内方向に移動した2本の弾性アームの第1の突起部の間を通り抜けることにより、スリットの幅の分だけ弾性アームの先端が相互に近づいて先端の幅が狭くなり、内方向に移動して狭くなった2本の弾性アームの第1の突起部の間を容易に通り抜けることができるので、何らかの原因でシャッターが移動して途中で開いた場合であっても、シャッターを更に押してトナー連通口を開き、また、シャッターを引き戻してトナー連通口を塞ぐことができるという効果を有する。
本発明の請求項7の発明は、請求項1の発明のトナーカートリッジと、トナーカートリッジのシャッターと同一構造のシャッターを有し、トナー像を可視化し、トナーカートリッジのシャッターと相互に連結して使用されるプロセスカートリッジと、を具備し、開閉フックのボスは、トナーカートリッジとプロセスカートリッジのそれぞれと係合可能な上下方向に設けられ、開閉フックのボスが、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入され、トナーカートリッジのシャッターとプロセスカートリッジのシャッターとを同時に移動させることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、これにより、開閉フックのボスを上下方向に突出するように設けて、この開閉フックのボスがトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入され、トナーカートリッジのシャッターとプロセスカートリッジのシャッターとを同時に移動させることができ、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとが装着されている場合に、開閉フックのボスを挿入した際、装着部分への挿入によって、上方向のボスが上側に配置されるトナーカートリッジのシャッターに当接すると共に、下方向のボスが下側に配置されるプロセスカートリッジのシャッターにも同時に当接するので、両シャッター移動を同時に行うことができ、1回の動作で2つのシャッターの移動を同時に行うことができるという効果を有する。
また、トナーカートリッジとプロセスカートリッジのそれぞれのシャッターを移動させる部材を1つの開閉フックに一体化させたので、各々のカートリッジを別々の部材によって別々に移動させる必要はないので、少ない部品点数で容易に各々のシャッターを移動することができると効果を有する。
本発明の請求項8の発明は、請求項1の発明のトナーカートリッジと、トナーカートリッジのシャッターと同一構造のシャッターを有し、トナー像を可視化し、トナーカートリッジのシャッターと相互に連結して使用されるプロセスカートリッジと、トナーカートリッジ及びプロセスカートリッジを収納する収納部と、この収納部に設けられた開閉扉と、を具備し、開閉フックのボスはトナーカートリッジとプロセスカートリッジのそれぞれと係合可能な上下両側に設けられ、且つ、開閉フックは開閉扉に設けられ、開閉扉が閉められる場合、開閉フックはトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入され、開閉フックのボスはトナーカートリッジのシャッターとプロセスカートリッジのシャッターとを同時に移動させることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、これにより、開閉フックは開閉扉に設けられ、開閉扉が閉まる場合、開閉フックはトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入し、開閉フックのボスはトナーカートリッジのシャッターとプロセスカートリッジのシャッターとを同時に移動させることにより、開閉扉を閉めるという動作に連動させて開閉フックのボスをトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入させるので、ユーザは、開閉フックのボスを装着部分に挿入させる動作を意識することなく開閉扉を閉めるだけで、簡単に開閉フックを装着部分に挿入させることができるという効果を有する。
また、開閉扉を閉めるだけで一度に全ての色のトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に開閉フックのボスを同時に挿入させるので、各色のカートリッジに対応してそれぞれの開閉フックを各々の装着部分に挿入させる必要が無く、全てのトナー色に対応するシャッターの移動を簡単に行うことができ、各色のカートリッジについて各々のシャッターを開閉させるという煩雑な手間を省くことができるという効果を有する。
本発明の請求項9の発明は、請求項8の発明において、開閉フックのボスは、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分から引き抜かれるとき、トナーカートリッジのシャッターとプロセスカートリッジのシャッターとを同時に移動させることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、開閉フックのボスは、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分から引き抜かれるとき、トナーカートリッジのシャッターとプロセスカートリッジのシャッターとを同時に移動させることにより、開閉扉を開けると、開閉フックのボスが弾性アームに係止した状態であるため開閉フックが引き抜かれる動きに連動してシャッターが移動するので、シャッターを移動させるための特別な操作を必要とせず、ユーザが開閉扉を開けるとい動作によって簡易にトナーカートリッジのシャッターとプロセスカートリッジのシャッターとを元の位置に移動させることができる。
本発明の請求項10の発明は、請求項7の発明において、開閉フックは、トナーカートリッジを収納する収納部の開閉扉に上下方向に遊動可動に設けられ、トナーカートリッジの下側に配置されるプロセスカートリッジのみが収納部に装着されている場合には、開閉フックは収納部の開閉扉が閉まる動きに連動してプロセスカートリッジの外周面に沿って移動し、開閉フックのボスはシャッターの上方に乗り上げてシャッターの2本の弾性アームの間に入り込まないことを特徴とする記録装置である。
この構成によって、トナーカートリッジの下側に配置されるプロセスカートリッジのみが収納部に装着されている場合、開閉扉に上下方向に遊動可能に設けられた開閉フックは収納部の開閉扉が閉まる動きに連動してプロセスカートリッジの外周面に沿って移動し、開閉フックのボスはシャッターの上方に乗り上げてシャッターの2本の弾性アームの間に入り込ませないために、プロセスカートリッジのみが装着された状態で開閉扉を閉める場合、開閉フックはシャッターを移動して開口を開かないので、ユーザがプロセスカートリッジのみしか装着されていることに気がつかずに開閉扉を閉じた場合であっても、プロセスカートリッジ内にごみ等の異物が混入することを防止できるという効果を有する。
本発明の請求項11の発明は、請求項7の発明において、開閉フックはトナーカートリッジを収納する収納部の開閉扉に上下方向に遊動可動に設けられ、且つ、開閉フックの先端は下方を向くように設けられ、プロセスカートリッジの上側に配置されるトナーカートリッジのみが収納部に装着されている場合、開閉フックは収納部の開閉扉が閉まる動きに連動してトナーカートリッジの領域に移動すると、開閉フックの先端はトナーカートリッジの下方を通過して開閉フックのボスはシャッターの2本の弾性アームの間に入り込まないことを特徴とする記録装置である。
この構成によって、プロセスカートリッジの上側に配置されるトナーカートリッジのみが装着されている場合、開閉扉に上下方向に遊動可能に設けられた開閉フックは収納部の開閉扉が閉まる動きに連動してトナーカートリッジの領域に移動すると、開閉フックの先端はトナーカートリッジの下方を通過して開閉フックのボスをシャッターの2本の弾性アームの間に入り込まないために、トナーカートリッジのみが装着状態で開閉扉を閉める場合、開閉フックのボスは開閉扉の動きに連動してトナーカートリッジの下方を通過するのみとなり、開閉フックはシャッターを移動して開口を開かないので、ユーザがトナーカートリッジのみが収納部に装着されていることに気がつかずに開閉扉を閉じた場合であっても、トナーカートリッジのトナー連通口が開いて装置内にトナーが漏れるのを防止できるという効果を有する。
本発明の請求項12の発明は、請求項7の発明において、開閉フックは、トナーカートリッジを収納する収納部の開閉扉に上下方向に遊動可動に設けられ、トナーカートリッジ及びプロセスカートリッジが収納部に装着されている場合、開閉フックは収納部の開閉扉が閉まる動きに連動してプロセスカートリッジの外周面に沿って移動しプロセスカートリッジに乗り上げ、トナーカートリッジの下面に当接して向きを変え、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入し、開閉フックのボスはシャッターの2本の弾性アームの間に入り込むことを特徴とする記録装置である。
この構成によって、トナーカートリッジ及びプロセスカートリッジが収納部に装着されている場合、開閉フックは開閉扉が閉まる動きに連動してプロセスカートリッジの外周面に沿って移動しプロセスカートリッジに乗り上げ、トナーカートリッジの下面に当接して向きを変え、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入し、開閉フックのボスはシャッターの2本の弾性アームの間に入り込むことにより、開閉フックの先端がトナーカートリッジ及びプロセスカートリッジの各々に当接しながら、開閉フックの先端はトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に向けて向きを整え、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入されるので、装置を使用する上で正常な状態、即ち、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとが装着されているときのみ、開閉フックのボスはシャッターの弾性アームの間に入り込み、トナーカートリッジ及びプロセスカートリッジの各々のシャッターを同時に開け、ユーザの人為的な操作ミスによる装置の破損や汚損を防止でき、装置を安全に使用することができるという効果を有する。
本発明の請求項13の発明は、請求項7乃至請求項12の何れかの発明において、前開閉扉は、開閉フックの遊動支点側の端部が当接する支軸と、支軸の周りに所定の空間が形成されるよう支軸を囲む格納壁と、格納壁に設けられ開閉フックの遊動支点側の端部が挿入される開口部と、を有し、開閉フックは、遊動支点側の端部から開閉フックの垂直方向に伸びる第1当接部と、遊動支点側の端部から開閉フックの水平方向に伸びる第2当接部と、を有し、開閉フックの第1当接部又は第2当接部が、支軸の周囲に沿って移動することにより、開閉フックは開閉扉に対して遊動することを特徴とする記録装置である。
この構成によって、開閉フックの第1当接部又は第2当接部が支軸の周囲に沿って移動する構成とすることにより、開閉フックの先端がトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入される際、開閉フックの先端がトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間に挟まれて開閉フックの先端の動きが制限されても、開閉フックの遊動支点側の端部は支軸に固定されているのではないので、開閉フックの遊動支点側の端部の動きの自由は確保され、開閉扉の開閉動作に連動させて開閉フックを回動させつつ、開閉フックの先端をトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分にスムーズに挿入させることができる。
本発明の請求項14の発明は、請求項13の発明において、開口部は支軸より下方に設けられ、収納部の開閉扉が閉まるとき、開閉フックの第1当接部及び第2当接部は支軸の周囲に当接し、開閉フックのシャッター側の端部が下方向を向くことを特徴とする記録装置である。
この構成によって、これにより、開口部は支軸より下方に設けられ、収納部の開閉扉が閉まるとき、開閉フックの第1当接部及び第2当接部は支軸の周囲に当接し、開閉フックのシャッター側の端部が下方向を向くことにより、格納壁に設けられた開口部と支軸との配置によって開閉扉の開位置における開閉フックの角度を規制するので、簡単な構成で適正な角度をもって開閉フックの先端を下方に向けることができる。
本発明の請求項15の発明は、請求項13の発明において、収納部の開閉扉が閉まって開閉フックがトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの装着部分に挿入される場合、第2当接部の下面は格納壁に接触しない状態となることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、収納部の開閉扉が閉まって開閉フックがトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの装着部分に挿入される場合、開閉フックの遊動支点側の端部の下面は格納壁に接触しない状態となることにより、開閉フックがトナーカートリッジとプロセスカートリッジとの装着部分に挿入された場合、装着部分に挿入された端部の動きは規制された状態となるが、遊動支点側の端部は自由に動いて、逃げることができので、開閉フックが装着部分に挿入されたときから挿入が完了するまでの間、装着部分に挿入された端部の動きが規制されても、開閉扉の開閉動作に連動しながらスムーズに開閉フックを装着部分に挿入することができるという効果を有する。
本発明の請求項16の発明は、請求項10の発明において、開閉フックは裏面にリブを有し、羽根部のリブは開閉フックを、収納部の開閉扉が閉まる動きに連動してプロセスカートリッジの外周面に沿って移動させ、開閉フックのボスをシャッターの上方に乗り上げさせて、シャッターの2本の弾性アームの間に入り込ませないことを特徴とする記録装置である。
この構成によって、これにより、開閉フックは裏面にリブを設け、開閉フックのボスをシャッターの2本の弾性アームの間に入り込ませないことにより、リブが設けられた分、開閉扉の動きに連動して移動してきた開閉フックのボスの進行方向が、下方向からシャッター側から逸れて乗り上げる方向、即ち、上方向に誘動されるので、プロセスカートリッジのみが装着された場合であっても開閉フックのボスがシャッターの弾性アーム内に挿入されることを防止できるという効果を有する。
本発明の請求項17の発明は、請求項12の発明において、開閉フックは裏面にリブを有し、羽根部のリブは開閉フックを、収納部の開閉扉が閉まる動きに連動してプロセスカートリッジの外周面に沿って移動させプロセスカートリッジに乗り上げさせ、トナーカートリッジの下面に当接して向きを変えさせて、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入させることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、フックは裏面にリブを有し、羽根部のリブは開閉フックを、収納部の開閉扉が閉まる動きに連動してプロセスカートリッジの外周面に沿って移動させプロセスカートリッジに乗り上げさせ、トナーカートリッジの下面に当接して向きを変えさせ、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの間の装着部分に挿入させることにより、開閉扉の動きに連動してカートリッジ側へ移動してきた開閉フックのボスの進行方向が、下方向から弾性アームの間に挿入される方向へ、即ち、プロセスカートリッジとトナーカートリッジの装着部分に挿入される方向へ誘導されるので、使用者にとって開閉フックを装着部分へ挿入するという煩わしい手作業が開閉扉を閉めるという簡単な動作を利用することができ、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとの装着部分に開閉フックを確実に挿入させることできるという効果を有する。
本発明の請求項18の発明は、請求項1の発明のトナーカートリッジと、トナーカートリッジのシャッターと同一構造のシャッターを有し、トナー像を可視化し、トナーカートリッジのシャッターと相互に連結して使用されるプロセスカートリッジと、を具備し、トナーカートリッジは、トナー連通口を閉じる閉位置にシャッターを固定させるロック機構を有し、ロック機構は、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとが連結されている場合、ロック機構が解除され、シャッターがトナー連通口を開く位置へ移動可能となることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、これにより、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとが連結されている場合、ロック機構が解除され、シャッターがトナー連通口を開く位置へ移動可能となることにより、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとが連結されているときのみ、ロック機構が解除されるので、ユーザの人為的な操作ミスによってトナーカートリッジやプロセスカートリッジからトナーが漏れて装置が破損や汚損するのを防止でき、装置を安全に使用することができるという効果を有する。
本発明の請求項19の発明は、請求項18の発明において、ロック機構は、トナーカートリッジ本体に設けられシャッターの移動方向と平行に伸びるガイド面を有する係止ガイドと、シャッターに設けられ係止ガイドに向けて付勢されたロック用アームと、該ロック用アームの先端に設けられた係止部と、からなり、トナー連通口が閉じた状態のときは、係止部がロック用アームの付勢力によって係止ガイドの端部に係止してトナー連通口を閉じる位置にシャッターを規制し、一方、ロック用アームの付勢力が解除されたときは、係止部が係止ガイドの端部から乗り上げて係止ガイドのガイド面に沿って移動して、シャッターはトナー連通口を開く位置へ移動可能となることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、これにより、係止部がロック用アームの付勢力によって係止ガイドの端部に係止してトナー連通口を閉じる位置にシャッターを規制し、一方、係止部が係止ガイドの端部から乗り上げて係止ガイドのガイド面に沿って移動するとシャッターはトナー連通口を開く位置へ移動可能となることにより、ロック用アームの付勢力を利用してトナー連通口を閉じる位置にシャッターを規制するので、簡単な構成により何らかの弾みで先端の係止部が係止ガイドの端部から外れることなく確実にトナー連通口を閉じる位置にシャッターを固定させることができるという効果を有する。
また、先端の係止部が係止ガイドの端部に係止してトナー連通口を閉じる位置にシャッターを規制しているとき、常にロック用アームの付勢力が係止ガイド側にかかり、この規制位置から係止ガイドが動く或いはズレることが無いので、確実に係止ガイドを規制位置に固定することができるという効果を有する。
一方、係止部が係止ガイドの端部から乗り上げて係止ガイドのガイド面に沿って移動するとシャッターはトナー連通口を開く位置へ移動可能となることにより、ロックをかける側の構造を所定方向に付勢力を付与したロック用アームとしているので、付勢力に反する方向へ係止部を押し返すだけで簡単に係止部とガイドの端部との係止を解除できるという効果を有する。
また、ロックを外す側の構造を係止が外れた際の係止ガイドが乗り上がるようガイド面を有する構成としているので、ガイド付勢力に反してガイドの端部から外れた係止部をガイド面に乗せるだけで、トナー連通口が完全に開くまでの間、シャッターを移動可能な解除状態を保つことができるという効果を有する。
本発明の請求項20の発明は、請求項19の発明において、ロック用アームは、係止部をプロセスカートリッジに向けて付勢し、プロセスカートリッジは、係止部と向い合う位置にあって係止部をロック用アームの付勢力に抗して押し上げる凸部を有し、トナーカートリッジとプロセスカートリッジとが連結されている場合、凸部が係止部を係止ガイドのガイド面に乗り上げる位置まで押し上げ、この状態では係止部と係止ガイドの端部との係止が解除されることを特徴とする記録装置である。
この構成によって、ロック用アームは係止ガイドをプロセスカートリッジに向けて付勢することにより、係止ガイドがプロセスカートリッジ側に向いているため、プロセスカートリッジを先に挿入した場合でもプロセスカートリッジを後から挿入した場合でも係止ガイドをロック用アームの付勢力に抗して押し返すことができるので、カートリッジの挿入の順番に関わらず、シャッターをトナー連通口の開く位置へ移動することができるという効果を有する。
また、係止部が係止ガイドの端部から乗り上げて係止ガイドのガイド面に沿って移動するとシャッターはトナー連通口を開く位置へ移動可能となることにより、係止部はロック用アームの付勢力に抗してガイド面に沿って移動するので、ロック用アームの付勢力を利用してロック機構を構成した場合でも、ロックの解除状態を安定して維持することができる。
また、プロセスカートリッジの挿入動作と平行してシャッターのロックを解除するので、トナーカートリッジとプロセスカートリッジが連結されたときにシャッターは移動可能な状態となるので、トナーカートリッジがプロセスカートリッジと連結されていない状態でトナーカートリッジからトナーが漏れるのを防止できるという効果を有する。
本発明の請求項21の発明は、請求項20の発明において、凸部は、プロセスカートリッジの長手方向に沿って形成され、シャッターがトナー連通口を閉じる閉位置からシャッターがトナー連通口を開く位置へ移動する距離に対応する長さを有することを特徴とする記録装置である。この構成によって、これにより、凸部は、プロセスカートリッジの長手方向に沿って形成され、シャッターがトナー連通口を閉じる閉位置からシャッターがトナー連通口を開く位置へ移動する距離に対応する長さとすることにより、シャッターがトナー連通口を閉じた状態から完全に開くまでの間、凸部が係止部を上方へ押し上げたままの状態を保つので、シャッターがトナー連通口を開く位置へ移動するまで、付勢力のかかった係止部を逆戻させることなく確実にシャッターがトナー連通口を開く位置へ移動可能にできるという効果を有する。
本発明の請求項22の発明は、トナー画像を形成する感光体と、感光体上に形成された静電潜像に従ってトナーを現像する現像ローラと、を本体内に有し、本体に設けられトナーの受入口を開閉するシャッターを備えたプロセスカートリッジであって、プロセスカートリッジが収納される記録装置には、シャッターの長手方向の一方の端部を押圧する開閉フックを具備し、プロセスカートリッジには、開閉フックに押圧される側のシャッターの端部に平行して設けられた2本の弾性アームと、2本の弾性アームの間に形成され開閉フックに押圧される被押圧部と、開閉フックがシャッターを押圧した際に2本の弾性アームの外周側をそれぞれ規制して案内するガイド部と、を具備し、2本の弾性アームは、各々の端部に2本の弾性アームの互いに内方向に向い合って伸びる第1の突起部と、各々の端部に第1の突起部とは逆方向の外方向に伸びる第2の突起部とを有し、ガイド部は、シャッターがトナー連通口を閉める閉位置にある場合に第2の突起部が落込む溝部を有し、開閉フックは、その先端に被押圧部と当接するボスを有し、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧してトナー連通口を開ける場合、弾性アームの第2の突起部がガイド部の溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟み込み、一方、開閉フックが引き抜かれてシャッターがトナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第1の突起部によって両側から挟み込まれた開閉フックのボスがこの挟み込みによって2本の弾性アームを引き出し、開閉フックの移動に連動してシャッターを移動し、2本の弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部に落込むまで移動すると、2本の弾性アームの復元力で第1の突起部は外方向に移動してその間隔が広がり2本の弾性アームの間からボスが外れることを特徴とするプロセスカートリッジである。
この構成によって、トナー連通口を開ける場合、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧することで、弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟込むことにより、開閉フックの押圧する動作によって開閉フックのボスが被押圧部に当接すると共にその押圧動作によって弾性アームの間に入り込んできた開閉フックのボスを開閉フックの押圧動作に連動して内方向へ移動してきた弾性アームの第1の突起部が両側から挟んで弾性アームの間から抜けないようにするので、トナー連通口を開くためにシャッターを開位置に移動させるための動作とトナー連通口を閉じるために開位置に移動したままのシャッターを閉位置に引き戻すための動作とを同時に行うことができ、その結果、トナー連通口を開ける押圧動作と平行しながら確実にシャッターを閉位置に戻すための状態を同時に作り出すことができる。
またトナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第1の突起部によって両側から挟み込まれた開閉フックのボスが2本の弾性アームを引き出と、開閉フックの移動に連動してシャッターは移動することにより、弾性アームの突起部によってボスを両側から挟み込んだ状態のまま開閉フックを引き抜く方向へボスを移動させることで、開閉フックが完全に引き抜かれてシャッターが閉じる位置まで移動するまでの間、確実に開閉フックのボスを両側から捕まえておくので、両側で掴んだボスが移動途中で外れることなく確実にシャッターを元の位置である閉位置へ引き戻すことができる。
また、トナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第2の突起部がガイドの溝に落込むまで移動すると、第1の突起部は外方向に移動しての弾性アームの間からボスが外れることにより、弾性アームによって開閉フックを挟む動作が解除されるので、シャッターが閉位置まで引き戻されると、容易に開閉フックをシャッターから取外すことができる。更に、シャッターによる密封性を高めるため、シャッターによるトナー連通口に対する圧力を高める必要がある。この際、バネを用いてシャッターの端部を押圧してシャッターを移動させる構成を採用した場合、シャッターによるトナー連通口に対する圧力を高めることに比例して、バネ圧も高める必要がある。しかし、バネ圧を高めると、その分却ってシャッターを開けにくくなるという問題が生ずると共に、シャッターと当接する端部と反対側のバネの端部に当接する装置内部の部分の強度も高める必要が生じ、構成が複雑となり、コスト高を招くという問題も生ずる。
第22の発明によると、シャッターを開閉する場合、開閉フックを用いてシャッターを一定方向へ押圧しながら或いは引き戻しながら移動させるという構成を採用することにより、開閉フックでシャッターの端部を押圧してシャッターを移動させ、また、開閉フックを引き出してシャッターを引き戻すので、バネ力に対向するだけの力が不要となり、シャッターを閉じる際に高い密封性を高めつつ比較的少ない力で容易にトナー連通口を開閉でき、また、バネ等の弾性部材を使用しないことにより、バネの付勢力の負荷がトナーカートリッジの端部にかかることが無いので、その端部の強度を強めた構成とする必要がなく、バネ圧やバネの線径を考慮した複雑な設計を必要とせず、構成を簡素にすることができる。
本発明の第23の発明は、本体に設けられトナー連通口を開閉するシャッターと、シャッターの長手方向の一方の端部を押圧する開閉フックと、開閉フックに押圧される側のシャッターの端部に平行して設けられた2本の弾性アームと、2本の弾性アームの間に形成され開閉フックに押圧される被押圧部と、開閉フックがシャッターを押圧した際に2本の弾性アームの外周側をそれぞれ規制して案内するガイド部と、を具備し、2本の弾性アームは、各々の端部に2本の弾性アームの互いに内方向に向い合って伸びる第1の突起部と、各々の端部に第1の突起部とは逆方向の外方向に伸びる第2の突起部とを有し、ガイド部は、シャッターがトナー連通口を閉める閉位置にある場合に第2の突起部が落込む溝部を有し、開閉フックは、その先端に被押圧部と当接するボスを有し、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧してトナー連通口を開ける場合、弾性アームの第2の突起部がガイド部の溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟み込み、一方、開閉フックが引き抜かれてシャッターがトナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第1の突起部によって両側から挟み込まれた開閉フックのボスがこの挟み込みによって2本の弾性アームを引き出し、開閉フックの移動に連動してシャッターを移動し、2本の弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部に落込むまで移動すると、2本の弾性アームの復元力で第1の突起部は外方向に移動してその間隔が広がり2本の弾性アームの間からボスが外れることを特徴とするシャッター開閉装置である。
この構成によって、トナー連通口を開ける場合、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧することで、弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟込むことにより、開閉フックの押圧する動作によって開閉フックのボスが被押圧部に当接すると共にその押圧動作によって弾性アームの間に入り込んできた開閉フックのボスを開閉フックの押圧動作に連動して内方向へ移動してきた弾性アームの第1の突起部が両側から挟んで弾性アームの間から抜けないようにするので、トナー連通口を開くためにシャッターを開位置に移動させるための動作とトナー連通口を閉じるために開位置に移動したままのシャッターを閉位置に引き戻すための動作とを同時に行うことができ、その結果、トナー連通口を開ける押圧動作と平行しながら確実にシャッターを閉位置に戻すための状態を同時に作り出すことができる。
また、トナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第1の突起部によって両側から挟み込まれた開閉フックのボスが2本の弾性アームを引き出し、開閉フックの移動に連動してシャッターは移動することにより、弾性アームの突起部によってボスを両側から挟み込んだ状態のまま開閉フックを引き抜く方向へボスを移動させることで、開閉フックが完全に引き抜かれてシャッターが閉じる位置まで移動するまでの間、確実に開閉フックのボスを両側から把持しておくので、両側で掴んだボスが移動途中で外れることなく確実にシャッターを元の位置である閉位置へ引き戻すことができる。
また、トナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第2の突起部がガイドの溝に落込むまで移動すると、第1の突起部は弾性アームの撓みにより外方向に移動して弾性アームの間からボスが外れることにより、この弾性アームの作用によって開閉フックを挟む動作が解除されるので、シャッターが閉位置まで引き戻されると、容易に開閉フックをシャッターから取外すことができる。
更に、シャッターによる密封性を高めるため、シャッターによるトナー連通口に対する圧力を高める必要がある。この際、バネを用いてシャッターの端部を押圧してシャッターを移動させる構成を採用した場合、シャッターによるトナー連通口に対する圧力を高めることに比例して、バネ圧も高める必要がある。しかし、バネ圧を高めると、その分却ってシャッターを開けにくくなるという問題が生ずると共に、シャッターと当接する端部と反対側のバネの端部に当接する装置内部の部分の強度も高める必要が生じ、構成が複雑となり、コスト高を招くという問題も生ずる。しかし、第1の発明によると、シャッターを開閉する場合、開閉フックを用いてシャッターを一定方向へ押圧しながら或いは引き戻しながら移動させるという構成を採用することにより、開閉フックでシャッターの端部を押圧してシャッターを移動させ、また、開閉フックを引き出してシャッターを引き戻すので、バネ力に対向するだけの力が不要となり、シャッターを閉じる際に高い密封性を高めつつ比較的少ない力で容易にトナー連通口を開閉でき、また、バネ等の弾性部材を使用しないことにより、バネの付勢力の負荷がトナーカートリッジの端部にかかることが無いので、その端部の強度を強めた構成とする必要がなく、バネ圧やバネの線径を考慮した複雑な設計を必要とせず、構成を簡素にすることができる。
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態1におけるトナークリーニング装置と、これを備えた複写機、プリンタ、複合機等の画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、トナーを使って画像形成を行う電子写真プロセスで画像を形成する装置であれば、どのような装置にも使用することができる。
図1は本発明の実施の形態1における画像形成装置と記録装置の構成図、図2は本発明の実施の形態1における記録装置の断面図、図3は本発明の実施の形態1における画像形成装置の一部破砕された斜視図、図4は図3の画像形成装置を各色トナーカートリッジの長手方向に沿って切断したときの断面図、図5は本発明の実施の形態1における各色トナーカートリッジを装着したときの全体の斜視図、図6は本発明の実施の形態1における全プロセスカートリッジを装着したときの斜視図、図7は本発明の実施の形態1における記録装置の正面図、図8は本発明の実施の形態1におけるプロセスカートリッジの黒色プロセスカートリッジを着脱するときの斜視図、図9は本発明の実施の形態1におけるトナーカートリッジの黒色プリントカートリッジを着脱するときの斜視図である。
続いて、図10は本発明の実施の形態1における画像形成装置と記録装置の装置内部から開閉扉をみたときの斜視図、図11は本発明の実施の形態1における画像形成装置の開閉扉の開閉途中の状態を示す斜視図、図12は図11の画像形成装置を各色トナーカートリッジの長手方向に沿って切断したときの断面図、図13は本発明の実施の形態1における画像形成装置の開閉扉を大きく開いた状態の斜視図、図14は図13の画像形成装置を各色トナーカートリッジの長手方向に沿って切断したときの断面図である。
更に、図15(a)(b)(c)(d)は本発明の実施の形態1におけるシャッター開閉装置の動作説明図、図16(a)(b)(c)は本発明の実施の形態1におけるシャッター開閉装置の半開き状態時の動作説明図、図17(a)(b)(c)は本発明の実施の形態1におけるトナーカートリッジの底面側からみたときの開口時のシャッター動作説明図、図18(a)(b)(c)は本発明の実施の形態1におけるプロセスカートリッジの上面側からみたときの開口時のシャッター動作説明図である。
先ず、図1に示す1はタンデム型のカラーの画像形成装置であり、用紙やOHP(Over Head Projector)用シート等の搬送路Aを送られる記録媒体にカラー画像を形成する。1aは画像形成装置のトナーカートリッジやプロセスカートリッジを収容した収納部である。図1において、2はYMCBの各色ごとに感光体21にそれぞれの静電潜像を形成させて、各色現像ローラ24から供給された一成分或いは二成分のトナーを使ってそれぞれトナー画像を形成し順に中間転写ベルト41に一次転写するためのプロセスカートリッジである。このプロセスカートリッジ2とトナーが供給される連通口の位置を合致させて連結されるトナーカートリッジとで実施の形態1の記録装置が構成されている。
次に、3はこのプロセスカートリッジ2と連通口を接続されて使用されるYMCBの各色のトナーカートリッジであり、3aはトナーカートリッジ3の中のトナーが固化しないように撹拌する撹拌部材である。また、4は一次転写されてYMCBの順で積み重なったトナー画像を二次転写ローラ51によって記録媒体に二次転写させるための中間転写ユニットである。中間転写ユニット4には、中間転写ベルト41が設けられ、感光体21から転写された各色トナーが転写される。
また、5は中間転写ベルト41に形成されたトナー画像を記録媒体に転写する二次転写部、6は搬送路Aを送られる記録媒体に転写されたトナー画像を定着させる定着部である。そして、7は用紙やOHP等の記録媒体を収容する記録媒体カセット、8はカラー画像形成後の記録媒体を排出する排出部である。尚、中間転写ユニット4と二次転写部5とで、転写部を構成する。定着部6には、定着ローラ61、加圧ローラ62が設けられている。尚、4aは中間転写ベルト41に残留したトナーをクリーニグブレードで掻き取って廃棄するための廃トナーの回収容器である。
更に図1の説明を続ける。9は記録媒体カセット7から1枚ずつ記録媒体を取り出して搬送路Aに送出することができるピックアップローラ、10はレジストセンサ(図示しない)によって位置を検出して搬送される記録媒体に抵抗を与えて先端位置を補正するレジストローラである。そして11は、カラー画像を形成された後の記録媒体を排出部8に排出するための排出ローラ、12はプロセスカートリッジ2に対して各感光体21に静電潜像を形成させるためのLSU(Laser Scanning Unit)である。
LSU12はスキャナ等で読取った画像信号、或いはプリンタとして外部のコンピュータから出力された画像信号等によって変調されたレーザ光で各色感光体21のドラム上を走査し、YMCB各色の静電潜像を各感光体21上にそれぞれ形成する。トナーカートリッジ3から供給されたトナーは現像ローラ24によって現像されて、感光体21上にトナーによる可視画像を形成する。
さて実施の形態1の中間転写ユニット4は、無端の中間転写ベルト41と、この中間転写ベルト41を張架する駆動ローラ42と従動ローラ43の2つのローラ、更に中間転写ベルト41を感光体21との間で挟持するYMCBの4個の一次転写ローラ25、張力付与ローラ45とから構成される。
ここで、図1のほかに図2も参照して、プロセスカートリッジ2内部の詳細について説明する。感光体21は円筒形のドラムの外周に有機感光体(OPC;Organic Photo Conductor)の層が設けられており、この表面は帯電器23によって帯電可能である。この一様に帯電した表面を上述したレーザ光で走査し、一様な電荷に感光体21の表面に静電潜像を形成する。
そして、この帯電器23は、コロトロン、接触帯電などの帯電プロセスで感光体21の表面をトナーの極性と同極性をもつように帯電させるもので、YMCBの各色ごとに各感光体21ごとに1個ずつ接近した位置に設けられる。24は各色トナーを感光体21表面に供給する例えばウレタンゴムやシリコンゴムからなる現像ローラである。トナーカートリッジ3から供給されたトナーは撹拌部材29によって攪拌される。
ところでプロセスカートリッジ2には、この現像ローラにトナーを供給するための供給ローラ27が設けられており、更に、現像ローラの表面にトナーを一定に薄層化するためのドクターブレード28も設けられている。薄層化されたトナーは感光体21表面の静電潜像の電荷に応じて現像され、可視画像が形成される。
図1に示す25は中間転写ベルト41を挟んで転写のためバイアス電圧が印加された一次転写ローラである。また、26は感光体21の周りに設けられ残留トナーを掻き取るための掻き取りブレード26aと、更にこの廃トナーを回収容器4aに搬送して廃棄する感光体クリーニング部である。掻き取りブレード26aは各感光体21上に残った各色の残留トナーを掻き取る。
ここで以上説明したカラー画像形成の流れを処理に沿って説明すると、トナーカートリッジ3中のトナーは図2に示す撹拌部材3aによって撹拌されて、凝集して固まるのが防止される。実施の形態1におけるトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2のシャッター15の連通口(ここでは排出口15a)を通ってプロセスカートリッジ2内に送られる。トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の連結、シャッターの詳細に関しては後述する。
プロセスカートリッジ本体2a内では、連通口を通ってトナーカートリッジ3から落下したトナーが撹拌部材29によって撹拌され、供給ローラ27によって現像ローラに供給、摩擦帯電させられる。摩擦帯電したトナーはドクターブレード28によって薄層化された一定厚さのトナー層を形成し、感光体21表面の静電潜像に従って現像される。尚、この静電潜像は、一様に帯電させられた感光体21表面の電荷がLSU12によって制御されたレーザ光で形成された像である。
この静電潜像に現像ローラ24から供給されたトナーを付着させる。また、一次転写ローラ25にはそれぞれトナーと逆極性のバイアス電圧が印加されており、この電界の作用によって感光体21上に現像されたトナー画像は中間転写ベルト41に一次転写される。バイアス電圧はYMCBの順でそれぞれ転写が可能になるように電圧制御される。
このトナー画像が一次転写された無端の中間転写ベルト41には、中間転写ベルト41を張架する駆動ローラ42と従動ローラ43、張力付与ローラ45が配設されており、張力調整することができ、この中間転写ベルト41を回動する。この回動で一次転写されたトナー画像が二次転写ローラ51において更に記録媒体に二次転写される。この二次転写されたトナー画像は記録媒体が定着部6に搬送され、定着ローラ61、加圧ローラ62の作用によって定着され、記録媒体に画像形成されることになる。
図3は本発明の実施の形態1の画像形成装置1の一部破砕された斜視図を示し、タンデム型のカラーの画像形成装置である。図4は図3の画像形成装置1をYMCB各色のトナーカートリッジ3の長手方向に沿って切断したときの断面図である。実施の形態1のトナーカートリッジ3、プロセスカートリッジ2は、画像形成装置1の側面の開閉扉13を開いてそれぞれスライドさせることにより引っ張り出せる。図3の状態は開閉扉13を閉めた状態で上面を切り欠いたものであり、内部のYMCB各色のトナーカートリッジ3が並設されているのが分かる。この図3、図4の状態から開閉扉13を開いていった状態が、図11、図12、図13、図14の状態となる。
さて、ここで本発明の実施の形態1のトナーカートリッジ3、プロセスカートリッジ2について図5〜図9に基づいて説明する。トナーカートリッジ3は下段に配列されたプロセスカートリッジ2の上部に例えばYMCBの順で図5、図7に示したように各別に装着(スライドして挿入、引き出し)される。
しかし、トナーカートリッジ3、プロセスカートリッジ2の引き出し頻度を考慮し、またYMCBのうちBが使用される頻度が最も高いため、プロセスカートリッジ2においては、YMCの各カートリッジからなる一体に設けられた3色ユニット部分と、これと独立して設けられたBのユニット部分に二分されている。従ってトナーカートリッジ3の4色のカートリッジ本体、プロセスカートリッジ2の3色ユニット部分、プロセスカートリッジ2のBのユニット部分はそれぞれ独立してスライドして挿入、引き出しすることができる。このトナーカートリッジ3、プロセスカートリッジ2は実施の形態1の記録装置を構成する。
ところで、図6において、15はプロセスカートリッジ2のシャッターである。即ち、トナーを通過(落下)させるための開度を調整できるシャッター開閉装置のシャッターである。このようなシャッター開閉装置は、トナーを排出、導入する何れの容器にもシャッター15の開度を調整するために使用可能である。
実施の形態1のトナーカートリッジ3の場合、シャッター15にはトナーを落下させる複数の略平行四辺形の連通口である排出口15a(本発明のトナー連通口)が形成されており、これと協働するこの表面に沿って設けられた樹脂製のカバー板との位置関係によって開度を調整することができる。即ち、シャッター15をスライドさせることによって、ABS等のカバー板に設けられた連通口と一致した状態(全開)から、一部重なって開口した状態(一部閉)、更には全部が閉じた状態(全閉)を実現できる。
トナーの落下を利用するから、トナーカートリッジ3のシャッター開閉装置はトナーカートリッジ3の底面に設けられ、プロセスカートリッジ2のシャッター開閉装置はプロセスカートリッジ2の上面に設けられる。以下の説明では、トナーカートリッジ3の場合を例にして説明するため、連通口を全て排出口15aというが、プロセスカートリッジ2の場合はトナーを導き入れるための連通口(導入口)と言うべきものである。尚、図6は全閉時を示している。シャッター開閉装置は、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2で独立して動作するように設けるのも可能だが、実施の形態1のように両者でシャッター開閉装置を同時に同期して開閉するようにするのが好適である。
次に、実施の形態1のトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2で両者のシャッター開閉装置を同時に開閉する構成について説明する。図7はトナーカートリッジ3をプロセスカートリッジ2に装着した記録装置を正面からみたときの図である。図7において、14はシャッター15をスライドさせるための開閉フックであり、16はシャッター15の端部から開閉フック14側に突き出た2本の弾性アームである。尚、画像形成装置1の内部側から開閉扉13をみたときの図10を参照すると、開閉フック14が開閉扉13から首振り自在(揺動可能)に画像形成装置1の内部へ突出しているのが分かる。
ところで、図10においてこの開閉フック14が上下に2つ存在するかのように記載されているが、これは開閉フック14が上下に揺動することを示すために記載したものであり、その揺動状態を分かり易く1つの図に同時に示したものである。以下の図においても上下に2つあるかのように記載されている場合、同様に上下に揺動可能なことを意味する。図10に示す13aは開閉扉13を閉めたとき画像形成装置1に開閉扉13をロックする係止片である。係止片13aを下方へロックすることで画像形成装置1の開閉扉13は確実に閉じられる。
さて、図7に示した弾性アーム16について少し説明を加えると、図15のように2本の弾性アーム16にはその両者の中央線からそれぞれで外向きに第2の突起部16a(外爪)が形成されており、シャッター全閉の状態ではこの第2の突起部16aがガイド部18内に内向き(2本の弾性アーム16側)に形成された凹部(本発明の溝部)に付勢力で嵌合し、軽く係止された状態になっている。しかし、開閉フック14を中央線方向に沿ってシャッター15側に押すことで、シャッター15がこの押圧力を受け、上記凹部のシャッター側傾斜面との間に分力が作用して、この傾斜面が2本の弾性アーム16先端を内向きに撓ませる。2本弾性アーム16はこのように先端が撓んだ状態になることによって、ガイド部18内面をスライド可能になり、シャッター15を一部開の状態にすることができる。
そして、シャッター15が更に押し込まれてスライドすると、この2本の弾性アーム16の中央に形成された凸状の被押圧部17(図15を参照)に開閉フック14の先端のボス32(図15参照)が接近し、両者が当接するようになり、このときシャッター15は全開の状態になる。図8はB色のトナーカートリッジ3のみをスライドさせた状態を示し、図9はB色のプロセスカートリッジ2のみをスライドさせた状態を示している。
図11は開閉扉13の開閉途中を示す斜視図であり、図12は図11の画像形成装置1を内部に装着したYMCB各色のトナーカートリッジ3の長手方向(スライド方向)に沿って切断したときの断面を示す。図12において、36は開閉フック14の実施の形態1の首振り(開閉フック14の遊動支点側が上下方向、前後進方向、揺動方向に自由度をもった遊動動作)が自在に行えるようにするための遊動のための支軸(本発明の支軸)である。このような自由度の高い首振り動作を行わせるように規制するため、支軸36の周囲には、開閉フック14の遊動支点側(後端側)の遊動を可能にする所定サイズの空間を形成する格納壁36aと、格納壁36aに開閉フック14の遊動支点側を挿入するための開口部36bとを備えた格納部が設けられている(図21(a)(b)参照)。
この詳細な構造については後述するが、支軸36の周囲を開閉フック14には2つの第1当接部35a、第2当接部35bが設けられ、一定の空間の範囲内で遊動する。これにより、開閉フック14が支軸36に単純に軸支されたような場合と比較して、シャッター15側の先端が回転だけの硬直した動きをするのを避けることができる。図13は開閉扉13が全開された状態の斜視図であり、図14は図13の画像形成装置1をYMCB各色のトナーカートリッジ3の長手方向に沿って切断したときの断面を示す。尚、図10、図14、図21(a)(b)、図22などにおいては、上述したように動きを分かり易くするために首振りの複数の状態を一図の中に同時に表示している。
さて、以下、本発明の実施の形態1におけるトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の各シャッター15の開閉動作(即ちシャッター開閉装置のシャッター15の開閉動作)と、連通すべき排出口15aと導入口(2つの連通口)を同期して同時に開口するための、2枚のシャッター15間に挿入する開閉フック14の詳細な構造について説明する。
図15(a)(b)(c)(d)は、順に、(a)開閉フック14の先端のボス32がシャッター15の弾性アーム16の間に挿入される前の開閉フック14とシャッター15が分離された状態を示し、(b)このボス32がスライドによって被押圧部17に当接した状態(開口開始状態)、(c)この当接によりシャッター15が押されると弾性アーム16が撓み、ガイド部18内をスライドさせてシャッター15を押し込む状態(開口中)、(d)シャッター15の排出口15aを全開状態にした状態を示す。開閉フック14はABS等の樹脂で一体成形され、樹脂であるためスリット34を挟んでスリット34を縮小する方向へ撓むことができる。また、2本の弾性アーム16もABS等の樹脂で形成されており、互いに向い合う方向へ圧縮力を受けると、内向きに撓むことができる。
ところで、2本の弾性アーム16には図15のように第2の突起部16a(外爪)のほかに、両者の中央線に向かって内向きに形成された一対の第1の突起部16b(内爪)がそれぞれ形成されている。この内爪の先端が形成する間隔は、2本の弾性アーム16の復元力によって、外向きの第2の突起部16b(外爪)がガイド部18の凹部に嵌合してロック状態になっているときには広がり(図15(a)(b)参照)、そのときの内爪の間隔ではボス32がそのままの形態で通過できる。しかし、2本の弾性アーム16が内側に撓むと、第1の突起部16b(内爪)は接近し、ボス32を抱きかかえて把持した状態となるものである。
この把持を実行するため、第2の突起部16a(外爪)がガイド部18との間で上記(a)(b)(c)(d)の動作を行う間に、第1の突起部16b(内爪)は同時にボス32との関係で次の動作を行う。
即ち、上記(a)から(b)にかけてボス32は第1の突起部16b(内爪)の間に引っ掛かることなく、間を通過し被押圧部17に当接する。一旦ボス32が被押圧部17に当接して、(c)の状態になると、外爪がガイド部18の上記凹部の傾斜面に乗り上げる作用で内向きの分力が生じ、2本の弾性アーム16が内側に撓み始める。この状態に(c’)(図示せず)の状態になると、ボス32は被押圧部17と一対の第1の突起部16b(内爪)とによって挟持された状態となる。従って2本の弾性アーム16はボス32を把持したままガイド部18内をスライドする。このとき、把持されたボス32と被押圧部17を介して、開閉フック14とシャッター15は一体となって移動し、その排出口15aを一部開の状態としながら、全開の位置まで移行する。(d)の全開となる位置でトナーカートリッジ3に設けられたストッパ(図示せず)により停止する。
尚、上記(a)から(b)にかけてのボス32の動作は通常の開閉動作であって、何かの原因で一部または全部開状態になる異常なときもある。しかしこの異常時には、実施の形態1においては、開閉フック14のフェイルセイフ構造が機能し、このような状態であっても、ボス32を内爪の間に引っ掛かることなく間を通過させ、ボス32の把持を可能にする。これについては後述する。
このように開閉扉13を閉めるときは、通常、図3、図4、図10、図11、図12で示すように開閉扉13の一連の動きに伴って開閉フック14が押し込まれ、上記(a)(b)(c)(d)の動作、(c’)の動作により、排出口15aは全閉の状態から全開の状態になる。逆に(d)の状態から開閉扉13を開くと、(c’)(c)の状態でボス32が開閉フック14に弾性アーム16によって把持されたまま引き出され、所定位置で弾性アーム16が原形状に復帰して外向きに広がり、第2の突起部16a(外爪)がガイド部18の凹部に嵌合して係止状態になる。このとき第1の突起部16b(内爪)の間をボス32が通過可能となり、シャッター15と開閉フック14の連動が断たれる。シャッター15と開閉フック14は一体状態から分離する。この(d)状態においては、シャッター15は全閉状態となっている。
従って排出口15aを開くためにシャッター15を開位置に移動させるための動作と排出口15aを閉じるために開位置に移動したままのシャッター15を閉位置に引き戻すための動作とを同時に実現することができ、その結果、排出口15aを開ける押圧動作と平行しながらシャッター15を閉位置に戻すための状態を同時に作り出すことができる。
また、実施の形態1の場合、開閉フック14を引き出してシャッター15を引き戻すので、バネ力に対向するような力が不要となり、シャッター15を閉じる際に高い密封性を高めつつ比較的小さい力で容易にトナーの排出口を開閉でき、バネ等の弾性部材を使用しないため、バネの付勢力の負荷がトナーカートリッジ3の端部にかかることが無いので、その端部の強度を強めた構成とする必要がなく、バネ圧やバネの線径を考慮した複雑な設計を必要とせず、構成を簡素にすることができるという利点がある。
さて、シャッター15は以上説明した動作によって、通常は確実に開閉できる。しかし、機械である以上何らかのトラブルが発生しないとは言い切れない。そこで、実施の形態1におけるシャッター開閉装置のシャッター15は、このようなトラブル発生時でも対処できるようにフェイルセイフ構造になっている。2次的に対処可能な構造をもっている。
即ち、実施の形態1のシャッター開閉装置は、何らかの原因で開閉フック14が押し込まれることなく、シャッター15の排出口15aが半開きになっているような場合でも、シャッター15を容易に全閉或いは全開に復帰させることができるものである。このフェイルセイフ構造にするため、実施の形態1の開閉フック14は樹脂で一体成形され、ボス32を接近させることができるようになっている。ボス32の両側から内向きの力を受けると、これに弾力で抗しながらスリット34を減少する方向へ2枚の羽根部31を撓ませることができる。
図16(a)(b)(c)は、順に、(a)開閉フック14が押し込まれない状態で、シャッター15の排出口15aが開いてしまった半開きの状態を示し、(b)は(a)の状態で開閉フック14のボス32を一対の第1の突起部16b(内爪)に当接させた状態、(c)この(b)における内爪の開閉フック側の傾斜面で開閉フック14の羽根部31を両側から圧縮して撓ませ、ボス32の間隙を更に狭めて、半開きで間隔の狭まっている第1の突起部16b(内爪)間を通過させ、シャッター15の被押圧部17をボス32で押し込む状態を示す。
一旦、第1の突起部16b(内爪)の間を通過した後は、ボス32は一対の第1の突起部16bと被押圧部17によって挟持され、シャッター15と開閉フック14の連動が可能になる。全開、全閉も自由に行える。従って、通常考えられないような理由で、シャッター15が仮に開いてしまうような場合であっても、開閉扉13を閉めるだけで簡単に通常の状態に復帰させることができる。
このように実施の形態1では、2本の弾性アーム16の撓みによる弾性アーム16、ボス32、被押圧部17との間の第1の係合(把持)と、トラブル時における2枚の羽根部31の撓みを加えたこれら三者による第2の係合(把持)とが可能であり、シャッター15の位置が如何なる位置にある場合でも、開閉扉13を閉めて開閉フック14をシャッター15と係合させるだけで、シャッター15の排出口15aの状態を全閉、全開に調整することができる。このように実施の形態1のシャッター開閉装置は如何なる事態にも対処できるフェイルセイフ構造になっている。
図17(a)は発明の実施の形態1のトナーカートリッジを底面のシャッター側からみた全閉状態の斜視図、図17(b)は(a)のトナーカートリッジを底面のシャッター側からみた開閉途中の状態の斜視図、図17(c)は(a)のトナーカートリッジを底面のシャッター側からみた全閉状態の斜視図である。図17(a)(b)(c)には開閉フック14が示されておらず、シャッター15の全体的な動きと、ガイド部18の形状、2本の弾性アーム16の状態、排出口15aの開閉状態、被押圧部17の底面から見た場合の形状を示している。尚、図17(a)(b)(c)において、トナーカートリッジ2のシャッター開閉装置部分に設けられているのは、シャッター15を全閉の位置にロックするためのロック機構の一部をなすロック用アーム37である。後述するようにロック用アーム37の作用でシャッター15のスライドが固定される。
ここで、図18(a)は発明の実施の形態1のプロセスカートリッジを上面のシャッター側からみた全閉状態の斜視図、図18(b)は(a)のプロセスカートリッジを上面のシャッター側からみた開閉途中の状態の斜視図、図18(c)は(a)のプロセスカートリッジを上面のシャッター側からみた全閉状態の斜視図である。図18(a)(b)(c)には開閉フック14が示されておらず、シャッター15の全体的な動きと、ガイド部18の形状、2本の弾性アーム16の状態、排出口15aの開閉状態、被押圧部17の形状を示している。何れも上記したトナーカートリッジ3と同様である。
続いて、開閉フック14の全体形状とその動作、機能について説明する。図19(a)は本発明の実施の形態1における開閉フックの斜視図、図19(b)は(a)の開閉フックをトナーカートリッジとプロセスカートリッジの装着部分の間に挿入する状態の斜視図、図20は本発明の実施の形態1における開閉フックの底面側からみたときの斜視図、図21(a)は本発明の実施の形態1におけるシャッター開閉装置のプロセスカートリッジのみが装着されている状態の開閉フックの動作説明図、図21(b)は本発明の実施の形態1におけるシャッター開閉装置のトナーカートリッジのみが装着されている状態の開閉フックの動作説明図、図22は本発明の実施の形態1におけるシャッター開閉装置のプロセスカートリッジとトナーカートリッジが装着されている状態の開閉フックの動作説明図である。
図19(a)は開閉フック14の斜視図であり、図19(b)は開閉フック14がトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2(各シャッター開閉装置)の弾性アーム16の間に挿入されるときの状態を示した斜視図である。図19(a)(b)において、34は樹脂製の開閉フック14の2枚の羽根部31を形成するためのスリットである。このスリット34によって2枚の羽根部31は内側に向けて撓むことが可能になる。この羽根部31の撓みでボス32が接近し上記第2の係合が可能になり、ボス32が被押圧部17と一対の第1の突起部16b(内爪)とによって把持される。尚、この撓みを実現するために、ボス32の挿入側には第1の突起部16b(内爪)の傾斜面によって圧縮する方向の力に円滑に変換することができるようにテーパ面が形成されている。このテーパ面が内爪間に挿入されることにより、内爪の傾斜面から押圧に対する反力を受け、その分力で羽根部31の先端(ボス32)側が撓み、ボス32の間隔は接近して幅が狭まり、一対の第1の突起部16b(内爪)間を通過する。
次に、図19(a)(b)において、35は開閉フック14が格納部内の支軸36の周りである程度の自由度を有しながら遊動するための遊動部である。この遊動部35は第1当接部35a、第2当接部35bという直交するL字状の2片を備えており、第1当接部35a、第2当接部35bがそれぞれ支軸36と対向するように配置される。この構成により遊動部35はこれを収容した格納部内で若干の上下運動と、前後進運動を許容する揺動が可能になる。開閉フック14はこのような遊動部35の作用で自由度をもった首振り動作を行う。この自由度が、開閉フック14のシャッター15間への挿入を円滑にする。
しかし、遊動部35に自由度があるといっても、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の各シャッター15の間へ確実且つ滑らかに案内するのはなかなか困難である。そこで、実施の形態1の開閉フック14においてはプロセスカートリッジ2側の面にリブ33が設けられている。図20は実施の形態1の開閉フック14をプロセスカートリッジ2側からみた斜視図であり、リブ33の形態を示す。
また、図21(a)はプロセスカートリッジ2のみが装着されている場合の開閉フック14が案内される様子を示し、図21(b)はトナーカートリッジ3のみが装着されている場合の開閉フック14が案内される様子を示している。更に、図22はプロセスカートリッジ2とトナーカートリッジ3の両方が装着されている場合の開閉フック14が案内される様子を示す。開閉フック14の中央にはスリット34が形成され、このスリット34を挟んで2枚の羽根部31がU字状に伸び、それぞれの先端にボス32がスリット34に沿って設けられている。この羽根部31の各裏面にシャッター15側へ向かって徐々に高さを増すリブ33がそれぞれ突出されている。開閉フック14の遊動支点端からはリブ33と反対側の方向に第1当接部35aが立設されている。
画像形成装置1にトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の両方が何れも装着されている場合には、プロセスカートリッジ2の上面に設けられているガイド上をリブ33が重力の作用で滑り、開閉フック14のボス32をシャッター15間へ円滑に挿入する。この開閉フック14と収納壁36aの構成により、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2が装着されている場合、開閉フック14は収納部1aの開閉扉13が閉まる動きに連動してプロセスカートリッジ2の外周面(上面)に沿って移動しプロセスカートリッジ2上に乗り上げ、トナーカートリッジ3の下面(底面)に当接して向きを変え、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2との間の装着部分(シャッター開閉装置)に挿入し、開閉フック14のボス32はシャッター15の2本の弾性アーム16の間に入り込む。
即ち、開閉フック14の先端がトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の各々に当接しながら、先端がトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2との間の挿入方向に向けて向きを整えて挿入されるので、装置を使用する上で正常な状態、言い換えれば、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2とが装着されているときだけ、ボス32はシャッター15の弾性アーム16の間に入り込み、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の各シャッター15を同時に開け、ユーザの人為的な操作ミスによる装置の破損や汚損を防止でき、装置を安全に使用することができる。
また、開閉フック14の第1当接部35a、第2当接部35bが支軸36の周囲に沿って自由度を有しながら移動するため、開閉フック14の先端がトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2との間の装着部分(シャッター開閉装置)に挿入される際、開閉フック14の先端がトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2との間に挟まれてボス32の動きが制限されるようなことがあっても、開閉フック14の遊動支点側の端部は支軸36に固定されていないので、開閉フックの動きに自由度があり、開閉扉13の開閉動作に連動させて開閉フックを回動、上下させつつ、開閉フックの先端スムーズに挿入させることができる。
そして、開口部36bを支軸36の位置よりも下方に設けているため、収納部1aの開閉扉13を閉めたとき、開閉フック14第1当接部35aが支軸36の周囲に当接し、シャッター15のボス32側が下方向を向くことが可能になる。この構成によって、格納壁36aに設けられた開口部36bと支軸36との配置によって開閉扉13の開位置における開閉フック14の角度を規制することができるので、簡単な構成で適正な角度をもって開閉フック14の先端を下方に向けることができる。
また、開閉扉13が閉まって開閉フック14がトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2との装着部分に挿入される場合、第2当接部35bの下面は格納壁36aに接触しない状態となる。このため、開閉フック14がトナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2との装着部分に挿入された場合、装着部分に挿入された端部(ボス32側)の動きは規制された状態となるが、遊動支点側の端部は自由に動いて、逃げることができ、開閉フック14が装着部分に挿入されて挿入が完了するまでの間、装着部分に挿入された端部の動きが規制されても、開閉扉13側は自由で、開閉扉13の開閉動作に連動しながらスムーズに開閉フック14を装着部分に挿入することができる。
しかし、プロセスカートリッジ2のみが装着されている場合は、上述したようにリブ33が設けられた分、開閉扉13の動きに連動して移動してきた開閉フック14のボス32の進行方向が、下方向からシャッター15側から逸れて乗り上げる方向、即ち、上方向に誘導されるので、開閉フック14のボス32が弾性アーム16内に挿入されることを防止できる。シャッター15が押圧されて排出口15aを開くことはない。
また、トナーカートリッジ3のみが画像形成装置1に装着されている場合には、プロセスカートリッジ2が下方に存在しないので、開閉扉13を閉じても開閉フック14のボス32が垂れ、ボス32が弾性アーム16内に挿入されることはない。この場合もシャッター15が押圧されて排出口15aを開くことはない。要するに、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の両方が何れも装着されている場合にのみ、シャッター15は開状態にすることができる。
そして、開閉扉13の動きに連動して開閉フック14のボス32の進行方向が、プロセスカートリッジ2とトナーカートリッジ3の装着部分に挿入される方向へ誘導されるので、使用者にとって開閉フック14を装着部分へ挿入するという煩わしい手作業が開閉扉13を閉めるという簡単な動作を利用することで、確実且つ簡単に挿入させることできる。
逆に、開閉扉13を開けるだけで、開閉フック14が2本の弾性アーム16と被押圧部17で挟持されたボス32を引き出し、ボス32を把持したままの弾性アーム16をガイド部18内でスライドして、排出口15aを徐々に閉め、ガイド部18の所定の位置で第2の突起部16a(外爪)が外向きに広がり、ガイド部18内の凹部(図15参照)に嵌合すると、弾性アーム16からボス32が外れ、全閉となった状態で開閉フック14がシャッター15から分離される。
続いて、シャッター15の排出口15aの閉開動作を所定の位置でのみ行うための構成について説明する。図23(a)は本発明の実施の形態1におけるプロセスカートリッジをトナーカートリッジの後に装着中の要部拡大側面図、図23(b)は(a)のプロセスカートリッジをトナーカートリッジの後に装着中の斜視図、図24(a)は本発明の実施の形態1におけるプロセスカートリッジをトナーカートリッジの後に装着中の要部拡大斜視図、図24(b)は(a)のプロセスカートリッジをトナーカートリッジの後に装着中の側面図である。
また、図25(a)は本発明の実施の形態1におけるトナーカートリッジをプロセスカートリッジの後に装着中の要部拡大側面図、図25(b)は(a)のトナーカートリッジをプロセスカートリッジの後に装着中の斜視図、図26(a)は本発明の実施の形態1におけるトトナーカートリッジをプロセスカートリッジの後に装着中の要部拡大斜視図、図26(b)は(a)のトナーカートリッジをプロセスカートリッジの後に装着中の側面図、図27(a)は本発明の実施の形態1におけるトナーカートリッジのシャッターのロック解除状態の要部拡大側面図、図27(b)は(a)のトナーカートリッジのシャッターのロック解除状態の斜視図、図28(a)は本発明の実施の形態1におけるトナーカートリッジのシャッターのロック解除状態の要部拡大斜視図、図28(b)は(a)のトナーカートリッジのシャッターのロック解除状態の側面図、図29(a)は本発明の実施の形態1におけるトナーカートリッジのシャッターのロックが解除され開状態に移動した要部拡大斜視図、図29(b)は(a)のトナーカートリッジのシャッターのロックが解除され開状態に移動した要部拡大側面図である。
図23〜図29に示すように、実施の形態1のプロセスカートリッジ2とトナーカートリッジ3においては、シャッター15から係止ガイド38側に向けて付勢力を加えるロック用アーム37が突出され、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2が、所定の位置に移動してきたときシャッター15のロック状態を解除し、排出口15aを開に移行させる。また、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の少なくとも一方が画像形成装置から抜かれている状態ではシャッター15を閉状態とする。
ロック用アーム37は板バネ状の形状で傾斜して形成され、付勢力を下方に加えることが可能である。また、ロック用アーム37の先端にはストッパ37bが設けられ、その直ぐ脇には係止ガイド38によって案内される追従部37aが併設されている。しかし、ロック用アーム37はストッパ37bがシャッター15を係止する位置(カバー板の排出口15aの端部)に戻ったときには、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の各シャッター15を閉じた状態とする。従って、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2を引き出して取外したときにもトナーがこぼれることが無い。
係止ガイド38には、図23〜図28に示すようにシャッター15の移動方向と平行に伸びる平坦なガイド面と、略台形で状面は平坦なカム面(本発明の凸部)が設けられ、ロック用アーム37の先端に設けられた追従部37aが、この作用で係止ガイド38上に付勢された状態のまま移動し、所定の位置に至ると、ストッパ37b(本発明の係止部)を係止ガイド38の端部に係止する。これによって、トナーの排出口15aを閉じる位置でシャッター15の位置を規制する。一方、シャッター15が引っ張られたときは、追従部37aが係止ガイド38の端部(排出口15aを閉じる位置)からカム面に乗り上げて平坦な面に沿って移動し、これに伴ってシャッター15は排出口15aを開く方向へ移動する。
従って、トナーカートリッジ3が画像形成装置に装着するために押し込まれたときは、追従部37aが係止ガイド38の平坦なガイド面からカム面に乗り上げ、このカムの作用でロック用アーム37の付勢力に打ち勝ってストッパ37bを持ち上げ、ロック用アーム37による係止状態を解除し、シャッター15の動きのロック状態(排出口閉状態)を解除する。ユーザサイドからこれをみると、ユーザは開閉扉13を閉じるだけでこの一連の動作が可能であり、これによって開閉フック14が弾性アーム16の間に挿入され、ボス32が被押圧部17に当接し、この当接によって弾性アーム16を撓ませ、ガイド部18内をスライドしてシャッター15を押し込み、排出口15aを全開状態にすることができる。
ロック用アーム37は係止ガイド38を係止ガイド38に向けて付勢しており、プロセスカートリッジ2を先に挿入した場合でもプロセスカートリッジ2を後から挿入した場合でも、装着状態ではカム面がロック用アーム37の付勢力に抗してストッパ37bを押し返すことができるので、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2の挿入の順番に関わらず、シャッター15を排出口15aが開く位置へ移動させることができる。
また、追従部37aが係止ガイド38の端部から乗り上げてカム面に沿って移動し、これに伴ってシャッター15は開位置へ移動する。従って、ストッパ37bはロック用アーム37の付勢力に抗しながら係止ガイド38に沿って移動するので、ガタツキなどなくロック解除状態を安定して維持することができると共に、シャッター15はこの表面に沿って設けられたカバー板に押し付けられ、ロック用アーム37の付勢力を利用するだけで高いトナーシール圧が得られる。
そして、トナーカートリッジ3、プロセスカートリッジ2の挿入動作と平行する動作で係止ガイド38によりシャッター15のロックを解除するので、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2が完全に連結されたときにだけシャッター15が移動可能な状態となり、トナーカートリッジ3がプロセスカートリッジ2と完全に連結されていない状態では、両シャッター15を同期して開状態にする動作に移行せず、トナーカートリッジ3からトナーがこぼれるのを防止することができる。
この動作を実現するため、係止ガイド38のカム面の長さは、シャッター15が排出口15aを閉じる位置(閉位置)から排出口15aを開く位置(開位置)へ移動する距離に対応する長さに形成される。これにより、略台形状のカム面は、シャッター15が閉状態から完全に開く開位置までの間、ストッパ37bを上方へ押し上げたままの状態を保つので、シャッター15が排出口15aを開く位置へ移動するまで、付勢力のかかったストッパ37bを逆戻りさせることなく、高いトナーシール圧で確実にシャッター15が開く位置まで安定して移動させることができる。また、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2のシャッター15を同期して開状態にすることができる。
また、ストッパ37bが係止ガイド38のカム面の端部で排出口5aを閉じる位置(端部)にシャッター15の位置を規制しているとき、常にロック用アーム37の付勢力が係止ガイド38側に加わり、この規制位置から係止ガイド38が動いたり、ずれたりすることが無いので、確実に係止ガイド38を規制位置に係止、固定することができる。これにより、地震など何らかの作用が加わってもシャッター15の位置が動くことはない。
更に、ストッパ37bが係止ガイド38の端部からカム面に乗り上げて平坦面を移動するとき、シャッター15が排出口15aを開く位置へ移動可能となるが、ロック用アーム37によって付勢力を付与する構造であるため、付勢力と逆の方向へ力を加えて押し返すだけで簡単にストッパ37bと係止ガイド38のカム面に乗り上げ、係止を解除できる。カム面は凸部の両側が滑らかな曲線の傾斜面を有しており、シャッター15を押す方向の力がこの滑らかな傾斜面で容易に付勢力に対向する力を次第に生じさせる。
そして、ストッパ37bのロック状態を外す側の構造として、追従部37aがカム面に乗り上がる構造としているので、カム面の端部から外れたストッパ37bを平坦なカム面に乗せるだけで、排出口15aが完全に開くまでの間、シャッター15を移動させることが可能な安定した解除状態に保つことができる。
図23(a)はプロセスカートリッジ2を装着中のロック用アーム37の要部を拡大したもので、図23(b)はプロセスカートリッジ2を装着中のロック用アーム37と係止ガイド38の関係を示す。図24(a)はプロセスカートリッジ2を装着中のロック用アーム37の要部を拡大したものであり、図24(b)はプロセスカートリッジ2を装着中のロック用アーム37と係止ガイド38の関係を示すものである。これはプロセスカートリッジ2を装着中の状態を示す。プロセスカートリッジ2をトナーカートリッジ3の後から装着する場合である。即ち、プロセスカートリッジ2の係止ガイド38がロック用アーム37の追従部37aを持ち上げる前の、ストッパ37bがカム面の端部にある状態を示している。従って、この状態ではプロセスカートリッジ2のシャッター15は閉じた状態のままである。
次に、図25(a)はトナーカートリッジ3を装着中のロック用アーム37の要部を拡大したもので、図23(b)はトナーカートリッジ3を装着中のロック用アーム37と係止ガイド38の関係を示す。図26(a)はトナーカートリッジ3を装着中のロック用アーム37の要部を拡大したものであり、図26(b)はトナーカートリッジ3を装着中のロック用アーム37と係止ガイド38の関係を示すものである。これはトナーカートリッジ3を装着中の状態を示す。プロセスカートリッジ2はトナーカートリッジ3の前に装着されている。プロセスカートリッジ2の係止ガイド38はロック用アーム37の追従部37aを持ち上げていない。従って、この状態ではプロセスカートリッジ2のシャッター15は閉じた状態のまま装着されている。
図27(a)はトナーカートリッジ3の装着が完了した状態でシャッターを押し込んでいるときのロック用アーム37の要部拡大図、図27(b)はトナーカートリッジ3の装着が完了した状態でシャッターを押し込んでいるときのロック用アーム37と係止ガイド38の関係を示す斜視図、図28(a)はトナーカートリッジ3の完了した状態でシャッターを押し込んでいるときのロック用アーム37の要部拡大斜視図、図28(b)はトナーカートリッジ3の装着が完了した状態でシャッターを押し込んでいるときのロック用アーム37と係止ガイド38の関係を示す側面図である。この状態では追従部37aはカム部分で持ち上げられ、水平状態となり、ロック用アーム37の係止状態を解除する。これによりシャッター15の閉止は解除され、開閉フック14を押し込むと、シャッター15が移動し、排出口15aを開口することが可能になる。
尚、図29(a)はロック用アーム37がカム部分で持ち上げられて水平方向を向いたときの要部拡大図であり、図29(b)はその側面図である。トナーカートリッジ3は排出口15aを閉じる閉位置にシャッター15を固定させるロック機構を有し、このロック機構は、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2とが連結されている場合にはロック解除され、シャッター15が開状態となる位置へ移動可能にする。これにより、トナーカートリッジ3とプロセスカートリッジ2とが連結されているときのみ、ロック機構が解除されるので、ユーザの人為的な操作ミスによってトナーカートリッジやプロセスカートリッジからトナーが漏れて装置が破損や汚損するのを防止でき、装置を安全に使用することができる。
以上説明したように実施の形態1のトナーカートリッジ、記録装置、プロセスカートリッジ、及びシャッター開閉装置によれば、トナー連通口を開ける場合、開閉フックのボスがシャッターの被押圧部を押圧することで、弾性アームの第2の突起部がガイドの溝部から乗り上げてガイドに沿って移動し、これに連動して第1の突起部が内方向に移動してボスを両側から挟込むことにより、開閉フックの押圧する動作によって開閉フックのボスが被押圧部に当接すると共にその押圧動作によって弾性アームの間に入り込んできた開閉フックのボスを開閉フックの押圧動作に連動して内方向へ移動してきた弾性アームの第1の突起部が両側から挟んで弾性アームの間から抜けないようにするので、トナー連通口を開くためにシャッターを開位置に移動させるための動作とトナー連通口を閉じるために開位置に移動したままのシャッターを閉位置に引き戻すための動作とを同時に行うことができ、その結果、トナー連通口を開ける押圧動作と平行しながら確実にシャッターを閉位置に戻すための状態を同時に作り出すことができる。
また、トナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第1の突起部によって両側から挟み込まれた開閉フックのボスが2本の弾性アームを引き出し、開閉フックの移動に連動してシャッターは移動することにより、弾性アームの突起部によってボスを両側から挟み込んだ状態のまま開閉フックを引き抜く方向へボスを移動させることで、開閉フックが完全に引き抜かれてシャッターが閉じる位置まで移動するまでの間、確実に開閉フックのボスを両側から把持しておくので、両側で掴んだボスが移動途中で外れることなく確実にシャッターを元の位置である閉位置へ引き戻すことができる。
また、トナー連通口を閉める場合、2本の弾性アームの第2の突起部がガイドの溝に落込むまで移動すると、第1の突起部は弾性アームの撓みにより外方向に移動して弾性アームの間からボスが外れ、この弾性アームの作用によって開閉フックを挟む動作が解除される。このためシャッターが閉位置まで引き戻されると、容易に開閉フックをシャッターから取外すことができる。
更に、シャッターを開閉する場合、開閉フックを用いてシャッターを一定方向へ押圧しながら或いは引き戻しながら移動させるという構成を採用することにより、開閉フックでシャッターの端部を押圧してシャッターを移動させ、また、開閉フックを引き出してシャッターを引き戻すので、バネ力に対向するだけの力が不要となり、シャッターを閉じる際に高い密封性を高めつつ比較的少ない力で容易にトナーの排出口を開閉でき、また、バネ等の弾性部材を使用しないことにより、バネの付勢力の負荷がトナーカートリッジの端部にかかることが無いので、その端部の強度を強めた構成とする必要がなく、バネ圧やバネの線径を考慮した複雑な設計を必要とせず、構成を簡素にすることができる。
尚、本発明において、弾性アームの数を2本としたが、シャッターを確実に掴みシャッター位置を閉位置或いは開位置に移動させることができるのであれば、アームの数は、2本には限定されない。