JP5018023B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、防爆機能を向上させた鉛蓄電池に関するものである。
一般的に鉛蓄電池の構造は、電槽内の隔壁によって区画されたセル室内に極板群が電解液とともに収納され、電槽上部を蓋で覆った構造を有している。通常、鉛蓄電池では、電解液量確保や、寿命期の正極板の腐食伸び代確保などの理由から、内部の極板群と、セル室内壁との間には空間が設けられている。
一方、鉛蓄電池の電解液は希硫酸であり、充電末期に、電解液中の水が電気分解して生じた酸素・水素ガスが、セル室内の空間に滞留する。
このような、滞留した酸素ガスおよび水素ガスに、電池外部あるいは、内部で発生したスパーク等の火点が引火し、そのエネルギーによって、電槽や蓋等の鉛蓄電池の外装部材を破損させることがあり、このような酸素・水素ガスへの引火による鉛蓄電池の破損事故を防止し、より安全性の高い鉛蓄電池を得るための、種々の検討が行われてきた。
例えば特許文献1には、蓋裏面に設けた筒状体の内部を、複数の小区画に細分割することにより、電池破損を防止することが示されている。さらに特許文献2には、蓋裏空間内に連続気泡を有し、上下方向に貫通孔を備えた多孔体を配置することにより、電池内空間容積を少なくし、電池破損を防止することが示されている。
特開平6−349467号公報 特開平7−22062号公報
上記したような、特許文献1および特許文献2に示された構成を採用することにより、セル室内の空間体積が少なくできるため、電池内部の酸素・水素ガスに引火した場合のエネルギーを抑制し、電池の破損を防止することができる。
特許文献1および特許文献2に示された構成において、電解液は、極板群上に配置された筒状体や、連続気泡体および連続気泡体中に設けられた貫通孔内を満たすことになる。しかしながら、前記したように、電解液中の水分が電気分解によって電解液面が低下した場合、特許文献2の構造では、貫通孔内に酸素・水素ガスが滞留するため、酸素・水素ガスへの引火時の爆発力を低減できない。
また、特に、電解液面が筒状体よりも低い位置となった場合、筒状体内の空間が連続空間となるため、引火爆発防止効果が著しく低下するという課題があった。
さらに、特許文献2に示された構成では、連続気泡体中の電解液、もしくは小空間内の電解液が、充電末期に発生する酸素・水素ガスと置換して溢液の要因となる。したがって、電解液量をあらかじめ少なくする必要がある。鉛蓄電池において、電解液は放電容量を決定する活物質であり、また過充電や蒸発等により電解液が減少するため、できるだけ多くの電解液を確保するという観点で、特許文献2の構成は好ましくない。
本発明は、電解液量を十分確保しつつ、電解液面が低下した場合においても、酸素・水素ガスへの引火と、これによる電槽・蓋等の破損を抑制し、より安全性に優れた鉛蓄電池を提供するものである。
前記した課題を解決するために、本発明は、電槽内の隔壁によって区画されたセル室内に収納された極板群が、電解液で浸漬されている液式鉛蓄電池において、前記セル室内に前記極板群とともに前記極板群の上部に多孔部材が配置され、前記多孔部材は、多数の小室が集合してなるとともに、隣接する前記小室間および前記小室と前記セル室空間との間に隙間を有し、前記小室の容積を20〜40cm3とし、かつ、前記隙間の隙間寸法を0.2〜0.8mmとしたことを特徴とする鉛蓄電池を示すものである。なお、前記した小室の形状は、立方体または直方体であることが好ましい。また、さらに好ましくは、前記隙間寸法を0.2〜0.5mmとする。
本発明によれば、電解液量を、従来の電池と同等に確保できるため、放電容量といった電池特性を低下させることがない。また、電気分解や蒸発等で電解液量が減少した場合でも、防爆性に優れた安全性の高い鉛蓄電池を得ることができる。
本発明の実施の形態による鉛蓄電池(以下、電池)の構成を説明する。図1は、本発明の電池1を破載した状態を示す図であり、電槽5、蓋6および液口栓7については、それぞれの断面が示されている。本発明の電池1は、セル室3内に極板群2および電解液4が収納されている点は、従来の鉛蓄電池と変わるところはない。なお、極板群2は、正極板2a、負極板2b、セパレータ2c、および同極性極板同士を集合溶接するストラップ2d、およびセル間接続のための接続体(図示せず)や、電池端子1aとストラップ2dとを接続するための極柱(図示せず)を必要に応じて有していることは言うまでもない。
セル室3は、電槽5を必要に応じた数の隔壁(図示せず)で区画されている。一例として、12V系の始動用鉛蓄電池では、電槽5内が、5枚の隔壁によって、6つのセル室3に区画されている。
なお、電槽5上端の開口部は、蓋6で閉じられ、蓋6には、セル室3内に電解液や水を注液するための液口6aと、この液口6aに装着された液口栓7を有する。液口栓7には、セル室内部に滞留した酸素・水素ガスを、電池外部に放出するための排気孔7aが設けられている。また、電池外部スパークの電池内部への引火を抑制するための、多孔質の防爆フィルタ7bを液口栓7内に装着することができる。さらに、液口栓7内に、振動等によって、電解液4が電池外部へ漏出することを抑制するための、防沫体7cを配置することができる。
本発明の電池1では、セル室3の空間内に、多孔部材8を配置する。図2は、この多孔部材8の構成例を示す組立図である。図2に示したように、多孔部材8は、内部が隔壁20によって区画された箱体21が、複数個(図2の例では、2個)積層され、最上部を天板22で覆った構成を有している。なお、箱体21同士、および箱体21と天板22とは、互いに、熱溶着等の手段によって接合されている。
箱体21同士、および箱体21と天板22とが、互いに接合された状態とした多孔部材8の内部は、隔壁20によって小室9に区画されている。隔壁20には、互いに隣接する小室9間を連通する隙間10が設けられている。また、箱体21の側壁23にも、小室9と多孔部材8の外部、すなわちセル室3の空間と連通する隙間10を設ける。
さらに、箱体21の底壁24にも、小室9に対応して隙間10を設ける。上方の箱体21の底壁24に設けた隙間10は、上下に隣接する小室9間を連通することとなる。下方に位置する箱体21においては、底壁24に設けた隙間10は、小室9と、多孔部材8の外部とを連通させる。
本発明では、小室9の容積を20〜40cm3とし、隙間10の隙間寸法(図2における寸法x)を0.2〜0.8mm、好ましくは、0.2〜0.5mmとする。なお、本発明は、隙間10の長さ寸法(図2における寸法y)を規定するものではないが、この寸法を10mm以下とすることができる。
前記した小室9の容積を、20cm3未満とした場合、小室9からのガス抜けが悪くなり、発生した酸素・水素ガスが小室9に滞留して、電池内の電解液収納容積が小さくなるため、好ましくない。また、小室9の容積が40cm3を越えた場合は、小室9内に滞留した酸素・水素ガスが引火爆発した際の、爆発エネルギーが、急激に増大し、電槽5や蓋6の破損に至るため、この小室9の容積は20〜40cm3の範囲とする。
また、小室9とこれに隣接する小室9、および小室9とセル室3空間とは、多孔部材8とセル室3間での酸素・水素ガスと電解液の移動を可能とすることを目的として、隙間10を通じてつながっている。隙間10の隙間寸法xを0.2mm未満とした場合、この隙間10を通した酸素・水素ガスの移動と、電解液4の移動が抑制される。また、隙間寸法xが0.8mmを越える値とした場合、隙間10を通して酸素・水素ガスへの引火火炎が隣接する小室9に火炎が伝播することによって、爆発力が増大する。
したがって、この火炎の伝播による爆発力増大を抑制するため、隙間10の隙間寸法xは0.8mm以下とする。なお、この隙間寸法xを0.5mm以下とすることによって、この引火伝播がより顕著に抑制されるため、より好ましい。したがって、本発明では、隙間10の隙間寸法xを0.2〜0.8mm、より好ましくは0.2〜0.5mmとする。
また、隙間10を介して隣接しあう小室9間の距離および隙間10を介して隣接しあう小室9とセル室3間の距離(図2におけるz寸法)、すなわち多孔部材8を小室9に区画する隔壁20の厚みは、少なくとも0.1mm以上とすることが好ましい。特に、0.2mm以上とすることにより、防爆性能を向上することができる。また、このz寸法を過大なものとすると、セル室3内の電解液容積が低下するとともに、隙間10を介した電解流動が妨げられるため、このz寸法を1.0mm以下程度の値とすることが好ましい。
さらに、本発明では、前記したような20〜40cm3の小室9の形状を立方体または直方体、すなわち6面体とすることで、小室9がより形成しやすく、小室9を球形、あるいは、6面体を超える多面体としたものを比較して、同一容積において、小室9内部に滞留する酸素・水素ガスへの引火時の破壊力が、より弱くなる。なお、小室9を4面体とすることにより、破壊力がより弱くなると考えられるが、小室9間の隙間10の形成が、成型部品では困難となるため、小室9を6面体とすることが最も好ましい。
なお、図2では、小室9を2段積層した例を示したが、前記した小室9の容積の設定、あるいは、セル室3空間の容積に応じて、段数、列数、行数を調整することで、多種、多様な電池サイズにあった多孔部材8を得ることができる。なお、本実施形態では、多孔部材8は、その内部が区画された箱体21を積層した構造例を示したが、多孔部材8中に小室9が形成され、小室9同士と、小室9と多孔部材8の外部とを連通する隙間10を有しておれば、どのような構造のものでもよい。
本発明によれば、多孔部材8内を容易に電解液および酸素・水素ガスが通過できるため、多孔部材8の、電解液面以下の部位に、酸素・水素ガスが滞留することがなく、従来の電池と同様の電解液量を確保でき、電解液量に影響される、電池放電容量や寿命特性等を低下させることがない。
また、多孔部材8を構成する小室9の容積および隙間10の隙間寸法xを前記した値とすることにより、多孔部材8内での引火火炎の伝播が顕著に抑制されるため、セル室3内に滞留した酸素・水素ガスに引火した場合でも、このときの燃焼エネルギーが顕著に抑制され、電槽5や蓋6といった、電池外装を構成する部材の破損を顕著に抑制することができる。
なお、多孔部材8は、一例として、ポリプロピレン樹脂といった、耐酸性を有した合成樹脂の成型品とすることができる。また、図1に示した例では、多孔部材8を2個配置した例を示したが、これらを一体としてもよい。多孔部材8はセル室3の空間のなるべく大部分を占めることが好ましい。したがって、図1において、液口栓7の左右の空き空間にも多孔部材8を配置することが好ましい。また、多孔部材8を一体ものとし、液口栓7等の、セル室3内部に突出する部材に対応した逃げ部をあらかじめ多孔部材8に設けておいてもよい。このような構成によれば、セル室3内の空間の大部分を多孔部材8で占めることができ、本発明の作用効果をより顕著に得る上で好ましい。
前記した本発明および比較例による電池を作成し、これら各電池について防爆性能試験と、溢液性能試験を実施した。なお、本発明例および比較例の電池は、ともに、JIS D5301(始動用鉛蓄電池)で規定する95D31形電池(12V64Ah)である。
本実施例の電池の構成を説明する。負極板2bは鉛−カルシウム−錫合金からなる厚み0.7mmの圧延鉛合金シートをエキスパンド加工し、ボールミル式による鉛粉(一酸化鉛と金属鉛の混合物)とリグニン、硫酸バリウムおよびカーボンを水と希硫酸で練合して得た負極用ペーストを充填し、熟成乾燥したものを用いた。
正極板2aも、負極板2b同様に鉛−カルシウム−錫合金からなる厚み1.1mmの圧延鉛合金シートをエキスパンド加工しボールミル式による鉛粉(一酸化鉛と金属鉛の混合物)を水と希硫酸で練合して得た正極用ペーストを充填し、熟成乾燥したものとした。
上記の正極板2aの8枚と、負極板2bの9枚、およびこれら正極板を2a収納する微孔性ポリエチレンシートからなる袋状のセパレータ2cの8枚とを組み合わせて極板群2を作成し、この極板群2を用いて本実施例の電池を作成した。
本実施例では、極板群2上に、図2で示した多孔部材8を配置したもの、および配置しないものを作成した。また、多孔部材8は、液口栓7の左右にも配置することによって、多孔部材8の見掛け体積が、セル室3のストラップ2dより上部の空間体積の80%を占有する設定とした。
さらに、多孔部材8を配置したものについては、小室9の容積と隙間10の隙間寸法xを様々に変化させて作成した。なお、多孔部材8は、ポリプロピレン樹脂の成型部品を熱溶着により接合して得たものである。なお、小室9の形状は、立方体であり、隙間10の長さ寸法yは、10.0mmで一定とした。なお、z寸法は0.5mmとした。
表1に、本実施例に用いた電池における多孔部材8の有無、および、多孔部材8を有した電池については、多孔部材8を構成する小室9の容積および隙間10の隙間寸法xを示す。
Figure 0005018023
表1に示した各電池について、以下の2つの実験を行った。第1の実験は、充電時のガス発生によって、セル室内に酸素・水素ガスが溜まり、電池外に電解液が溢液しないかどうかの確認実験である。具体的な実験方法としては、各電池を満充電状態にした後、電解液面を最高液面線に調整し、10Aの定電流で12時間連続充電を行い、液口栓に設けた排気孔から溢液がないかを目視で確認した。
第2の実験は、防爆機能の確認実験である。具体的には、各電池を満充電状態にした後、電解液4を極板群2のストラップ2d下面の位置まで抜き取り、電解液面を故意に低下させた状態で10Aの定電流で10時間連続充電を行い、セル室3内が、十分、酸素・水素ガスで満たされた状態とした。
そして、セル室3内に配置した1Aの糸ヒューズを、別途準備した12V2.0Ahの電池端子間に接続することにより、糸ヒューズを故意に溶断させ、この時に発生するスパークによって、セル室3内に滞留した酸素・水素ガスへの引火の有無、および、電槽5や蓋6の破損状況を目視にて確認を行った。これらの実験結果を表2に示す。
Figure 0005018023
表2に示した結果から、過充電時の溢液に関しては、小室9の容積が20cm3以上で、かつ、隙間寸法xが0.2mm以上の場合、溢液が発生しないことがわかる。これは極板群2で発生した酸素・水素ガスが小室9内に入っても、小室9の容積と隙間寸法xを本発明のように、それぞれ20cm3以上かつ、0.2mm以上とすることによって、酸素・水素ガスと電解液は隙間10を介して小室9を容易に通過できるため、小室9内での酸素・水素ガスの滞留が抑制され、結果として、電解液面が上昇しないためである。
換言すれば、本発明によれば、多孔部材8を用いた場合においても、過充電時のガス抜けがよく、電解液面上昇が抑制されるため、予め電解液上昇分を見込んだ分、初期の電解液面を低下させる必要がないため、多孔部材8を用いない電池Fと同等レベルの電解液量がセル室3内に確保可能である。その結果、本発明では、従来の電池と同様の、放電特性および寿命特性を発揮することができる。
さらに防爆性能に関しては、表2に示したように、小室9の容積が40cm3以下、かつ隙間10の隙間寸法xが0.8mm以下とすることにより、酸素・水素ガスへの引火による電槽と蓋の破損が抑制され、実用上の安全が確保されることがわかる。特に、小室9の容積が40cm3以下、かつ隙間10の隙間寸法xが0.5mm以下とすることにより、酸素・水素ガスへの引火時に生じる燃焼音が確認できなかったことから、引火がより顕著に抑制されたことが確認できた。これは単一の小室9の容積が小さい場合は引火しても生じるエネルギーは小さく、電槽や蓋を破損するまでには至らないこと、また、隙間寸法xが十分に小さい場合は、小室9の内外での隙間を通じての火炎の伝播が抑制されたことによるためである。
また、電池D5と同様、小室9の容積を40cm3、隙間寸法xを0.8mmとし、小室9の形状を円筒形した電池D5´と、電池D6と同様、小室9の容積を40cm3、隙間寸法xを1.0mmとし、小室9の形状を円筒形した電池D6´を新たに作成して、上記と同様の防爆性能試験を行った。その結果、電池D5´については電槽・蓋の破損が抑制され、また、酸素・水素ガスへの引火時に発生する小音響も確認できたなかった。
一方、電池D6´については、電槽と蓋の両方に破損が認められた。電池D6が蓋のみ破損したことから、小室9において酸素・水素ガスの燃焼が生じる場合、そのときに放出エネルギーは、小室9の形状に影響を受け、これによる電池破損の度合いは、小室9の形状が円筒形の場合、立方体の場合と比較して、より大きくなることがわかった。この詳細理由は不明であるが、立方体、直方体の面同士が交わる隅の領域はガスが燃焼し難いため、燃焼エネルギーが円筒形の場合に比較して低下するためではないかと推測される。
また、本実施例でもわかるように多孔部材8は小室9を積み重ねて構成するので立方体、または直方体のほうが構成しやすく都合がいい。なお本実施例ではポリプロピレン樹脂を用いて熱溶着による方法で多孔部材8を作成したが、本発明による、多孔部材の防爆メカニズムから、材料は耐酸性があり、最終的な形状、寸法が請求項に示すものであれば別工法によるものでも、本発明の作用効果が得られることは明らかである。
隙間10の長さ寸法(図2における寸法y)は、本実施例の10.0mmから変化させて、1.0〜21.0mmとした場合でも、本実施例と同様の結果が得られた。
なお、本実施例においては、隔壁20および側壁23の厚みであるz寸法を0.5mmとしたが、この寸法を0.2〜1.5mmとした場合でも同様の防爆性能と溢液の状態に変化はなかった。ただし、隔壁20の厚みを増大させると、多孔部材8の体積が増大し、セル室3内に注液可能な電解液量が低下するため、上記の範囲内において、z寸法を薄くすることが望ましい。
なお、本実施例では、多孔部材8の見掛け体積が、セル室3のストラップ2dより上部の空間体積の80%を占有する設定としたが、この占有度合いが高い程、本発明の作用効果をより顕著に得ることができる。本発明の効果をより顕著に得るために、この占有度合い、すなわち、多孔部材8の見掛け体積が、セル室3のストラップ2dより上部の空間体積に占める割合は、少なくとも、50%以上、好ましくは、70%以上とするが、占有度合いが50%未満であっても、多孔部材8の上方に位置する空間と、下方に位置する空間間での火炎の伝播が抑制されるため、電槽5や蓋6の破損度合いを、著しく低減するという顕著な効果を有するものである。
以上、説明してきたように、本発明によれば、電解液量を従来の電池と同等レベルまで維持しつつ、顕著な防爆性能が得られることから、鉛蓄電池の安全性を顕著に高めることができる。
本発明は、鉛蓄電池の防爆性能を顕著に向上することから、始動用鉛蓄電池をはじめとする、様々な鉛蓄電池に適用することができる。
本発明の鉛蓄電池を破載した状態を示す図 多孔部材の構成を示す組立図
符号の説明
1 電池
1a 電池端子
2 極板群
2a 正極板
2b 負極板
2c セパレータ
2d ストラップ
3 セル室
4 電解液
5 電槽
6 蓋
6a 液口
7 液口栓
7a 排気孔
7b 防爆フィルタ
7c 防沫体
8 多孔部材
9 小室
10 隙間
20 隔壁
21 箱体
22 天板
23 側壁
24 底壁

Claims (3)

  1. 電槽内の隔壁によって区画されたセル室内に収納された極板群が、電解液で浸漬されている液式鉛蓄電池において、前記セル室内に前記極板群とともに前記極板群の上部に多孔部材が配置され、前記多孔部材は、多数の小室が集合してなるとともに、隣接する前記小室間および前記小室と前記セル室との間に隙間を有し、前記小室の容積を20〜40cm3とし、かつ、前記隙間の隙間寸法を0.2〜0.8mmとしたことを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 前記小室の形状が立方体または直方体である請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記隙間寸法を0.2〜0.5mmとしたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の鉛蓄電池。
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