JP5017758B2 - トロイダル型変速機を有するトラクタの動力伝達構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、トロイダル型変速機を有するトラクタの動力伝達構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平9−166195号公報に示されるように、エンジンの回転動力をトロイダル型変速機を介して走行装置へ伝達する作業車両が知られている。そして上記公報による作業車両の動力伝達構成では、PTO軸の回転を無段階に変速するべくトロイダル変速機の出力側に前記PTO軸への動力分岐部を備える構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記作業車両の分野では、前記PTO軸の回転速に関する課題の他に、例えば樹木の茂る山間地や街中の裏道にて走行したり、作業場で小回り旋回するべく車体をコンパクトに構成したり、生産コストを抑えるべく部品点数或いは組立て工数を削減する事が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題に鑑みて、トロイダル変速機を有するトラクタの動力伝達構造を以下のように構成した。
即ち、エンジン(1)の回転動力をトロイダル型変速機(2)を介して走行装置(3a,3b)へ伝達するトラクタにおいて、
前記エンジン(1)の動力下手側の第一軸(4)上に、
前記第一軸(4)の回転を分岐する第一出力ギヤ(5)と、
前記第一軸(4)と一体構成された入力ディスク(6,6)、前記第一軸(4)上を空転し且つ前記入力ディスク(6,6)の回転をローラ部材(7,7)を介して伝達される出力ディスク(8,8)、及び前記出力ディスク(8,8)の回転を出力する第二出力ギヤ(9)を有するトロイダル型変速機(2)と、を設けると共に、
前記第一軸(4)と併設して第二軸(12)を設け、この第二軸(12)上に、
前記第一出力ギヤ(5)の回転を伝達する第一入力ギヤ(13)と、
前記第二出力ギヤ(9)の回転を伝達する第二入力ギヤ(14)とを空転して設け、
前記両入力ギヤ(13,14)間に、前記第二入力ギヤ(14)の回転をサンギヤ(15)の回転として入力し、遊星ギヤ(16)及びインターナルギヤ(17)を介して前記第二軸(12)へ伝達可能な遊星ギヤ機構(18)を設ける一方、
前記第一入力ギヤ(13)の回転を前記遊星ギヤ(16)のキャリア(20)へ伝達可能に構成するクラッチ(19)を設け、
更に、前記第二軸(12)と併設してPTO軸(23)へ動力を伝達する第三軸(24)を設け、この第三軸(24)に、
前記第一入力ギヤ(13)の回転を伝達するPTO系伝動ギヤ(25)を設け、
前記走行装置(3a,3b)への動力断続を行うクラッチペダルの踏込量を検出するクラッチペダル踏込量センサ(43)を設け、クラッチペダルを踏み込むと前記キャリア(20)へ動力伝達するクラッチ(19)が切り状態になり、前記第二入力ギヤ(14)とともに前記トロイダル型変速機(2)は空転状態になることを特徴とするトロイダル型変速機を有するトラクタの動力伝達構造とした。
請求項2は、前記PTO系伝動ギヤ(25)からPTOクラッチ(59)を介してPTO軸(23)を駆動する構成とし、前記クラッチペダルを踏み込み操作すると前記走行系のクラッチ(19)よりもPTOクラッチ(59)が後に切りとなってPTO軸(23)の回転が停止する構成とし、クラッチペダルを踏み離し操作すると走行系のクラッチ(19)よりもPTOクラッチ(59)が先に入りとなってPTO軸(23)が回転開始するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型変速機を有するトラクタの動力伝達構造とした。
(作用)
上記作業車両の動力伝達構造では、エンジン(1)から出力された回転動力は、トロイダル型変速機(2)にて無段階に変速されて第二入力ギヤ(14)へ伝達され、さらに遊星ギヤ機構(18)のサンギヤ(15)へ伝達される。一方、第一出力ギヤ(5)に伝達された回転動力は、順に第二入力ギヤ(12)、クラッチ(19)、前記遊星ギヤ機構(18)のキャリア(20)と伝達され、この状態で前記パワーローラ(7)を操作することにより、前記第一入力ギヤ(13)と第二入力ギヤ(14)の合成力が第二軸(12)へ伝達される。また前記第一出力ギヤ(13)へ伝達された回転動力は、PTO伝動ギヤ(25)を介して第三軸(24)へ伝達される。クラッチペダルを踏み込むとキャリア(20)へ動力伝達するクラッチ(19)が切り状態になる。そして、第二入力ギヤ(14)とともにトロイダル型変速機(2)は空転している。
請求項2の作用は、クラッチペダルを踏み込み操作すると走行系のクラッチ(19)よりもPTOクラッチ(59)が後に切りとなってPTO軸(23)の回転が停止する。クラッチペダルを踏み離し操作すると走行系のクラッチ(19)よりもPTOクラッチ(59)が先に入りとなってPTO軸(23)が回転開始する。
【0005】
【発明の効果】
以上のように構成した作業車両では、第一軸(4)からPTOを連動する第三軸(24)へ動力を分岐する構造において、PTO伝動ギヤ(25)をトロイダル型変速機(2)から得られる回転動力を合成する第一入力ギヤ(13)を利用して駆動する構成としたので、別途第三軸(24)へ動力を分岐させるギヤを設ける構成と比較して、車体の動力伝達構造の前後長を極力短く構成することができる上、部品点数を削減或いは生産時の組立て工数を削減して生産コストを削減することができる。また、クラッチペダルの走行系の動力の入り切りを行うにあたり、キャリア(20)へ動力伝達するクラッチ(19)を用いて走行系の動力の入り切りを行う構成としたので、エンジンからの回転動力を入り切り操作する専用のクラッチが不要となる。
請求項2では、クラッチペダルの操作で走行系とPTO系の入り切り操作が同時にできるので、作業性が向上するようになる。また、クラッチペダルを踏み込み操作すると走行系のクラッチ(19)よりもPTOクラッチ(59)が後に切りとなってPTO軸(23)の回転が停止し、クラッチペダルを踏み離し操作すると走行系のクラッチ(19)よりもPTOクラッチ(59)が先に入りとなってPTO軸(23)が回転開始するので、未作業地が生じるのを防止できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を作業車両である農業用トラクタ(以下、トラクタ10)について説明する。
最初にトラクタTの構成に付いて説明する。
【0007】
トラクタTは、図2に示すように、ボンネット内部にディーゼルエンジン1を備え、このエンジン1下方に左右前輪3a,3aを支持するフロントアクスルケースを設けると共に、エンジン1後部に、後述する無段式変速装置となるトロイダル型速装機2等を内装するミッションケース30を接続し、更にこのケース30後部左右に後輪3b,3bを支持するリヤアクスルケース31を接続して設けている。
【0008】
また前記ボンネット後部でミッションケース30の上方には、操縦席を取り囲むキャビン33を設け、この内部にパイロットランプや液晶モニタ等、各種計器や警報ブザーを有するメータパネル34を設け、更にその後方にステアリングハンドル35を突設するハンドルポスト36を設けている。
【0009】
また、前記ハンドルポスト36の一側面には、車両の速度及び進行方向を前後に切替える操作手段となる前後進切替レバー37を設け、この回動基部にレバー操作位置、即ち前進操作と後進操作を検出する前進スイッチ38f及び後進スイッチ38rを設けている。
【0010】
また、ハンドルポスト36の下方で且つフロア上には、左右後輪3b,3bを独立して制動する左右ブレーキペダル39l,39rやクラッチペダル、エンジン回転数を設定保持するアクセルペダル41等を設け、前記左右夫れ夫れのペダルの回動基部にペダル踏込操作を検出する手段として踏込量センサ42l,42r,43,44を設けている。
【0011】
また前記操縦席の近傍には、ロータリ耕耘時の作業機45の作業高さを設定する耕深設定器46、PTO軸41の回転を任意に入切するインディペンデントPTO入切スイッチ47、作業機昇降用レバー、後述するトロイダル型変速機2の出力回転を設定保持する変速レバー50等を設け、この作業機昇降用レバー及び変速レバー50の回動基部には夫れ夫れ操作位置を検出するポテンショメータ49,51を設けている。
【0012】
そして、上記各種設定器46,47…やセンサ38f,38r…は、操縦席下方の制御手段10である各種コントローラ10a,10b…に接続する構成となっている。
またトラクタTの車体後部には、作業機昇降用油圧シリンダを内装するシリンダケースを備え、前記シリンダのピストン伸縮によりケース左右に支持するリフトアーム52を上下回動する構成となっている。また、車体後部には、トップリンク48aと左右のロワーリンク49b,49bからなる3点リンク機構48を設け、同リンク機構48に各種作業機を連結する構成となっている。尚、図例ではロータリ作業機45を連結した構成となっている。そして前記リフトアーム52の片側には、この回動基部にリフトアーム角センサ53を設けている。
【0013】
これにより、後述する作業機用コントローラ10aでは、前記作業機昇降用レバーの操作角度とリフトアーム52の設定角度を一致させるように作業機上昇用の比例流量制御弁のソレノイド54、或いは作業機下降用比例流量制御弁のソレノイド55へ通電し作業機45を昇降するポジション制御を行う構成となっている。また作業中には前記耕深設定器46の設定値と別途設けた作業機の耕深センサとの検出値が一致させるように作業機上昇用の比例流量制御弁のソレノイド54、或いは作業機下降用比例流量制御弁のソレノイド55へ通電し作業機45を昇降するデプス制御を行う構成となっている。
【0014】
次に、トラクタTの動力伝達構造について図1に基づき説明する。
前記エンジン1の回転動力はエンジン出力軸56から取り出され、ミッションケース30上方に軸支する第一軸4に伝達される。
この第一軸4には動力上手から順に、第一出力ギヤ5と、後述するダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機2の前後入力ディスク6,6を軸支すると共に、同軸上且つ前記前後の入力ディスク6,6の間に各前後の入力ディスク6,6と対向させる出力ディスク8,8及び前記出力ディスク8,8と一体回転する第二出力ギヤ9を回転自在に設け、更に前記各入出力ディスク6,8間に油圧力により傾倒角を変更し伝達動力を変速するアクチュエータとして、パワーローラ7を設ける構成となっている。
【0015】
また、前記第一軸4の下方には併設して第二軸12を設け、この第二軸12上に、前記第一出力ギヤ5と噛み合い回転を逆転して伝達する第一入力ギヤ13と、前記第二出力ギヤ9の回転をチェーン11を介して同方向で伝達する第二入力ギヤ14とを空転して設け、両入力ギヤ13,14間に前記第二入力ギヤ14の回転をサンギヤ15の回転として入力する遊星ギヤ機構18を設けている。
【0016】
この遊星ギヤ機構18は、前記第二軸12上を空転する前記サンギヤ15と、サンギヤ15と噛み合う複数の遊星ギヤ16,16…と、第二軸12と一体的に軸支されたインターナルギヤ17、そして前記遊星ギヤ16,16…間を連結するキャリア20等を有する構成となっている。
【0017】
一方、前記第一入力ギヤ13は、その後部を前記前後進切替レバー37の操作に連動してアクチュエータ(内部ピストン)の駆動により圧着する湿式多板形態のクラッチ(以下、走行クラッチ19)を設け、同クラッチ19の被駆動側ディスクを前記キャリア20と一体的に構成している。
【0018】
また前記第二軸12の後部には、前輪駆動伝達ギヤ27を設け前記遊星ギヤ機構18から出力された回転を前輪増速装置28、前輪デフ機構32を介して左右前輪3a,3aへ伝達すると共に、第二軸12の後端部にピニオンギヤ29を設けて後輪デフ機構32を介して後輪3b,3bへ伝達する構成となっている。
【0019】
尚、前記前輪増速装置28は、トラクタTの旋回操作に連動して前輪3a,3aの周速を後輪3b,3bの周速に対して増速する装置である。また、図1中符号58l,58rは、前記ブレーキペダル39l,39rの踏み込み操作または前記前輪増速装置28同様、トラクタTの旋回操作に連動して旋回内側の後輪3bをアクチュエータにより独立して制動するブレーキ装置を示す。
【0020】
更に前記ミッションケース30内の下部には、前記第二軸12と併設してPTO軸23へ動力を伝達する第三軸24を設け、この第三軸24に、前記第一入力ギヤ13の回転を伝達するPTO動力伝動ギヤ25を設けると共に、前記インディペンデントPTO入切スイッチ47のON操作により圧着するPTOクラッチ59を設ける構成となっている。
【0021】
以上のように構成したトラクタTの動力伝達構造では、エンジンの回転動力が、トロイダル型変速機2にて無段階に変速されて第二入力ギヤ14へ伝達され、さらに遊星ギヤ機構18のサンギヤ15へ伝達される。一方、第一出力ギヤ5に伝達された回転動力は、順に第二入力ギヤ12、クラッチ19、前記遊星ギヤ機構18のキャリア20と伝達される。そして、この状態で前記変速レバー50や前後進切替レバー37或いはクラッチペダルの操作でパワーローラ7の傾倒角を操作することにより、前記第一入力ギヤ13と第二入力ギヤ14の合成力(回転トルク)が第二軸12へ正転(前進状態)から、無回転(停止状態)、或いは逆転(後進状態)まで無段階で伝達される。
【0022】
これにより、エンジン1の回転動力をPTO系動力へ分岐する構成、即ち第三軸への動力伝達構成において、伝動ギヤ25を遊星ギヤ機構18への動力を伝達する第一入力ギヤ13を利用して駆動する構成としたので、別途第三軸24へ動力を分岐させるギヤを設ける構成と比較して、車体の動力伝達構造の前後長を極力短く構成することができる上、部品点数を削減或いは生産時の組立て工数を削減して生産コストを削減することができる。
【0023】
またここでは前記遊星ギヤ機構18を、トロイダル変速機2を有する軸とは別の軸に構成したので、両機構18,2を同軸芯上に構成するものと比較して動力伝達構造、換言するとミッションケース30の前後長を極力短することができる。
【0024】
尚、前記トロイダル型変速機2及び遊星ギヤ機構19への回転動力伝達構造では、回転方向を相互に逆にしたり、チェーン11をベルト部材としたりクラッチ19を噛合式に構成する等、構成部品を変更しても良い。またクラッチ19での前後進切替時の速度を各ギヤ系により、前進よりも後進の場合をやや低速に設定する構成としても良い。
【0025】
次に前記トラクタTの動力伝達構成を用いた変速・PTOに関する制御について説明する。
前記トラクタTの制御手段10は、図3に示すように、前記変速に関する制御を処理する走行用コントローラ10aと、作業機昇降に関する制御を処理する作業機制御用コントローラ10bと、前記メータパネル等の各種表示警報器を制御するメータパネル用コントローラ10cから構成され、夫れ夫れのコントローラは各種信号を処理するCPUと、これら信号情報を一時記憶するRAM、各種制御プログラムを格納するEEPROM等を有する構成となっている。また各コントローラ10a,10b…は夫れ夫れ個別の通信回線により接続され互いのセンサ情報や出力情報を送受信する構成となっている。
【0026】
前記走行用コントローラ10aは、この入力部に前後進切替レバー37基部の前進スイッチ38fと後進スイッチ38rと、前記変速レバー50基部のレバー位置センサ51、アクセルペダル踏込量センサ44、クラッチペダル踏込量センサ43、左右のブレーキペダル踏込量センサ42l,42r等を接続して設け、更に出力部に、前記走行クラッチ19へ圧油を送る切替制御弁のソレノイド60、前記パワーローラ7の傾倒角を変更するべく圧油を調整する比例圧力制御弁のソレノイド75、更には前記左右後輪ブレーキ58l,58rを作動させる比例圧力制御弁のソレノイド63l,63r、前輪増速装置28の切替制御弁のソレノイド64等を接続して設けている。
【0027】
また、作業機昇降用コントローラ10bは、入力部に作業機昇降用レバーのポテンショメータ49、耕深設定器46、リフトアーム角センサ53、PTO入切スイッチ47等を接続して設け、出力部に前記作業機昇降用シリンダへ圧油を送る比例流量制御弁の上昇用及び下降用ソレノイド54,55、PTOクラッチ59を入切操作する切替制御弁のソレノイド62を接続して設けている。
【0028】
また メータパネル用コントローラ10cは、各種制御状態を示すパイロットランプや車両の状態を示す液晶パネル、ブザー等を接続して設けている。
以上のように構成したトラクタTでは、図4に示す制御プログラムの概要を示すフローチャートのように変速・PTO入切制御が実行される。
【0029】
最初にトラクタTの電源を入としエンジン1を始動すると、前記制御手段10の各コントローラ10a,10b…では、STEP1の処理で各種センサやスイッチ類の状態を読み込み、STEP2で前記変速レバー50及び前後進切替レバー37の操作位置に応じてパワーローラ7の傾倒角を設定する。これによりトラクタTの進行方向と車速が設定される。そして、STEP3で、クラッチペダルの踏込量センサ43の踏み込み操作が検出され、これがYESの場合は、STEP4へ進み、この踏込量に応じて、前記パワーローラ7の傾倒角の調整と走行クラッチ19を入切操作する切替制御弁の通電操作を行う。即ち、クラッチペダルが軽く踏み込まれている場合は、前記走行クラッチ19の動力伝達状態を入に維持しつつ、トロイダル型変速機2のパワーローラ7の傾倒位置を減速側に変更し、遊星ギヤ機構18にて出力される回転動力を減速する。そして、クラッチペダルが一定量以上大きく踏込まれている場合は、走行クラッチ19の動力伝達状態を切とする。尚、前記動力伝達を切とする状態は、トロイダル型変速機2及びクラッチ19の合成力が0を保つ位置にパワーローラ7の傾倒角を維持する構成としても良い。
【0030】
これにより、従来エンジン1からの回転動力を切操作する専用のクラッチ、所謂メインクラッチを設ける必要が無くなり、前記同様、トラクタTの動力伝達構造を極力短く構成することができる。
前記STEP3出の判定がNOの場合は、STEP5でクラッチペダルを踏み離し操作を判定し、これがYESの場合は、STEP6で走行クラッチ19を入り操作すると共に、前記変速レバー50の指示位置に応じた速度となるようパワーローラ7の傾倒角を徐々に増速側に調整する。一方、クラッチペダル踏み込み操作、及び踏み離し操作が共に無い場合は、変速レバー50の指示位置を保持するべく、前記パワーローラ7の傾倒角を変更する(STEP7)。
【0031】
またPTO制御では、STEP8で、前記クラッチペダルの踏み込み操作と連動して、PTOクラッチ59を入切操作する。即ち、クラッチペダルが大きく踏み込まれると車体が停止するため、例えばロータリ耕耘機45の耕耘爪の回転を停止させるべく前記切替制御弁のソレノイド62へ通電を行なってPTOクラッチ59を切とする。
【0032】
これにより、前記ロータリ耕耘時のトラクタTのダッシング現象や、PTO軸23の回転を薬液ポンプの駆動に利用する散布作業等、通常走行しながら行なう作業での不具合を防止することができる。
尚、ここではクラッチペダルの踏み込み、踏み離し操作時に、未作業地が生じないようPTO系の動力伝達は、前駆走行系の動力伝達とよりも後に切とし、先に入とする構成となっている。
【0033】
次にこの発明の別形態について説明する。
図5に示すトラクタTの動力伝達機構図は、前記トラクタTの走行装置をクローラ型走行装置に変更した例を示す。ここでは、前記エンジン出力軸56の伝動下手側に設けるトロイダル変速機2を左右個別に設け、夫れ夫れの回転動力を左右クローラ70,70へ伝達する構成となっている。尚、主な部材、制御方法は前記トラクタTの構成と同様であるため説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のトラクタの動力伝達構造を示す図。
【図2】トラクタの全体側面図。
【図3】コントローラの接続状態を示す図。
【図4】PTOクラッチ制御の概要を示すフローチャート。
【図5】別形態を示すトラクタの動力伝達構造を示す図。
Claims (2)
- エンジン(1)の回転動力をトロイダル型変速機(2)を介して走行装置(3a,3b)へ伝達するトラクタにおいて、
前記エンジン(1)の動力下手側の第一軸(4)上に、
前記第一軸(4)の回転を分岐する第一出力ギヤ(5)と、
前記第一軸(4)と一体構成された入力ディスク(6,6)、前記第一軸(4)上を空転し且つ前記入力ディスク(6,6)の回転をローラ部材(7,7)を介して伝達される出力ディスク(8,8)、及び前記出力ディスク(8,8)の回転を出力する第二出力ギヤ(9)を有するトロイダル型変速機(2)と、を設けると共に、
前記第一軸(4)と併設して第二軸(12)を設け、この第二軸(12)上に、
前記第一出力ギヤ(5)の回転を伝達する第一入力ギヤ(13)と、
前記第二出力ギヤ(9)の回転を伝達する第二入力ギヤ(14)とを空転して設け、
前記両入力ギヤ(13,14)間に、前記第二入力ギヤ(14)の回転をサンギヤ(15)の回転として入力し、遊星ギヤ(16)及びインターナルギヤ(17)を介して前記第二軸(12)へ伝達可能な遊星ギヤ機構(18)を設ける一方、
前記第一入力ギヤ(13)の回転を前記遊星ギヤ(16)のキャリア(20)へ伝達可能に構成するクラッチ(19)を設け、
更に、前記第二軸(12)と併設してPTO軸(23)へ動力を伝達する第三軸(24)を設け、この第三軸(24)に、
前記第一入力ギヤ(13)の回転を伝達するPTO系伝動ギヤ(25)を設け、
前記走行装置(3a,3b)への動力断続を行うクラッチペダルの踏込量を検出するクラッチペダル踏込量センサ(43)を設け、クラッチペダルを踏み込むと前記キャリア(20)へ動力伝達するクラッチ(19)が切り状態になり、前記第二入力ギヤ(14)とともに前記トロイダル型変速機(2)は空転状態になることを特徴とするトロイダル型変速機を有するトラクタの動力伝達構造。 - 前記PTO系伝動ギヤ(25)からPTOクラッチ(59)を介してPTO軸(23)を駆動する構成とし、前記クラッチペダルを踏み込み操作すると前記走行系のクラッチ(19)よりもPTOクラッチ(59)が後に切りとなってPTO軸(23)の回転が停止する構成とし、クラッチペダルを踏み離し操作すると走行系のクラッチ(19)よりもPTOクラッチ(59)が先に入りとなってPTO軸(23)が回転開始するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型変速機を有するトラクタの動力伝達構造。
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