JP5017575B2 - 体表面用貼付材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、体表面用貼付材に関する。更に詳しくは、医療分野において医療材料の皮膚への固定、皮膚や傷の保護又は治療等に用いる体表面用貼付材及びその製造方法に関する。本発明の体表面用貼付材は、家庭用、スポーツ用、美容用等として、皮膚やその他の体表面に貼付して使用するのに好適である。
疾患の治療に用いるチューブ、ガーゼ、包帯等の医療材料の体表面への固定、傷や皮膚等の治療や保護、美容等のために、シート状又はロール状の貼付材が使用されている。
この貼付材は、基材とその基材の表面を被覆する粘着剤層とから構成されており、皮膚の凹凸や伸展に追従できる柔軟性及び伸縮性を有することが必要で、更には、発汗や不感蒸泄等の皮膚生理機能を阻害しないことが要求される。
このような要求性能を満足させるべく、これまで、粘着剤及び基材について種々の検討がなされている。
粘着剤の種類としては、アクリル系やゴム系の粘着剤が多く使用されている。しかしながら、これらの粘着剤は、皮膚等の被着体に対する粘着力が高すぎて剥離時に皮膚角層が過度に剥離されたり、毛が引張られたりして、痛みや不快感を与える場合があった。
これに対して、粘着剤としてシリコーン系粘着剤を使用する貼付材も知られている。シリコーン系粘着剤は、皮膚への高い密着性並びに貼付時の適度な粘着性及び透湿性を示し、剥離時の皮膚に対する刺激や不快感をアクリル系やゴム系の粘着剤よりも少なくすることができる。従って、処置の必要性や清潔性維持のために皮膚の同一部位に複数回貼付することが多い医療用や家庭用の貼付材の粘着剤としては、シリコーン系粘着剤は好適な粘着剤と考えられる。しかしながら、シリコーン系粘着剤では、皮膚や基材への十分な接着性が得られ難い場合があり、貼付材が使用中に剥がれたり、剥離後皮膚に粘着剤が残留したりする場合があった。
また、シリコーン系粘着剤とアクリル系ポリマー粘着剤との併用も試みられている。
例えば、特許文献1には、支持体の片面に皮膚貼着用の粘着剤層を積層してなる皮膚貼付材であって、粘着剤層がオルガノシロキサン系ポリマー及び(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系ポリマーを所定の比率で含有し、ミクロ層分離構造を有している皮膚貼付材が開示されている。この皮膚貼付材は、皮膚面に対する初期接着性及び長期間密着性、耐水性、糊残り防止性、皮膚非刺激性等に優れているとされている。
しかしながら、この貼付材は、皮膚刺激が強かったり、有機溶剤を使用して作製されているため、残留する有機溶剤により臭気が発生したりする問題点を有している。
特開平9−206369号公報
従って、本発明の目的は、皮膚への密着性及び追従性が良好で、貼付時に適度な粘着性を示し、且つ、皮膚刺激がなく、残留する有機溶剤による臭気の問題もない体表面用貼付材及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究を進めた結果、粘着剤層を構成するポリマーとして特定の二種のポリマーの混合物を用いればよいことを見出し、この知見に基いて本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる体表面用貼付材であって、粘着剤層がシリコーン系ポリマー及び乳化重合アクリル系ポリマーを含有してなる体表面用貼付材が提供される。
本発明の体表面用貼付材において、粘着剤層中のシリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとの重量比率が99/1〜67/33であることが好ましい。
また、本発明の体表面用貼付材において、シリコーン系ポリマーが付加反応型のシリコーン系ポリマーからなるものであることが好ましい。また、本発明の体表面用貼付材において、シリコーン系ポリマーが付加反応型のシリコーン系ポリマー及び縮合反応型のシリコーン系ポリマーからなるものであってもよい。更に、上記付加反応型のシリコーン系ポリマーがビニル基置換ポリジメチルシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応物からなるものであることが好ましい。
本発明の体表面用貼付材において、乳化重合アクリル系ポリマーが炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種の重合体からなるものであることが好ましい。
本発明の体表面用貼付材は、好適には、粘着剤層が付加反応型シリコーン系ポリマーと炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種の重合体からなる乳化重合アクリル系ポリマーとを99/1〜67/33の重量比率で含有してなるものである。
また、本発明の体表面用貼付材は、好適には、300g/m・24時間以上の透湿度を有する。
本発明によれば、基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる体表面用貼付材の製造方法であって、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションとの混合物を基材に塗工し、次いでシリコーン系ポリマーを硬化させ、乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルション中の水を揮発させて基材上に粘着剤層を形成する体表面用貼付材の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる体表面用貼付材の製造方法であって、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションとの混合物を剥離シートに塗工し、次いでシリコーン系ポリマーを硬化させ、乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルション中の水を揮発させ、更に前記混合物を基材に転写して基材上に粘着剤層を形成する体表面用貼付材の製造方法が提供される。
本発明の体表面用貼付材の製造方法において、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとの重量比率が99/1〜67/33であることが好ましい。
本発明の体表面用貼付材は、その粘着剤層が皮膚に対して刺激性が少なく、皮膚等の体表面に対する密着性及び追従性に優れ、更に貼付部位から剥離する際に刺激を与えず、臭気による不快感を与えることもないので、体表面用貼付材として非常に好適である。
更に、本発明の体表面用貼付材は、有機溶剤を使用することなく製造でき、製品中にもこれを含まないので、環境問題、安全性及び省資源化の観点からも優れたものである。
本発明の体表面用貼付材は、基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる。
本発明の体表面用貼付材において、粘着剤層はシリコーン系ポリマー及び乳化重合アクリル系ポリマーを含有してなる。
本発明において、シリコーン系ポリマーとしては、付加反応型、過酸化反応型及び縮合反応型の内、いずれを使用してもよいが、下記の理由により、付加反応型のシリコーン系ポリマーが好ましい。
本発明の体表面用貼付材の製造に際して、シリコーン系ポリマーを架橋等により硬化させる必要があるが、付加反応型シリコーンは、架橋のための反応装置として開放型及び密閉型のいずれをも使用でき、また、常温硬化及び加熱硬化のいずれもが可能であり、更にポリマーの溶媒として有機溶剤を要したり、反応後に副生成物が発生したりしないので医療用として特に有用である。
本発明において、付加反応型のシリコーン系ポリマーは、ビニル基置換ポリジメチルシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応物であることが好ましい。
ビニル基置換ポリジメチルシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応は、ビニル基置換ポリジメチルシロキサンのビニルシリル基(Si−CH=CH)とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのヒドロシリル基(Si−H)との架橋反応であり、好ましくは、白金化合物が反応触媒として用いられる。
付加反応型シリコーン系ポリマーは、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの量や、オルガノハイドロジェンポリシロキサン分子内のヒドロシリル基(Si−H)の量を変化させることによって、架橋密度を調整し、粘着剤層の硬度や粘弾性を容易に調整することができる。
粘着剤層の皮膚や基材への接着性等を調整するために、粘着剤層にシリコーンゴムとシリコーンレジンとを脱水縮合反応して得られる縮合反応型のシリコーン系ポリマーを添加することが好ましい。縮合反応型シリコーン系ポリマーを得るためのシリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン等を使用できる。また、シリコーンレジンとしては1官能性シロキサン単位と4官能性シロキサン単位からなる三次元構造体のものを用いることができる。
粘着剤層中の縮合反応型のシリコーン系ポリマーの含有量は、付加型のシリコーン系ポリマー100重量部に対して、好ましくは100重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。100重量部より多いと、皮膚への粘着力が強くなりすぎて、剥離時の刺激(疼痛等)が増す恐れがある。
本発明の体表面用貼付材を構成する粘着剤層に用いる乳化重合アクリル系ポリマーは、乳化重合法によって得られるアクリル系ポリマーである。
アクリル系ポリマーは、溶液重合によっても得られるが、溶液状態のアクリル系ポリマーを溶剤を含有しないシリコーン系ポリマーと混合することが容易ではない。
アクリル系ポリマーは、分散重合や塊状重合によって得ることも可能であるが、分散重合又は塊状重合で得られるものは生産性が悪いので、これらの方法によって得られるアクリル系ポリマーは、好ましくない。
乳化重合アクリル系ポリマーは、高分子量を有しており、架橋を必要とせずに、十分な凝集性を示す。この凝集性により、皮膚との接着界面で皮膚に残ることが極めて少ない。
本発明で使用するアクリル系ポリマーは、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種の重合体からなるものであることが好ましい。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸は、「アクリル酸及びメタアクリル酸」又は「アクリル酸又はメタアクリル酸」を意味する。
炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、炭素数4〜12のアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とから合成される(メタ)アクリル酸エステルと同等の構造を有するものである。
炭素数4〜12のアルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、環状アルキル基のいずれでもよく、また、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸エステルは、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。即ち、本発明で使用するアクリル系ポリマーは、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体であっても、共重合体であってもよい。
これらの(メタ)アクリル酸エステルのうち、アクリル酸ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく、アクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。この2種類の単量体のいずれかを使用すると、得られるアクリル系ポリマーを含有してなる粘着剤層が皮膚表面温度付近で皮膚に対する良好な柔らかさ及び追従性を示す。
本発明で使用するアクリル系ポリマーは、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルのほかに、これと共重合可能な他の単量体を共重合させたものであってもよい。
このとき、アクリル系ポリマーにおける炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの比率は、60重量%以上であることが好ましい。この比率が60重量%より少ないと、得られる粘着剤層が皮膚に対する良好な接着性を発揮できない恐れがある。
炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体は、特に限定されないが、炭素数が3以下もしくは13以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸以外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸及びそのエステル、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミド、α,β−エチレン性不飽和ニトリル;カルボン酸ビニルエステル;そのほか、芳香族ビニル化合物、共役ジエン等;を挙げることができる。
これらの単量体は、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよく、また、架橋性であってもよい。
また、これらの単量体は、1種類を単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
これらの単量体の使用量は、本発明の効果を損なわない限りにおいて限定はないが、アクリル系ポリマー全重量の、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
炭素数が3以下もしくは13以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸以外のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸及びそのエステルの具体例としては、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸メチル、マレイン酸ブチル、フマール酸プロピル等が挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸アミドの具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリルの具体例としては、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
カルボン酸ビニルエステルの具体例としては、酢酸ビニルが挙げられる。
その他の単量体の具体例としては、スチレン、ブタジエン、トリアリルイソシアヌレート等を挙げることができる。
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体を使用する場合、その使用量は、乳化重合した水分散型アクリル系ポリマーの全単量体に対して、2〜15重量%であることが好ましく、2〜7重量%であることがより好ましい。
本発明で使用する乳化重合アクリル系ポリマーは、炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種と必要により使用するこれと共重合可能な単量体とからなる単量体(混合物)を乳化重合することによって得られるものである。
乳化重合の方法は、特に限定されない。
乳化重合は、通常、水媒体中で行なうが、水と混和性の有機溶剤を併用してもよい。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を用いることができる。また、レドックス系重合触媒を用いてもよい。
また、乳化重合に際して、必要に応じて連鎖移動剤を使用してもよい。但し、付加反応型シリコーン系ポリマーを使用する場合は、付加重合反応を阻害する恐れがあるため、連鎖移動剤の使用は避けるほうが望ましい。
連鎖移動剤としては、特に限定されないが、アルキルメルカプタン、チオグリコール、2−メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン化合物を例示することができる。
乳化剤の具体例としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルエーテルジスルフォン酸塩、脂肪酸塩及びナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類及びグリセリン高級脂肪酸エステル類等のノニオン性界面活性剤;等が挙げられる。また、カチオン性界面活性剤を使用してもよい。また、分子内に重合性不飽和結合と界面活性を発揮する構造とを有する所謂共重合性乳化剤を使用することもできる。
乳化重合で得られるアクリル系ポリマーのエマルションにおいて、重合体の平均粒子径が0.05〜0.50μmの範囲内にあることが好ましい。平均粒子径がこの範囲内にあるときに、エマルションの安定性に優れ、これを含有してなる粘着剤の耐水性が優れたものとなる。
また、乳化重合後の水系エマルションに増粘剤を添加してもよい。増粘剤の添加により、本発明の粘着剤層を形成するシリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとの混和性が向上する。増粘剤としては、会合型増粘剤、アルカリ増粘剤、水溶性高分子等を使用できる。
本発明の体表面用貼付材において、粘着剤層を構成するシリコーン系ポリマー及び乳化重合アクリル系ポリマーの比率は、シリコーン系ポリマー/乳化重合アクリル系ポリマー重量比率が99/1〜67/33の範囲内にあることが好ましく、95/5〜75/25の範囲内にあることがより好ましい。
この範囲を外れてシリコーン系ポリマーの重量比率が大きいと、皮膚貼付時に貼付材の浮きや剥がれが起き易くなり、他方、小さいと、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとの混和性が低下し、均一な粘着剤層を形成できなくなる。
また、本発明の体表面用貼付材において、粘着剤層は、可塑剤、充填剤等を含有していてもよい。特に、低分子量ジメチルポリシロキサン等のシリコーンオイル、シリカ等を含有しているとき、粘着剤層の硬度や粘弾性の調整が容易である。
更に、粘着剤層には、薬剤、界面活性剤、粉体、吸水性高分子、pH調整剤、防腐剤、抗菌剤、着色剤等のその他の調整剤を本発明の目的を損なわない程度において適宜配合することができる。
薬剤としては、保湿、老化防止、美白等の目的で皮膚の生理機能を調整する物質や、傷の治癒を促進する物質等を含むものを使用することができる。その具体例としては、ヒアルロン酸ナトリウム、アミノ酸、加水分解ペプチド、尿素、セラミド、ビタミン類、コエンザイムQ10、大豆イソフラボン、ポリフェノール等を挙げることができる。
特に、吸水性高分子を含有する粘着剤層を有する体表面用貼付材は、創傷被覆剤又はストーマ用パウチの皮膚保護材として好適に使用できる。これらの体表面用貼付材は、滲出液や排液が排出される創傷又はストーマの周囲部分においても良好な接着性を発揮し、貼付部位の衛生管理を容易にする。
本発明の体表面用貼付材において、粘着剤層は、その厚さが20〜3,000μmであることが好ましく、30〜200μmであることが更に好ましい。粘着剤層の厚さがこの範囲内にあることにより、皮膚に対する良好な密着性及び追従性が得られる。
粘着剤層の表面硬度(A)は、1以下であることが好ましい。粘着剤層の表面硬度(A)が1以下であることにより、体表面貼付材が皮膚の伸展によく追従し、皮膚への貼付中に違和感や物理的刺激を与えることがなく、体表面貼付材の剥離時に痛みや不快感が生じることがない。
本発明で使用する基材は、従来、この分野で使用されているものであれば特に限定されない。その材質は、合成樹脂、紙、繊維等のいずれであってもよい。また、基材の形態は、フィルム、発泡シート、不織布、織布、織物等のいずれでもよいが、塗工厚の制御の観点から、フィルムであることが好ましい。
これらの基材は、一種類を単独で使用してもよいし、同一又は異なる種類の形態の基材をラミネートした積層構造の基材であってもよい。
また、基材は液体不透過性であることが好ましい。液体不透過性の基材を使用することにより、低粘度の粘着剤を使用する場合でも、基材の粘着剤層を形成すべき面の反対側面にまで粘着剤が浸透してしまうことを防止できる。
合成樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル及びポリエステル系熱可塑性エラストマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン及びオレフィン系熱可塑性エラストマー;エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン・メタクリル酸重合体(EMAA)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)等のオレフィン系共重合体;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリスチレン及びスチレン系熱可塑性エラストマー;シリコーン;等を挙げることができる。これらの中でも、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが好ましく、ポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体及び/又はポリエステル・ポリエステルブロック共重合体を主成分とする共重合体を好適な材料として使用することができる。
これらの材料は、単一で使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。
これらの合成樹脂に、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤、滑剤、顔料、染料等を本発明の目的を損なわない程度において添加することができる。
布帛としては、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維等から形成した不織布、編布又は織布が挙げられる。
発泡シートとしては、ポリウレタン、ポリオレフィン、天然又は合成ゴム、アクリル、シリコーン等から形成した独立気泡又は連続気泡の発泡シートが挙げられる。 紙としては、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、コート紙等が使用できる。
本発明において、基材の厚さが15〜1,000μmであることが好ましい。合成樹脂フィルムを単独で用いる場合は、厚さは15〜150μmが好ましく、20〜100μmが更に好ましい。
本発明において、基材の伸び率は、40〜1,500%であることが好ましい。基材の伸び率が上記下限未満であると、基材が皮膚の伸展に追従し難くなり貼付中に違和感が生じる恐れがあり、また外部や皮膚からの応力に対する緩衝性も低下する恐れがある。他方、基材の伸び率が前記上限より大きいと、使用中に基材に皺やよれが発生し易くなる恐れがある。
本発明において、基材は、その40%変位時の引張荷重が10.0N/25mm以下であることが好ましい。40%変位時の引張荷重が10.0N/25mm以下であることにより、基材は、皮膚の伸展によく追従し、皮膚への貼付中に違和感や物理的刺激を与えることがない。
本発明において、基材の目付は、10〜150g/mであることが好ましく、10〜100g/mであることが更に好ましい。目付けが10g/mより低いと、基材の強度が十分でなく、使用時に繰り返しの摩擦によって破れる可能性がある。他方、目付けが150g/mより高いと、嵩高になり皮膚に貼付したときに違和感が生じ、曲面部位への追従性が悪くなる可能性がある。
また、基材は、皮膚の生理機能を妨げないように、透湿性及び伸縮性のあるものが好ましい。
本発明の体表面用貼付材において、基材の両面に粘着剤層を形成してもよい。両面に粘着剤層を設けた体表面用貼付材は、例えば、カテーテル等のチューブを皮膚上に固定する場合に利用することができる。この場合、粘着剤層の一方の面を皮膚に貼付し、他方の面にチューブを載せ、このチューブの上から片面に粘着剤層を設けた貼付材を被覆すれば、チューブを強固に固定することができる。
基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる体表面用貼付材の製造方法は、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションとの混合物を基材に塗工し、次いでシリコーン系ポリマーを硬化させ、乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルション中の水を揮発させて基材上に粘着剤層を形成することからなる。
シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションとの混合物は、その調製方法に限定はない。両者の均一な混合を達成するためには、シリコーン系ポリマーに攪拌下に乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションを少量ずつ添加することが好ましい。
シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションとの混合物において、シリコーン系ポリマー/乳化重合アクリル系ポリマー重量比率は、99/1〜67/33の範囲内にあることが好ましい。
シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションとの混合物(以下、単に「粘着剤混合物」という。)の基材への塗工方法は、特に限定されず、コンマダイレクト、ナイフコーター、グラビアダイレクト等の公知の塗工方式を利用して、塗工パターンや厚さを制御することができる。
粘着剤層の塗工パターンとしては、基材の表面を部分的に被覆してもよいし、全面を被覆してもよく、フィルム状、格子状、ネット状、粒状、唐草模様等の任意の形態を選択できる。
本発明の体表面用貼付材の製造方法においては、水系エマルションを使用するので、有機溶剤を使用した場合に比べ、製造上安全性が高く、低環境負荷である。特に、シリコーン系ポリマーとして、有機溶剤を必要としない付加反応型シリコーン系ポリマーを選択することにより、安全性、低環境負荷性を一層高めることができる。
本発明の体表面用貼付材においては、基材と粘着剤層との接着性を向上させるために、基材に表面処理又はプライマー処理を施すことができる。
基材の表面処理としては、例えば、エンボス加工、サンドマット加工、コロナ放電処理、プラズマ処理、アルカリ処理等が挙げられる。
プライマーとしては、ビニル基置換ポリジメチルシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金の化合物又は白金錯化合物等の反応触媒とを主成分とする組成物を好適に使用できる。このプライマー組成物は、好ましくは硬化後に非粘着性となるものであり、そのままで直接基材に塗工することができる。このプライマー組成物は、ヘキサン等の溶媒で希釈して塗工すると、好適な厚さの層を得やすい。プライマーの層は、厚さが0.05〜20μmであることが好ましく、0.05〜10μmであることが更に好ましい。
基材に粘着剤混合物を塗工した後、シリコーン系ポリマーを硬化させ、乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルション中の水を揮発させる。
硬化及び揮発時の温度は、室温〜150℃でよいが、乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションの溶媒である水を揮発させるには、90℃以上に加熱することが好ましい。
シリコーン系ポリマーとして、有機溶媒を含む縮合反応型のものを使用する場合は、予め付加反応型のシリコーンポリマーと混合して加熱することにより、縮合反応型シリコーン系ポリマーに含まれる有機溶剤を除去することも可能である。
また、本発明において、粘着剤混合物を剥離シートに塗工し、次いでシリコーン系ポリマーを硬化させ、水を揮発させて、更にこれを基材に転写して基材上に粘着剤層を形成する方法によっても、体表面用貼付材を製造することができる。
剥離シートとしては、付加反応型以外のシリコーン系離型剤、フッ素、フッ素化合物等により処理された剥離紙、剥離フィルム等を使用することができる。硬化の条件は、基材に直接塗布する場合と同様でよい。
このようにして、基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる本発明の体表面用貼付材を得ることができる。
本発明の体表面用貼付材は、伸び率が40〜1,500%であることが好ましい。この伸び率が上記下限以上であると、皮膚の伸展によく追従し、貼付中に違和感が生じることがなく、また、外部や皮膚からの応力に対する緩衝性が良好に保たれる。更に、伸び率が上記上限以下であると、元の形状に容易に復元するので、体表面用貼付材が貼付位置からずれることがなく、体表面用貼付材に変形が生じることがない。
本発明の体表面用貼付材は、40%変位時の引張荷重が10.0N/25mm以下であることが好ましく、1.0〜10.0N/25mmの範囲にあることが特に好ましい。40%変位時の引張荷重が10.0N/25mm以下であることにより、本発明の体表面用貼付材は、皮膚の伸展によく追従し、皮膚への貼付中に違和感や物理的刺激を与えることがない。1.0N/25mm未満であると、体表面用貼付材は、皺がよりやすくなり、貼付時に取扱いにくくなる場合がある。
本発明の体表面用貼付材は、300g/m・24時間以上の透湿度を有することが好ましい。透湿度がこの範囲内にあることにより、皮膚の生理機能が好適に保持される。
本発明の体表面用貼付材は、0.05〜1.5N/25mmの粘着力を有することが好ましい。粘着力がこの範囲内にあることにより、剥離時に角層の過度な剥離や、毛の引張り等を引き起こさず、痛みや不快感を与えることがない。
また、本発明の体表面用貼付材は、後述する再粘着性の評価法による再粘着率が、50%以上であることが好ましく、75%以上であることが更に好ましい。再粘着率の値がこの範囲内にあることにより、患部の処置や貼付材の位置調節のために、貼付材の貼付と剥離を繰り返し行ったとしても、皮膚に対して十分な接着性が得られ、かつ皮膚の角層を過度に剥離することがないので皮膚刺激を与えることがない。
本発明の体表面用貼付材の形態は、特に限定されず、具体的には、三角形、四角形、菱形等の多角形や、円形、楕円形、又はこれらの形状を適宜組み合わせたシート状の形態や、特定の方向に連続的に製造したロール状の形態が利用できる。
また、所望により、粘着剤層を保護するために、粘着剤層の表面に剥離可能な保護層を設けてもよい。保護層としては、ポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のフィルムや、シリコーン系離型剤、フッ素、フッ素化合物等による剥離処理をしたフィルムや紙を使用できる。また、これらの保護フィルムにエンボス等の凹凸を設けても良い。
また、保護層を設けなくとも、連続的に製造した貼付材の粘着剤層を基材背面(基材の粘着剤層が存在する側とは反対側の面)に剥離可能に仮着し、ロール状の形態にすることもできる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、各例中の部及び%は特に断りのない限り、質量基準である。また、体表面用貼付材の各特性は、以下の方法により測定した。
〔透湿度〕
JIS L 1099−1993 A−2「ウォーター法」に準じて測定したときの体表面用貼付材の透湿度を測定する。なお、測定の際は、体表面用貼付材の粘着剤層を透湿カップの水側に向けて設置する。この数値の高い方が透湿度に優れている。
〔粘着力〕
JIS Z 0237−2000「180度引きはがし粘着力」に準じて測定したときの体表面用貼付材の粘着力(N/25mm)を測定する。被着体としては、フェノール−アルデヒド樹脂板を使用する。この数値は、高い方がよいが、1.5N/25mm以内であることが好ましい。
〔皮膚貼付試験〕
5名の被験者の背面皮膚に、巾25mm、長さ75mmに調整した体表面貼付材の試験片を貼付し、4時間後の試験片の皮膚からの浮きや剥がれを確認する(○:浮き・剥がれなし、×:浮き・剥がれあり)
また、1,000mm/分の速さで180度方向に引き剥がしたときの剥離力(巾25mmあたりの変位20〜80mm区間における平均荷重)を測定する。この数値は、高い方がよいが、1.5N/25mm以内であることが好ましい。
更に、剥離時の疼痛を5段階(5:痛みを感じない〜3:痛みを感じる〜1:強い痛みを感じる)で評価する。
〔再粘着性〕
被着体として濾紙(種別:5C)を用い、剥離速度を1,000mm/分にする以外はJIS Z 0237−2000「180度引きはがし粘着力」に記載の方法に準じて、体表面貼付材の試験片の剥離操作を行なう。
次いで、この濾紙から剥離した体表面貼付材の試験片をJIS Z 0237−2000「180度引きはがし粘着力」に準じ、被着体としてフェノール−アルデヒド樹脂板を使用して再度粘着力を測定し、再粘着力(N/25mm)とする。上記〔粘着力〕の評価において測定した粘着力(N/25mm)と再粘着力とから、下記式により、再粘着率(%)を算出する。この数値が高い方がよい。
再粘着率(%)=(再粘着力(N/25mm)/粘着力(N/25mm))×100
〔表面硬度(A)〕
粘着剤層を形成するための粘着剤(組成物)から、厚さ6.0mm以上の試験片を作成し、JIS K 6253−1997「デュロメータ硬さ試験」に準じ、タイプAデュロメーターを使用して測定する。
〔40%変位時の引張荷重〕
JIS Z 0237「引張強さ及び伸び」に準じて、体表面用貼付材の40%変位時の荷重(N/25mm)を測定する。この数値は、10.0N/25mm以下であることが好ましい。
〔伸び率〕
体表面用貼付材から幅25mm×長さ100mmの試験片を作成し、引張試験機(島津製作所社製、商品名「オートグラフAG−I」)のつかみに、つかみ間隔50mmで試験片を取り付ける。その後、引張速度100mm/minで引張り、切断時の伸びE(mm)を測定し、次式により伸び率を算出する。この数値は、40〜1,500%の範囲であることが好ましい。
S=(E/L)×100
S:伸び率(%)、E:切断時の伸び(mm)、L:つかみ間隔(=50mm)
〔実施例1〕
ビニル基置換ポリジメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、補強用シリカ及び白金触媒を主体とする2成分型シリコーン(ダウコーニング社製、商品名「DOW CORNING Class VI Elastomer(C6−540)」)を構成する2液を混合して粘着剤を得た。得られた粘着剤を、ポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体から構成されるポリエステルエラストマーフィルムとポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体から構成されるポリエステルエラストマー不織布との積層基材(目付け70g/m)のフィルム側に直接塗工し、120℃で3分間加熱して硬化させ、厚さ3μmのプライマー層を形成した。
次いで、ビニル基置換ポリジメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金触媒を主体とする2成分型シリコーン(ダウコーニング社製、商品名「DOW CORNING 7−9800」)の混合物95重量部とアクリル酸2−エチルヘキシルの乳化重合体の水系エマルション10重量部(固形分換算で5重量部)とを混合した。この混合液を、シリコーン系剥離シートに塗工し、110℃で3分間加熱して硬化させ、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとを含有してなる厚さ70μmの粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層を基材のプライマー処理を施した面に転写して体表面用貼付材を得た。この体表面用貼付材について、各特性を評価した結果を表1に示す。
〔実施例2〜4〕
粘着剤層を構成するシリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとの比率を95/5から、それぞれ、90/10、85/15及び70/30に変えるほかは、実施例1と同様にして体表面用貼付材を得た。この体表面用貼付材について、各特性を評価した結果を表1に示す。
〔実施例5〕
粘着剤層を構成するシリコーン系ポリマーを、ビニル基置換ポリジメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金触媒を主体とする2成分型シリコーン(ダウコーニング社製、商品名「DOW CORNING 7−9800」)の混合物87重量部と、シリコーンゴムとシリコーンレジンとを脱水縮合反応して得られるシリコーン(ダウコーニング社製、商品名「DOW CORNING MD7−4502」8重量部(酢酸エチル溶媒、固形分5重量部)との混合物に変え、更にアクリル酸2−エチルヘキシルの乳化重合体の水系エマルションを16重量部(固形分換算で8重量部)に変えるほかは、実施例1と同様にして、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとを含有してなる厚さ50μmの粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層を、ポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体から構成されるポリエステルエラストマーフィルムとポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体から構成されるポリエステルエラストマー不織布との積層基材(目付け70g/m)のフィルム側に転写して体表面用貼付材を得た。この体表面用貼付材について、各特性を評価した結果を表1に示す。
〔実施例6〕
粘着剤層の構成成分の比率を表1に示すように変え、「DOW CORNING 7−9800」の2成分それぞれ41重量部に、「DOW CORNING MD7−4502」を8重量部(固形分5重量部)ずつを添加混合した後、加熱して「DOW CORNING MD7−4502」に含まれる有機溶剤分を予め除去するほかは、実施例5と同様にして、体表面用貼付材を得た。この体表面用貼付材について、各特性を評価した結果を表1に示す。
〔実施例7〕
粘着剤層を構成するアクリル系ポリマーを、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸の乳化共重合体の水系エマルション10重量部(固形分で5重量部)に変えるほかは、実施例1と同様にして、体表面用貼付材を得た。この体表面用貼付材について、各特性を評価した結果を表1に示す。
〔比較例1〕
粘着剤層を、アクリル系ポリマーを使用せず、ビニル基置換ポリジメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金触媒を主体とする2成分型シリコーン(ダウコーニング社製、商品名「DOW CORNING 7−9800」)の混合物のみで形成するほかは、実施例1と同様にして体表面用貼付材を得た。この体表面用貼付材について、各特性を評価した結果を表1に示す。
Figure 0005017575
〔比較例2〕
粘着剤層を、アクリル酸2−エチルヘキシルの乳化重合体のみで形成するほかは、実施例1と同様にして、厚さ60μmの粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層を、ポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体から構成されるポリエステルエラストマーフィルムとポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体から構成されるポリエステルエラストマー不織布との積層基材(目付け70g/m)のフィルム側(但し、アクリル粘着剤用のプライマーを塗布している。)に転写して体表面用貼付材を得た。この体表面用貼付材について、各特性を評価した結果を表1に示す。
〔比較例3〕
ビニル基置換ポリジメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金触媒を主体とする2成分型シリコーン(ダウコーニング社製、商品名「DOW CORNING 7−9800」)の混合物95重量部に、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチル及びアクリル酸からなる単量体混合物を酢酸エチル及びトルエン中で溶液重合して得られたアクリル系共重合体を含む溶液11重量部(固形分換算で5重量部)を添加して混合したが、溶媒のみが未硬化のシリコーン系ポリマーに拡散し、アクリル系共重合体は分散せずに塊となってしまったため、粘着剤層形成のための混合液を調製することができなかった。
表1の結果から、次のことが言える。
粘着剤層をシリコーン系ポリマーのみで形成した比較例1では、粘着力及び皮膚貼付時の剥離力が低く、皮膚貼付時に浮き・剥がれの発生が認められる。
一方、粘着剤層を乳化重合アクリル系ポリマーのみで形成した比較例2では、粘着力が高過ぎるために、剥離時の疼痛が他の実施例・比較例と比べて顕著に高い。また、再粘着性が低いことから、被着体から剥離するときに被着体を損傷する恐れが高く、貼付材を貼り直すなどの作業ができない。
これに対して、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとを使用する本発明実施例(1〜4及び7)の体表面用貼付材は、粘着力及び皮膚貼付時の剥離力が向上し、貼付時の浮き・剥がれが改善され、かつ剥離時の疼痛も無く、再粘着性も失っていない。
また、縮合反応型のシリコーン系ポリマーを添加した実施例5及び6では、粘着剤層を実施例1〜4よりも薄く形成しても、実施例1〜4と同等またはそれよりも高い粘着力及び皮膚貼付時の剥離力を発揮でき、剥離時の疼痛も無く、再粘着性も失われないことが分かる。

Claims (11)

  1. 基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる体表面用貼付材であって、粘着剤層がシリコーン系ポリマー及び乳化重合アクリル系ポリマーを含有してなる体表面用貼付材。
  2. 粘着剤層中のシリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとの重量比率が99/1〜67/33である請求項1に記載の体表面用貼付材。
  3. シリコーン系ポリマーが付加反応型のシリコーン系ポリマーからなるものである請求項1又は2に記載の体表面用貼付材。
  4. シリコーン系ポリマーが付加反応型のシリコーン系ポリマー及び縮合反応型のシリコーン系ポリマーからなるものである請求項1又は2に記載の体表面用貼付材。
  5. 付加反応型のシリコーン系ポリマーがビニル基置換ポリジメチルシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの付加反応物からなるものである請求項3又は4に記載の体表面用貼付材。
  6. 乳化重合アクリル系ポリマーが炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種の重合体からなるものである請求項1〜5のいずれかに記載の体表面用貼付材。
  7. 基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる体表面用貼付材であって、粘着剤層が付加反応型シリコーン系ポリマーと炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも1種の重合体からなる乳化重合アクリル系ポリマーとを99/1〜67/33の重量比率で含有してなる体表面用貼付材。
  8. 300g/m・24時間以上の透湿度を有する請求項1〜7のいずれかに記載の体表面用貼付材。
  9. 基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる体表面用貼付材の製造方法であって、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションとの混合物を基材に塗工し、次いでシリコーン系ポリマーを硬化させ、乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルション中の水を揮発させて基材上に粘着剤層を形成する体表面用貼付材の製造方法。
  10. 基材とその少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とからなる体表面用貼付材の製造方法であって、シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルションとの混合物を剥離シートに塗工し、次いでシリコーン系ポリマーを硬化させ、乳化重合アクリル系ポリマーの水系エマルション中の水を揮発させ、更に前記混合物を基材に転写して基材上に粘着剤層を形成する体表面用貼付材の製造方法。
  11. シリコーン系ポリマーと乳化重合アクリル系ポリマーとの重量比率が99/1〜67/33である請求項9又は10に記載の体表面用貼付材の製造方法。
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