JP5017272B2 - 相乗的なイマザリルの組み合わせ - Google Patents

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Description

本発明は、植物、果実もしくは種子を植物病原性真菌から防護するための抗真菌剤イマザリルならびにボスカリド、シプロコナゾール、ピラクロストロビン、トリフルミゾール、アシベンゾラル−S−メチル、カルプロパミド、ホセチル−Al、スピロキサミン、テトラコナゾールおよびゾキサミドよりなる群から選択される別の抗真菌剤の相乗的な組み合わせに関する。これらの組み合わせを含んでなる組成物は、微生物の作用に起因する劣化に対する作物、植物、果実、種子、木製物、草わら(thatch)など、エンジニアリング材料、生物分解性物質および繊維のような任意の生体もしくは非生体物質の防護のために有用である。
抗真菌剤イマザリル、ピリメタニルもしくはチアベンダゾールを含んでなる殺真菌性の組み合わせは、例えば、イマザリルとプロピコナゾールの組み合わせを記述する特許文献1、イマザリルとエポキシコナゾールの組み合わせを記述する特許文献2およびピリメタニルとイマザリルを含んでなる殺真菌性組成物を記述する特許文献3に開示されている。
EP−0,336,489明細書 WO−99/12422明細書 WO−03/011030明細書
今回、イマザリル(以下、成分Iと称する)とボスカリド、シプロコナゾール、ピラクロストロビン、トリフルミゾール、アシベンゾラル−S−メチル、カルプロパミド、ホセチル−Al、スピロキサミン、テトラコナゾールおよびゾキサミドよりなる群から選択される別の抗真菌剤(以下、成分IIと称する)の組み合わせは、植物病原性真菌の制御への相乗効果、すなわち、植物、果実もしくは種子上の真菌生育に対する相乗的制御もしくは防護効果を有することが見出された。
イマザリル、成分(I)は防護および治療作用を有する浸透性殺真菌剤であり、そしてキュウリ上のうどんこ病およびバラ上の黒斑病を包含する、果実、野菜および観賞植物上の広範囲の真菌を制御するために使用される。イマザリルは、また、種子粉衣としてそして保存腐敗を制御するために柑橘類、バナナおよび他の果実の収穫後処理用にも使用される。それは化合物1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(2−プロペニルオキシ)エチル]−1H−イミダゾールの一般名であり、その化合物は式
Figure 0005017272
により表すことができる。
成分(II)は下記のとおりである:
ボスカリド、成分(II−a)は、一連の果実および野菜上のうどんこ病、アルテルナリア(Alternaria)、ボトリチス(Botrytis)、スクレロチニア(Sclerotinia)およびモニリア(Monilia)を制御するために使用されている葉殺真菌剤である。それは、式
Figure 0005017272
により表すことができる2−クロロ−N−(4’−クロロビフェニル−2−イル)−ニコチンアミドの一般名である。
シプロコナゾール、成分(II−b)は、葉殺真菌剤として用いられる浸透性、防護、治療および根絶作用を備えたステロイド脱メチル化抑制特性を有する殺真菌剤である。それは、式
Figure 0005017272
により表すことができるα−(4−クロロ−フェニル)−α−(1−シクロプロピル−エチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールの一般名である。
ピラクロストロビン、成分(II−c)は、穀草類、野菜および果実における疾病制御のための防護、治療およびトランスラミナー(translaminar)特性を有する殺真菌剤である。それは式
Figure 0005017272
により表すことができるN−(2−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルオキシメチル]フェニル)(N−メトキシ)カルバミン酸メチルの一般名である。
トリフルミゾール、成分(II−d)は、温室、シェードハウスおよびインテリアランドスケープのような密閉商業構造において栽培される観葉植物上の疾病の制御のために土壌灌注、葉面散布としてもしくはケミゲーションによって用いられるステロイド脱メチル化抑制特性を有する殺真菌剤である。それは、式
Figure 0005017272
により表すことができる(E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリデン)−o−トルイジンの一般名である。
アシベンゾラル−S−メチル、成分(II−e)は、式
Figure 0005017272
により表すことができるベンゾ[1,2,3]−チアジアゾール−7−カルボチオ酸S−メチルエステルの一般名である。
カルプロパミド、成分(II−f)は、式
Figure 0005017272
により表すことができる2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1−エチル−3−メチル−シクロプロパンカルボキサミドの一般名である。
ホセチル−Al、成分(II−g)は、アルミニウムトリス(エチルホスファイト)の一般名である。
スピロキサミン、成分(II−h)は、穀草類におけるそしてブドウにおけるうどんこ病を制御するために防護、治療および根絶浸透性殺真菌剤として用いられるステロール生合成阻害剤である。それは、式
Figure 0005017272
により表すことができる8−tert−ブチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−イルメチル(エチル)(プロピル)アミンの一般名である。
テトラコナゾール、成分(II−i)は、式
Figure 0005017272
により表すことができる1−[2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)プロピル]−1H−1,2,4−トリアゾールの一般名である。
ゾキサミド、成分(II−j)は、式
Figure 0005017272
により表すことができる3,5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチル−ベンズアミドの一般名である。
抗真菌剤イマザリル(I)、ボスカリド(II−a)、シプロコナゾール(II−b)、ピラクロストロビン(II−c)、トリフルミゾール(II−d)、アシベンゾラル−S−メチル(II−e)、カルプロパミド(II−f)、ホセチル−Al(II−g)、スピロキサミン(II−h)、テトラコナゾール(II−i)およびゾキサミド(II−j)は、それらの遊離塩基形態でもしくは酸付加塩の形態で存在することができ、後者は適切な酸と塩基形態との反応により得られる。適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、すなわち、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸およびヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスフィン酸などのような無機酸;もしくは例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、(Z)−2−ブテンニ酸、(E)−2−ブテン二酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2,3−ジヒドロキシ−ブタン二酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパン−トリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチル−ベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸などのような有機酸を含んでなる。
イマザリル(I)の特定の塩形態は、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、硝酸塩もしくは亜リン酸塩である。
本発明の組成物において使用する成分(I)および(II)は、好ましくは、それらが意図される植物病原性真菌管理プログラムを安全に制御することを考慮して実質的に純粋な形態で存在する、すなわち、それらの製造および/もしくは処理プロセスに起因する化学的不純物(副産物もしくは残留溶媒のような)を含まないべきである。以上に用いる場合に「実質的に純粋な」という用語は、少なくとも約96%、好ましくは少なくとも98%そしてより好ましくは少なくとも99%の、高速液体クロマトグラフィーもしくは光学的方法のような当該技術分野において常用の方法により決定されるような、純度(化学的もしくは光学的のいずれか)を意味する。
イマザリル(I)は1個の不斉炭素原子を有し、そしてそれ故に両方の鏡像異性体の混合物、特にラセミ混合物の形態で、または実質的に純粋な(R)−もしくは(S)−鏡像異性体の形態で具体化される(embodied)組成物において用いることができる。以上に用いる場合に「実質的に純粋な」という用語は、少なくとも約96%、好ましくは少なくとも98%そしてより好ましくは少なくとも99%の、高速液体クロマトグラフィーもしくは光学的方法のような当該技術分野において常用の方法により決定されるような、純度(化学的もしくは光学的のいずれか)を意味する。
本発明の組成物は、広範囲の植物病原性真菌に対して有効である。そのような真菌の例として、子嚢菌類(例えば、ベンツリア(Venturia)、ポドスフェラ(Podosphaera)、エリシフェ(Erysiphe)、モニリニア(Monilinia)、ウンシヌラ(Uncinula)、オーレオバシジウム(Aureobasidium)、スクレロフォーマ(Sclerophoma);担子菌類(例えば、ヘミレイア(Hemileia)、リゾクトニア(Rhizoctonia)、プクシニア(Puccinia)、コニオフォラ(Coniophora)、セルプラ(Serpula)、ポリア(Poria)、ウロミセス(Uromyces)、グロエオフィルム(Gloeophyllum)、レンチヌス(Lentinus)、コリオルス(Coriolus)、イルペックス(Irpex);不完全菌類(例えば、ボトリチス(Botrytis)、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)、リンコスポリウム(Rhynchosporium)、フザリウム(Fusarium)、セプトリア(Septoria)、セルコスポラ(Cercospora)、アルテルナリア(Alternaria)、ピリクラリア(Pyricularia)、ペニシリウム(Penicillium)、ゲオトリクム(Geotrichum))を挙げることができる。
具体化組成物における成分(I)および成分(II)の1つの相対的比率は、有効成分として成分(I)のみもしくは成分(II)の1つのみのいずれかを含む組成物と比較した場合に、真菌に対して、特に植物、果実および種子病原体に対して予期せぬ相乗的効能をもたらす比率である。当業者により容易に理解されるように、該相乗的効能は、効能が測定される真菌の種類および処理する基質により、組成物における成分(I)および(II)の様々な比率内で得ることができる。本願の教示に基づいて、そのような組成物の相乗的もしくは場合により(特定の真菌に適用する成分(I)および成分(II)のある比率について)非相乗的効能の決定は、当業者の日常業務の十分に範囲内である。しかしながら、原則として、大部分の植物病原性真菌について活性組成物における成分(I):成分(II)の量の適当な重量比は10:1〜1:10、より好ましくは4:1〜1:4の範囲にあるべきであると言うことができる。
本発明の組成物における有効成分の各々の量は、相乗的殺真菌効果が得られるようにである。特に、本発明のすぐに使用できる(ready to use)組成物は10〜50.000mg/lの範囲の成分(I)を含んでなると考えられる。成分(II)は、選択した成分(II)の比活性により10〜50.000mg/lの範囲の量で存在する。
すぐに使用できる組成物における成分(I)および成分(II)の濃度はまた、これらの組成物を使用する特定の条件によっても決まる。例えば、葉の処理において溶液は葉の上に直接散布され、ここで、成分(I)の濃度は100mg〜250mg/lの範囲である。ジャガイモは、2リットルの溶液が1.000kgを処理するために使用されるように約7500mg/lの量の成分(I)を含んでなる組成物で処理される。種子の処理において使用する組成物は、100kgの種子が100ml〜200mlの溶液で処理されるように約50g/lの量の成分(I)を含んでなる。果実の収穫後処理において浸漬処理では250〜500mg/l、散布処理では500〜1.000mg/l、そしてワックス処理では1.000〜2.000mg/lの範囲である量の成分(I)を含んでなる組成物が用いられる。
本発明の組成物は、相乗的抗真菌効果を与えるためのようなそれぞれの比率で、成分(I)としてイマザリルそして成分(II)としてボスカリド(II−a)、シプロコナゾール(II−b)、ピラクロストロビン(II−c)およびトリフルミゾール(II−d)よりなる群から選択される抗真菌剤、ならびに1つもしくはそれ以上の許容しうる担体を含んでなる。
これらの担体は、例えば該組成物を溶解するか、分散させるかもしくは拡散させることにより、処理する場所へのその適用/散布を促進するために、そして/またはその抗真菌効果を損なわずにその保存、輸送もしくは処理を容易にするために成分(I)および(II)の組成物を一緒に調合する任意の材料もしくは物質である。該許容しうる担体は、固体もしくは液体もしくは液体を形成するように圧縮されている気体であることができ、すなわち、本発明の組成物は濃縮物(concentrates)、エマルジョン、乳剤、油混和性懸濁剤濃縮物(oil miscible suspension concentrates)、油剤、液剤、溶液、粒剤、粉剤、スプレー、エアロゾル、ペレットもしくは粉末として好適に使用することができる。
多くの場合において直接使用する殺真菌性組成物は、水性もしくは有機媒質での希釈の際に、例えば乳剤、懸濁剤濃縮物(suspension concentrates)もしくは液剤のような濃縮物から得ることができ、そのような濃縮物は、本発明の定義において使用されるような組成物という用語により含まれるものとする。そのような濃縮物は、使用直前にスプレータンクにおいてすぐに使用できる混合物に希釈することができる。好ましくは、本発明の組成物は約0.01〜95重量%の成分(I)と(II)の組み合わせを含有すべきである。より好ましくは、この範囲は0.1〜90重量%である。最も好ましくはこの範囲は、以下に詳細にさらに説明されるように、特定の適用目的のために選択される製剤のタイプにより、1〜80重量%である。
乳剤は、水における希釈後にエマルジョンとして適用される成分(I)および(II)の液状の均質な製剤である。懸濁剤は、使用前に水での希釈が意図される液体における有効成分の安定な懸濁液である。液剤は、水における希釈後に有効成分の真溶液として適用される液状の均質な製剤である。
本発明の殺真菌性組成物はまた、例えば果実、特に柑橘類の果実のカバーもしくはコーティングとして使用するワックスとして調合することもできる。
本発明の殺真菌性組成物は、植物、果実および種子を防護するために都合のよい治療的、予防的および抗胞子形成性(antisporulant)殺真菌活性を保有する。本発明の混合物は、微生物が感染するか、害を与えるかもしくは破壊した植物もしくは植物の部分、例えば、植物もしくは培養植物の果実、花(blossoms)、花(flowers)、葉、茎、根、切り取ったもの、塊茎を防護するために用いることができ、それにより植物の後から生長する部分がそのような微生物に対して防護される。
本発明の成分(I)および(II)の組み合わせを使用することができる多種多様な培養植物の例として、例えば、穀草類、例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、イネ、モロコシなど;ビート、例えばテンサイおよび飼料用ビート;ナシ状果および核果およびベリー、例えばリンゴ、西洋ナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリーおよびブラックベリー;マメ科植物、例えばソラマメ、レンズマメ、エンドウマメ、ダイズ;油性植物、例えばナタネ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、ヒマ、カカオ、ラッカセイ;ウリ科、例えばカボチャ、ガーキン、メロン、キュウリ、スカッシュ;繊維植物、例えばワタ、亜麻、麻、黄麻;柑橘類果実、例えばオレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリン;野菜、例えばホウレンソウ、レタス、アスパラガス、アブラナ科、例えばキャベツおよびカブ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、唐辛子および甘唐辛子;月桂樹様植物、例えばアボガド、ニッケイ、クスノキ;またはトウモロコシ、タバコ、ナッツ、コーヒー、サトウキビ、茶、ブドウ、ホップ、バナナ、ゴム植物のような植物、ならびに観葉植物、例えば花、低木、落葉樹および常緑樹、例えば針葉樹を挙げることができる。培養植物のこの列挙は、本発明を説明する目的で示され、本発明をそれに限定するためではない。
本発明の抗真菌性組成物を投与する特定の形態は、植物の地上部分への、特にその葉への(葉適用)投与である。適用数および投与用量は、原因病原体の生活の生物学的および気候条件に従って選択される。しかしながら、抗真菌性組成物はまた、植物の場所に液状組成物を散布する場合もしくは組成物が固形製剤において、例えば粒状の形態で土壌に加えられる場合(土壌適用)、土壌に適用しそして根系を通して植物に入ることもできる(浸透性活性)。
本発明の抗真菌性組成物は、果実、特に柑橘類の果実の収穫後処理において特に有用である。後者の場合、果実に液状製剤を散布するかまたはそれに浸漬するかもしくは侵し、あるいは果実をワックス状組成物で被覆することができる。都合よく、後者のワックス状組成物は、適当なワックスと懸濁剤を完全に混合することにより製造される。散布、浸漬もしくは灌注適用のための製剤は、水性媒質で例えば乳剤、懸濁剤もしくは水溶液剤(soluble liquid)のような濃縮物を希釈して製造することができる。大部分の場合においてそのような濃縮物は、有効成分、分散剤もしくは沈殿防止剤(界面活性剤)、増粘剤、少量の有機溶媒、湿潤剤、場合によりいくらかの不凍剤、および水からなる。
本発明の抗真菌性組成物はまた、種子を真菌から防護するために用いることもできる。その趣旨で本発明の殺真菌性組成物を種子上に被覆することができ、この場合、種子粒に有効成分の液状組成物を連続して灌注するかもしくはそれらを前もって組み合わせた組成物で被覆する。組成物は、また、例えば回転ディスク噴霧器を用いて種子上に散布するかもしくは噴霧することもできる。
成分(I)および(II)の組み合わせは、好ましくは、防護する物質への同時投与を保障するために両方の該成分が緊密に混合される組成物の形態で適用される。成分(I)および(II)の両方の投与もしくは適用はまた、「逐次的な組み合わせた」投与もしくは適用であることもでき、すなわち、成分(I)および成分(II)は、処理する場所でそれらが必ず一緒に混じり合うように同じ場所で交互に(alternatively)もしくは逐次的に投与されるかもしくは適用される。すなわち、逐次投与もしくは適用が短期間内に、例えば24時間未満、好ましくは12時間未満内に行われる場合にこれは達成される。この代替法は、例えば、有効成分(I)を含んでなる製剤を詰めた少なくとも1つの容器および有効成分(II)を含んでなる製剤を詰めた少なくとも1つの容器を含んでなる適当な単一パッケージを用いることにより実施することができる。従って、本発明はまた、同時もしくは逐次使用のための組み合わせとして
−成分(I)(すなわち、イマザリル)を含んでなる組成物ならびに
−ボスカリド(II−a)、シプロコナゾール(II−b)、ピラクロストロビン(II−c)、トリフルミゾール(II−d)、アシベンゾラル−S−メチル(II−e)、カルプロパミド(II−f)、ホセチル−Al(II−g)、スピロキサミン(II−h)、テトラコナゾール(II−i)およびゾキサミド(II−j)から選択される成分(II)を含んでなる組成物
を含有し、ここで、該組成物(a)および(b)は植物病原性真菌に対する相乗効果を与えるためのようなそれぞれの比率で存在する製品も包含する。そのような製品は、別個の容器を含んでなる適当なパッケージからなることができ、ここで、各容器は、好ましくは調合された形態で、成分(I)もしくは成分(II)の1つを含んでなる。そのような調合された形態は、一般に、両方の有効成分を含有する製剤について記述したのと同じ組成物を有する。
本発明の組成物において使用する適切な担体および添加剤は固体もしくは液体であることができ、そして例えば天然もしくは再生鉱物、溶媒、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、接着剤、増粘剤、結合剤、肥料もしくは不凍剤のような、製剤の当該技術分野において既知である適当な物質に対応する。
上記の成分(I)および(II)の両方に加えて、本発明の組成物は他の有効成分、例えば他の殺微生物剤、特に殺真菌剤、ならびに殺虫剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤および肥料をさらに含んでなることができる。
成分(I)および(II)は非改変形態でもしくは好ましくは製剤の当該技術分野において通常用いられる添加剤と一緒に使用される。従って、それらは当該技術分野で既知の方法に従って乳剤、直接散布可能なもしくは希釈可能な溶液、希薄エマルジョン、水和剤、水溶剤、粉剤、粒剤、ならびに例えばポリマー物質におけるカプセル封入に調合される。組成物の性質と同様に、散布、噴霧、散粉、分散もしくは注入のような適用の方法は、意図される目的および一般的な状況に従って選択される。
製剤、すなわち、有効成分および必要に応じて固体もしくは液体添加剤を含んでなる組成物、製剤もしくは混合物は既知の方法において、例えば有効成分を増量剤、例えば溶媒、固形担体および必要に応じて表面活性化合物(界面活性剤)と均質に混合しそして/もしくは粉砕することにより製造される。
適当な溶媒は芳香族炭化水素、好ましくは8〜12個の炭素原子を含有する画分、例えばジメチルベンゼン混合物もしくは置換されたナフタレン、ジブチルフタレートもしくはジオクチルフタレートのようなフタレート、シクロヘキサンもしくはパラフィンのような脂肪族もしくは脂環式炭化水素、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルのようなアルコールおよびグリコールならびにそれらのエーテルおよびエステル、シクロヘキサノンのようなケトン、N−メチル−2−ピロリドンジ、メチルスルホキシドもしくはジメチルホルムアミドのような強極性溶媒、ならびに植物油もしくはエポキシ化植物油、例えばエポキシ化ココナッツ油もしくはダイズ油;または水である。
例えば粉剤および分散性粉末に使用する固形担体は、通常、方解石、滑石、カオリン、モンモリロナイトもしくはアタパルジャイトのような天然鉱物充填剤である。物理的性質を改善するために、高分散ケイ酸もしくは高分散吸収性ポリマーを加えることも可能である。適当な粒状吸収性担体は多孔性タイプのもの、例えば軽石、粉砕レンガ、海泡石もしくはベントナイトであり;そして適当な非吸着性担体は方解石もしくは砂のような物質である。さらに、無機性もしくは有機性の多数の予備粒状化物質、例えば特にドロマイトもしくは粉砕植物残留物を用いることができる。
本発明の組成物において用いられる適当な表面活性化合物は、優れた乳化、分散および湿潤特性を有する非イオン性、カチオン性および/もしくはアニオン性界面活性剤である。「界面活性剤」という用語はまた、界面活性剤の混合物も含んでなると理解される。
本発明の組成物において使用する適切な担体および添加剤は固体もしくは液体であることができ、そして例えば天然もしくは再生鉱物、溶媒、分散剤、界面活性剤、湿潤剤、接着剤、増粘剤、結合剤、肥料、不凍剤、防虫剤、着色添加物、防蝕剤、撥水剤、乾燥剤、UV安定剤および他の有効成分のような、植物もしくはそれらの場所を処理するための、または植物生成物を処理するための、特に木材を処理するための製剤を製造する当該技術分野において既知である適当な物質に対応する。
適当なアニオン性界面活性剤は、水溶性石鹸および水溶性合成表面活性化合物の両方であることができる。
適当な石鹸は、高級脂肪酸(C10〜C22)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または非置換のもしくは置換されたアンモニウム塩、例えばオレイン酸もしくはステアリン酸の、または例えばココナッツ油もしくは獣脂油から得ることができる天然脂肪酸混合物のナトリウムもしくはカリウム塩である。さらに、脂肪酸メチルタウリン塩を挙げることもできる。
しかしながら、より頻繁には、いわゆる合成界面活性剤、特に脂肪(fatty)スルホン酸塩、脂肪硫酸塩、スルホン化ベンズイミダゾール誘導体もしくはアルキルアリールスルホン酸塩が用いられる。脂肪スルホン酸塩もしくは硫酸塩は、通常、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩または非置換のもしくは置換されたアンモニウム塩の形態であり、そして8〜22個の炭素原子を有するアルキル基を含有し、該アルキルはまたアシル基由来の基も含んでなる、例えばリグノスルホン酸の、ドデシル硫酸塩のもしくは天然脂肪酸から得られる脂肪アルコール硫酸塩の混合物のナトリウムもしくはカルシウム塩。これらの化合物は、また、脂肪アルコール/エチレンオキシド付加物の硫酸エステルおよびスルホン酸の塩もまた含んでなる。スルホン化ベンズイミダゾール誘導体は、好ましくは2個のスルホン酸基および8〜22個の炭素原子を含有する1個の脂肪酸基を含有する。アルキルアリールスルホン酸塩の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルナフタレン−スルホン酸のもしくはナフタレン−スルホン酸/ホルムアルデヒド縮合生成物のナトリウム、カルシウムもしくはトリエタノールアミン塩である。また適当であるのは対応するリン酸塩、例えば4〜14モルのエチレンオキシドとp−ノニルフェノールの付加物のリン酸エステルの塩、もしくはリン脂質である。
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、脂肪族もしくは脂環式アルコール、または飽和もしくは不飽和脂肪酸およびアルキルフェノールのポリグリコールエーテル誘導体であり、該誘導体は3〜10個のグリコールエーテル基および(脂肪族)炭化水素部分に8〜20個の炭素原子およびアルキルフェノールのアルキル部分に6〜18個の炭素原子を含有する。
さらなる適当な非イオン性界面活性剤は、アルキル鎖に1〜10個の炭素原子を含有するポリプロピレングリコール、エチレンジアミノポリ−プロピレングリコールとポリエチレンオキシドの水溶性付加物であり、これらの付加物は20〜250個のエチレングリコールエーテル基および10〜100個のプロピレングリコールエーテル基を含有する。これらの化合物は、通常、プロピレングリコール単位当たり1〜5個のエチレングリコール単位を含有する。
非イオン性界面活性剤の代表的な例は、ノニルフェノール−ポリエトキシエタノール、ヒマシ油ポリグリコールエーテル、ポリプロピレン/ポリエチレンオキシド付加物、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールおよびオクチルフェノキシポリエトキシエタノールである。三オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンのような、ポリエチレンソルビタンの脂肪酸エステルもまた適当な非イオン性界面活性剤である。
適用を改善しそして有効成分の用量を減らすために有用な特に都合のよい添加剤は、例えばホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセリン、リゾレシチンもしくはカルジオリピンのようなセファリンもしくはレシチンタイプの天然(動物もしくは植物)もしくは合成リン脂質である。そのようなリン脂質は、動物もしくは植物細胞から、特に脳−、心臓−もしくは肝臓組織、卵黄またはダイズから得ることができる。適切なそのようなリン脂質は、例えば、ホスファチジルコリン混合物である。合成リン脂質は、例えばジオクタニルホスファチジルコリンおよびジパルミトイルホスファチジルコリンである。
実験部分
実験1:毒物(poison)プレートアッセイ
第一化合物の名称: −イマザリル(I)
組み合わせ相手の名称: −ボスカリド(II−a)
−シプロコナゾール(II−b)
−ピラクロストロビン(II−c)
−トリフルミゾール(II−d)
ストック溶液: DMSO中1000ppm
試験組み合わせ: %生成物A + %生成物B
100 + 0
80 + 20
66 + 33
50 + 50
33 + 66
20 + 80
0 + 100
組み合わせにおける: 1/3の段階で増加する一連の濃度:0.21−0.28−0
全有効成分の濃度 .38−0.50−0.67−0.89−1.19−1.58
−2.11−2.81−3.75−5.00−6.67−8.
90−11.87−15.82−21.09−28.13−3
7.50−50.00ppm
培養培地: ジャガイモデキストロース寒天(PDA):1リットルの脱イ
オン水中4gのジャガイモインフュージョン、20gのバクト
デキストロースおよび15gのバクトアガー
実験設定: 24ウェルプレート
真菌種:コレトトリクム・ムサエ (Colletorichum musae) MUCL nr.2
グロエオスポリウム・アルブム (Gloeosporium album) A18
ゲオトリクム・カンジドウム (Geotrichum candidum) Cincinnati Milacron
リゾクトニア・ソラニ (Rhizoctonia solani) CBS 207.84
接種材料: 胞子/菌糸体懸濁液(2μl)もしくは活発に増殖するコロ
ニーの縁からの寒天の一部
培養条件: 27℃、70%の相対湿度、暗所
評価: 2日後の評価
成分(I)と成分(II)の1つとの間の相乗効果は、2つの成分AおよびBについて下記のとおり計算される相乗効果指数を用いてKull F.C.et al.によりApplied Microbiology,,538−541(1961)に記述される一般に使用されそして認められている方法により決定した:
Figure 0005017272
ここで:
・Qは終点(例えばMIC)をもたらした、単独で作用する、ppm単位の化合物Aの濃度であり、
・Qは終点(例えばMIC)をもたらした、混合物における、ppm単位の化合物Aの濃度であり、
・Qは終点(例えばMIC)をもたらした、単独で作用する、ppm単位の化合物Bの濃度であり、
・Qは終点(例えばMIC)をもたらした、混合物における、ppm単位の化合物Bの濃度である。
相乗効果指数が1.0より大きい場合、拮抗作用が示される。SIが1.0に等しい場合、加算性が示される。SIが1.0未満である場合、相乗効果が示される。
Figure 0005017272
Figure 0005017272
Figure 0005017272
Figure 0005017272
ゲオトリクム・カンジドウム上で、イマザリルとシプロコナゾールとの間で相乗効果が見出された。コレトトリクム・ムサエ上で、イマザリルと全ての4つの組み合わせ相手、ボスカリド、シプロコナゾール、ピラクロストロビンおよびトリフルミゾールとの間で明らかな相乗効果を示すことができた。グロエオスポリウム・アルブム上で、イマザリルとボスカリド、ピラクロストロビンおよびトリフルミゾールとの間で相乗効果が見出された。リゾクトニア・ソラニ上で、イマザリルとシプロコナゾール、ピラクロストロビンおよびトリフルミゾールとの間で相乗効果が見出された。
実験2:毒物プレートアッセイ
第一化合物の名称:−イマザリル(I)
製剤:(%はw/v単位である)
化合物 濃度
イマザリル(I) 75g/l
アシベンゾラル−S−メチル(II−e) 96,0%
カルプロパミド(II−f) 30,0%
ホセチル−Al(II−g) 80,0%
スピロキサミン(II−h) 500g/l
テトラコナゾール(II−i) 125g/l
ゾキサミド(II−j) 100,0%
ストック溶液:2000ppm(w/w)
希釈用溶媒:脱塩水
真菌種:収穫後および種子病原体:ゲオトリクム・カンジドウム(Gca)およびペニシリウム・ディジタータム(Penicillium digitatum)(Pdi)
希釈物の計算された量をマルチウェルプレートに注ぎ込んだ。培養培地を無菌的に加え、そして振盪することにより均一な分配が得られた。プレートに試験真菌を接種し、そしてコントロールの完全な生育を可能にするために十分に長い期間インキュベーションした。
試験濃度:増殖培地に対してppm単位で記載(w/v):表を参照
複製:4
培養培地:PDA(ジャガイモデキストロース寒天)
培養条件:22℃および60%の相対湿度
接種:活発に増殖する培養物の縁からの寒天の小片または胞子、菌糸体もしくは培養物の懸濁液で
評価日:コントロールの完全な生育時
相乗効果の計算:真菌生育の直径(mm単位)を測定し、平均放射状生育(mean radial growth)(X)および測定される活性(M)を計算した。有効成分の組み合わせの予想される活性Eは、Limpelの式(Richter,D.L;Pesticide Science 1987,19:309−315)を用いることにより計算した:
E=A+B−(AB)/100、ここで、AおよびBは単独で適用する場合に有効成分の各々について得られる活性を表す。測定される活性Mが計算される(予想される)活性Eを超える場合に相乗効果は認められる(ボールド体で図により示される相乗効果)。
Figure 0005017272
Figure 0005017272
Figure 0005017272

Claims (17)

  1. 相乗的抗真菌効果を与えるためのそれぞれの比率で成分(I)、イマザリル、ならびにボスカリド(II−a)、シプロコナゾール(cypronazole)(II−b)、ピラクロストロビン(II−c)、トリフルミゾール(II−d)、アシベンゾラル−S−メチル(II−e)、カルプロパミド(II−f)、スピロキサミン(II−h)、テトラコナゾール(II−i)およびゾキサミド(II−j)よりなる群から選択される抗真菌性成分(II)、ならびに担体を含んでなる組成物。
  2. 相乗的抗真菌効果を与えるためのそれぞれの比率で、成分(I)、イマザリル、ならびにボスカリド(II−a)、シプロコナゾール(II−b)、ピラクロストロビン(II−c)およびトリフルミゾール(II−d)よりなる群から選択される抗真菌性成分(II)、ならびに担体を含んでなる請求項1に記載の組成物。
  3. 成分(I)対成分(II)の重量比が10:1〜1:10の範囲である請求項1もしくは請求項2に記載の組成物。
  4. 成分(II)がボスカリド(II−a)である請求項3に記載の組成物。
  5. 成分(II)がシプロコナゾール(II−b)である請求項3に記載の組成物。
  6. 成分(II)がピラクロストロビン(II−c)である請求項3に記載の組成物。
  7. 成分(II)がトリフルミゾール(II−d)である請求項3に記載の組成物。
  8. 成分(II)がアシベンゾラル−S−メチル(II−e)である請求項3に記載の組成物。
  9. 成分(II)がカルプロパミド(II−f)である請求項3に記載の組成物。
  10. 成分(II)がスピロキサミン(II−h)である請求項3に記載の組成物。
  11. 成分(II)がテトラコナゾール(II−i)である請求項3に記載の組成物。
  12. 成分(II)がゾキサミド(II−j)である請求項3に記載の組成物。
  13. 成分(I)の量が10〜50.000mg/lの範囲で存在し、そして成分(II)の量が10〜50.000mg/lの範囲で存在する請求項1〜12のいずれかに記載の組成物。
  14. 植物またはそれらの場所(locus)、果実もしくは種子を真菌から防護するための請求項1〜13のいずれかに記載の組成物の使用。
  15. 使用が果実の収穫後処理である請求項14に記載の使用。
  16. 成分(I)および成分(II)の1つを担体と緊密に混合することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の相乗的組成物の製造方法。
  17. 同時もしくは逐次使用のための組み合わせとして
    (a)成分(I)、イマザリルを含んでなる組成物;ならびに
    (b)ボスカリド(II−a)、シプロコナゾール(II−b)、ピラクロストロビン(II−c)、トリフルミゾール(II−d)、アシベンゾラル−S−メチル(II−e)、カルプロパミド(II−f)、スピロキサミン(II−h)、テトラコナゾール(II−i)およびゾキサミド(II−j)から選択される成分(II)を含んでなる組成物を含有し、ここで、該組成物(a)および(b)は相乗的殺真菌効果を与えるためのそれぞれの比率で存在する製品。
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