JP5016957B2 - 凹凸構造を有する型及び光学素子用型の製造方法並びに光学素子 - Google Patents
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Description
特に、本発明に係る光学素子用金型を用いて成形された光学素子は、光の入出射面での界面反射光量を抑制する機能を有する。例えばカメラやビデオカメラをはじめとする撮像機器、もしくは液晶プロジェクタや電子写真機器の光走査装置をはじめとする投影機器に好適である。
特許文献1において、微粒子を利用する場合、大面積に一括してSWSを形成することが可能である。しかしながら、該微粒子を連続的に均等に並べてSWSを構成するため、反射特性を決める基材と雰囲気との体積比率やアスペクト比を制御することが難しく、理想的な反射防止効果を得ることが難しいという問題点があった。
同図において光源手段1から出射した発散光束はコリメーターレンズ8によって略平行光束もしくは収束光束とされ、開口絞り3によって該光束(光量)を整形して副走査方向のみに屈折力を有するシリンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で出射し、副走査断面内においては収束して回転多面鏡(ポリゴンミラー)から成る光偏向器5の偏向面5a近傍にほぼ線像として結像している。
すなわち、第1の発明の型の製造方法は、基板上に凹凸構造を有する型の製造方法であって、前記基板上に第1の材料と該第1の材料と相分離する第2の材料を同時に成膜する工程と、前記成膜工程により得られた前記第1の材料を成分とする複数のシリンダーと、前記複数のシリンダーを取り囲む前記第2の材料を成分としたマトリックス領域とを有し、該第1及び第2の材料の少なくともいずれか一方にニッケルを含有する混合膜から該マトリックス領域を除去する。そして、前記第1の材料からなる型を作製する工程とを含むことを特徴とする。
さらに、第4の発明の光学素子は、第3の発明の光学素子用金型を用いて成形されたことを特徴とする。
また、本発明によれば、円柱状あるいは円錐状のニッケルあるいはニッケル合金の凹凸構造からなる光学素子用型を用いて複数の細孔を簡便に光学素子表面に形成することができる光学素子の製造方法を提供することができる。
〔金型の製造方法〕
本発明の基板上に凸形状の凹凸構造を有する金型の製造方法について、アルミニウムニッケル混合膜を使用した場合の製造方法について説明する。
アルミニウムニッケル(Al3Ni)を主成分とする複数のシリンダーと、シリンダーを取り囲むアルミニウム(Al)を成分とするマトリックス領域が相分離した状態で成長する。そして、図1に示すようにシリンダー状のアルミニウムニッケル(Al3Ni)12部分がアルミニウム(Al)のマトリックス領域13により分断された構造体が形成される。このとき、シリンダー状のアルミニウムニッケル(Al3Ni)12の形状は、円柱形状、多角柱形状、円錐形状、多角錐形状等を含んでいる。
シリンダー状のマグネシウムニッケル(Mg2Ni)を成分とする複数のシリンダー12と、シリンダーを取り囲むマグネシウム(Mg)を成分としたマトリックス領域13に相分離した混合膜11が形成される。但し、この場合における膜中のニッケルの割合は、12atomic%以上70atomic%以下とする必要がある。このとき、形成されるシリンダー状のマグネシウムの直径及び間隔は、マグネシウムニッケル混合膜において相分離する膜厚全体の組成を変化させることにより直径10nm以上300nm以下、間隔は30nm以上500nm以下の範囲で変化する。アルミニウムニッケル混合膜の場合と同様に、ニッケル基板上にマグネシウムニッケル混合膜を非平衡状態で成膜する。そして、マトリックス領域のマグネシウム(Mg)を選択的にエッチング除去することによって、ニッケルあるいはニッケル合金からなる金型を作製することができる。チタニウムニッケル混合膜、イットリウムニッケル混合膜、ジルコニウムニッケル混合膜においても、アルミニウムニッケル混合膜やマグネシウムと同様にニッケルあるいはニッケル合金からなる金型を作製することができる。
アルミニウムニッケル混合膜を非平衡状態で成膜すると、アルミニウム(Al)を主成分とする複数のシリンダーと、シリンダーを取り囲むアルミニウムニッケル(Al3Ni)を成分とするマトリックス領域が相分離する。
アルミニウムニッケル混合膜において相分離する膜厚全体の組成を変化させることにより直径5nm以上200nm以下、中心間隔距離は20nm以上500nm以下の範囲で変化する。
さらに、図1で模式的に示した構造体をエッチングすることによって、アルミニウムを主成分とする複数のシリンダー部分12を選択的に溶解して、図3に示すような凹形状部(以降、細孔と称すことにする)31を有した凹凸構造を形成することが可能となる。
ニッケルあるいはニッケル合金からなる凹凸構造を含む型は、凸形状の複数の円柱状あるいは円錘状の凹凸構造にすることができる。
本発明の光学素子用金型の製造方法について、ニッケルと共晶型平衡状態図を有する材料とニッケルとの混合膜を使用した場合の製造方法について説明する。ニッケルと共晶型平衡状態図を有する材料としては、以下の材料がある。
図5に示した円柱状あるいは円錐状のアルミニウムニッケル(Al3Ni)の凹凸構造(突起)の深さが100nm以上500nm以下の範囲内がよい。ニッケル基板に対して該円柱状あるいは円錐状のアルミニウムニッケル(Al3Ni)の凹凸構造(突起)の1/2深さにおける断面積比率が40%以上80%以下の範囲内であることが好ましい(突起を有する金型の場合)。あるいは、図3に示した円柱状あるいは円錐状(不図示)の凹凸構造(細孔)の深さが100nm以上500nm以下の範囲内がよい。そしてニッケル基板に対して該円柱状あるいは円錐状の凹凸構造(細孔)の1/2深さにおける断面積比率が30%以上70%以下の範囲内であることが好ましい(細孔を有する金型の場合)。
本発明の光学素子用金型の製造方法について、ニッケルと化合物を形成しない材料とニッケルとの混合膜を使用した場合の製造方法について説明する。ニッケルと化合物を形成しない材料としては、銀(Ag)、金(Au)等が挙げられるが、ここでは金とニッケルの混合膜を使用した場合について詳細を述べる。金とニッケルを非平衡状態で同時にスパッタリングすると、ニッケル(Ni)(あるいは金(Au))を主成分とする複数のシリンダー部分と、シリンダーを取り囲む金(Au)(あるいはニッケル(Ni))を主成分としたマトリックス領域に分離する。このとき、ニッケル(Ni)(あるいは金(Au))を主成分とするシリンダー形状は、結晶化したニッケル及び金の結晶粒界によって形成されており、円柱形状、円錐形状よりも多角柱形状、多角錐形状等を多く含んでいる。
図5に示した円柱状あるいは円錐状のニッケル(Ni)の凹凸構造(突起)の深さが100nm以上500nm以下の範囲内である。ニッケル基板に対して該円柱状あるいは円錐状の金ニッケル(Ni)の凹凸構造(突起)の1/2深さにおける断面積比率が40%以上80%以下の範囲内であることが好ましい(突起を有する金型の場合)。あるいは、図3に示した円柱状あるいは円錐状(不図示)の凹凸構造(細孔)の深さが100nm以上500nm以下の範囲内である。そして、ニッケル基板に対して該円柱状あるいは円錐状の凹凸構造(細孔)の1/2深さにおける断面積比率が30%以上70%以下の範囲内であることが好ましい(細孔を有する金型の場合)。
〔光学素子用金型の製造方法3〕
本発明の光学素子用金型の製造方法について、ニッケルと酸化物との混合膜を使用した場合の製造方法について説明する。酸化物の材料としては、酸化シリコン(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)等が挙げられるが、ここでは酸化シリコン(SiO2)とニッケルの混合膜を使用した場合について詳細を述べる。
即ち、ニッケル(あるいは酸化シリコン)を主成分とする複数のシリンダー部分と、シリンダーを取り囲む酸化シリコン(あるいはニッケル)を主成分としたマトリックス領域に分離する。このとき、ニッケル(Ni)(あるいは酸化シリコン(SiO2))を主成分とするシリンダー形状は、結晶化したニッケル及び金の結晶粒界によって形成されており、円柱形状、円錐形状よりも多角柱形状、多角錐形状等を多く含んでいる。
実施例1
本実施例1は、ニッケル基板上に凸形状(突起)のアルミニウムニッケルの凹凸構造を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
図中の82は微細な細孔(凹形状部)であり、反射防止機能を有し、有限な曲率を有する光学素子81の面(ベース形状が凹面もしくは凸面)上に、ランダムに複数設けられている。この複数の細孔82は各々略同一の凹形状より成り、かつ光学素子81の面の法線方向に独立して形成されている。
ここで、条件式(1)は隣接する細孔92の中心間隔距離Dの上限を規定するものである。すなわち、条件式(1)の上限を上回ると、光学面全面に均一に優れた反射防止特性を発現することが難しくなってくるので好ましくない。また、下限については機能上の制約はなく、後述する細孔と雰囲気との体積比率が適切であれば限りなく小さくても良い。
ここで設計波長とは光学素子を透過もしくは光学素子で反射させる光の波長を言い、反射光量の抑制を意図する波長を指す。例えば、可視光を光学素子に透過させて波長600nm以下の反射光量を抑制させたい場合、設計波長は600nmとみなし、細孔の隣り合う間隔は300nm以下であることが好ましい。または前記課題で例示したレーザービームプリンタにおいては780nm以下のレーザー光を用いており、細孔の隣り合う間隔は390nm以下であることが好ましい。
一般に、波長よりも短いピッチで屈折率の異なる2つの物質が混在しているとき、混在している領域の屈折率n12は、2つの物質の屈折率(n1、n2)と単位体積あたりに占める各々の体積(ff1、ff2)によって、次式(2)で表すことができる。
例えば、細孔に大気が充満している場合、該細孔の壁を構成する物質(本実施例ではアルミニウムニッケル)の屈折率をnとすると、最も反射防止効果が高くなる細孔の単位体積あたりに占める比率ffは次式(5)で表される。
本実施例2は、ニッケル基板上に凹形状のアルミニウムニッケルの凹凸構造を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
図中の83は微細な突起(凸形状部)であり、反射防止機能を有し、有限な曲率を有する光学素子81の面(ベース形状が凹面もしくは凸面)上に、ランダムに複数設けられている。この複数の突起83は各々略同一の凸形状より成り、かつ光学素子81の面の法線方向に独立して形成されている。
ここで、条件式(6)は隣接する突起92の中心間隔距離Dの上限を規定するものである。すなわち、条件式(6)の上限を上回ると、光学面全面に均一に優れた反射防止特性を発現することが難しくなってくるので好ましくない。また、下限については機能上の制約はなく、突起と雰囲気との体積比率が適切であれば限りなく小さくても良い。
ここで設計波長とは光学素子を透過もしくは光学素子で反射させる光の波長を言い、反射光量の抑制を意図する波長を指す。例えば、可視光を光学素子に透過させて波長600nm以下の反射光量を抑制させたい場合、設計波長は600nmとみなし、突起の隣り合う間隔は300nm以下であることが好ましい。または前記課題で例示したレーザービームプリンタにおいては780nm以下のレーザー光を用いており、突起の隣り合う間隔は390nm以下であることが好ましい。
このとき、実施例1と同様に、反射防止特性に関して以下のように説明できる。
例えば、突起に大気が充満している場合、突起の壁を構成する物質(本実施例ではアルミニウムニッケル)の屈折率をnとすると、最も反射防止効果が高くなる突起の単位体積あたりに占める比率ffは次式(10)で表される。
尚、本発明の製造方法は以下に示す製造方法に限定されるものではない。また、本発明では780nmのP偏光レーザーの反射防止を対象としているが、本発明により得られる光学素子の反射防止特性は単波長レーザーに限られるものではなく、可視光、紫外光、赤外光に対しても適用可能である。
本実施例1に関わる光学素子の製造方法1は、ニッケル基板上に円柱状のアルミニウムニッケルの凹凸構造(突起)を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
まずfθレンズ(光学素子)成形用の自由曲面を有する金型を用意し、スパッタリングにより自由曲面上にプライマー層、アルミニウムニッケル層の順に均一に成膜して、アルミニウムニッケル混合膜で覆われた自由曲面を有する金型を得た。ここで、アルミニウムニッケル混合膜は、RF電源を用いたマグネトロンスパッタリング法により成膜した。ターゲットは、直径4インチ(50.8mm)のアルミニウムターゲットにニッケルチップ(1.5cm角)を配置したものを使用した。成膜条件は、投入電力RF40W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度300℃として、所望の膜厚になるまで成膜を行った。図4(A)は、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観察したアルミニウムニッケル混合膜の断面像を模式的に示した図である。成膜されたアルミニウムニッケル混合膜41において、アルミニウムニッケル(Al3Ni)部分42がニッケル基板40に対して垂直にシリンダー状に形成される。そして、該アルミニウムニッケル(Al3Ni)部分42を取り囲むアルミニウムマトリックス領域43が形成されていることが確認された。そして前記自由曲面だけを露出するように金型全体をマスキングテープで被覆し、該自由曲面以外を被覆により絶縁防水状態にし、常温のリン酸水溶液に浸漬する。こうしてアルミニウムニッケル(Al3Ni)部分を取り囲むアルミニウムを溶解させ、アルミニウムニッケル(Al3Ni)の突起を金型表面に有するfθ用金型を得た。
本実施例に関わる光学素子の製造方法2は、ニッケル基板上に円錐状のアルミニウムニッケルの凹凸構造(突起)を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
光学素子の製造方法1と同様に、まずfθレンズ(光学素子)成形用の自由曲面を有する金型を用意し、スパッタリングによりアルミニウムニッケル混合膜で覆われた自由曲面を有する金型を得た。ここで、光学素子の製造方法1と同様に、アルミニウムニッケル混合膜は、RF電源を用いたマグネトロンスパッタリング法により成膜した。使用したターゲットは、直径4インチ(101.6mm)のアルミニウムターゲットにニッケルチップ(1.5cm角)を配置したものである。該アルミニウムターゲット上に配置する該ニッケルチップの数量が異なるものを三種類(ターゲットA、ターゲットB、ターゲットC)用意した。膜中のニッケルの割合はA>B>Cとした。はじめに、ターゲットAを用いて投入電力RF40W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度300℃にて10分間成膜を行った。次に、ターゲットAへの投入電力を遮断後、引き続きターゲットBを用いて投入電力RF40W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度300℃にて10分間成膜を行った。ターゲットBへの投入電力を遮断後、最後にターゲットCを用いて投入電力RF40W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度300℃にて10分間成膜を行った。成膜終了後、アルミニウムニッケル混合膜の表面および断面形状をFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)により観察した。図4(B)は、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観察したアルミニウムニッケル混合膜の断面像を模式的に示した図である。成膜されたアルミニウムニッケル混合膜41において、アルミニウムニッケル(Al3Ni)部分42がニッケル基板40に対して垂直にシリンダー状に形成される。そして、該アルミニウムニッケル(Al3Ni)部分42を取り囲むアルミニウムマトリックス領域43が形成されていることが確認された。また、アルミニウムニッケルの組成比が異なるターゲットによってアルミニウムニッケル(Al3Ni)シリンダー部分42の直径を連続的に変化させた。その結果、基板から離れるほど徐々に直径が小さくなる、すなわち円錐状のアルミニウムニッケル(Al3Ni)シリンダー部分42が形成されることが確認された。
本実施例2に関わる光学素子の製造方法3は、ニッケル基板上に円柱状の凹凸構造(細孔)を有するアルミニウムニッケルからなる光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
まずfθレンズ(光学素子)成形用の自由曲面を有する金型を用意し、スパッタリングにより自由曲面上にプライマー層、アルミニウムニッケル層の順に均一に成膜して、アルミニウムニッケル混合膜で覆われた自由曲面を有する金型を得た。ここで、アルミニウムニッケル混合膜は、RF電源を用いたマグネトロンスパッタリング法により成膜した。ターゲットは、直径4インチ(101.6mm)のアルミニウムターゲットにニッケルチップ(1.5cm角)を配置したものを使用した。成膜条件は、投入電力RF40W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度300℃として、所望の膜厚になるまで成膜を行った。図4(A)は、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観察したアルミニウムニッケル混合膜の断面像を模式的に示した図である。成膜されたアルミニウムニッケル混合膜41において、アルミニウム(Al)部分42がニッケル基板40に対して垂直にシリンダー状に形成される。該アルミニウム(Al3)部分42を取り囲むアルミニウムニッケル(Al3Ni)マトリックス領域43が形成されていることが確認された。そして前記自由曲面だけを露出するように金型全体をマスキングテープで被覆し、該自由曲面以外を被覆により絶縁防水状態にし、常温のリン酸水溶液に浸漬した。こうしてアルミニウムニッケル(Al3Ni)部分に取り囲まれたアルミニウムのシリンダーを溶解させ、円柱状の細孔を金型表面に有するアルミニウムニッケル(Al3Ni)からなるfθ用金型を得た。
本実施例2に関わる光学素子の製造方法4は、ニッケル基板上に円錐状の凹凸構造(突起)を有するアルミニウムニッケルからなる光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
光学素子の製造方法3と同様に、まずfθレンズ(光学素子)成形用の自由曲面を有する金型を用意し、スパッタリングによりアルミニウムニッケル混合膜で覆われた自由曲面を有する金型を得た。ここで、光学素子の製造方法3と同様に、アルミニウムニッケル混合膜は、RF電源を用いたマグネトロンスパッタリング法により成膜した。使用したターゲットは、直径4インチ(101.6mm)のアルミニウムターゲットにニッケルチップ(1.5cm角)を配置したものである。該アルミニウムターゲット上に配置する該ニッケルチップの数量が異なるものを三種類(ターゲットA、ターゲットB、ターゲットC)用意した。膜中のニッケルの割合はA>B>Cとした。はじめに、ターゲットAを用いて投入電力RF40W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度300℃にて10分間成膜を行った。次に、ターゲットAへの投入電力を遮断後、引き続きターゲットBを用いて投入電力RF40W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度300℃にて10分間成膜を行った。ターゲットBへの投入電力を遮断後、最後にターゲットCを用いて投入電力RF40W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度300℃にて10分間成膜を行った。成膜終了後、アルミニウムニッケル混合膜の表面および断面形状をFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)により観察した。図4(B)は、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観察したアルミニウムニッケル混合膜の断面像を模式的に示した図である。成膜されたアルミニウムニッケル混合膜41において、アルミニウム(Al)部分42がニッケル基板40に対して垂直にシリンダー状に形成される。該アルミニウム(Al)部分42を取り囲むアルミニウムニッケル(Al3Ni)マトリックス領域43が形成されていることが確認された。また、アルミニウムニッケルの組成比が異なるターゲットによってアルミニウム(Al)シリンダー部分42の直径を連続的に変化させて成膜した結果、基板から離れるほど徐々に直径が小さくなる。すなわち円錐状のアルミニウム(Al)シリンダー部分42が形成されることが確認された。
次に製造方法1および製造方法2に対しての比較例を説明する。
fθレンズ(光学素子)成形用の自由曲面を有する金型を用意し、製造方法1および製造方法2と同様に射出成形を行ったところ、自由曲面鏡面を有するfθレンズが得られた。
本発明の光学素子はカメラやビデオカメラをはじめとする撮像機器、あるいは液晶プロジェクタやディスプレイ、電子写真機器の光走査装置をはじめとする投影機器などに適用できる。例えば電子写真機器の光走査装置において、結象光学手段を構成するfθレンズの入射面あるいは入出射面の両面に複数の細孔を形成したfθレンズを搭載すれば良好なる反射特性が得られる。
図10は上記の製造方法1で製造された光学素子を含むfθレンズを電子写真機器等の光走査装置の結像光学手段に適用したときの要部概略図である。
本実施形態において半導体レーザー1から出射した光束はコリメーターレンズ2により略平行光束に変換され、開口絞り3によって該光束(光量)が制限され、シリンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4に入射した略平行光束のうち主走査断面においてはそのままの状態で射出する。また副走査断面内においては収束して光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像している。そして光偏向器5の偏向面5aで反射偏向された光束は第1、第2のfθレンズ6a、6bを介して感光ドラム面7上にスポット状に結像される。該光偏向器5を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム面7上を矢印B方向(主走査方向)に等速度で光走査している。これにより記録媒体としての感光ドラム面7上に画像記録を行なっている。
図11は、図10に示した構成を有する光走査装置を用いた本発明の画像形成装置の実施形態を示す副走査方向の要部断面図である。図11において、符号104は画像形成装置を示す。この画像形成装置104には、パーソナルコンピュータ等の外部機器117からコードデータDcが入力する。このコードデータDcは、装置内のプリンタコントローラ111によって、画像データ(ドットデータ)Diに変換される。この画像データDiは、図5に示した構成を有する光走査装置100に入力される。そして、この光走査装置100からは、画像データDiに応じて変調された光ビーム103が出射され、この光ビーム103によって感光ドラム101の感光面が主走査方向に走査される。
図12は図10に示した構成を有する光走査装置を複数用いた本発明の実施形態のカラー画像形成装置の要部概略図である。本実施形態は、光走査装置を4個並べ各々並行して像担持体である感光ドラム面上に画像情報を記録するタンデムタイプのカラー画像形成装置である。図12において、160はカラー画像形成装置、161、162、163、164は各々図4に示した構成を有する光走査装置である。121、122、123、124は各々像担持体としての感光ドラム、131、132、133、134は各々現像器、151は搬送ベルトである。
本実施例3は、ニッケル基板上に凸形状(突起)のニッケルの凹凸構造を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
本実施例3に関わる光学素子の製造方法3は、ニッケル基板上に円柱状のニッケルの凹凸構造(突起)を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
光学素子の製造方法1および2と同様に、まずfθレンズ(光学素子)成形用の自由曲面を有する金型を用意し、スパッタリングによりニッケル−酸化シリコン混合膜で覆われた自由曲面を有する金型を得た。ここで、ニッケル−酸化シリコン混合膜は、RF電源を用いたマグネトロンスパッタリング法により成膜した。使用したターゲットは、直径2インチ(50.8mm)のニッケルターゲットと酸化シリコンターゲットの二つのターゲットとした。成膜条件は、ニッケルターゲットの投入電力をRF30W、かつ、酸化シリコンターゲットの投入電力をRF70Wとし、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度600℃として、所望の膜厚になるまで2つのターゲットによる同時成膜を行った。図4(A)は、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観察したニッケル−酸化シリコン混合膜の断面像を模式的に示した図である。成膜されたニッケル−酸化シリコン混合膜41において、ニッケル(Ni)部分42がニッケル基板40に対して垂直にシリンダー状に形成される。該ニッケル(Ni)部分42を取り囲む酸化シリコン(SiO2)マトリックス領域43が形成されていることが確認された。そして前記自由曲面だけを露出するように金型全体をマスキングテープで被覆する。該自由曲面以外を被覆により絶縁防水状態にし、常温の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してニッケル(Ni)部分を取り囲む酸化シリコン(SiO2)を溶解させ、ニッケル(Ni)の突起を金型表面に有するfθ用金型を得た。
本実施例3に関わる光学素子の製造方法4は、ニッケル基板上に円錐状のニッケルの凹凸構造(突起)を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
光学素子の製造方法3と同様に、まずfθレンズ(光学素子)成形用の自由曲面を有する金型を用意し、スパッタリングによりニッケル−酸化シリコン混合膜で覆われた自由曲面を有する金型を得た。ここで、光学素子の製造方法3と同様に、ニッケル−酸化シリコン混合膜は、RF電源を用いたマグネトロンスパッタリング法により成膜した。使用したターゲットは、直径2インチ(50.8mm)のニッケルターゲットと酸化シリコンターゲットの二つのターゲットとした。成膜条件は、2つのターゲットへの投入電力を段階的に切り替える方法を採用した。まず第1段階として、ニッケルターゲットの投入電力をRF58W、かつ、酸化シリコンターゲットの投入電力をRF0Wとし、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度600℃にて5分間同時成膜を行った。次に、第2段階として、ニッケルターゲットへの投入電力をRF46W、かつ、酸化シリコンターゲットの投入電力をRF28Wとし、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度600℃にて5分間同時成膜を行った。引き続き、第3段階として、ニッケルターゲットへの投入電力をRF35W、かつ、酸化シリコンターゲットの投入電力をRF55Wとする。第4段階として、ニッケルターゲットへの投入電力をRF23W、かつ、酸化シリコンターゲットの投入電力をRF83Wとする。第5段階として、ニッケルターゲットへの投入電力をRF12W、かつ、酸化シリコンターゲットの投入電力をRF110Wとする。各段階においてアルゴンガス圧0.11Pa、基板温度600℃にて5分間同時成膜を行った。以上、5段階の投入電力の切り替えによる成膜終了後、ニッケル−酸化シリコン混合膜の表面および断面形状をFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)により観察した。図4(B)は、FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観察したニッケル−酸化シリコン混合膜の断面像を模式的に示した図である。成膜されたニッケル−酸化シリコン混合膜41において、ニッケル(Ni)部分42がニッケル基板40に対して垂直にシリンダー状に形成され、該ニッケル(Ni)部分42を取り囲む酸化シリコンマトリックス領域43が形成されていることが確認された。また、投入電力を切り替えてニッケル−酸化シリコンの組成比を変化させることによってニッケル(Ni)シリンダー部分42の直径を連続的に変化させて成膜できる。その結果、基板から離れるほど徐々に直径が小さくなる、すなわち円錐状のニッケル(Ni)シリンダー部分42が形成されることが確認された。
本実施例4は、基板上に凸形状のラメラ形状の凹凸構造を有する金型の製造方法に関する。本実施例については、アルミニウムニッケル混合膜を使用した場合の金型の製造方法について説明する。
また、柱状部材の長軸方向の直径の平均値Dlと短軸方向の直径の平均値Dsの比(Dl/Ds)が5以上、かつ短軸方向の平均直径が5nm以上300nm以下である構造体を形成する場合は以下のようにするのがよい。基板上でアルミニウムとニッケルのエネルギーが急速に失われる状態であり、かつアルミニウムとニッケルの相分離が起こる時間スケールで表面拡散が起こる状態にすることが好ましい。
本実施例5は、実施例3と同様に凸形状のラメラ形状の凹凸構造を有する金型の製造方法に関する。本実施例については、ニッケルと化合物を形成しない材料として挙げられる金(Au)とニッケル(Ni)の混合膜を使用した場合の金型の製造方法について説明する。金とニッケルを非平衡状態で同時にスパッタリングすると、ニッケル(Ni)を主成分とする複数の柱状部材と、金(Au)を主成分とする複数の柱状部材との2つの領域に分離する。このとき、ニッケル(Ni)(あるいは金(Au))を主成分とする柱状部材の形状は、結晶化したニッケル及び金の結晶粒界によって形成されており、多角柱形状、多角錐形状等を含んでいる。
本実施例6は、ニッケル基板上に凸形状(突起)のラメラ形状のアルミニウムニッケルの凹凸構造を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
ここで、条件式(1)は隣接する溝242の短軸方向における中心間距離Dの上限を規定するものである。すなわち、条件式(1)の上限を上回ると、光学面全面に均一に優れた反射防止特性を発現することが難しくなってくるので好ましくない。また、下限については機能上の制約はなく、後述する溝と雰囲気との体積比率が適切であれば限りなく小さくても良い。
ここで設計波長とは光学素子を透過もしくは光学素子で反射させる光の波長を言い、反射光量の抑制を意図する波長を指す。例えば、可視光を光学素子に透過させて波長600nm以下の反射光量を抑制させたい場合、設計波長は600nmとみなし、細孔の隣り合う間隔は300nm以下であることが好ましい。または前記課題で例示したレーザービームプリンタにおいては780nm以下のレーザー光を用いており、溝の隣り合う間隔は390nm以下であることが好ましい。
尚、本発明の製造方法は以下に示す製造方法に限定されるものではない。また、本発明では780nmのP偏光レーザーの反射防止を対象としているが、本発明により得られる光学素子の反射防止特性は単波長レーザーに限られるものではなく、可視光、紫外光、赤外光に対しても適用可能である。
つまり、スパッタリング法によって成膜条件を適宜選択することにより、金型表面全面に一括して所望の突起(あるいは溝)を形成することができ、短時間にかつ安価にSWSを形成することが可能である。
本実施例6に関わる光学素子の製造方法は、ニッケル基板上にラメラ形状のアルミニウムニッケルの凹凸構造(突起)を有する光学素子用金型を用いて光学素子を成形することに関する。
まずfθレンズ(光学素子)成形用の自由曲面を有する金型を用意し、スパッタリングにより自由曲面上にプライマー層、アルミニウムニッケル層の順に均一に成膜して、アルミニウムニッケル混合膜で覆われた自由曲面を有する金型を得た。ここで、予めアルミニウムニッケル層を成膜する金型に対して200nmの周期にて凹凸構造をある方向に形成させた。これは、ダイヤモンドスラリー等を染み込ませた研磨テープによるテープバーニッシュにより形成し、この金型に対してアルミニウムニッケル混合膜は、RF電源を用いたマグネトロンスパッタリング法により成膜した。ターゲットは、直径4インチ(101.6mm)のアルミニウムターゲットにニッケルチップ(1.5cm角)を配置したものを使用した。成膜条件は、投入電力RF120W、アルゴンガス圧0.11Pa、基板温度400℃として、所望の膜厚になるまで成膜を行った。
このようにして得られたfθレンズをFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)により観察したところ、曲面全域にランダムに配列したラメラ形状の断面矩形状の溝が観察され、個々の断面矩形状の溝は面の法線方向に向かって形成されていることが確認された。
2 コリメータレンズ
3 開口絞り
4 シリンドリカルレンズ
5 光偏向器
5a 偏向面
6 結像光学手段
6a、6b fθレンズ
6a1、6b1 入射面
6a2、6b2 出射面
7 被走査面
10、20、30、40、50、60、230 基板
11、41 混合膜
12、42 シリンダー
13、32、43 マトリックス
21、51、61、232 凸形状部
22、52、62、233 凹形状部
31 細孔
63、231 接着層
71、81 光学素子
72、82、92 細孔
100 光走査装置
101 感光ドラム
102 帯電ローラ
103 光ビーム
104 画像形成装置
107 現像装置
108 転写ローラ
109 用紙カセット
110 給紙ローラ
111 プリンタコントローラ
112 転写材(用紙)
113 定着ローラ
114 加圧ローラ
115 モータ
116 排紙ローラ
117 外部機器
121、122、123、124 像担持体(感光ドラム)
131、132、133、134 現像器
141、142、143、144 光ビーム
151 用紙搬送路
152 外部機器
153 プリンタコントローラ
160 カラー画像形成装置
161、162、163、164 光走査装置
210 基板
211 混合膜
212 第一の柱状部材(アルミニウムニッケル)
213 第二の柱状部材(アルミニウム)
241 光学素子
242 溝
Claims (18)
- 基板上に凹凸構造を有する型の製造方法であって、前記基板上に第1の材料と該第1の材料と相分離する第2の材料を同時に成膜する工程と、前記成膜工程により得られた前記第1の材料を成分とする複数のシリンダーと、前記複数のシリンダーを取り囲む前記第2の材料を成分とするマトリックス領域とを有し、該第1及び第2の材料の少なくともいずれか一方にニッケルを含有する混合膜から、該マトリックス部分を除去して前記第1の材料からなる凹凸構造を有する型を作製する工程、とを含むことを特徴とする型の製造方法。
- 基板上に凹凸構造を有する型の製造方法であって、前記基板上に第1の材料と該第1の材料と相分離する第2の材料を同時に成膜する工程と、前記成膜工程により得られた前記第1の材料を成分とするマトリックス領域と、前記マトリックス領域に取り囲まれた前記第2の材料を成分とする複数のシリンダーとを有し、該第1及び第2の材料の少なくともいずれか一方にニッケルを含有する混合膜から、該シリンダー部分を除去して前記第1の材料からなる凹凸構造を有する型を作製する工程、とを含むことを特徴とする型の製造方法。
- 凹凸構造は、前記基板上に複数配置され、かつ前記第1の材料から構成され、前記凹凸構造の周期が30nm以上500nm以下の範囲内であり、かつ前記凹凸構造の深さが100nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の型の製造方法。
- ニッケル基板上にニッケルとニッケルと相分離する材料を同時に成膜する工程と、前記成膜工程により得られたニッケルを成分とする複数のシリンダーと、前記複数のシリンダーを取り囲み、かつ、ニッケルと相分離する材料を成分とするマトリックス領域とを有する混合膜から該マトリックス部分をエッチング除去してニッケルあるいはニッケル合金からなる型を作製する工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の型の製造方法。
- ニッケル基板上にニッケルとニッケルと相分離する材料を同時に成膜する工程と、前記成膜工程により得られたニッケルを成分とするマトリックス領域と、前記マトリックス領域に取り囲まれ、かつ、ニッケルと相分離する材料を成分とする複数のシリンダーとを有する混合膜から該シリンダー部分をエッチング除去してニッケルあるいはニッケル合金からなる型を作製する工程とを含むことを特徴とする請求項2に記載の型の製造方法。
- ニッケルあるいはニッケル合金からなる型は、前記混合膜におけるニッケルとニッケルと相分離する材料の組成比を変化させることによってシリンダーの形状を制御することを特徴とする請求項4に記載の型の製造方法。
- ニッケルと相分離する材料は、ニッケルと共晶型平衡状態図を有するアルミニウム、マグネシウム、チタニウム、イットリウム、ジルコニウムのいずれかを少なくとも1種類以上含有していることを特徴とする請求項4に記載の型の製造方法。
- ニッケルと相分離する材料は、ニッケルと化合物を形成しない銀、金のいずれかを少なくとも1種類以上含有していることを特徴とする請求項4に記載の型の製造方法。
- ニッケルあるいはニッケル合金からなる型は、凸形状の複数の円柱状あるいは円錘状の凹凸構造によって形成されていることを特徴とする請求項4に記載の型の製造方法。
- ニッケルあるいはニッケル合金からなる型は、凹形状の複数の円柱状あるいは円錘状の凹凸構造によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の型の製造方法。
- 請求項1に記載の光学素子用型の製造方法により製造されたことを特徴とする光学素子用型。
- 基板上に凹凸構造を有する型の製造方法であって、前記基板上に第一の柱状部材と該第一の柱状部材と相分離する第二の柱状部材を同時に成膜する工程と、前記成膜工程により得られた前記第一と第二の柱状部材で構成される2相分離構造を有する混合膜からいずれか一方の相で構成される柱状部材を溶解させて、もう一方の相で構成される柱状部材からなる金型を作製する工程とを含むことを特徴とする型の製造方法。
- 前記凹凸構造は、前記基板上に複数配置され、かつ前記第一と第二の柱状部材で構成される2相分離構造を有する混合膜のいずれか一方の相で構成され、かつ前記いずれか一方の相における長軸方向の平均直径Dlと短軸方向の平均直径Dsの比が5以上であり、かつ前記凹凸構造の周期が30nm以上500nm以下の範囲内であり、かつ前記凹凸構造の深さが100nm以上であることを特徴とする請求項12に記載の型の製造方法。
- 前記第一の柱状部材又は第二の柱状部材の短軸方向の平均直径が5nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項12に記載の型の製造方法。
- 前記第一と第二の柱状部材で構成される2相分離構造を有する混合膜において、一つの方向性を持って分離構造が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の型の製造方法。
- ニッケル基板上にニッケルとニッケルと相分離する材料を同時に成膜する工程と、前記成膜工程により得られた2相分離構造を有する混合膜からニッケルと相分離する部材を含み一方の相で構成される柱状部材をエッチング除去してニッケルあるいはニッケル合金からなる金型を作製する工程とを含むことを特徴とする請求項12に記載の型の製造方法。
- 前記ニッケルあるいはニッケル合金からなる金型は、前記混合膜におけるニッケルとニッケルと相分離する材料の組成比を変化させることによって前記柱状部材の形状を制御することを特徴とする請求項16に記載の型の製造方法。
- 前記ニッケルあるいはニッケル合金からなる金型は、凸形状あるいは凹形状の複数のラメラ形状の凹凸構造によって形成されていることを特徴とする請求項16に記載の型の製造方法。
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