JP2001318201A - 相分離材料 - Google Patents

相分離材料

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JP2001318201A
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phase separation
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JP2000138205A
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Haruhiro Asami
晴洋 浅見
Soichiro Saida
壮一郎 齊田
Itaru Kamiya
格 神谷
Kenichi Yoshie
建一 吉江
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期的な誘電率分布を形成させることがで
き、フォトニックバンド構造を有する新規材料を提供す
る。 【解決手段】 2種以上の相が相分離構造を形成し、そ
の少なくとも1種の相に超微粒子が偏在してなる相分離
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相分離材料に関す
る。詳しくは、自発的な相分離構造形成を利用して、超
微粒子を相分離構造の一方の相に偏在させてなる新規材
料に関する。本発明の材料は、周期的な誘電率分布を形
成させることにより、フォトニックバンド構造を有する
光学材料として利用可能である。
【0002】
【従来の技術】近年、金属、半導体、酸化物、色素、導
電性高分子などのナノオーダー(数nm〜数十nm)の
サイズをもつ超微粒子(コロイド粒子、ナノ結晶(Na
nocrystal)、ナノ粒子(Nanoparti
cle)、あるいは量子ドット(Quantum do
t)等とも呼称される場合もある)がバルクとは異なる
物性を示すため注目を集めている。例えば半導体超微粒
子の場合、光によって生成される励起子が、粒子内に閉
じ込められる結果、微粒子サイズが減少すると共にバン
ドギャップや励起子エネルギーの増加が起こる(例えば
Gaponenko著、Optical properties of Semiconductor N
anocrystals)。つまり量子サイズ効果が発現し、励起
子が閉じ込められる結果、非線形光学特性の増大がみら
れ、超高速光スイッチング素子などへの応用が期待され
ている。また粒子のサイズを変えることで、発光波長を
コントロール可能であり、エレクトロルミネッセンスな
どの表示材料への応用も期待されている。
【0003】一方、ポリマーアロイなどに代表されるバ
ルク高分子混合系フィルムの相分離構造は、機械強度特
性の向上を目的として古くから研究されている。また最
近では、膜厚が約100nm以下の領域の高分子混合系
薄膜の相分離構造に関して注目を集めてはじめており、
反射防止膜等の機能を付加させるような報告もみられる
(例えばS.Walheim et al., Science 283,520(199
9))。
【0004】また、マトリックス中に超微粒子を分散さ
せる系として、半導体超微粒子をガラスあるいはポリス
チレンなどの高分子中に均一に分散させ、非線形光学材
料として利用する検討例は報告されている(例えばA.V.F
irth et al., Appl.Phys.Lett. 75,3210(1999), H.Shin
ojima et al., Appl.Phys.Lett., 60,298(1992))。この
ように、高分子混合系の相分離構造に関する検討や、あ
るいは超微粒子をポリスチレンやポリメチルメタクリレ
ートなどの高分子マトリックス、またガラスマトリック
ス中に均一に分散させた材料に関する検討は盛んにおこ
なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ば高分子混合系に見られるような自発的な相分離構造形
成を利用し、その相分離構造の一方の相にのみ超微粒子
を偏在させること、さらには該超微粒子がラメラ状、柱
状あるいは球状の相に周期的に配列され、その配列構造
が制御された光学材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
克服すべく鋭意検討を重ねた結果、相分離構造の形成条
件を制御することにより、その相分離構造の少なくとも
一方の相にのみ超微粒子を偏在させること、さらには超
微粒子が偏在する層構造をラメラ状、柱状あるいは球状
とすることにより、該超微粒子の周期配構造が形成さ
れ、且つその配列構造が制御された新規な光学材料を製
造できることを見出し本発明に到達した。
【0007】即ち本発明の要旨は、2種以上の相が相分
離構造を形成し、その少なくとも1種の相に超微粒子が
偏在してなることを特徴とする相分離材料、に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明において対象となる相分離構造を形成する材
料としては、高分子材料、低分子材料、無機材料が挙げ
られる。該相分離構造を形成する物質の組み合わせとし
て、高分子材料・高分子材料、高分子材料・低分子材
料、高分子材料・無機材料、低分子材料・低分子材料、
低分子材料・無機材料、無機材料・無機材料の何れでも
よく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0009】高分子材料としては、特に限定されるもの
ではないが、ポリスチレン系高分子、ポリメチルメタク
リレート系高分子、ポリブタジエン系高分子、ポリビニ
ルピリジン系高分子、ポリイソプレン系高分子、ポリカ
ーボネート系高分子、ポリフェニレンオキシド系高分
子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリパラフェニレン
ビニレン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリアニ
リン系高分子、ポリビニルカルバゾール系高分子、また
はそれらを含む共重合体などが例示される。但し、各相
を構成する材料が、相溶性の高い高分子種同士の組み合
わせである場合、明確な相分離構造を形成しないことも
あるため望ましくない。該高分子材料の分子量は、特に
限定されないが、通常1000〜500万程度である。
【0010】低分子材料としては、低分子の種類は特に
限定されるものではなく、炭化水素系分子、アルコール
系分子、エーテル系分子、アルデヒド系分子、ケトン系
分子、カルボン酸系分子、フェノール系分子、アミン系
分子、各種界面活性剤、色素系分子、アミノ酸などが例
示され、その分子量は、通常、1000未満である。無
機材料としては、例えば、Au、Ag、Pt、Pd、C
o、Fe、Ni、Cr、Mn、Al等の金属、酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化鉄、酸化錫等の酸化物、硫化亜
鉛、硫化カドミウム、硫化鉛等の硫化物、窒化ケイ素、
窒化鋼等の窒化物などが例示される。
【0011】本発明において対象となる超微粒子として
は、金属、半導体、酸化物、色素、導電性高分子あるい
は非導電性高分子が挙げられ、溶媒に可溶あるいは分散
可能であれば特に制限無く使用することができる。金
属、半導体、酸化物などの超微粒子表面に有機物が被覆
されていてもかまわない。上記金属としては、例えば、
Au、Ag、Pt、Pd、Co、Fe、Ni、Cr、M
n、Al等が挙げられ、また合金も使用することができ
る。
【0012】上記半導体としては、例えば、炭素、ケイ
素、ゲルマニウム、錫等の周期表第14族元素の単体、
リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレ
ン、テルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素
(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合
物、酸化錫(IV)(SnO2)、硫化錫(II,IV)(S
n(II)Sn(IV)S3)、硫化錫(IV)(SnS2)、硫化
錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、
テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(Pb
S)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(I
I)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第1
6族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ
素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム
(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アル
ミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(A
lSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム
(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化
ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リ
ン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InA
s)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表
第13族元素と周期表第15族元素との化合物、硫化ア
ルミニウム(Al23)、セレン化アルミニウム(Al
2Se3)、硫化ガリウム(Ga23)、セレン化ガリウ
ム(Ga2Se3)、テルル化ガリウム(Ga2Te3)、
酸化インジウム(In23)、硫化インジウム(In2
3)、セレン化インジウム(In2Se3)、テルル化
インジウム(In2Te3)等の周期表第13族元素と周
期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(T
lCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タ
リウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期
表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化
亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化
亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カ
ドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdS
e)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(H
gS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(H
gTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素
との化合物、硫化砒素(III)(As23)、セレン化
砒素(III)(As2Se3)、テルル化砒素(III)(A
2Te3)、硫化アンチモン(III)(Sb23)、セ
レン化アンチモン(III)(Sb2Se3)、テルル化ア
ンチモン(III)(Sb2Te3)、硫化ビスマス(III)
(Bi23)、セレン化ビスマス(III)(Bi2
3)、テルル化ビスマス(III)(Bi2Te3)等の周
期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸
化銅(I)(Cu2O)等の周期表第11族元素と周期
表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuC
l)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(C
uI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の
周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、
酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素
と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)
(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表
第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三
鉄(Fe34)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第
8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガ
ン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第1
6族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(Mo
2)、酸化タングステン(IV)(WO2)等の周期表第
6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジ
ウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(V
2)、酸化タンタル(V)(Ta25)等の周期表第
5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン
(TiO2、Ti25、Ti23、Ti59等)等の周
期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化
マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(Mg
Se)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との
化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdC
24)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)
(CdCr2Se4)、硫化銅(II)クロム(III)(C
uCr24)、セレン化水銀(II)クロム(III)(H
gCr2Se4)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチ
タネート(BaTiO3)等が挙げられる。これらの半
導体には、構成元素以外の元素が含有されていても構わ
ない。
【0013】上記酸化物としては、例えば、SiO2
TiO2、ZnO、In23などが例示される。またこ
れらの酸化物には、構成元素以外の添加元素が含有され
ていても構わない。上記色素としては、例えば、無金属
フタロシアニン、金属含有フタロシアニン、ペリノン系
顔料、チオインジゴ、キナクリドン、ペリレン系顔料、
アントラキノン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、
トリスアゾ系顔料、テトラキス系アゾ顔料、シアニン系
顔料等の有機光伝導性粒子が挙げられる。更に、多環キ
ノン、ピリリウム塩、チオピリリウム塩、インジゴ、ア
ントアントロン、ピラントロン等の各種有機顔料、染料
が使用できる。
【0014】非導電性高分子あるいは導電性高分子とし
ては、例えば、ポリスチレン系高分子、ポリメチルメタ
クリレート系高分子、ポリブタジエン系高分子、ポリビ
ニルピリジン系高分子、ポリイソプレン系高分子、ポリ
カーボネート系高分子、ポリフェニレンオキシド系高分
子、ポリパラフェニレン系高分子、ポリパラフェニレン
ビニレン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリアニ
リン系高分子、ポリビニルカルバゾール系高分子、また
はこれらを含む共重合体等が挙げられる。
【0015】これらの超微粒子の粒子径は通常、0.5
〜100nm、好ましくは1nm〜50nm、より好ま
しくは2nm〜10nmである。本発明における相分離
構造としては、スピノーダル様構造(図1a)、ラメラ
構造(図1b)、柱状構造(図1c)、球状構造(図1
d)、などの構造が挙げられる。これらの構造を特徴づ
ける長さ、すなわち特性長は、光学顕微鏡写真等から、
高速フーリエ変換(FFT)によって計算される。FF
Tによって計算される特性長は、通常、通常0.01〜
1000μmであり、相分離構造の様式は特に限定され
るものではない。またこれらの構造は、1次元、2次
元、3次元いずれの場合でも構わない。相分離構造の特
性長は、より好ましくは0.05〜500μmであり、
更に好ましくは 0.1〜100μmである。
【0016】本発明の相分離材料は、相分離構造を形成
してなる相の、少なくとも1種の相に、超微粒子が偏在
されてなるものである。この結果、超微粒子が偏在して
いる相と偏在していない相の屈折率比は、通常1.01
以上、好ましくは、1.05以上、より好ましくは、
1.1以上である。上記超微粒子が偏在する相中の超微
粒子の含有量は、該相中の超微粒子の重量として、通常
1〜90重量%、好ましくは10〜80重量%である。
【0017】相分離構造を形成する各材料は、係る超微
粒子と共通の溶媒に可溶、あるいは分散可能であること
が好ましく、その溶解度は、通常、0.1mg/mL以
上、望ましくは0.5mg/mL以上、更に望ましくは
1mg/mL以上である。その際の共通溶媒としては、
超微粒子と相分離構造を形成する相を構成する材料との
組み合わせによっても異なるが、例えば、トルエン、キ
シレン、ヘキサン、クロロフォルム、四塩化炭素、ジク
ロロメタン、ベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒド
ロフラン、メチルエチルケトン、N―メチルピロリドン
等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上
の混合溶媒であってもかまわない。なお、本発明の効果
を損なわない範囲で、各種の添加剤を添加することもで
きる。本発明の相分離材料は、かかる混合溶液から結晶
化させる方法、あるいはかかる混合溶液を固体基板上に
塗布することによって作製される。
【0018】本発明に用いられる固体基板材料として
は、金属、金属酸化物、高分子等が挙げられるが、該混
合溶液中の溶媒に不溶であれば特に制限はない。具体的
には例えば、SiO2やポリアニリンの他、アルミニウ
ム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル、
金、銀等の金属、酸化スズ、インジウム錫酸化物等の金
属酸化物、及びこれらの金属や金属酸化物のラミネート
物、あるいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸
化すず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエス
テルフィルム等の高分子フィルム、紙等が挙げられる。
【0019】さらに固体基板上に金属、金属酸化物、有
機化合物等を蒸着、スパッタリング、ラングミュアブロ
ジェット(LB)法、自己集積(セルフアセンブリ)法
により積層させたものや、有機、無機多層膜あるいは有
機・無機複合多層膜を基板として用いることもできる。
また、該混合液中の超微粒子もしくは相を構成する材料
のいずれかと親和性を有する無機化合物もしくは有機化
合物を用いてパターンを形成させた固体基板を用いても
よい。
【0020】かかる混合液の塗布方法は特に限定される
ものではないが、スピンコート法、ディップッコーティ
ング法、キャスト法、インクジェット法等が挙げられ
る。本発明の2種以上の相が相分離構造を形成し、その
少なくとも1種の相に超微粒子が偏在してなる材料を形
成するには、混合液が塗布された後、溶媒の蒸発に伴
い、該混合溶液中の相分離を形成する物質が自発的に相
分離を起こし、一方の領域にのみ超微粒子が偏在する組
み合わせを選択する必要がある。
【0021】例えば2種類の高分子混合系の相分離構造
を利用して超微粒子を偏在させる場合は、混合する高分
子のいずれか一方に超微粒子が親和性をもつような系を
選ぶ必要がある(図2(a))。この場合、超微粒子表
面に有機物等を被覆することにより、いずれかの相に親
和性を持たせても構わない。また高分子混合系におい
て、超微粒子を周期的に配列させるには、固体基板上に
周期パターンを形成させておき、その上にスピンコート
あるいはキャストして自発的に基板上の周期パターンと
同じ周期の相分離パターンを形成させてもよい。(図2
(b))。またブロック共重合体を用いた場合には、A
−Bジブロック共重合体を例にとると、AとBの成分比
によって、A球状相/Bマトリックス、A円柱状相/B
マトリックス、AB交互ラメラ相、B円柱状相/A、B
球状相/Aの相分離構造パターンが発現し、超微粒子が
AあるいはBと親和性があれば、超微粒子の球状相、円
柱状相、ラメラ相を形成させてもよい(図2(c))。
このように超微粒子が偏在した相と偏在していない相が
交互に周期的に配列した場合、誘電率(あるいは屈折
率)が周期的に変調するため、その周期が光学波長領域
であれば、ある特定の波長の光のみを透過させないフォ
トニックバンドギャップを形成させることが可能とな
る。 これらの応用としては、超微粒子として発光性の
ものを利用すれば、従来よりも低しきい値のレーザー発
振が可能になる。また超微粒子として非線形光学特性を
有するものを利用すれば、非線形光学特性の増加が期待
される。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明の具体的内容を更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。 実施例1 パイレックス(登録商標)ガラス基板上に4mgのTO
PO(トリオクチルホスフィンオキシド)被覆CdSe
ナノ粒子(粒径約3nm)と2mgのポリスチレンと2
mgのポリメチルメタクリレートをトルエン200μl
に溶かしたトルエン溶液を滴下し、回転数1000rp
m、回転時間5minの条件でスピンコート法にて薄膜
を作製した。用いたポリスチレンとポリメチルメタクリ
レートの重量平均分子量は、約2×105であった。ス
ピンコートした後、脱気乾燥をおこなった。得られたス
ピンコート薄膜の厚みは約100nmであった。
【0023】モルフォロジー観察には、光学顕微鏡を用
いた。図3に光学顕微鏡観察したスピンコート薄膜の結
果を示す。ポリスチレンとポリメチルメタクリレートと
が相分離している様子が観察され、そのドメインサイズ
は約30〜60μmであった。またそれぞれの領域にお
けるナノ粒子の分散状態が異なることが観察された。そ
こで、それぞれの領域がどの高分子に相当するかを調べ
るために、ポリスチレンにのみ選択的に沃化するシクロ
ヘキサンを用いて、ポリスチレンのみを該スピンコート
薄膜から溶出させた。具体的には、シクロヘキサン溶液
に該スピンコート薄膜の一部を約2時間浸した。浸せき
した膜を取り出し、乾燥させた後、光学顕微鏡観察を実
施した。図4に示した光学顕微鏡写真からCdSe粒子
がリッチな領域は、ポリスチレンであることが確認され
た。つまり、CdSe粒子は、ポリスチレンとの親和性
がポリメチルメタクリレートに比べて強いことがわかっ
た。この例に示される相分離構造の構造単位である特徴
的長さをFFTにより計算した。その結果、この相分離
構造の特徴的長さは、30〜60μmであった。
【0024】比較例1 パイレックスガラス基板上に4mgのTOPO被覆Cd
Seナノ粒子(粒径約3nm)と4mgのポリスチレン
をトルエン200μlに溶かしたトルエン溶液を滴下
し、回転数1000rpm、回転時間5minの条件で
スピンコート法にて薄膜を作製した。用いたポリスチレ
ンの重量平均分子量は、約2×105であった。スピン
コートした後、脱気乾燥をおこなった。得られたスピン
コート薄膜の厚みは約100nmであった。
【0025】モルフォロジー観察には、光学顕微鏡を用
いた。図5に光学顕微鏡観察したスピンコート薄膜の結
果を示す。実施例の光学顕微鏡図(図3)と比較して明
らかなように、ポリスチレンのみの薄膜では、超微粒子
であるCdSeが膜に一様に分布しており、偏在するしてい
ないことがわかった。 比較例2 パイレックスガラス基板上に4mgのTOPO被覆Cd
Seナノ粒子(粒径約3nm)と4mgのポリメチルメ
タクリレートをトルエン200μlに溶かしたトルエン
溶液を滴下し、回転数1000rpm、回転時間5mi
nの条件でスピンコート法にて薄膜を作製した。用いた
ポリメチルメタクリレートの重量平均分子量は、約2×
105であった。スピンコートした後、脱気乾燥をおこ
なった。得られたスピンコート薄膜の厚みは約100n
mであった。
【0026】モルフォロジー観察には、光学顕微鏡を用
いた。図6に光学顕微鏡観察したスピンコート薄膜の結
果を示す。実施例の光学顕微鏡図(図3)と比較して明
らかなように、ポリメチルメタクリレートのみの薄膜で
は、超微粒子であるCdSeが膜に一様に分布しており、偏
在するしていないことがわかった。
【0027】
【発明の効果】本発明の相分離材料は、自発的な相分離
構造形成を利用して、超微粒子を相分離構造の一方の相
に偏在させたものであり、この結果、周期的な誘電率分
布を形成させることができるので、フォトニックバンド
構造を有する光学材料として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】相分離構造を表す模式図である。
【図2】 超微粒子が偏在する相分離構造の作製方法を
表す模式図である。
【図3】 実施例1により得られたスピンコート薄膜の
光学顕微鏡写真である。
【図4】 実施例1により得られスピンコート薄膜から
ポリスチレンを溶出させた後の光学顕微鏡写真である。
【図5】 比較例1により得られたスピンコート薄膜の
光学顕微鏡写真である。
【図6】 比較例2により得られたスピンコート薄膜の
光学顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 11/00 G02B 6/12 N Z (72)発明者 神谷 格 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 吉江 建一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2H047 QA01 QA02 QA05 RA08 2H079 DA03 DA07 DA16 2K002 CA02 CA06 CA24 DA04 FA08 4H001 CA01 5F041 CA31 CA41 CA46 CA67

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の相が相分離構造を形成し、そ
    の少なくとも1種の相に超微粒子が偏在してなることを
    特徴とする相分離材料。
  2. 【請求項2】 相分離構造を形成する相が、それぞれ高
    分子材料、低分子材料及び無機材料から選ばれるいずれ
    かである請求項1に記載の相分離材料。
  3. 【請求項3】 相分離を構成する構造単位の特性長が、
    0.01〜1000μmである請求項1または2に記載
    の相分離材料。
  4. 【請求項4】 相分離構造を形成するそれぞれの相の屈
    折率比が1.01以上である請求項1〜3のいずれかに
    記載の相分離材料。
  5. 【請求項5】 超微粒子が、金属、半導体、酸化物、色
    素、及び高分子から選ばれる少なくとも1種である請求
    項1〜4のいずれかに記載の相分離材料。
  6. 【請求項6】 超微粒子の粒子径が0.5〜100nm
    の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の相分離材
    料。
  7. 【請求項7】 超微粒子の偏在してなる相がラメラ状、
    円柱状、及び球状のいずれかの相構造を形成してなる請
    求項1〜6のいずれかに記載の相分離材料。
  8. 【請求項8】 超微粒子が偏在してなる相において、該
    超微粒子が周期配列構造を形成してなる請求項1〜7の
    いずれかに記載の相分離材料。
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