以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置され、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘Rが遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、装飾ランプ等からなるランプ装置35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、遊技者による操作可能な遊技用操作ボタン67が設けられている。なお、図1における符号W1は遊技機の外枠、W2は外枠W1に取り付けられた前枠、Gは前記前枠W2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、アウト口48が配置されている。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42の左には左袖第1入賞口51と左袖第2入賞口52が配置され、また、大入賞口45の左右には左落とし入賞口53と右落とし入賞口54が配置されている。また、前記表示装置10の左には普通図柄変動開始用ゲート55、その下方には風車76が設けられている。前記上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、左袖第1入賞口51、左袖第2入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54は、遊技盤2に形成された遊技領域6内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当する。前記の各入賞口(入賞装置)に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出されると1入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。前記1入賞球の検出に対する賞品球の払出個数は、前記入賞口毎に設定されている。
前記表示装置10は、図柄等が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。
前記表示装置10は、左下部が普通図柄表示部50とされ、他の部分が特別図柄表示部11となっている。前記特別図柄表示部11は、当否判定の結果を表示するための識別情報を変動表示可能な表示手段に相当する。識別情報は、遊技者が識別可能なものであって、本実施例では特別図柄からなる判定図柄で構成されている。前記特別図柄表示部11には、左右に並ぶ左特別図柄(左判定図柄、左識別情報)と中特別図柄(中判定図柄、中識別情報)と右特別図柄(右判定図柄、右識別情報)が、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、判定結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が確定停止特別図柄(確定停止判定図柄、確定停止識別情報)として停止表示される。また、前記特別図柄表示部11には、前記特別図柄に加えて背景画像(キャラクター,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。
この実施例において変動および停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄は、それぞれ『1,2,3,4,5,6,7,8』の8通りの図柄とされている。本実施例では、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たりの特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せで特別図柄が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。遊技者に有利な特典は、本実施例では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
前記普通図柄表示部50は、記号或いは絵(キャラクター)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。本実施例における普通図柄表示部50に変動及び停止表示される普通図柄は、『0』と『1』の2種類からなり、小当たり(普通図柄当たり)の場合には小当たり普通図柄『1』で停止表示され、一方、小当たり外れ(普通図柄外れ)の場合には小当たり外れ普通図柄『0』で停止表示される。
前記上側始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。一方、前記下側始動入賞口42は、2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で遊技球の入賞(入球)困難な閉状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口42の可動片42a,42b間は入賞(入球)領域に相当する。前記下側始動入賞口42の開状態への移行は、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動した後、小当たりを示す特定の普通図柄(本実施例では『1』)で確定停止表示された時に行われる。
また、前記遊技盤2の背面には、前記上側始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)と、前記下側始動入賞口42へ入賞(入球)した遊技球を検出する下側始動入賞口検出スイッチ(下側始動入賞口センサ)がそれぞれの入賞球用通路に設けられている。本実施例において前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄(識別情報)の変動表示開始の起因とされ、さらには、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立に設定され、前記判定条件の成立に起因して当否判定が行われる。また、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞回数(判定条件の成立数)を特別図柄保留球数として記憶し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示を一旦保留し、前記特別図柄表示部11における前記特別図柄(識別情報)の変動開始によって、あるいは変動終了による当否判定結果の表示によって、前記特別図柄保留球数の記憶値を減算するようにしている。なお、本実施例では、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞回数記憶値の上限値(判定条件の成立数の記憶可能な最大記憶数)、すなわち特別図柄保留球数の上限値は当該変動中の記憶を除いて4に設定されている。
前記特別図柄保留球数が設定上限数まで記憶されている時には、前記上側始動入賞口あるいは下側始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、特別図柄保留球数としては記憶されない無効球とされ、その無効球については特別図柄の変動表示及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞品球(賞品遊技球)が所定数払い出される。
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球が検出されることに基づいて前記普通図柄表示部50で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、最高4回普通図柄保留球数として記憶し、普通図柄の変動開始により普通図柄保留球数を減らすようになっている。さらにまた、前記左袖第1入賞口51の入賞球を検出する左袖第1入賞口用検出スイッチ、前記左袖第2入賞口52の入賞球を検出する左袖第2入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチ及び右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に所定ラウンドとして本実施例では15ラウンド(15回)開放される。また、前記大入賞口45内には、大入賞口45に入賞した入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
なお、前記上側始動入賞口検出スイッチ、下側始動入賞口検出スイッチ、左袖第1入賞口用検出スイッチ、左袖第2入賞口用検出スイッチ、左落とし入賞口用検出スイッチ、右落とし入賞口用検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)は、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤2の表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口48から遊技盤2の裏側へ排出される。
前記遊技機1の裏側には、図2に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、ランプ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号265は外部端子、271はRAMクリアスイッチ、275は初期化表示装置、281は球貸払出装置と賞球払出装置、283は球無し検出スイッチ、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。なお各制御基板には制御回路が設けられている。前記RAMクリアスイッチ271は、後述の主制御基板200に設けられているRAMに記憶されている遊技情報を強制的に初期化するための操作スイッチである。前記初期化表示装置275は液晶または7セグメント表示装置等からなり、本発明における初期化操作手段を報知可能な報知手段に相当する。また、各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図3のブロック図を用いて簡略に示す。
前記RAMクリアスイッチ(操作スイッチ)271は、本実施例では押しボタン式からなり、本発明における複数の初期化操作手段及び報知操作部に相当し、電源基板250に設けられ、後述する制御によって初期化操作手段あるいは報知操作部として作動する。前記RAMクリアスイッチ271が初期化操作手段として作動する場合、本実施例では押下回数を異ならせることによって、複数の初期化操作手段を構成している。例えば押下回数が1回の場合を第1の初期化操作手段、2回の場合を第2の初期化操作手段、3回の場合を第3の初期化操作手段とする等である。勿論、1つの前記RAMクリアスイッチ271の押下回数によって複数の初期化操作手段を構成するのに代えて、異なる操作スイッチを複数設けて複数の初期化操作手段を構成してもよい。
主制御基板(主制御回路)200は、本発明において遊技情報に従って遊技の制御を行う遊技制御装置に相当し、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、遊技情報や入球検出等の入力信号に従って遊技を制御すると共に、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置であり、ランプ制御基板205、表示制御基板210、払出制御基板240、初期化操作表示装置275、RAMクリアスイッチ271(電源基板250)と接続され、また中継回路を介して始動入賞口(上側始動入賞口41、下側始動入賞口42)や大入賞口等と接続されている。前記主制御基板200のCPUは制御プログラムを実行して遊技情報に従って遊技に関わる主制御を行う。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部,演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、乱数値も生成し、また制御信号(コマンドとも称される)を接続されている各基板(各制御装置)等へ出力(送信)可能に構成されている。なお、前記主制御基板200のCPUは、小当たり(普通図柄当たり)の当否判定や、大当たりの当否判定を行う当否判定手段としても機能する。
前記主制御基板200から出力される制御信号には制御装置に対する設定や動作を行わせるための指令信号と、遊技状態の情報を少なくとも含む遊技情報の信号とが少なくとも含まれる。前記指令信号としては、前記特別図柄表示部11で特別図柄(識別情報)を変動態様に基づいて変動表示させるための変動コマンド、当否判定結果が大当たりの場合に特別遊技を実行させるための大当たりコマンド、前記表示装置10で客待ち状態の表示を行うための客待ちコマンドを挙げることができる。一方、前記遊技情報としては、大当たりの確率(後述の通常状態又は確変状態)、大当たりによって行われる大当たり状態や各種乱数の更新・取得情報や入賞・払出情報等の遊技に関する情報が挙げられる。
前記RAMは、本発明において、遊技情報を記憶し、主電源からの電源が遮断された際に遊技情報を記憶する記憶手段、及び当否数値記憶手段に相当する。前記RAMには、遊技情報を記憶する記憶領域、前記始動入賞口検出スイッチで検出された遊技球の前記特別図柄保留球数の記憶領域、普通図柄変動開始スイッチで検出された遊技球の普通図柄保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値(数値データ)用の記憶領域、遊技に必要な遊技データ等の各種データ等を一時的に記憶する記憶領域、フラグ及びCPUの作業領域を備える。
前記ROMは、前記CPUのための制御プログラムや制御データ、前記特別図柄表示部11での変動表示に関する変動態様や図柄データ等が書き込まれている他、大当たり及び小当たりの判定値等が書き込まれている。
ランプ制御基板205は、前記主制御基板200からの制御信号に基づいてランプ装置35の点灯を制御する。前記ランプ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
表示制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記主制御御基板200を結ぶ入力回路と前記表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記表示制御基板200から出力される制御信号(コマンド)に基づき、前記表示装置10に対して表示の制御を行う。前記表示装置10は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
前記表示制御基板210のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記表示制御基板210は、前記表示制御基板200からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部11に出力される。
音声制御基板220は、前記表示制御基板200から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ38に出力する。
払出制御基板240は、遊技球の払出を制御する払出制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有する。前記払出制御基板240は前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される制御信号を受信して払出装置281を制御する。前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板240のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記払出制御基板240のRAMは、種々の入賞口への入賞検出に基づき前記払出装置281により払い出される賞品球の払出個数を、1入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。
電源基板250は、遊技機1の外部より供給される主電源から遊技機1に適する所要の電源(所定電圧の遊技機用電源)を生成して主制御基板200や表示制御基板210、ランプ制御基板205、音声制御基板220、払出制御基板240等に供給する。前記主電源は、遊技店側で所要の電圧、本実施例では直流(AC)24Vに変換されて供給される。
前記電源基板250は、本発明における電源手段に相当し、図4に示すように、AC24Vの主電源を受電回路で受電し、各制御基板等に必要な電源を電源回路で生成する。また、前記受電回路には、遊技機の電源スイッチ(図2に示す符号272)が接続され、前記電源スイッチ272の操作により、遊技機1の電源ON・OFFが可能になっている。また、前記電源回路に接続されたバックアップ回路が設けられている。バックアップ回路は、前記電源回路で生成された遊技制御装置(主制御基板及び払出制御基板)に必要な電圧を蓄え(充電し)ながら、常にバックアップの対象となる遊技制御装置(主制御基板及び払出制御基板)のRAMにバックアップ電源(例えば5V)を供給し、電源断時にもRAMに電源を供給して記憶を維持できるようにしている。また、前記電源回路には電源監視回路が接続されている。電源監視回路は、電源断検出手段とリセット信号発生手段を有する。電源断検出手段は、電源断を検出した際に電源断信号を主制御基板200及び払出制御基板240へ出力する。一方、リセット信号発生手段は、発生させたリセット信号を主制御基板200、ランプ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240に出力する。また、前記電源基板250には、RAMクリアスイッチ信号生成回路を有し、前記RAMクリアスイッチ271の操作に基づいて生成したRAMクリアスイッチ信号を前記主制御基板200及び払出制御基板240へ出力するように構成されている。
電源基板250の制御について簡単に説明する。前記電源監視回路は主電源の電圧(例:24V(最大34V))が所定時間(例:25ms)に亘って検出されない場合、遊技制御装置(主制御基板200及び払出制御基板240)に電源断信号を送信する。遊技制御装置(主制御基板200及び払出制御基板240)は、電源断信号を受信すると、電源断の処理を開始する。前記電源基板250は、主電源からの電源が断たれても、遊技制御装置において電源断の処理が可能な電圧を蓄えている。電源断処理の開始から予め定められた所定時間(遅延時間)(例:80ms)経過後に、電源監視回路から全ての制御基板にリセット信号(CPUの停止のための信号)が送信されて電源断の処理が終了する。なお、電源断信号を送信してからリセット信号を送信するまでの時間は、電源断の処理が全て終了するまでの時間に設定されている。
電源投入時には、リセット解除のために、主電源の電圧(例:24V)が所定電圧(例:12V)以上に上昇すると、予め定めた所定時間(遅延時間)(例:60ms)後に、電源断信号とリセット信号(CPUの開始の為の信号)をほぼ同時に送信して、電源投入時の処理を開始する。この場合における所定時間(遅延時間)は、主電源の電圧が12V以上になってから24V位になるまでの時間に設定されている。
前記主制御基板200に設けられている乱数用カウンタとして、大当たり乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、変動態様乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタ、操作スイッチ押下乱数用カウンタ等がある。
大当たり乱数用カウンタは、当否判定手段による大当たりの判定に用いられ、‘0’〜‘629’の乱数からなる。前記大当たり乱数用カウンタの乱数(大当たり乱数)は、遊技機の電源投入時に
‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり乱数値は前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42に起因して取得され、その取得値が前記低確率状態(2/630の確率)時には大当たり成立数値として設定されている‘396’〜‘397’の何れかと一致すれば大当たりとなり、一方高確率状態(12/630の確率)時には、大当たり成立数値として設定されている‘386’〜‘397’の何れかと一致すれば大当たりとなる。前記大当たり乱数(大当たり乱数用カウンタの数値)は、当否用の数値データに相当する。
大当たり図柄乱数用カウンタは、大当たりの当否判定結果が当たりの場合に、前記特別図柄表示部11に確定停止して揃う大当たり図柄組合せを決定するものであり、‘0’〜‘7’の乱数からなる。この大当たり図柄乱数値は、電源投入時に‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘7’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり図柄乱数値は前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。前記大当たり図柄乱数値には、大当たりの当否判定結果が当たりの場合に、前記特別図柄表示部11で停止表示される大当たり図柄組合せが割り当てられている。本実施例では、‘0’の場合には大当たり図柄組合せが‘1,1,1’となる1のぞろ目(全図柄同一)、‘1’の場合には‘2,2,2’となる2のぞろ目、‘2’の場合には‘3,3,3’となる3のぞろ目、‘3’の場合には‘4,4,4’となる4のぞろ目、‘4’の場合には‘5,5,5’となる5のぞろ目、‘5’の場合には‘6,6,6’となる6のぞろ目、‘6’の場合には‘7,7,7’となる7のぞろ目、‘7’の場合には‘8,8,8’となる8のぞろ目からなる大当たり図柄組合せが割り当てられている。
リーチ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による大当たりの当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、‘0’〜‘126’の乱数からなる。本実施例におけるリーチ状態は、前記特別図柄表示部11で変動停止表示される左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄のうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄と右特別図柄)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当たりの特別図柄組合せと等しくなる状態であり、最終的に大当たりの特別図柄組合せとなる場合と外れの特別図柄組合せとなる場合が含まれる状態)をいう。このリーチ乱数用カウンタの乱数(リーチ乱数)は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘126’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。リーチ乱数は、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、当否判定結果が外れの場合に、取得した数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ有無が判断される。本実施例ではリーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’に設定されている。
特別図柄データ乱数用カウンタは、前記大当たり乱数値による大当たり判定結果が外れとなる場合において、前記特別図柄表示部11に停止表示する外れの特別図柄組合せの決定に用いられるものであり、前記特別図柄表示部11に停止表示する左特別図柄を決定する特別図柄データ1の乱数用カウンタと、中特別図柄を決定する特別図柄データ2の乱数用カウンタと、右特別図柄を決定する特別図柄データ3の乱数用カウンタとより構成され、各特別図柄データ乱数用カウンタは、‘0’〜‘7’の乱数からなる。
前記特別図柄データ1の乱数は、電源投入時に、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに
‘1’ずつ加算され、‘7’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、前記特別図柄データ2の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって、前記特別図柄データ1の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘7’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。さらに、前記特別図柄データ3の乱数は、電源投入時あるいはリセット処理後に‘0’から始まって、前記特別図柄データ2の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘7’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。これによって、特別図柄データ1〜3の乱数範囲が同一であっても、当該特別図柄データ1〜3の乱数が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
前記特別図柄データ1〜3の各乱数は‘0’の場合には1、‘1’の場合には2、‘2’の場合には3、‘3’の場合には4、‘4’の場合には5、‘5’の場合には6、‘6’の場合には7、‘7’の場合には8というように、当否判定結果の外れ時に前記特別図柄表示部11に停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる識別情報が割り当てられている。前記特別図柄データ1〜3の乱数は、後述の特別図柄選択処理(S160−4−3)で取得される。取得した特別図柄データ1〜3の乱数の組合せによって、外れ時に前記特別図柄表示部11に表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる識別情報が定まる。
変動態様乱数用カウンタは、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動態様を変動態様テーブルから選択する際に用いられるものであり、‘0’〜‘198’の変動態様乱数値を備える。この変動態様乱数値は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘198’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。前記変動態様乱数用カウンタの乱数値(変動態様乱数値)は、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42に起因して取得される。
変動態様テーブルは複数設けられ、各変動態様テーブルは、前記特別図柄表示部11に表示する特別図柄の変動態様の複数で構成されており、前記主制御基板200のROMに記憶されている。前記変動態様テーブルからの変動態様の選択は、本実施例では、確変中(高確率状態中)か否か、及び当否判定結果が当たりか外れかに応じて選択された変動態様テーブルから、変動態様乱数値に基づいて1つの変動態様が選択されるようになっている。なお、変動態様テーブル内の各変動態様には変動態様乱数値が割り当てられており、取得した変動態様乱数値と対応する変動態様が選択される。また、各変動態様には特別図柄を所定の態様で変動表示させる変動時間がそれぞれ設定されており、変動開始時に予め変動時間が定められる。本実施例において設けられている変動態様テーブルとしては、通常当たりテーブル、通常リーチ外れテーブル、通常外れテーブル、確変当たりテーブル、確変リーチ外れテーブル、確変外れテーブルがある。
なお、取得された大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値については、それぞれ最大4個、前記主制御基板200のRAMにおける該当領域に、前記保留球数と対応させて格納され、順次使用される。
普通図柄乱数用カウンタは、小当たり(普通図柄当たり)を判定するもので、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに
‘1’ずつ加算され、‘299’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この普通図柄乱数値は、前記普通図柄変動開始用ゲート55を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御基板200のRAMの普通図柄乱数値記憶領域に格納される。取得された普通図柄乱数値が、低確率状態時には小当たり成立数値として設定されている‘5’と一致すれば小当たり(普通図柄当たり)となり、一方、高確率状態時には小当たり成立数値として設定されている‘5’〜‘24’、‘105’〜‘124’、‘205’〜‘224’と一致すれば、小当たり(普通図柄当たり)となる。
操作スイッチ押下乱数用カウンタは、初期化操作手段を選択するためのものであり、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まって後述の操作スイッチ押下乱数更新処理ごとに‘1’ずつ加算され、‘10’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この操作スイッチ押下乱数値は、後述の電源断監視処理において電源基板250から電源断信号が入力した際(電源断時)に取得されて、前記主制御基板200のRAMの格納データ記憶領域に記憶され、バックアップ電源によって電源断の間も記憶される。前記‘1’〜‘10’の操作スイッチ押下乱数は、本発明において、予め設定された数値範囲内の数値データに相当する。なお、大当たり乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、変動態様乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタにおける各乱数も、予め設定された数値範囲内の数値データに相当する。
ここで前記遊技機1における遊技について簡略に説明する。前記遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では『1』で停止し、前記下側始動入賞口42の2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞困難な閉状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態に変化する。前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
前記小当たりの確率及び小当たり時における始動入賞口42の開放時間及び開放回数は、小当たり時における大当たりに対する確率状態によって異なる。大当たりに対する確率が、2/630の通常確率(低確率)状態の場合には、小当たりの確率が1/300、下側始動入賞口42の開放時間1秒、下側始動入賞口42の開放回数1回に設定され、一方、大当たりに対する確率が、12/630の確変(高確率)状態の場合には、小当たりの確率が1/5、下側始動入賞口42の開放時間2秒、下側始動入賞口42の開放回数3回に設定されている。大当たりに対する確率は、後述のように、前記特別図柄表示部11で停止表示された特別図柄が奇数のぞろ目の場合に確変(高確率)状態となり、一方、停止表示された特別図柄が偶数のぞろ目の場合に通常(低確率)状態に設定され、その確率が次の大当たりまで維持される。
また、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞(判定条件が成立)すると、特別図柄保留球数が4以上でなければ大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値等が取得されて入賞回数が1加算されて、すなわち本実施例では特別図柄保留球数が1加算されて、前記主制御基板200のRAMに、最大4となるまで記憶される。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば取得している大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動態様乱数値に基づいて変動態様テーブルから1つの変動態様が抽選で選択される。そして選択された変動態様に基づいて前記表示装置10の特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示が開始される。前記特別図柄保留球数は、本実施例では前記当否判定結果に基づく特別図柄の変動表示が行われることにより前記主制御基板200のRAMから1減算される。
選択された変動態様に設定されている変動時間の経過(変動時間の終了)により、前記特別図柄表示部11で特別図柄が停止表示される。その際、外れの場合には前記特別図柄表示部11に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が外れ図柄組み合わせ(ぞろ目以外の状態)で停止し、大当たり遊技(特別遊技)に移行することがない。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば、再び取得している大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動態様乱数値に基づいて変動態様テーブルから1つの変動態様が抽選で選択され、選択された変動態様に基づいて前記表示装置10の特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示が開始される。なお、主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が0の場合には、その後に前記上側始動入賞口41あるいは上側始動入賞口42に遊技球が入賞して、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上となるまで、前記当否判定及び特別図柄の変動表示が行われない。
一方、当否判定結果が大当たりの場合には、前記特別図柄表示部11に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄組み合わせ(本実施例ではぞろ目)で停止し、大当たり遊技(特別遊技)に移行する。
大当たり遊技状態になると、前記大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口45へ入賞可能にし、該大入賞口45への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板46は、所定時間(例えば15秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、15ラウンド、前記開閉板46の開閉を繰り返す。
前記大当たりには通常大当たりと確変大当たりとがある。通常大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後、次に大当たりになるまで大当たりの確率が低確率(本実施例では2/630)とされるのに対して、確変大当たりの場合には、大当たり遊技の終了後、次に大当たりになるまで大当たりの確率が高確率(本実施例では12/630)に設定される。前記特別図柄表示部11に『2,2,2』等、偶数のぞろ目からなる通常大当たり図柄(通常大当たり識別情報)が表示されると通常大当たりとなり、一方、前記特別図柄表示部11に『1,1,1』等、奇数のぞろ目からなる確変大当たり図柄(特別大当たり識別情報)が表示されると確変大当たりとなる。
大当たり遊技の終了後、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば、再び前記と同様に取得している大当たり乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果及び変動態様乱数値に基づいて変動態様テーブルから1つの変動態様が選択され、選択された変動態様に基づいて前記表示装置10の特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示が開始される。
前記遊技機1における初期化操作の例について簡略に説明する。本実施例では、遊技機1の電源投入時に電源スイッチ272をONにした時、若しくは停電等後の電源復電時に、選択した初期化操作手段を前記初期化表示装置275で表示させるか否かを選択することができる。選択した初期化操作手段を前記初期化表示装置275で表示させる場合、本実施例では、前記RAMクリアスイッチ271の押下回数が複数の押下回数からランダムに選択され、その選択された押下回数が前記初期化表示装置275に表示される。本実施例では、前記RAMクリアスイッチ271の1つの押下回数が1つの初期化操作手段を構成している。例えば、押下回数が1回の場合と、3回の場合とは、2つの初期化操作手段となる。従って、前記初期化表示装置275に押下回数を表示することは、複数の初期化操作手段から選択した初期化操作手段を報知することになる。
第1実施例では、前記初期化表示装置275に押下回数(選択された初期化操作手段)が表示された後、所定時間内に前記RAMクリアスイッチ271を前記初期化表示装置275で表示された押下回数で押下(操作)することにより、前記主制御基板200のRAMに記憶されている遊技情報を初期化することができ、不正による初期化を防止可能になっている。更に、所定時間内だけ前記RAMクリアスイッチ271による初期化操作が有効なため、その所定時間内だけ確認すればいいので処理の負担を軽減することが可能となる。
第2実施例では、正しい押下回数(初期化操作手段)は、遊技機1の前回の電源断時、あるいは前回の電源投入時に選択されてその前回の電源投入時に前記初期化表示装置275に表示された押下回数(初期化操作手段)とされ、一方、今回の電源投入時には、今回の電源投入時あるいは電源断時に選択された押下回数(初期化操作手段)が前記初期化表示装置275に表示される。つまり、前記初期化表示装置275に表示された押下回数(初期化操作手段)は次回の電源投入時に反映されるように構成されている。従って、前記初期化表示装置275に前回表示された押下回数(初期化操作手段)を書き留めておいて、今回の電源投入時に前記RAMクリアスイッチ271を操作しなければ初期化させることができず、もし、今回初期化表示装置275に表示された押下回数でRAMクリアスイッチ271の操作をした場合には初期化されないため、不正による初期化をより効果的に防止可能になっている。
また、前記RAMクリアスイッチ271による押下回数を所定回数間違えた場合には、前記表示装置10やスピーカ38あるいはランプ装置35等の異常報知手段で異常報知され、不正による初期化がより効果的に防止可能になっている。なお、所定時間内に前記RAMクリアスイッチ271を正しく操作しなかった場合には、初期化を行うことなく、その後の制御が行われる。
次に、前記遊技機1の制御処理に関して説明する。前記主制御基板200は、前記ROMに記憶されている制御用プログラムに従い前記マイクロコンピュータのCPUにより制御処理を行う。図5及び図6は前記主制御基板200が行う第1実施例に係るメイン処理Mのフローチャートである。第1実施例は、前記のように、前記初期化表示装置275に今回表示した押下回数(初期化操作手段)を、今回の初期化ためのRAMクリアスイッチ271の押下回数(初期化操作手段)とする例である。
メイン処理Mでは、まずCPU等の初期設定(S11)が行われる。初期設定(S11)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。なお、電源投入時のみに必要な処理は、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
次に、格納データ表示許可受付時間の設定が行われる(S12)。ここで設定される時間(例えば3秒)は、選択された初期化操作手段(押下回数)を前記初期化表示装置275に表示させるか否かを、前記RAMクリアスイッチ271の操作(押下)によって任意に選択可能な時間である。また、前記初期化表示装置275に表示させる初期化操作手段(押下回数)は、後述のように電源断時に前記主制御基板200のRAMに格納された操作スイッチ押下乱数値と対応する押下回数である。
次に、前記格納データ表示許可受付時間の減算が行われ(S13)、前記RAMクリアスイッチ(操作スイッチ)271が押下されたか判断される(S14)。なお、図5等のフローチャートにおける「操作スイッチ」は、本実施例では「RAMクリスイッチ」に相当する。例えば、図5等のフローチャートにおける「操作スイッチ押下」は、本実施例では「RAMクリアスイッチ押下」である、また、フローチャートの「操作スイッチ操作時間」は、本実施例では「RAMクリアスイッチ操作時間」である。前記格納データ表示許可受付時間の減算処理(S13)は、本発明において初期化選択手段によって選択された初期化操作手段を報知するための設定期間の経過を計時する計時手段に相当する。また、前記RAMクリアスイッチ271の押下判断(S14)は、本発明において報知操作部が操作されたか否かを判定する報知操作部判定手段に相当する。前記RAMクリアスイッチ271が押下されていない場合、格納データ表示許可受付時間が経過(終了)したか判断され(S15)、経過していない場合には、前記格納データ表示許可受付時間の減算(S13)、前記RAMクリアスイッチ271の押下判断(S14)、格納データ表示許可受付時間が経過(終了)したかの判断(S15)が、前記格納データ表示許可受付時間が経過するまで繰り返される。
前記RAMクリアスイッチ271が押下されることなく前記格納データ表示許可受付時間が経過した場合には、今回は初期化処理を行わないとみなして電源復帰時に必要な復電処理(S29)が行われる。復電処理では、電源断時にRAMに記憶された遊技情報に従う遊技状態に戻す。一方、格納データ表示許可受付時間内にRAMクリアスイッチ271が押下されたと判断される(S14)と、操作スイッチ操作時間(例えば6秒)が設定され(S16)、主制御基板200のRAMに格納されている格納データが読み込まれる(S17)。格納データは本発明における数値データに対応する。なお、前記S14で格納データ表示許可受付時間内にRAMクリアスイッチ271が押下されたと判断されることは、前記初期化表示装置275で押下回数(初期化操作手段)を報知することを決定することに相当する。本実施例において読み込まれる格納データは、遊技機1の電源断時に取得されて主制御基板200のRAMに前記バックアップ電源により記憶されている操作スイッチ押下乱数値である。次に、S17で読み込まれた格納データの数値、すなわち操作スイッチ押下乱数値に対応した操作スイッチ押下回数が指定回数Xに設定される(S18)。本実施例では、操作スイッチ押下乱数値の値が、そのまま操作スイッチ押下回数とされている。例えば、操作スイッチ押下乱数値が1の場合には操作スイッチ押下回数が1回とされる。また、前記操作スイッチ押下乱数値に対応した操作スイッチ押下回数が、前記初期化表示装置275で表示(報知)される(S19)。前記読み込まれた格納データの数値に対応した操作スイッチ押下回数を指定回数Xに設定する処理(S18)は、本発明における複数の初期化操作手段の中から少なくとも一つの初期化操作手段を選択する初期化選択手段に相当する。
その後、操作スイッチ操作時間が減算され(S20)、RAMクリアスイッチ271が押下されたか判断される(S21)。RAMクリアスイッチ271が押下された場合、操作スイッチ押下回数に1加算され(S22)次に、操作スイッチ操作時間が経過したか判断される(S23)。一方、RAMクリアスイッチ271が押下されていない場合、操作スイッチ押下回数に1加算されること無く、操作スイッチ操作時間が経過したか判断される(S23)。設定された操作スイッチ操作時間が経過していない場合、操作スイッチ操作時間が経過するまで、前記S20からS23まで繰り返される。操作スイッチ操作時間が経過したと判断された場合、前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271押下回数)、すなわち前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ(RAMクリアスイッチ271)の合計押下回数が0か判断され(S24)、操作スイッチ押下回数(合計押下回数)が0の場合(1回も押下されなかった場合)には、復電処理(S29)が実行される。
一方、S24で前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271の合計押下回数)が0ではないと判断されると、前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271の合計押下回数)Vが前記指定回数Xと一致するか判断され(S25)、一致しないと判断された場合にはエラーカウンタが1加算される(S26)。前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271の合計押下回数)Vが前記指定回数Xと一致するか否かの判断(S25)は、初期化選択手段により選択された初期化操作手段に対応した操作を行ったか否かを判定する操作判定手段に相当し、また、初期化選択手段により選択された初期化操作手段に対応した操作ではない異常か否かを判定する異常操作判定手段にも相当する。なお、一致しないと判断されることは異常と判定されることに相当する。また、エラーカウンタの数値は異常回数に相当する。次に前記エラーカウンタの数値(異常回数)が3以上か判断され(S27)、3未満の場合には復電処理(S29)が行われ。それに対して前記エラーカウンタの数値(異常回数)が3以上の場合には、RAMクリア操作エラーが前記表示装置10やスピーカ38、ランプ装置35等により報知され(S28)、その後に復電処理(S29)が行われる。
前記復電処理(S29)が行われた後に、割り込み禁止処理(S30)、操作スイッチ押下乱数更新処理(S31)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S32)、割り込み許可(S33)がループ処理で行われ、このループ処理の間に割り込み処理(S100)が行われる。
また、S25で操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271の合計押下回数)Vが前記指定回数Xと一致すると判断されると、初期化処理が行われ(S34)、主制御基板200のRAMに記憶されている遊技情報が初期化される。前記初期化処理(S34)は、本発明における初期化実行手段に相当する。また、前記初期化の際に前記エラーカウンタの数値が初期化されると共に前記操作スイッチ押下乱数値が格納されていたRAMの記憶領域も初期化される。その後、割り込み禁止処理(S30)、操作スイッチ押下乱数更新処理(S31)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S32)、割り込み許可(S33)がループ処理で行われ、このループ処理の間に割り込み処理(S100)が行われる。
前記割り込み禁止処理(S30)では、2msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。操作スイッチ押下乱数更新処理(S31)では、‘1’〜‘10’の操作スイッチ押下乱数値が、電源投入時の‘1’から始まって前記操作スイッチ押下乱数更新処理(S31)毎に1加算され、‘10’に至ると再び‘1’からの加算が繰り返され、更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。操作スイッチ押下乱数更新処理(S31)は、本発明における数値データ更新手段に相当する。
前記普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S32)では、種々の乱数が普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S32)ごとに1加算され、前記のように各乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻って再び加算が行われる。前記普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S32)は当否数値更新手段に相当する。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶され、電源断の間もバックアップ電源により記憶される。割り込み許可処理(S33)では、2msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して割り込みの許可をする。
割り込み処理(S100)では、図7に示すように、出力処理(S110)、入力処理(S120)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)、始動入賞口スイッチ検出処理(S140)、普通動作処理(S150)、特別動作処理(S160)、保留球数処理(S170)、電源断監視処理(S180)、その他の処理(S190)が順に行われる。
出力処理(S110)では、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)や取得された数値データ等が各制御基板に送信される。
入力処理(S120)では、遊技機1に取り付けられている各種センサ(スイッチ)が検知した場合の信号入力が行われる。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)では、前記メイン処理におけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S32)と同様の処理が行われる。ここでの普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)も当否数値更新手段に相当する。
始動入賞口スイッチ検出処理(S140)では、図8に示すように、前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出されたか判断される(S140−1)。前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出されていない場合には、上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞があったか確認され(S140−3)、一方、前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出された場合には、ゲート通過処理(S140−2)が行われた後に上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞があったか確認される(S140−3)。
ゲート通過処理(S140−2)では、図9に示すように、前記普通図柄保留球数が現在の普通図柄変動中と対応するものを除いて4以上か判断され(S140−2−1)、4以上の場合にはこのゲート通過処理(S140−2)が終了する。一方、前記普通図柄保留球数が4未満であれば普通図柄保留球数に1加算され(S140−2−2)、普通図柄乱数値が取得され、取得した普通図柄乱数値が主制御基板200のRAMにおける対応する領域に記憶され(S140−2−3)。このゲート通過処理(S140−2)が終了する。
前記始動入賞口スイッチ検出処理(S140)におけるS140−3で、上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が無いと判断されると、この始動入賞口スイッチ検出処理(S140)が終了する。一方、上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が有ると判断された場合は、特別図柄保留球数が現在の特別図柄変動中と対応するものを除いて4以上か確認される(S140−4)。4以上の場合にはこの始動入賞口スイッチ検出処理(S140)が終了する。一方、4未満の場合には、特別図柄保留球数に1加算され(S140−5)、次の特別図柄関係乱数取得処理により、特別図柄関係乱数(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動態様乱数値等)が取得されて主制御基板200のRAMの対応する領域に記憶され(S140−6)、この始動入賞口スイッチ検出処理(S140)が終了する。前記特別図柄関係乱数取得処理(S140−6)による特別図柄関係乱数(大当たり乱数値)の取得は、当否数値取得手段に相当し、また取得した特別図柄関係乱数値をRAMに記憶する処理は、当否数値記憶手段による当否用の数値データを記憶する処理である。また、RAMに記憶された特別図柄関係乱数値は電源断の間もバックアップ電源により記憶される。
普通動作処理(S150)では、図10に示すように、まず下側前記始動入賞口42が開放中か確認される(S150−1)。前記下側始動入賞口42が閉鎖中であれば、普通図柄保留球数が0か確認され(S150−2)、0であればこの普通動作処理(S150)が終了する。一方、普通図柄保留球数が0では無い場合には、前記ゲート通過処理(S140−2)の普通図柄乱数取得処理(S140−2−3)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている取得普通図柄乱数値が読み出され(S150−3)、次に現在確変中(高確率状態)か確認される(S150−4)。確変中ではない低確率状態の場合、前記取得普通図柄乱数値が低確率状態時の小当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での小当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S150−5)。外れの場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、小当たりの場合には、下側始動入賞口42を開放時間1秒、開放回数1回で開放する始動入賞口開放処理1が行われ(S150−6)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。それに対して、S150−4で確変中(高確率状態)と判断されると、前記取得普通図柄乱数値が高確率状態時の小当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での小当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S150−7)。外れの場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、小当たりの場合には、下側始動入賞口42を開放時間2秒、開放回数3回で開放する始動入賞口開放処理2が行われ(S150−8)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。
また、S150−1で下側始動入賞口42が開放中と判断されると、下側始動入賞口42の開放時間が経過(終了)したか確認され(S150−9)、下側始動入賞口開放時間が経過していない場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、下側始動入賞口開放時間が経過した場合には、下側始動入賞口42を閉鎖する処理が行われ(S150−10)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。
特別動作処理(S160)では、図11に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S160−1〜S160−3)。前記特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S160−4)が行われ、前記特別動作ステータスが2の場合には変動中処理(S160−5)が行われ、前記特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S160−6)が行われ、前記特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S160−7)が行われる。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S160−4)では、図12に示すように、特別図柄保留球数が0か否か判断され(S160−4−1)、特別図柄保留球数が0の場合には前記特別図柄表示部11が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中か否か判断され(S160−4−9)、待機画面(待ち受け画面)中であれば、この特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合には前記特別図柄表示部11を待機画面(待ち受け画面)にするため、待機画面設定処理が行われ、客待ち状態にするための遊技状態情報コマンドが送信バッファに格納され、客待ちコマンド(指令信号)が送信バッファに格納される(S160−4−10)。その後にこの特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。前記遊技状態情報コマンドは、遊技状態の情報からなる制御信号(遊技情報信号)である。前記送信バッファは、前記主制御基板200のRAMに設けられている記憶領域の一部である。
それに対して前記S160−4−1で特別図柄保留球数が0ではないと判断された場合には、特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が行われる。
特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)では、図13に示すように、まず、前記始動入賞口検出処理(S140)の特別図柄関係乱数取得処理(S140−6)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている大当たり乱数値が読み出され(S160−4−2−1)、現在確変中(高確率状態)か確認される(S160−4−2−2)。確変中ではない低確率状態の場合、前記取得大当たり乱数値が低確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S160−4−2−3)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が終了する。それに対して、S160−4−2−2で確変中(高確率状態)と判断されると、前記取得大当たり乱数値が高確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S160−4−2−4)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)が終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)は、当否判定手段に相当する。
前記特別図柄大当たり判定処理(S160−4−2)の次に特別図柄選択処理(S160−4−3)が行われる。
特別図柄選択処理(S160−4−3)では、前記特別図柄表示部11で停止表示する特別図柄が決定される。前記特別図柄選択処理(S160−4−3)では、図14に示すように、まず大当たりフラグがONか判断され(S160−4−3−1)、大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には先に取得された前記大当たり図柄乱数に基づく特別図柄が停止特別図柄としてセットされる(S160−4−3−2)。一方、大当たりフラグがONではない、すなわち外れの場合には、特別図柄データ乱数値(特別図柄データ1、特別図柄データ2、特別図柄データ3)を取得して前記特別図柄データ1と特別図柄データ2と特別図柄データ3の乱数値が全て一致しているか判断され(S160−4−3−3)、一致している場合には先に取得されたリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−3−4)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−3−5)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−3−6)。
前記S160−4−3−3で特別図柄データ1と2と3の乱数値が一致していないと判断された場合には、特別図柄データ1と3の乱数値が一致しているか判断される(S160−4−3−7)。特別図柄データ1と3の乱数値が一致している場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−3−8)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−3−9)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−3−6)。
前記S160−4−3−7で特別図柄データ1と3の乱数値が一致していない、すなわち特別図柄データ1,2,3が全て異なると判断された場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−3−10)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄と停止右特別図柄にセットされると共に、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄にセットされる(S160−4−3−11)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−3−9)。
前記特別図柄選択処理(S160−4−3)の次に特別図柄変動態様選択処理(S160−4−4)が行われる。
特別図柄変動態様選択処理(S160−4−4)は、変動態様選択手段に相当する。特別図柄変動態様選択処理(S160−4−4)では、図15に示すように、確変中(高確率状態)か確認される(S160−4−4−1)。確変中か否かは確変フラグによって行われ、確変フラグがONの場合には確変中(高確率状態)と判断され、一方、OFFの場合には通常状態(低確率状態)と判断される。通常状態(低確率状態)と判断された場合には、大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S160−4−4−2)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、通常当たりテーブルから変動態様乱数値に基づいて当たりの変動態様が選択される(S160−4−4−3)。それに対し、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、ロードしたリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致するか否か(リーチ成立か不成立か)判断される(S160−4−4−4)。リーチ成立の場合には、通常リーチ外れテーブルより変動態様乱数値に基づいて変動態様が選択され(S160−4−4−5)、リーチ不成立の場合には、通常外れテーブルより変動態様乱数値に基づいて変動態様が選択される(S160−4−4−6)。
一方、S160−4−4−1で確変中(高確率状態)と判断されると、次に大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S160−4−4−7)。大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、ロードした変動態様乱数値に基づき、確変当たりテーブルより変動態様が選択される(S160−4−4−8)。それに対し、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、ロードしたリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致するか否か(リーチ成立か不成立か)判断される(S160−4−4−9)。リーチ成立の場合には、確変リーチ外れテーブルより変動態様乱数値に基づいて変動態様が選択され(S160−4−4−10)、リーチ不成立の場合には、確変外れテーブルより変動態様乱数値に基づいて変動態様が選択される(S160−4−4−11)。変動態様がセットされた後、その他の処理(S160−4−4−12)が行われる。
前記特別図柄変動態様選択処理(S160−4−4)に次いで特別図柄乱数シフト処理(S160−4−5)が行われる。
特別図柄乱数シフト処理(S160−4−5)では、前記主制御基板200のRAMにおける特別図柄保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄変動保留のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄変動保留のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図16に示すように、まず、当否判定手段の判定結果に基づく特別図柄(識別情報)の変動表示が行われることにより、前記主制御基板200のRAMに記憶されていた前記特別図柄保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S160−4−5−1)、次に各保留に対応するデータが各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトされ(S160−4−5−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の保留に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S160−4−5−3)。
前記特別図柄乱数シフト処理(S160−4−5)に次いで、特別図柄変動開始処理(S160−4−6)が行われる。特別図柄変動開始処理(S160−4−6)では、特別図柄の変動開始に必要なコマンドの準備などの設定が行われる。
前記特別図柄変動開始処理(S160−4−6)の次に、特別動作ステータスが2に設定され(S160−4−7)、待機中が解除され(S160−4−8)、前記特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
前記特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S160−5)では図17に示すように、まず特別図柄の変動時間が終了したか否か判断され(S160−5−1)、変動時間が終了していなければこの変動中処理(S160−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止コマンドがセットされる(S160−5−2)。続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S160−5−3)、その他必要な処理(S160−5−4)が行われた後に、この変動中処理(S160−5)が終了する。
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S160−6)では図18に示すように、大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S160−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、ラウンドカウンタがセットされ(S160−6−2)、特別動作ステータスが4にセットされた(S160−6−3)後、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。一方、大当たりフラグがOFF、すなわち外れの場合には、特別動作ステータスが1にセットされた(S160−6−4)後、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。
前記特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S160−7)では、図19に示すように、確変フラグがOFFにされ(S160−7−1)、前記特別図柄表示部11で大当たりオープニングが実施されたか確認される(S160−7−2)。大当たりオープニングが実施されていない場合には大当たりオープニングが実施され(S160−7−3)、その後に大入賞口45が開放中か否か判断され(S160−7−4)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口45の開放時間か否か判断される(SS160−7−5)。大入賞口45の開放時間の場合には大入賞口の開放処理が行われ(S160−7−6)、その後にこの特別電動役物処理(S160−7)が終了する。それに対して大入賞口45の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
一方、前記S160−7−4で大入賞口45が開放中と判断されると、大入賞口45に10個遊技球が入賞(S160−7−7)、若しくはラウンド終了時間(本実施例では30秒)経過(S160−7−8)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了し、それに対して大入賞口45に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S160−7−9)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S160−7−10)が行われる。なお、前記大入賞口閉鎖処理(S160−7−9)では、大入賞口閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S160−7−11)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S160−7−12)が行われる。その後、確変・非確変設定処理(S160−7−13)が行われ、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
前記確変・非確変設定処理(S160−7−13)では、図20に示すように、まず停止図柄(取得した特別図柄乱数の大当たり図柄)が確変図柄(奇数のぞろ目)か否か判断され(S160−7−13−1)、停止図柄確変図柄の場合には確変フラグがONにされ(S160−7−13−2)、一方、停止図柄が確変図柄とは異なる場合には確変フラグがOFFにされ(S160−7―13−3)、その後に特別動作ステータスが1にセットされ(S160−7−13−4)、この確変・非確変設定処理(S160−7−13)が終了する。
前記特別動作処理(S160)の次に保留球数処理(S170)が行われる。保留球数処理(S170)では、図21に示すように現在の保留球数がロードされ(S170−1)、保留球数が出力バッファにセットされる(S170−2)。
前記保留球数処理(S170)の次に電源断監視処理(S180)が行われる。
電源断監視処理(S180)では、図22に示すように、電源断信号が入力したか判断され(S180−1)、入力していなければこの電源断監視処理(S180)が終了する。一方、電源断信号が入力している場合には、操作スイッチ押下乱数を取得し、前記取得した操作スイッチ押下乱数が前記主制御基板200のRAMに「格納データ」として上書きされる(S180−2)。このS180−2の処理は、本発明における数値データ取得手段と、数値データ記憶手段による記憶に相当する。次に、現在のデータ(状態)が前記主制御基板200のRAMに記憶され(S180−3)、次いで電源断フラグがONにされてRAMへのアクセスが禁止され(S180−4)、その後ループ処理が行われ、電源が落ちるのを待つだけの状態とされる。
その他の処理(S190)では、遊技に必要なその他の様々な処理が行われるが、本発明で特に関わりのない処理についての説明は省略する。
第2実施例について説明する。第2実施例は、前記のように、前記初期化表示装置275に前回表示した押下回数(操作回数、初期化操作手段)を、今回の初期化ためのRAMクリアスイッチ271の押下回数(初期化操作手段)とする例である。第2実施例の制御処理では、前記第1実施例の制御処理における図5及び図6のメイン処理Mに代えて図23及び図24のメイン処理MAを行い、また、前記第1実施例の制御処理における図22の電源断処理(S180)に代えて図25の電源断処理(S180A)を行う。他の制御処理は第1実施例と同様である。
第2実施例のメイン処理MAでは、まずCPU等の初期設定(S11A)が行われる。初期設定(S11A)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。なお、電源投入時のみに必要な処理は、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
次に、前記主制御基板200のRAMにおける格納領域1(RAM1)に記憶されている次回の初期化操作用の格納データ1に対する格納データ表示許可受付時間の設定が行われる(S12A)。ここで設定される時間(例えば3秒)は、次回に初期化させる場合の初期化操作手段(押下回数)を前記初期化表示装置275に表示させるか否かを、前記RAMクリアスイッチ271の操作(押下)によって任意に選択可能な時間である。また、前記初期化表示装置275に表示させる初期化操作手段(押下回数)は、後述のように電源断時に前記主制御基板200のRAMにおける格納データ1に格納された操作スイッチ押下乱数値と対応する押下回数である。
次に、前記格納データ表示許可受付時間の減算が行われ(S13A)、前記RAMクリアスイッチ271(操作スイッチ)が押下されたか判断される(S14A)。前記格納データ表示許可受付時間の減算処理(S13A)は、本発明において初期化選択手段によって選択された初期化操作手段を報知するための設定期間の経過を計時する計時手段に相当する。また、前記RAMクリアスイッチ271(操作スイッチ)の押下判断(S14A)は、本発明において報知操作部が操作されたか否かを判定する報知操作部判定手段に相当する。前記RAMクリアスイッチ271が押下されていない場合、格納データ表示許可受付時間が経過(終了)したか判断され(S15A)、経過していない場合には、前記格納データ表示許可受付時間の減算(S13A)、前記RAMクリアスイッチ271の押下判断(S14A)、格納データ表示許可受付時間が経過(終了)したかの判断(S15A)が、前記格納データ表示許可受付時間が経過するまで繰り返される。
前記S14AでRAMクリスイッチ271(操作スイッチ)が押下されたと判断された場合は、前記主制御基板200のRAMにおける格納領域1(RAM1)に記憶されている次回初期化用の格納データ1(操作スイッチ押下乱数値)が読み込まれ(S16A)、格納データ1の数値に対応した操作スイッチ押下回数(次回初期化用の押下回数)が前記初期化表示装置275で表示される(S17A)。その後、操作スイッチ操作時間(例えば6秒)が設定される(S18A)。また、前記S15Aで前記RAMクリアスイッチ271が押下されることなく前記格納データ表示許可受付時間が経過したと判断された場合には、次に操作スイッチ操作時間(例えば6秒)が設定される(S18A)。ここで、第1実施例においては、RAMクリアスイッチ271(操作スイッチ)が押下されていないと判断され操作スイッチ押下回数(次回初期化用の押下回数)が前記初期化表示装置275で報知しなかった場合は復電処理に移行するが、第2実施例の場合は、前回の電源投入時に報知された操作スイッチ押下回数(次回初期化用の押下回数)が今回初期化を実行するためのものであるため、次回用の操作スイッチ押下回数(次回初期化用の押下回数)を報知しなくても初期化できるため、第2実施例では操作スイッチ操作時間(例えば6秒)を設定する処理となっている。
前記操作スイッチ操作時間が設定された(S18A)後、前回の電源断時に後述の電源断監視処理(S180A)において取得されて前記主制御基板200のRAMの格納領域2(RAM2)に記憶された今回の初期化用の格納データ2(操作スイッチ押下乱数値)が読み込まれ(S19A)、格納データ2の数値に対応した操作スイッチ押下回数(今回の初期化用押下回数)が指定回数Xに設定される(S20A)。本実施例では、操作スイッチ押下乱数値の値が、そのまま操作スイッチ押下回数とされている。前記読み込まれた格納データ2の数値に対応した操作スイッチ押下回数を指定回数Xに設定する処理(S20A)は、本発明における複数の初期化操作手段の中から少なくとも一つの初期化操作手段を選択する初期化選択手段に相当する。
次に、操作スイッチ操作時間が減算され(S21A)、RAMクリアスイッチ271(操作スイッチ)が押下されたか判断される(S22A)。RAMクリアスイッチ271が押下された場合、操作スイッチ押下回数に1加算され(S23A)、操作スイッチ操作時間が経過したか判断される(S24A)。一方、RAMクリアスイッチ271が押下されていない場合、操作スイッチ押下回数に1加算されること無く、操作スイッチ操作時間が経過したか判断される(S24A)。設定された操作スイッチ操作時間が経過していない場合、操作スイッチ操作時間が経過するまで、前記S21AからS24Aまで繰り返される。操作スイッチ操作時間が経過したと判断された場合、前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271の合計押下回数)が0か判断され(S25A)、押下回数(合計押下回数)が0の場合(1回も押下されなかった場合)には、復電処理(S30A)が実行される。復電処理では、電源断時にRAMに記憶された遊技情報に従う遊技状態に戻す。
一方、S25Aで前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271の合計押下回数)が0ではないと判断されると、前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271の合計押下回数)Vが前記指定回数X(今回の初期化用押下回数)と一致するか判断され(S26A)、一致しないと判断された場合にはエラーカウンタが1加算される(S27A)。前記操作スイッチ操作時間内における操作スイッチ押下回数(RAMクリアスイッチ271の合計押下回数)Vが前記指定回数Xと一致するか否かの判断(S26A)は、初期化選択手段により選択された初期化操作手段に対応した操作を行ったか否かを判定する操作判定手段に相当し、また、初期化選択手段により選択された初期化操作手段に対応した操作ではない異常か否かを判定する異常操作判定手段にも相当する。なお、一致しないと判断されることは異常と判定されることに相当する。また、エラーカウンタの数値は異常回数に相当する。次に前記エラーカウンタの数値(異常回数)が3以上か判断され(S28A)、3未満の場合には復電処理(S30A)が行われ。それに対して前記エラーカウンタの数値(異常回数)が3以上の場合には、RAMクリア操作エラーが前記表示装置10やスピーカ38、ランプ装置35等の異常報知手段により異常報知され(S29A)、その後に復電処理(S30A)が行われる。
前記復電処理(S30A)が行われた後には、割り込み禁止処理(S31A)、操作スイッチ押下乱数更新処理(S32A)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S33A)、割り込み許可(S34A)がループ処理で行われ、このループ処理の間に前記割り込み処理(S100)が行われる。
また、S26Aで前記操作スイッチ操作時間内におけるRAMクリアスイッチ271の合計押下回数Vが前記指定回数Xと一致すると判断されると、初期化処理が行われ(S35A)、主制御基板200のRAMに記憶されている遊技情報が初期化される。また、前記初期化の際に前記エラーカウンタの数値が初期化されると共に前記格納データ1及び格納データ2が格納されていたRAMの記憶領域も初期化される。その後、割り込み禁止処理(S31A)、操作スイッチ押下乱数更新処理(S32A)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S33A)、割り込み許可(S34A)がループ処理で行われ、このループ処理の間に前記割り込み処理(S100)が行われる。
前記割り込み禁止処理(S31A)では、2msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。操作スイッチ押下乱数更新処理(S32A)では、‘1’〜‘10’の操作スイッチ押下乱数値が、電源投入時の‘1’から始まって前記操作スイッチ押下乱数更新処理(S32A)毎に1加算され、‘10’に至ると再び‘1’からの加算が繰り返され、更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。操作スイッチ押下乱数更新処理(S32A)は、本発明における数値データ更新手段に相当する。
前記普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S33A)では、種々の乱数が普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S33A)ごとに1加算され、前記のように各乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻って再び加算が行われる。前記普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S33A)は、当否数値更新手段に相当する。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶され、電源断の間もバックアップ電源により記憶される。割り込み許可処理(S34A)では、2msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して割り込みの許可をする。
第2実施例の電源断監視処理(S180A)では、図25に示すように、電源断信号が入力したか判断され(S180−1A)、入力していなければこの電源断監視処理(S180A)が終了する。一方、電源断信号が入力している場合には、前回の電源断時におけるこの電源断監視処理(S180A)で取得されて「格納データ1」としてRAMの格納領域1(RAM1)に記憶された初期化用の格納データ1(操作スイッチ押下乱数)が格納領域1から読み込まれ(S180−2A)、読み込まれた格納データ1の数値がRAMにおける格納領域2(RAM2)に「格納データ2」として上書き記憶される(S180−3A)。格納データ2は本発明における数値データ2に相当する。次に、次回の初期化用に操作スイッチ押下乱数が取得され、前記取得した操作スイッチ押下乱数が前記主制御基板200のRAMの格納領域1(RAM1)に「格納データ1」として上書きされる(S180−4A)。格納データ1は本発明における数値データ1に相当する。このS180−4Aの処理は、本発明における数値データ取得手段と、数値データ記憶手段の記憶に相当する。次に、現在のデータ(状態)が前記主制御基板200のRAMに記憶され(S180−5A)、次いで電源断フラグがONにされてRAMへのアクセスが禁止され(S180−6A)、その後ループ処理が行われ、電源が落ちるのを待つだけの状態とされる。
第2実施例では、1つのRAM内に格納データ1を記憶する格納領域1と格納データ2を記憶する格納領域2を設けているが、別のRAMを設けて格納データ1と格納データ2を別々のRAMに記憶するようにしてもよい。また、第2実施例では、初期化処理において格納データ1と格納データ2が初期化されてしまうが、格納データ1(次回の初期化操作用データ)は初期化しないように構成してよい。それによって、次回の初期化が可能となる。
このように、本実施例によれば、所定の数値範囲で更新される大当たり乱数を、予め設定されている大当たり数値(大当たり成立数値)と一致する乱数値に更新されるタイミングで取得するために遊技機を不正に初期化しようとしても、ランダムに選択される初期化操作手段を正しく操作しなければ初期化できないため、単に不正な基板を接続して不正に初期化処理を実行して大当たり乱数を狙おうとしても、ランダムに選択される初期化操作手段を読む(見つける)ことは困難なため、容易に初期化をすることが出来なくなり、不正行為を抑制することが可能となる。
なお、前記第1実施例及び第2実施例では、初期化操作手段を押下式の操作スイッチの操作としているが、押下式以外の操作方法を有する操作スイッチとしてもよく、さらには、初期化操作手段選択用乱数の数もいくつでもよく(多い方が見つけ難くするのに有効)、操作スイッチとは異なる方式の初期化操作手段としてもよい。その場合の例を示す。
(a)指定入賞口の遊技球通過(入球)
初期化操作手段選択用乱数(乱数カウンタ、第1及び第2実施例の操作スイッチ押下乱数でも可)を設けて、例えば乱数値『1』には大入賞口、『2』には上側始動入賞口、『3』にはその他の入賞口というように、予め複数の入賞口を乱数値に割り当てて設定しておく。そして、電源断時等の際に取得した乱数値に対応した指定入賞口に遊技球を通過(入球)させることを起因に初期化を開始させるようにする。その場合、取得した乱数値あるいは指定入賞口は前記初期化表示装置275に表示する。なお、乱数値と指定入賞口の対応表は、遊技盤の裏面等に表示したりあるいは別紙に記載したりしておく。
(b)複数の入賞口に対する遊技球通過(入球)順序
初期化操作手段選択用乱数(乱数カウンタ、第1及び第2実施例の操作スイッチ押下乱数でも可)を設けて、予め乱数値には複数の入賞口に対する遊技球の通過(入球)順を設定しておく。例えば、乱数値『1』には<大入賞口→上側又は下側始動入賞口→その他の入賞口>、乱数値『2』には<上側又は下側始動入賞口→大入賞口→その他の入賞口>、乱数値『3』には<大入賞口と上側及び下側始動入賞口以外の入賞口→上側又は下側始動入賞口→大入賞口>を設定しておく。そして、電源断時等の際に取得した乱数値に対応した順番で入賞口に遊技球を通過(入球)させることを起因に初期化を開始させるようにする。その場合、取得した乱数値あるいは取得した乱数値に設定されている入賞口の順番は前記初期化表示装置275に表示する。なお、乱数値と入賞口の通過順の対応表は、遊技盤の裏面等に表示したりあるいは別紙に記載したりしておく。
(c)操作スイッチの押下(操作)順序
複数の操作スイッチと初期化操作手段選択用乱数(乱数カウンタ、第1及び第2実施例の操作スイッチ押下乱数でも可)を設けて、予め乱数値には複数の操作スイッチに対する押下(操作)順序を設定しておく。例えば、乱数値『1』には<操作スイッチ1→操作スイッチ2→操作スイッチ3>、乱数値『2』には<操作スイッチ2→操作スイッチ1→操作スイッチ3>、乱数値『3』には<操作スイッチ3→操作スイッチ1→操作スイッチ2>を設定しておく。そして、電源断時等の際に取得した乱数値に対応した順番で操作スイッチを押下(操作)させることを起因に初期化を開始させるようにする。その場合、取得した乱数値あるいは取得した乱数値に設定されている操作スイッチの順序は前記初期化表示装置275に表示する。なお、乱数値と操作スイッチの順序の対応表は、遊技盤の裏面等に表示したり、あるいは別紙に記載したりしておく。
本発明は、主制御基板と表示制御基板等が別体で構成されているが、本発明の趣旨を逸脱しなければ、複数の制御基板を一体に構成してもよい。また、初期化報知を行うか否かの選択を行っているが、常に初期化報知をする構成でもよい。また、前記初期化操作手段を報知する報知手段は、遊技盤の裏面側に設けた前記初期化表示装置に限られず、例えば遊技機の他の位置に設けたり、特別図柄の表示装置としたり、スピーカ等から発する音としたり、ランプによる点滅等で構成したりしてもよい。また、本実施例では操作スイッチを、初期化操作手段と報知操作部とで共通に利用しているが、初期化操作手段と報知操作部とを別個に設けてもよい。さらに、異常報知を行う異常報知手段は、表示装置やスピーカあるいはランプ装等の何れか1つに限られず、複数の装置で行っても良い。また、本実施例では、電源断時に数値データを取得しているが、電源投入時に数値データを取得するように構成してもよい。また本発明は、パチンコ遊技機に限定されるものではなく、また、前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。