JP4418942B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機をはじめとする弾球遊技機においては、一般に、予期しない停電等の異常が発生して電力が遮断された場合に、制御装置が突然停止して異常発生時に記憶蓄積されていた入賞球データや、未始動保留状態の当否結果などの遊技情報が全て消滅してしまうのが通常であった。この場合、電源の再投入により電力の供給が再開されても、異常発生時の遊技状態から遊技が開始できず、結果として異常発生に対する遊技者への補償を行うことができない不具合を生じていた。
そこで、特開平6−285231号、特開平6−71028号、特開平10−3331号及び特開平10−85421号の各公報には、予期しない停電等の異常発生に関しての上記問題点を解決するために、以下のように構成した遊技機が提案されている。すなわち、主電源部への電力供給が断たれた場合の補助電源部を設ける一方、主電源部の電源電圧を常時監視する。そして、その電源電圧が低下した場合にはこれを検出して、電力が完全に遮断される前に警告信号などを制御装置に送信することにより、入賞球データ等の遊技情報を補助電源付きRAMやEEPROMに退避させ、遊技情報を一定時間消滅しないように保護する。保護された遊技情報は、電源復帰時あるいは電源再投入時等に読み出され、制御プログラムのワークメモリに復元される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の公報に開示された遊技機の構成は欠点が多く、いずれも市販品としては全く実現していない。その主な理由は以下のように考えられる。
(1)上記4つの公報に開示された遊技機は、電源遮断による電圧降下を検出し、その検出信号が発生した場合は、これを直接の起動指令として、遊技情報退避処理を無条件に開始させるようにしている。しかし、コンピュータを制御部として使用する関係上、本来電源遮断が発生していないにも拘わらず、コンピュータのCPUがプログラム暴走等により誤ってバックアップ動作を行ってしまう可能性が常に存在する。特にプログラム暴走等の場合、ワークメモリのデータ格納領域内には正常な遊技情報のデータが残っていなかったり、あるいはデータが完全に破壊されていることもある。このような誤ったバックアップ動作の結果、壊れたデータがバックアップされるばかりでなく、電源復帰時にはワークメモリ内にその壊れたデータがリストアされるので、遊技機が正常に動作しなくなってしまう不具合を生ずる。
【0004】
(2)特開平6−285231号及び特開平6−71028号に開示された遊技機では、遊技球の入賞検出、当選判定、可変表示装置の制御、役物の作動さらには賞球の排出が、1つの制御部により統括的に行われるようになっている。また、特開平10−3331号では、遊技球の入賞検出、当選の可否、可変表示装置の制御及び役物作動制御を行う制御部と、賞球排出の制御部とが分離されているが、両制御部の主体をなすCPUは互いに孤立しており、通信等による連係動作を行わない電気的構成となっている。他方、特開平10−85421号では、持ち点制御に関する部分を除いた主要な制御対象部、すなわち、遊技球の始動入賞検出、当選の可否、可変表示装置の制御及び役物作動制御が実質的に1つの制御部によって担われている。そして、これらのいずれの遊技機にも共通しているのは、電源遮断時の遊技情報のバックアップ処理が、制御部に対する通常の割込処理にて行われている点である。これらの遊技機では、上記のように制御部が1つ(あるいは実質的に1つ)しかないか、あるいは2以上の制御部があっても互いに孤立した構成となっており、複数の割込処理の競合が比較的生じにくいとの判断でこのような措置が取られているものと思料される。
【0005】
しかしながら、近年では遊技機の構造はますます複雑化し、制御部も通信により連係動作する複数のCPUにて構成されるケースが多くなってきている。また、CPUも周辺にも多数のICやLSIが制御補助回路として設けられる。このような遊技機構造では、1つの制御部に対し、制御補助回路あるいは他の制御部からの割込処理要求が競合する状況が非常に起こりやすくなる。その結果、電源遮断時等において、個々の制御部での遊技情報のバックアップ処理を通常の割込処理により行っていると、例えばバックアップ処理の割込要求を行ったときに既に別の割込処理が実行中であった場合には、その割込処理が終了するまで待たされることとなる。また、バックアップ処理中に優先度の高い別の割込要求が入った場合には、バックアップ処理が強制中断され、ここでもその割込処理が終了するまで待たされることとなる。その結果、実際に電源遮断が発生してからバックアップ処理が完了するまでに長時間を要することとなり、補助電源の作動期間中に処理が終了しなかった場合には、遊技情報のバックアップに失敗する可能性がある。
【0006】
また、遊技機に関わる技術者を大いに悩ませている別の問題として、次のようなものがある。すなわち、新機種の遊技機を開発・製品化し、これを販売しようとする際に、当該の機種は第三者検査機関の検定に合格したものでなければならないという行政上の要請がある。このような検定制度は、主として不正行為や、射幸性の行き過ぎ等を防止する目的で定められたものであるが、遊技を介して多額の金銭が実質的に動くことになるので、その検定内容は厳格を極めるものとなっている。特に制御部の構成に関して第三者検査機関側が忌避しているのは、制御部のデータ処理動作に直結する新たな機能追加により、その基本作動にいわゆるブラックボックス部分を生ずることであり、例えば上記のようなバックアップ機能を追加することは、バックアップデータの読み書きに伴うデータ信号系統の複雑化を生ずるので、ほとんど認められていなかったのである。また、仮に認められることがあったとしても、検定内容が複雑となる結果、検定合格までに長時間を要し、新機種の実用化に遅れを来たすことにも留意すべきである。
【0007】
さらに、別の問題として、遊技機の電源遮断は、停電等の不測の状況に限らず、特に遊技者が不利益を被る恐れも無く、ひいてはデータバックアップが必ずしも必要とされない状況においても発生することがある。具体的には、第三者検査機関での遊技機の検査終了後や、工場出荷時の検査終了後、あるいはパチンコホールにおける遊技機設置時のテスト終了後等において、電源コネクタの引抜き等により、意図的かつ強制的に電源遮断して遊技機動作を終了させた場合などである。このような場合、遊技機の制御部には、その電源遮断が停電によるものか意図的なものであるかを識別することはできないから、上記のようないわば「平常時の強制電源遮断」においても、データバックアップ機能が無条件に作動してしまうことがある。このような状況下でバックアップされたデータは、検査等の終了後においては全く不要のものであるばかりか、遊技機に再度電源を投入して再起動する場合の誤作動等の原因にもなりかねない。
【0008】
なお、バックアップ機能を備えた遊技機の中には、前述の通り遊技情報を一定時間だけ消滅しないように保護し、その時間が経過後にはデータ消去する機能を備えたものも提案されている。しかしながら、この場合は、データ消去を作為的に行おうとする場合、特別の装置も存在しないことから、データバックアップの対象となる制御基板から、バックアップ電源部から伸びる配線コネクタを引き抜いて、記憶・保護されているバックアップデータが消滅するまで一定時間待った後、再び配線コネクタを基板に接続しなおして電源供給を再開する方法が取られていた。しかし、この方式は、単純作業であるとはいえ、データ消去に一定の無駄な待ち時間が発生するので能率的とはいえない。また、ある程度長時間の停電が発生しても確実にデータバックアップができるよう、自動データ消去機能を特に設けたくないこともありうる。この場合は、不要なバックアップデータの消去が本質的に不能となり、前記した問題の発生が避けがたくなる。
【0009】
本発明は、プログラム暴走時に誤ったバックアップ動作を起こしにくく、ひいては停電等の異常検出時にのみ確実に、遊技情報のバックアップ動作を行わせることができる遊技機の提供を第一の課題とする。また、多数の制御部を連係動作させる場合においても、異常検出時のバックアップ動作を迅速かつ確実に完了させることができ、しかも各制御部間の信号の流れを単純化することにより、遊技情報のバックアップ機能を追加しても、第三者検査機関による検定内容の大幅な複雑化を招くことがなく、ひいては検定合格を早期に勝ち取ることができる遊技機の提供を第二の課題とする。さらに、検査等の終了後において意図的に電源遮断した場合など、本質的にデータバックアップが要求されない状況等において、不可避的にバックアップされた不要なデータを簡易に初期化することが可能であり、ひいては製造出荷時等におけるデータ消去作業を能率的に行うことができる遊技機の提供を第三の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
例えば遊技機の第一の構成例として
遊技機に特定の異常が発生したか否かを検出する異常検出手段と、
異常検出手段による検出結果を受けて異常確定情報を生成する異常確定情報生成手段と、
その異常確定情報を記憶する異常確定情報記憶手段と、
遊技に伴い発生した遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段と、
異常確定情報記憶手段への異常確定情報の記憶動作に対応して、異常発生時に遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報の喪失阻止処理を行うバックアップ実行制御部と、
を備えることができる
【0011】
なお、本明細書において特定の異常とは、例えば停電やその他の要因による電源遮断による遊技機の電源電圧が低下する異常であり、この場合、異常検出手段は、特定の異常として、停電等による電源電圧の低下を検出するものとされる。
【0012】
上記の構成においては、異常検出出力(信号)を直接の起動指令とする形で、遊技情報のバックアップ処理を無条件に開始させるのではなく、異常が検出された場合は、その検出結果に対応して異常確定情報を生成し、これを異常確定情報記憶手段に記憶させる(例えば書き込む)。そして、その異常確定情報の記憶に対応させる形にて、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報を、予め定められたバックアップ記憶手段に記憶・保持させるバックアップ記憶制御を行う。これによれば、電源遮断等の本来の異常発生時には、異常検出出力発生に伴い異常確定情報の記憶が行われるのに対し、プログラム暴走等の際には異常検出出力は発生しないので、異常確定情報の記憶がなされない。従って、異常から復帰した際には、この異常確定情報を目印とすることで、予め定められた特定の異常が発生した場合にのみ、遊技情報の回復処理を正しく実行させることができ、ひいては復帰後の遊技機の正常な動作を保証することができる。
【0013】
また、例えば遊技機の第二の構成例として
遊技機に特定の異常が発生したか否かを検出する異常検出手段と、
異常検出手段による検出結果を受けて異常確定情報を生成する異常確定情報生成手段と、
その異常確定情報を記憶する異常確定情報記憶手段と、
遊技機の遊技動作を司るために1又は複数設けられた制御部の少なくとも1つとして定められたバックアップ実行制御部であって、
異常検出手段による異常検出を受けて、異常発生を表す内容の異常確定情報を異常確定情報記憶手段に記憶させる異常確定情報記憶制御手段と、
異常確定情報記憶手段への異常確定情報の記憶動作に対応して、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報を、予め定められたバックアップ記憶手段にバックアップ情報として記憶・保持させるバックアップ記憶制御手段と、
異常確定情報記憶手段に記憶された異常確定情報を読み出し、その情報内容が異常検出を意味するものであった場合に、バックアップ記憶手段に記憶されているバックアップ情報に基づいて、異常発生時においてバックアップ実行制御部のワークメモリに存在していた遊技情報を少なくとも部分的に回復させる記憶回復手段とを有するバックアップ実行制御部と、
を備えることができる
【0014】
上記の構成においては、異常検出出力(信号)を直接の起動指令とする形で、遊技情報のバックアップ処理を無条件に開始させるのではなく、異常が検出された場合は、その検出結果に対応して異常確定情報を生成し、これを異常確定情報記憶手段に記憶させる(例えば書き込む)。そして、その異常確定情報の記憶に対応させる形にて、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報を、予め定められたバックアップ記憶手段に記憶・保持させるバックアップ記憶制御を行う。
【0015】
これによれば、電源遮断等の本来の異常発生時には、異常検出出力発生に伴い異常確定情報の記憶が行われるのに対し、プログラム暴走等の際には異常検出出力は発生しないので、異常確定情報の記憶がなされない。例えば、目的としない異常(すなわち、特定でない異常:例えばプログラム暴走等によるリセット状態)により、コンピュータのCPUがプログラム暴走等により誤ってバックアップ動作を行ってしまっても、この場合は異常確定情報が残らないので、異常復帰時に壊れた情報等が遊技情報として誤って復元されてしまう不具合が生じなくなる。その結果、復帰後の遊技機の正常な動作を保証することができる。
【0016】
なお、本明細書において「遊技情報の回復処理」とは、以下の2つの態様を少なくとも包含する。
▲1▼バックアップ記憶手段として定められた記憶エリアに退避させる形でバックアップされた遊技情報を、復帰後において、定められたメモリエリアにコピーする形で復元する。この態様では、バックアップ記憶手段のメモリエリアと、復帰後にその遊技情報を用いて処理を再開する際のワークメモリエリアとが、互いに異なっている場合がある。
▲2▼異常発生時に遊技情報が書き込まれているワークメモリエリアの記憶状態を、補助電源等の使用によりそのまま保持させ、復帰後はその保持された遊技情報により、引き続き同じワークメモリエリア内にて再開させる。この場合、バックアップ記憶手段の実体をなすメモリエリアは、ワークメモリエリアと実質的に同じということになる。
【0017】
上記したような遊技機は、異常確定情報を異常確定情報記憶手段に書き込む処理ルーチンを、バックアップ実行制御部のCPUが異常検出に基づく割込信号を受けて実行する割込処理ルーチンとし、該CPUは、バックアップ処理ルーチンの割込要求を受けることにより、そのとき実行しているプログラムルーチンを所定時間経過後にリセットした後、バックアップ処理ルーチンを起動するように構成できる。この方式によれば、実行しているプログラムルーチンをあるステップまで実行した状態でリセットし、その後、異常確定情報の記憶を行うので、CPUも誤作動や暴走等が発生しにくい。
【0018】
他方、異常確定情報を異常確定情報記憶手段に書き込む処理ルーチンは、バックアップ実行制御部のCPUが、異常検出に基づく割込信号を受けて実行する割込処理ルーチンであり、かつ、該割込処理ルーチンは、バックアップ実行制御部に対する他の割込処理ルーチンに対して優先的に実行されるものとして構成することもできる。これによれば、異常発生時に直ちに異常確定情報を書き込む割込処理ルーチンが実行され、遊技情報のバックアップ処理に進んでいくことができるので、停電等による電源電圧低下など、異常発生に対する備えを即座に整えることができる。また、異常発生に対するバックアップ処理に対し、時間的な余裕をもって対処することが可能となる。なお、割込処理ルーチンは、予め定められた割込要求端子において割込信号を受けることにより、プログラムによる無効化が不能な割込処理の形で実行されるものとすれば、上記の効果がさらに高められる。
【0019】
また、異常確定情報を異常確定情報記憶手段に書き込む処理ルーチンは、バックアップ実行制御部のCPUが該CPUに接続された別体の入出力回路に予め定められたタイミングにて自発的にアクセスし、そのアクセス時において入出力回路への異常検出の入力を確認した場合に実行されるサブルーチンとすることができる。この方式では、割込処理を用いないため、CPUの誤作動や暴走等が一層発生しにくい。
【0020】
次に、例えば遊技機の第三の構成例として
遊技機に設けられる以下の制御部、すなわち、
遊技球の入賞検知処理と、特定の入賞検知に基づいて、予め定められた有利な遊技状態が得られる当選状態と、該有利な遊技状態が得られない非当選状態との間で当否の抽選・判定を行う当否判定処理とを少なくとも自ら司るとともに、自身は送信側制御部と機能し、協働して遊技機全体の動作制御を司る受信側制御部に対し制御指令情報を送信する主制御部と、
送信側制御部からの一方向通信のみが可能となるように送信側制御部と結ばれており、受信側制御部の1つをなすとともに、制御指令情報として役物動作指令情報と賞球排出指令情報とを受けることにより、遊技盤に設けられた所定の役物の動作と賞球排出動作との制御を少なくとも行う枠制御部と、
送信側制御部からの一方向通信のみが可能となるように送信側制御部と結ばれており、受信側制御部の1つをなすとともに、制御指令情報として画像制御指令情報を受けることにより、遊技盤に設けられた可変表示装置に対し、複数の図柄を変動・確定表示させる表示制御を少なくとも行う表示制御部と、
の少なくとも1つとして定められるバックアップ実行制御部と、
遊技機に異常が発生したか否かを検出する異常検出手段と、
異常検出に伴い、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報として、バックアップ実行制御部のワークメモリに残留している制御指令情報又はこれに基づいて生成される制御情報を、予め定められたバックアップ記憶手段にバックアップ情報として記憶・保持させるバックアップ記憶制御手段とを備え、
バックアップ実行制御部は、バックアップ記憶手段に記憶されているバックアップ情報に基づいて、異常発生時においてバックアップ実行制御部のワークメモリに存在していた遊技情報を少なくとも部分的に回復させる記憶回復手段を備え、バックアップ実行制御部のワークメモリに遊技情報を記憶・保持させるために、バックアップ記憶制御手段が実行するバックアップ処理ルーチンは、バックアップ実行制御部のCPUが、異常検出に基づく割込信号を受けて実行する割込処理ルーチンであり、かつ、該割込処理ルーチンは、バックアップ実行制御部に対する他の割込処理ルーチンに対して優先的に実行することができる
【0021】
上記構成では、遊技機の制御部を、送信側制御部である主制御部と、該主制御部側からの一方向通信により結ばれる受信側制御部としての枠制御部及び表示制御との少なくとも3つに分散させ、賞球払出と役物の制御を枠制御部に、また、可変表示装置の表示制御を表示制御部に専念させるとともに、上記の3つの制御部の少なくともいずれかをバックアップ実行制御部として実行される、遊技情報のバックアップ処理を、バックアップ実行制御部に対する他の割込処理に対して優先的に実行される割込処理の形で実行させるようにした。
【0022】
これによれば、主制御部からの制御指令が一方向に限られた形で流れる構成となるので、複雑な遊技機全体の制御を迅速に行わせることができ、検査等も行いやすくなるとともに、遊技情報のバックアップ処理を優先的な割込処理の形で実行させることにより、上記の一方向制御指令伝送形態と相俟って、以下のような特有の効果を生み出す。まず、主制御部は、少なくとも受信側制御部からの割込指令等は全く受けないので、これをバックアップ実行制御部とすれば、上記バックアップ処理を割込処理により実行する場合に、競合する割込処理の影響を本来的に受けにくい。従って、そのバックアップ処理に係る割込処理をさらに優先化すれば、停電等の異常発生時に一層迅速かつ確実な対応が可能となり、ひいては遊技情報の喪失をより確実に阻止することができる。一方、受信側制御部では、主制御部からの割込指令等を受けやすい環境に置かれるから、通常の割込処理では、前述した通り、先の割込処理が終了するまで待たされたり、別の割込処理によりバックアップ処理が強制中断されてバックアップ処理の完了が遅れ、例えば停電時等では遊技情報のバックアップに失敗する等の不具合が生じやすくなる。しかし、上記のようにバックアップ処理に係る割込処理を優先化することで、処理系統が混雑しやすい受信側制御部においてもバックアップ処理完了を早めることができ、ひいてはバックアップ失敗(遊技情報の喪失)といった不具合を極めて効果的に回避することができる。この場合、割込処理ルーチンは、予め定められた割込要求端子において割込信号を受けることにより、プログラムによる無効化が不能な割込処理の形で実行されるものとすれば、上記の効果が一層高められる。
【0023】
また、例えば遊技機の第四の構成例として
複数の画像表示態様のうちのいずれかを選択的に行う画像表示手段と、
各画像表示態様の表示制御内容を記述した複数の表示制御プログラムモジュールを、画像表示態様を特定するための態様コマンドと対応付けた形で記憶する表示制御プログラムモジュール記憶手段と、
遊技機に設けられる以下の制御部、すなわち、
遊技状態に応じて画像表示手段に行わせるべき表示態様を決定する表示態様決定手段と、その決定された表示態様に対応する態様コマンドを外部に送信するコマンド送信手段とを有する送信側制御部と、
コマンド送信手段からの態様コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段が受信した態様コマンドに対応する表示制御プログラムモジュールを、表示制御プログラムモジュール記憶手段から読み出して、そのプログラムが記述する表示態様を画像表示手段に行わせる画像表示制御手段とを有する受信側制御部と、
の少なくとも1つとして定められるバックアップ実行制御部と、
遊技機に異常が発生したか否かを検出する異常検出手段と、
異常検出に伴い、異常発生時の画像表示手段における表示態様を記述する遊技情報としてバックアップ実行制御部のワークメモリに残留している未処理の態様コマンドを、バックアップ記憶手段にバックアップ情報として記憶・保持させるバックアップ記憶制御手段と、
バックアップ記憶手段に記憶されているバックアップ情報に基づいて、異常発生時においてバックアップ実行制御部のワークメモリに存在していた遊技情報を少なくとも部分的に回復させる記憶回復手段と、
を備えることができる
【0024】
上記第四の構成の遊技機においては、画像表示態様毎の表示制御内容を記述した処理プログラムがモジュール化され、送信側制御部(例えば主制御部)側から受信側制御部へは、そのプログラムモジュールを特定する態様コマンドのみが送信される。そして、そのプログラムモジュールを起動して画像表示制御を行う処理の要部は、実質的に受信側制御部が担う形となる。これにより、以下のような作用・効果が達成される。
▲1▼画像表示処理における送信側制御部の役割は態様コマンドを受信側制御部へ送信することだけなので、送信側制御部側での処理内容が大幅に単純化され、プログラミングやそのデバッグ作業等に要する時間を大幅に短縮できる。また、エラー等の発生確率も小さくなる。
【0025】
▲2▼送信側制御部の処理負担が軽減されるので、例えばこれを8ビットマイクロプロセッサ等で構成しても余力を生じ、図柄の制御態様を多様化することができる。これにより、表示により興趣を盛り上げることができる。なお、受信側制御部においては画像表示処理の分だけ負担は増大するが、受信側制御部を表示制御に専念させ、他の処理をなるべく担わせない形で使用すれば問題は生じない。むしろ、従来の構成では、送信側制御部に相当する主制御部側の画像処理負担が大きい分、受信側制御部に相当する副制御部の処理負担が軽すぎ、結果的に2つの制御部からなるハードウェア資源が必ずしも有効活用されていなかったともいえる。
▲3▼異常発生時においてバックアップ記憶領域に記憶・保持されるのが、情報量の多い画像データそのものではなく、主として画像表示態様毎の表示制御内容を記述したプログラムモジュールを特定する態様コマンドであるから、バックアップ記憶領域のために確保すべきメモリ容量が大幅に削減され、ひいては画像処理のバックアップ機能付加に際しての価格上昇を抑制することができる。
【0026】
▲4▼送信側制御部が主制御部となる場合、主制御部側の処理内容を単純化することで、第三者検査機関へ提出すべき検定申請書類の作成量を低減することができる。また第三者検査機関による検査の容易化を図って、新機種の検定合格を短期間で勝ち取ることができ、ひいてはその実用化促進にも寄与する。
【0027】
上記遊技機態様においては、画像表示手段に行わせるべき表示態様を、いくつかの要素表示動作の組み合わせにて表される上位表示動作として把握したときの、各要素表示動作の内容を記述する要素表示プログラムモジュール(要素モジュール)を、各要素モジュール(ひいては要素表示動作)を特定する要素コマンドと対応付けた形で表示制御プログラムモジュール記憶手段に記憶しておくことができる。この場合、表示態様決定手段は、画像表示手段に行わせるべき表示態様を上位表示動作の形で決定し、コマンド送信手段は、その上位表示動作を構成する複数の要素表示動作の要素コマンドを、受信側制御部に向けて一括して又は定められた個数単位で逐次的に送信するものとすることができる。この構成によれば、上位表示動作を要素表示動作に分解し、各要素表示動作を記述するプログラムを要素モジュールの形で用意しておくことで、複雑な画像表示態様も要素コマンドの組み合わせにより簡単に実現することができる。
【0028】
上位表示動作は、例えば時系列的な実行順序が定められた複数の要素表示動作(順次実行型要素表示動作群)を含むものとすることができ、コマンド送信手段は、その順次実行型要素表示動作群中の各要素表示動作を個別に特定する要素コマンドを、それら要素表示動作の実行順序が特定可能な形で受信側制御部に送信するものとすることができる。例えば、キャラクタや変動する特別図柄などの複雑な動画像の動きを、いくつかの要素表示動作の組み合わせからなる上位表示動作として把握することで、対応する要素コマンドの組み合わせと、その実行順序とを特定することにより簡単に実現することができる。実行順序を特定する方式としては、要素コマンドを受信側制御部に向けて実行順に逐次転送し、受信側制御部側において、要素コマンドを受けた順に対応する要素モジュールを起動させる方式がある。また、要素コマンドを実行順に配列しておき(あるいは別のデータにより実行順序を指定しておき)、複数の要素コマンドのデータを受信側制御部にブロック転送するようにしてもよい。受信側制御部では、例えば実行順に配列した要素コマンドのデータブロックを実行先頭側から逐次読み出して、対応する要素モジュールを順次起動させる。
【0029】
コマンド送信手段は、順次実行型要素表示動作群中の各要素表示動作を個別に特定する要素コマンドを、個々の要素表示動作の実行タイミングを反映したタイミングにて、受信側制御部に順次送信するものとすることができる。この場合、受信側制御部において、コマンド受信手段による要素コマンドの受信タイミングを反映したタイミングにて画像表示制御手段が対応する表示制御プログラムモジュールを順次起動するようにしておけば、要素コマンドの送信タイミングに応じて、要素モジュールの起動タイミングすなわち要素表示動作の実行タイミングを自由に調整・設定できる。
【0030】
上記したような遊技機は、1つの表示装置の表示画面上に、それぞれ画像表示手段として機能する複数の表示領域を形成し、それら表示領域に対し互いに異なる画像を表示させるために、
表示制御プログラムモジュール記憶手段には、各表示領域毎の複数の画像表示態様をそれぞれ記述する表示制御プログラムモジュールが、表示領域と表示態様とをそれぞれ特定する態様コマンドと対応付けた形で記憶されており、
送信側制御部において、表示態様決定手段は遊技状態に応じて各表示領域毎の表示態様を決定し、また、コマンド送信手段はその決定された各表示領域毎の表示態様に対応する態様コマンドを受信側制御部に向けて送信する一方、
受信側制御部において画像表示制御手段は、コマンド受信手段が受信する各表示領域の態様コマンドに対応する表示制御プログラムモジュールを読み出し、それらプログラムモジュールが記述する表示態様にて各画像が、それぞれ表示画面上の所定の表示領域に表れるよう合成して表示するものとして構成できる。
【0031】
これにより、同一画面上に複数の表示領域を形成し、各々異なる態様の画像を表示させる場合において、送信側制御部側の処理を、各表示領域毎の態様コマンドから受信側制御部に送信する形に簡略化することができる。具体的には、表示領域として、各々複数の特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、それら複数の図柄のうちの1つを確定表示する複数の特別図柄表示領域と、それら特別図柄表示領域に表示される特別図柄の背景画像を表示する背景画像表示領域とを設定することができる。
【0032】
次に、表示制御プログラムモジュールは、定められた表示態様にて画像(例えば動画像)を表示する際の、各フレームにて使用する画像種別を特定する画像種別特定データと、同じくフレーム毎の画像表示位置を特定する表示位置データとを少なくとも含む画像制御データを、フレームの表示順序に従い逐次的に出力する処理を司るものとすることができる。この場合、受信側制御部は、
態様コマンドを受信するコマンドインターフェース部と、
そのコマンドインターフェース部からの態様コマンドが指定する表示制御プログラムモジュールを起動・実行することにより、画像制御データをフレーム順に逐次的に出力する処理を行う受信側CPUと、
その受信側CPUからの画像制御データを受信し、その画像種別特定データが特定する画像データを画像データ記憶部から読み出して、その画像データに基づき表示すべき画像の画像信号を生成するとともに、表示位置データが指定する位置に画像が表示されるように、その画像信号を出力する画像処理LSI部と、
画像信号を受けて画像を表示装置の画面上に表示させる表示インターフェース部とを備えるものとして構成できる。受信側CPUの処理を、態様コマンドの受信と、対応する表示制御プログラムモジュールの実行に伴う画像制御データの出力までとすることで、該受信側CPUとして8ビット程度の安価な汎用マイクロプロセッサを採用しても、その処理能力で十分にカバーできるようになり、これを画像処理LSIと組み合わせることで受信側制御部を安価に構成することができる。ただし、受信側CPUとしてより高性能のものを使用できる場合には、上記画像処理LSIの機能を受信側CPUに統合し、画像処理LSI部を省略することも可能である。
【0033】
例えば、画像表示手段としてカラー表示装置を使用して、カラー画像を表示させるように構成することができる。また、カラー画像データはデータサイズが非常に大きくなるので、圧縮画像データを使用し、これをその都度展開して使用する方式とすることができる。この場合、画像処理LSIとしては、これに付随する圧縮画像データを専用ROMから読み出して展開用RAM上にて展開し、その展開後の画像データに基づいて各画素のRGB信号(あるいは、これと等価なコンポジット信号)を出力するものを採用できる。そのような画像処理LSIの市販品としては、例えばローム社のMPAD501を使用できる。
【0034】
受信側CPUは、態様コマンドの受信に伴う表示制御プログラムモジュールの起動処理と、画像処理LSI部への画像制御データの転送処理とを、前者は送信側制御部からの第一割込信号を受けることにより、後者は画像処理LSI部からの第二割込信号を受けることにより、それぞれ割込処理により実行するものとすることができる。この場合、第一割込信号と第二割込信号とが競合した場合に、第一割込信号による処理が優先されるようこれを調停する割込調停回路を、画像処理LSI部とは別体に設けることができる。
【0035】
このような割込調停回路を設けることの意義は例えば以下の通りである。すなわち、一般の画像処理LSI部はCPU部へ割込要求を出し、これを受けたCPU部からのアクセス信号を受けて動作するケースがほとんどである。ここで、例えば送信側制御部とこれに従属して作動する受信側制御部との2つのCPUがあって、送信側制御部からの指令を受けた受信側制御部が画像処理LSI部にアクセスする状況を考えると、画像処理LSI部は自身の動作継続に必要な画像制御データの転送を促すために、受信側制御部に割込要求を出し、他方では新たな画像表示態様の処理を指令するために送信側制御部が受信側制御部へ割込要求を出す。本発明では、態様コマンドを受信側制御部に送信するために割込要求が出されるわけである。その結果、受信側制御部には画像処理LSI部からの割込要求と送信側制御部からの割込要求とが競合するケースが生ずる。この場合、送信側制御部からの割込要求が無視されると、上位の画像表示処理を司る態様コマンドの受信が途切れ、画像表示手段が不自然な動作をして興趣をそがれる恐れが生ずる。従って、送信側制御部からの割込要求を、画像処理LSI部からの割込要求に優先させるために調停が必要となる。
【0036】
一般の画像処理LSI部には、上記のような状況を想定して、割込処理のための調停回路が組み込まれていることがある。この場合、送信側制御部から受信側制御部へ出される割込要求信号が画像処理LSI部に組込みの割込調停回路へも分配されるようにしておく。そして、割込調停回路はこれを受けて、受信側制御部での送信側制御部からの指令による割込処理が終了するまで、画像処理LSI部側からの受信側制御部への割込要求を一時待機させるのである。
【0037】
ところで、前記した遊技機の検定においては、不正防止を未然に防ぐ等の目的で、遊技機の電気回路基板は外部からの作動をなるべく追跡しやすくするために、ICやLSIなどの集積回路類は機能が完全に明確化されたものの使用が義務づけられている。しかしながら、上記のような方式は、画像処理LSIの内部に組み込まれた割込調停回路が一種のブラックボックスとなり、回路基板に不正改良等が行われた場合に、その発見が困難になるほか、上記した検定に不合格となって新機種の実用化に遅れを来たしたりする問題を生じうる。そこで、受信側制御部に送信側制御部からの第一割込信号と画像処理LSI部からの第二割込信号とが競合した場合に、第一割込信号による処理が優先されるようこれを調停する割込調停回路を、画像処理LSI部とは別体に設けることで、上記のごとき割込調停回路のブラックボックス化を回避することができるようになる。この場合、画像処理LSI部に割込調停回路が設けられているものを使用するのであれば、その割込調停回路は敢えて使用せず、別途外付けの割込調停回路を設ける形とする。
【0038】
次に、上記したような遊技機は、送信側制御部が、遊技機の電源投入を検出することにより、態様コマンドとして初期画面表示コマンドを受信側制御部に送信し、受信側制御部が、この初期画面表示コマンドを受けて初期画面表示プログラムモジュールを起動して、画像表示手段に初期画面表示を行わせるものとして構成できる。例えば送信側制御部が主制御部である場合、該送信側制御部は遊技機起動時に、遊技機各部の初期化のために相当量の処理をこなさなければならないが、上記構成により初期画面表示のための処理負担が軽減されるので、例えば初期化失敗等のトラブルを生じにくくすることができる。
【0039】
また、送信側制御部は、遊技機においてエラーが発生した場合に、態様コマンドとしてエラー画面表示コマンドを受信側制御部に送信し、受信側制御部は、このエラー画面表示コマンドを受けてエラー画面表示プログラムモジュールを起動し、画像表示手段にエラー画面表示を行わせるようにすることができる。画像表示手段が、複数の特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、それら複数の図柄のうちの1つを確定表示する可変表示部として構成されている場合、受信側制御部は、可変表示部における図柄変動の確定後にエラー画面をその可変表示部に表示させるものとして構成できる。
【0040】
例えば、前記したように、可変表示部としての3つの特別図柄の変動表示領域を液晶表示装置等の1つの画面上に形成する場合、それら変動表示領域をクリアして前記画面上にエラー画面を表示することができる(前記した初期画面も同様に表示できる)。ここで、特別図柄の変動表示中に遊技機にエラーが発生した場合、直ちに画面をクリアしてエラー画面を表示してしまうと、遊技者が「あれは当りかも知れなかったのに」と強い不信感を抱いてしまう可能性がある。そこで、上記のように、可変表示部における図柄変動が終了後にエラー画面を表示させるようにすれば、遊技者は変動表示の確定結果を見届けることができるので、そのような不信感が排除され、より公正な遊技が可能となる。
【0041】
具体的な方式としては、送信側制御部が、可変表示部において特別図柄の変動が開始してから確定するまでの一連の表示動作(これを、前記した上位表示動作と見ることもできる)に必要な全ての態様コマンド(例えば、前記要素コマンド)の送信が終了した後にエラー画面表示コマンドを送信するようにすることができる。また、送信側制御部と受信側制御部のいずれかにおいて、上記上位表示動作の開始に際して該表示動作の処理時間をタイマーセットし、タイムアップした後に、エラー画面表示の要素モジュールを起動させるようにしてもよい。
【0042】
次に、本発明の遊技機は、上記課題を解決するために、
遊技球の入賞検知処理と、特定の入賞検知に基づいて予め定められた有利な遊技状態が得られるか否かの判定を行う当否判定処理と、を実行するとともに、制御指令情報を送信する主制御部と、
前記制御指令情報として賞球排出指令情報を受けることにより、賞球排出動作の制御を行う枠制御部と、
遊技機に特定の異常が発生したか否かを検出する異常検出手段と、
遊技に伴い発生した遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段と
異常検出に対応して、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報を、予め定められたバックアップ記憶手段にバックアップ情報として記憶・保持させるバックアップ記憶制御手段と、前記異常発生時においてワークメモリに存在していた遊技情報を、前記バックアップ記憶手段に記憶されているバックアップ情報に基づいて少なくとも部分的に回復させる回復処理を行う記憶回復手段と、前記記憶回復手段による前記回復処理を行うか否かを選択する回復選択手段と、前記回復選択手段により、前記回復処理を行う選択がなされていた場合に前記記憶回復手段に前記回復処理を行わせる記憶回復制御手段とを有するバックアップ実行制御部と、
前記回復選択手段が前記回復処理を行わない選択を行なった場合に、前記ワークメモリの初期化処理を行う初期化手段と、
を備えた遊技機において、
前記回復選択手段は、手動操作により前記回復処理を行うか否かの選択設定を行う選択スイッチと、前記選択スイッチになされる操作状態に応じて異なる選択信号を発生する選択信号発生手段と、を有し、前記記憶回復制御手段は、発生した前記選択信号の内容に基づいて前記記憶回復手段に前記回復処理を行わせるか否かを決定し、
前記主制御部及び前記枠制御部は、各々が前記バックアップ実行制御部とされ、
前記選択信号発生手段が発生する選択信号と各々のバックアップ実行制御部との間に所定の対応関係が定められており、前記選択信号の種別に応じて、前記主制御部及び前記枠制御部の両制御部において前記回復処理を行う態様、前記主制御部において前記回復処理を行い前記枠制御部において前記初期化処理を行う態様、前記主制御部において前記初期化処理を行い前記枠制御部において前記回復処理を行う態様、並びに前記主制御部及び前記枠制御部の両制御部において前記初期化処理を行う態様のいずれかを選択的に実行可能にすることを特徴とする。
【0043】
上記の構成によると、回復選択手段により、記憶回復手段による回復処理を行うか否かを選択することが可能となる。そして、その回復選択手段により、回復処理を行う選択がなされていた場合に、記憶回復手段に回復処理を行わせるようにしたので、検査等の終了後において意図的に電源遮断した場合など、本質的にデータバックアップが要求されない状況等においては、回復処理実行を選択しないようにすることができる。例えば、回復選択手段が、回復処理を行わない選択を行った場合に、回復処理に代えてワークメモリの初期化を行うワークメモリ初期化手段を設けておけば、不可避的にバックアップされた不要なデータを簡易に初期化することが可能となり、ひいては製造出荷時等におけるデータ消去作業を能率的に行うことができる。
【0044】
上記の構成においては、異常確定手段による検出結果を受けて異常確定情報を生成する異常確定情報生成手段と、その異常確定情報を記憶する異常確定情報記憶手段とを設けることができる。また、バックアップ実行制御部は、異常検出手段による異常検出を受けて、異常発生を表す内容の異常確定情報を異常確定情報記憶手段に記憶させる異常確定情報記憶制御手段を備えたものとし、バックアップ記憶制御手段は、異常確定情報記憶手段への異常確定情報の記憶動作に対応して、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報を、予め定められたバックアップ記憶手段にバックアップ情報として記憶・保持させるものであり、さらに、記憶回復制御手段は、異常確定情報記憶手段に記憶された異常確定情報を読み出し、その情報内容が異常検出を意味するものであった場合に、回復処理を記憶回復手段に行わせるように構成することができる。
【0045】
この構成により、プログラム暴走等によるバックアップ誤動作を回避できる利点も合わせて達成することが可能となる。また、異常確定情報の認識と回復選択の有無の認識との両方を前提として、バックアップ情報に基づく回復処理を行うか否かを決定するようにしているから、不要なバックアップ情報を用いた意図せざる回復処理が不可避的に発生する確率を一層効果的に低減することが可能となる。
【0046】
次に、上記構成の遊技機は、回復選択手段による回復処理を行うか否かの選択と、その選択に基づいた記憶回復手段による回復処理の実行とが、異常検出後における遊技機の再起動に対応してなされるように構成することができる。このようにすれば、バックアップ情報による回復処理をそもそも行うか否かの決定と、行う場合はその回復処理の実行とが、遊技機の再起動に伴い直ちになされるので、不要なバックアップ情報を用いた意図せざる回復処理を迅速に阻止でき、再起動後の遊技機の誤動作発生の確率を一層低減できる。また、停電等の本来の異常発生時(すなわち、回復処理の実行が選択される場合)には、遊技機再起動に伴いワークメモリへの遊技情報回復処理が速やかに実行されるので、回復された遊技情報による遊技動作への確実な復帰が保証される。
【0047】
回復選択手段は、回復処理を行うか否かの選択設定を行う選択設定手段と、その選択設定状態に対応した選択信号を発生する選択信号発生手段とを備えたものとして構成できる。選択設定に対応して、その選択内容を識別するための選択信号が出力されるので、記憶回復制御手段は、その選択信号の内容に基づいて記憶回復手段に回復処理を行わせるか否かを確実かつ迅速に決定することができる。具体的には、選択設定手段は手動操作される1又は複数の選択スイッチを含むものとして構成できる。選択信号発生手段は、その選択スイッチの操作状態を反映した選択信号を発生させるものとされる。これによれば、スイッチによる手動操作で、回復処理を行うか否かを簡単かつ直感的に選択することが可能となる。
【0048】
この場合、記憶回復制御手段は、遊技機の再起動時又は再起動後の予め定められたタイミングにおいて、選択スイッチが特定の操作状態となっていることを示す選択信号を検出した場合に、初期化処理又は回復処理を行うものとすることができる。例えば、選択スイッチを操作しながら(例えば押しながら)遊技機を再起動(例えば電源の再投入)を行うことにより、回復処理あるいは不要なバックアップ情報の消去を行う前記の初期化処理のいずれかを実行する方式を例示できる。この方法によると、初期化処理又は回復処理のいずれを行うかの選択を、遊技機起動動作と対応付けた簡便かつ覚えやすい操作により行うことができる。
【0049】
他方、記憶回復制御手段は、遊技機の再起動後の所定時間内において、選択スイッチが特定の操作状態となっていることを示す選択信号を検出した場合に、初期化処理又は回復処理を行うものとすることができる。この方法によると、遊技機の再起動後に選択スイッチの操作のし忘れに気づいても、上記所定時間内に操作を補完すれば初期化処理又は回復処理を問題なく行うことができる。
【0050】
また、記憶回復制御手段は、遊技機の再起動後において、選択スイッチが特定の操作状態に所定時間以上継続的に保持されたことを示す選択信号を検出した場合に、初期化処理又は回復処理を行うものとして構成することもできる。この方式によると、選択スイッチに誤って触れるなど、偶発的な操作状態が発生した場合にも、その操作状態が上記所定時間だけ継続されなければ、初期化処理又は回復処理に移行することがないので、意図せざる処理が行なわれてしまう不具合を防止することができる。
【0051】
なお、選択スイッチが特定の操作状態となっている場合に行う処理は、初期化処理であっても回復処理であってもいずれでもよいが、選択スイッチに外部からの操作が何ら加えられていない状態も、1つの操作状態であるとみるならば、この状態においては、初期化処理がなされないように構成すること、望ましくは回復がなされるように構成することが望ましい。つまり、特に選択スイッチの操作を行なわずに再起動を行なった場合には回復処理が自動的に行なわれるようにし、選択スイッチの特定の操作が行なわれた場合にのみ、初期化処理が行なわれるようにするのである。バックアップ処理は、停電等の不測の事態が発生したときに、遊技情報を確実に保護する目的でなされるものであるから、遊技機の再起動時における回復処理の実行に、何らかのスイッチ操作が要求される形になっていると、バックアップデータが本来的に必要とされる状況においてスイッチ操作のし忘れ等により、せっかくのバックアップデータが誤って消去されてしまう不具合が発生しないとも限らない。しかしながら、上記のようにしておくと、このような不具合に対する懸念は生じなくなる。
【0052】
次に、選択信号発生手段は、選択スイッチになされる操作状態に応じて異なる選択信号を発生するものであり、それら互いに異なる複数種類の選択信号と複数のバックアップ実行制御部との間に所定の対応関係が定められており、検出される選択信号の種別に応じて、それに対応するバックアップ実行制御部においてのみ回復処理及び初期化処理のいずれかが行われるようにすることもできる。また、選択スイッチになされる操作状態に応じて異なる選択信号を発生するものであり、検出される選択信号の種別に応じて、初期化するデータの種別を異ならせるようにすることもできる。例えば、回復処理を行なう場合でも、停電等の異常が発生したときの遊技機の状況により、再起動後の遊技再開時に、必ずしも全ての遊技情報が必要とならないことがある。このような場合、複数設けられたバックアップ実行制御部にてそれぞれバックアップされるデータのうち、特に回復処理が不要な制御部にてバックアップされたもの、あるいは同じ制御部においてバックアップされた全てのデータのうち、回復処理が特に不要なものについては、選択的に初期化できるようにしておくと便利である。上記の構成では、選択スイッチになされる操作状態に応じて初期化あるいは回復処理を行うべきバックアップ実行制御部、あるいは初期化するデータの種別を簡単に選択することができる。
【0053】
なお、本発明の遊技機は、上記第一〜第四の構成例と適宜組み合わせて実施することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるフィーバー機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造を図1〜図5を参照して説明する。図1に示すパチンコ機1の表面構造を説明すると、裏面にガラス板が嵌められたガラス枠2が中枠3に開閉可能に軸着され施錠装置5により開閉可能となっており、また、この中枠3が本体枠4に開閉可能に軸着されている。中枠3の下方には、上皿6及び下皿7が配置されている。なお、上皿6及び下皿7には、それぞれに、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6a,7aがそれぞれ開口している。
【0055】
上皿6には、例えば複数の長孔が形成されたスピーカ面8が設けられており、その裏側には遊技状態に応じた効果音を発生するスピーカ9が装着されている。他方、下皿7の裏側には、上皿6から供給される遊技球を遊技領域25(図2参照)に発射するための発射装置ユニット117(図5参照)を操作する発射ハンドル11が設けられている。この発射ハンドル11には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ11aが装着されており、発射ハンドルの近傍には発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ11bが配置されている。
【0056】
一方、ガラス枠2の上端部には、枠飾りランプ12,13,14,15が設けられ、これらに対応して、枠飾りランプ基板16が設置されている。それらの左側上方の中枠3には、賞球表示LED17及び賞球表示LED基板18が、右側上方にはストップ表示LED19及びストップ表示LED基板20が設けられている。スピーカ面8の左方裏側に音量スイッチ基板21が設けられている。さらに、パチンコ機1の左側にプリペイドカードユニット22が装着されている。
【0057】
次に、図2により遊技盤24の構造を説明する。まず、遊技盤24の遊技領域25の中央部には、大形の枠体でなるセンター役物26が設けられている。このセンター役物26は、上部中央に普通図柄表示装置27、その両側に左通過口入口28及び右通過口入口29、左右両側に左普通図柄作動ゲート30及び右普通図柄作動ゲート31が設けられている。そのセンター役物26の開口部には、画像表示手段としての液晶ディスプレイ(例えば、約10インチサイズのもの)等で構成された特別図柄表示装置33が設けられている。そして、その特別図柄表示装置33の表示画面上には、左図柄表示領域34、中図柄表示領域35及び右図柄表示領域36(特別図柄表示領域あるいは変動表示領域)が、横方向に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている(通常時)。
【0058】
各表示領域34〜36は、それらの配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きに複数、本実施例では3個の図柄を配列表示するとともに、その配列する複数の図柄を当該図柄変動方向に沿って変動表示する。図40は、特別図柄の例を示しており、「0」〜「9」の装飾数字と、「浦島」、「乙姫」、「踊り子」、「亀」及び「玉手箱」の計15種類の図柄が、図中矢印に示す順序でスクロール表示されるようになっている。また、図43に示すように、各表示領域34〜36の背景部分は背景画像260の背景画像表示領域255となっている。
【0059】
図2に戻り、センター役物26の左右下部両側には、左通過口出口37及び右通過口出口38が設けられ、他方、センター役物26の下方中央部には、条件装置として動作するアタッカーとも呼ばれる大入賞装置40が設けられている。この大入賞装置40は、その上部中央に特別図柄表示装置33に対する始動入賞口である第一種始動口(普通電動役物)41、その下側に特定領域開閉シャッタ42、特定領域43、特定領域外領域44、及び大入賞口45を備えている。また、その左右には、左下入賞口46及び右下入賞口47が設けられる一方、大入賞装置40の上方左右には、左入賞口48及び右入賞口49が設けられている。さらに、大入賞装置40の下側領域には、アウト口50、アウト口飾り51及びバック球防止部材52が設けられている。他方、遊技領域25を形成する外レール53、内レール54、ファール球防止部材55及び返しゴム56も遊技盤24に設けられている。
【0060】
次に、図3に示す遊技盤24上に位置する各種基板(LEDあるいはランプ用)につき説明する。ここには、センター役物26の内部側に、特別図柄保留表示LED57及び普通図柄保留表示LED58を備えた普通図柄表示装置基板59と、表示枠左上ランプ60を備えた表示枠左上ランプ基板61と、表示枠右上ランプ62を備えた表示枠右上ランプ基板63と、表示枠左LED64を備えた表示枠左LED基板65と、表示枠右LED66を備えた表示枠右LED基板67とが設けられている。また、大入賞装置40の内部側には、左下入賞口LED68を備えた左下入賞口LED基板69、及び右下入賞口LED70を備えた右下入賞口LED基板71も設けられている。さらに、左入賞口48の内部側には、左入賞口LED72を備えた左入賞口LED基板73が、右入賞口49の内部側には、右入賞口LED74を備えた右入賞口LED基板75が設けられている。
【0061】
続いて、遊技盤24の裏側の球経路とスイッチ等の配電について図4を参照して説明する。遊技盤24の中央部には、センター役物取付用貫通設穴76と、その左右下方に右入賞口取付用貫設穴77及び左入賞口取付用貫設穴78が、その下側には大入賞口取付用貫設穴79が各々設けられている。また、センター役物26の裏側の左右には、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ80及び左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ81が設けられている。他方、大入賞装置40の裏側の中央上部には第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド82が、その下側には第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ83が、大入賞装置40の裏側の左右には大入賞口ソレノイド84及び特定領域開閉ソレノイド85が、大入賞口ソレノイド84の右側には、カウント検知スイッチ86が、さらに、特定領域開閉ソレノイド85の左側には、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ87が各々設けられている。一方、遊技盤24の裏側の下方には、セーフ球集合樋88及びアウト球集合樋89が設けられており、セーフ球集合樋88の下端部に入賞球排出ソレノイド90、入賞球検知レバー91及び入賞球検知スイッチ92が設けられている。なお、これらのうちセーフ球集合樋88、アウト球集合樋89等は、後述する機構盤102に形成あるいは装着されている。
【0062】
パチンコ機1の裏側構造を図5を参照して説明する。まず、中枠3は本体枠4にヒンジ100により開閉可能に支持されている。また、中枠3の裏面側には、遊技盤24が着脱可能に固定されている。そして、中枠3には、ヒンジ101により機構盤102が着脱可能に固定されている。このヒンジ101の上部左側には、タンク球切れ検知スイッチ103を備えた賞球タンク104及びタンクレール105が取り付けられている。また、タンクレール105の右端に玉抜きレバー106が、その下流側に補給球切れ検知スイッチ107が、さらに、その下流側に賞球払出装置108が設けられている。
【0063】
続いて、賞球払出装置108の下流側には振分け部109が設けられている。また、タンクレール105の下側には、特別図柄表示装置33を格納した裏蓋110が、裏蓋110の下側には、主制御部140(内部に主基板が設けられている)がそれぞれ設けられている。主制御部140の左側には、発射装置制御部513(内部に発射装置制御基板113(図6)が設けられている)が位置しており、この発射装置制御部513には、タッチ感度調整つまみ114、球飛び強弱調整つまみ115が設けられている。また発射装置制御部513の近傍には発射制御集合中継部116が配置されている。機構盤102の左下側には、発射装置ユニット117が、同じく右側には、枠状態表示器118を備えた枠制御部150(内部に枠制御基板が設けられている)が設けられている。枠状態表示器118は、補給球詰まり、下受け皿満タン、主電源電圧異常、発射停止、主基板通信異常、賞球モータ異常などを、例えば、7セグメントLEDを用いて表示するものである。
【0064】
一方、機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス120、電源スイッチ121、電源ターミナル基板122及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた外部接続端子基板423が設けられている。枠制御部150(枠制御基板)からは接続ケーブル124が上方に延び出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット22に接続されている。また、機構盤102の下側には、下皿用球通路部材126が設けられている。
【0065】
次に、図6に示す本実施形態のパチンコ機1の電子制御装置130を説明する。電子制御装置130は、主基板を備えた主制御部140と、枠制御基板を備えた枠制御部150と、主制御部140と通信を行う特別図柄制御部160とを含んで構成されている。主制御部140は、CPU141(主CPU:表示態様決定手段及びコマンド送信手段の主体をなす)、RAM142、ROM143(態様コマンド記憶手段、上位表示動作プログラム記憶手段)及び入出力インターフェース144がバス145により相互に接続されたものであり、そのCPU141は、ROM143に格納された制御プログラム201により、RAM142をワークエリアとしてパチンコ機1の全体の作動を司る制御を行う。また、主制御部140は、ROM143に記憶された当選判定プログラム203により、CPU141が主体となって遊技当否判定手段を形成する。
【0066】
また、ROM143には上位表示動作プログラムモジュールとしての、特別図柄処理モジュール205が記憶されている。これら特別図柄処理モジュール205は、それぞれ、遊技状態に応じて特別図柄表示装置33に表示させる一連の動画表示パターンを、いくつかの要素表示動作の組み合わせにて表される上位表示動作として把握したときの、各要素表示動作に対応する要素コマンド(態様コマンド)を、各要素表示動作に係る図柄あるいは画像の表示領域や実行順を反映した形で配列したものである。また、その特別図柄処理モジュール205が使用する要素コマンドのデータ(以下、コマンドデータという)207と、図48に示すように、各要素コマンドに対応する要素表示動作の実行所要時間Tを表すタイミングデータ209も、同様にROM143に記憶されている。詳細については後述する。
【0067】
次に、中継基板523には、タッチスイッチ11a、発射停止スイッチ11b、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ80、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ81、カウント検知スイッチ86、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ87、ヴォリュームスイッチ93、タンク球切れ検知スイッチ103及び補給球切れ検知スイッチ107等が接続され、中継基板523の出力端子は、入出力インターフェース144(入出力回路)に接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ83及び入賞球検知スイッチ92も、入出力インターフェース144に接続されている。なお、図6の中継基板523は、必ずしも1つの基板にて構成されるとは限らず、例えばここでは、パチンコ機1の各部に分散配置された各種中継基板を1つのブロックにより統合して示している。
【0068】
枠制御部150は、主制御部140と同様の演算回路を含み構成され、制御主体であるCPU151と、その制御プログラムを格納したROM153、及びCPU151による制御プログラムのワークメモリエリアを与えるRAM152とを備える。ここには、図示しない入出力インターフェースを介して、枠飾りランプ基板16、各種LED基板18,20,65,67,69,71,73,75、各種ランプ基板61,63、音量スイッチ基板21、普通図柄表示装置基板59、各種ソレノイド82,84,85、入賞球排出ソレノイド90、サウンドジェネレータ94、賞球払出装置108、発射装置制御基板113等が接続されている。一方、主制御部140の入出力インターフェース144には、電源ターミナル基板122及び特別図柄制御部160が接続されている。
【0069】
主制御部140から枠制御部150へのデータ伝送方式の概略は以下の通りである。まず、主制御部140から枠制御部150へは、一方向形式でデータ伝送が行われる。
【0070】
賞球動作は以下の順序で行われる。まず、主制御部140は、遊技球がカウント検知スイッチ86、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ87を通過したら15個賞球回数を+1加算し、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ83を通過したら6個賞球回数を+1加算する。次いで、入賞球検知スイッチ92は、入賞球検知信号を主制御部140に送信する。そして、主制御部140は、入賞球検知スイッチ92からの入賞球検知信号を受け取ると、枠制御部150に対して賞球個数データを送信する。
【0071】
賞球は15個賞球回数が0でなければ15個の賞球個数データが、6個賞球回数が0でなければ6個の賞球個数データが送られる。それ以外の場合、例えば、左右下入賞口46、47や左右入賞口48、49で遊技球の通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データが送られる。賞球個数データの送信は、入賞球検知信号がOFFされるまで繰り返される。そして、枠制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出装置108を作動させる。また、枠制御部150は、入賞球排出ソレノイド90をON、OFF(入賞球1個を排出)させて入賞球検知信号をOFFとする。
【0072】
次に、図7は特別図柄制御部160の電気的構成を示すものである。特別図柄制御部160は、CPU161(受信側CPU、画像表示制御手段)、RAM162、ROM163(表示制御プログラムモジュール記憶手段)、コマンドインターフェース部164、画像処理LSI部303、それらを相互に接続するバス166、画像処理LSI部303が使用するCG−ROM/RAM部168、画像処理LSI部303からの出力信号を受ける液晶インターフェース部(表示インターフェース)307等から構成されている。
【0073】
ROM163には、CPU161による画像表示制御処理の全体の流れを司る上位制御プログラム211と、前述の各コマンドデータに対応する要素モジュール212とが格納されている。図10〜図13は、コマンドデータ207と要素モジュール212との関係の一例を示すものである。コマンドデータ207と要素モジュール212とは、図43に示すように、左図柄表示領域34における特別図柄250の表示態様、中図柄表示領域35における特別図柄250の表示態様、右図柄表示領域36における特別図柄250の表示態様、及び背景画像260の表示態様のそれぞれについて用意されている。図10〜12は、左図柄表示領域34(「80H+00H」を除く)、右図柄表示領域36及び中図柄表示領域35の各表示態様に係るコマンドデータ207及び要素モジュール212の例を、図13は、背景画像表示領域255(「AEH+01H〜03H」を除く)の表示態様に係るコマンドデータ207及び要素モジュール212の例をそれぞれ示している。
【0074】
この実施例では、コマンドデータ207は2バイトデータとして構成されており、上位2桁は表示態様の大まかな種別(グループ)を特定するための分類コマンド207aであり、下位2桁は、その種別に属する1つ1つの表示態様を特定するモジュール特定コマンド207bである。なお、互いに異なる表示領域に対して同一の分類コマンド207aは付与されないようになっており、結果として分類コマンド207aは、表示領域の種別も特定するものとなっている。
【0075】
以下、各コマンドデータ207に対応する要素モジュール212の内容について説明する。各要素モジュール212は、図7のROM163内において、要素コマンドに対応する格納インデックスで特定されるエリア内に格納されている。例えば図10において、分類コマンド207aが「A0H」であるコマンドデータ207は、左図柄表示領域34における図柄の差替え表示態様を指定するものであり、対応する要素モジュール212は、図42に示すように、表示画面233内の予め定められた位置に、現在の特別図柄250に代えて、指定された特別図柄250を差し替え表示させる画像表示処理内容を記述するものである。この場合、次の要素モジュール212が起動されない限り、あるいは変動表示中でない限り、その表示領域には差し替えられた特別図柄250が継続表示されることとなる。
【0076】
一方、分類コマンド207aが「A2H」であるコマンドデータ207は、左図柄の変動表示態様を指定するものであり、対応する要素モジュール212は、図41に示すように、表示画面233内の定められた表示領域内において特別図柄250を所定の向きにスクロール表示させる、一種の動画像表示の処理内容を記述するものである。具体的な処理内容としては、例えば表示すべき特別図柄250の画面233上の、上下方向の表示位置(画面上の基準位置(例えば上縁位置)から図柄内の着目位置(例えば上縁位置)までの変位量y(ここではy=0〜127)により規定することができる)の、各動画フレームの表示時刻における値を、指定された変動速度(例えば、ここでは超低速変動、低速変動、中速変動、高速変動の4段階が指定可能となっている)、あるいは変動方向に基づいて演算し、これを画像処理LSI部303側に逐次転送する処理が主体となる。なお、図11に示す右図柄の要素モジュール212、あるいは図12に示す中図柄の要素モジュール212の内容も、大筋においては左図柄のそれと同じである。
【0077】
なお、この実施例では、単に図柄の変動速度や変動の向きを変えるだけでなく、各種の特殊変動態様を指定することも可能となっている。例えば、図44の例2は図柄変動開始時(例1)から全図柄確定時(例3)の間に所定の確率で選択・実行される態様の一例を示しており、この例2の態様においては左右の図柄表示領域34、36の上下図柄が消滅し、左右確定図柄が縮小される(ここでは、縮小表示のコマンド(図10のA20A、図11のA80A)が使用される)。また、図12のA504の中図柄のゆれ変動の要素モジュールを使用すると、図45の例4〜例6に示すように、中図柄表示領域35が矢印で示すように左右にゆれ移動する。この場合、対応する要素モジュール212の処理では、各時刻における特別図柄250の画面233上の上下方向の表示位置の演算に加え、ゆれ変動に伴う横方向の表示位置の演算が加わる。
【0078】
また、中図柄の半透明変動(例えばA505)の要素モジュールを使用すると、図柄半透明化の処理が行われる。例えば図46の例7,8のように、中図柄表示領域35の透明度が徐々に上げられ、中図柄表示領域35が一旦半透明になる。この後、透明度が下げられ、中図柄が再び明瞭に表示される。そして、これら例7,8の動作が繰り返される。なお、半透明化の処理は、図43に示すように、特別図柄250を背景画像260と合成する際に、背景画像260の出力を維持させる画素と特別図柄250の出力を維持させる画素とを、透明度に応じた比率で混在させること、あるいは背景画像260に透明化された画像を優先して重畳することにより実現できる。なお、この機能は、本実施例では画像処理LSI部303(図7)の中に組み込まれており、要素モジュール内にて透明度の値を指定することにより、LSI内で画像透明化の処理が実行される。また、図12のA501のように、中図柄一時停止の要素モジュールを使用すると、図46の例9のように中図柄が一時停止する。
【0079】
次に、図13に示す背景画像のコマンドデータ207及び要素モジュール212は、背景のベースになる静止画(例えば、「海底」、「海岸」あるいは「竜宮」など。図43の背景画像260は、「海底」の静止画を使用している)を表示させる要素モジュール212(分類コマンドはここでは「AAH」)と、この静止画上に貼込み合成される動画キャラクタの要素モジュール212(分類コマンドはここでは「ABH」)とからなる。例えば、図47では「海底」の静止した背景画像260に、「人魚」の動画キャラクタ261を貼込み合成する例を示している。
なお、動画キャラクタ261は、表示位置指定による画面上での移動を除いて、特に動画としての動作を行わない固定部分262と、画面上の移動とは独立に独自の動作を行う動作部分263との組み合わせにより表現されており、その画像データは、固定部分262の静止画データと、動作部分263の各コマのデータの組とにより構成される。
【0080】
図14は、特別図柄制御部160の回路構成の一例を示しており、CPU161、RAM162及びROM163はCPU部301としてまとめられている。このCPU部301に対し、コマンドインターフェース部164がデータバス601(8ビット)を介して接続されている。また、画像処理LSI部303が、バンク切替用バス604(3ビット)、アドレスバス603(16ビット)及びデータバス602(8ビット)を介して接続されている。他方、この画像処理LSI部303には、CG−ROM/RAM部168が、ROM用アドレスバス605(32ビット)、同データバス606(19ビット)、RAM用アドレスバス607(16ビット)、同データバス608(9ビット)を介して接続されている。また、液晶インターフェース部307は、画像処理LSI部303のRGBの画像信号の出力ポートに対し、バス609〜611(各5ビット)を介して接続されている。また、発振部311が画像処理LSI部303と液晶インターフェース部307にクロック信号の制御線を介して、また、リセット部313が画像処理LSI部303に対し、リセット信号の制御線を介してそれぞれ接続されている。
【0081】
なお、各制御線の接続形態は図示の通りであるが、これらの全てに符号を付与することは非常に煩雑となるので、制御線全体を612の符号により総称し、細部の接続関係については必要な部分以外は図示のみとして、説明を行わない。なお、図面中に表れている主要な制御線の各記号の意味は以下の通りである。
(CPU部301) CBK:プログラムROMのバンク切り替え用の信号(CPUのアドレス空間を節約するためである)。
RD:読出信号。
WR:書込信号。
MREQ:メモリ要求信号。
IORQ:メモリ以外のI/O空間を要求する信号。従って、画像処理LSI部303のIORQは、そのアクセス信号となる。
M1:CPU161がROM163からプログラム(図7に示すように、要素モジュール212を含む)を読み込んでいるときの信号。
INT:割込み信号。
BUSREQ:CPU161を介さずに外部のデバイス同士でデータをやり取りするときのバス要求信号(CPUを一時的に切り離す)。
BUSACK:同バスアクノリッジ信号。
CLEAR:リセット信号。
CPUCLK:クロックパルス信号。
CPCEB:ROM163を読み出すときに有効になる信号。
CWCEB:CPU161のRAM162へのアクセス信号。
【0082】
(液晶インターフェース部307) RX,GX,BX(各5ビット):赤(R)、緑(G)及び青(B)の画像信号。
HSYNC,VSYNC:特別図柄表示装置33に対する水平同期信号及び垂直同期信号。
EDCKI:タイミングを画像処理LSI部303に知らせる信号。
【0083】
(画像処理LSI部303) RD:CG−ROM/RAM部168のRAM部430(図7)のデータバス。
RA:ROM部431(図7)のアドレスバス。
COCEB:ROM部431のアクセス信号。
CAS0:RAM部430のカラムアドレスストローブ信号。
CAS1:RAM部430のカラムアドレスストローブ信号。
(図27に示すように、RAM部430は、ローアドレスを共通とする2枚のDRAMにて構成されているためである)
RAS:RAM部430のローアドレスストローブ信号。
DWR:RAM部430への書込信号。
DOE:RAM部430の読出許可信号。
【0084】
図15は、コマンドインターフェース部164の回路例である。符号401は、主制御部140と接続するためのコネクタであり、このコネクタ401を介して主制御部140側から、画像(あるいは図柄)の表示態様に応じた要素コマンドのデータが、ストローブ信号STBとともに8ビット単位で送信されてくる。各ビットは、抵抗402及びコンデンサ403にてノイズ除去され、抵抗404で電圧調整された後、一方向バッファ405(TC74HC 541AF)を介してデータバス601を通り、CPU部301に供給される。また、ストローブ信号STBは、同様にCPU部301に供給される(CPU部301側にて、ストローブ信号STBの立ち上がりを有効とするために、インバータ406を通している)。
【0085】
図16は、CPU部301の回路例である。CPU部301は、CPU161(例えば、製品名Z84C0020FEC)に対し、アドレスバス603及びデータバス602を介してRAM162(例えば、製品名TC55257DFL-70L)とROM163(例えば、製品名M27C1001-10F1)とが接続されている。また、符号315は電源部である。CPU161は、8ビットゲートIC(例えば、製品名TC74HC540AF)408を介してコマンドデータを受け取り、そのコマンドに応じて対応する要素モジュールを起動して、その実行内容に応じて画像処理LSI部303に必要な画像制御データを渡す。なお、図16の各素子の形式及び端子を明示するために、図17〜図21に分割拡大図を示している。図面間の接続関係は、図17内にIPで選択的に例示したポインタ中の接続インデックス(数字付アルファベット)により示している。また、制御線の接続先は、接続先となる素子の端子記号(括弧内に接続先の素子に付した符号を示している)で表している。これは、以降に説明する、CPU部301以外の分割拡大図でも同様である。
【0086】
図19に示すように、割込調停回路414は、D型フリップフロップ回路(以下、Dラッチという)418,421、2入力デコーダ417、周辺のゲート415,416,419及びインバータ420により構成されている(ロー(L)をアクティブとしている)。これは、CPU161(受信側制御部)に対し、主制御部140(送信側制御部)からの第一割込信号と画像処理LSI部303からの第二割込信号とが競合した場合に、第一割込信号による処理が優先されるようこれを調停するためのものである。作動の概略は以下の通りである。
【0087】
まず、主制御部140からのコマンドデータ送信のストローブ信号(第一割込信号)STBは、Dラッチ418のクロック端子(3)に入力される。他方、Dラッチ418のD入力(2)はHであり、ストローブ信号STBが立ち上がると、Dラッチ418の出力(5)がH、(6)がLとなる(すなわち、第一割込信号の出力(6)がアクティブとなる)。このうち、(6)の出力はゲート415の一方の端子(5)に入力される。また、ゲート415の他方の端子(4)には、画像処理LSI部303からの割込信号/INT(第二割込信号)が入力される。この場合、主制御部140からの第一割込信号と画像処理LSI部303からの第二割込信号とのいずれかがLなら、ゲート415の割込出力はLとなる。この出力はCPU161のINT端子へ入力されている。
【0088】
例えば、主制御部140からの割込信号がCPU161のINT端子に入力され、これが認識されるとCPU161のM1端子の出力はLに落ちる。このM1端子のL出力は、インバータ420で反転され、Dラッチ421のクロック端子に入力される。Dラッチ421は、その立ち上がりエッジを受けて(9)の出力をHに保持する。このH出力は、デコーダ417のポートA(2)へ入力される。デコーダ417は、入力A(2)を下位、入力B(3)を上位とする2ビット入力であり、AB=00で出力Y0のみが、AB=01で同Y1のみが、AB=10で同Y2のみが、AB=11で同Y3のみが、それぞれ選択的にLとなる(ただし、Y3は使用していない)。
【0089】
ここで、CPU161のM1端子からの出力Lはデコーダ417のB(3)に入っている。従って、Y1(5)がLとなる。この場合、Y0,Y2はHのままであるから、これにつながるゲート416の出力がHとなる。ゲート416の出力は、画像処理LSI部303のIORQ、すなわちアクセス信号を無効とする。
その結果、CPU161からの画像処理LSI部303へのアクセスが保留され、待機状態となる。
【0090】
他方、デコーダ417のY1のL出力はゲート419(CPU161のリセット出力との2入力である)を通って、Dラッチ418のリセット端子(1)へ入力される。これにより、第一割込信号(ストローブ信号)STBによるDラッチ418の、(5)のL出力のラッチ状態がクリアされる。しかしながら、この(5)のL出力はDラッチ421に入力されており、その出力(9)がL出力をラッチ保持しているので、結果としてデコーダ417のY1のL出力は変化せず、第一割込信号STBによる処理が続く。しかしながら、この処理が終わり、CPU161のM1端子の出力がHになると、Dラッチ421のクロック端子(11)にL反転して入力され、Dラッチ421は(9)の出力のラッチを解除する。これにより、デコーダ417への入力はAB=00となり、出力Y0がLとなる。これを受けて、ゲート416は画像処理LSI部303へのアクセス信号を出力する。すなわち、画像処理LSI部303により割込処理が実行可能な状態となる。
【0091】
次に、回路422(図21)は、メモリ要求信号MREQを反転するインバータ425と、2入力ANDゲート424と、ゲート424からの出力をD入力とし、CPU161からのクロック信号をクロック入力とするDラッチ423とを備えている。なお、このDラッチ423の負側出力(6)はCPU161のWAIT端子に入力されている。この実施例では、ROM163の1回のアクセス時間(アドレス信号の入力からデータ出力までの時間)が、CPU161のクロックパルス周期(クロック周波数は例えば12MHz程度である)よりも短いため、Dラッチ423により1クロックパルス分のWAIT信号を作り、2クロックを1周期としたROM163の読み出し周期を実現している。なお、ROM163としてアクセス時間の短いものを使用すれば回路422は不要となる。
【0092】
一方、8ビットゲートIC408に対しては、CPU161のコマンドデータリードのために特定のアドレス空間(以下、これをコマンドアドレスという)が割りふられており、CPU161は第一割込信号STBを受けることで、このコマンドアドレスを出力する。8ビットゲートIC408は、コマンドアドレスの出力時に入力G1,G2がLとなり、主制御部140側からのデータを流すようになっている。ここでは、コマンドアドレスであることを特定するビットとして、下位8ビットが指定され、これらがNANDゲート412に入力されている。NANDゲート412の入力は、入力アドレスがコマンドアドレスであるときに全ての入力がHとなるように、その0(H)となるビットの入力がインバータ413で反転されるようになっている(あるいはNORゲートを使って全入力Lを対応させてもよい)。従って、コマンドアドレスの入力時にのみNANDゲート412の出力はLとなる。この出力は、CPU161のリード信号RDとともに、デコーダ411(デコーダ417と同種のものである)のA及びBの端子に入力され、そのY0出力が8ビットゲートIC408のG1,G2に入力されている。この実施例では、下位2バイトがFEであるアドレスがコマンドアドレスとして使用されている。
【0093】
次に、図22〜26は、画像処理LSI部303の回路例(図22は全体図、図23〜図26は分割拡大図)であり、図27〜31はCG−ROM/RAM部168の回路例(図27は全体図、図28〜図31は分割拡大図)である。画像処理LSI部303(MPAD501)は、CPU部301で要素モジュール212(図7等)が実行されるに伴い、CPU部301側から送られてくる画像制御データ、すなわち、フレーム毎に使用する画像の種別を特定する画像種別特定データ(例えば画像データのコードである)と、その表示画面233(図41等)上での表示位置データ(例えば、図41の変位量y等である)とを含む画像制御データに基づいて、CG−ROM/RAM部168に記憶されている画像データを使用して、特別図柄表示装置33に出力する画像信号、すなわち各画素のRGB成分毎の輝度と明度の信号を生成・出力するものである。なお、この画像処理LSI303は、図24のCMI[1]〜CMI[7]を入出力ポートとする割込調停回路を内蔵しているが、この実施例ではこれを使用していない。
【0094】
なお、CPU部301から画像処理LSI部303側への画像制御データの転送形態は、次のようなものである。すなわち、CPU部301は、要素モジュールの記述内容に従って、所定の時刻毎に表示させるべき画像の画像制御データをRAM162内にセットする。他方、画像処理LSI部303は、特別図柄表示装置33のフレーム周期に同期したタイミングでCPU部301側に画像制御データの転送を割込信号により要求する。CPU部301は、これを受けて割込処理により、そのときRAM162に格納されている画像制御データを読み出して、画像処理LSI部303側に出力する。なお、表示位置が常に固定となる画像要素については、表示位置をLSI側のデフォルト値を使用するようにし、表示位置データの転送を省略するようにしてもよい。
【0095】
前記した通り、主制御部140側からCPU部301へコマンドデータの転送があったときは、画像処理LSI部303からCPU部301への割込処理要求は一時的に無視され、その分だけ画像制御データの転送処理が遅れる形となる。しかしながら、コマンドデータの転送処理に要する時間は例えば数十μs程度と短く、画像フレームの切り替えインターバル、例えば垂直同期信号の後に挿入される空白走査の期間(例えば1.5ミリ秒程度である)を利用してこれを吸収することができ、画像表示上の不具合はほとんど生じない。
【0096】
次に、図27に示すように、CG−ROM/RAM部168はROM部431とRAM部430とからなる。本実施例では、画像表示をカラーで行うため、サイズの大きいカラー画像データを扱う必要がある。そのため、図7に示すように、画像データはROM部431内に圧縮画像データの形で記憶されており、RAM部430は、画像処理LSI部303による圧縮画像データの展開領域として使用される。また、RAM部430は、前記した特別図柄の画像と背景画像との合成エリアとしても使用される。
【0097】
図27に示すように、ROM部431(LH5S8P)はROMが2枚使用され、それぞれ16ビットデータバスにより並行読出が可能とされている。データの2枚のROMへの割りふりは自由であるが、例えばディスクアレイ等と同様の原理により、1つの画像データを2つに分割して2枚のROMにまたがる形で記憶しておき、並行読出処理により読出速度を向上させることが考えられる。他方、RAM部430も2枚のDRAM(HM514269DLJ-7)により構成されているが、この実施例では1本の16ビットデータバスによる交互アクセス形態となっている。この場合、例えば一方のRAMを圧縮展開用に使用し、他方のRAMを画像合成用に使用することが考えられる。なお、RAM部430は容量の大きい1枚のRAMで構成してよいことはもちろんであるが、他方、2枚(あるいはそれ以上の枚数)のRAMのそれぞれに独立したバスを接続することにより、並行読出及び書込処理による速度向上を図ることも可能である。
【0098】
次に、図32〜図39は、液晶インターフェース部307の回路例を示すものである(図32は全体図、図33〜図39は分割拡大図)。この回路は、画像処理LSI部303のRGB出力を受けて、特別図柄表示装置33への画素出力を司るものであるが、基本的な構成は公知の画像表示インターフェースと同様のものである。画像処理LSI部303からのRX,GX,BXの画像信号はゲートIC、ここでは、5ビットずつの各画像信号が2枚の8ビットゲートIC466,467に振り分けて入力され、それぞれ1G,2Gにドットクロック(図14の発振部311が生成する)を受ける毎に、上記画像信号を所定の画素の色データとしてフレームメモリ(RAM)460,461に出力する。他方、フレームメモリ460,461は、ドットアドレス生成回路440から対応するドット(画素)のアドレスを受け、8ビットゲートIC466,467からの色データをそのアドレスのエリアに書き込む。
【0099】
ドットアドレス生成回路440は、4つのDラッチ441〜444と、3つの16進カウンタ449〜451及び周辺のゲート445〜448,452〜455とを使用して、水平同期信号HSYNCとドットクロックCLKとを受け、画素アドレスデータを生成するものである。HSYNCを受けてからのCLKのカウント数を計測することにより水平方向のアドレス位置を、また、HSYNCの受信回数から垂直方向のアドレス位置を特定できる。16進カウンタ449〜451はアドレスデータをフレームメモリ460,461に出力する。
【0100】
こうしてフレームメモリ460,461内には、1フレーム分の画素の色データ、すなわち画像出力データが蓄積され、フレームメモリ460,461へのデータ書込時における出力保持用のラッチ回路462,463を経て、垂直同期信号VSYNCを受ける毎にコネクタ471に出力される。コネクタ471には液晶ディスプレイにて構成された特別図柄表示装置33が接続されており、上記画像出力データに基づいて画像出力を行う。なお、符号464,465は、コネクタ471を介して特別図柄表示装置33側に供給されるドットクロックへの、シュミットトリガ部を構成するインバータである。また、符号468は電源回路、符号469,470は特別図柄表示装置33に接続されるコネクタである。コネクタ469,470には各種電力の供給線のほか、データイネーブル線(DE)や輝度指定線(BRTHL)が接続されている。なお、ゲート455から出力される信号EDCKIは、RX,GX,BXの画像信号の送信タイミングを与えるために、画像処理LSI部303に返されるドットクロック信号である。この信号を受けて、画像処理LSI部303はHSYNC及びVSYNCの出力タイミングを設定する。
【0101】
以下、パチンコ機1の作動について説明する。
主制御部140では、図4に示す第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ83、カウント検知スイッチ86、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ87等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを用いて、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞が有った状態、及び、特別遊技状態などが判別される。また、始動入賞が検知されると、乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動あるいは確定などの表示制御のためのデータが作成される。なお、枠飾りランプ基板16等の各種ランプやサウンドジェネレータ94は、主制御部140からの指示を受けた枠制御部150により、特別図柄の変動・確定態様、リーチ発生の有無、リーチ態様(全回転、コマ送り、逆進、図柄の拡大・縮小など)、特別遊技、及び、遊技モード(確率変動、時短など)等に応じた態様で制御される。
【0102】
次に、主制御部140と特別図柄制御部160にて実行される各種のジョブのうち、主要なジョブについて説明する。まず、主制御部140により実行されるメインジョブを図49を参照して説明する。これは主制御部140のROM143に格納されたプログラムに基づき、CPU141により所定のリセット周期(例えば約2ミリ秒毎)に実行されるものである。まず、スタックポインタをRAM142の所定アドレスに設定した後(S10)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブが実行され(S190)、終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。
【0103】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄作動保留球数の表示用のデータや、特別図柄作動保留球数の表示用のデータなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、RAM142の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウンタメモリ(図示略)などが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。汎用カウンタメモリ(図示略)は、ユーザリセット毎の例えば「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、音楽作成ジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。また、音声作成ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの作成が行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号、カウント検知信号、特定領域通過検知信号、普通図柄作動ゲート検知信号などの各種信号が外部接続端子基板423を介して主制御部140に取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ83から第一種始動口入賞検知信号、入賞球検知スイッチ92から入賞球検知信号が各々取り込まれる。
【0104】
さらに、カウント検知スイッチ86やカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ87に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0105】
特別図柄メインジョブ(S90)では、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータのジョブが行われる。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄作動保留球数の表示用のデータの作成が行われる。音声ジョブ(S110)では遊技状態に応じた音声のデータが出力される。
【0106】
この後、再びカウント検知スイッチ86やカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ87に異常があるか否かが判定され(S120)、異常がなければ(S120:YES)、各フラグの状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び、残余時間ジョブ(S180)が実行される。各種スイッチに異常がある場合には(S120:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0107】
賞球信号ジョブ(S150)では、賞球払出しに関するデータの作成や出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの作成が行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理のためのコマンドの入出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しや、汎用乱数メモリ(図示略)の更新が行われる。
【0108】
さて、始動入賞時の当否判定や、それに伴う特別図柄の表示パターンの決定は、上記メインジョブをリセット周期毎に繰り返し実行することにより、いわば自然派生的に行われてゆくのであるが、主制御部140が全体として行うジョブの内容を、作業フロー的にわかりやすくまとめたものが図50である。以下、流れに沿って説明する(なお、このジョブにて使用する各種メモリは図6のRAM142内に形成されており、代表的なものを図8にまとめてある)。まず、T1において始動入賞があったかどうかを確認し、YESであれば、T2において特別図柄保留数メモリ(図8)に記憶されている保留数Nを1インクリメントする。この保留数Nが一定値(この実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となりT6へスキップする。他方、一定値以内の保留数であれば、T4で特別図柄当否判定乱数(以下、判定乱数ともいう)を発生させ(プログラム発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ判定乱数値をT5で特別図柄当否判定乱数メモリ(以下、判定乱数メモリともいう)(図8)に記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列順にシフトメモリ形式にて記憶している。
【0109】
次に、T6では、判定乱数メモリから最も古い先頭の判定乱数の記憶値を読み出す。そして、T7で大当り番号メモリ(図8)から大当り番号を読み出し、T8において上記判定乱数との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、T9に進み、大当り図柄の決定乱数を発生させ、これを読み込んでその乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ(図8)に記憶する(T10)。また、大当りの判定結果(この実施例では「1」)を図8の判定結果メモリに記憶する。この大当り図柄決定乱数で指定される特別図柄が、図2の左図柄表示領域34、中図柄表示領域35及び右図柄表示領域36に、所定の変動表示状態を経た後、定められた配列パターンで特別図柄表示装置33に揃えた形で表示される。
【0110】
一方、外れ判定となった場合はT8からT12に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、T12でリーチジョブ決定乱数(図8)を発生させてこれを読み込み、他方、T13でリーチ番号メモリ(図8)に記憶されているリーチ番号を読み出す。T14で両者が一致していれば外れリーチジョブ、一致していなければ通常外れジョブとなる。
【0111】
外れリーチジョブの場合はT15へ進み、左図柄表示領域34及び右図柄表示領域36に揃えるべき2つの特別図柄を、大当り図柄決定乱数(別途乱数を発生させるようにしてもよい)を用いて決定する(T15,T16)。また、T17では、外れ中図柄を乱数により同様に決定し、T18で決定した乱数値を外れ中図柄番号メモリ(図8)に記憶する。また、T19では、外れリーチの判定結果(この実施例では「2」)を図8の判定結果メモリに記憶する。一方、通常外れジョブの場合はT20へ進み、左図柄、右図柄及び中図柄をそれぞれ乱数により決定し、決定した各乱数値をそれぞれ対応する番号メモリ(図8)に記憶する(T20〜T25)。また、T26では、通常外れの判定結果(この実施例では「3」)を図8の判定結果メモリに記憶する。
【0112】
図51は、特別図柄の表示制御ジョブの概略の流れを示すものである。S901で、図2に示すように、左図柄表示領域34、右図柄表示領域36及び中図柄表示領域35の各特別図柄250の変動を開始させる。次いで、S902では、図8の判定結果メモリから図50のジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。大当り判定(「1」)の場合は(S903:YES)、S913〜S915に進み、大当り図柄番号を図8の大当り番号メモリから読み出し、リーチジョブを経て図柄確定ジョブとなる。一方、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S904:YES)、S910〜S912に進み、大当り図柄番号(すなわち、揃えるべき左図柄と右図柄の番号)と、外れ中図柄番号とを図8の各メモリから読み出し、以下同様にリーチジョブを経て図柄確定ジョブとなる。リーチジョブでは、例えば特別図柄の変動速度を変えたり、背景画像としてリーチ時専用のもの表示したりするなどの、リーチ特有の表示態様が実行される。一方、通常外れ判定(「3」)の場合は(S905:YES)、S906〜S909に進み、左図柄、右図柄及び中図柄の各番号を図8の各メモリから読み出し、左図柄、右図柄、中図柄の順で互いにずれたタイミングで確定(例えば停止)させる。
【0113】
さて、図7に示すように、主制御部140は特別図柄制御部160とバス169で接続されており、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示パターン画像表示制御を行うためのデータを、前記したコマンドデータの集合として作成して、特別図柄制御部160へ送信する。このデータの作成処理は、特別図柄処理モジュール205(図9参照)のうちの必要なものを選択して実行することにより行われる。
【0114】
図52は、主制御部140と特別図柄制御部160との間の、画像表示処理における連係作動状況を概念的に示すものである。すなわち、メインジョブ(図49)の周期的な実行に伴い、主制御部140側では、コマンドメモリ(図6のRAM142内に形成される)に必要な要素コマンドのデータがセットされる。このとき、図48に示すように、次の要素モジュールの立ち上げまでに許されるタイマー値がタイマーメモリ(図6のRAM142内に形成される)にセットされる。これには、次のようなパターンがありうる。図53を用いてこれを説明する(図中、▲1▼〜▲5▼等は、各要素モジュールの実行開始時刻を表す)。
【0115】
まず、Aに示すパターンでは、各要素モジュールの実行開始時刻間の間隔TA1,TA2‥‥等を、各要素モジュールの実行所要時間T1,T2‥‥に関係なく独自に設定する場合、Bは要素モジュールの実行が終了すると、直ちに次の要素モジュールを起動する場合(結果的に、時系列的に隣接する要素モジュールの実行開始時刻間隔は、要素モジュールの実行所要時間T1,T2に対応したものとなる)である。もちろん、これらA及びBのパターンは、Cのように混在させることもできる。図54のS801〜S807に示すように、Aの場合は、例えば特別図柄処理モジュール205内において、TA1,TA2‥‥等を反映したタイミングデータTAをプログラム内に書き込んでおき、コマンドデータをリードした際にそのタイミングデータTAをタイマー値としてセットする(S802→S803の流れ)。他方、Bの場合は、図48に示すように、このコマンドに対応するタイミングデータTを読み出して、これをタイマー値としてセットする(S802→S804の流れ)。以降はタイマー値を1デクリメントさせ、タイムアップすれば次のコマンドデータをリードする動作を繰り返す(S805〜S807)。
【0116】
図52に戻り、主制御部140側でリードされたコマンドデータは特別図柄制御部160へ転送される。これは、特別図柄制御部160のRAM162内に形成されたコマンドメモリに格納され、さらに対応する要素モジュールが起動される。その要素モジュールの実行が終了すれば、次のコマンドを受信するまで待機し、コマンドを受信すれば以下同様の処理を繰り返す。ただし、前述の通り、主制御部140側から、複数のコマンドデータを一括して受け取り、順次これを読み出して実行するようにしてもよい。いずれにせよ、特別図柄制御部160側で要素モジュールの実行が終了しても、主制御部140側への次のコマンドの送信要求等は一切出されない。主制御部140では、コマンドの送信後はタイマーを監視するのみで、タイムアップすれば一方的に次のコマンドを送信する形となる。
【0117】
なお、図55は、特別図柄表示装置33の特別図柄の変動が開始してから、図柄確定に至るまでの、左図柄、中図柄、右図柄、背景画像、及びこれに貼り込むキャラクタの画像の表示態様制御に関するコマンド送信の一例を示すタイミング図である。これは、リーチ動作を伴う表示が行われる場合の一例であり、図中の(1)〜(30)は、主制御部140から特別図柄制御部160へのコマンドデータ(図10〜13参照)の送信タイミングを示している。
【0118】
図55の横軸は時間軸であり、各コマンドの送信タイミングが時系列順に配列・表示されている。なお、設定された各コマンドの送信の時間間隔をT1〜T14にて表している。T1〜T14の時間間隔にて区切られたコマンド同士は、互いに異なるリセットサイクルにて送信される。他方、時間間隔を明示せず、互いに接近して表示した複数のコマンド送信タイミングの組(例えば(1)〜(3)、(4)及び(5)、あるいは(15)〜(18)など)は、複数のコマンドデータが1リセットサイクル中に送信されることを表している。そして、一度のコマンドデータの送信から次回の送信までの時間間隔が最小で例えば10μs程度となること、及び限られた1リセットサイクル中にコマンド送信以外の処理についても実行時間を確保しなければならないことなどから、本実施形態においては、1リセットサイクル中に送信するコマンドデータの最大数を所定数、ここでは4つに限定している。
【0119】
つぎに、図55中の各送信タイミング(1)〜(30)について説明する。なお、各送信タイミング(1)〜(30)にて使用するコマンドデータは、図10〜図13中に対応する括弧付き数字にて表示している。まず、(1)、(2)、(3)のタイミングにおいては、左図柄、中図柄、右図柄の低速変動コマンドが送信される。また、(4)では人魚キャラクタ登場、(5)では背景の「竜宮」への変更のコマンドデータが送信され、(6)〜(8)では左、中、右図柄のそれぞれ高速変動コマンドが送信される。さらに、(9)では左図柄の「1」への差替え、(10)では左図柄の低速変動、(11)では右図柄の「1」への差替えのコマンドデータが送信され、(12)では右図柄の低速変動、(13)、(14)では左、右図柄の超低速変動のコマンドデータが送信される。
【0120】
また、(15)は左図柄ゆれ変動、(16)は中図柄の「1」への差替え、(17)は中図柄低速変動、及び、(18)は右図柄ゆれ変動のコマンド送信のタイミングを示し、(19)は乙姫キャラクタ登場、(20)は中図柄中速変動、(21)は中図柄縮小表示、(22)は乙姫キャラクタの右への移動、及び、(23)は中図柄高速変動のコマンドの送信のタイミングを示す。さらに、(24)は乙姫キャラクタの左へ移動、(25)は人魚キャラクタの右への移動、及び、(26)は中図柄の「2」への差替えのコマンド送信のタイミングであり、(27)は左図柄の「1」での確定、(28)は右図柄の「1」での確定、(29)は中図柄の「1」での確定、そして、(30)は人魚キャラクタの消去のコマンド送信のタイミングである。
【0121】
以下、パチンコ機1の電源投入時及びエラー発生時における、特別図柄制御部160の制御態様について説明する。まず、電源投入時においては、図6において主制御部140が、電源ターミナル基板122から電源投入信号を受け取る。そして、特別図柄制御部160に対し、図10に示す初期画面表示コマンドICを送信する。特別図柄制御部160では、この初期画面表示コマンドICを受けて初期画面表示プログラムモジュール(ここでは、「変動待ち表示」の要素モジュールである)を起動する。これにより、特別図柄表示装置33の表示画面233には、例えば図56に示すような、初期画面としての変動待ちデモ表示画面270a〜270dが表示される。デモ表示画面270a〜270dは動画像画面であり、特別図柄250に関連したイメージ画像を表示するようになっている。この例では、海岸で玉手箱が開き(270a)、その玉手箱からモクモクと煙が発生して画面全体を覆う(270b,c)。煙が引いた後は、じいさんになった浦島が現われると予想されるところであるが、意表をついてパチンコ機1のタイトル画面が現われるようになっている(270d)。なお、270dの画面状態がしばらく保持された後は、270aの画面に戻って、同じ表示が入賞があるまで繰り返される。
【0122】
また、パチンコ機1においてエラーが発生した場合には、図49のメインジョブの中のエラージョブS130にてこのエラーを検出し、図13のエラー画面表示コマンドEC(エラーの種別に応じて、複数のコマンドのいずれかを選択する)を特別図柄制御部160に送信する。特別図柄制御部160は、このエラー画面表示コマンドECを受けて対応するエラー画面表示の要素モジュールを起動し、図57(a)〜(c)のいずれかに示すエラー画面を、特別図柄表示装置33の表示画面233に選択的に表示する。(b)あるいは(c)が選択された場合、初期画面に関連した画像、ここでは、初期画面での登場が予想された「じいさんの浦島」が、エラーという不測の事態に乗じて出現するという人を食った演出がなされ、エラーにより遊技中断を余儀なくされた利用者の心を少しでも和らげる工夫がなされている。
【0123】
この場合、エラー画面の表示タイミングの設定には注意を要する。例えば、特別図柄表示装置33における特別図柄の変動中に、いきなり画面が切り替わり、図57のようなエラー画面が現われてパチンコ機1の作動が停止したとすれば、遊技者に不信感を抱かせてしまう場合があるからである。
【0124】
この場合は、図2に示す特別図柄表示装置33における、左、中、右の3つの特別図柄表示領域34〜36が変動停止した後に、すなわち、特別図柄が確定した後に、それら特別図柄表示領域34〜36をクリアして、図57に示すエラー画面を表示させるようにすれば、利用者は図柄の確定を見届けてからエラーの発生を知るので、多少は気分も和らぐこととなる。具体的な方式としては、主制御部140が、特別図柄表示装置33における特別図柄の変動が開始してから確定するまでの一連の表示動作を上位表示動作とし、その上位表示動作に必要な全ての要素コマンドの送信が終了した後に、特別図柄制御部160へエラー画面表示コマンドを送信する方法を例示できる。また、主制御部140と特別図柄制御部160のいずれかにおいて、上記上位表示動作の開始に際して表示動作の処理時間をタイマーセットし、タイムアップした後に、エラー画面表示の要素モジュールを起動させるようにしてもよい。
【0125】
なお、エラー発生後において確定した図柄が当りであったか否かは、何らかの形で確認可能としておくことが望ましい。これが確認不能であると、利用者が当りを見届けてからパチンコ機1が機能停止し、しかも当りの事実を湮滅するかのような印象を与えてしまうことが考えられるからである。あるいは、実際には外れであったのに「あれは当りだった」とごねる遊技者が現われることも考えられる。具体的には、前述した判定結果メモリ等の内容を参照して当りインジケータを点灯させる方法、エラー画面表示の直前の画面状態を非常用メモリに退避させておき、スイッチ操作等によりこれを再表示させる方法、あるいはエラー画面自体を使用せず、確定画面をそのまま維持させる(いわゆるフリーズ状態)、あるいはその確定画面を少し暗くする、及び/又は小さなエラー表示を重ねるなど、確定画面をクリアせずにエラーの通知を行う方法等が考えられる。
【0126】
以下、本発明の要部である異常発生時の遊技情報バックアップ機能実現部分の構成と、その作動について説明する。この実施例では、停電等による電源電圧低下を異常として検出し、停電復帰後に停電前の遊技状態に基づく遊技続行が可能となるように、停電直前の制御部のワークメモリ内の遊技情報をバックアップする態様を例にとる。
【0127】
上述したように、パチンコ機1は、3つの制御部、すなわち主制御部140、枠制御部150及び特別図柄制御部160(表示制御部)を有している。従って、停電直前作動状態の正確な回復を行う観点においては、それら全ての制御部140,150,160のそれぞれに上記バックアップ機能実現部分を付加しておくことが望ましいといえる。しかし、主制御部140内の遊技情報をバックアップするのみでも停電直前作動状態をかなりの精度で回復できることも多く、この場合は主制御部140にのみバックアップ機能実現部分を付加する態様とすることができる。一方、例えば賞球の払出に関する動作のみを復元したい場合は、枠制御部150、あるいは枠制御部150及び特別図柄制御部160にのみバックアップ機能実現部分を付加する態様も可能である。ここでは、3つの制御部140,150,160の全てにおいてバックアップ処理を行う場合を例に取る。
【0128】
図58は、バックアップ機能実現のための基本的な回路構成の一例を表すブロック図である。なお、回路構成及びバックアップ処理の基本的な制御の流れは、バックアップするデータの種別が異なるだけで、制御部140,150,160のいずれについてもほぼ同じである。以下において、符号については主制御部140に関係するものを代表して使用しつつ、他の制御部150,160についても、対応する回路構成要素の符号を図面中に援用表示し、共通化した説明を行う。そのため、主制御部140はバックアップ対象制御部(あるいは単に制御部)140と称することにするが、これは主制御部140のみがバックアップの対象となることを、必ずしも意味しないことはいうまでもない。
【0129】
まず、主制御部140の基板には、CPU141及びRAM142(ROM143は図示省略)が搭載されている。そして、その基板上には電源監視回路553が実装されている。他方、CPU141への作動電圧を供給するCPU主電源回路552は、この実施例では基板外に設けられているように描いているが、設計上の便宜により、CPU主電源回路552も基板上に合わせて実装する構成としてよいことはもちろんである。また、電源監視回路553に基準信号等を供給する汎用定電圧電源回路555についても、基板上に設けても基板外に設けてもいずれでもよい。
【0130】
CPU主電源回路552は、出力電圧がCPU141の作動電圧に合わせて、例えば5Vに設定されている。また、汎用定電圧電源回路555は、各種電圧レベルの基準信号発生に対応できるよう幾分高めの出力電圧(ここでは、12V)を有するものとして設計されている。いずれも、外部交流電源(例えばAC24V)550からの交流入力を受けて、これを直流定電圧出力に変換するものである。その構成は公知のものであるが、代表的なものを図60及び図61に示す。いずれも交流入力側に降圧用の変圧器573が設けられ、その二次側交流出力をダイオードブリッジ574による全波整流とコンデンサ575による平滑化により直流化する。そして、図60の構成では、ツェナーダイオード576により、また、図61では三端子レギュレータ577により所望の直流出力電圧V0を得るようにしている。
【0131】
図59は、電源監視回路553の内部構成の一例を示す回路図である。まず、CPU主電源回路552からの出力電圧は、CPU141の電源端子VCCにCPU作動用補助電源回路556を介して入力されている。この補助電源回路556は、停電等による外部交流電源550からの電力供給の遮断(あるいはCPU主電源回路552自身の故障)等により、CPU主電源回路552からの電力供給が途絶えるか、あるいは出力電圧が所定値以下に降下した場合に、CPU141の必要な作動電圧を確保するためのものである。ここでは、出力電圧維持用の蓄電手段、具体的にはコンデンサ557がCPU作動用補助電源回路556の主体をなしている。
【0132】
コンデンサ557は、CPU主電源回路552からの電力供給線に対して並列に接続されており、常時はダイオード558を経てCPU主電源回路552から電力供給を受けることにより充電状態を維持している。そして、電力供給が途絶えた場合は、コンデンサ557がダイオード558により逆流防止されつつ放電し、CPU141の作動電圧を供給する。なお、コンデンサ557の容量は、後述するバックアップ処理が完了するまでの間は少なくとも、CPU141の作動を確保できる程度に設定されていることが望ましい。バックアップ処理自体は1ミリ秒程度までで完了するが、余裕を見越して5ミリ秒以上、望ましくは10ミリ秒以上の作動が確保できるように容量設定を行うことが望ましい。なお、補助電源回路556は、コンデンサ557に代えて電池(この場合、一次電池でも二次電池でもいずれでもよい)557aを用いて構成してもよい。
【0133】
次に、CPU主電源回路552からの出力電圧VXは、異常検出手段(ここでは、電源遮断検出手段)として機能するコンパレータ569に分岐入力され、ここで電圧監視基準信号567の電圧レベルVSと比較される。VSは、例えばCPU141の安定した作動が不能となる下限の電圧レベルに対応して設定することができる。常時はVX>VSであり、コンパレータ569の出力は第一状態(ここではLレベル)となっているが、停電等によりVX<VSになると、コンパレータ569の出力は前記した第一状態と異なる第二状態(ここではHレベル)となる。
【0134】
そして、このコンパレータ569の出力は、電源遮断信号(異常検出信号)の出力手段であるANDゲート570(異常確定情報生成手段の主体もなす)の一方の端子に入力される。そして、ANDゲート570の他方の端子には、電源遮断信号発生用基準信号568が入力されている。この電源遮断信号発生用基準信号568は、前記したコンパレータ569の第二状態に対応する電圧レベルVYを有する(ここでは便宜的にVS=VYとしている)。従って、コンパレータ569の出力が前記した第二状態になった場合にのみ、ANDゲート570は電源遮断信号VKを出力し(ここではLレベル)、これがCPU141の割込端子(ここではNMI端子)に入力される。
【0135】
なお、コンパレータ569及びANDゲート570の作動電圧は、汎用定電圧電源回路555(出力:+12V)により供給されている。なお、ANDゲート570の作動電圧は+5Vなので、分圧抵抗570a,570bからなる調整部570c(DC−DCコンバータ等であってもよい)により電圧調整されている。また、前記した電圧監視基準信号567及び電源遮断信号発生用基準信号568も汎用定電圧電源回路555により作られる(電圧レベルは分圧抵抗563,564からなる調整部560により調整されている)。なお、停電時には汎用定電圧電源回路555からの電力供給も途絶えるので、ダイオード562とコンデンサ561を有する、CPU作動用補助電源回路556と同様の構成の基準信号用補助電源回路559が設けられている。
【0136】
一方、図58に示すように、CPU141のワークメモリエリアを形成するRAM142には、RAMバックアップ電源回路551が接続されている。後述する通り、このRAM142内に遊技情報たる遊技データが記憶・保持(バックアップ)されることとなる。この電源回路551も、基本的には前記補助電源回路556あるいは559と同様の構成のものを採用できる。この場合、コンデンサあるいは電池にて構成される蓄電手段は、予想される停電時間に応じて、その間の記憶内容保持が可能となるように容量が設定される。
【0137】
次に、バックアップ対象制御部のジョブ実行形態であるが、例えば主制御部140について図49を用いて説明したように、制御プログラムのメインジョブをリセット周期(例えば2ミリ秒)毎に繰り返し実行することにより、自然派生的に行われてゆくものである。メインジョブの大まかな流れは、個々のジョブの内容が相違するのみで、3つの制御部140,150,160について基本的には同じである。
【0138】
そして、図62に示すように、RAM142内に形成されたワークメモリエリア590内には、制御プログラムの格納エリア591が形成されている。制御プログラムは、上記のメインジョブを実行するためのメインルーチン596の他、異常発生時のバックアップ処理のためのルーチンとして、バックアップ処理ルーチン592と回復処理ルーチン593とが形成されており、さらに、異常確定情報記憶手段としての電源遮断フラグ594が形成されている。なお、バックアップ対象制御部以外の制御部については、その制御プログラムにバックアップ処理ルーチン592と回復処理ルーチン593は含まれない。また、ワークメモリエリア590内には、遊技データの格納エリアが形成されているが、これはバックアップ処理時にはそのままバックアップデータ格納エリア595として機能するものである。ただし、このバックアップデータ格納エリア595は、ワークメモリエリア590の外にある別のエリア(この場合、別のRAMのエリアであってもよい)に形成してもよい。
【0139】
以下、処理の流れについてフローチャートを用いて説明する。
図63は、各制御部のメインジョブの流れを共通化かつ簡略化して示すものである。S1は、ワークメモリエリア590の初期化ジョブであるが、後述する通り、通常のリセットではワークメモリエリアを含めたRAMの初期化が行われ(当然、データは全て消去される)、電源遮断異常から復帰した直後のリセット周期では、初期化の代わりに、バックアップデータ格納エリア595(図62)内に記憶・保持された遊技データにより、電源遮断発生時の記憶状態を回復する処理がなされるのである。
【0140】
そして、初期化後は、S2においてタイマー監視(カウンタプログラムによるソフトタイマー処理である)により、リセット周期が到来したかどうかが確認され、リセット周期が到来していればS1の初期化ジョブに戻る。他方、リセット周期が到来していなければS3(I/O入出力)に進み、入出力インターフェース(例えば主制御部140では、図6の144)の所定のポートにアクセスして遊技制御に必要な遊技データ(遊技情報)を収集する。収集した遊技データは、図62のバックアップデータ格納エリア595内に記憶されるとともに、S4にて必要な形態に編集される。
【0141】
処理に関与する遊技データの種別は、制御部毎に異なる。例えば、主制御部140の場合、賞球動作制御に関しては以下のものがある。
・カウント検知スイッチ86、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ87の通過に伴う15個賞球回数データの加算値。
・第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ83の通過に伴う6個賞球回数の加算値。
これらの加算値が判明すれば、賞球排出個数が算出できる。
【0142】
また、図4に示す第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ83、カウント検知スイッチ86、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ87等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを用いて、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び、特別遊技状態などの判別に使用するデータ等も、主制御部140が取り扱う遊技データである。また、始動入賞が検知されると、乱数値に基づいて当否判定が行われるが、保留始動入賞のものも含めて、その判定結果も重要な遊技データとなる。上記のデータをバックアップする場合は、主制御部140にてこれを行うのが望ましいといえる。
【0143】
一方、主制御部140から枠制御部150に送られる遊技データとしては、次のようなものがある。これらのデータのバックアップは、主制御部140側と、枠制御部150側のいずれで行ってもよい。
・15個賞球回数が0でなければ15個の賞球個数データが、6個賞球回数が0でなければ6個の賞球個数データが送られる。
・それ以外の場合、例えば、左右下入賞口46、47や左右入賞口48、49で遊技球の通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データが送られる。
【0144】
また、枠制御部150は、入賞球検知スイッチ92からの入賞球検知信号と主制御部140からの賞球個数データとを受け取り、賞球払出装置108を作動させる。従って、賞球の排出状況は枠制御部140によりデータ把握させるのが最も合理的であるといえる。後述する通り、賞球の排出途中で電源遮断等が発生した場合は、このデータを用いて排出動作の続きを復帰後に行わせることができる。また、枠制御部150は、入賞球排出ソレノイド90(すなわち、役物の駆動部である)をON、OFF(入賞球1個を排出)させるのに対応して、入賞球検知信号をOFFとする。すなわち、入賞検知信号のフラグをリセットするが、この入賞検知信号のフラグをバックアップしておけば、これを用いて役物動作の続きを復帰後に行わせることができる。
【0145】
一方、特別図柄表示に関する遊技データは次のようなものがある。
すなわち、前述のように主制御部140は、当否判定の判定内容に応じて、対応する図柄表示パターン画像表示制御を行うためのデータを、前記したコマンドデータの集合として作成して、特別図柄制御部160へ送信する。この場合、コマンドメモリ(図6のRAM142内に形成されるので、これをバックアップデータ格納エリア595(図62)に含めておけばよい)に必要な要素コマンドのデータがセットされるので、例えば主制御部140にてバックアップを行う場合は、この要素コマンドのうち未処理のものを遊技データとして記憶保持すればよい。この場合、コマンドは特別図柄制御部160に逐次転送するようにし、転送済みのものから消去(あるいは無効化)してゆけば、未処理のものだけが主制御部140側に残るので都合がよい。また、次の要素モジュールの立ち上げまでに許されるタイマー値も遊技データの一部として記憶しておくとよい。
【0146】
一方、特別図柄制御部160へ転送されてきたコマンドデータを遊技情報として、特別図柄制御部160側でバックアップする方法もある。これは、特別図柄制御部160のRAM162内に形成されたコマンドメモリに格納され、さらに対応する要素モジュールが画像処理の進行に伴い起動される。従って、より正確な表示動作復帰を目指す場合は、その要素モジュールの実行途中状態をも遊技データとして記憶しておくことが望ましい。また、前述の通り、主制御部140側から、複数のコマンドデータを一括して受け取り、順次これを読み出して実行することも可能であるが、この場合は、処理の終了したコマンドから順次消去(あるいは無効化)してゆけば、未処理のものだけが残るので都合がよい。
【0147】
図63に戻り、S5では、編集された遊技データを用いて個々の遊技制御ジョブが実行される。その詳細については、既に説明済みであるので省略する。
【0148】
さて、上記のようなメインジョブの実行中に、もし停電等による電源遮断異常が発生した場合は、次のようにしてバックアップ処理が行われる。すなわち電源遮断が発生すると、図59においてCPU主電源回路552の出力電圧が低下し、結果として既に説明した通り、ANDゲート570が電源遮断信号をCPU141の割込端子に入力する。これを受けてCPU141は、図62のバックアップ処理ルーチン592を起動する。
【0149】
ここで、図58において電源遮断信号が入力される割込端子は、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子であり、この端子を能動化することにより実行される割込処理ルーチンは、プログラムによる無効化が不能とされており、他の割込信号がNMI端子あるいは通常割込のINT端子に入力されても、一切中断されることなく処理が行われる。また、先に実行されている割込処理があれば強制的に終了され、NMI割込処理が優先される。
【0150】
図64は、バックアップ処理の内容を示すものであり、まずS7で電源遮断フラグ594(図62)の値を「異常あり(ここでは「1」)」にセットする。このフラグのセットは、電源遮断信号が入力と対になるバックアップ処理が実行された場合にのみセットされる。すなわち、電源遮断異常以外のトラブル発生(例えばプログラム暴走など)時にはセットされることはない。
【0151】
そして、この電源遮断フラグのセットが終了すればS8に進み、その時点でバックアップデータ格納エリア595内に記憶されている遊技データを記憶・保持させる。このとき、ワークメモリエリア590内に分散記憶されている遊技データのうち、必要なものをバックアップデータ格納エリア595に集める処理を実行するようにしてもよいし、別のエリアに集められていた遊技データを、バックアップデータ格納エリア595にコピーする処理を行ってもよい。これにより、バックアップデータ格納エリア595外に存在する遊技データを、喪失から救い出すことができる。
【0152】
他方、バックアップ処理実行時にバックアップデータ格納エリア595内に残っている遊技データのみを救済するようにしてもよい。電源遮断された後は、図58のRAMバックアップ電源回路551の作動により、自動的にバックアップデータ格納エリア595内の記憶内容が記憶保持されることとなる。なお、より簡便な方法は、RAM142の全アドレス空間をバックアップ記憶保持の対象としておくことである。
【0153】
ここで、図64に示すように、電源遮断フラグのセットと同時にバックアップデータ格納エリア595へのアクセスを禁止し、さらに停止命令(STOP)の挿入あるいは無限ループの設定により、バックアップ処理終了後にメインジョブのルーチンに復帰させないようにしておくことができる。このようにすれば、次のような効果が達成可能である。
▲1▼バックアップ処理以降のプログラム処理を停止しない場合、いわゆる不正基板等が遊技機に取り付けられていたりすると、その不正基板等から出力される割込信号により、制御に対して不正が加えられることが起こりうる。しかし、上記のようにプログラムを停止させれば、そのような不具合発生を未然に防ぐことができる。
▲2▼バックアップ処理終了後も補助電源の電圧は一定期間維持され、プログラム処理の続行は可能であるが、補助電源電圧が不安定化してくると、プログラムの正常作動が困難となり、甚だしい場合は暴走状態に陥って、バックアップデータ格納エリア595内のデータが壊されてしまうこともありうる。しかし、上記のようにプログラムを停止させれば、そのような不具合発生を防ぐことができる。
【0154】
次に、図65は、初期化ジョブの流れを示すものである。このジョブの特徴は、その最初のステップS1000において、図62の電源遮断フラグ594の内容を読みにいくことである。もし、電源遮断異常から復旧後の最初の立ち上げ時においては、この電源遮断フラグ594の内容は「異常あり」を意味する「1」にセットされている。従って、この場合はS1400の回復処理ルーチン(図62;593)を実行して、バックアップデータ格納エリア595内のバックアップデータをもとに、電源遮断前の状態からの継続処理が可能となるように、RAM142のワークメモリエリア590(図62)の記憶状態を回復させる。なお、この実施例では、処理途中ジョブのバックアップデータか、処理待ちジョブのバックアップデータかのいずれかが残っていれば回復処理ルーチンS1400を実行し、いずれも残っていなければRAM142の初期化(S1100)を行うようにしている。他方、電源遮断フラグ594の内容が、「異常なし(ここでは「0」)」になっていれば回復処理ルーチンS1400は実行せず、初期化S1100を行う。
【0155】
例えば、賞球排出ジョブ(例えば枠制御部150)に係るバックアップ処理の場合は、図66に示すように、既に説明した方式により、処理待ち賞球データ(例えば、処理待ちの賞球個数データ)あるいは処理途中の賞球データ(賞球排出状況を示すデータ)を用いて、ワークメモリエリア590(図62)の記憶状態を回復させる。図63のS5では、この回復された記憶内容に基づき賞球排出動作が再開される。一方、主制御部140における当否判定後の制御指令の流れをバックアップする場合は、図67に示すように、処理待ちあるいは処理途中の当否データを用いて、ワークメモリエリア590(図62)の記憶状態を回復させる。図63のS5では、この回復された記憶内容に基づき当否判定後に係る制御指令(例えば、図49の特別図柄メインジョブ(S90)、コマンドジョブ(S170)等)が再開される。
【0156】
なお、遊技店の営業終了時等において、電源スイッチのオフにより正常に終了する場合は、これを電源遮断異常として検出せず、バックアップ処理を行わせない(あるいは、一旦行ったものを無効化する)ようにしておくことが望ましい。これには種々方法があるが、例えば電源スイッチをオフにすることにより終了信号を発生させ、この終了信号により電源遮断信号の発生を禁止化する手段を設けておく方法がある。そして、この電源遮断信号発生の禁止化処理が完了した後、電源からの電力供給を遮断するようにする。例えば、図58に示すように、電源監視回路553からの電源遮断信号の出力線上に、上記終了信号をインヒビット入力として使用するトライステートバッファ595を設けておく。終了信号がLレベルとしてトライステートバッファ595のインヒビット端子に入力されると、トライステートバッファ595の出力はハイインピーダンス状態となり、電源遮断信号の出力が禁止される。この方法は、上記のように、プログラム中断不能なNMI割込によりバックアップ処理を行う場合に特に有効である。なお、特開平10−85421号公報に記載されているように、電源遮断後、一定期間が経過した場合にRAM142の初期化を行う方法もある。
【0157】
また、図68に示すように、遊技データのバックアップ記憶は、CPU141(あるいは151,161)の内部RAM領域142'(あるいは152',162')に形成された、バックアップデータ格納エリア(図では、「バックアップRAM」と表示している)580において行うようにしてもよい。この場合、RAMバックアップ電源回路551の出力は、CPU141に設けられた、上記内部RAM領域142'の記憶保護のためのRAMバックアップ端子に接続される。
【0158】
他方、バックアップ処理ルーチン592の実行は、上記のようなNMI割込処理にて行うのではなく、図69に示すように、通常のINT割込処理により行うようにしてもよい。この場合、CPU141は、そのとき実行しているプログラムルーチンを所定時間経過後にリセットした後、バックアップ処理ルーチン592を起動する。なお、複数のINT割込が競合した場合に、バックアップ処理ルーチン592の実行が優先されるよう、割込調停回路596を設けている。この調停回路596は、電源遮断信号を受けた場合、他の割込信号を待たせて電源遮断信号を割込信号として優先させるように機能する。その回路構成としては、イネーブルフリップフロップを2個含む、図19に示すものと類似のものを採用することができる(Dラッチ418,421がイネーブルフリップフロップである)。この場合、第一割込信号に電源遮断信号を対応させ、第二割込信号に他の割込信号を対応させれば、作動も図19に示すものと同様である。
【0159】
一方、図70に示すように、優先順位のついた複数のINT端子(INT1,INT2,‥‥)を有するCPU141を用いる場合は、最も優先度の高いINT1端子に電源遮断信号を入力するようにしておく。
【0160】
また、図71に示すように、CPU141に接続された別体の入出力インターフェース(入出力回路)581(144)に、電源遮断信号が入力されるようにしてもよい(なお、図68〜図70でも入出力インターフェースが設けられているが、これらの図ではその図示を省略している)。この場合、CPU141は、入出力インターフェース581(144)の電源遮断信号の出力ポートに、予め定められたタイミングにて自発的にアクセスして電源遮断信号の検出を行う。図72は、その場合のジョブの流れを示すフローチャートであり、S3のI/O入出力ステップにて電源遮断信号のポートアクセスを行い、S2000にて電源遮断信号を検出すればS7〜S8のバックアップ処理ルーチンをサブルーチンとして実行する。この場合も、バックアップ処理ルーチンの実行後は、処理停止(S9)とすることが望ましい。
【0161】
さて、停電等の電源遮断異常から復旧する際の、遊技機の最初の立ち上げ時(例えば電源再投入時)においては、図65〜図67の初期化ジョブでは、いずれも電源遮断フラグがセットされている場合に、有効なバックアップデータが記憶・保持されている限り、無条件に回復処理ルーチンを実行するようになっていた。すなわちバックアップデータをもとに、RAMのワークメモリエリアの記憶状態を回復させること(例えばバックアップデータのRAMのワークメモリエリアへのリストア)が、処理として必ず実行されるようになっていた。ところが、第三の課題のところで述べたように、第三者検査機関での遊技機の検査終了後や、工場出荷時の検査終了後、あるいはパチンコホールにおける遊技機設置時のテスト終了後等において、電源コネクタの引抜き等により、電気的には停電と同じ状況が意図的かつ強制的になされてしまうことがある。このような状況では、本来データバックアップの必要は全くないのであるが、パチンコ機側では特にこれを区別することなくデータバックアップ機能を無条件に作動させてしまう形になる。このような状況下でバックアップされたデータは、ただ単に不要であるばかりでなく、パチンコ機再起動の際に誤作動等を生ずる原因ともなりうる。
【0162】
そこで、回復処理を行うか否かを、例えばパチンコ機の再立ち上げ時に選択できるようにしておき、回復処理を行う選択がなされていた場合にのみ回復処理を行わせるようにする、あるいは回復処理でなく、バックアップデータのクリア(初期化)を行う選択がなされていた場合には、回復処理に代えてRAMの初期化を行うようにしておけば便利である。すなわち、検査等の終了後において意図的に電源遮断した場合など、本質的にデータバックアップが要求されない状況等においては、回復処理実行を選択しないようにし、代わってRAM(ワークメモリ)の初期化を行うようにしておけば、不可避的にバックアップされた不要なデータを簡易に初期化することが可能となり、例えば製造出荷時等におけるデータ消去作業を能率的に行うことができる。以下、その具体例について説明する。
【0163】
図6に示すように、この実施例では、回復処理を行うか否かの選択設定を行う選択設定手段として、例えば押しボタンスイッチ等で構成された復帰リセットスイッチ600を設ける。この復帰リセットスイッチ600の操作により、中継基板523を介してバックアップ実行制御部の一つである主制御部140に、選択信号としての復帰リセット信号が入力されることとなる。図58に示すように、復帰リセット信号の信号線は、入出力インターフェース581の1つのポートに接続され、プログラム制御によるCPU141の該ポートへの自発的なアクセスにより復帰リセット信号の入力がなされる。
【0164】
復帰リセット信号の発生回路は、各種態様にて構成可能であるが、図73にその一例を示す。この回路では、復帰リセットスイッチ600が非付勢(オープン)状態では、プルアップ抵抗601aを介して信号電源601により印加される信号電圧レベルはHレベルであり、同じく付勢(クローズ)状態では信号電圧レベルはLレベルである。この信号がシュミットトリガ回路602を介して入手力インターフェース581に入力される。
【0165】
なお、主制御部140と周辺制御部150,160,‥とを含む複数の制御部をバックアップ実行制御部とする場合、復帰リセット信号は、図74(a)に示すように、主制御部140に入力し、バス581aを用いて主制御部140から各周辺制御部150,160,‥に転送・分配するようにしてもよいし、同図(b)に示すように、個別の信号線581bにより、主制御部140及び周辺制御部150,160,‥に並列入力しても、いずれでもよい。
【0166】
バックアップ処理は前述の通り、本実施例では各制御部140,150,160,‥毎になされる。ここでの処理の概略は、パチンコ機1が電源遮断された後、電源復帰して再立ち上げを行う際に、もしその電源遮断が、停電など実際にデータバックアップが必要とされる状況で生じたものであった場合には、各制御部のRAMのワークメモリエリアにバックアップデータをリストアして復帰処理を行なう一方、逆に、検査終了時等における意図的な強制電源遮断など、データバックアップが不要な状況にあっては、バックアップデータの消去も含めたRAMの初期化を行うことである。そして、そのいずれを行うかの選択は、パチンコ機1の再立ち上げ時における復帰リセットスイッチ600の操作により行う。
【0167】
具体的には、パチンコ機1の再立ち上げ時において、復帰リセットスイッチ600に何らの操作も加えない場合には通常通りの回復処理を行ない、復帰リセットスイッチ600に予め決められたリセット操作が加えられた場合には、回復処理を行わず、代わってRAMの初期化処理を行うようにする。図75は、その処理の概略を示すものである。すなわち、この処理は、図65〜図67の初期化処理において、そのプログラムの先頭では電源遮断フラグがセットされているか否かを確認し、もしフラグがセットされていれば、基本的には回復処理ルーチンを実行する側の分岐に進む。ただし、バックアップデータの存在確認処理(図65ではS1200,S1300、図66ではS1210,S1310、図67ではS1220,S1320)に入る前に、前記した復帰リセット信号の状態、すなわち復帰リセットスイッチ600の操作状態を確認し、その確認内容に基づいて実際に回復処理を行うか否かを判定するジョブS2000を実行し、前記したリセット操作に対応する信号が検出された場合は、RAMの初期化(図65ではS1100、図66ではS1110、図67ではS1120)を行う流れとなっている。
【0168】
図76〜図77には、リセット操作の各種の例を示している。これらの図では、復帰リセット信号のタイミングチャートにより復帰リセットスイッチ600の操作状態が示されており、スイッチ押圧状態が信号のLレベル、非押圧状態が信号のHレベルに対応している。図76(a)は、再立ち上げに伴う電源投入のタイミングで復帰リセットスイッチ600が押圧されていればRAMの初期化(クリア:以下、CLRと略記する)が行われ、復帰リセットスイッチ600が押圧されていなければ、回復処理(バックアップデータのワークメモリへのリストア:以下、RSTOと略記する)が行われる例を示す。図76(b)は、その変形例であり、再立ち上げに伴う電源投入のタイミングで復帰リセットスイッチ600が押されており、かつその押圧時間t1が、予め定められた時間taよりも長い場合にのみCLRとし、それ以外の場合(例えばt1<taのとき)はRSTOとする。また、図76(c)は、電源投入時も含め、その電源投入の瞬間から一定時間ta内に復帰リセットスイッチ600が押圧されればCLRとし、taがタイムオーバーしてからの復帰リセットスイッチ600の押圧は無効としてRSTOとする処理の例である。この方法では、CLRとしたいにもかかわらず電源投入時にうっかりスイッチ操作を忘れていた場合等であっても、すぐに気づいて復帰リセットスイッチ600を押圧すれば希望通りCLRとすることができる利点がある。
【0169】
図77(a)は、電源投入後の一定時間ta内に復帰リセットスイッチ600の押圧がなされた場合にCLRとし、電源投入時に復帰リセットスイッチ600が押圧されていたり、あるいは電源投入後一定時間taを経過しても復帰リセットスイッチ600の押圧がなされなかった場合にRSTOとする例である。また、同図(b)は、その変形例であり、電源投入後の一定時間ta内に復帰リセットスイッチ600の押圧がなされ、かつその押圧が一定時間tb以上持続された場合にCLRとし、そうでないない場合にRSTOとする例である。
【0170】
また、図77(c)は、電源投入時の復帰リセットスイッチ600の操作とは無関係に、電源投入後に所定時間taが経過した時点において、復帰リセットスイッチ600が操作状態になっていればCLRとし、操作状態になっていなければRSTOとする例である。
【0171】
次に、停電等の異常が発生したときのパチンコ機の状況により、再起動後の遊技再開時に、必ずしも全ての遊技情報が必要とならないことがある。例えば、停電時に継続中であった賞球の払い出しのみを保証したい場合(例えば図66)には、枠制御部150の賞球データのみをバックアップすればよいから、枠制御部150以外のバックアップデータはクリアすればよい。また、公知の確率変動処理中であって、大当たり払い出し中ではない場合等においては、逆に主制御部140における処理待ち当否データのバックアップのみが問題となる。いずれの場合も、バックアップ処理が必要となる制御部のみを選択して回復処理を行なわせ、他の制御部では初期化処理を行うようにする必要が生ずる。このような場合は、例えば復帰リセットスイッチ600の操作状態の種別により、初期化する制御部が選択できるように構成することができる。その例を図78に示す。
【0172】
図78(a)においては、例えば電源投入時に復帰リセットスイッチ600が押圧されていれば制御部1(例えば主制御部140)がCLRとされ、電源投入後において、所定時間ta以内に復帰リセットスイッチ600が押圧されれば制御部2(例えば枠制御部150)がCLRとされ、それ以外の場合は両制御部ともRSTOとする例である。また、図78(b)は、復帰リセットスイッチ600の押圧時間t6の長さに応じて、CLRする制御部を決める方式を示し、例えば電源投入からの時間に対して、複数の判定基準時間ta1,ta2,ta3,‥(ta1<ta2<ta3<‥)を定めておき、t6≦ta1であれば制御部1をCLR、ta1<t6≦ta2であれば制御部2をCLR、ta2<t6≦ta3であれば制御部3をCLR等とし、有効時間内に復帰リセットスイッチ600の押圧がない場合には全ての制御部においてRSTOとする。この場合、押圧時間を計測するタイマー610を設けておき、経過時間に応じて、現在どの制御部がCLRの対象となっているかの表示部611を設けておくと便利である。
【0173】
また、図78(c)は、電源投入後において所定時間ta3が経過するまでの間に、復帰リセットスイッチ600の断続的な操作回数(すなわち、信号の立ち上がり又は立下りのエッジの検出個数)により、CLRとする制御部を決定する例であり、操作が全くなされなかった場合には全ての制御部においてRSTOとする。
【0174】
なお、複数の制御部をCLR(あるいはRSTO;以下、CLRで代表させる)のために一括して選択したい場合には、図79に示すような構成が便利である。図79(a)では各制御部に一対一に対応する復帰リセットスイッチ600をスイッチユニット610の形で設けておき、CLRとしたい制御部に対応する復帰リセットスイッチ600を選択して操作する(複数選択したい場合には、それぞれに対応するスイッチを操作する)ようにする。この場合、図74(a)のように、主制御部140が統括して復帰リセット信号を各制御部に転送する方式では、各復帰リセットスイッチ600の操作状態を示す信号レベルを複数ビット信号として組み合わせ、これを主制御部140に入力すればよいし、同図(b)のように、各制御部に個別に信号を送る場合には、各復帰リセットスイッチ600からの信号が個々の制御部に入力される形となる。
【0175】
また、図79(b)は、図79(a)の構成の操作性を改善したものである。この構成では、個々の制御部に対応するディップスイッチ621を含んだサブスイッチユニット620と、押しボタンスイッチ等で構成されたメインリセットスイッチ615との組合せにより選択スイッチが形成される。そして、CLRしたい制御部に対応するディップスイッチ621をクローズの側に倒して選択設定を予め行っておき、再立ち上げを行う際にはメインリセットスイッチの押圧により、選択された制御部にのみCLRを表す信号が送られるようにしている。
【0176】
なお、以上説明した方式では、図75の復帰リセット判定ジョブを初期化ジョブの先頭にて行わせるようにしたが、これを割り込み処理により実行させることも可能である。この場合、復帰リセット信号の入力を入出力インターフェースに入力するのではなく、CPUのINTあるいはNMI端子にストローブ信号として入力し、割り込み処理ルーチンとして構成された復帰リセット判定ジョブルーチンを立ち上げて処理を行なうようにする。
【0177】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。また、主制御部からの指令に基づいて表示態様制御を行うものであれば、特別図柄表示装置以外の表示装置にも本発明の概念を同様に適用できる。さらに、本発明は、フィーバー機以外にも、いわゆる権利物、羽根物、アレンジボールと呼ばれている機種、一般電役などの種々の弾球遊技機や、あるいは、その他の表示装置を使用する遊技機、例えば、スロットマシン等へも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たるパチンコ機の正面図。
【図2】その遊技盤の正面図。
【図3】遊技盤上における各役物の基板の配置を示す説明図。
【図4】遊技盤裏面及びその周辺の遊技球経路とスイッチ取付を示す説明図。
【図5】図1のパチンコ機の裏面図。
【図6】図1のパチンコ機の電子制御装置の一例を示すブロック図。
【図7】その特別図柄制御部の主要構成を示すブロック図。
【図8】特別図柄制御部の主要メモリを示す説明図。
【図9】特別図柄処理モジュールの一例を示す一覧図表。
【図10】要素コマンド(コマンドデータ)と要素モジュールの一例を示す説明図。
【図11】図10に続く説明図。
【図12】図11に続く説明図。
【図13】図12に続く説明図。
【図14】特別図柄制御部の全体構成の一例を示す回路図。
【図15】図14のコマンドインターフェース部の構成例を示す回路図。
【図16】図14のCPU部の構成例を示す回路図。
【図17】図16の第一の分割拡大図。
【図18】図16の第二の分割拡大図。
【図19】図16の第三の分割拡大図。
【図20】図16の第四の分割拡大図。
【図21】図16の第五の分割拡大図。
【図22】図14の画像処理LSI部の構成例を示す回路図。
【図23】図22の第一の分割拡大図。
【図24】図22の第二の分割拡大図。
【図25】図22の第三の分割拡大図。
【図26】図22の第四の分割拡大図。
【図27】図14のCG−ROM/RAM部の構成例を示す回路図。
【図28】図27の第一の分割拡大図。
【図29】図27の第二の分割拡大図。
【図30】図27の第三の分割拡大図。
【図31】図27の第四の分割拡大図。
【図32】図14の液晶インターフェース部の構成例を示す回路図。
【図33】図32の第一の分割拡大図。
【図34】図32の第二の分割拡大図。
【図35】図32の第三の分割拡大図。
【図36】図32の第四の分割拡大図。
【図37】図32の第五の分割拡大図。
【図38】図32の第六の分割拡大図。
【図39】図32の第七の分割拡大図。
【図40】特別図柄の一例を、その変動順序とともに示す説明図。
【図41】特別図柄の変動表示の基本態様を説明する図。
【図42】同じく差替表示態様を説明する図。
【図43】特別図柄と背景画像とを合成する様子を説明する図。
【図44】特別図柄の変動表示の特殊態様を説明する図。
【図45】同じく別の特殊態様を説明する図。
【図46】同じくさらに別の特殊態様を説明する図。
【図47】背景画像とキャラクタ画像とを合成する様子を説明する図。
【図48】タイミングデータの説明図。
【図49】図6の電子制御装置におけるメインジョブの流れを示すフローチャート。
【図50】その当否判定ジョブの流れを抽出して示すフローチャート。
【図51】特別図柄表示制御ジョブの流れを抽出して示すフローチャート。
【図52】コマンド送信と要素モジュール実行による、本発明の画像表示制御の概念説明図。
【図53】コマンド送信と要素モジュール実行のタイミング制御のいくつかの形態を模式的に示す説明図。
【図54】主制御部側でのコマンド送信ジョブの流れを示すフローチャート。
【図55】特別図柄の変動開始から図柄確定に至るタイミングチャートの一例を示す説明図。
【図56】初期画面の一例を示す説明図。
【図57】エラー画面のいくつかの例を示す説明図。
【図58】異常発生時のバックアップ処理機能を実現するための電気的構成を示すブロック図。
【図59】その電源監視回路の構成例を示す説明図。
【図60】定電圧回路の一例を示す説明図。
【図61】定電圧回路の別例を示す説明図。
【図62】バックアップ対象制御部のワークメモリエリアの内容を示す説明図。
【図63】メインジョブの流れを示すフローチャート。
【図64】バックアップ処理ルーチンの流れを示すフローチャート。
【図65】初期化ジョブの流れを示すフローチャート。
【図66】図65を、賞球排出ジョブに具体化した場合のフローチャート。
【図67】図65を、当否判定後の制御指令の流れに具体化した場合のフローチャート。
【図68】図58の第一の変形例を示すブロック図。
【図69】同じく第二の変形例を示すブロック図。
【図70】同じく第三の変形例を示すブロック図。
【図71】同じく第四の変形例を示すブロック図。
【図72】図71の構成に対応するメインジョブの流れを示すフローチャート。
【図73】復帰リセット信号の発生回路の一例を示す図。
【図74】復帰リセット信号の各制御部への分配方式をいくつか例示して示す回路図。
【図75】復帰リセットスイッチの操作により、バックアップデータの消去を行うか否かを選択する場合の処理の流れを示すフローチャート。
【図76】復帰リセット信号の形態と、バックアップデータの消去を行うか否かの判定方式をいくつか例示して示すタイミング図。
【図77】図76に続くタイミング図。
【図78】復帰リセット信号の形態によりバックアップデータの消去を行う制御部を選択する方式をいくつか例示して示すタイミング図。
【図79】バックアップデータの消去を行う制御部を複数選択できるようにしたスイッチ構成をいくつか示す回路図。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
33 特別図柄表示装置(画像表示手段)
34 左図柄表示領域(特別図柄表示領域)
35 中図柄表示領域(特別図柄表示領域)
36 右図柄表示領域(特別図柄表示領域)
140 主制御部(送信側制御部)
141 CPU(主CPU、表示態様決定手段、コマンド送信手段、バックアップ実行制御部、異常確定情報記憶制御手段、異常確定情報生成手段、記憶回復手段、記憶回復制御手段、回復選択手段、ワークメモリ初期化手段)
142 RAM(異常確定情報記憶手段、遊技情報記憶手段)
143 ROM(態様コマンド記憶手段、上位表示動作プログラム記憶手段)
144 入出力インターフェース(入出力回路)
150 枠制御部(受信側制御部)
151 CPU(バックアップ実行制御部、異常確定情報記憶制御手段、異常確定情報生成手段、記憶回復手段)
152 RAM(異常確定情報記憶手段、遊技情報記憶手段、異常確定情報記憶手段、遊技情報記憶手段)
153 ROM(態様コマンド記憶手段、上位表示動作プログラム記憶手段)
160 特別図柄制御部(受信側制御部、表示制御部)
161 CPU(受信側CPU、画像表示制御手段、バックアップ実行制御部、異常確定情報記憶制御手段、異常確定情報生成手段、記憶回復手段)
162 RAM(異常確定情報記憶手段、遊技情報記憶手段)
163 ROM(表示制御プログラムモジュール記憶手段)
164 コマンドインターフェース部(コマンド受信手段)
201 制御プログラム
203 当選判定プログラム
205 特別図柄処理モジュール(上位表示動作プログラム)
207 コマンドデータ(態様コマンド、要素コマンド)
IC 初期画面表示コマンド
EC エラー画面表示コマンド
209 タイミングデータ
213 圧縮画像データ(画像データ)
233 表示画面
250 特別図柄
255 背景画像表示領域
260 背景画像
261 キャラクタ画像
270a〜270d 初期画面
280a〜280c エラー画面
303 画像処理LSI部(画像表示制御手段)
307 液晶インターフェース部(表示インターフェース、画像表示制御手段)
414 割込調停回路
550 外部交流電源
551 RAMバックアップ電源回路
552 CPU主電源回路
553 電源監視回路(異常検出手段)
555 汎用定電圧電源回路
556 CPU作動用補助電源部
557 コンデンサ(蓄電手段)
558 ダイオード(逆流防止手段)
559 基準信号用補助電源部
560 基準信号発生部
561 コンデンサ(蓄電手段)
562 ダイオード(逆流防止手段)
563,564 分圧抵抗器
567 電圧監視基準信号
568 電源遮断信号発生用基準信号
569 コンパレータ(異常検出手段)
570 ANDゲート(異常確定情報生成手段)
581 入出力インターフェース(入出力回路)
590 ワークメモリエリア
592 バックアップ処理ルーチン(バックアップ記憶制御手段)
593 回復処理ルーチン(記憶回復手段)
594 電源遮断フラグ(異常確定情報記憶部)
595 バックアップデータ格納エリア(バックアップ情報記憶手段)
600 復帰リセットスイッチ(選択設定手段、選択スイッチ、選択信号発生手段)
601 信号電源(選択信号発生手段)

Claims (2)

  1. 遊技球の入賞検知処理と、特定の入賞検知に基づいて予め定められた有利な遊技状態が得られるか否かの判定を行う当否判定処理と、を実行するとともに、制御指令情報を送信する主制御部と、
    前記制御指令情報として賞球排出指令情報を受けることにより、賞球排出動作の制御を行う枠制御部と、
    遊技機に特定の異常が発生したか否かを検出する異常検出手段と
    遊技に伴い発生した遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段と、
    異常検出に対応して、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報を、予め定められたバックアップ記憶手段にバックアップ情報として記憶・保持させるバックアップ記憶制御手段と、前記異常発生時においてワークメモリに存在していた遊技情報を、前記バックアップ記憶手段に記憶されているバックアップ情報に基づいて少なくとも部分的に回復させる回復処理を行う記憶回復手段と、前記記憶回復手段による前記回復処理を行うか否かを選択する回復選択手段と、前記回復選択手段により、前記回復処理を行う選択がなされていた場合に前記記憶回復手段に前記回復処理を行わせる記憶回復制御手段と、を有するバックアップ実行制御部と、
    前記回復選択手段が前記回復処理を行わない選択を行なった場合に、前記ワークメモリの初期化処理を行う初期化手段と、
    を備えた遊技機において、
    前記回復選択手段は、手動操作により前記回復処理を行うか否かの選択設定を行う選択スイッチと、前記選択スイッチになされる操作状態に応じて異なる選択信号を発生する選択信号発生手段と、を有し、前記記憶回復制御手段は、発生した前記選択信号の内容に基づいて前記記憶回復手段に前記回復処理を行わせるか否かを決定し、
    前記主制御部及び前記枠制御部は、各々が前記バックアップ実行制御部とされ、
    前記選択信号発生手段が発生する選択信号と各々のバックアップ実行制御部との間に所定の対応関係が定められており、前記選択信号の種別に応じて、前記主制御部及び前記枠制御部の両制御部において前記回復処理を行う態様、前記主制御部において前記回復処理を行い前記枠制御部において前記初期化処理を行う態様、前記主制御部において前記初期化処理を行い前記枠制御部において前記回復処理を行う態様、並びに前記主制御部及び前記枠制御部の両制御部において前記初期化処理を行う態様のいずれかを選択的に実行可能にすることを特徴とする遊技機。
  2. 前記制御指令情報として画像制御指令情報を受けることにより、遊技盤に設けられた可変表示装置に対し、複数の図柄を変動・確定表示させる表示制御を行う表示制御部を備え、
    前記表示制御部は前記バックアップ実行制御部の1つとされ、
    前記選択信号の種別に応じて、前記表示制御部において前記回復処理又は前記初期化処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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