JP5014014B2 - 版形成機構におけるメダル刻印機構 - Google Patents

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Description

本発明は、メダル版刻印装置の版形成機構、さらに詳しくいえば版の模様を転写したメダルに日付やシリアル番号などを刻印するためのメダル刻印機構に関する。
メダル原板に凹凸模様の版を形成してなるメダルを販売するメダル版刻印装置が従来より存在する。ユーザが観光地,アミューズメント施設、イベント会場などを訪れた際に、その記念に観光地やイベント会場などに関連する絵やキャラクタなどのメダルを手に入れたいという要望に応えるものである。
図8にこの種のメダル版刻印装置の外観の一例を示す。
メダル版刻印装置51の前面上方にメダルの版形成の過程を説明するためのメダル購入案内表示部56が掲載されている。その下にメダルの版形成機構を覗くことができる透明窓57が設けられている。透明窓57の前部には、それぞれ異なる版を選択する版選択ボタン54a,54bおよび54cが配置された版選択パネル54を有している。版選択ボタン54a,54bおよび54c内には発光ランプが内蔵されている。
版選択パネル54の下部は凹凸模様が形成されたメダルの払出部58が配置され、その脇にコイン投入部55が設けられている。
メダルを購入しようとする者は、まずコイン投入部55に所定のコインを投入する。
コイン投入により装置内部の版形成機構(図示していない)では、回転面が平らなローラと版を搭載したローラの間の上部にコイン原板が供給されるとともに版選択パネル54の3つの選択ボタン54a,54b,54cが発光することにより、それぞれ異なる凹凸模様のいずれかのボタンを選択して押すことをメダル購入者に促す。メダル購入者がその一つのボタンを選択して押すと、コイン原板は回転面が平らなローラと版を搭載したローラの間に落下し、コイン原板に選択した版が形成され、払出部58から凹凸模様のメダルが払い出される。
図9,図10に図8のメダル版刻印装置の版形成機構を示す。
図9は版形成機構の全体を示す斜視図,図10は版形成機構を正面から見た図である。
固定基台66は図示しない装置筐体に固定され、上面には版を形成するローラ部分を組み込むためのローラ取付板68,69が立設されている。下面に版取付ローラ駆動用のモータ61が取り付けられている。モータ61の駆動軸62にギア63が固定されている。
一方、ローラ取付板68,69に回転可能に軸70が取り付けられ、軸70の一端にはギア71が固定されている。ギア63と65の間にチェーン64が掛け渡され、モータ61の回転力は軸70に伝達される。
軸70には圧延ローラ74が固定され、さらに軸70の端部にギア71が取り付けられている。ローラ取付板68,69には軸70に平行して軸73が回転可能に取り付けられ、軸73に略120度間隔で3つの版(第1の版76aなど)を周面に取り付けた版取付ローラ75が固定されている。さらにその端部にギア71に歯合するギア72が取り付けられている。第1の版76a,第2の版および第3の版に刻印すべき異なる模様の凹凸が設けられている。
軸70に伝達されたモータの回転力はギア71を介してギア72に伝達され、版取付ローラ75を回転させる。圧延ローラ74の円周面と版取付ローラ75の版は圧接させられ圧延ローラ74と版取付ローラ75が共同して回転する。
圧延ローラ74と版取付ローラ75の圧接面の上部にメダル原板78を圧接面まで案内する案内レール77が設けられている。案内レール77は垂直方向に長溝が形成された構造であり、メダル原板78は長溝の側壁に規制されながら落下する。この長溝の上にはメダル原板78が飛び出ないように図示しない透明板が貼り付けられている。
案内レール77の上部付近にソレノイドのプランジャ84が出入りする貫通孔77aが穿設されている。ソレノイドのプランジャ84が貫通孔77aより突出している場合には図示しないメダル原板ホッパーより送られてくるメダル原板78は案内レール77内で停止し、ソレノイド駆動によりプランジャ84が引っ込むと、メダル原板78は圧延ローラ74と版取付ローラ75の圧接面に落下する。
ロータリエンコーダなどのスリット計数により版形成タイミング信号が作られ、ソレノイドが駆動してメダル原板78が落下し、圧延ローラ74と版取付ローラ75に搭載された版により圧延されつつ版の模様が転写されメダルが落下する。落下したメダルは案内スロープ81を滑り、メダル受85に入り、メダル払出口86まで落下する。購入者はメダル払出部58よりメダルを受け取ることができる。
ところで、この種の装置で加工されたメダルは、上述したようにアミューズメント施設などに訪れた記念やお土産としてコレクションの一つとて購入される。そして、その表面にはそれぞれ、観光地、アミューズメント施設の特徴を生かしたデザインが、メダルを圧延した時に掘り込まれ、商品として提供される。
このようなメダルはそれだけでも十分価値が存在するが、さらに付加価値をつける為、模様などの意匠面とは反対側の面に、購入した日付の刻印やシリアルナンバー等の刻印を追加すれば、より価値のある商品が提供できるものと考えられる。世界各地に同様な版をメダルに形成する装置が存在するが、版を形成したメダルに日付の刻印やシリアルナンバーの刻印等を行う装置は存在しない。
なお、上記版形成機構は本件出願人が創作して実施することを考えたものであり、上述のような日付やシリアルナンバーなどの刻印機能を設ければ付加価値がさらに増大するものである。
特開2005−74854号公報 実開昭62−137626号公報
従来この種のメダル版刻印装置のメダルに版を転写する機構と同じような構成を有するものとして特許文献1や2が挙げられる。
しかしながら、特許文献1はロータリエンコーダを用いて回転を検出して製版済のマスタが版胴の外周面に着版されたか否かを検知するものであり、さらにメモリアルのため日付やシリアルナンバーを版とは別に刻印する技術の開示はない。また特許文献2はローラによって版の凹凸模様を形成する装置として転写するものであり、本件出願人が上述した付加価値を付けるメダル刻印機構を有するものではない。
本発明の目的は、版形成機構で版を転写したメダルの裏面にさらに日付やシリアルナンバーなどの刻印を入れることにより、払い出されるメダルの付加価値を高めることができる版形成機構におけるメダル刻印機構を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、メダル原板を落下させ、回転面が平らな圧延ローラと回転面に1以上の版を搭載した版取付ローラで落下したメダル原板を圧延し、版の凹凸模様を転写することにより模様入りのメダルを作り、該メダルを払い出すメダル版刻印装置の版形成機構において、前記圧延時にメダルが湾曲するローラ側を低くなるように傾斜させ、落下する前記模様入りのメダルを受け、誘導するメダル誘導路と、前記メダル誘導路で誘導された裏返しのメダルを収容するメダル刻印ボックスと、前記メダル刻印ボックスに収容されたメダル裏面に1回刻印する毎に更新される文字,数字または日付を刻印する刻印手段と、前記刻印手段で刻印されたメダルを押すことにより前記刻印機の外に払い出すメダル押出手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において前記メダル刻印ボックスの底部にメダルが収容されたことを検出するメダルセット確認センサを有し、前記刻印手段は、刻印機作用駆動源と、刻印面に前記文字,数字または日付の突起部を有し、1回刻印毎につぎの文字,数字または日付の突出部が前記刻印面にセットされる刻印部と、前記メダルセット確認センサのメダル検出により前記刻印機駆動源を駆動させて前記刻印部を前記メダル刻印ボックス内に嵌入させ、刻印後、前記刻印部を元の位置に復帰させる刻印機駆動部とを備え、前記メダル押出手段は、払い出し機構用駆動源と、前記メダル刻印ボックスの付近に配置され、メダル払出路にメダルを押し出すメダル押出部と、前記刻印手段による刻印が終了した後、前記払い出し機構用駆動源を駆動し、該駆動力を前記メダル押出部に伝達する駆動力伝達部とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項3は請求項2記載の発明において前記メダル刻印ボックスは上部および前後面側にそれぞれ開口部を有し、前記上部側開口部から前記刻印部が嵌入され、前面側開口部上部に前記誘導路の端部が、前面側開口部下部に前記メダル払出路の端部がそれぞれ接続され、後面側の開口部からメダル刻印ボックス内に前記メダル押出部を突出させることを特徴とする。
上記構成によれば、購入した日付の刻印やシリアルナンバー等の刻印を追加されるため、より価値のあるメダルの商品が提供できる。このような刻印がメダルに追加されることにより購入者,販売者はつぎのような種々の利点を得ることができる。
・購入した日付の刻印があれば、その日その場所に行ったという思い出になる。
・購入した日付の刻印のあるメダルをお土産として他人に渡せばその日その場所に行ったという証拠になる。
・シリアル番号の刻印により何番目に購入したという優越感を得ることができる。
・シリアル番号の刻印の切り番(1000 とか10000 とか切りの良い数字) 目当てで購入してもらうことができる。
・シリアル番号の刻印、例えば、ハートの模様が付いたメダルで"1082(とわに)"のシリアル番号が刻印されたとして、永遠の愛になるという風説、迷信等が市場に流れていれば、それ目当てで購入してもらえる可能性がある。元々、アメリカ、カナダ等では朝、家を出て一番に拾った1 セント硬貨を" ラッキーペニー" と呼ばれ、幸運のお守りとしている。そのような背景からペニーに対するイメージが良いので、同様に風説、迷信等が出やすいと考えられる。
以下、図面等を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明によるメダル刻印機構を有する版形成機構の実施の形態を示す斜視図である。図2は版形成機構を背面から見た斜視図、図3は図1の平面図、図4はメダル刻印機構を有する版形成機構のA−A断面図である。なお、図1および図2はその内部構造を見やすくするために、ローラ取付板69およびギア71,72(図2のみ)等を省略してある。図9で説明した各機構部分の構成と同じ符号が付してある部分は同じ機能を果たすものである。本発明はロータ取付板68,69の間にメダル誘導路2を配置し、その下部にメダル刻印ボックス8,刻印手段およびメダル押出手段を含むメダル刻印機構を設けたものである。
ギア72の面に設けられているスリット付き円盤21によって発生する予め設定されている個数のパルスを計数し、さらにこのパルス計数後、予め設定されている時間経過後に版形成タイミング信号が発生する。版形成タイミング信号により案内レール77の経路途中に設けたソレノイドのプランジャ84が引き込まれ一時停止したメダル原板68を落下させる。
圧延ローラ74と版取付ローラ75で版の模様が転写されたメダルはローラ取付板68と69の間に配置されたメダル誘導路2に落下する。メダル誘導路2は図4に示すように圧延ローラ74側下部が低くなるように傾斜させられている。メダル原板78は案内レール77内を落下したとき、最初に圧延ローラ74の外周面に接する状態となって圧延ローラ74と版取付ローラ75の間で圧延され版が転写されるため、圧延ローラ74の外周面に接した側に湾曲したメダルが形成され、その湾曲により裏面側が上になるようにメダル誘導路2に落下する。
メダル誘導路2の先端に設けられたメダル刻印ボックス8は上部と前後部に開口部8a,8b,8cを有している。そしてメダル刻印ボックス8の底面には収容されたメダルを光学的に検出する(光の遮蔽により)刻印ボックス内メダルセット確認センサ7が配置されている(図5B参照)。開口部8aに下降する刻印部10が嵌入する。開口部8bの上部にメダル誘導路2の先端部が係止され、その下部から裏面に刻印されたメダルがメダル払出路9に押し出される。
刻印部10(図2では省力されている)が軸20に取り付けられ、メダル刻印ボックス8の上部に配置されている。刻印部10は刻印面に文字,数字または日付の突起を有し、軸20の下降により刻印面がメダル刻印ボックス8の底部に達した場合、刻印部10に内蔵されているバネ(図示されていない)の力により前回刻印された文字,数字または日付の突起が送られ、つぎの文字,数字または日付の突起が刻印面に移動させられて該文字,数字また日付の突起がメダル裏面に衝突する。これにより文字,数字また日付が刻印される。なお、日付の場合には日単位で日付が変わるようにセットされている。
軸20は刻印機駆動部28に固定されており、刻印機駆動部28は刻印機構取付板67に植設された軸27に上下可能に取り付けられている。刻印機駆動部28にメダル刻印起動作用モータ6が設けられ、該メダル刻印起動作用モータ6の出力軸にピニオンが固定されている。ピニオンは、軸27の周面上下方向に設けられたラックと噛合している。このラックピニオン機構によりメダル刻印起動作用モータ6の出力がラックに伝達され、刻印機駆動部28に固定されている刻印部10が上下動する。なお、モータ出力軸,ラック,ピニオンは刻印機駆動部28内にあり、図1,図2には図示されていない。刻印部10が開口部8aからメダル刻印ボックス8内に入り下降し刻印面がメダルの裏面に接すると、上述したバネの力により前回刻印したシリアル番号の次の番号等がメダル裏面に刻印される。
メダル刻印起動作用モータ6,刻印部10および刻印機駆動部28を含んだ機構部分で刻印手段が構成される。
刻印機構取付板67にさらに刻印メダル払い出し機構用モータ5が設けられ、そのモータ軸22が回転板24の一端に回転可能に取り付けられている。回転板24の他端は連結杆25の一端に回転可能に取り付けられ、連結杆25の他端にメダル押出部26が取り付けられている。メダル押出部26は開口部8cからメダル刻印ボックス8内部に入った位置に配置され、刻印メダル払出機構用モータ5が回転駆動すると、メダル刻印ボックス8内部に突出し、シリアル番号等が刻印されたメダルを開口部8b下部から外に押し出す。さらに刻印メダル払出機構用モータ5が回転駆動すると、メダル押出部26が後退し、元の位置に復帰する。刻印メダル払出機構用モータ5,回転板24,連結杆26およびメダル押出部26を含む機構部分によりメダル押出手段が構成される。
図5A〜図5Dはメダル刻印機構の全体の動作を説明するための斜視図である。
図5Aで示すように版が形成されたメダルが裏返しでメダル誘導路2を滑り落ちる。メダル30が裏返しの状態でメダル刻印ボックス8に滑り落ちて収容され、この状態がメダルセット確認センサ7で検出される(図5B)。メダルセット確認センサ7はメダルが収容される前は一定量の光を検出しており、メダルが収容されることにより光が遮られ、検出信号を後述の制御基板に送出する。
この検出信号によりメダル刻印起動作用モータ6は駆動し刻印機10が下降してメダル30の裏面にシリアルナンバー等が刻印される(図5C)。刻印が終了すると刻印機10は上昇し(図5D)、当初の位置に復帰する。ついで、連結杆25が突き出されメダル押出部26がメダルを押し出しメダル払出路9に落下させ払い出しを行う(図5E)。
図6は、本発明によるメダル刻印機構を有する版形成機構を適用したメダル版刻印装置の回路構成を示すブロック図である。
制御基板10に各回路部が搭載され、CPU14にROM18,RAM19および不揮発性メモリ部23が接続されている。また、版回転モータ(版回転駆動手段)61をオンオフ駆動するリレーよりなるモータ駆動部17,原点位置検出用センサ4,位置検出用光学センサ3および刻印ボックス内メダルセット確認センサ7を制御するセンサ制御入出力回路16ならびにメダルエスクロ用ソレノイド11,刻印メダル払出機構用モータ5およびメダル刻印起動作用モータ6を制御するソレノイド制御入出力回路15がそれぞれ接続されている。さらに版位置調整用ボリューム12からのアナログ電圧をA/D変換するA/D変換部13が接続されている。
ROM18に版形成機構を駆動するための制御プログラムおよび該制御プログラム駆動時に用いられる各種データが格納されている。
不揮発性メモリ部23には設定パルス数データおよび版に対する設定時間がそれぞれ格納されている。この設定時間データは版位置調整用ボリューム12により予め設定した時間を中心に前後に変更可能である。版位置調整用ボリューム12は、装置組み立て時の個別的な製造上の版ずれなどを正規位置にするため設定時間データtを独立して調整することができる。
RAM19はCPU14が演算などを行うときに作業エリアとして用いられ、さらに一時的にデータを格納する。
CPU14はROM18より制御プログラムを読み出し実行することにより版形成制御部の他、版を転写するためパルス数計数部,時間計測部などの各機能部を実現する。
版形成制御部は装置全体の管理,制御を行うもので、コイン投入に対する版形成機構部の制御,版位置調整用ボリューム12からの入力に対する演算制御,原点位置検出用光学センサ4および位置検出用光学センサ3の入出力制御ならびにメダルエスクロ用ソレノイド11,冷却用ソレノイド5および版回転モータ61に対する駆動制御などを行う。さらに版が形成されたメダルにシリアルナンバ等を刻印するため、刻印ボックス内メダルセット確認センサ7に対する入力制御ならびに刻印メダル払出機構用モータ5およびメダル刻印起動作用モータ6に対する駆動制御を行う。また、版形成制御部は時間計測部で計測した時間がtになったとき、ソレノイド制御入出力回路15に対しソレノイド駆動信号(版形成タイミング信号)を送出する。
図7は、本発明によるメダル刻印機構を有する版形成機構を適用したメダル版刻印装置の動作の流れを説明するためのフローチャートである。
以下、図1,図2,図4,図5A〜図5E,図6および図8を参照しながら版形成およびメダル刻印の過程の詳細を説明する。二点鎖線で囲んであるステップ部分が本発明に直接係わる流れの部分である。
メダル購入者がコイン投入部55に100円のコインを投入すると、版形成制御部は決められたコインが投入されたことを確認する(ステップ(以下「S」という)001)。これにより多数のメダル原板を蓄積するメタルホッパーを作動させ1枚のメダル原板78を案内レール77の入口に払い出させる(S002)。メダル原板78は案内レール77を落下しようとするが、メダルエスクロ用ソレノイドのプランジャ84が案内レール77に突出しているためメダル原板78の下流への落下は停止する(S003)。
版形成制御部は一方ではそれぞれ異なる模様を選択できる版選択パネル54上の3つの版選択ボタンの発光ランプを点灯させ、メダル購入者に対し希望する版選択ボタンを押すよう促す。
版形成制御部は版の選択が行われる(S004)と、版選択ボタンから送られる信号によりモータ駆動部17に駆動信号を送出しモータ61を回転させる(S005)。
モータ61の回転力は軸62,ギア63を介してチェーン64に伝達され、ギア65で減速されて軸70に伝達される。軸70の回転はギヤ71,72を介して軸73に伝えられ、圧延ローラ74と版取付ローラ75が回転を開始するとともにスリット付き円盤21も回転を開始する。
版取付ローラ75の初期位置は原点位置検出用光学センサ4に対しブレードが所定の角度だけ手前位置に停止している状態であり、この位置から回転を開始し、光学位置検出用光学センサ4をブレードが通過すると、位置検出用光学センサ4の受光素子部から原点位置検出の信号が出力される。
版形成制御部は原点位置検出の信号を受けると、パルス数計測部(カウンタ)14bを0にリセットし、パルス数計測部は位置検出光学センサ4で検出されるパルスの数の計数を開始する(S006)。
さらに版が回転動作する(S007)。版形成制御部は不揮発性メモリ部20から設定パルス数データを読み出し、パルス計数部が設定パルス数を計数するかを判定する。設定パルス数を計数すると、つぎは時間計測部に設定パルス数を計数した時点から時間を計数させる。そして設定時間を計数したか否を判定する(S008)。設定時間を計数すると、版形成制御部はソレノイド制御入出力回路15に対し版形成タイミング信号を出力し、ソレノイド制御入出力回路15はメダルエスクロ用ソレノイドを駆動し、プランジャ84を引き込む。これによりメダル原板78は案内レール77中を落下する(S009)。
案内レール77を落下したメダル原板78は圧延され版が転写され(S010)、版形成機構の下部に落下する。
落下したメダルは裏返しでメダル誘導路2の上に落下し滑り落ちる。そしメダル刻印ボックス8の底部に収容される(S011)。版形成制御部は入出力制御回路16を介して刻印ボックス内メダルセット確認センサ7を制御しており、光入射状態から光遮断が刻印ボックス内メダルセント確認センサ7で検出されると、メダル刻印起動作用モータ6を駆動し、刻印部10を下降させる。刻印部10がメダル刻印ボックス8の底部に到達すると、バネの力により刻印部10底面のシリアルナンバ等がメダル30の裏面に刻印される。刻印後、メダル刻印起動作用モータ6は逆回転し、刻印部10を上昇させ元の位置に復帰させる(S012)。
版形成制御部はメダル刻印起動作用モータ6のオフさせた後、刻印メダル払出機構用モータ5の駆動を開始する。これによりモータ回転力は回転板24,連結杆25により直線運動に変換され連結杆25の先端に取り付けられているメダル押出部26をメダル刻印ボックス8内に突出させる。
刻印されたメダル30は開口部8bより外に押し出され、メダル払出路9の上に落下し滑り落ちる(S013)。この後、メダル受85に落下し、メダル払出口86より払い出される(S014)。メダル購入者はメダル払出口86からメダルを取り出すことができる。
以上の実施の形態は、メダル刻印ボックスに収容されたメダル裏面に1回刻印する毎に更新される文字,数字を刻印する刻印手段は、刻印部を真上から下降させる例を説明したが、刻印部をメダル刻印ボックスの上部側部に待機させ、刻印部をバネ力によりメダル刻印ボックスの真上に移動させた後、下降させて刻印する構成にしてもよい。また、刻印したメダルを刻印ボックスの脇に押し出す押圧手段でメダルを排出させているが、変形例としてメダル刻印ボックスの底部の一辺を枢着機構にし、対面する辺を落下させることにより、メダル刻印ボックスの真下に落下させて払い出す構造にすることもできる。かかる場合、メダル確認センサは光学式ではなくメダルが底部に載ることによりメダルの重さで機械式スイッチをオンさせて検出するか、または光学式センサをメダル刻印ボックスの側面に設ける。
観光地やアミューズメント施設,イベント会場に設置されるメダル販売機である。
本発明によるメダル刻印機構を有する版形成機構の実施の形態を示す斜視図である。 版形成機構を背面から見た斜視図である。 図1の平面図である。 メダル刻印機構を有する版形成機構のA−A断面図である。 メダル刻印機構の動作を説明するための斜視図で、メダルが落下する状態を示す図である。 メダル刻印機構の動作を説明するための斜視図で、メダルをセンサ検出する状態を示す図である。 メダル刻印機構の動作を説明するための斜視図で、刻印機を下降させ、メダルに刻印させる状態を示す図である。 メダル刻印機構の動作を説明するための斜視図で、メダル刻印後の刻印機を上昇させる状態を示す図である。 メダル刻印機構の動作を説明するための斜視図で、刻印後のメダルを払い出す状態を示す図である。 本発明によるメダル刻印機構を有する版形成機構を適用したメダル版刻印装置の回路の実施の形態を示すブロック図である。 本発明によるメダル刻印機構を有する版形成機構を適用したメダル版刻印装置の動作の流れを説明するためのフローチャートである。 メダル版刻印装置の外観を示す斜視図である。 版形成機構の上部位置の裏面側からの斜視図である。 版形成機構の正面図である。
符号の説明
2 メダル誘導路
3 位置検出用光学センサ
4 原点位置検出用光学センサ
5 刻印メダル払出機構用モータ
6 メダル刻印起動作用モータ
7 刻印ボックス内メダルセット確認センサ
8 メダル刻印ボックス
9 メダル払出路
10 制御基板
11 メダルエスクロ用ソレノイド
12 版位置調整用ボリューム(VR)
13 A/D変換部
14 CPU
17 モータ駆動部(SSR)
18 ROM
19 RAM
20 軸
21 スリット付き円盤
22 モータ軸
23 不揮発性メモリ部
24 回転板
25 連結杆
26 メダル押出部
27 軸
29 ギアボックス
30 メダル
51 メダル版刻印装置
54 版選択パネル
55 コイン投入部
56 メダル購入案内表示部
58 メダル払出部
61 モータ
62,70,73 軸
63,65,71,72 ギア
64 チェーン
66 固定基台
67 刻印機構取付板
68,69 ローラ取付板
74 圧延ローラ
75 版取付ローラ
76a,76b,76c 版
77 案内レール
78 メダル原板
85 メダル受
86 メダル払出口

Claims (3)

  1. メダル原板を落下させ、回転面が平らな圧延ローラと回転面に1以上の版を搭載した版取付ローラで落下したメダル原板を圧延し、版の凹凸模様を転写することにより模様入りのメダルを作り、該メダルを払い出すメダル版刻印装置の版形成機構において、
    前記圧延時にメダルが湾曲するローラ側を低くなるように傾斜させ、落下する前記模様入りのメダルを受け、誘導するメダル誘導路と、
    前記メダル誘導路で誘導された裏返しのメダルを収容するメダル刻印ボックスと、
    前記メダル刻印ボックスに収容されたメダル裏面に1回刻印する毎に更新される文字,数字または日付を刻印する刻印手段と、
    前記刻印手段で刻印されたメダルを押すことにより前記刻印機の外に払い出すメダル押出手段と、
    を備えたことを特徴とする版形成機構におけるメダル刻印機構。
  2. 前記メダル刻印ボックスの底部にメダルが収容されたことを検出するメダルセット確認センサを有し、
    前記刻印手段は、
    刻印機作用駆動源と、
    刻印面に前記文字,数字または日付の突起部を有し、1回刻印毎につぎの文字,数字または日付の突出部が前記刻印面にセットされる刻印部と、
    前記メダルセット確認センサのメダル検出により前記刻印機駆動源を駆動させて前記刻印部を前記メダル刻印ボックス内に嵌入させ、刻印後、前記刻印部を元の位置に復帰させる刻印機駆動部とを備え、
    前記メダル押出手段は、
    払い出し機構用駆動源と、
    前記メダル刻印ボックスの付近に配置され、メダル払出路にメダルを押し出すメダル押出部と、
    前記刻印手段による刻印が終了した後、前記払い出し機構用駆動源を駆動し、該駆動力を前記メダル押出部に伝達する駆動力伝達部とを備え、
    たことを特徴とする請求項1記載の版形成機構におけるメダル刻印機構。
  3. 前記メダル刻印ボックスは上部および前後面側にそれぞれ開口部を有し、
    前記上部側開口部から前記刻印部が嵌入され、
    前面側開口部上部に前記誘導路の端部が、前面側開口部下部に前記メダル払出路の端部がそれぞれ接続され、
    後面側の開口部からメダル刻印ボックス内に前記メダル押出部を突出させることを特徴とする請求項2記載の版形成機構におけるメダル刻印機構。
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