JP5013876B2 - エーテル類を製造する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、任意でジオール類および/またはラクトン類を共に製造する、炭素−炭素二重結合を有する化合物1種以上を含む有機供給材料の水素添加を含むエーテル類を製造する方法に関する。特に、任意でジオール類および/または対応するラクトン類を共に製造する、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のモノエステル類、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のジエステル類、不飽和ラクトン類、及びこれらの2種以上の混合物を含む供給材料を水素存在下で反応させることによるエーテル類の製造に関する。より特には、任意でジオール類および/または対応するラクトン類を共に製造する、CからC12の不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のCからCアルキルのジエステルを含む供給材料を水素存在下で反応させることによるCからC12のエーテル類の製造に関する。より特には、環状エーテル類の製造に関する。
さらに特には、本発明は、C化合物、より具体的には、通常少なくとも多少のブタン−1,4−ジオール及び任意で多少のγ−ブチロラクトンを含むテトラヒドロフランを、マレイン酸および/または無水マレイン酸あるいはCからCアルキルのマレイン酸モノおよび/またはジエステルを含む炭化水素供給原料から、水素リッチの流体中で反応させることにより、製造する方法に関する。
ジカルボン酸類および/または酸無水物類、あるいはモノまたはジアルキルエステル類、ラクトン類、及びこれらの混合物を水素と反応させてジオール類を製造することが知られている。商業上、所望の製品がブタン−1,4−ジオールで、典型的には副生成物がテトラヒドロフランおよびγ−ブチロラクトンである場合、出発原料は、通常、マレイン酸ジメチルまたはマレイン酸ジエチルのようなマレイン酸および/または無水マレイン酸のジアルキルエステルであり、それは少量のフマル酸ジアルキルおよび/またはコハク酸ジアルキルを含む場合がある。
これらの製造設備の操作に関する更なる情報については、例えば、US−A−4584419、US−A−4751334、WO−A−86/03189、WO−A−88/00937、US−A―4767869、US−A−4945173、US−A−4919765、US−A−5254758、US−A−5310954及びWO−A―91/01960を参照でき、これらそれぞれの開示内容は参照することにより本明細書に取り込まれるものとする。
これらの従来の反応プロセスにおいて供給原料として使用されるマレイン酸ジアルキルは、任意の適当な方法によって製造することができる。そのようなプロセスで使用するマレイン酸ジアルキルの製造については、US−A−4584419、US−A−4751334及びWO−A−88/00937に詳細に記載されている。任意でγ−ブチロラクトンの製造を伴う、ブタン−1,4−ジオールおよび副生成物のテトラヒドロフランを製造する従来の方法の1つを図1に概略的に図示する。この方法においては、エステル化反応器からの残余メタノール全てと共に、マレイン酸ジメチルのようなジアルキルエステルをライン1経由で気化器2に供給し、そこで、ライン3で気化器に供給される高温循環ガス流によって気化される。高温循環ガスは、ライン4で供給される補充水素と混合されてもよい。循環ガスは通常、高濃度の水素ガスを含むが、炭化水素類、酸化炭素類、メタン及び窒素を含む他の気体も含む場合もある。さらに、循環ガスが下流からの再循環される気体を含む場合、生成物のエーテル、メタノール、水、共生成物および副生成物を含む凝縮性物質も存在する場合がある。
その後、気化器2からの混合された蒸気性流体はライン5で反応器6に送られ、そこで反応して、ブタン−1,4−ジオール、テトラヒドロフランおよび/またはγ−ブチロラクトンを生成する。生成物流体7を冷却し、反応生成物を8で凝縮し、ライン9で精製領域10に送る前に、過剰の循環ガスから分離する。精製領域10で種々の生成物を分離し、ブタン−1,4−ジオールをライン12に移し、テトラヒドロフランをライン13に移す。γ−ブチロラクトンは、中間体のコハク酸ジメチル及び少量のブタン−1,4−ジオールと共に、ライン14及び15で再循環させることもできる。ある形態では、γ−ブチロラクトンは、任意の精製領域(図示せず)において少なくとも一部分は抽出され、回収されることもできる。生成混合物から分離されたメタノール水流体は上流に再循環される。一般に、この方法あるいは他の従来の方法によって製造されるブタン−1,4−ジオールのかなりの部分が、その後、テトラヒドロフランに変換される。
起こる全部の反応は一連の工程であり、テトラヒドロフランが生成される最後の脱水工程を含む。考えられる反応経路をスキーム1(Scheme 1)に示す。
Figure 0005013876
反応1(Reaction 1)は水素添加(そして、炭素/炭素二重結合の反応である)と見なされ、反応2(Reaction
2)は水素添加分解(そして、飽和されたエステルのブタンジオール、γ−ブチロラクトン及び副生成物のブタノールへの反応である)と見なされ、反応3(Reaction
3)は脱水(そして、ブタンジオールのテトラヒドロフランへの反応である)と見なされる。上記のスキームは、考えられる反応経路である。
他の方法がWO−A−99/35113に記載されており、その方法では、無水マレイン酸エステル類が、3つの異なる触媒が使用される反応プロセスに供給される。最初に、120℃から170℃の温度および3から40baraの圧力で、不均一系選択的水素化触媒である第1の触媒の存在下で、マレイン酸エステルをコハク酸エステルに変換する。そして、コハク酸エステルを第2の触媒の存在下に直接送り、そこで、主にγ−ブチロラクトンに変換する。次に、第2の触媒を用いた反応の生成物を、γ−ブチロラクトンを脱水してテトラヒドロフランを生成するために使用される第3の触媒の存在下に直接供給する。第2の触媒の存在下で生成されたγ−ブチロラクトンの一部は、より高圧で動作する第2の反応ループに移送され、そこで、ブタン−1,4−ジオールに変換される。
スキーム1の第1工程、およびWO−A−99/35113に記載された別の方法において使用される第1の触媒は、マレイン酸ジメチルのコハク酸ジメチルへの水素化に関係があるので、コハク酸ジメチルまたはコハク酸ジエチルが、ブタン−1,4−ジオール、テトラヒドロフランおよび/またはγ−ブチロラクトンを生成する水素との反応に適した出発原料であるかもしれないことが示唆されている。これらのコハク酸エステルは、任意の適当な方法によって生成することができ、また、バイオテクノロジー源から得ることもできる。
テトラヒドロフラン及びブタン−1,4−ジオールの製造においてコハク酸ジメチルを使用する方法がUS−A−4656297に記載されている。この方法では、メタノールをエステル供給材料に添加して、転化率を向上させ、エステル交換反応を低減している。コハク酸ジメチルが供給材料として示唆されている方法の別の例はWO−A−99/35136であり、その方法では、水素との反応が2つの異なる触媒上で起こり、テトラヒドロフランとγ−ブチロラクトンの混合物が生成する。
これらの方法は首尾よく所望の生成物を与えるが、一方で、欠点および不利益を有している。一般に、これらは、本方法の経済性および効率に関する。従って、本発明の目的は、単位生成物当たりのコストを最小限にしながら、反応の効率を最大限にする方法を提供することである。
従来の水素との気相反応においては、資本および運転コスト、特にエネルギー及び他のユーティリティー要求量は、未使用の水素および反応器からの再循環された気体を一般的に含み、循環ガスとして知られている、気化器に供給された気体の流量によって主として決定される。上記したように、循環ガスはさらに他の気体を含んでいてもよい。圧縮に必要な動力、および反応器の供給材料に加え、反応器の生成物から除去するのに必要な熱量が影響されるように、コンプレッサー、熱交換器、および相互に連結するパイプの大きさは循環ガスの流量に影響される。従って、特にこの方法の中では、循環ガスの流量を最小限にしようとする強い動機がある。
特にこの方法への供給材料の単位量を気化させるのに必要な循環ガスの量は、操作圧、所望の反応温度、気化器の出口温度、気化される成分の蒸気圧、所望の最高反応温度および反応器内の温度上昇を含む多くのパラメーターによって決定される。このことは、従来の方法において、経済的に望ましいように、その方法に必要な循環ガスの量が最小限である場合、気化器の出口温度を最大限に高くすることが必要であることを意味する。しかしながら、気化器の出口温度を高温に維持することは、反応温度が一般に望まれるよりも高くならなければならず、望ましくない副生成物の生成が増加することになり、結果として、反応の効率が低下し、単位生成物当たりのコストが増加することを意味する。
従って、反応に必要な循環ガスの量は、気化器の出口温度によって本質的に決定され、よって、供給材料を気化させるのに必要な循環ガスを最小限にするのに必要な高い温度と、望ましくない副生成物の生成を最小限にするのに必要な比較的低い温度との折衷案であることが理解されよう。
水素との反応は、多くの場合、断熱反応器の中で行われる。これは、それらが設計および組み立てが簡単であり、非断熱の反応器を使用する場合に必要とされるよりも低いコストで多量の触媒を収容できるからである。そのような反応器の更なる利点は、それらが一般に操作および制御が簡単であり、複雑なユーティリティーサポート及び制御システムを必要としないことである。水素との反応は多くが発熱反応であり、従って、断熱反応器を使用する場合、出口に向かって温度が著しく上昇することとなる。本発明の強い発熱的性質および断熱反応器の使用のため、気化器の出口温度を最大限に高くすることと、反応器温度を最小限に低くすることとのこの対立が深刻である反応の一例は、マレイン酸ジアルキルを水素と反応させてテトラヒドロフラン、ブタン−1,4−ジオール及びγ−ブチロラクトンを生成する反応である。温度が高すぎると望ましくない副生成物の生成の増加につながることがあるため、反応器温度を最小限に低くすることが一般に望ましいことが理解されよう。副生成物は、プロセスの非効率さの原因である。加えて、それらは、製品の品質について問題を引き起こすことがある。
従って、不必要な副生成物の生成を最小限にしながら、投資および運転コストが低減されるように循環ガスの要求量を最小限にする、水素との気相反応についての方法を提供することが望ましい。また、ジオールより環状エーテルに対して高い選択性を有するそのような方法を提供することも望ましいであろう。
本発明は、従来技術の方法の不利益および欠点を克服する方法を提供し、所定の出口反応器温度のために、投入する循環ガスを増加させるように、気相反応器内の断熱上昇を低減できる手段を提供する。上記の通り、このことは、プロセスの効率および製品の品質に関して格別の利点を与える。
本発明によれば、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のモノエステル類、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のジエステル類、不飽和ラクトン類、及びこれらの2種以上の混合物から選ばれた対応する有機供給材料を水素存在下で反応させ、任意でジオールおよび/またはラクトンと共に、エーテルを製造する方法であって、
(a)有機供給材料の少なくとも一部を含む流体を、触媒を含み、反応条件下で動作する予備反応装置領域に供給し、前記供給材料を水素含有流体に接触させ、少なくとも一部の炭素−炭素二重結合を飽和させる工程と;
(b)気化領域において、少なくとも部分的に飽和された供給材料を水素含有流体中に気化させる工程と;
(c)気化した少なくとも部分的に飽和された供給材料を含む水素含有流体を、触媒を含み、反応条件下で動作する反応領域に供給する工程と;
(d)反応領域から、エーテルと任意でジオールおよび/またはラクトンとを含む生成物流体を回収する工程と;
(e)使い尽くされた水素含有流体を、少なくとも前記予備反応装置領域または前記気化領域に再循環させる工程と
を有するエーテルの製造方法が提供される。
好ましくは、少なくとも部分的に飽和された供給材料は、工程(b)の水素含有流体によって、その中に気化される。
予備反応装置領域および気化領域は同一容器内に位置していてもよく、混じり合っていてもよい。他の一形態では、予備反応装置領域および気化領域は別個の容器内に位置しており、少なくとも部分的に飽和された供給材料および/または水素含有流体は予備反応装置領域から回収され、気化領域に送られる。
本発明の方法は、前述の欠点が克服され、投資および運転コストが低減されるように循環ガスの要求量が最小限にされ、好ましくは、不必要な副生成物の生成が最小限にされている、そしてこれは製品の品質向上にも寄与するであろう方法を提供する。
反応のための供給材料全体のほんの少しだけが工程(a)の飽和反応を受ける場合、これらの利点は少なくとも一部分が達成される。従って、予備反応装置領域および気化領域が分離している本発明の一実施形態においては、反応領域に供給される流体が、水素、予備反応装置領域で反応を受けなかった供給材料、および少なくとも一部の二重結合が飽和されるように予備反応装置領域で水素化反応を受けた供給材料を含むように、追加の不飽和有機供給材料を工程(b)の水素含有流体中へ気化してもよい。ある形態では、追加の不飽和有機供給材料を、工程(b)の水素含有流体によって、その中に気化してもよい。
別の代わりの形態では、予備反応装置領域で反応を受けなかった供給材料を、最初に予備反応装置領域から出てくる流体と混合せずに、反応領域に加えてもよい。この形態では、追加の供給材料は、通常、第2の水素含有流体中に気化され、場合によっては、その流体によって気化される。
予備反応装置領域は、任意の適当な反応器であってよい。ある形態では、予備反応装置領域および気化器を組み合わせ、液相および/または気相の触媒気化器である場合もある。この形態では、予備反応装置領域の反応熱を、液体の供給材料の一部を気化させるのに利用することができる。他の一形態では、予備反応装置領域および気化器が分離している場合もあり、水素含有流体を予備反応装置領域および気化器の両方に供給してもよい。
本発明は、マレイン酸ジアルキル(好ましくはマレイン酸ジメチル)を含む供給原料から、水素リッチの気体中での気相反応によって、任意でブタン−1,4−ジオールおよび/またはγ−ブチロラクトンを共に製造する、テトラヒドロフランの製造方法に特に好適である。この反応プロセスの第一段階は、コハク酸ジメチルを生成するマレイン酸ジメチルの水素化を伴う。これが合成全体の中で最も発熱を伴う反応であり、マレイン酸ジメチルのテトラヒドロフランへの転化で生じる総反応熱量の半分以上を放出する原因である。テトラヒドロフラン生成物の蒸気圧(165℃で8284mmHg)が、マレイン酸ジメチル(165℃で262mmHg)、コハク酸ジメチル(165℃で328mmHg)、あり得る副生成物であるγ−ブチロラクトン(165℃で252mmHg)及びブタン−1,4−ジオール(165℃で76mmHg)の蒸気圧よりも著しく高いので、供給原料のかなりの部分がテトラヒドロフランに転化される時、反応器出口での露点は反応器入口での露点よりも著しく低くなる。
マレイン酸ジメチルの一部または全部を水素化してコハク酸ジメチルにする予備反応工程を利用することにより、主要気相反応器の温度上昇を著しく低減することができ、従来使用されているよりも高温で反応器に供給材料を供給しても、これまでに記載した悪影響はない。従って、気化領域からの循環ガス中のマレイン酸ジメチル供給材料がコハク酸ジメチルに次第に置き換えられるので、気化領域からの温度を所定の反応器出口温度のためにより高くでき、そしてこれは生産性の向上につながる。
コハク酸ジメチルの蒸気圧はマレイン酸ジメチルの蒸気圧より約25%高いので、さらなる利益も得られる。
水素含有流体は普通は高濃度の水素を含むが、炭化水素類、酸化炭素類、メタン及び窒素などの他の気体を含んでいてもよい。さらに、水素含有流体が下流から再循環された気体を含む場合、1種以上の生成物のエーテル、CからCのアルカノール、水、共生成物および副生成物を含む凝縮性物質も存在していてもよい。
副生成物には、本プロセスで生成される他の軽物質または重物質と共に、酸または酸無水物のエステル化で使用されるアルカノール、例えばメタノール、副反応で生成される望ましくない物質、例えばブタノール、ジオールのエーテルへの脱水で発生する水が含まれる場合がある。
副生成物は精製領域で所望の生成物から分離してもよく、必要に応じて更に精製してもよい。同様に、共生成物も精製領域で所望の生成物から分離してもよく、必要に応じて更に精製してもよい。しかしながら、ある一形態では、共生成物および/または副生成物の1種以上が再循環される。
有機供給材料は、好ましくは、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類、CからC12の不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のCからCアルキルのモノエステル類、CからC12の不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のCからCアルキルのジエステル類、CからC12の不飽和ヒドロキシカルボン酸類のラクトン類、及びこれらの2種以上の混合物の1種以上から選ばれる。例えば、有機供給材料は、Cの不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のCからCアルキルのモノエステル類、Cの不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のCからCアルキルのジエステル類、及びこれらの2種以上の混合物から選ぶことができる。特に好ましい有機供給材料は、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、及びこれらの2種以上の混合物から選ぶことができる。
供給材料が1種以上の不飽和酸類および/または酸無水物類を含む場合、本発明の方法は、酸および/または酸無水物をモノエステルまたはジエステルに転化するエステル化工程を含むことができる。このエステル化工程は、それがある場合、エステル化領域で行なわれる。エステル化領域は、予備反応装置領域の前または後に位置することができる。
ある形態では、有機供給材料は有機溶媒中に含まれる。有機溶媒が存在する場合、有機供給材料は、工程(b)での水素含有気体除去によって、有機溶媒から分離できる。
適当な有機溶媒としては、炭素数13までのジカルボン酸類のCからCアルキルのジエステル類;マレイン酸、フマル酸、コハク酸、及びこれらの混合物のCからC18アルキルのモノ及びジエステル類;ナフタレンモノカルボン酸類のCからCアルキルのエステル類;芳香族トリカルボン酸類のCからCアルキルのトリエステル類;イソフタル酸のCからCアルキルのジエステル類;フタル酸アルキル;セバシン酸ジメチルが挙げられる。
予備反応装置領域および気化領域が組み合わせられている形態の場合には、水素含有流体:凝縮可能物質のモル比は、約50:1から約1000:1の範囲であることが好ましい。予備反応装置領域が気化領域から分離している形態の場合には、水素含有流体:凝縮可能物質のモル比は、約1:1から約20:1の範囲であることが好ましい。
典型的には、予備反応装置領域への供給温度は、約30℃から約250℃であり、より好ましくは約40℃から約200℃である。一方、予備反応装置領域への供給圧力は、典型的には、約5baraから約100baraである。有機供給材料は、約0.05から約20.0h−1の1時間当たりの液空間速度に相当する速度で予備反応装置領域に供給されることが好ましいが、一方で、幾つかの状況では約0.5から約5h−1の範囲の流速が適切な場合もある。
必要に応じて、圧力および/または温度および/または水素含有気体:凝縮可能物質のモル比は、予備反応装置領域と反応装置との間で、任意の適当な方法で調節することができる。温度は、露点以上の所望の程度の過熱をするために、例えば、熱交換器の使用を含む任意の適当な手段によって調節することができる。
本発明の方法において使用される水素含有流体は、任意の従来の方法によって得ることができる。好ましくは、水素含有流体は、少なくとも約50体積%から約99.99体積%まで、またはそれ以上、例えば、約80から約99.9体積%の水素を含む。水素含有流体は、窒素またはメタンのような不活性ガス1種以上をさらに含んでいてもよい。水素含有流体の分子量が最小になり、それによって気体状の流体の圧縮および循環に必要な動力が低減されるように、好都合なことには、水素含有流体は圧力スイング吸着法によって製造される。
この反応に適した触媒どれでも選択することができる。触媒の混合物を使用することもでき、参照しやすいように、用語「触媒」は、1種の触媒または2種以上の異なる触媒の混合物のどちらかを意味するように本明細書中で使用され、理解される。反応器中で使用される触媒は、予備反応装置領域中で使用されるものと異なっていてもよい。予備反応装置領域では、炭素−炭素二重結合の水素添加に選択的だが、エステルの水素化分解に対して殆どまたは全く選択性を有さない触媒が好ましく使用される。
触媒の選択はまた、反応が起こることになる相または複数の相に左右されることもある。反応が液相または気相/液相で起こるような形態では、エステルの水素化分解性を低減するために、意図的に触媒活性を低下させることが望ましい場合もある。これは、幾つかの状況では、ジオールの生成が供給材料と反応し、重合体を生成するという結果になることがあるからである。
予備反応装置領域で使用するのに適した触媒の例としては、ニッケル、パラジウム、ルテニウム及びコバルト水素化触媒、亜クロム酸銅、酸化銅、酸化亜鉛および酸化銅/酸化亜鉛混合物が挙げられる。これらの触媒は、単独で、または組み合わせて使用することができる。
予備反応装置領域および気化領域が混じり合っている場合、触媒は気化が起こる表面として働くこともある。この形態では、触媒の選択に、触媒の形状および/またはその充填も考慮する場合がある。
ある一形態では、反応領域用の触媒は、様々な触媒を含む触媒床である場合もある。一例では、触媒床は、残余の供給酸分に対して耐性のある触媒、エステルの水素化を促進するために適当なもの、および所望の生成物、好ましくはエーテルに対する選択性を向上させるものを含む場合がある。1種以上の触媒を含む触媒床は、異なる種類のものが分離されるように、床内に分離した触媒層を含む場合もあり、あるいは異なる種類の触媒が混合されている場合もある。
特に好ましい方法では、反応装置の触媒は、還元亜クロム酸銅触媒または還元銅含有触媒のような銅含有触媒から選ばれる。銅含有触媒の例としては、還元酸化銅/酸化亜鉛触媒類、還元マンガン添加銅触媒類、還元亜クロム酸銅触媒類および還元添加亜クロム酸銅触媒類が挙げられる。反応装置で使用するための他の触媒は、還元マンガン添加銅触媒である。
触媒が銅含有触媒である場合、活性な触媒種が、酸化クロム、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、炭化ケイ素、ジルコニア、チタニア、カーボン、またはこれらの2種以上の混合物、例えば酸化クロムとカーボンの混合物から選ばれる支持材上に少なくとも一部分が支持されていてもよい。
本発明の一つの好ましい方法では、添加亜クロム酸銅触媒のような酸耐性触媒を反応装置中で使用する場合もある。適当な添加亜クロム酸銅触媒は、例えば、英国、TS17 6PY、ストックトン−オン−ティーズ、トーナバイ、プリンストン ドライブにあるデイビー プロセス テクノロジー リミテッドの技術センターによりPG85/1として販売されている触媒である。
マンガン添加銅触媒のような、エステルをジオール類およびラクトン類へと反応させるのに有効な触媒を反応装置中で使用する場合もある。触媒PG85/1の場合に使用される典型的な操作条件下で優れたジアルキルエステルの転化を示す適当なマンガン添加銅触媒は、デイビー プロセス テクノロジー リミテッドによりDRD92/89Aとして販売されている。典型的な操作条件下で所望のエーテルに対して高い選択性を有する触媒の例は、これもデイビー プロセス テクノロジー リミテッドから入手可能であるDRD92/89Bである。
ブタン−1,4−ジオール、γ−ブチロラクトンおよび/またはテトラヒドロフランの製造での使用に適した触媒の更なる詳細については、国際特許出願番号PCT/GB00/04758号明細書中に見ることができ、この公報は参照によって本明細書に取り込まれるものとする。
予備反応装置領域中で使用される水素化触媒の量と、反応装置中の水素化/水素化分解触媒の量とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましい形態では、予備反応装置領域中で使用される水素化触媒の量は、反応領域中で使用される水素化/水素化分解触媒の量よりも少ない。予備反応装置領域中の触媒の充填量は、反応領域中の水素化/水素化分解触媒の全体積の約1%から約30%まで、より通常は約3%から約15%を構成することができる。
エステルをエーテルに転化させる反応では、より多量の所望のエーテル、好ましくはテトラヒドロフランの場合もある環状エーテルを製造するように、反応装置が多少の脱水触媒も含むことができる。温度および/または滞留時間を上昇すれば、より多量の製造が達成されるかもしれないが、PG95/1および/またはDRD92/89Aのような水素化/水素化分解触媒は、典型的には、約10%までエーテルを製造することができる。幾つかの水素化/水素化分解にも寄与する場合がある、DRD92/89Bのような脱水触媒は、触媒の量に依存して、エーテルの量を90%以上にまで上昇させる。好ましい形態では、約30%以上のエーテルの量が達成される場合もある。これらの触媒は、テトラヒドロフランの製造に特に適している。
反応装置からの生成物流体は、好ましくは凝縮されて、精製領域に供給され、そこで、所望のエーテル、好ましくはテトラヒドロフランを生成物として分離することが好ましい。存在するかもしれないブタン−1,4−ジオールおよび/またはγ−ブチロラクトンのような共生成物はどれでも、分離してもよく、あるいは反応系に再循環してもよい。再循環は、本方法の任意の適当な点へ行なうことができる。ある一形態では、再循環は、工程(b)の水素含有流体中に気化され、好ましくは、その流体によって気化されることがある。他の一形態では、再循環は、工程(c)の反応領域に供給される前に、第2の水素含有流体中に気化され、好ましくは、その流体によって気化されることがある。1種以上の共生成物がある場合、1種以上を分離し、回収して、残りを再循環させてもよい。
エーテル、例えばテトラヒドロフランへの100%の転化が望まれる形態では、全ての共生成物、例えばブタン−1,4−ジオールおよび/またはγ−ブチロラクトンは再循環される。
適当な触媒を選択し、気化領域への共生成物の再循環を調整することができることは、プラントの運転者が、柔軟に、共生成物の生成に比べて生成されるエーテルの量を選択できるようにする。
ある形態では、少なくとも幾つかの反応物に触媒を迂回させるように選択することを運転者ができるようにする方法で、脱水触媒が提供されることがある。これは、製造されるエーテルを変えることを可能にする。
未精製の生成物流体中の、典型的にはCからCのアルカノールであろう、有機供給材料に由来するアルカノール全てと、水とは、好ましくは精製の中で凝縮され、分離される。通常、アルカノールは、存在する場合、有機供給材料が生成されるエステル化反応装置に再循環される。アルカノールから水を分離する必要がある場合、精製系はその手段を含むことができる。通常、精製系は、再循環される可能性のある他の副生成物を分離する手段を含む。再循環される可能性のある副生成物の例は、例えば中間体どれもである。あるいは、製造された全ての副生成物の一部または全部を流出液として除く場合もある。除かれる副生成物の例は、製造されたモノオールどれもである。
次に、添付の図面を参照して、例として、本発明を記載する。
図面は概略であり、還流ドラム、ポンプ、真空ポンプ、コンプレッサー、気体循環コンプレッサー、温度センサー、圧力センサー、圧力除去弁、制御弁、流量調整器、液面調節器、保持タンク、貯蔵槽などのような更なる設備品が工業用のプラントにおいては必要とされるかもしれないことは当業者には理解されよう。そのような付属の設備品の規定は本発明の一部にならず、従来の化学工学の実際に従う。
ここで、特に供給材料であるマレイン酸ジメチルと水素との反応によるテトラヒドロフランの製造に関して、本発明を記載する。
図2に、本発明の一実施形態に従って、マレイン酸ジメチルを水素と反応させてテトラヒドロフランを製造するためのプラントを例示する。マレイン酸ジメチルは任意の適当な方法によって製造でき、また、WO−A−90/08127に記載されたタイプのエステル化プラント(図示せず)から供給でき、この公報は参照によって本明細書に取り込まれるものとする。
生成するマレイン酸ジメチルは、典型的には、マレイン酸モノメチルのような酸性の有機物質を約10.0wt/wt%以下を含み、好ましくは約2.0wt/wt%未満、例えば約0.1から約1.0wt/wt%の酸性物質を含む。
図2の形態では、予備反応装置領域および気化器領域は、気化器および予備水素化反応装置16に一体化されている。マレイン酸ジメチルは、ライン17で、この気化器および予備反応領域に供給される。予備反応装置領域は、適当な水素化触媒を含む。予備反応領域では、供給材料の少なくとも一部、好ましくは大部分が反応して、コハク酸ジメチルが生成し、ライン18aで供給される水素含有流体に対して気化される。水素含有流体は、ライン19からの補充用水素と混合されるライン18からの使い尽くされた水素含有流体の組み合わせであってもよい。水素含有流体中に気化されたコハク酸ジメチルはライン20で反応領域21に送られ、そこで、更なる反応が適当な触媒上で行なわれる。
充填された触媒は、好ましくは、エステルの水素化を促進するPG85/1及びDRD92/89Aのような酸耐性触媒、および、例えば、ジオールの脱水を促進するDRD92/89Bを含む。マレイン酸ジメチルのテトラヒドロフラン、ブタン−1,4−ジオール及びγ−ブチロラクトンへの転化、および、ブタノールおよび/またはアセタール2−(4’−ヒドロキシブトキシ)−テトラヒドロフランのような少量の望ましくない副生成物への転化が反応装置21を通過する間に起こる。
生成物流体22は冷却器および凝縮器23に送られ、そこで、粗生成物が分離され、循環ガスを形成し、この循環ガスは、コンプレッサー(図示せず)へのライン18と、気化器16へのライン18及び18aを経由して、再循環される。
粗生成物は、ライン24で、精製領域25に送られる。ここで、粗生成物流体は好ましくは数段階の蒸留によって分離されて、実質的に純粋なテトラヒドロフランが得られ、ライン26に回収される。ブタン−1,4−ジオールの回収のためのライン27を設けてもよく、あるいは、他の一形態では、テトラヒドロフランを生成する更なる反応のために、これを組み合わせられた予備反応装置領域/気化領域16に再循環させることもできる。部分的に水素化された供給材料と共に、γ−ブチロラクトンも全て、組み合わせられた予備反応装置領域/気化領域16にライン28で再循環させてもよい。あるいは、γ−ブチロラクトンを精製し、分離した生成物として回収する場合もある。メタノール及び水は、上流の反応装置に再循環させてもよく、また、分離して、メタノールは再循環し、水は流出液として抜き出してもよい。
図3を参照して、本発明の他の形態を記載する。この形態では、マレイン酸ジメチルがライン29で予備反応装置領域30に供給され、そこで、適当な水素化触媒の存在下、ライン31aからの水素で、液相中で水素化される。
次に、生成するコハク酸ジメチルを多量に含む流体は、ライン32で、気化器33に送られる。コハク酸ジメチルは、気化領域の最上部近くに、ポンプで送られることもある。供給材料は、ライン34からの循環ガスの上流方向への流れに逆らって、気化領域を下方へ流れる。ライン34からの循環ガスは、下流からの再循環された水素含有流体(ライン35)に添加された、ライン31から供給された新たな補充用水素を含んでいてもよい。あるいは、単にライン35からの回収された水素含有流体であってもよく、どんな補充用水素も、水素化ループ中の任意の適切な点に直接添加することができる。
水素含有流体:コハク酸ジメチルのモル比が約50:1から約1000:1で、水素含有流体中にコハク酸ジメチルを含む、ほとんど飽和された混合蒸気流は、気化領域33の最上部から回収される。
その後、気体の混合物は、ライン36で、固定床の充填触媒を備える反応装置37に供給される。
水素化分解および脱水触媒は、図2に関連して記載したものと同一である。典型的には、約100℃から約300℃、より好ましくは約150℃から約250℃の入口温度で、約5baraから約150bara、より好ましくは約30baraから約70baraの入口圧で、反応領域を操作する。コハク酸ジメチルの供給速度は、約0.5h−1から約5.0h−1の1時間当たりの液空間速度に相当することが好ましい。マレイン酸ジメチルのテトラヒドロフラン、ブタン−1,4−ジオール及びγ−ブチロラクトンへの転化、および、ブタノールおよび/またはアセタール2−(4’−ヒドロキシブトキシ)−テトラヒドロフランのような少量の望ましくない副生成物への転化が反応装置37を通過する間に起こる。
生成物流体38は冷却器および凝縮器39に送られ、そこで、粗生成物が使い尽くされた水素含有流体から分離され、この水素含有流体は、コンプレッサー(図示せず)へのライン35と、気化領域33へのライン35を経由して、再循環される。
粗生成物は、ライン40で、分離系41に送られる。ここで、粗生成物流体は好ましくは数段階の蒸留によって分離されて、純粋なテトラヒドロフランが得られ、ライン42に回収される。ブタン−1,4−ジオールの回収のためのライン43を設けてもよく、あるいは、他の一形態では、テトラヒドロフランを生成する更なる反応のために、気化領域33に再循環させることもできる。部分的に水素化された供給材料と共に、γ−ブチロラクトンも全て、気化領域44にライン33で再循環させてもよい。あるいは、γ−ブチロラクトンを生成物として精製する場合もある。
メタノール及び水は、上流の反応装置に再循環させてもよく、また、分離して、メタノールは再循環し、水は流出液として抜き出してもよい。
図3を参照して、本発明の他の形態を記載する。
付随の例を参照して、本発明を更に記載する。
比較例1
図1に図示したような従来技術の方法において、気化器に供給されるマレイン酸ジメチル1.0kmol/hを気化させるために、0.21kmol/hの精製された再循環ガスと共に、258kmols/hの水素リッチの循環ガスおよび5.0kmol/hの補充用水素も気化器に供給される。その後、気化された流体は反応装置に供給され、そこで、マレイン酸ジメチルおよび精製された再循環ガスが粗反応生成物に変換される。これらは冷却され、分離されて、粗生成物は精製領域に供給され、そこで、生成物は精製され、精製された再循環ガスは気化器に戻される。詳細および結果を表1に示す。
例1
図2に図示したような、本発明に従う方法スキームにおいて、コンプレッサー循環ガス流体を比較例1と同じ絶対速度で維持する。この形態では、1.32kmol/hのマレイン酸ジメチルが組み合わせられた予備反応装置領域/気化領域の低気化部分に供給される。加えて、258kmols/hの水素リッチの循環ガスおよび8.3kmol/hの補充用水素も気化領域に供給される。マレイン酸ジメチル供給材料は水素流体中に気化され、その後、167℃の担持パラジウム触媒上を通過し、そこで、コハク酸ジメチルに転化する。残った0.33kmolh−1のマレイン酸ジメチルは、精製領域からの0.35kmolh−1の再循環材料と共に、第2の気化部中のコハク酸ジメチル含有水素流体中に気化される。コハク酸ジメチルの生成から生じた熱は、気化のための熱を供給するために利用される。
マレイン酸ジメチル供給原料よりむしろ、主にコハク酸ジメチル流体を気相水素化反応装置に送ることによって、気相水素化反応装置の出口温度を195℃の一定に保ちながら、反応装置の入口温度を約9℃上げることができる。比較例1の方法で可能であるものよりも、およそ65%以上のマレイン酸ジメチルが処理されることが分かる。
例2
図3に図示したような、本発明に従う方法スキームにおいて、コンプレッサー循環ガス流体を比較例1と同じ絶対速度で維持する。この形態では、最初に、液相中、60℃および12baraで、ニッケル系触媒上で、1.84kmol/hのマレイン酸ジメチルが予備水素化されてコハク酸ジメチルになり、その後、コハク酸ジメチルが、0.39kmol/hの精製された再循環ガスと共に、気化器に供給される。2.2kmol/hの水素供給材料が予備水素化部に供給される。加えて、258kmols/hの水素リッチの循環ガスおよび7.4kmol/hの補充用水素も気化器に供給される。マレイン酸ジメチル供給原料よりむしろ、主にコハク酸ジメチルを気化器に送ることによって、気相水素化反応装置の出口温度を195℃の一定に保ちながら、反応装置の入口温度を約13℃上げることができる。比較例1の方法で可能であるものよりも、およそ84%以上のマレイン酸ジメチルが処理されることが分かる。
本発明の方法は、WO03/006446の方法と組み合わせて使用することもでき、その内容は参照することにより本明細書に取り込まれるものとする。
Figure 0005013876
図1は、従来の技術の形態の概略図である。 図2は、本発明の一実施形態に従う方法の概略図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に従う方法の概略図である。

Claims (23)

  1. 不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のモノエステル類、不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のジエステル類、不飽和ラクトン類、及びこれらの2種以上の混合物から選ばれた対応する有機供給材料を水素存在下で反応させ、任意でジオールおよび/またはラクトンと共に、エーテルを製造する方法であって、
    (a)有機供給材料の少なくとも一部を含む流体を、触媒を含み、反応条件下で動作する予備反応装置領域に供給し、前記供給材料を水素含有流体に接触させ、少なくとも一部の炭素−炭素二重結合を飽和させる工程と;
    (b)気化領域において、少なくとも部分的に飽和された供給材料を水素含有流体中に気化させる工程と;
    (c)気化した少なくとも部分的に飽和された供給材料を含む水素含有流体を、触媒を含み、反応条件下で動作する反応領域に供給する工程と;
    (d)反応領域から、エーテルと任意でジオールおよび/またはラクトンとを含む生成物流体を回収する工程と;
    (e)使い尽くされた水素含有流体を、少なくとも前記予備反応装置領域または前記気化領域に再循環させる工程と
    を有するエーテルの製造方法。
  2. 前記少なくとも部分的に飽和された供給材料は、工程(b)の水素によって、その中に気化される請求項1記載の方法。
  3. 前記予備反応装置領域および前記気化領域は同一容器内の分離した領域である請求項1または2記載の方法。
  4. 前記予備反応装置領域および前記気化領域は混じり合っている請求項1または2記載の方法。
  5. 前記予備反応装置領域の触媒は、気化が起こる接触域を与える請求項4記載の方法。
  6. 前記予備反応装置領域および前記気化領域は別個の容器内に位置しており、前記予備反応装置領域からの少なくとも部分的に飽和された供給材料は前記気化領域に送られる請求項1または2記載の方法。
  7. 前記気化領域において、追加の不飽和有機供給材料を前記水素含有流体中に気化させる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記追加の不飽和有機供給材料は、前記水素含有流体によって気化される請求項7記載の方法。
  9. 追加の不飽和有機供給材料が、工程(c)の前記反応領域に供給される請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 工程(c)の前記反応領域に供給される前に、前記追加の不飽和有機供給材料は第2の水素含有流体中に気化される請求項9記載の方法。
  11. 前記追加の不飽和有機供給材料は、前記第2の水素含有流体によって気化される請求項10記載の方法。
  12. ジオールおよび/またはラクトンを任意で含んでいてもよい未反応の供給材料および副生成物を再循環させ、気化領域で水素含有流体中に気化させる請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記再循環される流体は、前記水素含有流体によって気化される請求項12記載の方法。
  14. ジオールおよび/またはラクトンを任意で含んでいてもよい未反応の供給材料および副生成物を再循環させ、工程(c)の前記反応領域に供給される前に、第2の水素含有流体中に気化させる請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記再循環される流体は、前記第2の水素含有流体によって気化される請求項14記載の方法。
  16. 前記供給材料は、前記気化領域または循環ガス回収法による分離回収塔のいずれかにおいて前記供給材料から分離された有機溶媒中に含有されている請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記少なくとも部分的な炭素二重結合の飽和は、前記予備反応領域中の液相において起こる請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記有機供給材料は、CからC12の不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のCからCアルキルのモノエステル類、CからC12の不飽和ジカルボン酸類および/または酸無水物類のCからCアルキルのジエステル類、CからC12の不飽和ヒドロキシカルボン酸類のラクトン類、及びこれらの2種以上の混合物から選ばれる請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記有機供給材料は、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、及びこれらの2種以上の混合物から選ばれる請求項18記載の方法。
  20. 前記供給材料は1種以上の不飽和酸類および/または酸無水物類であり、
    エステル化工程を含む請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  21. 前記エステル化工程は、エステル化領域で行なわれる請求項20記載の方法。
  22. 前記エステル化領域は、前記予備反応装置領域の前または後に位置する請求項21記載の方法。
  23. 前記エーテルは、テトラヒドロフランである請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
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