JP5013619B2 - 光拡散構造体 - Google Patents
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Description
光拡散構造体は、透明な基材の表面に、光拡散材としてシリカ、アクリルまたはポリスチレン等の真球状透明粒子を分散させた、透明な合成樹脂(バインダ)層から構成される光拡散層が形成された構造からなるものが知られている。
光拡散構造体に対しては、その光拡散作用にもとづく隠蔽力により導光板のドットパターン、線状パターン、照明光源の輪郭、輝点を消して均一な面発光を与えるという機能が要求されている。
しかし、従来は光拡散材として真球状シリコーン粒子を用いていたために、全光線透過率は高いがヘーズが小さく光拡散性が確保できなかった。また、真球状粒子は光の再帰反射性が強いために集光能力が不十分であった。また、真球状粒子を光拡散材として用いると特定方向に光を強く散乱または反射することがあり、これがぎらつき感や輝度不均一性等の不具合となって現れることがあった。さらに、真球状シリコーンは非常に高価であった。
また、光拡散構造体はロール状で流通することも多く、異物が付着しているとそれが原因で光拡散層表面に傷がつきやすい欠点があった。
さらに、シリカ微粒子は高価であるし、安価な樹脂製粒子を用いるとフィルム加工工程、トムソン型による構造体の打ち抜きの際やバックライトユニットの組立て工程において、光拡散面が傷つき、また樹脂粒子が脱落してしまうという問題が起きやすかった。
特許文献1の段落0048には、光拡散材として板状、楕円体状、椀型、多角形状、円盤型、星型、表面しわ状などの異形粒子を用いたほうが、球状粒子よりも強い光拡散性を有しており、少量の添加で光拡散性に優れると共に高い全光線透過率および輝度が得られることが記載されている。
1.基材およびその上に積層された光拡散層を有する光拡散構造体であって、光拡散層は、樹脂および無機粒子を含有し、無機粒子は、下記式(1)で表わされ、
無機粒子の形状は、碁石状、円柱板状もしくは六角柱板状であり、その粒子径分布シャープ度(D75/D25)は1.0≦D75/D25≦1.4を満足することを特徴とする光拡散構造体、
2.光拡散層内における無機粒子の平均傾き度〈θt〉が、0°≦〈θt〉≦15°を満足する前項1に記載の光拡散構造体、
3.無機粒子が、多孔質または中空状である前項1または2に記載の光拡散構造体、
5.基材のJIS K 7136にもとづく全光線透過率が80〜100%、かつヘーズが0〜5%である前項1〜4のいずれか一項に記載の光拡散構造体、
である。
また、光拡散構造体は、帯電し難いので異物が付着しにくい上、付着異物を除去する工程で用いる有機溶剤によっても無機粒子にクラックが入らず輝度低下が発生しないので、生産性に優れている。
さらに、本発明の光拡散構造体は高価なシリカ微粒子を使用しないので経済性にも優れている。
本発明の光拡散構造体は、平行光を拡散させる用途、発散光を収束させる用途、光源や発光パターンを隠蔽する用途に用いることができる。具体的には輝度均斉度および正面輝度が高い照明を得るのに適している。
本発明に用いる無機粒子は、その形状が碁石状、円柱板状もしくは六角柱板状であることを特徴とする。
粒子の形状を特定する尺度の一つに、粉体工業分野において従来から用いられてきたWadellの円形度および球形度がある。Wadellの球形度sは、下記式で定義される。sが1に近い程真球に近い。
s=(粒子と等体積の球の表面積)/(粒子の表面積)
また、Wadellの円形度cは、下記式で定義される。cが1に近い程、真円に近い。
c=(粒子の投影面積と等面積円の周長)/(粒子の投影面の周長)
ここで、粒子径分布のシャープ度(D75/D25)とは、粉体工業分野でしばしば用いられる粒子径均一性の評価方法である。これは、横軸に粒子径、縦軸に累積度数をとり、全粒子個数に対し、粒子径の小さいものから累積度数が25%になる粒子径をD25、75%になる粒子径をD75としたとき、これらの比の値D75/D25によって定義される。
粒子径の均一性の他の評価方法としては、半値幅、標準偏差および変動係数等で評価することも可能であり、これら評価方法には、互いに相関関係があり、D75/D25、半値幅および標準偏差のうちどれを評価基準にしても差し支えない。
その形状が碁石状、円柱板状もしくは六角柱板状を呈し、かつ粒子径分布のシャープ度(D75/D25)が1≦D75/D25≦1.4の範囲の無機粒子としては、例えば下記式(1)で表わされるアルミニウム塩水酸化物粒子が例示できる。
上記式(1)においてAで表される有機酸アニオンは、有機カルボン酸または有機オキシカルボン酸にもとづくアニオンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、炭素数1〜15の有機カルボン酸または炭素数1〜15の有機オキシカルボン酸にもとづくアニオンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに好ましくは、炭素数が2〜10でありカルボキシル基を1〜4個有する有機カルボン酸または炭素数が2〜10でありオキシカルボキシル基を1〜4個有する有機オキシカルボン酸にもとづくアニオンから選ばれる少なくとも1種である。最も好ましくは、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、林檎酸、没食子酸、グリセリン酸および乳酸から選ばれる少なくとも1種にもとづくアニオンである。
上記式(1)においてMは、Na+、K+、NH4+およびH3O+およびCa2+なる群から選ばれた少なくとも1種を含む陽イオンであり、好ましい態様ではNa+である。M’は、Zn2+、Cu2+、Ni2+、Sn4+、Zr4+およびTi4+からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属陽イオンである。
無機粒子は国際公開第05/085168号パンフレットまたは国際公開第06/109847号パンフレットに記載された方法によって製造することができる。
同号パンフレットの実施例1−Bによれば、0.2molの硫酸アルミニウム、0.2molの硫酸ナトリウムを600mlの純水に溶解させ、0.015molの蓚酸を入れる。次に攪拌しながら、混合液に0.8molの水酸化ナトリウムを添加し、170℃で8時間水熱処理を行う。冷却した液を濾過水洗し、95℃で15時間乾燥処理することにより、円盤状を呈するNa1.02Al3(SO4)2.03(C2O4)0.06(OH)5.84・0.2H2Oを合成することができる。
円柱板状粒子は、国際公開第06/109847号パンフレットの第33ページ実施例1−F、第34ページ実施例1−K、第36ページ実施例1−Oおよび1−P等に記載された方法によって製造することができる。
例えば、同号パンフレットの実施例1−Fによれば、1L容器に1.03モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液87mlと硫酸ナトリウム12.78g(0.09mol)を入れ脱イオン水で500mlにし、室温においてホモミキサーで攪拌しつつZnO(市販品)粉末5.53gを加え、20分間攪拌後、3.385Nの水酸化ナトリウム水溶液47mlを注加する。更に、20分間攪拌後、オートクレーブ装置に移して、170℃で2時間水反応さる。その後、冷却後、炉別、水洗し、105℃で18時間乾燥させ、円柱板状を呈するNa1.09(Al2.80,Zn0.20)(SO4)2.27(OH)5.35・1.33H2Oを合成することができる。
光拡散層中の無機粒子の含有量は、樹脂バインダ100重量部に対し、好ましくは0.1〜200重量部、さらに好ましくは10〜200重量部、より好ましくは100〜200重量部である。
樹脂は、アクリル樹脂であることが好ましく、熱硬化性または光硬化性アクリル樹脂を用いることもできる。アクリル樹脂を例示すると、ポリアクリル酸およびそのエステル、ポリメタクリル酸およびそのエステル等である。
′(平均傾き度〈θt〉)
本発明において、光拡散層内における無機粒子の平均傾き度〈θt〉は、0°≦〈θt〉≦15°を満足することが好ましい。無機粒子の平均傾き度〈θt〉は、各粒子が光拡散層内において光拡散層の上面あるいは下面に平行に配向しているかどうかを表す尺度である。これは、板状粒子の上面または下面と光拡散層の上面あるいは下面のなす角度の平均で表される。円盤状粒子の場合は、図12の正面図の基準面A−A’を含む紙面に垂直な面(基準面と呼ぶ)と光拡散層の上面あるいは下面のなす角度で表される。
具体的には、光拡散層を視野に含む10000倍のSEM写真において、任意の20個の無機粒子につき、それぞれ傾き度θtを測定して平均した値である。
高い光拡散効果および全光線透過率が得るためには、〈θt〉は、0°≦〈θt〉≦15°であることがより好ましく、最も好ましくは0°≦〈θt〉≦12°である。〈θt〉が15°を超えると全光線透過率が低下するので好ましくない。
本発明に用いる基材は、JIS K 7136にもとづく方法で測定した全光線透過率が80〜100%、かつヘーズが0〜5%であることが好ましく、全光線透過率が90〜100%、かつヘーズが0〜1%であればより好ましい。
ただし、用途によってはさらにヘーズの大きな基材を用いてもよい。
好適に用いることができる基材としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセチルセルロース、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
また、バインダとフィルムの接着強度を考慮すると、基材表面にはコロナ処理や他の親水化処理が施されていることが好ましい。
基材の厚みは10〜2000μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは30〜1000μmの範囲である。10μmより薄いと取り扱いが非常に困難となり、2000μmより厚いと剛性が大きい上、吸湿や温度変化による経時的変形に起因する干渉縞や明暗が発生しやすく好ましくない。
本発明の光拡散構造体は、無機粒子を樹脂バインダに分散させた光拡散剤を、基材の少なくとも表(オモテ)面に光拡散層として積層して得られる。ここでいう表(オモテ)面とは、基材の、光源と反対側の面である。さらに、表(オモテ)面に加えて、基材の裏面にも光拡散層を積層することによりヘーズを増大させることができる。光拡散剤は溶媒を含有することが好ましい。
光拡散剤は、樹脂バインダ100重量部に対し無機粒子を好ましくは0.1〜200重量部配合してなる。さらに好ましい配合量は10〜200重量部、最も好ましい配合量は100〜200重量部である。
樹脂バインダとして熱硬化性または光硬化性アクリル樹脂を用いる場合は、塗布後に光または熱でバインダを硬化して製造することができる。光拡散剤は塗布前に脱泡しておくことが好ましい。
光拡散剤の塗布厚は1〜50μmの範囲内であることが好ましい。1μm未満だとヘーズが低下し、50μmを超えると全光線透過率が低下するので好ましくない。塗布方式により塗布量が足りない場合は、2回〜3回コート程度の重ね刷りを行う場合もある。
さらに、光拡散層の硬化または安定化のために、光拡散構造体を、室温または30〜60℃程度の温度環境下に1日から2週間程度おき、キュアを行ってもよい。
さらに、必要に応じ基材の片面または両面に、スティッキング防止機能、帯電防止機能、傷つき防止機能または第二の光拡散層機能、反射防止機能等のうち一つ以上を有する層が積層されていてもよい。
(1)透過光度測定
装置:変角光度計GP−200((株)村上色彩技術研究所)
方法:光拡散構造体の裏面側に光源を配置し、表面側において受光器を0〜180°の範囲で走査させ、0.1°ごとに透過光量を測定する。ただし、光拡散構造体に関して、光源と受光器が対称の位置に来たときの角度を90°とする。測定の際は、透過光の強度は最大でも85以下となるように光電子増倍管の感度を調整する。
光拡散構造体の厚みは、試験片測厚器 SDA−25型(高分子計器(株))を用いて測定した。
装置:粒度分布計 マイクロトラックMT3300(Leed&Nortrup Instruments Company社製
方法:試料粉末700mgを0.2wt%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液70mlに加えて、超音波で3分間分散処理した後、スターラーで攪拌しながら粒度分布を測定する。
SEM写真により観察した。
装置:走査型電子顕微鏡 S−3000N(日立)
方法:加速電圧15kV、作動距離10mm、倍率2千倍、1万倍、2万倍
装置:アッべ屈折計1T(ATAGO)
方法:適当な有機溶媒5mLに試料粉末5mgを添加して超音波で10分間分散させ、透明な部分を主プリズム面に薄膜状に広げて、屈折率を求めた。
装置:RINT2200VX線回折システム(理学電機(株)製)
方法:CU−Kα、角度(2θ):5〜65°、ステップ:0.02°、スキャンスピ−ド:4°/分、管電圧:40kV、管電流:20mV。
装置:オートマチックヘーズメーター TC−H3DP (東京電色)
方法:JIS−K7136(ISO14782)に基づく
光拡散層を視野に含む10000倍のSEM写真において、任意の20個の無機粒子につき、粒子の上面または下面と光拡散層の上面あるいは下面のなす傾き度を測定して平均した。
無機粒子は以下に記す方法で合成し、または市販の無機粒子を用いた。
160moLの硫酸アルミニウムおよび0.2moLの硫酸ナトリウムを700Lのイオン交換水に溶解させ、これにシュウ酸(H2C2O4)0.1moLを加え1m3の反応槽で攪拌した。さらに攪拌羽根の回転速度89rpmで攪拌しながら前記混合溶液に水酸化ナトリウム633moLを添加して170℃で3時間水熱処理をおこなった。冷却した反応液をろ過・水洗したのち120℃で24時間乾燥処理および粉砕した結果、図4のSEM写真に示す円盤状(碁石状)のアルミニウム塩水酸化物粒子(無機粒子A)を得た。無機粒子Aの諸特性を表1に示す。
イオン交換水の量を1000L、攪拌羽根の回転速度を76rpmにした以外は合成例1と同様の方法により、無機粒子Bを得た。
イオン交換水の量を1000L、攪拌羽根の回転速度を49rpmにした以外は無機粒子合成例1と同様の方法により、無機粒子Cを得た。
また、国際公開第05/085168号パンフレットの実施例1−F、1−Aおよび国際公開第06/109847の実施例1−Fに記載された方法にもとづいてそれぞれ六角柱板状、球状および円柱板状の無機粒子D、HおよびEを合成した。これらのうち無機粒子Hは比較例として用いた。無機粒子DのSEM写真を図6に示す。無機粒子EのSEM写真を図5に示す。無機粒子HのSEM写真を図7に示す。
特開2007−204293号公報の段落0064の実施例1に記載された方法にもとづき、無機粒子Aを「ブランクA」として用いて、無機粒子Fを得た。得られた粒子は、BET比表面積が102m2/g、全細孔容積が0.244ml/gの多孔質中空粒子であった。無機粒子Fの諸特性を表2に示す。
さらに、比較例としてそれぞれ無機粒子G(交差円盤状炭酸カルシウム/(株)ニューライム)、無機粒子I(シリコーンパウダー商品名:KMP−701/信越化学工業)、無機粒子J(シリコーンパウダー商品名:KSP−300/信越化学工業)および無機粒子K(メチルシリコーンパウダーMSP−1500M/日興リカ)を用いた。各無機粒子の特性を表1および表2に示す。拡散性微粒子GのSEM写真を図8に示す。拡散性微粒子IのSEM写真を図9に示す。
アクリル樹脂20gを(商標名:スミペックスMGSS/住友化学(株)製)をトルエン50mL、2−ブタノン20mLおよび酢酸ブチル20mLの混合溶媒に入れ常温で1昼夜攪拌してポリメタクリル酸溶液を調製した。ポリメタクリル酸溶液に無機粒子A〜Kをポリメタクリル酸に加えて光拡散剤を調製した。
(光拡散構造体の製造)
定盤の上に大きさ70mm×70mm×t100μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(商標名:ダイアホイルT680E/三菱化学ポリエステルフィルム)を置いて基材とし、調製例で得られた各光拡散剤を1mL滴下してアプリケータYBA−4(ヨシミツ精機)で塗布したのち105℃で2時間乾燥して光光拡散構造体を製造した。このとき乾燥後の拡散層厚さが5μmまたは25μmになるように設定した(乾燥後は厚みが塗布時の約1/5になる)。拡散層の厚みは、乾燥後に試験片測厚計で試験片の厚みを計測して基材厚みをもとに算出し、5μmまたは25μmになっていることを確認した。光拡散構造体の製造条件を表3に示す。
製造した試験片をオートマチックヘーズメーターにセットしてJIS K 7136にもとづく測定による全光線透過率と散乱透過率を測定してヘーズを算出した。これら各フィルム試験片の諸特性を表3に示す。次に、光拡散構造体の裏面側に光源を配置し、変角光度計を用いて透過光量を測定した。結果を図2および図3に示す。
真球状シリコーンパウダーを塗布したフィルムNo.13〜15はいずれも全光線透過率が75%以上、ヘーズも80%以上である。
光拡散構造体No.6とNo.14を比較すると、拡散層厚さを25μmに増大させた場合、本発明の光拡散構造体No.6についてはヘーズが95%以上に上昇しているが、真球状シリコーンパウダーを塗布したフィルムNo.14についてはヘーズが82%程度に留まり、かつ全光線透過率が75%未満にまで低下している。
変角光度計を用いて測定した透過光量を示す図2から、本発明の円盤状無機粒子を用いた光拡散構造体No.5〜7(実施例5〜7)では正面を0°として、半値幅が3°(90°方向の透過光量を1として0.5の透過光量になる角度の幅)以内であることから、拡散透過光を正面に集める効果があることがわかる。また、90°方向以外の特定の方向への強い光の散乱が見られないので均一な照明が得られる。
また、図3に示すように、無機粒子として真球状シリコーンパウダーを用いた光光拡散構造体No.13(比較例3)およびNo.15(比較例5)では、半値幅がそれぞれ10°以上および5°以上であり透過光を正面に集める効果は本発明の無機粒子に比べて小さく、光拡散構造体No.14(比較例4)については、上記光光拡散構造体No.12(比較例2)と同様にぎらつきの問題がある。
また、配合量が100重量部未満になるとヘーズが80%未満になるので好ましくない。
同様の観察を光拡散フィルムNo.11(比較例1)についても行なった結果を図12に示す。このときの平均傾き度は30°以上であった。即ち、粒度分布シャープ度が1.11である無機粒子Bは拡散層内で拡散層上面または下面に平行に近い向きに配向しているが、粒度分布シャープ度が1.76である無機粒子Gは一定の方向に配向しない。
外形寸法50×100mm、厚さ1.6mmのアクリル樹脂からなり、表面と対向する裏面が、100mmの1辺から遠ざかるにつれて肉薄になっており、かつ前記1辺に平行な10mm間隔のヘアライン加工でグラデーションパターンの粗面化が施された楔型の導光板の裏面側に反射フィルム(RF188/ツジデン)を両面テープで貼り付け、表面上に作製した各フィルム試験片をのせた。導光板の肉厚側エッジに冷陰極管をセットして管電圧1200V,管電流5mAで点灯させた。
◎:パターンが全く視認できない。
○:パターンがほぼ視認できない。
△:パターンが少し視認できる。
×:パターンが明確に視認できる。
光拡散構造体表面にイソプロピルアルコールを1滴落とし、室温で5分間放置して蒸発させたのち、隠蔽性の評価と同じ構成のユニットで、導光板表面から30cmの位置でイソプロピルアルコール滴下跡が視認されるかどうかを観察することにより光拡散構造体の耐溶剤性を評価した。評価は、以下の3段階で評価した。結果を表3に示す。
○:滴下跡がほとんど視認できない。
△:滴下跡が暗くなっているのが少し視認できる。
×:滴下跡が暗くなっているのが明確に視認できる。
Claims (5)
- 基材およびその上に積層された光拡散層を有する光拡散構造体であって、光拡散層は、樹脂および無機粒子を含有し、無機粒子は、下記式(1)で表わされ、
無機粒子の形状は、碁石状、円柱板状もしくは六角柱板状であり、その粒子径分布シャープ度(D75/D25)は1.0≦D75/D25≦1.4を満足することを特徴とする光拡散構造体。 - 光拡散層内における無機粒子の平均傾き度〈θt〉が、0°≦〈θt〉≦15°を満足する請求項1に記載の光拡散構造体。
- 無機粒子が、多孔質または中空状である請求項1または2に記載の光拡散構造体。
- 樹脂が、アクリル樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載の光拡散構造体。
- 基材のJIS K 7136にもとづく全光線透過率が80〜100%、かつヘーズが0〜5%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の光拡散構造体。
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