JP5012931B2 - 液処理方法及び液処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体ウエハ等の基板に対して例えばレジスト液等の処理液の塗布処理を行なうための技術に関する。
半導体デバイスやLCD基板の製造プロセスにおいては、フォトリソグラフィと呼ばれる技術により基板に対してレジストパターンの形成が行なわれている。この技術は、例えば半導体ウエハ(以下ウエハという)などの基板に、レジスト液を塗布し、このレジストを所定のパターンで露光した後に、現像処理を行なうことにより所望のパターンを得る、一連の工程により行われている。
前記レジスト液の塗布は、例えばスピンチャックに保持されたウエハのほぼ中心部に塗布ノズルからレジスト液を滴下し、次いでウエハWを回転させ、この回転の遠心力を利用してウエハW表面上のレジスト液をウエハWの中心から周縁に向けて拡散させることにより行なわれている。
この際、レジスト膜の下に形成される下地膜の種類や、エッチング選択比、レジスト膜の厚さ等に応じて、複数種類のレジスト液が用いられているが、これら種類の異なるレジスト液毎に塗布ノズルを用意し、共通の駆動アームにより、塗布ノズルの待機位置と、レジスト液の塗布処理を行なう処理位置との間で移動させる構成では、駆動アームによる塗布ノズルの持ち替え作業が必要になって動作工程が多くなり、また位置合わせ作業も個別に行なわなくてならないので手間がかかることから、図17に示す特許文献1の構成のように、複数のノズルを一体に設けた一体型の塗布ノズル1が検討されている。
ところで、レジスト液は有機材料よりなるレジスト膜の成分と、この成分の溶剤例えばシンナー液とを含むものであって、大気に接触すると乾燥しやすいので、従来からレジスト液の乾燥を防止するため、レジスト液の塗布処理後、サックバックを行い、レジスト液を塗布ノズルの中に例えば2mm程度引き込み、レジスト液を大気と接触しにくい状態にすることが行われている。
しかしながらこのようにしても、時間の経過と共にレジスト液が乾燥してしまうので、前回の処理から所定時間が経過した塗布ノズルを用いて塗布処理を行なおうとすると、乾燥により濃度等が変化したレジスト液が塗布され、結果として塗布不良が発生する。このため実際には、前記塗布ノズル内に引き込んだレジスト液を捨ててから、塗布処理を行なうことにしている。またウエハWへのレジスト液の塗布前以外にも、ノズル内のレジスト液の品質を保持するために、定期的にノズル内のレジスト液の排液が行なわれている。
ここで前記一体型の塗布ノズル1を用いて塗布処理を行なう場合には、塗布処理に使用するノズルは一本であり、その他の塗布処理に使用しないノズルについても塗布処理時と同じようにウエハW上を移動するため、この使用しないノズル内のレジスト液が大気と接触してしまい、乾燥がより進みやすい状態になっている。このため、上述の特許文献1の構成では、塗布ノズル1をカバー体11で覆い、さらにカバー体11の内部をシンナー液12で満たすことにより、前記ノズル1内部のレジスト液の乾燥を防止するようにしている。図17中13はカバー体11に形成されたノズルからのレジスト液を吐出させるための、ノズルに対応して設けられた供給孔であり、14は前記供給孔13を選択的に開口させるための蓋体である。
しかしながら、この構成では複数のノズルの外側に、ノズルの開口部全体を覆うカバー体11が設けられているので、塗布ノズル1が大型化してしまい、一体に設けるノズルが多ければさらに大型化してしまう。またカバー体11の内部をシンナー液12で満たしてはいるものの、実際に塗布処理を行なう際には、前記カバー体11内のシンナー液12は排出した状態で行なわれる。このため使用していないノズルは、カバー体11が設けられているといっても、大気との接触を完全に抑えた状態ではないので、結果としてノズル内部のレジスト液の乾燥が進んでしまう。
このため、次に異なるノズルを用いて塗布処理を行なう場合には、結局使用しようとするノズル内のレジスト液を捨ててから、塗布処理を行なわざるを得ない。また使用頻度の少ない塗布液のノズルについては、定期的なノズル内部のレジスト液の排液を頻繁に行なうことが必要になる。
このように、塗布液を行なう都度、又は定期的にノズル内のレジスト液を排液すると、高価なレジスト液が無駄になり、レジスト液のトータルの消費量が多くなって、製造コストの上昇を引き起こす原因となっていることから、本発明者らは特許文献2の手法を用い、レジスト液の排液を行なわずに、レジスト液の無駄を抑えることを検討している。この手法は、塗布ノズル内部において、レジスト液の外側に空気層とシンナー層とを形成し、レジスト液の大気との接触を抑えて乾燥を防止することにより、塗布処理前のレジスト液の排液を防止するものである。
しかしながら特許文献2では、複数のノズルを備えた一体型の塗布ノズルにこの手法を適用することについては想定されておらず、複数のノズル内部に効率的に空気層とシンナー層とを形成する手法や、一のノズルによって塗布処理を行い、次いで他のノズルを用いて塗布処理を行なう際の手法については何ら記載されていないので、この特許文献2に記載によっても具体化は困難である。
特許第3227642号公報 特開2003−178965号公報
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、処理液供給ノズルを用いて基板への処理液の供給を行うにあたり、処理液供給ノズル内の処理液の乾燥を防止することにある。
また本発明は、処理液供給ノズルから基板表面に対して処理液を供給する処理を行う液処理方法において、
前記処理液供給ノズルの先端内部に、処理液供給路側から順に処理液層と空気層と処理液の溶剤層とを形成する第1の工程と、
次いで前記第1の工程が行われてから予め設定された時間の経過後、揮発により減少した前記溶剤層を補充するために行われる第2の工程と、を含み、
前記第2の工程は、前記処理液供給ノズルから、前記溶剤層を液排出部に排出する工程と、
次いで前記処理液供給ノズルの先端から溶剤貯留部の溶剤を当該処理液供給ノズル内に吸引して、当該処理液供給ノズル内の処理液の液面を前記処理液供給路側に後退させると共に、前記溶剤を当該処理液供給ノズルの先端部内に吸入し、処理液供給ノズルの先端内部に、処理液供給路側から順に処理液層と空気層と処理液の溶剤層とを形成する工程と、を含むことを特徴とする。
また本発明の液処理装置は、基板を水平に保持するための基板保持部と、
前記基板保持部に保持された基板に対して処理液を供給するための処理液供給ノズルと、
前記処理液供給ノズルの先端が浸漬するように設けられ、前記処理液の溶剤を貯留するための溶剤貯留部と、
前記処理液供給ノズルから液を排出するように設けられた液排出部と、
前記処理液供給ノズルを吸引するための手段と、
前記処理液供給ノズルを、前記溶剤貯留部と液排出部と基板に対して処理液を供給する位置との間で移動させる手段と、
前記本発明の工程を実施するように、前記各手段を制御するためのプログラムを含む制御部と、を備えたことを特徴とする。

以上において本発明では、各処理液供給ノズルの内部の処理液の外側に空気層と処理液の溶剤層とを形成しているので、処理液と大気との接触が抑えられ、処理液供給ノズル内の処理液の乾燥を防止することができる。
また本発明では、処理液の供給処理に使用した処理液供給ノズルについては、1回目の吸引と、当該処理液供給ノズルの先端を処理液の溶剤に浸漬して2回目の吸引を行なうことにより、再び処理液の外側に空気層と溶剤層を形成することができ、当該処理液供給ノズル内の処理液の乾燥が防止できる。
さらに本発明では、処理液供給ノズルの先端内部に、処理液供給路側から順に処理液層と空気層と処理液の溶剤層とを形成してから、予め設定された時間が経過した時に、揮発により減少した前記溶剤層を補充する工程を行っているので、時間が経過しても処理液供給ノズル内の処理液の乾燥を抑えることができる。
本発明に係る液処理装置をレジスト液の塗布処理を行なう塗布装置に適用した実施の形態について説明する。図1中2は塗布装置であり、この塗布装置2は、基板である半導体ウエハW(以下「ウエハW」という)の裏面側中央部を吸引吸着して水平に保持するための基板保持部をなすスピンチャック21を備えている。このスピンチャック21は、軸部22を介して駆動機構(スピンチャックモータ)23に接続されており、この駆動機構23により回転及び昇降自在に構成されている。
スピンチャック21に保持されたウエハWの周縁外側には、このウエハWを囲むようにして上部側が開口するカップ体3が設けられており、このカップ体3の側周面上端側は内側に傾斜している。前記カップ体3の底部側には凹部状をなす液受け部31がウエハWの周縁下方側に全周に亘って外側領域32と内側領域33とに区画されて設けられており、外側領域32の底部には貯留した処理液などのドレインを排出するための排液路34が接続され、また内側領域33の底部には二つの排気路35a,35bが接続されている。
またウエハWの下方側には円形板37が設けられており、この円形板37の外側を囲むようにしてリング部材38が設けられ、このリング部材38の外端面には下方に伸びる端版39が外側領域32内に進入するようにして設けられていて、この端版39及びリング部材38の表面を伝って、処理液等が外側領域32内に案内されるようになっている。なお図示は省略するが、ウエハWの裏面側を支持して昇降可能な昇降ピンが円形板37を上下に貫通して設けられており、この昇降ピンと後述する主搬送手段との協働作業によりスピンチャック21に対してウエハWの受け渡しが行なわれるように構成されている。
図中4は、前記スピンチャック21に保持されたウエハWに対して処理液や、処理液の溶剤を供給するためのノズルユニットである。このノズルユニット4は、例えば図2〜図5に示すように、前記ウエハWに対して処理液例えばレジスト液を供給するための複数本例えば10本の処理液供給ノズル4A〜4Jと、前記ウエハWに対して処理液の溶剤例えばシンナー液を供給するための例えば1本の溶剤供給ノズル5と、を共通の支持部41に一体的に固定することにより構成されている。また支持部41には図示しない温調機構が設けられている。
例えば前記処理液供給ノズル4A〜4Jと溶剤供給ノズル5とは、例えば図3〜図5に示すように、溶剤供給ノズル5を中心として両側に5本づつの処理液供給ノズル4A〜4E、4F〜4Jが、前記塗布装置2の長さ方向(Y軸方向)に沿って一直線上に配列されるように、前記支持部41に固定されている。
そして図4に示す前記各処理液供給ノズル4A〜4Jは、夫々途中にサックバックバルブVA〜VJや、開閉バルブやマスフロコントローラ等を備えた流量調整部CA〜CJを備えた夫々異なる処理液供給路42A〜42Jを介して夫々異なる処理液供給源43A〜43Jが接続されている。これら処理液供給路42A〜42Jと、前記温調機構に温調された流体を供給するための例えば2本のノズル温調配管(図示せず)はフレキシブルな材料により構成され、後述するようにノズルユニット4が移動する際、ノズルユニット4の動きを妨げないようになっている。またこれら処理液供給路42A〜42Jとノズル温調配管は、例えば図2に一点鎖線で示すように纏められた状態で、後述するベースプレート48の下方側に伸び出しており、例えばこのベースプレート48の下方側で、サックバックバルブVA〜VJや、流量調整部CA〜CJ、処理液供給源43A〜43J、ポンプやフィルタ等に接続されるようになっている。
ここで図6(a)に支持部41に形成された処理液供給ノズル4Aの処理液供給路42Aを示す。前記サックバックバルブVA〜VJは吸引手段をなすものであり、流量調整部CA〜CJは処理液の流量を調整する手段をなすものである。また前記処理液供給源43A〜43Jには、例えば夫々レジスト液の種類や、同じ種類であっても粘度等が異なるレジスト液、例えばI−Lineレジスト液や、KrFレジスト液、ArFレジスト液等が処理液として貯留されている。さらに前記溶剤供給ノズル5は、溶剤供給路52により溶剤供給源53に接続されている。図中51は、開閉バルブやマスフロコントローラ等を備えた流量調整部51である。
前記サックバックバルブVA〜VJは、対応する処理液供給ノズル4A〜4Jからの処理液の吐出を停止させた際に、当該処理液供給ノズル4A〜4J内に残留する処理液の先端液面を処理液供給路42A〜42J側に後退(サックバック)させるためのものであり、例えば内部に処理液供給路42A〜42Jに連通する吸引室が形成されたベローズを備えている。そしてこのベローズを伸張させ、吸引室内を負圧にすることにより、処理液供給ノズル4A〜4J内の処理液を処理液供給路42A〜42J側に後退させることができる。またサックバックバルブVA〜VJにはニードルが設けられており、このニードルで前記吸引室の最大容積を変えることによって処理液の先端液面の後退する距離を調節することができるようになっている。このサックバックバルブVA〜VJは、後述する制御部により駆動が制御されるようになっている。
前記カップ3の外面には、例えば前記ノズルユニット4の待機ユニット6が設けられている。この待機ユニット6は、例えば前記ノズルユニット4の全部の処理液供給ノズル4A〜4Jの先端が浸漬するように設けられ、各処理液供給ノズルと対応して処理液供給ノズル4A〜4J毎に設けられた、前記処理液の溶剤を貯留するための溶剤貯留部61A〜61Jと、前記溶剤供給ノズル5と対応するように中央に設けられた液排出部62と、を備えており、これらが互いに隣接するように共通の容器63にY軸方向に沿って一直線上に配列されている。
図6(a)は、液排出部62の縦断面図、図6(b)は溶剤貯留部61Aの縦面図であり、図中64Aは、溶剤貯留部61Aに隣接して設けられた液排出路64Aであって、各溶剤貯留部61A(61B〜61J)に隣接する各液排出路64A(64B〜64J)は互いに連通して、液排出部62に連通する液排出室65に接続されている。このような構成では、溶剤貯留部61A〜61Fからオーバーフローした溶剤は、液排出路64A〜64Jを介して液排出室65に流れ、この液排出室65から容器63の底部に形成された液排出口66を介して外部に排出されるようになっている。
このようなノズルユニット4は、図2、図5(a)に示すように、昇降機構44によりZ軸方向に伸びる昇降軸45に沿って昇降自在(Z軸方向に移動自在)に構成されると共に、水平方向移動機構46により塗布装置2の長さ方向(Y軸方向)に沿って設けられたガイドレール47に沿って、ノズルユニット4がウエハWの回転中心O上を通る直線L上に移動できるように構成されている。前記昇降機構44と水平方向移動機構46とは本発明の移動手段を構成するものである。図中48はベースプレートである。
ここで前記ノズルユニット4の処理液供給ノズル4A〜4Jと溶剤供給ノズル5とは、例えば図5(a)に示すように、ウエハWの回転中心O上を通る直線L上に配列され、また待機ユニット6の各溶剤貯留部61A〜61Jと液排出部62も、例えば図5(b)に示すように、ウエハWの回転中心O上を通る直線L上に位置するように配列されている。なお図5(a),(b)では、図示の便宜上ウエハWに比べてノズルユニット4や待機ユニット6を大きく描いており、ノズルユニット4は通常では見えないノズル先端の吐出孔を描いている。
これら昇降機構44及び水平方向移動機構46は例えばモータより構成されており、これにより前記ノズルユニット4は、例えばノズルユニット4の各処理液供給ノズル4A〜4Jの先端が前記待機ユニット6の容器63の上面よりも僅かに例えば1mm〜2mm程度上方側に位置する待機位置と、各処理液供給ノズル4A〜4Jの先端が各溶剤貯留部61A〜61Jの液面から1mm程度浸漬する位置と、処理液供給ノズル4A〜4J、溶剤供給ノズル5のいずれか一のノズルがウエハWの回転中心Oに処理液又は溶剤を供給する位置との間で移動でき、さらに各処理液供給ノズル4A〜4Jが夫々液排出部62に対向する位置まで移動できるように、昇降自在、Y軸方向に移動自在に構成されている。
これらサックバックバルブVA〜VJ、流量調整部CA〜CJ、昇降機構44、水平方向移動機構46は例えば制御部100により駆動が制御されている。つまり1本の処理液供給ノズル4A(4B〜4J)のみのサックバックや、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jのサックバックを予め設定されたタイミングで行ない、このときのサックバックする処理液や溶剤の量、後述するように夫々の処理液供給ノズル4A(4B〜4J)から吐出する溶剤や処理液の量や、これらの量をサックバックしたり吐出したりするときのサックバックバルブVA〜VJや流量調整部CA〜CJの制御量等は、予め制御部100に格納されていて、設定された処理プログラムに沿ってサックバック等の処理が行われるようになっている。
続いてこのような塗布装置2にて行なわれる本発明の方法について説明する。先ず塗布装置2における塗布処理を行なう前に、ノズルユニット4の全ての処理液供給ノズル4A〜4Jについて、各ノズルの先端内部に、処理液供給路42A〜42J側から順に処理液層と空気層と処理液の溶剤層とを形成する処理を行う。具体的には、先ず図7(a)に示すように、前記ノズルユニット4の、各々の処理液供給ノズル4A〜4Jの、各処理液供給路42A〜42Jに設けられた各サックバックバルブVA〜VJにより1回目の吸引を行なう。このようにすると、各処理液供給ノズル4A〜4J内の処理液71の液面は、例えば図8(a)に処理液供給ノズル4Aを代表して示すように吸引前の状態から、図8(b)に示すように前記処理液供給路42A側に後退して、当該液面はノズル4Aの先端から上昇する。ここでノズル4A内の前記処理液の液面は、前記ノズル先端から1mm〜1.5mm程度上昇させるように、サックバックバルブVAにより吸引することが望ましい。
次いで図7(b)、図8(c)に示すように、ノズルユニット4を待機ユニット6に対向する位置まで移動させ、各処理液供給ノズル4A〜4Jの先端を夫々対応する溶剤貯留部41A〜41Jの溶剤72の内部に浸漬する。ここで溶剤貯留部41A〜41Jには、予め例えば溶剤供給ノズル5を各溶剤貯留部41A〜41Jに対向する位置に順番に移動し、当該溶剤供給ノズル5から各溶剤貯留部41A〜41Jに溶剤を吐出することにより貯留しておいてもよいし、図6(b)に示すようなシンナー液供給部を設けて供給するようにしてもよい。
そして図7(c)に示すように、各々の処理液供給ノズル4A〜4Jの各処理液供給路42A〜42Jに設けられた各サックバックバルブVA〜VJにより2回目の吸引を行なう。このようにすると、各処理液供給ノズル4A〜4J内の処理液71の液面は、例えば図8(d)に示すように、前記処理液供給路42A〜42J側にさらに後退すると共に、溶剤貯留部41A〜41J内の溶剤がこれら処理液供給ノズル4A〜4Jの先端部から吸入される。これによりこれら処理液供給ノズル4A〜4Jの先端内部に、処理液供給路42A〜42J側から順に処理液層71と空気層73と処理液の溶剤層74とが形成される。
ここで口径が1.2mm〜2mm程度のノズル4A〜4Jを用いる場合には、各ノズル4A〜4J内の空気層73の厚さは例えば2mm程度に設定することが好ましい。また溶剤層74の厚さは、処理液の乾燥を防ぐ時間に関係するが、後述の実験例よりも明らかなように、例えば2時間程度の乾燥を防ぐためには1.5mm〜2mm程度に設定することが望ましい。なお1回目の吸引によって形成される前記処理液層71の液面のノズル先端からの上昇の程度や、2回目の吸引によって形成される空気層73、溶剤層74の厚さは、サックバックバルブVA〜VJの吸引力により、対応するノズル毎に制御される。このように、途中で処理液供給ノズル4A〜4Jの先端を溶剤貯留部61A〜61Jに浸漬させて、サックバックバルブVA〜VJにより2段階の吸引を行なうという一連の動作は、制御部100に格納された処理プログラムに基づいて行われる。
続いて各処理液供給ノズル4A〜4Jの先端に処理液層71と空気層73と溶剤層74とが形成されたノズルユニット4を用いて、塗布装置2にてウエハWの塗布処理を行なう場合について、前記ノズルユニット4の一の処理液供給ノズル4A(図9(a)中、右端の処理液供給ノズル)を用いて塗布処理を行なう場合を例にして説明する。
先ずこの処理液供給ノズル4Aから溶剤層74を排出する処理を行う。つまり図9(a)に示すように、当該処理液供給ノズル4Aが待機ユニット6の液排出部62に対向するようにノズルユニット4を移動させ、前記流量調整部CAにより所定量の処理液を吐出させて排出する。そして処理液のサックバックを行う。この際処理液の廃棄量を少なくするために、溶剤層74のみを排出するための処理液の供給量は予め実験により求めておき、処理液の液面を例えば2mm程度下降させ、こうして溶剤層74を排出する。ここでこの量の処理液を供給するための流量調整部CAの制御量は予め制御部100に格納されている。
次いでノズルユニット4を処理液供給ノズル4AがウエハWに塗布液を供給する塗布位置まで移動させて、この処理液供給ノズル4Aから処理液をウエハWに供給して塗布処理を行なう。ここでこの塗布処理では、スピンチャック21をカップ3の上方側に位置させ、前工程から図示しない主搬送手段により搬送されたウエハWを図示しない昇降ピンとの協働作業によりスピンチャック21上に受け渡し、スピンチャック21を処理位置まで下降させる。
そして溶剤供給ノズル5がスピンチャック21に保持されたウエハWの回転中心Oに溶剤を供給する位置にノズルユニット4を移動し、溶剤であるシンナー液を供給する。そしてスピンチャック21によりウエハWを回転させ、この遠心力によりシンナー液をウエハWの中心Oから周縁部まで拡散させる。次いでスピンチャック21の回転を中止して、処理液供給ノズル4Aがスピンチャック21に保持されたウエハWの回転中心Oに処理液を供給する位置にノズルユニット4を移動し、処理液であるレジスト液Aを供給する。そしてスピンチャック21によりウエハWを回転させ、この遠心力によりレジスト液AをウエハWの中心Oから周縁部まで拡散させる。ここでレジスト液Aは、例えばシンナー液によりウエハW表面が濡れている状態で塗布される。こうしてレジスト液Aが塗布されたウエハWは、スピンチャック21をカップ3の上方側に位置させて、図示しない昇降ピンにより図示しない主搬送手段に受け渡される。
一方塗布処理を終了した後、所定時間以上塗布液の吐出が行われない場合は、使用した処理液供給ノズル4Aの先端内に、処理液層71と空気層73と溶剤層74とを形成する処理を行なう。つまり既述のように、この処理液供給ノズル4Aに対してサックバックバルブVAにより1回目の吸引を行い(図9(c)参照)、次いで図10(a)に示すように、ノズルユニット4を待機ユニット6に対向する位置まで移動させ、各処理液供給ノズル4A〜4Jの先端を夫々対応する溶剤貯留部61A〜61Jの溶剤72の内部に浸漬し、続いて図10(b)に示すように、使用した処理液供給ノズル4AのみサックバックバルブVAにより2回目の吸引を行なう。このようにすると、この処理液供給ノズル4Aの先端内部に、処理液供給路42A側から順に処理液層71と空気層73と溶剤層74とが形成される。なおこの際、サックバックしようとする処理液供給ノズル4Aを、いずれかの溶剤貯留部61A〜61Jの溶剤72の内部に浸漬して、サックバックバルブVAにより2回目の吸引を行なうようにしてもよい。
この後、前記一の処理液供給ノズル4Aとは異なる他の処理液供給ノズル4Bを用いて塗布処理を行う場合には、処理液供給ノズル4Aと同様に、他の処理液供給ノズル4Bが待機ユニット6の液排出部72に対向するようにノズルユニット4を移動して、この処理液供給ノズル4Bの溶剤層74の排出を行い、次いでこの処理液供給ノズル4Bを用いてウエハWに処理液であるレジスト液Bの塗布処理を行い、続いてこの処理液供給ノズル4Bの先端内部に処理液層71と空気層73と溶剤層74とを形成するための処理を行う。この際ノズルユニット4は、通常では空気中に待機することが好ましく、例えばノズルユニット4の各処理液供給ノズル4A〜4Jの先端が前記待機ユニット6の容器63の上面よりも僅か例えば1.5mm〜2mm程度上方側に位置する待機位置にて待機する。
ここで、使用する処理液供給ノズル4Aの溶剤を排出し、所定の塗布処理を行い、次いで使用した処理液供給ノズル4Aの一回目の吸引を行い、次いで処理液供給ノズル4Aの先端を溶剤貯留部に浸漬させ、サックバックバルブVAにより使用した処理液供給ノズル4Aについて2回目の吸引を行なうという一連の動作や、次いで他の処理液供給ノズル4Bを用いて次の塗布処理を行なう際の一連の動作は、制御部100に格納された処理プログラムに基づいて行われる。
このような方法では、処理液供給ノズル4A〜4Jの先端には処理液層71の外側に空気層73と溶剤層74とが形成されるので、処理液層71と大気との接触が避けられる。また処理液層71と溶剤層74との間に空気層73が形成されているが、当該空気層73は溶剤の揮発で飽和状態になるので、処理液が乾燥しない雰囲気が形成され、処理液供給ノズル4A〜4J内の処理液の乾燥が抑えられる。この際、処理液層71と溶剤層74との間に形成された空気層73により処理液層71と溶剤層74との接触が抑えられ、溶剤層74の溶剤が処理液に混ざり込むことが防止される。
このように本発明では、各処理液供給ノズル4A〜4Jの内部の処理液層71の外側に空気層73と溶剤層74とを形成することにより処理液の乾燥を抑えているので、複数のノズルを一体に設けた一体型ノズルであっても、不使用のノズル中の処理液が空気中に晒されるおそれがなく、確実に処理液の乾燥を抑えることができる。また複数のノズルが設けられたノズルユニット4に乾燥防止用の部材を取り付ける場合に比べてノズルユニット4の大型化が抑えられ、一体に設ける処理液供給ノズルの本数が増えたとしても、ノズル増加分の大型化で済む。
また処理液供給ノズル4A〜4J内の処理液の乾燥が抑えられることから、塗布処理を行なう前や定期的に、乾燥により変質した処理液を排出する必要がなく、高価な処理液の無駄が抑えられ、コスト的に有効である。
さらに全ての処理液供給ノズル4A〜4Jにおいて、1回目のサックバックにより処理液供給ノズル4A〜4J内の処理液を後退させ、次いで全ての処理液供給ノズル4A〜4Jを溶剤に浸漬して2回目のサックバックを行うことにより、全てのノズル4A〜4Jの内部に、処理液層71と空気層73と溶剤層74とを同時に一括で、容易かつ効率的に形成することができる。
さらにまた処理液の供給処理に使用した処理液供給ノズルについては、1回目の吸引と、当該処理液供給ノズルの先端を溶剤貯留部に浸漬して2回目の吸引を行なうことにより、再び処理液層71の外側に空気層73と溶剤層74とを形成することができ、当該処理液供給ノズル内の処理液の乾燥が防止できる。
さらにまたノズルユニット4の処理液供給ノズル4A〜4Jと溶剤供給ノズル5とを、ウエハWの回転中心O上を通る直線L上に配列し、前記溶剤貯留部62A〜62Fと液排出部62とを、前記回転中心O上を通る直線L上に設けているので、処理液供給ノズル4A〜4Jを水平方向の一方向(Y方向)に移動させると共に、昇降させることによって、処理液供給ノズル4A〜4JからウエハWに処理液を供給する位置と、処理液供給ノズル4A〜4Jから液排出部62に溶剤層74を排出する位置と、処理液供給ノズル4A〜4Jが溶剤貯留部61A〜61Jから溶剤を吸引する位置との間で、ノズルユニット4を移動させることができる。つまりノズルユニット4を水平方向の他の方向(X方向)に移動させる駆動機構を用いずに所定の位置への移動ができるので、ノズルユニット4の移動させる手段を簡易化することができる。
また処理液供給ノズル4A〜4Jを一直線上つまり前記回転中心O上を通る直線L上に配列し、待機ユニット6には、処理液供給ノズル4A〜4Jに対応するように溶剤貯留部61A〜61Jを、溶剤供給ノズル5と対応するように液排出部62を一直線上つまり前記回転中心O上を通る直線L上に配列して設けているので、待機ユニット6の小型化を図ることができる。つまり全ての処理液供給ノズル4A〜4Jに効率的に溶剤層74を形成するためには、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jの先端が溶剤に浸漬できるように溶剤貯留部61A〜61Jを設けることが好ましいが、塗布処理を行う前の溶剤層74の排出は1本のノズル毎に行なわれるので、液排出部62は1個でよく、しかも溶剤供給ノズル5に対向するように設けることにより、待機ユニット6の省スペース化を図ることができる。
また溶剤貯留部61A〜61Jが個別に設けられているので、仮に処理液毎に溶剤が異なる際にも対応でき、万が一レジスト液が溶剤貯留部62A〜62Jに入り込んでしまった場合であっても、異なるレジスト液がノズル内に浸入して異種のレジスト液同士が混ざり合ってしまうようなおそれがない。
さらに溶剤供給ノズル5を中心にして、この溶剤供給ノズル5の両側に処理液供給ノズル4A〜4Jを5本ずつ設けており、これに対応して待機ユニット6も液排出部62が中心に設けられているので、液排出部62を端に設ける場合に比べて、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jから溶剤層74を排出するときのノズルユニット4の移動距離が少なくて済み、効率がよい。
続いて揮発により減少した処理液供給ノズル4A〜4Jの溶剤層74を補充するために行われる処理(第2の工程)について説明する。これは前記溶剤層74は揮発成分により形成されているので、時間の経過と共に溶剤層74が蒸発して、溶剤層74の量が少なくなり、処理液の乾燥を完全に防止できないことが発生するおそれもあることから、これを抑えるために行なわれるものであり、この定期的な溶剤層74の補充を行なうタイミング(前回全ての処理液供給ノズル4A〜4Jに対して処理液層71と空気層73と溶剤層74の形成処理(第1の工程)が行なわれてから、今回溶剤層74の形成を行なうまでの時間)は、形成された溶剤層74の溶剤の種類や、前記第1の工程により形成された溶剤層74の厚さなどに応じて予め決定される。
先ず前記第2の工程では、各処理液供給ノズル4Aから溶剤層74を排出する処理を行う。つまり先ず一本目の処理液供給ノズル4Aを待機ユニット6の液排出部62に対向するようにノズルユニット4を移動させ、前記流量調整部CAにより所定量の処理液を供給して溶剤層74を排出し、同様に他の処理液供給ノズル4B〜4Jについても順次液排出部62に対向するように移動して、溶剤層74を排出する。
ここで溶剤層74のみを排出するための処理液の供給量は、この定期的な溶剤層74の補充処理を行なうタイミングによって異なるので、例えば予め実験により適切なタイミング、このときの溶剤層74の排出量、このときの流量調整部CAの制御量等を求めておき、予め制御部100に格納しておく。
そしてノズルユニット4を待機ユニット6に対向する位置まで移動させ、各処理液供給ノズル4A〜4Jの先端を夫々対応する溶剤貯留部61A〜61Jの溶剤72の内部に浸漬し、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jに対してサックバックバルブVA〜VJにより吸引を行ない、このようにして、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jの先端内部に処理液層71と空気層73と溶剤層74とを形成する。
またこの定期的な溶剤層74の形成は、前回全ての処理液供給ノズル4A〜4Jに対して処理液層71と空気層73と溶剤層74の形成が行なわれてから、所定時間経過後に、ノズルからの溶剤層74の排出を行なわずに、直接各処理液供給ノズル4A〜4Jの先端を夫々対応する溶剤貯留部61A〜61Jの溶剤72の内部に浸漬し、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jに対してサックバックバルブVA〜VJにより吸引を行なうことにより、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jの先端内部に新たに溶剤層74を形成することにより行うようにしてもよい。
全ての処理液供給ノズル4A〜4Jに、ほぼ同じ時間で揮発するように溶剤層74を形成しておき、溶剤層74が所定量残存するかほとんど揮発したタイミングで、再び溶剤層74の形成を行なっても、再び溶剤層74の形成を行なう場合のサックバックバルブVA〜VJによる吸引量を制御することにより、所定の厚さの溶剤層74を形成することができるからである。ここでこの場合の定期的な溶剤層74の形成のタイミング、このときの溶剤層74の吸引量等は予め実験により求めておき、予め制御部100に格納しておく。
またこの定期的な溶剤層74形成の際の、処理液供給ノズル4A〜4Jの溶剤の排出や、処理液供給ノズル4A〜4Jの先端を溶剤貯留部61A〜61Jに浸漬させ、サックバックバルブVA〜VJにより処理液供給ノズル4A〜4Jについて吸引を行なうという一連の動作は、制御部100に格納された処理プログラムに基づいて行われる。
このように所定のタイミングで定期的な溶剤層74の形成を行なうことによって、溶剤層74が時間の経過と共に揮発して、溶剤層74の量が少なくなったときに溶剤層74を新たに補充できるので、長時間処理液供給ノズル4A〜4Jを使用せずに待機する場合であっても、確実に処理液の乾燥を防ぐことができる。
続いて前記塗布装置を組み込んだ塗布、現像装置に、露光部(露光装置)を接続したレジストパターン形成システムの全体構成について図11及び図12を参照しながら簡単に説明する。図中S1は、基板例えばウエハWが、例えば13枚密閉収納されたキャリア8を搬入出するためのキャリア載置部であり、キャリア8を複数個並べて載置可能な載置部80aを備えたキャリアステーション80と、このキャリアステーション80から見て前方の壁面に設けられる開閉部81と、前記開閉部81をキャリア8からウエハWを取り出すための受け渡し手段82とが設けられている。
前記キャリア載置部S1の奥側には、筐体83にて周囲を囲まれる処理部S2が接続されており、この処理部S2には手前側から順に加熱・冷却系のユニットを多段化した棚ユニットU1,U2,U3と、これら棚ユニットU1〜U3及び液処理ユニットU4,U5の各ユニット間のウエハWの受け渡しを行う主搬送手段MA1,MA2とが交互に配列して設けられている。即ち、棚ユニットU1,U2,U3及び主搬送手段MA1,MA2はキャリア載置部S1側から見て前後一列に配列されており、各々の接続部位には図示しないウエハ搬送用の開口部が形成されていて、ウエハWは処理部S2内を一端側の棚ユニットU1から他端側の棚ユニットU3まで自由に移動できるようになっている。
前記棚ユニットU1,U2,U3は、液処理ユニットU4,U5にて行なわれる処理の前処理及び後処理を行うための各種ユニットを複数段例えば10段に積層した構成とされており、その組み合わせは、受け渡しユニット、疎水化処理ユニット(ADH)、ウエハWを所定温度に調整するための温調ユニット(CPL)、レジスト液の塗布前にウエハWの加熱処理を行うための加熱ユニット(BAKE)、レジスト液の塗布後にウエハWの加熱処理を行うためのプリベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(PAB)、現像処理後のウエハWを加熱処理するポストベーキングユニットなどと呼ばれている加熱ユニット(POST)等が含まれている。
また液処理ユニットU4,U5は、例えば図12に示すように、反射防止膜塗布ユニット(BARC)、本発明の塗布装置(COT)2、ウエハWに現像液を供給して現像処理する現像ユニット(DEV)等を複数段、例えば5段に積層して構成されている。
前記処理部S2における棚ユニットU3の奥側には、インターフェイス部S3を介して露光部S4が接続されている。このインターフェイス部S3は、処理部S2と露光部S4との間に前後に設けられる第1の搬送室84及び第2の搬送室85により構成されており、夫々に昇降自在及び鉛直軸周りに回転自在かつ進退自在な第1の搬送アーム86及び第2の搬送アーム87を備えている。
さらにまた、第1の搬送室84には、例えば受け渡しユニットや、高精度温調ユニット(CPL)、及びウエハWをポストエクスポージャーべーク処理する加熱・冷却ユニット(PEB)等が上下に積層して設けられた棚ユニットU6が設けられている。
このようなレジストパターン形成システムにおけるウエハWの流れの一例について説明すると、キャリア載置部S1に載置されたキャリア8内のウエハWは、温調ユニット(CPL)→反射防止膜形成ユニット(BARC)→加熱ユニット(BAKE)→温調ユニット(CPL)→塗布装置(COT)2→加熱ユニット(PAB)→露光部S4の経路で搬送されて、ここで露光処理が行われる。露光処理後のウエハWは、加熱ユニット(PEB)→高精度温調ユニット(CPL)→現像ユニット(DEV)→加熱ユニット(POST)→温調ユニット(CPL)→キャリア載置部S1のキャリア8の経路で搬送される。
続いて本発明の効果を確認するために行なった実験例について説明する。
(実施例1)
上述の塗布装置を用い、処理液としてI−Lineレジスト、溶剤としてOK73シンナーを用いて、口径2mmの処理液供給ノズルの先端内部に、厚さ2mmの空気層73と、厚さ1.5mm〜2mmの溶剤層74とを形成し、待機ユニット6の上方側の前記待機位置でノズルユニット4を待機させた状態で、溶剤層74の時間変化について目視により評価した。ノズルユニット4が置かれる環境の温度は23℃、湿度は45%RHとした。
この結果、溶剤層74を形成してから1時間経過後には溶剤層74が減少し始め、2時間経過後には揮発により無くなってしまうことが確認された。溶剤層74をこの程度の厚さで形成する場合には、溶剤層74を形成後1.5時間〜2時間の間に、新たに溶剤層74を形成(補充) する処理を行なう必要があることが認められた。
(実施例2)
上述の塗布装置を用い、処理液としてI-Lineレジスト、溶剤としてOK73シンナーを用いて、口径2mmの処理液供給ノズルの先端内部に、厚さ2mmの空気層73と、厚さ1.5mm〜2mmの溶剤層74とを形成し、この状態で200mmサイズのウエハWに対して4枚連続して、処理液の塗布処理を行い、ウエハW面内の49箇所の位置の膜厚を測定して、膜厚のウエハ面内の均一性の評価を行なった。
この結果を、2〜4枚目のウエハWについては図13(a)に、1枚目のウエハWについて図13(b)に夫々示す。図12中、横軸はウエハW上の位置であり、ウエハWの中心(ポイント1)から周縁に向けて螺旋を描くように選ばれた49箇所のポイントであって、数が多いポイントはウエハWの周縁側のポイントである。また図13(a)中、◇(I-Line2)は塗布処理の2枚目のウエハ、□(I-Line3)は塗布処理の3枚目のウエハ、△(I-Line4)は塗布処理の4枚目のウエハのデータを夫々示し、図13(b)中、◇(I-Line1)は塗布処理の1枚目のウエハのデータ、□(I-Line平均)は前記2〜4枚目のウエハのデータの平均値を夫々示している。
ここで1枚目のウエハWについては、処理液と共に溶剤層74が吐出され、2枚目〜4枚目のウエハWについては処理液のみが吐出されていることになる。これにより2枚目〜4枚目のウエハWについてはプロフィールがほとんど同じであり、塗布不良は発生せず、処理液の変質が抑えられていることが認められたが、前記1枚目のウエハWについては、2枚〜4枚目のウエハWとプロフィールが異なり、溶剤層74の混ざり込みの影響による塗布不良が認められ、溶剤層74を排出してから塗布処理を行なうことにより、ウエハW面間の均一性が高い塗布処理を行なうことができることが認められた。但し、1枚目〜4枚目のウエハWの塗布膜の膜厚については、いずれも面内均一の範囲であり、溶剤層74が混ざり込んだとしてもそれほど塗布不良が発生しないことが確認された。
(実施例3)
処理液としてKrFレジスト、溶剤としてOK73シンナーに変えて、実施例2と同様の実験を行なった。この結果を2〜4枚目のウエハWについては図14(a)に、1枚目のウエハWについて図14(b)に夫々示す。ここで図14(a)中、◇(KrF2)は塗布処理の2枚目のウエハ、□(KrF3)は塗布処理の3枚目のウエハ、△(KrF4)は塗布処理の4枚目のウエハのデータを夫々示し、図14(b)中、◇(KrF1)は塗布処理の1枚目のウエハのデータ、□(KrF平均)は前記2〜4枚目のウエハのデータの平均値を夫々示している。
この結果、実施例2と同様に2枚目〜4枚目のウエハWについてはプロフィールがほとんど同じであり、前記1枚目のウエハWについては、2枚〜4枚目のウエハWとプロフィールが異なるものの、1枚目〜4枚目のウエハWの塗布膜の膜厚については、いずれも面内均一の範囲であり、塗布不良が発生しないことが確認された。
(実施例4)
処理液としてArFレジスト、溶剤としてOK73シンナーに変えて、実施例2と同様の実験を行なった。この結果を2〜4枚目のウエハWについては図15(a)に、1枚目のウエハWについて図14(b)に夫々示す。ここで図15(a)中、◇(ArF2)は塗布処理の2枚目のウエハ、□(ArF3)は塗布処理の3枚目のウエハ、△(ArF4)は塗布処理の4枚目のウエハのデータを夫々示し、図15(b)中、◇(ArF1)は塗布処理の1枚目のウエハのデータ、□(ArF平均)は前記2〜4枚目のウエハのデータの平均値を夫々示している。
この結果、実施例2と同様に2枚目〜4枚目のウエハWについてはプロフィールがほとんど同じであり、前記1枚目のウエハWについては、2枚〜4枚目のウエハWとプロフィールが異なるものの、1枚目〜4枚目のウエハWの塗布膜の膜厚については、いずれも面内均一の範囲であり、塗布不良が発生しないことが確認された。
以上において、本発明では、待機ユニット6はカップ3の側面に配設される以外に、カップ3の外側の所定位置に適宜設けるようにしてもよい。また溶剤供給ノズル5はノズルユニット4の中央部以外のいずれの個所に設けるようにしてもよく、ノズルユニット4と待機ユニット6とを対向させたときに、溶剤供給ノズル5とは対応しない位置に液排出部62を設けるようにしてもよい。
また液排出部62は、ウエハWの回転中心O上を通る直線L上であれば、溶剤貯留部61A〜61Jとは別個に設けられるようにしてもよいし、複数個所に設けるようにしてもよい。また1本以上の処理液供給ノズルから同時に溶剤層74を排出できるように設けてもよい。
さらに溶剤貯留部61A〜61Jは、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jの先端又は複数の処理液供給ノズル4A〜4Jの先端が一度に浸漬できるように、全ての処理液供給ノズル4A〜4J又は複数の一部の処理液供給ノズル4A〜4Jに共通に使用するように構成されていてもよい。
また溶剤貯留部は、処理液供給ノズル4A〜4Jの一部のノズル例えばノズル4A〜4Eが同時に浸漬されて溶剤の吸引が行なわれ、次いで残りのノズル4F〜4Jが同時に浸漬されて溶剤の吸引が行なわれるように構成されていてもよい。
さらにまた処理液供給ノズル4A〜4Jを吸引する手段は、例えば図16に示すように、夫々の処理液供給ノズル4A〜4Jの処理液供給路42A〜42Jに開閉バルブV1〜V10を設けると共に、これら処理液供給路42A〜42Jを夫々共通のサックバックバルブVに接続し、制御部100によって、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jの吸引を行なうときの吸引力と、1本の処理液供給ノズル4Aの吸引を行なうときの吸引力を夫々適切な量に制御し、全ての処理液供給ノズル4A〜4Jの吸引を行なうときには、全ての開閉バルブV1〜V10を開き、1本の処理液供給ノズル4Aの吸引を行なうときには当該開閉バルブV1のみを開くことにより、適宜サックバックを行なうようにしてもよい。この場合には、例えば処理ガス供給源43A〜43Jは、開閉バルブV1〜V10の下流側にて流量調整部CA〜CJを介して接続される。
また本発明では、処理液供給ノズル4A〜4Jを用いてウエハW上に塗布するときには、事前に溶剤層74と共に、所定量の処理液も吐出させるようにしてもよく、この場合であっても処理液の排出量は、従来の乾燥した処理液を排出する場合に比べて少量となる。さらにこのようにすると、仮に溶剤層74と処理液層71とが混合した場合でも、この塗布不良の発生を回避することができる。
本発明は、レジスト液の塗布処理以外に、SOG/SOD等の処理液の塗布処理に用いることができる。また本発明は、半導体ウエハW以外に、例えばLCD基板、マスク基板などの処理にも適用できる。
本発明を塗布装置に適用した場合の実施の形態を示す断面図である。 前記塗布装置を示す概略斜視図である。 前記塗布装置に設けられるノズルユニットを示す斜視図である。 前記ノズルユニットを示す正面断面図である。 前記ノズルユニットと待機ユニットとウエハWとの位置関係を示す平面図である。 前記ノズルユニットを示す側部断面図である。 前記塗布装置の作用を説明するための工程図である。 前記塗布装置の作用を説明するための工程図である。 前記塗布装置の作用を説明するための工程図である。 前記塗布装置の作用を説明するための工程図である。 前記塗布装置が組み込まれるレジストパターン形成装置の一例を示す平面図である。 前記レジストパターン形成装置の一例を示す斜視図である。 本発明の効果を確認するために行った、膜厚のウエハ面内の均一性を示す特性図である。 本発明の効果を確認するために行った、膜厚のウエハ面内の均一性を示す特性図である。 本発明の効果を確認するために行った、膜厚のウエハ面内の均一性を示す特性図である。 本発明の他のノズルユニットの例を示す断面図である。 従来の一体型ノズルを示す断面図である。
W 半導体ウエハ
21 スピンチャック
3 カップ
4 ノズルユニット
4A〜4J 処理液供給ノズル
5 溶剤供給ノズル
6 待機ユニット
61A〜61J 溶剤貯留部
62 液排出部
VA〜VJ サックバックバルブ
CA〜CJ 流量調整部
100 制御部

Claims (2)

  1. 処理液供給ノズルから基板表面に対して処理液を供給する処理を行う液処理方法において、
    前記処理液供給ノズルの先端内部に、処理液供給路側から順に処理液層と空気層と処理液の溶剤層とを形成する第1の工程と、
    次いで前記第1の工程が行われてから予め設定された時間の経過後、揮発により減少した前記溶剤層を補充するために行われる第2の工程と、を含み、
    前記第2の工程は、前記処理液供給ノズルから、前記溶剤層を液排出部に排出する工程と、
    次いで前記処理液供給ノズルの先端から溶剤貯留部の溶剤を当該処理液供給ノズル内に吸引して、当該処理液供給ノズル内の処理液の液面を前記処理液供給路側に後退させると共に、前記溶剤を当該処理液供給ノズルの先端部内に吸入し、処理液供給ノズルの先端内部に、処理液供給路側から順に処理液層と空気層と処理液の溶剤層とを形成する工程と、を含むことを特徴とする液処理方法。
  2. 基板を水平に保持するための基板保持部と、
    前記基板保持部に保持された基板に対して処理液を供給するための処理液供給ノズルと、
    前記処理液供給ノズルの先端が浸漬するように設けられ、前記処理液の溶剤を貯留するための溶剤貯留部と、
    前記処理液供給ノズルから液を排出するように設けられた液排出部と、
    前記処理液供給ノズルを吸引するための手段と、
    前記処理液供給ノズルを、前記溶剤貯留部と液排出部と基板に対して処理液を供給する位置との間で移動させる手段と、
    前記請求項1に記載の工程を実施するように、前記各手段を制御するためのプログラムを含む制御部と、を備えたことを特徴とする液処理装置。
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