JP5012704B2 - 車両用撮影システム - Google Patents

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本発明は車両に搭載され車外の走行方向前方を撮影する車両用撮影システムに関する。
車両にカメラを搭載し、このカメラによって車外を撮影してその撮影映像を表示装置に表示するシステムがある(例えば、特許文献1)。カメラによって車外を撮影する場合、走行時における撮影環境の変化が大きいことから、撮影した映像を適切に表示できない恐れがある。このため、特許文献1では、カーナビゲーション装置の地図データから走行道路の周辺環境を検出し、カメラの露光時間を走行道路周辺環境に応じて変化させるようにしている。例えば、市街地など照明が多い道路を走行する際には、カメラの露光時間を短くして撮影映像が通常よりも暗くなるようにしたり、高速道路を走行する場合には、遠方を明瞭に表示するために、露光時間を長くして撮影映像が通常よりも明るくなるようにしたりしている。
特開2004−123061号公報
車両で走行している場合、トンネルに入ることがある。すると、周囲環境が明るい状態から暗い状態になるので、カメラは、トンネル内に合った露出となるように露出の調整が行われる。しかしながら、この露出の調整には、相当の時間を要するため、その露出調整中は、明瞭な映像を撮影できなくなる。この不具合は、トンネルから出る際にも、同様に生ずる。特に、カメラの映像を映像記録型ドライブレコーダに記録しようとするような場合、カメラ映像が明瞭でない期間が生ずることは、できるだけ避けなければならない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、カメラによる撮影映像を取得する際に、露出調整のために明瞭な撮影影像を取得できなくなる不具合を極力解消することができる車両用撮影システムを提供することにある。
請求項1の発明では、車両の現在位置に合った露出に制御される第1のカメラと、現在位置よりも前方の位置に合った露出に制御される第2のカメラとを用意し、トンネルに入る前に、第2のカメラをトンネル内走行用の露出に調整しておき、トンネルの入口手前で、撮影映像の取得先を、第1のカメラから第2のカメラに切り替える。そして、トンネル内に入って所定時間経過後に、撮影映像の取得先を、第2のカメラから第1のカメラに切り替える。また、トンネルから出るときには、その前に、第2のカメラをトンネル外走行用の露出に調整しておき、トンネルの出口手前で、撮影映像の取得先を、第1のカメラから第2のカメラに切り替え、トンネルを出てから所定時間経過後に、撮影映像の取得先を、第2のカメラから第1のカメラに切り替える。このため、トンネル内を走行中は勿論、トンネル内に入った直後でも、トンネルを出た直後でも、適正な露出で撮影した映像を取得することができる。
請求項2の発明では、第2のカメラの露出をトンネル内走行用露出、トンネル外走行用露出に切り替える時期は、所定時間走行したらトンネルの入口に達する位置、所定時間走行したらトンネルの出口に達する位置とする。このようにすれば、第2のカメラの露出がトンネル内或いはトンネル外に適応した時点以後に撮影映像取得先を第1のカメラから第2のカメラに切り替えることができる。
請求項3の発明では、トンネルの長さが、所定時間で走行する距離以下であるとき、トンネル内に入った後の第2のカメラから第1のカメラへの切り替えを行わず、トンネルを出てから所定時間後に前記第2のカメラから前記第1のカメラへの切り替えを行うので、トンネル内での適正露出での撮影映像を取得できなくなることを回避できる。
請求項4の発明では、トンネルが連続するとき、トンネルの出口から次のトンネルの入口までの距離が、所定時間内で走行する距離以下であるとき、トンネルから出た後の所定時間経過後における第2のカメラから第1のカメラへの切り替えを行わないので、トンネル間で適正露出の映像を取得できなくなることを回避できる。
請求項5の発明では、所定時間は、第1のカメラおよび第2のカメラが露出の切り替えに要する時間以上であるので、適正露出での撮影映像を取得できなくなる時間を極力短くすることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、車両用撮影システム1は、第1のカメラ2と第2のカメラ3を有している。この2台の第1のカメラ2と第2のカメラ3は、例えば、車室内に、撮影方向が車両の進行方向前方に向くように配置されている。これら第1のカメラ2および第2のカメラ3は、例えばフロントウインドシールドなどのガラス(図示せず)に取り付けられ、ガラス越しに車外前方を撮影する。
上記第1のカメラ2および第2のカメラ3は、それぞれ撮影素子としてのCCD5、このCCD5に撮影像を結像させるレンズなどからなる撮影光学系6、露出調整のための絞り7などを備えている。絞り駆動部8は、露出調整手段として機能し、絞り7の開度調節により露出を調整する。第1のカメラ2および第2のカメラ3は、カメラ制御部9によって制御される。カメラ制御部9は、各カメラ2,3の絞り駆動部8に開度制御信号を送って絞り7の開度を制御すると共に、各カメラ2,3で撮影された撮影映像のうちのいずれかを選択的に取得してシステム制御部10に送る。システム制御部10は、カメラ制御部9から送られた撮影映像をハードディスクなどの記憶手段に格納する。したがって、上記のカメラ制御部9は、カメラ2,3の露出を制御する露出制御手段、および映像取得先カメラを切り替える切替手段として機能する。
カメラ制御部9は、車両に搭載されるカーナビゲーション装置11に接続されている。このカーナビゲーション装置11は、周知のように、GPS受信器や走行距離センサなどからなる位置検出器12、地図データを記憶した地図データ記憶装置13、表示器14、通信機15、制御部16などを備えている。制御部16は、位置検出器12から現在位置を取得し、そして、地図データ記憶装置13から現在位置周辺の地図データを取得して表示器14に表示する。通信機15は、制御部16の制御下で、図示しない情報センタと通信して現在位置の天気情報や時刻(年月日時刻)情報などを取得する(天気情報取得手段、時刻取得手段)。なお、制御部16は、位置検出器12の走行距離センサにより検出された走行距離を微分処理して車両の速度(時速)を算出する(車速取得手段)。
上記地図データは、表示器14に地図を表示するためのデータで、リンク情報、ノード情報などを備えている。これは、地図上の道路を、交差点、分岐点、合流点、所定角度以上のカーブなどの屈曲点を示すノードにより複数に分割し、夫々のノード間をリンクとして規定し、それらリンクを接続することにより地図を構成するという考え方に基づく。
上記ノード情報は、各ノードについて、ノードの固有ID、座標、ノード属性例えば立体交差点や多車線交差点などを示すデータなどから構成されている。上記リンク情報は、各リンクについて、リンクの固有ID(以下、リンクID)、リンクの長さを示すリンク長(道路長)、リンクの始端と終端の座標、リンクの道路幅、道路種別(国道、市道、高速道路など)、トンネル情報などの属性情報からなる。
トンネル情報とは、トンネル内を通るリンクであるか否か、トンネル内を通るリンクならばトンネルの出入口を有するか否か、トンネルの出入口を有するならばその位置情報などを含む。そして、制御部16は、現在位置情報とトンネル情報を基に、現在位置からトンネルの入口までの道路上の距離(以下、単に距離という。)、トンネルの長さ、現在位置からトンネルの出口までの道路上の距離(以下、単に距離という。)を演算(測距手段)する。
なお、地図データに、リンク情報とは独立して、トンネルの出入口の座標およびトンネル長さの情報からなるトンネル情報を設け、このトンネル情報を基に、現在位置からトンネルの入口までの距離、トンネルの長さ、現在位置からトンネルの出口までの距離を演算するようにしても良い。以下では、現在位置からトンネルの入口までの距離、トンネルの長さ、現在位置からトンネルの出口までの距離を総称してトンネルデータということとする。
カーナビゲーション装置11の制御部16は、時刻情報、天気情報と共に、トンネルデータを、逐次、カメラ制御部9に送信する。そして、カメラ制御部9は、第1のカメラ2および第2のカメラ3の絞り7を制御するに際し、それら時刻情報、天気情報、トンネルデータを基にして、第1のカメラ2および第2のカメラ3の絞り7の開度を決定して絞り駆動部8に開度制御信号を送るようになっている。
この場合、カメラ制御部9が有するメモリ(記憶手段)17には、各種の条件毎に定めた絞り開度データが記憶されている。この絞り開度データは、1年を月によって春、夏、秋、冬に分け(季節条件)、一日を時刻によって朝、昼、夕、夜に分け(昼夜条件)、天候を晴れ、曇り、雨に分け(天候条件)、周囲環境をトンネル内とトンネル外とに分け(周囲環境条件)、それらの条件毎に定めた絞り開度がテーブル化されたものである。この実施形態では、トンネル内であっても、トンネル長さに応じて絞りの開度が変えられている。つまり、トンネルが短い場合には、両側の出入口からトンネル内に差し込む光があるので、これを考慮してトンネル長に応じて絞り開度が変えられているのである。
ここで、絞り開度を決定する一条件である周囲環境(トンネルの内外)については、第1のカメラ2で、現在位置がトンネル内かトンネル外かによって決定する。第2のカメラ3については、トンネル外では、後述する所定時間T(秒)後の予想位置がトンネル入口である場合にトンネル内の絞り開度、トンネル内では、同じく所定時間T(秒)後の予想位置がトンネル出口である場合にトンネル外の絞り開度に設定される。
カメラ制御部9は、第1のカメラ2および第2のカメラ3のうち、どちらのカメラで撮影した映像を取得するかについては、第1のカメラ2からの撮影映像を取得することを基本にしている。ただ、現在位置からトンネルの入口までの車両速度に応じた距離、トンネルの入口からの車両速度に応じた距離、現在位置からトンネルの出口までの車両速度に応じた距離、トンネルの出口からの車両速度に応じた距離によっては、撮影映像の取得先を、第1のカメラ2から第2のカメラ3に切り替えたり、第2のカメラ3から第1のカメラ2に切り替えたりする。
このカメラ制御部9による絞り開度の制御と、撮影映像の取得先の制御とは、図2に示すフローチャートのように行われる。まず、図2のフローチャートにより、カメラ制御部9による制御を説明する。カメラ制御部9は、カーナビゲーション装置11から逐次送られてくる各種データにより、車両の時速、現在位置、現在位置からトンネルの入口および出口までの距離を逐次検知している。
さて、図2のルーチンに入ると、カメラ制御部9は、現在位置がトンネル内であるか否かを判断する(ステップS1:トンネル内判断手段)。トンネル外であった場合(ステップS1で「NO」)、次に、カメラ制御部9は、通過したトンネルを出てから所定時間T秒経過したか否かを判断する。この実施形態では、T秒経過したか否かの判断を、トンネルの出口からの走行距離によって判断するようにしている(ステップS2)。
つまり、現在の車速が時速Skmであったとすると、現在位置がトンネル出口から(T×S×1000/3600)mm以内の位置にあるか否かによって判断しているのである。ここで、上記Tという所定時間時間は、第1のカメラ2および第2のカメラ3が、絞り7の開度を変える場合、カメラ制御部9から開度制御信号を受けてから指令開度に落ち着くまでに要する時間に1秒以上の余裕時間を加えた時間に定められている。
現在位置がトンネルの出口から(T×S×1000/3600)m以内にない場合(ステップS2で「NO」)、カメラ制御部9は、現在位置がトンネルの入口から(T×S×1000/3600)m以内にあるか否かを判断する(ステップS3)。トンネルの入口から(T×S×1000/3600)m以内にない場合(ステップS3で「NO」)、カメラ制御部9は、撮影映像取得先として第1のカメラ2を選択する(ステップS4)。つまり、トンネルの外を走行している場合、基本的には、第1のカメラ2の撮影映像をシステム制御部10に記憶させるのである。
ただし、トンネル外にあっても、通過したトンネルの出口から(T×S×1000/3600)m以内にある場合(ステップS2で「YES」)、カメラ制御部9は、撮影映像取得先として第2のカメラ3を選択する(ステップS5)。
また、トンネル外であっても、トンネルの入口に到達するまでの時間が予め設定された時間、この実施形態では、その設定時間が1秒以下となった時点で、カメラ制御部9は、撮影映像取得先として第2のカメラ3を選択する。つまり、トンネルの入口の手前(T×S×1000/3600)m以内になったとき(ステップS3で「YES」)、カメラ制御部9は、第2のカメラ3の絞り開度をトンネル内の絞り開度に設定し(ステップS6)、トンネルの入口に入るまでの時間が設定時間tになったか否かを判断する。この実施形態では、既に述べたように設定時間tを1秒と定め、この1秒以内を時間でなくトンネルの入口に到達するまでの距離で判断するようにしている。即ち、時速Skmであったとき、トンネルの入口までの距離が(t×S×1000/3600)m以内になったか否かで、1秒以内になったか否かを判断するのである。なお、図2のフローチャートでは、tは、「1」であるので省略してある。
そして、カメラ制御部9は、トンネルの入口に至るまでの時間が1秒以内、つまりトンネルの入口の手前(S×1000/3600)m以内になるまでは、撮影映像取得先を第1のカメラ2のまま維持し(ステップS7で「NO」、ステップS4)、トンネルの入口の手前(S×1000/3600)m以内になったところで(ステップS7で「YES」)、撮影映像取得先を第1のカメラ2から第2のカメラ3に切り替えるのである(ステップS5)。
一方、現在位置がトンネル内にある場合(ステップS1で「YES」)、カメラ制御部9は、現在位置が通過したトンネルの入口から(T×S×1000/3600)m以内であるか否かを判断する(ステップS8)。(T×S×1000/3600)m以内である場合(ステップS8で「YES」)、カメラ制御部9は、撮影映像取得先として第2のカメラ3を選択し(ステップS9)、リターンとなる。
通過したトンネルの入口から(T×S×1000/3600)m以内でない場合(ステップS8で「NO」)、カメラ制御部9は、次にトンネルの出口まで(T×S×1000/3600)m以内か否かを判断する(ステップS10)m。トンネルの出口まで(T×S×1000/3600)mを超えていた場合(ステップS10で「NO」)、カメラ制御部9は、撮影映像取得先として第1のカメラ2を選択する(ステップS11)。
トンネルの出口まで(T×S×1000/3600)m以内になった場合(ステップS10で「YES」)、カメラ制御部9は、第2のカメラ3の絞り開度をトンネル外の絞り開度に設定し(ステップS12)、次いで、トンネルの出口に到達するまでの時間がt時間(1秒)以内、この実施形態では、トンネルの出口の手前(S×1000/3600)m以内になったか否かを判断する(ステップS13)。そして、カメラ制御部9は、トンネルの出口の手前(S×1000/3600)m以内になるまでは、撮影映像取得先を第1のカメラ2のまま維持し(ステップS13で「NO」、ステップS11)、トンネルの入口の手前(S×1000/3600)m以内になったところで、撮影映像取得先を第1のカメラ2から第2のカメラ3に切り替える(ステップS13で「YES」、ステップS9)。
以下、このフローチャートによる制御をトンネルの長さの長短、トンネルが連続する場合などの条件に分けて説明する。
(1)長いトンネルの場合(図3)
車両がトンネル外を走行している場合、カメラ制御部9は、第1のカメラ2の絞り7を、トンネル外の開度に制御し、当該第1のカメラ2の撮影映像を取得してシステム制御部10に記憶させている(ステップS1〜S4)。
車両の進行方向前方にトンネルがある場合、カメラ制御部9は、現在位置からトンネルの入口までの距離が(T×S×1000/3600)m以内になると、第2のカメラ3の絞り7を、トンネル内の開度となるように制御する(ステップS3で「YES」、ステップS6)。そして、現在位置からトンネル入口までの距離が(S×1000/3600)m以内(時間にすると1秒前以内)になると、カメラ制御部9は、撮影映像を取得するカメラを、第1のカメラ2から第2のカメラ3に切り替える(ステップS7で「YES」、ステップS5)。このとき、車両は、まだトンネル内に入ってはいないが、第2のカメラ3の撮影対象位置は、現在位置よりもかなり前方で、トンネル内であるから、適正露出で撮影できることとなる。
車両がトンネルの入口に至ると、これに即応してカメラ制御部9が第1のカメラ2の絞り7をトンネル内の開度に変化させる。そして、トンネル内に入ってからの走行距離が(T×S×1000/3600)mを超えると(T秒以上経過すると)、第1のカメラ2の絞り7は安定状態になっているから、カメラ制御部9は、撮影映像取得先を、第2のカメラ3から第1のカメラ2に切り替える(ステップS8で「YES」、ステップS10、ステップS11)。
車両がトンネルの出口まで(T×S×1000/3600)mの位置に至ると、第2のカメラ3の絞り7がトンネル外の開度に変更される(ステップS10で「YES」、ステップS12)。そして、更に車両が進んで、トンネル入口まで(S×1000/3600)mの位置に至ると、撮影映像取得先が第1のカメラ2から第2のカメラ3に切り替えられる(ステップS13で「YES」、ステップS9)。このときも、第2のカメラ3の撮影対象位置は、既にトンネル外となっているので、現在位置がトンネル内であっても適正露出で撮影できる。
車両がトンネルから出ると、これに即応して第1のカメラ2の絞り7がトンネル外に切り替えられる。そして、トンネル出口から(T×S×1000/3600)mの距離を走行したところで、撮影映像取得先が第2のカメラ3から第1のカメラ2に切り替えられる。このときには、第1のカメラ2の絞り7は既に安定状態となっているから、適正露出での撮影が可能である。
このように、トンネルに入る前に第2のカメラ3をトンネル内の撮影に適した露出にして撮影映像取得先を第2のカメラ3に切り替え、トンネルから出る前に第2のカメラ3をトンネル外の撮影に適した露出に切り替えておき、撮影映像取得先を、トンネル入口の手前で第1のカメラ2から第2のカメラ3に切り替え、トンネル内に入った後、所定時間後(車速に応じた所定距離走行した後)に、第2のカメラ3から第1のカメラ2に切り替え、トンネル出口の手前で、第1のカメラ2から第2のカメラ3に切り替え、トンネルを出てから所定時間後(車速に応じた距離走行した後)に、第2のカメラ3から第1のカメラ2に切り替えるので、常に周囲環境に応じた露出にて撮影した映像をシステム制御部10に記憶させることができる。
なお、長いトンネルとは、上述の説明で明らかなように、(T×S×1000/3600)mの2倍以上の長さを有するトンネルであり、車速によって長さが異なる。
(2)短いトンネルの場合(図4)
ここでの短いトンネルとは、その長さが(T×S×1000/3600)m未満のものを指す。短いトンネルの場合も、トンネルに入るまでは長いトンネルの場合と同様に、トンネルの入口の手前で、第2のカメラ3の絞り7がトンネル内の開度に変えられる。この場合、トンネルが短いので、トンネル内の開度であっても、トンネル外とそれ程の絞り開度の変化はない。
そして、トンネルに入る1秒前に撮影映像取得先が第1のカメラ2から第2のカメラ3に切り替えられる(ステップS1で「YES」、ステップS2で「NO」、ステップS3で「YES」、ステップS6で、ステップS7で「YES」、ステップS5)。トンネル内に入ってから(T×S×1000/3600)mの距離を走行した時点では、トンネルの外に出ていることとなるので、トンネル内では、撮影取得先は第2のカメラ3のままとされ、且つ、第2のカメラ3の絞り7もトンネル外の開度に変えられることはない(ステップS1で「YES」、ステップS8で「YES」、ステップS9)。
トンネル外に出ると、トンネル出口から(T×S×1000/3600)mだけ走行した時点で、撮影映像取得先が第1のカメラ2に切り替えられる(ステップS1で「NO」、ステップS2で「NO」、ステップS3で「NO」、ステップS4)。なお、トンネルを出たから(T×S×1000/3600)m走行する間は、撮影映像取得先が第2のカメラ3になるが、この場合、トンネルが短いことから、絞り7もそれ程絞られていないので、第2のカメラ3によるトンネル外の撮影映像がそれ程露出過多となることはない。
(3)長いトンネルが短い距離だけ離れて連続する場合(図5)
ここでは、トンネルとトンネルの間の距離が(T×S×1000/3600)m未満とする。図5において、先に通るトンネルについての第1のカメラ2および第2のカメラ3の絞り7の開度制御および撮影画像取得先のカメラの切り替えは、(1)の長いトンネルの場合と同様である。先に通るトンネルを出たとき、次のトンネルの入口までの距離が(T×S×1000/3600)m以内となっているので、第2のカメラ3の絞り7は、トンネル内のままとされ、撮影映像取得先も第2のカメラ3のままとされる(ステップS1で「NO」、ステップS2で「YES」、ステップS5)。
そして、次のトンネル内に入ってからの走行距離が(T×S×1000/3600)m以上になると、撮影映像取得先が第2のカメラ3から第1のカメラ2に切り替えられる(ステップS1で「YES」、ステップS8で「NO」、ステップS10で「NO」、ステップS11)。このトンネルから出る際の第1のカメラ2および第2のカメラ3の絞り7の開度制御および撮影映像取得先のカメラの切り替えは、(1)の長いトンネルの場合と同じである。
(4)長いトンネルと短いトンネルとが短い距離だけ離れて連続する場合(図6)
この場合は、(3)における先のトンネルを通った後、次のトンネルに入るまでの第1のカメラ2および第2のカメラ3の絞り7の開度制御および撮影映像取得先カメラの切り替えは、(3)の場合と同様である。また、短いトンネルに入ってから出た後の第1のカメラ2および第2のカメラ3の絞り7の開度制御および撮影映像取得先カメラの切り替えは、(2)の短いトンネルの場合と同様である。長いトンネルを出る1秒前から短いトンネルを出てT秒経過するまで(距離にして(S×T×1000/3600))の間、トンネル外の絞り開度に設定された第2のカメラ3の映像を取得することとなるが、短いトンネル内には入口と出口とから光が差し込んでいるので、第2のカメラ3の撮影映像がそれ程露出不測となることはない。
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、次のような拡張或いは変更が可能である。
第1のカメラ2の絞り7は、車外の照度を計測する露光計(照度計)を設け、この露光計により検出された照度に応じて調整するようにしても良い。この場合、絞り駆動部8は、カメラ制御部9から制御信号を受けるのではなく、露出計から制御信号を受けるように構成することができる。
第1のカメラ2および第2のカメラ3の露出調整は、絞り7によらず、電子シャッタのシャッタスピードによって行うようにしても良い。
トンネル入口までの距離(S×T×1000/3600)m,(S×1000/3600)m、トンネル入口からの距離(S×T×1000/3600)m、トンネル出口までの距離(S×T×1000/3600)m,(S×1000/3600)m、トンネル出口からの距離(S×T×1000/3600)mは、時間T,tで測定するようにしても良い。
本発明の一実施形態における車両用撮影システムの電気的構成を示すブロック図 カメラの絞り制御および撮影画像取得先の切り替え制御の内容を示すフローチャート 長いトンネルの場合の制御を時間の経過と共に示すもので、(a)はトンネルと第1のカメラおよび第2のカメラの絞りの変化を示す図、(b)は第1のカメラの絞りの安定・不安定期間を示す図、(c)は第2のカメラの絞りの安定・不安定期間を示す図、(d)は映像取得先のカメラを示す図 短いトンネルの場合の図3相当図 長いトンネルが連続する場合の図3相当図 長いトンネルと短いトンネルとが連続する場合の図3相当図
符号の説明
図面中、1は車両用撮影システム、2は第1のカメラ、3は第2のカメラ、7は絞り、8は絞り駆動部、9はカメラ制御部(露出制御手段、切替手段)、10はシステム制御部、11はカーナビゲーション装置、12は位置検出器、13は地図データ記憶装置、16は制御部である。

Claims (5)

  1. 走行方向前方を撮影するために車両に搭載され、現在位置に合った露出に調整される第1のカメラと、
    走行方向前方を撮影するために車両に搭載され、現在位置よりも前方の位置に合った露出に調整される第2のカメラと、
    車両に搭載され、地図データに基づいて現在位置の走行方向前方にトンネルが存在するか否かを検出するカーナビゲーション装置と、
    前記第2のカメラの露出を制御し、前記カーナビゲーション装置により車両の前方にトンネルの存在が検出されたとき、トンネル内に入る前に前記第2のカメラの露出をトンネル内走行用の露出に調節すると共に、トンネルから出る前に前記第2のカメラの露出をトンネル外走行用の露出に調節する露出制御手段と、
    撮影映像の取得先を、トンネルの入口手前で前記第1のカメラから前記第2のカメラに切り替え、トンネル内に入った後、所定時間経過時に前記第2のカメラから前記第1のカメラに切り替え、トンネルの出口手前で前記第1のカメラから前記第2のカメラに切り替え、トンネルから出てから所定時間経過後に前記第2のカメラから前記第1のカメラに切り替える切替手段と
    と具備してなる車両用撮影システム。
  2. 前記第2のカメラの露出が調整される現在位置よりも前方の位置は、現在位置から所定時間経過後に走行を予想される位置であることを特徴とする請求項1記載の車両用撮影システム。
  3. 前記切替手段は、トンネルの長さが、所定時間で走行する距離以下であるとき、トンネル内に入った後の前記所定時間経過時における前記第2のカメラから前記第1のカメラへの切り替えを行わず、トンネルを出てから所定時間後に前記第2のカメラから前記第1のカメラへの切り替えを行うことを特徴とする請求項1または2記載の車両用撮影システム。
  4. 前記切替手段は、トンネルが連続するとき、トンネルの出口から次のトンネルの入口までの距離が、所定時間内で走行する距離以下であるとき、トンネルから出た後の所定時間経過後における前記第2のカメラから前記第1のカメラへの切り替えを行わないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用撮影システム。
  5. 前記所定時間は、前記第1のカメラおよび前記第2のカメラが露出の切り替えに要する時間以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用撮影システム。
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