JP5010566B2 - 水中吸音装置 - Google Patents

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Description

本発明は、音響が問題になる船舶や海洋構造物等の水中音響試験用の無響水槽(吸音水槽)や、水中に設置する吸音壁に適用され、音を吸収する吸音構造体を水中に臨んで設け、該吸音構造体により水中を伝播される音を吸収するように構成された水中吸音装置に関する。
無響水槽(吸音水槽)は、吸音率が十分に高い吸音構造体で各内面部を構成し、該吸音構造体により形成された内部空間で測定空間内と測定周波数範囲で自由音場を形成できるもので、水中における種々の吸音実験に用いられている。
図15ないし図16は、かかる無響水槽における吸音構造体の2つの例を示す要部縦断面図である。
図15に示される吸音構造体は、非特許文献1にて提供されているもので、図において、10は木材からなる吸音構造体である。51は該吸音構造体10の内層材で、無響水槽の水室101に臨む内面51aを複数の楔状の歯51cと溝51dとが交互に連設された楔状凹凸面に形成し、該内層材51の外面51bをコンクリート製の支持体1の内面に固着している。
図16に示される吸音構造体10は、ゴム材を単層あるいは複数層積層してなる内層材61の水室101に臨む内面61aを平面(あるいは図15のような楔状凹凸面)に形成し、前記内層材61の外面61bをコンクリート製の支持体1の内面に固着している。
また、特許文献2には、水中に臨む複数の吸音シートの一面に溝を設け、この溝から各吸音シートの隙間に水を浸透させ、吸音シート間の隙間で生じる音の反射を低減させるようにして、前記吸音シートの隙間に積極的に水または固有音響インピーダンスが水に近い物質を導入する構造として、楔型吸音構造体と同程度の吸音性能を約半分の大きさの装置で実現可能とした水中吸音装置が開示されている。
日本造船学会誌 第737号 (第29頁ないし第34頁) 特開2000−146750号公報
しかしながら、かかる従来技術は次のような問題点を有している。
即ち、図15に示される吸音構造体にあっては、木材からなる内層材51の水室101に臨む内面51aを楔状凹凸面とした構造であるため、周波数は1KHz程度以上の高周波音に対しては該内層材51の厚さをさほど大きくしなくても所要の吸音効果が得られるが、200Hz程度の低周波音に対しては所要の吸音効果を得るには該内層材51の厚さを大幅に増大する必要があり(200Hzの低周波音についた所要の吸音効果を得るに7.5mの厚さが必要)、吸音構造体10が大型化し、無響水槽としては構造上成り立たなくなる。
図16に示される吸音構造体10にあっては、広範囲の周波域の音に対して比較的高い吸音効果を有するが、吸音構造体10にゴム材を用いているため該吸音構造体が高価となり、水中吸音装置の装置コストが高くなる。
また、特許文献2に開示されている水中吸音装置は、複数の吸音シートの隙間に溝を設けて吸音シート間の隙間で生じる音の反射を低減するにとどまり、該特許文献2には広範囲の周波域の吸音についての手段は示唆されていない。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、小型かつ低コストの構造で以って、低周波音から高周波音まで広範囲の周波数域の音に対して高い吸音効果を有する吸音構造体をそなえて、殊に無響水槽(吸音水槽)に好適な水中吸音装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、コンクリート等の硬質材料からなる支持体の内側に支持してなる吸音構造体を水室に臨んで設け、該吸音構造体により前記水室を伝播される音を吸収するように構成された水中吸音装置において、前記支持体と、多孔質吸音材からなる吸音構造体との間に水若しくは空気が収容されるよりなる第1の空間層を介在させて、前記多孔質吸音材で中、高周波数の音を吸収するとともに、前記多孔質吸音材で吸収される周波数よりも低周波数域の音の1/4波長に対応する距離だけ前記多孔質吸音材が前記支持体の壁面から離れるように、前記吸音構造体と前記支持体との間に前記第1の空気層を設け、更に、前記多孔質吸音材と前記支持体の壁面とを接触させずに、前記第1の空間層が前記支持体もしくは前記多孔質吸音材の表面に直角な方向の長さを変化させて、該変化する長さに対応する前記低周波数域の音の吸収率を向上させたことを特徴とし、好ましくは前記吸音構造体は、吸収周波数が異なる複数層の多孔質吸音材で構成され、複数層の多孔質吸音材表面を互いに接触させて積層して形成したことを特徴とする。
かかる発明によれば、水中を伝播される音を、吸音構造体における吸収周波数範囲が異なる複数層の多孔質材料吸音材のうちの水中に臨む内層材を通過する際に、例えば高周波数の音を吸収し、次いでこの音が例えば該内層材よりも吸収周波数範囲が低い多孔質材料の外側吸音材内を通過する際に低周波数の音を吸収する。
これにより、多孔質材料からなる内層材で高周波数の音を吸収した後に、多孔質材料の外側吸音材内で低周波数の音を吸収することができて、吸収周波数範囲が異なる多孔質材料からなる吸音材を複数層設けて水中から伝播される音を通過させるという、小型で簡単な構造をそなえ、かつ低コストの装置で以って、低周波数音から高周波数音までの広い周波数範囲の音を確実に吸収し得る吸音構造体を提供できる。
また、本発明は、前記支持体と、多孔質吸音材からなる吸音構造体との間に水若しくは空気が収容されるよりなる第1の空間層を介在してなる。
ここで、多孔質材料からなる吸音材の背後に空間層を形成することで、低周波数領域の吸音率が上昇する原理は次のとおりである。
即ち、多孔質材料での吸音は、音波伝搬時に生じる粒子速度により多孔質部分で摩擦が生じ、音が熱に変化することでなされる。従って、粒子速度が最大になる位置に多孔質材料を設置することで効果的に吸音される。前記粒子速度が最大となるのは、壁面から1/4波長の位置である。かかる距離が遠ざかるほど、前記1/4波長に対応する周波数は低くなるため、該空間層を形成することにより、低周波数領域での吸音効果が上昇する。
従って前記原理によって、水中を伝播される音が複数層の吸音材を積層した吸音構造体を通過する際に各層の吸音材で吸収した周波数の音よりも低周波数領域での吸音効果を、前記水、空気等の流体が収容される空間層を形成することにより向上できる。
これにより、前記複数層の吸音材で中、高周波数の音を吸収し、前記空間層の形成によって低周波数領域の吸音率を向上することにより、低周波数から高周波数まで吸収周波数範囲を拡大できる。
また、本発明において、前記吸音構造体は、前記水室に臨む内層材表面が楔状凹凸面に形成されてなる吸音材であるとよい。
そして、かかる発明において、具体的には前記吸音構造体を例えば次のように構成するのがよい
記楔状凹凸面を有する吸音材と前記支持体との間、あるいは前記楔状凹凸面を有する吸音材と多孔質材料からなる他の吸音材との間、あるいは前記他の吸音材同士の間、及び前記他の吸音材と前記支持体との間の少なくとも1箇所に、水、空気等の流体が収容される空間層を形成する。
かかる構成によれば、水中を伝播される音が前記多孔質材料吸音材の楔状凹凸面を通過する際に該楔状凹凸面により高周波数の音を吸収でき、次いでこの音が多孔質の吸音材内部を通過する際にこれよりも低周波数の音を吸収することができることとなり、従って前記楔状凹凸面を有する吸音材により、低周波数と高周波数の2段階の周波数の吸音が可能となる。
また、前記楔状凹凸面を有する吸音材と、これとは吸収周波数範囲が異なる多孔質材料からなる他の吸音材とを積層して形成すれば、前記楔状凹凸面を有する吸音材により比較的高周波数の2段階の周波数の音を吸収したうえに、前記他の吸音材により前記2段階の周波数とは異なる低周波数の音を吸収することができて、3段階の広範囲の周波数の音を吸収できる。
さらに前記構成のように、各吸音材の間に、水、空気等の流体が収容される第2の空間層を形成すれば、前記のような3段階の周波数の音を吸収できるのに加えて、該空間層の形成によって吸音帯域が低周波数帯域まで拡大され、従って前記楔状凹凸面、これを有する吸音材の内部、前記他の吸音材の内部、及び前記第1及び第2の空間層内において、4段階の周波数の音を吸収できる。
また本発明は、前記多孔質吸音材と前記支持体の壁面とを接触させずに、前記第1の空間層が前記支持体もしくは前記多孔質吸音材の表面に直角な方向の長さを変化させて、該変化する長さに対応する前記低周波数域の音の吸収率を向上させたことを特徴とする。
かかる発明によれば、前記多孔質材料からなる板状の吸音材と硬質材料からなる支持体との間に形成される空間層の長さを変化させることにより、該空間層を通過する音の吸収周波数(低周波数)を空間層の長さに対応した周波数となり、その結果、吸収周波数域を均一にすることができ、殊に低周波数域で吸収周波数の範囲を均一にかつ広げることが可能となる。
本発明によれば、多孔質材料の吸音材と水、空気等の流体が収容される空間層とを組み合わせることにより低周波数から高周波数まで広範囲の周波数の音を吸収できる。
さらに、多孔質材料からなる板状の吸音材と支持体との間に形成される空間層の長さを変化させることにより、該空間層を通過する音の吸収周波数を空間層の長さに対応した周波数とすることが可能となり、その結果、吸収周波数域を均一にすることができ、殊に低周波数域で吸収周波数の範囲を均一にかつ広げることが可能となる。
又、吸音構造体の多孔質材料からなる内層材で高周波数の音を吸収した後に、多孔質材料の外側吸音材内で低周波数の音を吸収することができて、吸収周波数範囲が異なる多孔質材料からなる吸音材を複数層設けて水中から伝播される音を通過させるという、小型で簡単な構造をそなえ、かつ低コストの装置で以って、低周波数音から高周波数音までの広い周波数範囲の音を確実に吸収し得る吸音構造体を提供できる。
また、前記吸音構造体の多孔質材料の吸音材を楔状凹凸面を有する吸音材とすることにより、比較的高周波数の2段階の周波数の音を吸収できる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
(第1基本構成)
図9は本発明の第1基本構成に係る吸音構造体を備えた無響水槽(吸音水槽)の要部断面図であり、図において100は上面が開放された筐体からなる無響水槽で、内部は水が収容された水室101となっている。1は該無響水槽100の外殻を構成する支持体で、コンクリート、レンガ等の硬質材料からなる。
10はその内面を前記水室101に臨んで設けられた吸音構造体(詳細は後述)で、前記支持体1の内側に複数の支持部材2を介して支持され、前記水室101に臨む内層材11及び外層材12を積層して形成されている。13は該外層材12の外面と前記支持体1の内面との間に形成された第1の空間層である。
図1は本発明の第1基本構成に係る吸音構造体の要部断面図であり、図において、10は吸音構造体で、内面11aが前記水室101に臨む内層材11、該内層材11の外側に配置された外層材12、該外層材12の外面12aと前記支持体1の内面との間に形成された空間層13等からなる。該第1の空間層13には水が収容されている(シリコン等の音響的特性が水に近いものでもよい)。
前記内層材11と外層材12とは、該内層材11の外面11bと外層材12の内面12bとは互いに接触させて(固着してもよい)設置されている。該吸音構造体10は、前記支持体1の内側に複数の支持部材2を介して支持されている。
前記内層材11と外層材12とは、吸収周波数範囲が異なる多孔質材料で構成され、この第1基本構成においては、前記内層材11は吸収周波数fが図10(A)S1線で示されるような高周波数域で吸音率αが高くなるような材料で構成され、発泡アルミニウム材を板状に形成したもの、細径の線材を固めて板状に形成したもの等が好適である。
また、前記外層材12は吸収周波数fが図10(A)のS2線で示されるような低周波数域で吸音率αが高くなるような材料で構成され、低周波数域で高い吸音率αを示すセラミック材が好適である。
尚、この第1基本構成とは逆に、前記内層材11にセラミック材等の低周波数域で吸音率αが高くなる材料を用い、外層材12に発泡アルミニウム材等の高周波数域で吸音率αが高くなるような材料を用いることも可能である。
かかる第1基本構成において、水室101内の水中に伝播された音は、吸収周波数fが図10(A)S1線で示されるような高周波数域で吸音率αが高くなるような材料で構成された前記内層材11内を通過する際に高周波数音が吸収され、次いで吸収周波数fが図10(A)のS2線で示されるような低周波数域で吸音率αが高くなるような材料で構成された前記外層材12を通過する際に低周波数音が吸収される。
さらに、前記内層材11及び外層材12で、前記のように高周波数音及び低周波数音が吸収された音は、水が収容された前記第1の空間層13の形成によって、図10のS3線で示されるように前記内層材11及び外層材12よりもさらに低周波数域で吸音率αが高くなる該第1の空間層13において、低周波数音の吸収効果がさらに向上する。
以上により、図10(B)のS4線で示すような、かかる内層材11、外層材12、及び空間層13での3段階の吸音作用によって、前記音のレベルは低い音圧レベルまで低下せしめられる。
従って、かかる第1基本構成によれば、水中を伝播される音を、吸音構造体10における吸収周波数範囲が異なる複数層の多孔質材料吸音材のうちの水室101に臨む内層材11を通過する際に高周波数音を吸収し、次いでこの音が該内層材11よりも吸収周波数範囲が低い多孔質材料の外層材12内を通過する際に低周波数の音を吸収し、第1の空間層13の形成によって吸音帯域が低周波数帯域まで拡大される。
これにより、吸収周波数範囲が異なる多孔質材料からなる内層材11及び外層材12(吸音材)を複数層設けて中、高周波数の音を吸収し、外層材12と支持体1との間に第1の空間層13を形成して低周波数音まで吸音帯域を拡大するという、小型で簡単な構造をそなえ、かつ低コストの装置で以って、低周波数音から高周波数音までの広い周波数範囲の音を確実に吸収し得る吸音構造体10が得られる。
また、かかる第1基本構成において、前記内層材11及び外層材12の材料として、発泡コンクリート材、レンガ材、ポーラス状プラスチックを、前記発泡金属、細径の線材を固めて板状に形成した材料、セラミック材等と組み合わせて用いることもできる。
さらに、前記1層の内層材11に対して、該内層材11とは吸収周波数fが異なる2層以上の外層材12を積層して用いることもできる。
(第1参考例)
図2は本発明の第1参考例を示す図1対応図である。
この参考例においては、前記第1基本構成(図1)から空間層13を除去し、前記外層材12の外面12aを前記支持体1の内面に直接固着している。この場合は前記第1基本構成における空間層13による低周波音の吸音効果はないが、外層材12の外面12aを前記支持体1の内面に直接固着しており前記空間層13のスペースが不要となるので、吸音構造体10が小型で簡単化される。
その他の構成は前記第1基本構成と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(第2参考例)
図3は本発明の第参考例を示す図1対応図である。
この参考例においては、吸音構造体10を次のように構成している。
即ち、図3において、11は吸音構造体10の前記第1参考例と同様な多孔質材料からなる内層材であり、前記水室101の水中に臨む内面11aを、複数の楔状の歯11cと溝11dが交互に連設された楔状凹凸面に形成している。また、該内層材11の外面11bは前記支持体1の内面に接触あるいは固着されている。
かかる第参考例において、前記内層材11の内部の吸収周波数fは、図11のS12線で示されるように低周波数域で吸音率αが高くなっている。一方、前記内層材11の内面11aを形成する楔状凹凸面においては、図11のS11線で示されるように前記内層材11の内部よりも高い周波数域で吸音率αが高くなる。
従って、かかる第参考例によれば、水中を伝播される音を、内層材11の内面11aを形成する楔状凹凸面を通過する際に高周波数音を吸収し、次いでこの音が該楔状凹凸面(11a)よりも吸収周波数範囲が低い内層材11の内部を通過する際に低周波数音を吸収することが可能となり、前記楔状凹凸面からなる内面11aを有する内層材11を設置することにより、図12のS14線で示されるように高周波数と低周波数の2段階の周波数の吸音が可能となる。
(第3参考例)
図4は本発明の第参考例を示す図1対応図である。
この参考例においては、前記第2参考例に加えて、前記楔状凹凸面からなる内面11aを有する内層材11と前記支持体1との間に、板状に形成され前記楔状凹凸面を有する内層材11よりも吸収周波数fが低い多孔質材料の外層材12を設け、該外層材12の内面12aと内層材11の外面11bとを固着するとともに、該外層材12の外面12aと前記支持体1の内面とを互いに固着している。
かかる第参考例によれば、前記楔状凹凸面を有する内層材11と前記支持体1との間に、該内層材11よりも吸収周波数fが低い多孔質材料の外層材12を設けたので、図13(B)のS21線で示されるように、楔状凹凸面からなる内面11aを通過する際に高周波数音(S2)を吸音し、次いで内層材11内を通過する際にこれよりも低周波数音(S1(図13(A)参照))を吸音することにより2段階の周波数の吸音をなし、さらに図13(C)のS3線のような低周波数音の吸音特性を有する外層材12を通過することにより、図13(D)のS0線のように、3段階の周波数の音を吸収できる。
その他の構成は前記第2参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(第2基本構成)
図5は本発明の第2基本構成を示す図1対応図である。
この基本構成においては、前記第2参考例(図3)に加えて、前記楔状凹凸面からなる内面11aを有する内層材11と前記支持体1との間に、水が収容された第1の空間層13を形成している。
かかる第2基本構成によれば、楔状凹凸面からなる内面11aを通過する際に高周波数音を吸音し、次いで内層材11内を通過する際にこれよりも低周波数音を吸音することにより2段階の周波数の吸音をなし、水が収容された第1の空間層13においてさらに低周波数域に吸音域が拡大することにより、3段階の周波数の音を吸収できる。
その他の構成は前記第2参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(第3基本構成)
図6は本発明の第3基本構成を示す図1対応図である。
この基本構成においては、前記第3参考例(図4)に加えて、前記楔状凹凸面からなる内面11aを有する内層材11の外側に固着された外層材12と前記支持体1との間に、水が収容された第1の空間層13を形成している。
かかる第3基本構成によれば、内層材11の楔状凹凸面からなる内面11aを通過する際に高周波数音を吸音し、次いで内層材11内を通過する際にこれよりも低周波数音を吸音し、さらに前記内層材11よりも低周波数音の吸音特性を有する外層材12を通過することにより、3段階の周波数の音を吸収できる。
その他の構成は前記第3参考例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(第4基本構成)
図7は本発明の第4基本構成を示す図1対応図である。
この基本構成においては、前記第2基本構成(図5)に加えて、水が収容された(空気でもよい)空間層13内に、前記内層材11よりも吸収周波数fが低い多孔質材料の外層材12を設けて、該外層材12により2つの(第1、第2)空間層13、13に区画している。
かかる第4基本構成によれば、内層材11の楔状凹凸面からなる内面11aを通過する際に高周波数音を吸音し、次いで該内層材11内を通過する際にこれよりも低周波数音を吸音する。さらに、前記内層材11よりも低周波数音の吸音特性を有する外層材12を通過する前及び後に、水が収容された(第1、第2)空間層13を通すことにより、2段階で低周波数音の吸音をなすことができる。
これにより、前記楔状凹凸面からなる内面11a、内層材11内、内側の第2空間層13内、外層材12内、外側の第1空間層13内の5段階の周波数の音を吸収できる。
尚、前記外層材12を2個以上設けて、各外層材12により複数の空間層13に区画するように構成してもよい。
その他の構成は前記第2基本構成と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
(実施例)
図8は本発明の実施例を示す図1対応図である。
この実施例においては、前記第1基本構成と同様な、吸収周波数fが高周波数域で吸音率αが高くなるような材料で構成された内層材11と前記支持体1との間に水が収容された空間層13を形成し、該空間層13の前記内層材11の表面に直角な方向の長さ、つまり内層材11の外面11bと前記支持体1の内面1a、1bとの長さをL1、L2のように変化させている。
かかる実施例によれば、多孔質材料からなる板状の内層材11と硬質材料からなる支持体1との間に形成される第1空間層13の長さを変化させることにより、該空間層13を通過する音の吸収周波数(低周波数)を第1空間層13の長さに対応した周波数となり、その結果、図14の実線で示されるように、吸収周波数域を均一にすることができ、殊に低周波数域で吸収周波数の範囲を均一にかつ広げることが可能となる。
尚、前記長さをL1、L2のように変化させて設けられた空間層13は、支持材を介して分割するように構成してもよい。
尚、前記第1基本構成と同一の部材は同一の符号で示す。
本発明は前記実施例に限られることなく、水中に設置される吸音壁等の、音を吸収する吸音構造体を水中に臨んで設け、該吸音構造体により水中を伝播される音を吸収するように構成された水中吸音装置全般に適用できる。
本発明によれば、小型かつ低コストの構造で以って、低周波音から高周波音まで広範囲の周波数域の音に対して高い吸音効果を有する吸音構造体をそなえて、殊に無響水槽(吸音水槽)に好適な水中吸音装置を提供できる。
本発明の第1基本構成に係る吸音構造体の要部断面図(図9の部拡大図)である。 第1参考例を示す図1対応図である。 第2参考例を示す図1対応図である。 第3参考例を示す図1対応図である。 第2基本構成を示す図1対応図である。 第3基本構成を示す図1対応図である。 第4基本構成を示す図1対応図である。 実施例を示す図1対応図である。 本発明の第1基本構成に係る吸音構造体を備えた無響水槽(吸音水槽)の断面図である。 (A)、(B)は前記第1基本構成における作用説明図である。 前記第2参考例における作用説明図(その1)である。 前記第2参考例における作用説明図(その2)である。 (A)、(B)、(C)、(D)は前記第3参考例における作用説明図である。 前記実施例における作用説明図である。 従来技術の第1例を示す図1対応図である。 従来技術の第2例を示す図1対応図である。
100 無響水槽
101 水室
1 支持体
2 支持部材
10 吸音構造体
11 内層材
11a 内層材の内面
11c 歯
11d 溝
12 外層材
13 空間層

Claims (6)

  1. コンクリート等の硬質材料からなる支持体の内側に支持してなる吸音構造体を水室に臨んで設け、該吸音構造体により前記水室を伝播される音を吸収するように構成された水中吸音装置において、
    前記支持体と、多孔質吸音材からなる吸音構造体との間に水若しくは空気が収容されるよりなる第1の空間層を介在させて、前記多孔質吸音材で中、高周波数の音を吸収するとともに、
    前記多孔質吸音材で吸収される周波数よりも低周波数域の音の1/4波長に対応する距離だけ前記多孔質吸音材が前記支持体の壁面から離れるように、前記吸音構造体と前記支持体との間に前記第1の空気層を設け
    更に、前記多孔質吸音材と前記支持体の壁面とを接触させずに、前記第1の空間層が前記支持体もしくは前記多孔質吸音材の表面に直角な方向の長さを変化させて、該変化する長さに対応する前記低周波数域の音の吸収率を向上させたことを特徴とする水中吸音装置。
  2. 前記吸音構造体は、吸収周波数が異なる複数層の多孔質吸音材で構成され、
    複数層の多孔質吸音材表面を互いに接触させて積層して形成し、
    前記複数層の多孔質吸音材は、前記第1の空間層によって、前記複数層の多孔質吸音材で吸収される周波数よりも低周波数の音の1/4波長に対応する距離だけ前記支持体の壁面から隔てられていることを特徴とする請求項1記載の水中吸音装置。
  3. 前記吸音構造体はそれぞれ吸収周波数が異なる複数層の吸音材で構成され、前記複数層の吸音材を、水室に臨む吸音材内層と、外側に配置された吸音材外層と分離し、該分離した内層と外層との間に水、空気等の流体が収容される第2の空間層を形成してなることを特徴とする請求項1記載の水中吸音装置。
  4. 水室に臨む内層材を高周波数域で吸音率が高くなる多孔質吸音材で、又支持体側に位置する外層材を前記内層材に比べて低い周波数域で吸音率が高くなる吸音材で構成し、
    前記複数層の多孔質吸音材は、前記第1の空間層によって、前記複数層の多孔質吸音材で吸収される周波数よりも低周波数の音の1/4波長に対応する距離だけ前記支持体の壁面から隔てられていることを特徴とする請求項2または3記載の水中吸音装置。
  5. 前記吸音構造体は、前記水室に臨む内層材表面が楔状凹凸面に形成されてなる吸音材であることを特徴とする請求項2または3記載の水中吸音装置。
  6. 前記内層材は、発泡アルミニウム材を板状に形成若しくは細径の線材を固めて板状に形成してなり、
    前記外層材は、前記内層材よりも低い周波数域で高い吸音率を示すセラミック材からなることを特徴とする請求項4に記載の水中吸音装置。
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