JP5010072B2 - 樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体及びそれを用いてなる樹脂組成物 - Google Patents

樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体及びそれを用いてなる樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5010072B2
JP5010072B2 JP2001206089A JP2001206089A JP5010072B2 JP 5010072 B2 JP5010072 B2 JP 5010072B2 JP 2001206089 A JP2001206089 A JP 2001206089A JP 2001206089 A JP2001206089 A JP 2001206089A JP 5010072 B2 JP5010072 B2 JP 5010072B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum hydroxide
hydroxide powder
resin
resin composition
secondary particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001206089A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002114867A (ja
Inventor
晃 尾西
行彦 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2001206089A priority Critical patent/JP5010072B2/ja
Publication of JP2002114867A publication Critical patent/JP2002114867A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5010072B2 publication Critical patent/JP5010072B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック、ゴム等の難燃用等として利用される樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体及びそれを用いてなる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水酸化アルミニウムは、ゴム・プラスチックスに充填するフィラーとして幅広く用いられている。例えば熱可塑性樹脂、ゴム、エポキシ樹脂には難燃剤として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂には調色フィラーとして用いられている。
【0003】
水酸化アルミニウムは、難燃剤として用いられる場合、より多くの充填を行った方が難燃性能は向上するが、充填量を多くすると、成形性や混練トルク上昇により成形温度が上昇し水酸化アルミニウムが一部脱水し発泡するといった問題がある。また、熱硬化樹脂に充填する場合も、充填量を多くすることで材料コストダウンとなるが、成形作業性の悪化、硬化速度が遅延するといった問題がある。
【0004】
特に、不飽和ポリエステル樹脂あるいはアクリル樹脂等に水酸化アルミニウム粉体を充填した樹脂組成物は、人造大理石として、バスタブ、キッチンカウンター等の素材に利用されるが、天然の大理石に近い質感(重量感)を出すため、樹脂中に多量の水酸化アルミニウム粉体を充填しなければならない。
【0005】
こうした問題を解決するために、これまで様々な技術、例えば(1)一次粒子の大きい凝集粗粒子またはそれを粉砕した微粒子との混合物を用いる方法(特公平5−48782号公報)、(2)粒子径やソーダ量を限定したものを粉砕し、比表面積の小さい水酸化アルミニウムを得る方法(特公平4−6648号公報、特公平6−49573号公報)等が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記(1)においては、粗粒単独では成形時の沈降による表面平滑性の低下や成形体強度の低下という欠点があり、微粒子と混合使用した場合は、比表面積の増加にともない硬化時間が長くなるという欠点がある。(2)の場合も凝集粒子の粉砕・解砕による比表面積の増大がある分硬化時間が長くなり、また単独で用いる場合には粒子が細かいため、充填量に限界がある。
【0007】
また、樹脂への充填性を向上させるために、脂肪酸、シランカップリング剤などで表面処理することもよく行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、プラスチック、ゴムなどの樹脂に充填する従来の水酸化アルミニウム粉体を改良し、樹脂への充填の際の、粘度の低減化を行い、高充填を可能とするとともに、熱硬化樹脂に充填した場合、硬化時間も更に短く、生産性をより向上させうる水酸化アルミニウム粉体、及び樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する水酸化アルミニウムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の範囲に存在する二次粒子径と比表面積を有する水酸化アルミニウム粉体を、少なくとも2成分配合(2元系)、特に好ましくは3成分配合(3元系)することにより、その目的を達成し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の発明を提供する。
【0010】
[1]水酸化アルミニウム粉体が、該粉体200重量部を不飽和ポリエステル樹脂(リゴラック2004WM−2、昭和高分子(株)製)100重量部に充填した際の、ブルックフィールド型粘度計による35℃での粘度測定において200ポイズ未満となり得る水酸化アルミニウム粉体であって、かつ該粉体150重量部を別の不飽和ポリエステル樹脂(ポリライトTP−123、大日本インキ化学工業(株)製)100重量部とメチルエチルケトンパーオキサイド2重量部の樹脂組成物に充填した際の、ブルックフィールド型粘度計による35℃での粘度測定において、樹脂硬化によって粘度測定不能となるまでの硬化時間が20分未満となり得る特性を有することを特徴とする樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体。
【0011】
[2]BET比表面積が1.0m2/g以下でありその二次粒子径が35〜150μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体X、BET比表面積が1.0m2/g以下でありその二次粒子径が10〜35μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体Y、及びBET比表面積が3.0m2/g以下でありその二次粒子径が0.5〜10μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体Zの質量組成比が、全体を100質量%とした添付の図1に示す三元組成図において、点α(X:Y:Z=47.5:25.0:27.5)、点β(X:Y:Z=47.5:50.0:2.5)、点γ(X:Y:Z=82.5:0.0:17.5)、点δ(X:Y:Z=72.5:0.0:27.5)の4点で囲まれ、かつ線上を含む質量組成比の範囲にあることを特徴とする水酸化アルミニウム粉体。
【0012】
[3]BET比表面積が1.0m2/g以下でありその二次粒子径が35〜150μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体X、BET比表面積が1.0m2/g以下でありその二次粒子径が10〜35μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体Y、及びBET比表面積が3.0m2/g以下でありその二次粒子径が0.5〜10μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体Zの質量組成比が、全体を100質量%とした添付の図2に示す三元組成図において、点A(X:Y:Z=50.0:25.0:25.0)、点B(X:Y:Z=50.0:45.0:5.0)、点C(X:Y:Z=80.0:0.0:20.0)、点D(X:Y:Z=75.0:0.0:25.0)の4点で囲まれ、かつ線上を含む質量組成比の範囲にあることを特徴とする水酸化アルミニウム粉体。
【0013】
[4]水酸化アルミニウム粉体Xの二次粒子径が50〜150μmの範囲にあり、水酸化アルミニウム粉体Yの二次粒子径が10〜25μmの範囲にあり、水酸化アルミニウム粉体Zの二次粒子径が0.5〜8μmの範囲にある請求項2又は3に記載の水酸化アルミニウム粉体。
【0014】
[5]前項1乃至4の何れか1項に記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
【0015】
[6]樹脂組成物が、ブルックフィールド型粘度計における35℃で測定した時の粘度が200ポイズ未満であることを特徴とする前項5に記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
【0016】
[7]樹脂組成物が、人造大理石形成用樹脂組成物である請求項5又は6に記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
【0017】
[8]人造大理石形成用樹脂組成物の樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項7に記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
【0018】
[9]樹脂組成物が、硬化樹脂組成物である請求項5記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】
本発明の水酸化アルミニウム粉体は、不飽和ポリエステル樹脂(リゴラック2004WM−2、昭和高分子(株)製)100重量部に、水酸化アルミニウム粉体200重量部を充填した樹脂組成物の粘度が、ブルックフィールド型粘度計による35℃での測定において200ポイズ未満となり得る水酸化アルミニウム粉体であって、かつ別の不飽和ポリエステル樹脂(ポリライトTP−123、大日本インキ化学工業(株)製)100重量部に、該水酸化アルミニウム150重量部及びメチルエチルケトンパーオキサイド2重量部を充填した樹脂組成物において、ブルックフィールド型粘度計による35℃での測定の際、樹脂硬化によって粘度測定不能となるまでの硬化時間が、20分未満となり得る特性を有することを特徴とする樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体である。
【0021】
水酸化アルミニウム粉体の表面は、多くのOH基に覆われているために、これを硬化性樹脂等に含有させた場合、硬化性樹脂の硬化反応を阻害し、硬化反応を長くしてしまう働きがあることを本発明者らは見出し、前記特性を有する水酸化アルミニウム粉体を見出した。
【0022】
さらに本発明者らは、樹脂の硬化反応に大きく阻害しない水酸化アルミニウム粉体として、水酸化アルミニウム粉体のBET比表面積や二次粒子径、充填組成、充填量等について鋭意検討した結果、特定の好ましい水酸化アルミニウム粉体及びその配合組成比を見出した。
【0023】
すなわち、本発明の水酸化アルミニウム粉体は、好ましくは、二次粒子径が35〜150μm好ましくは50〜150μm、窒素吸着法(BET法)で測定された比表面積が1.0m2/g以下好ましくは0.5m2/g以下の特徴を有する粗粒水酸化アルミニウム粉体Xと、二次粒子径が10〜35μm好ましくは10〜25μm、比表面積が1.0m2/g以下好ましくは0.8m2/g以下の特徴を有する中粒水酸化アルミニウム粉体Y、及び二次粒子径が0.5〜10μm好ましくは0.5〜8μm、比表面積が3.0m2/g以下好ましくは2.0m2/g以下の特徴を有する微粒水酸化アルミニウム粉体Zを、所定の質量配合比の範囲で配合した場合、特に樹脂充填時の粘度を低減させ、さらに熱硬化樹脂充填時の硬化時間を短くする特徴を有する。
【0024】
本発明のブルックフィールド型粘度計による35℃での粘度測定は、JIS K6901、4.4.1に準拠して行う。すなわち、同期電動機によりローターを試料中で回転させ、その粘性抵抗トルクをスプリングバランスによって測定する。具体的には、試料をJIS R 3503の500mlビーカーに入れ、試料の温度が35±0.5℃になったとき粘度計のローターを標線まで浸し、約5分間静置した後、ローターを3分間回転させて値を読みとる。使用したローターと回転数に応じて定められた乗数を測定値にかけて粘度を求める。
【0025】
本発明の樹脂硬化による粘度測定不能までの硬化時間とは、本発明の不飽和ポリエステル樹脂100重量部とメチルエチルケトンパーオキサイド2重量部を混合後、上記測定方法で粘度を測定した場合、ローターの回転が停止し、粘度測定ができなくなるまでの時間を指す。
【0026】
ここで、前記所定の質量配合比の範囲とは、例えば3元系配合の粉体の場合、粗粒水酸化アルミニウム粉体X、中粒水酸化アルミニウム粉体Y、微粒水酸化アルミニウム粉体Zを、全体を100質量%とした、別添の図1に示す三元組成図において、点α(X:Y:Z=47.5:25.0:27.5)、点β(X:Y:Z=47.5:50.0:2.5)、点γ(X:Y:Z=82.5:0.0:17.5)、点δ(X:Y:Z=72.5:0.0:27.5)の4点で囲まれ、かつ線上を含む範囲内で配合された水酸化アルミニウム粉体(以下、X:Y:Zの順で配合比を記載する。)であり、さらに好ましくは別添の図2に示す三元組成図において、点A(50.0:25.0:25.0)、点B(50.0:45.0:5.0)、点C(80.0:0.0:20.0)、点D(75.0:0.0:25.0)の4点で囲まれ、かつ線上を含む範囲内の質量配合比がよい。
【0027】
また、粘度とは、樹脂(例えば、硬化性樹脂であり不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。)100質量部に対して前記水酸化アルミニウム粉体200質量部を充填した樹脂組成物のブルックフィールド型粘度計で35℃にて測定した時の粘度(単位はポイズ)が用いられる。
【0028】
また硬化時間とは、硬化性樹脂(例えば不飽和ポリエステル樹脂)100質量部に対して該水酸化アルミニウム粉体150質量部、及びメチルエチルケトンパーオキサイド化合物等のラジカル発生剤2質量部を充填した樹脂組成物の粘度をブルックフィールド型粘度計で35℃にて測定した際、樹脂硬化によって粘度測定不能となるまでの時間で評価できる。
【0029】
本発明に用いる水酸化アルミニウムは、一般式Al23・3H2Oで示されるアルミナ3水和物であり、純度は特に限定されるものではない。
【0030】
本発明において使用される粗粒水酸化アルミニウム粉体Xは、バイヤー法にて析出させた凝集粒子であり、その二次粒子径が35〜150μm好ましくは50〜150μm、窒素吸着法(BET法)で測定された比表面積が1.0m2/g以下好ましくは0.5m2/g以下である。二次粒子径が35μmよりも小さいと、後に述べる中粒水酸化アルミニウム粉体Yと粒径が近いため、粒子配合したときの粘度低減効果が低い。二次粒子径が150μmより大きいと、樹脂に充填したときの強度が著しく低下するので好ましくない。比表面積が1.0m2/gより大きいと樹脂に充填したときの硬化時間が長くなり好ましくない。
【0031】
二次粒子径とは、水酸化アルミニウム粉体が集合して、凝集体、集合体、または結合体を形成した場合の粒子径をさす。二次粒子径の測定には通常の、ふるい分け、光学顕微鏡、コールターカウンター、レーザー散乱回折法を用いる。この中で特に、レーザー散乱回折法を用いるのが好ましい。
【0032】
本発明において使用される中粒水酸化アルミニウム粉体Yは、粗粒水酸化アルミニウム粉体Xの凝集物を、機種は特に限定されないが公知の乾式あるいは湿式粉砕機を用いて一次粒子まで解砕するか、あるいはアルミン酸アルカリ溶液に前記凝集物を添加してスラリー化した後、このスラリーを60〜90℃に昇温することによって凝集粒子を一部溶解して一次粒子まで化学的に解砕することにより得ることができる。その二次粒子径は10〜35μm、好ましくは10〜25μm、比表面積が1.0m2/g以下、好ましくは0.8m2/g以下である。二次粒子径が10μmよりも小さいと、後に述べる微粒水酸化アルミニウム粉体Zと粒径が近いため、粒子配合したときの粘度低減効果が低い。二次粒子径が35μmより大きいと、先に述べた粗粒水酸化アルミニウム粉体Xと粒径が近いため粒子配合したときの粘度低減効果が低い。また、比表面積が1.0m2/gより大きいと樹脂に充填したときの硬化時間が長くなり好ましくない。
【0033】
本発明において使用される微粒水酸化アルミニウム粉体Zは、バイヤー法で得られた粗粒水酸化アルミニウム粉体Xよりも二次粒径の小さい凝集粒子の凝集物を、機種は特に限定されないが従来公知の乾式あるいは湿式粉砕機を用いて一次粒子まで解砕するか、あるいは前記凝集物をアルミン酸アルカリ溶液に添加してスラリー化した後、このスラリーを60〜90℃に昇温することにより凝集粒子間を一部溶解し、一次粒子まで化学的に解砕して得ることができる。その二次粒子径は、0.5〜10μm好ましくは0.5〜8μm、比表面積が3.0m2/g以下好ましくは2.0m2/g以下である。二次粒子径が10μmよりも大きいと、先に述べた中粒水酸化アルミニウム粉体(Y)と粒径が近いため、粒子配合したときの粘度低減効果が低い。二次粒子径が0.5μmより小さいと、ハンドリング性が著しく悪化するため好ましくない。また、比表面積が3.0m2/gより大きいと樹脂に充填したときの硬化時間が長くなり好ましくない。
【0034】
本発明は、さらに前記特性を有する水酸化アルミニウム粉体を含んだ樹脂組成物を提供する。さらに本発明の水酸化アルミニウム粉体を含んだ樹脂組成物は、ブルックフィールド型粘度計における35℃で測定した時の粘度が200ポイズ未満であればよく、組成物には制限されない。この粘度条件を満足できる樹脂なら制限なく使用できる。
【0035】
本発明において、例えば3元系の水酸化アルミニウム粉体(X,Y,Zの3成分を含んだ粉体)を樹脂に充填する際、前述のように樹脂には制限されないが、例えば不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等、キシレンホルムアルデヒド樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等が使用される。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、人造大理石形成用樹脂組成物であることが望ましく、例えば人造大理石形成用樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種が使用される。
【0037】
水酸化アルミニウム粉体の配合方法については、エアーブレンダー、V型ブレンダー、ロッキングブレンダー、ヘンシェルミキサー等、従来公知の方法で良く、特に限定されるものではない。
【0038】
さらに本発明の水酸化アルミニウム粉体は、従来公知の方法で表面処理したものを用いても良く、その方法には限定されない。
【0039】
また、本発明は、前記水酸化アルミニウム粉体を含んだ硬化性樹脂組成物の硬化物を提供する。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれら実施例に制限されるものではない。
【0041】
[実施例1〜5]
二次粒子径84μm、比表面積0.2m2/gの粗粒水酸化アルミニウム粉体X、二次粒子径16.5μm、比表面積0.5m2/gの中粒水酸化アルミニウム粉体Y、二次粒子径5.9μm、比表面積1.6m2/gの微粒水酸化アルミニウム粉体Zの少なくとも2成分を表1に示した組成比でV型ブレンダーにて10分間ブレンドし、粒子配合水酸化アルミニウム粉体を得た。
【0042】
該粒子配合水酸化アルミニウム粉体200質量部と、市販の不飽和ポリエステル樹脂(リゴラック2004WM−2、昭和高分子(株)製)100質量部に充填し、ブルックフィールド型粘度計で35℃にて粘度を測定した。また、該粒子配合水酸化アルミニウム粉体150質量部を、市販の不飽和ポリエステル樹脂(ポリライトTP−123大日本インキ化学工業(株)製)100質量部に充填し、硬化触媒としてメチルエチメケトン化合物(トリゴノックス63、(株)化薬アクゾ製)を2質量部添加しブルックフィールド型粘度計で35℃にて粘度を継続測定し、測定開始から樹脂硬化により測定不能となるまでの時間、即ち、硬化時間を測定した。
【0043】
[比較例1〜12]
実施例1〜5と同様の少なくとも2成分を表1に示す組成比で混合した後、実施例1〜5と同様の評価を実施した。
【0044】
[比較例13]
二次粒子径16.4μm、比表面積1.4m2/gの中粒水酸化アルミニウム粉体Y2を用いた以外は実施例1と組成比、他成分ともに同様に混合した粒子配合水酸化アルミニウム粉体を用いて実施例1と同様の評価を実施した。
[比較例14]
二次粒子径6.4μm、比表面積3.2m2/gの微粒水酸化アルミニウム粉体Z2を用いた以外は実施例1と組成比、他成分ともに同様に混合した粒子配合水酸化アルミニウム粉体をもちいて実施例1と同様の評価を実施した。
【0045】
上記実施例及び比較例で使用された水酸化アルミニウム粉体(X、Y、Z)の質量組成比を図3に示した。
【0046】
【表1】
Figure 0005010072
【0047】
【発明の効果】
表1から明らかなように、特定した二次粒子径と比表面積を有する水酸化アルミニウム粉体を特定の割合で配合することにより、プラスチック、ゴムなどの樹脂に充填した際、粘度が低減し、高充填が可能となるとともに、熱硬化樹脂に充填した場合、硬化時間が非常に短く、生産性をより向上させることができる。従って本発明の示す水酸化アルミニウム粉体は、樹脂充填用に要求される特性を向上できる意味からその工業的効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例として、水酸化アルミニウム粉体に関する三元組成図を表す。
【図2】本発明の一例として、水酸化アルミニウム粉体に関する三元組成図を表す。
【図3】 実施例の一例として、水酸化アルミニウム粉体に関する三元組成図を表す。
【符号の説明】
α X:Y:Zが47.5:25.0:27.5である組成比を表す。
β X:Y:Zが47.5:50.0:2.5である組成比を表す。
γ X:Y:Zが82.5:0.0:17.5である組成比を表す。
δ X:Y:Zが72.5:0.0:27.5である組成比を表す。
A〜Q 表1に記載の各組成比を表す。

Claims (8)

  1. BET比表面積が1.0m2/g以下でありその二次粒子径が35〜150μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体X、BET比表面積が1.0m2/g以下でありその二次粒子径が10〜35μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体Y、及びBET比表面積が3.0m2/g以下でありその二次粒子径が0.5〜10μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体Zの質量組成比が、全体を100質量%とした添付の図1に示す三元組成図において、点α(X:Y:Z=47.5:25.0:27.5)、点β(X:Y:Z=47.5:50.0:2.5)、点γ(X:Y:Z=82.5:0.0:17.5)、点δ(X:Y:Z=72.5:0.0:27.5)の4点で囲まれ、かつ線上を含む質量組成比の範囲にあることを特徴とする水酸化アルミニウム粉体。
  2. BET比表面積が1.0m2/g以下でありその二次粒子径が35〜150μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体X、BET比表面積が1.0m2/g以下でありその二次粒子径が10〜35μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体Y、及びBET比表面積が3.0m2/g以下でありその二次粒子径が0.5〜10μmの範囲にある水酸化アルミニウム粉体Zの質量組成比が、全体を100質量%とした添付の図2に示す三元組成図において、点A(X:Y:Z=50.0:25.0:25.0)、点B(X:Y:Z=50.0:45.0:5.0)、点C(X:Y:Z=80.0:0.0:20.0)、点D(X:Y:Z=75.0:0.0:25.0)の4点で囲まれ、かつ線上を含む質量組成比の範囲にあることを特徴とする水酸化アルミニウム粉体。
  3. 水酸化アルミニウム粉体Xの二次粒子径が50〜150μmの範囲にあり、水酸化アルミニウム粉体Yの二次粒子径が10〜25μmの範囲にあり、水酸化アルミニウム粉体Zの二次粒子径が0.5〜8μmの範囲にある請求項1又は2に記載の水酸化アルミニウム粉体。
  4. 請求項1乃至の何れか1項に記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
  5. 樹脂組成物が、ブルックフィールド型粘度計における35℃で測定した時の粘度が200ポイズ未満であることを特徴とする請求項に記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
  6. 樹脂組成物が、人造大理石形成用樹脂組成物である請求項は5に記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
  7. 人造大理石形成用樹脂組成物の樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項に記載の水酸化アルミニウム粉体を含む樹脂組成物。
  8. 請求項に記載の樹脂組成物の硬化物
JP2001206089A 2000-07-17 2001-07-06 樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体及びそれを用いてなる樹脂組成物 Expired - Fee Related JP5010072B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001206089A JP5010072B2 (ja) 2000-07-17 2001-07-06 樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体及びそれを用いてなる樹脂組成物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000216488 2000-07-17
JP2000-216488 2000-07-17
JP2000216488 2000-07-17
JP2001206089A JP5010072B2 (ja) 2000-07-17 2001-07-06 樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体及びそれを用いてなる樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002114867A JP2002114867A (ja) 2002-04-16
JP5010072B2 true JP5010072B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=26596173

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001206089A Expired - Fee Related JP5010072B2 (ja) 2000-07-17 2001-07-06 樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体及びそれを用いてなる樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5010072B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5303945B2 (ja) * 2008-02-05 2013-10-02 日本軽金属株式会社 水酸化アルミニウム混合粉体及びその製造方法
GB2466921B (en) * 2009-01-07 2013-06-05 Tyco Electronics Ltd Uk Flame retardant material and a cable having a cable sheath composed of the same
WO2022049815A1 (ja) * 2020-09-03 2022-03-10 富士高分子工業株式会社 熱伝導性シリコーンゲル組成物、熱伝導性シリコーンシート及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0649573B2 (ja) * 1989-07-19 1994-06-29 昭和電工株式会社 人造大理石用水酸化アルミニウムとその製造方法
JP3132077B2 (ja) * 1991-08-27 2001-02-05 日本軽金属株式会社 凝集粒子の含有量が少なく粒子分布の狭い水酸化アルミニウム及びその製造方法
JPH05311059A (ja) * 1992-05-07 1993-11-22 Hitachi Chem Co Ltd 注型成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物
DE4231874A1 (de) * 1992-09-23 1994-03-24 Martinswerk Gmbh Verfahren zur Herstellung eines Aluminiumhydroxids Al(OH)¶3¶ mit abgerundeter Kornoberfläche

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002114867A (ja) 2002-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1335314C (en) Dry ground/wet ground calcium carbonate filler compositions
CN101309957B (zh) 具有均匀分布的纳米尺寸无机颗粒的聚合物组合物
US4898620A (en) Dry ground/wet ground calcium carbonate filler compositions
TW200946654A (en) Resin composition and use of the same
CN101472841A (zh) 陶瓷粉末及其用途
JP4774236B2 (ja) 水酸化マグネシウム粒子及びその製造方法及びそれを含む樹脂組成物
CN104797530B (zh) 氢氧化镁颗粒、及含有其的树脂组合物
JP5010072B2 (ja) 樹脂充填用水酸化アルミニウム粉体及びそれを用いてなる樹脂組成物
JP4745713B2 (ja) 水酸化マグネシウム粒子及びその製造方法及びそれを含む樹脂組成物
US6786964B2 (en) Fine particle of aluminum hydroxide for filling resin and resin composition using the same
US4257817A (en) Method of reducing binder demand of inorganic filler
JP2021127288A (ja) 窒化アルミニウム系フィラー
JP5944714B2 (ja) 水酸化マグネシウム粒子、及びそれを含む樹脂組成物
JP4556628B2 (ja) 板状アルミナ粒子、板状アルミナ粒子の製造方法、樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法
JP3575150B2 (ja) 樹脂充填用水酸化アルミニウムおよびそれを用いてなる樹脂組成物
CN114426704B (zh) 一种二氧化硅浆料组合物及包含其树脂组合物、预浸料和层压板
KR100435380B1 (ko) 수지 충전용 수산화 알루미늄 분체 및 그것을 이용해서 이루어진 수지 조성물
JP5877745B2 (ja) 複合金属水酸化物粒子、及びそれを含む樹脂組成物
JP7036336B2 (ja) 複合スラリーの製造方法
JP5170437B2 (ja) 軟凝集粉末の製造方法、及び無機粒子−有機ポリマー複合ペーストの製造方法
JPS6157644A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP5058537B2 (ja) 樹脂製品の製造方法
CN114316518A (zh) 制造树脂组成物的方法
JP5627862B2 (ja) 着色フレーク状物質及びその製造方法
JP3522795B2 (ja) 樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111121

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20111121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120529

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5010072

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150608

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees