JP5009592B2 - 真空ミキサー - Google Patents
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Description
そのため、製麺加工業者などの大量の麺類を製造するケースでは、いわゆる真空ミキサーと称される真空混練装置を用いて真空下で原料の混練と同時に強制的な脱気処理などを行うことでその後の熟成工程をほぼ省略することを可能としている。
この真空ミキサーは、例えば図8に示すように原料投入口10と混練物排出口20とが形成された横長筒状の真空容器30内に一対の攪拌羽根40,40をその長手方向に延びるように設けたものであり、その真空容器30の底部に設けられた混練物排出口20の下部開閉蓋50を閉じると共に、その真空容器30の頂部に設けられた原料投入口10の上部開閉蓋60を開いて小麦粉や水、食塩などの原料を投入してその上部開閉蓋60を閉じた後、図9に示すようにその上部開閉蓋60に形成されたノズル70から真空ポンプ(図示しない)によってその真空容器30内の空気を強制的に排気してその内圧を、例えば十数kPa〜80kPa程度まで減圧した状態で攪拌羽根40,40を駆動して原料を機械混練するものである。
なお、これら下部開閉蓋50および上部開閉蓋60は、それぞれの原料投入口10および混練物排出口20の近傍に設けられたヒンジ部51,61にそれぞれ回動自在に軸支されており、このヒンジ部51,61から延びる回動アーム52,62を介して接続される油圧シリンダ53,63の伸縮に対応して開閉動するようになっている。
すなわち、図示するようにこの真空容器30の原料投入口10には、これを塞ぐ上部開閉蓋60側にその縁に沿って延びる上部パッキンP1が設けられていると共に、混練物排出口20には、その縁に沿って延びる粉漏出防止パッキンP2と、さらにこれを塞ぐ下部開閉蓋50側にその縁に沿って延びる密閉用パッキンP3がそれぞれ設けられており、これらが閉じられたときに、これら各パッキンP1〜P3が押し潰されるように変形することでそれらの隙間をシールするようにしている。
そのため、この下部開閉蓋50側の密閉用パッキンP3上に混練物の一部が挟まれたり、この密閉用パッキンP3自体が経年劣化などにより亀裂や性能低下などが生じてしまうと、この部分から周囲の空気が真空容器30内に流入して所望の真空度が得られないといった問題がある。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、特に真空容器の混練物排出口20において優れた密閉性を長期に亘って発揮することができる新規な真空ミキサーを提供するものである。
真空容器底部に混練物排出口を形成すると共に、当該混練物排出口にこれを開閉する底部開閉蓋を備えた真空ミキサーであって、前記底部開閉蓋を、前記混練物排出口をその底部から塞ぐ第1蓋と、当該第1蓋全体をその底部から覆う第2蓋とで構成すると共に、前記第1蓋は、前記混練物排出口を覆う第1蓋本体と、当該第1蓋本体を前記混練物排出口の近傍を軸として回動する第1ヒンジ部と、前記混練物排出口と第1蓋本体との間を塞ぐ第1密閉用パッキンとからなり、前記第2蓋は、前記第1蓋の第1蓋本体よりも大きい第2蓋本体と、当該第2蓋本体を前記混練物排出口の近傍を軸として回動する第2ヒンジ部と、前記第2蓋本体の周縁部から前記混練物排出口側に突出した枠状の第2密閉用パッキンと、からなり、前記第2蓋の第2密閉用パッキンに、前記第1蓋の第1蓋本体と第1ヒンジ部とを連結するアーム部を回避すべく切り込み部を形成したことを特徴とする真空ミキサーである。
請求項2の発明によれば、前記第2蓋の第2密閉用パッキンの切り込み部は、外側に開いた断面V字形に形成されていることから、そのアーム部の密閉性をより高めることができる。
図1〜図6は、本発明に係る真空ミキサー100の実施の一形態であって、特にその底部の混練物排出口20付近の構造を詳しく示したものである。
すなわち、図1〜図3はこの真空ミキサー100の混練物排出口20を開いた状態から完全に閉じた状態を示す側断面図、図4はその混練物排出口20付近の構造を示す平面図、図5は図4中A部を示す部分拡大図、図6は図4中B−B線断面図である。
そして、図示するようにこの底部開閉蓋110は、この混練物排出口20をその底部から塞ぐ第1蓋120と、この第1蓋120全体をその底部から覆う第2蓋130とから構成されており、以下にこれらの構造について詳しく説明する。
また、第1ヒンジ部122は、図示しないブラケットによって真空容器30の底面側に固定されていると共に、図4に示すように、その端部には第1蓋開閉用の油圧シリンダ127が図示しない回動アームを介して伸縮自在に接続されており、この油圧シリンダ127の伸縮によって第1蓋本体121がこの第1ヒンジ部122を軸として下方に回動するようになっている。
すなわち、この第2密閉用パッキンP4は、内向きの断面L字形に形成されており、その底部が第2蓋本体131上に取り付け(貼着)られていると共に、図3に示すように閉じたときにその頂面が前記混練物排出口20であってその矩形枠部22の外周段部22bの下面側に圧接するようになっている。
すると、その第1蓋120のスペーサ124がその開口部21内に嵌め込まれるように位置すると共に、そのスペーサ124の角部周囲が、その開口部21から下側に延びる矩形枠部22に設けられた粉漏出防止パッキンP2と接触してそのスペーサ124と開口部21との隙間を塞ぐことになる。
そして、この状態から第1蓋120をさらにその開口部21側に回動すると、その矩形枠部22の先端にその第1蓋密閉用パッキンP3の上面が押し付けられてくい込むように両者が圧着することになる。
次に、このように第1蓋120によってその混練物排出口20の開口部21が密閉されたならば、図4に示す第2蓋用油圧シリンダ137を作動させて第2蓋130をそのヒンジ部132を軸として混練物排出口20側に回動させる。
これによって、第1蓋120の第1蓋本体121の全体がこの第2蓋130によって覆い隠されるように密閉されるため、仮に第1蓋120による混練物排出口20の密閉性が低下(悪化)した場合であっても常にその混練物排出口20に関して優れた密閉性を維持することができる。
また、本実施の形態に係る真空ミキサー100の他の構成は、従来と同様な構成となっている。
10…原料投入口
20…混練物排出口
21…開口部
22…矩形枠部
30…真空容器
110…底部開閉蓋
120…第1蓋
121…第1蓋本体
122…第1ヒンジ部
123…アーム部
124…スペーサ
127…第1蓋開閉用油圧シリンダ
130…第2蓋
131…第2蓋本体
132…第2ヒンジ部
133…支持アーム
135…切り込み部
136…シール部材
137…第2蓋開閉用油圧シリンダ
P1…上部パッキン
P2…粉漏出防止パッキン
P3…第1密閉用パッキン
P4…第2密閉用パッキン
Claims (2)
- 真空容器底部に混練物排出口を形成すると共に、当該混練物排出口にこれを開閉する底部開閉蓋を備えた真空ミキサーであって、
前記底部開閉蓋を、前記混練物排出口をその底部から塞ぐ第1蓋と、当該第1蓋全体をその底部から覆う第2蓋とで構成すると共に、
前記第1蓋は、前記混練物排出口を覆う第1蓋本体と、当該第1蓋本体を前記混練物排出口の近傍を軸として回動する第1ヒンジ部と、前記混練物排出口と第1蓋本体との間を塞ぐ第1密閉用パッキンとからなり、
前記第2蓋は、前記第1蓋の第1蓋本体よりも大きい第2蓋本体と、当該第2蓋本体を前記混練物排出口の近傍を軸として回動する第2ヒンジ部と、前記第2蓋本体の周縁部から前記混練物排出口側に突出した枠状の第2密閉用パッキンと、からなり、
前記第2蓋の第2密閉用パッキンに、前記第1蓋の第1蓋本体と第1ヒンジ部とを連結するアーム部を回避すべく切り込み部を形成したことを特徴とする真空ミキサー。 - 請求項1に記載の真空ミキサーにおいて、
前記第2蓋の第2密閉用パッキンの切り込み部は、外側に開いた断面V字形に形成されていることを特徴とする真空ミキサー。
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