JP5008488B2 - 金属物体検出システム - Google Patents
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また、GPSを利用した検出システムとして、GPSアンテナとGPS受信機を路面電車等の移動体に搭載して運行位置を検出するものや(例えば特許文献3参照)、GPSアンテナ等を地上に固定しておいて地殻変動を測定するものなどが挙げられる。
また、複数のGPS衛星からの電波を受信できるうえ、それぞれの電波には時刻情報や位置情報などの複数の情報が含まれているため、使用態様により、物体存知検出の判定要件としてこれらを選択することにより物体検出の精度・確度、応動時間を指定することができる。
しかしながら、従来のGPS利用システムでは、位置は測定するが、物体の有無を検出するようにはなっていなかった。
しかしながら、受信機だけでなく送信機も自前で備えなければならないので、その分だけ原価が嵩むこととなる。また、検出を確実に行うためには、送受信する電波等にID(識別符号)を付加する、あるいは変調を施すなどにより、電波等をユニークにし正規な電波等と雑音とを弁別する手段が必要である。
そこで、鉄道車両や自動車などの金属物体がGPS電波を遮断するものであることに着目して、GPSを利用することにより金属物体検出システムを簡便かつ低廉に実現することが技術課題となる。
なお、GPSアンテナとGPS受信機と判定装置は個別実装されていても良く一体的に実装されていても良い。また、金属物体は、純金属に限られる訳でなく、GPS電波を遮断しうる物であれば、金属に他の材質のものが組み合わさっていても良く、混じっていても良い。金属物体からなる検出対象物の典型例として鉄道用車両や自動車といった移動体が挙げられるが、ここでは、自力走行不能な置物などであっても持ち運びや搬送等で移設できるものであれば検出対象になりうる。
ここでは、検出対象の金属物体が移動体に限定されているが、移動体は、検出対象位置を通過するものでも良く、検出対象位置で戻るものでも良く、検出対象位置に一時停止するものであっても良い。
このように、GPSアンテナを検出対象物から外しておいてGPS電波の受信の可否に応じて金属物体の無し有り(存否)が判るようにしたことにより、電波を送信する設備を自前で備えなくても物体の有無を検出することができるので、送信設備の不要な分だけ、構成が簡素化され、原価が削減される。
また、複数のGPS衛星からの電波を受信できるうえ、それぞれの電波には時刻情報や位置情報などユニークな情報が含まれているので、この内容を判定装置が判断することにより、GPS衛星からの正規な電波と雑音とを弁別することができる。
したがって、この発明によれば、金属物体検出システムを簡便かつ低廉に実現することができる。
図1に示した実施例1は、上述した解決手段1(出願当初の請求項1)を置物検出システムとして具現化したものであり、図2に示した実施例2は、上述した解決手段2(出願当初の請求項2)を駐車検出システムとして具現化したものであり、図3に示した実施例3は、上述した解決手段3〜4(出願当初の請求項3〜4)を列車検知システムとして具現化したものである。
GPSアンテナ11は、GPS衛星から送られてくるGPS電波を受信できれば市販の汎用品で足り、実装形態もフィルム形やプレート形など任意である。
GPS受信機12は、同軸ケーブルやBNCコネクタ等でGPSアンテナ11と接続されており、GPSアンテナ11を介して得たGPS信号を処理して測位結果を出力するものであれば市販の汎用品で足りる。その出力Sには一般に時刻情報と位置情報とが含まれるが、GPS電波の受信レベルも数値か論理値で出力する受信機が使い易い。
置物検出システム10は、そのような置物15の存否を検出するため、少なくともGPSアンテナ11が置物15の北側で斜め下方のところに設置される。そこはGPS衛星16からのGPS電波17が置物15によって遮られてGPSアンテナ11まで届かないところの典型例であるが、その電波遮断条件を満たせば他の箇所に設置しても良い。置物15の下に十分な空きや隙間があれば、そこに設置しても良い。
設置後、置物検出システム10が稼動すると、GPSアンテナ11の先に置物15が存在している間は、GPS電波17が置物15によって遮られてGPSアンテナ11には届かないことから、GPS電波17の受信がなされないので、それを反映したGPS受信機12の出力Sに基づき判定装置13によって置物15が存在していると判断され、それに対応して発報用スピーカ14は静まり続ける。
こうして、置物検出システム10にあっては、置物15の存否が随時検出され、置物15が無くなったときにはそのことがアラーム音によって通報される。
駐車管理装置21は、例えばコンピュータやシーケンサを主体とした演算装置・制御装置からなり、駐車場全体の管理を担うために、単一の又は複数の駐車検出システム20から判定結果を入力して駐車区画ごとに駐車時間を計測するとともに、その駐車時間やキー操作による入力データなどに基づいて料金算出や,金銭収受,ゲート開閉制御なども行うようになっている。
そうこうするうちに、何れかの駐車区画23に自動車が駐車すると、その駐車区画23では、自動車によってGPS電波が遮られてGPSアンテナ11で受信できなくなるので、対応する判定装置13によって駐車「有り」の判定(すなわち自動車が存在するとの判定)が出され、駐車管理装置21によって駐車時間の計測が開始される。
こうして、駐車検出システム20にあってはGPSアンテナ11設置先の駐車区画23における駐車の有無が随時検出される。また、それを入力した駐車管理装置21によって駐車時間が計測され、さらには料金算出などの処理も行われる。
電波反射体31は、上空のGPS衛星から地上へ送られてきたGPS電波を反射するものであり、反射波を水平方向か斜め上向きに送れるものが使い易い。コストの安い金属製平板のものでも良いが、GPS電波を集束させたい場合にはパラボラアンテナのような凹面形状のものを用いると良い。これは、本体11〜13から分離して設置されるので、高さ調整や迎角調整の可能な支柱が装備されているのが好ましい。
無線機33は、判定装置13の判定結果を中央装置や中継器へ無線で送信できれば安価な市販品で足り、例えば、近距離通信に適した特定小電力無線の規格に適合したものでも良く、それより長距離にも使える業務無線の規格に適合したものでも良い。
GPSアンテナ11と電波反射体31は、レール34の両脇に分かれて対向する状態で配置される。電波遮蔽体32は、GPSアンテナ11の少なくとも上方を覆うところに設けられる。GPSアンテナ11と電波反射体31の設置高さは、レール34より上方であり、さらに列車35の底と天井との間であって窓を避けたところに設定される。
そして、列車検知システム30が稼動すると、列車35が進入して来るまでは、上空から降りてきて電波反射体31に当たったGPS電波17が、そこで反射されて横に向きを変え、GPSアンテナ11に到達する。また、その受信成功に対応して判定装置13によって列車「無し」の判定が出され、その通知が無線機33を介して遠隔地に届けられる。
さらに、列車35が走り去った時には電波反射体31からGPSアンテナ11へGPS電波17が再び到達するので、GPS電波17の受信成功に対応して判定装置13から列車「無し」の判定が出され、その通知が無線機33を介して遠隔地に届けられる。
こうして、列車検知システム30にあっては、列車35の去来が随時検出されるので、遠隔地での走行監視や線路工事の現場への警報などに役立てることができる。
上記実施例では、GPSアンテナとGPS受信機と判定装置とが別体になっていて有線接続されていたが、これらは実装に際して適宜一体化しても良く無線接続しても良い。例えば、GPSアンテナ及びGPS受信機としてGPS機能を備えた携帯電話を採用して、金属物体を検出したい位置に携帯電話を置き、その検出結果を携帯電話の通信機能により遠隔地の判定装置に通知するようにしても良い。
また、地上側に設置するGPSアンテナの有効面積を変えることにより、あるいはGPSアンテナと検出対象の金属物体の最接近面との離隔距離を変えることにより、検出対象物体の大きさを変えることができる。
上記実施例1では、置物15が存在していないときに発報用スピーカ14からアラーム音が出力されるようになっているが、逆にすることもできる。
11…GPSアンテナ、12…GPS受信機、13…判定装置、
14…発報用スピーカ、15…置物(金属物体)、
16…GPS衛星、17…GPS電波、
20…駐車検出システム(金属物体検出システム)、
21…駐車管理装置、22…移動経路、23…駐車区画、
30…列車検知システム(金属物体検出システム)、
31…電波反射体、32…電波遮蔽体、33…無線機、
34…レール(軌道)、35…列車(金属物体)
Claims (2)
- GPS電波を受信するためのGPSアンテナと、このアンテナを介して得たGPS信号を処理して測位結果を出力するGPS受信機と、この受信機の出力に基づいて電波受信の成否を判別したうえで電波受信成功時には金属物体が存在していないと判断し電波受信失敗時には金属物体が存在していると判断する判定装置とを備えている金属物体検出システムであって、
GPS電波を反射する電波反射体が設けられるとともに、この電波反射体と前記GPSアンテナとが金属物体の移動経路の両脇に対向配置されて、金属物体の到来時には前記電波反射体から前記GPSアンテナへのGPS電波が遮られ、金属物体が去った時には前記電波反射体から前記GPSアンテナへGPS電波が到達するようになっていることを特徴とする金属物体検出システム。 - 上空から前記GPSアンテナへのGPS電波は遮蔽するが前記電波反射体から前記GPSアンテナへのGPS電波は遮蔽しない電波遮蔽体を備えたことを特徴とする請求項1記載の金属物体検出システム。
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