JP5007544B2 - 有機半導体素子用基板、有機トランジスタ付基板、および、これらが用いられた有機半導体素子 - Google Patents

有機半導体素子用基板、有機トランジスタ付基板、および、これらが用いられた有機半導体素子 Download PDF

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本発明は、有機半導体素子に用いられる有機半導体素子用基板、有機トランジスタ付基板、および、これらが用いられた有機半導体素子に関するものである。
TFTに代表される半導体トランジスタは、近年、ディスプレイ装置の発展に伴ってその用途を拡大する傾向にある。このような半導体トランジスタは、半導体材料を介して電極が接続されていることにより、スイッチング素子としての機能を果たすものである。
従来、上記半導体トランジスタに用いられる半導体材料としては、シリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)、および、インジウムガリウム砒素(InGaAs)などの無機半導体材料が用いられてきた。このような無機半導体材料が用いられた半導体トランジスタは、近年、普及が拡大している液晶表示装置のディスプレイ用TFTアレイ基板等にも用いられている。
一方、上記半導体材料としては、有機化合物からなる有機半導体材料も知られている。有機半導体材料は、上記無機半導体材料に比べて安価に大面積化が可能であり、フレキシブルなプラスチック基板上に形成できるという利点を有する。さらに機械的衝撃に対して安定であるという利点も有している。このため、有機半導体材料が用いられた有機トランジスタは、電子ペーパーに代表されるフレキシブルディスプレイ等の、次世代ディスプレイ装置への応用などを想定した研究が活発に行われている。
ところで、上記有機半導体材料は、上述したような利点を有する反面、他の化合物との作用や、空気中の水分や酸素に曝露されること等によって、破壊されたり、経時でその半導体としての性質が損なわれやすいという面を有している。これは、有機半導体材料に顕著に現れる問題である。したがって、上記有機半導体材料が用いられた有機トランジスタを、ディスプレイ装置等において実用化するに際しては、このような有機半導体材料の経時劣化を防止することが必須の技術的課題となっている。
このような状況において、特許文献1および特許文献2には上記有機半導体材料からなる有機半導体層上にパッシベーション層を形成することにより、有機半導体材料の経時劣化を防止する技術が開示されている。
しかしながら、このようなパッシベーション層を形成したとしても、なお、上記有機半導体材料の経時劣化を十分に防止できるには至っていない。また、上述したように上記有機半導体材料は、他の化合物との作用によってもその半導体としての性質が損なわれる場合があるため、特許文献1のように、有機半導体層上にパッシベーション層を形成すると、パッシベーションの膜応力により有機半導体層が破壊されたり、あるいは、パッシーション層を形成する工程において上記有機半導体層に高温がかかることにより、有機半導体層の半導体性能の劣化を引き起こすという問題点がある。さらに、上記パッシベーション層は、上記有機半導体層に接することになるため、これが原因で有機半導体材料が破壊されたり、経時でその半導体としての性質が損なわれるという問題点もある。
このようなことから、上記有機半導体が用いられた有機トランジスタは、その有用性が認知されていながらも、性能の経時安定性に優れたものを得ることが困難であるという問題点があった。
特開2004-247343号公報 特開平8−306955号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、有機トランジスタが用いられた有機半導体素子であって、性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することが可能な、有機半導体素子用基板および有機トランジスタ付基板を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成された透明電極と、上記透明電極上に形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部とを有することを特徴とする有機半導体素子用基板を提供する。
本発明によれば、例えば、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を製造する際に、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部内に有機トランジスタが収まるような構成にすることにより、有機トランジスタが他の化合物と接触すること等によって破壊されたり、経時劣化することを防止できる。このため、本発明の有機半導体素子用基板によれば、性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができる。
また本発明は、上記本発明に係る有機半導体素子用基板、および、基板と、上記基板上に形成された有機トランジスタと、を有するトランジスタ側基板を有する有機半導体素子であって、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部内に上記有機トランジスタが収まるように、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板とが対向配置されていることを特徴とする有機半導体素子を提供する。
本発明によれば、上記有機トランジスタが上記有機トランジスタ保護用隔壁部の上記開口部内に収まるように、上記有機半導体素子用基板と上記トランジスタ側基板とが対向配置されていることにより、上記有機トランジスタが他の化合物と接触すること等によって経時劣化してしまうことを防止できる。このため、本発明によれば性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を得ることができる。
また、上記課題を解決するために本発明は、基板と、上記基板上に形成された複数の有機トランジスタと、上記基板上に上記有機トランジスタを囲うように形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部とを有することを特徴とする有機トランジスタ付基板を提供する。
本発明によれば、上記有機トランジスタが上記有機トランジスタ保護用隔壁部に囲われていることにより、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて有機半導体素子を製造する際に、上記有機トランジスタ隔壁部の開口部は、対向する基板によって塞がれることになる。このため、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造した有機半導体素子においては、上記有機トランジスタが他の化合物と接触すること等によって経時劣化してしまうことを防止できる。
このようなことから、本発明の有機トランジスタ付基板によれば性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができる。
また本発明は、上記本発明に係る有機トランジスタ付基板、および、基板と、上記基板上に形成された透明電極とを有する対向基板を有する有機半導体素子であって、上記対向基板によって上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部が塞がれるように、上記有機トランジスタ付基板と、対向基板とが対向配置されていることを特徴とする有機半導体素子を提供する。
本発明によれば、上記対向基板によって上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部が塞がれるように、上記有機トランジスタ付基板と、対向基板とが対向配置されていることにより、上記有機トランジスタが他の化合物と接触すること等によって経時劣化してしまうことを防止できる。このため、本発明によれば性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を得ることができる。
上記本発明に係る有機半導体素子は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されていることが好ましい。上記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されていることにより、上記有機トランジスタが空気中の酸素や水分に曝露されることによって経時劣化することを防止できるからである。
本発明の有機半導体素子用基板および有機トランジスタ付基板は、有機トランジスタが用いられた有機半導体素子であって、性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができるという効果を奏する。
本発明は、有機半導体素子用基板、有機トランジスタ付基板、および、有機半導体素子に関するものである。
以下、本発明の有機半導体素子用基板、有機トランジスタ付基板、および、有機半導体素子について順に説明する。
A.有機半導体素子用基板
まず、本発明の有機半導体素子用基板について説明する。本発明の有機半導体素子用基板は、基板と、上記基板上に形成された透明電極と、上記透明電極上に形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の有機半導体素子用基板について図を参照しながら説明する。図1は本発明の有機半導体素子用基板の一例を示す概略図である。ここで、図1(a)は、本発明の有機半導体素子用基板の一例を示す概略図あり、図1(b)は、上記図1(a)におけるX−X’線矢視断面図である。
図1(a)、(b)に例示するように、本発明の有機半導体素子用基板10は、基板1と、上記基板1上に形成された透明電極2と、上記透明電極2上に形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部3とを有するものである。
本発明によれば、例えば、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を製造する際に、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部内に有機トランジスタが収まるような構成にすることにより、有機トランジスタが他の化合物と接触すること等によって経時劣化してしまうことを防止できる。このため、本発明の有機半導体素子用基板によれば、性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができる。
ここで、本発明の有機半導体素子用基板を用いることにより、性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができる理由について、より具体的に説明する。
本発明の有機半導体素子用基板は、通常、基板と、上記基板上に形成された複数の有機トランジスタを有するトランジスタ側基板と対向配置することによって有機半導体素子を製造するために用いられるものである。
本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を製造する代表的な方法について図を参照しながら説明する。図2は本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を製造する方法の一例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を製造する場合、本発明の有機半導体素子用基板10と、基板31と、上記基板31上に形成された複数の有機トランジスタ32とを有するトランジスタ側基板30を用い(図2(a))、上記有機半導体素子用基板10の有機トランジスタ保護用隔壁部3の開口部内に、上記有機トランジスタ32が収まるように、上記有機半導体素子用基板10と、有機トランジスタ付基板30とを減圧雰囲気下において対向配置し、その後、大気圧雰囲気に戻すことにより有機半導体素子40Aを製造する方法が用いられる(図2(b))。
こうして製造された有機半導体素子40Aは、上記有機トランジスタ保護用隔壁部3の開口部の内側に、上記有機トランジスタ32が収納された状態となる。このため、本発明の有機半導体素子10を用いて製造した有機半導体素子40Aにおいては、有機トランジスタ32に他の化合物が接触すること等によって、経時で性能が損なわれてしまうことを防止できる。
したがって、例えば、図3に例示するように、上記有機半導体素子用基板10と、上記トランジスタ側基板30との間に液晶材料41を充填することにより、上記有機半導体素子40Aを用いて液晶表示素子を作製した場合であっても、上記有機トランジスタ32に液晶材料41が接することにより、上記有機トランジスタの性能が経時で損なわれしまうことを防止することができる。
このようなことから、本発明の有機半導体素子用基板によれば、性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができる。
本発明の有機半導体素子用基板は、少なくとも基板、透明電極、および、有機トランジスタ保護用隔壁部を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の有機半導体素子用基板に用いられる各構成について順に説明する。
1.有機トランジスタ保護用隔壁部
まず、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部について説明する。本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部は、後述する透明電極上に形成されるものであり、開口部を有する枠状の形状を有するものである。また、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部は、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子において、有機トランジスタが経時劣化することを防止する保護機能を有するものである。さらに、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部は、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子において、本発明の有機半導体素子用基板に対向するように配置される基板との間隔を制御する機能を有するものである。
以下、このような有機トランジスタ保護用隔壁部について詳細に説明する。
本発明の有機半導体素子用基板において、後述する透明基板上に有機トランジスタ保護用隔壁部が形成される位置としては、後述する透明電極上であって、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を製造する際に、有機トランジスタが有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部内に収まる位置であれば特に限定されるものではない。
なお、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を製造する際に、各有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部の内側に収納される有機トランジスタの数は、1つであってもよく、または、複数であってもよい。
また、本発明の有機半導体素子用基板において、単位面積当たりに形成されている有機トランジスタ保護用隔壁部の数としては、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造する際に、すべての有機トランジスタを保護することができ、かつ、有機半導体素子の種類および大きさ等に応じて、対向する基板との間隔を所望の範囲内にできる範囲であれば特に限定されるものではない。
なお、本発明においては、通常、複数の有機トランジスタ保護用隔壁部が等間隔に配置される。
また、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部の高さは、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子において、上記有機半導体素子用基板と、対向する基板との間隔に相当するものになる。このため、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の高さは、上記間隔として好ましい高さにすればよく、特に限定されるものではない。
例えば、本発明の有機半導体素子用基板を強誘電性液晶を用いた液晶表示装置を作製するために用いる場合、上記高さは0.5μm〜2.5μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。また、強誘電性液晶ではなく、他の液晶が用いられた液晶表示装置を作製するために用いる場合、上記高さは2μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、なかでも5μm〜7μmの範囲内であることが好ましい。さらに、本発明の有機半導体素子用基板を電子ペーパーを作製するために用いる場合、上記高さは、10μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、特に30μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部の形状としては、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を作製する際に、有機トランジスタをその内側に納めることができる程度の開口部を有する枠状の形状であれば特に限定されるものではない。このような形状としては、四角形等の多角形であってもよく、または、円形であってもよい。
また、本発明においては形状の異なる複数種類の有機トランジスタ保護用隔壁部が用いられていてもよい。
さらに、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部が形成されている態様としては、上記開口部を有する枠状の部位を有するように形成されている態様であれば特に限定されるものではない。したがって、上記有機トランジスタ保護用隔壁部が形成されている態様としては、例えば、図1(a)に例示したように、枠状のものが個別に形成されている態様であってもよく、または、例えば、図4(1)〜(3)に例示するように、複数の有機トランジスタ保護用隔壁部が一体となって形成されている態様であってもよい。
ここで、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部が、複数の有機トランジスタ保護用隔壁部が一体となって形成されている態様の具体例としては、液晶材料の配列状態を規制するリブ等の他の部材の一部として形成されている態様を挙げることができる。
本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部の内側の面積としては、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を作製する際に、有機トランジスタを開口部の内側に収納できる範囲であれば特に限定されるものではなく、上記有機トランジスタの大きさ等に応じて、適宜決定すればよい。
このような本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部は、例えば、2P(Photo Polymerization)法、フォトリソグラフィー法等の公知の方法により形成することができる。2P法では、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のモノマー、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシ、ビニルエーテル、ポリエン・チオール系等のオリゴマー、光二量化反応を起こすポリビニル桂皮酸系樹脂等の光架橋型ポリマー等を基材上に塗布し、有機トランジスタ保護用隔壁部形成用の原版を塗布膜に圧着した状態で紫外線を照射して硬化させ、その後、原版を剥離することにより有機トランジスタ保護用隔壁部を形成することができる。
また、フォトリソグラフィー法では、上述の2P法で例示したような材料を基材上に塗布し、有機トランジスタ保護用隔壁部形成用の所望のフォトマスクを介して塗布膜を露光した後、現像することにより有機トランジスタ保護用隔壁部を形成することができる。
なお、上記の(メタ)アクリレートとは、アクリレートあるいはメタクリレートを意味するものとする。
2.透明電極
次に、本発明に用いられる透明電極について説明する。本発明に用いられる透明電極は、後述する基板上に形成されたものである。また、本発明に用いられる透明電極は、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造した有機半導体素子をディスプレイ装置に用いる場合に、各画素の発光強度を制御する電極として機能するものである。
本発明に用いられる透明電極を構成する材料としては、所望の透明性と導電性とを備えるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。なかでも本発明においては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)からなる透明電極が好適に用いられる。
3.基板
次に、本発明に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は上記透明電極および上記有機トランジスタ保護用隔壁部を支持するものである。
以下、このような基板について詳細に説明する。
本発明の有機半導体素子用基板としては、所望の透明性を備えるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる基板は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子をディスプレイ装置に用いた場合に、表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、基板の透過率は、JIS K7361−1(プラスチックー透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明に用いられる基板は、ガラス基板等の可撓性を有さないリジッド基板であってもよく、または、樹脂製フィルム基材等の可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。なかでも本発明においてはフレキシブル基板を用いることが好ましい。フレキシブル基板を用いることにより、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子をフレキシブルディスプレイ装置の製造に用いることが可能となるからである。また、フレキシブル基板を用いることにより、本発明の有機半導体素子用基板をRoll to Rollプロセスによって製造することが可能となるという利点もあるからである。
上記樹脂製フィルム基材としては、例えば、ポリエチレンレテフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)等の熱可塑性プラスチックフィルム、エポキシ樹脂等の架橋性樹脂、有機-無機複合材料、ポリイミド(PI)、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリルニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、三酢酸セルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等からなるフィルムを挙げることができる。
本発明に用いられる基板の構成は、単一の層からなる構成であってもよく、または、複数の層が積層された構成であってもよい。また、複数の層が積層された構成を有する場合においては、同一組成の層が積層された構成であってもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層された構成であってもよい。
また、本発明に用いられる基板の厚みは、通常、0.01mm〜3mmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.25mm〜2mmの範囲内であることが好ましく、特に0.1mm〜1mmの範囲内であることが好ましい。
なお、本発明に用いられる基板が複数の層が積層された構成を有するものである場合、上記厚みは各層の厚みを合計した基板全体としての厚みを指すものとする。
また、本発明に用いられる基板は、表面粗さ(RSM値)が、10nm以下であることが好ましく、なかでも3nm以下であることが好ましく、特に1nm以下であることが好ましい。
ここで、上記表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM:ATOMIC FORCE MICROSCOPE)またはレーザー干渉形式形状測定機により測定することができる。
4.その他の構成
本発明の有機半導体素子用基板は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部、透明電極、および、基板以外に他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造する有機半導体素子の用途等に応じて任意の機能を備える構成を用いることができる。
なかでも本発明に好適に用いられる他の構成としては、上記基板と上記透明電極との間に形成され、複数の着色層を有するカラーフィルター層、上記透明電極上に形成され、液晶材料に対して配向規制力を有する配向層、および、上記透明電極上に形成されるスペーサー部を挙げることができる。
以下、このようなカラーフィルター層、配向層、および、スペーサー部について順に説明する。
(1)カラーフィルター層
まず、上記カラーフィルター層について説明する。本発明に用いられるカラーフィルター層は、上記基板と上記透明電極との間に形成され、複数の着色層を有するものである。このようなカラーフィルター層を有することにより、本発明の有機半導体素子用基板を用いて、カラーフィルター方式の液晶表示装置に好適に用いられる有機半導体素子を製造することができる。
本発明の有機半導体素子用基板に上記カラーフィルター層が形成されている態様について図を参照しながら説明する。図5は、本発明の有機半導体素子用基板に上記カラーフィルター層が形成されている場合の一例を示す概略図である。図5に例示するように、本発明の有機半導体素子用基板10’は、基板1と透明電極2との間に、複数の着色層4a(4a’、4a’’、4a’’’)を有するカラーフィルター層4が形成されているものであってもよい。
なお、図5に例示するように、本発明の有機半導体素子用基板10’にカラーフィルター層4が形成されている場合、通常、有機トランジスタ保護用隔壁部3は上記着色層4a’、4a’’、4a’’’の境界上に形成されることになる。
また、図5に例示するように、本発明に用いられるカラーフィルター層4は、上記着色層4aを覆うようにオーバーコート層4bが形成されているものであってもよい。
以下、このようなカラーフィルター層について詳細に説明する。
a.着色層
本発明に用いられるカラーフィルター層が有する着色層としては、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造する有機半導体素子の用途に応じて、所望の色を発色できるものであれば特に限定されるものではない。このような着色層としては、一般的に液晶表示装置用のカラーフィルターに用いられている各色の着色層を用いることができる。なかでも本発明においては、通常、R、G、Bの3色からなる複数の着色層が用いられる。
また、本発明に用いられる着色層は、通常、複数色が規則的に配置されるようにパターン状に形成される。本発明に採用されるパターンは特に限定されるものではなく、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造する有機半導体素子の用途等に応じて適宜選択することができる。このようなパターンとしては、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型および4画素配置型等を挙げることができる。このとき、個々の着色層の面積および厚みは、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造する有機半導体素子の解像度等に応じて適宜調整することになる。
なお、上記着色層の構成成分としては、各着色層に所望の発色性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような着色層を構成する材料としては、一般的なカラーフィルターの着色層に用いられるものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
b.カラーフィルター層
本発明に用いられるカラーフィルター層は、少なくとも上述した着色層を有するものであるが、必要に応じて上記着色層以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造する有機半導体素子の用途等に応じて任意の機能を備えるものを用いることができる。なかでも本発明においては、このような他の構成として上述した着色層の境界に形成される遮光部を有することが好ましい。このような遮光部を有することにより、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造した有機半導体素子において、有機トランジスタに光が照射されることによって誤作動が起こることを防止できるからである。
本発明に用いられるカラーフィルター層がこのような遮光部を有する場合について図を参照しながら説明する。図6は、本発明に用いられるカラーフィルター層が上記遮光部を有する場合の一例を示す概略図である。図6に例示するように、本発明に用いられるカラーフィルター層4’は、着色層4a’、4a’’、4a’’’の境界に遮光部4cが形成されているものであることが好ましい。
本発明に用いられる遮光部としては、所望の遮光性を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な液晶表示装置用のカラーフィルターの遮光部に用いられる材料を用いることができる。このような材料としては、例えば、遮光材料および樹脂からなる材料、または、クロム等の金属材料を挙げることができる。
また、本発明に用いられるカラーフィルター層は、上記着色層を覆うようにオーバーコート層が形成されているものであってもよい。ここで、本発明に用いられるオーバーコート層については、一般的な液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターに用いられているものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
(2)配向層
次に、本発明に用いられる配向層について説明する。本発明に用いられる配向層は、上記透明電極上に形成されるものであり、液晶材料に対して配向規制力を有するものである。このような配向層が形成されていることにより、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子を、液晶表示装置に好適に用いられるものにできる。
本発明の有機半導体素子用基板が上記配向層を有する場合について図を参照しながら説明する。図7は本発明の有機半導体素子用基板が上記配向層を有する場合の一例を示す概略図である。図7に例示するように、本発明の有機半導体素子用基板10’’は、有機トランジスタ保護用隔壁部3および透明電極2上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層5を有するものであってもよい。
以下、このような配向層について詳細に説明する。
本発明の有機半導体素子用基板において上記配向層が形成されている態様としては、上記透明電極上であり、かつ、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を作製した際に、当該配向層の配向規制力により液晶材料を配列させることができる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、上記図7に示したように、上記透明電極2上および上記有機トランジスタ保護用隔壁部3上に形成されている態様であってもよく、または、図8に示すように、透明電極2上であって、有機トランジスタ保護用隔壁部3の間に形成されている態様であってもよい。
本発明に用いられる配向層としては、液晶材料に対して配向規制力を有するものであれば特に限定されるものではない。このような配向層としては、ポリイミド等の高分子材料にラビング処理を施したラビング膜や、光異性化型化合物または光反応型化合物等を含有する光配向材料に光配向処理を施した光配向膜等を挙げることができる。なかでも本発明に用いられる配向層は、上記配向処理膜として光配向膜が用いられたものであることが好ましい。光配向膜は、非接触で配向処理を行うことが可能であることから静電気や塵の発生がなく、定量的な配向処理の制御ができる点で有用であるからである。
なお、本発明に用いられる上記ラビング膜および上記光配向膜については、一般的に液晶表示装置に用いられるラビング膜および光配向膜として公知のものを用いることができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
また、本発明に用いられる配向層は、上記ラビング膜または光配向膜上に反応性液晶を固定化してなる反応性液晶層が形成された構成を有するものであってもよい。本発明に用いられる配向層が、このような反応性液晶層が形成された構成を有するものであることにより、例えば、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子を、強誘電性液晶を用いた液晶表示装置に用いる場合に、上記強誘電性液晶の配向安定性を向上することができるからである。
本発明に用いられる反応性液晶層としては、例えば、モノアクリレートモノマー、ジアクリレートモノマー等の重合性液晶モノマーを重合されてなるもの等を挙げることができる。
(3)スペーサー部
次に、本発明に用いられるスペーサー部について説明する。本発明に用いられるスペーサー部は、上記透明電極上に形成されるものである。また、本発明に用いられるスペーサー部は、本発明の有機半導体素子用基板を用いて製造される有機半導体素子において、上記有機半導体素子用基板と、当該有機半導体素子用基板に対向して配置される基板との間隔を均一に保持する機能を有するものである。
本発明の有機半導体素子用基板に上記スペーサー部が形成されている場合について図を参照しながら説明する。図9は、本発明の有機半導体素子用基板に上記スペーサー部が形成されている場合の一例を示す概略図である。ここで、図9(a)は、本発明の有機半導体素子用基板にスペーサー部が形成されている場合の一例を示す概略図であり、図9(b)は、上記図9(a)におけるY−Y’線矢視断面図である。
図9(a)に例示するように本発明の有機半導体素子用基板10’’’は、上記透明電極2上にスペーサー部6が形成されているものであってもよい。
また、図9(b)に例示するように、本発明の有機半導体素子用基板10’’’にスペーサー部6が形成されている場合、上記スペーサー部6は、通常、有機トランジスタ保護用隔壁部3と同一の高さに形成される。
本発明に用いられるスペーサー部としては、上述した機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置においてセルギャップを調整するために用いられるスペーサーを用いることができる。このようなスペーサー部としては、例えば、壁状スペーサー、柱状スペーサー、および、ビーズと樹脂材料とを含有するビーズ含有スペーサー等からなるものを挙げることができる。本発明においては、これらのいずれのスペーサーからなるスペーサー部であっても好適に用いることができるが、なかでも壁状スペーサー、または、柱状スペーサーからなるスペーサー部を用いることが好ましい。上記ビーズスペーサーは、配置される位置を制御することが困難であるため、例えば、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を作製した際に、画像表示に寄与する画素領域にスペーサー部が配置されてしまい、その結果として上記有機半導体素子の表示品質が損なわれる恐れがある。しかしながら、上記壁状スペーサーおよび柱状スペーサーは、形成される位置を制御することが可能であるためこのような問題が少ないからである。
上記の壁状スペーサーおよび上記柱状スペーサーからなるスペーサー部の形成方法としては、所定の形状のスペーサー部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記「1.有機トランジスタ保護用隔壁部」の項に記載した、有機トランジスタ保護用隔壁部の形成方法と同様の方法を用いることができる。
なお、本発明に用いられるスペーサー部は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部と一体に形成されているものであってもよい。また、本発明に用いられるスペーサー部は、通常、上記有機トランジスタ保護用隔壁部と同じ高さに形成される。
4.有機半導体素子用基板の製造方法
次に、本発明の有機半導体素子用基板の製造方法について説明する。本発明の有機半導体素子用基板の製造方法としては、上記構成を有する有機半導体素子用基板を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような製造方法としては、例えば、上記基板を用い、上記基板上に透明電極を形成する透明電極形成工程と、上記透明電極上に上記有機トランジスタ保護用隔壁部を形成する有機トランジスタ保護用隔壁部形成工程とからなる方法を例示することができる。
上記透明電極形成工程において上記基板上に透明電極を形成する方法としては、所望の材料からなる透明電極を均一な膜厚で形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、CVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の、一般的に液晶表示装置に用いられる透明電極を形成する際に用いられる方法として公知の方法を用いることができる。
また、上記有機トランジスタ保護用隔壁部形成工程において、上記透明電極上に有機トランジスタ保護用隔壁部を形成する方法としては、所定の位置に所望の形状を有する有機トランジスタ保護用隔壁部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、リソグラフィー法や転写法等の一般的に液晶表示装置を製造する際に壁状または柱状スペーサーを形成するために用いられる方法を用いることができる。
なお、上記有機トランジスタ保護用隔壁部形成工程は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部と、上記有機トランジスタ保護用隔壁部と同一材料からなるスペーサー部を同時に形成するものであってもよい。
B.有機トランジスタ付基板
次に、本発明の有機トランジスタ付基板について説明する。本発明の有機トランジスタ付基板は、基板と、上記基板上に形成された複数の有機トランジスタと、上記基板上に、上記有機トランジスタを囲うように形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の有機トランジスタ付基板について図を参照しながら説明する。図10は、本発明の有機トランジスタ付基板の一例を示す概略図である。ここで、図10(a)は、本発明の有機トランジスタ付基板の一例を示す概略図であり、図10(b)は上記図10(a)におけるx−x’線矢視断面図である。
図10(a)、(b)に例示するように、本発明の有機トランジスタ付基板20は、基板21と、上記基板21上に形成された、複数の有機トランジスタ22と、上記基板21上に、上記有機トランジスタ22を囲うように形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部23とを有するものである。
本発明によれば、上記有機トランジスタが上記有機トランジスタ保護用隔壁部に囲われていることにより、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて有機半導体素子を製造する際に、上記有機トランジスタ隔壁部の開口部は、本発明の有機トランジスタ付基板に対向して配置される基板によって塞がれることになる。このため、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造した有機半導体素子においては、上記有機トランジスタが、他の化合物と接触すること等によって経時劣化してしまうことを防止できる。
このようなことから、本発明の有機トランジスタ付基板によれば性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができる。
本発明の有機トランジスタ付基板を用いることにより、性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができる理由についてより具体的に説明する。
本発明の有機トランジスタ付基板は、通常、基板と、上記基板上に形成された透明電極を有する対向基板と対向配置することによって、有機半導体素子を製造するために用いられるものである。
本発明の有機トランジスタ付基板を用いて有機半導体素子を製造する代表的な方法について図を参照しながら説明する。図11は本発明の有機トランジスタ付基板を用いて有機半導体素子を製造する方法の一例を示す概略図である。図11に例示するように、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて有機半導体素子を作成する場合、本発明の有機トランジスタ付基板20、および、基板51と、上記基板51上に形成された透明電極52とを有する対向基板50を用い(図11(a))、上記有機トランジスタ付基板20が有する有機トランジスタ保護用隔壁部23の開口部が、上記透明基板50によって塞がれるように、上記有機トランジスタ付基板20と、上記透明基板50とを減圧雰囲気下において対向配置し、その後、大気圧雰囲気に戻すことにより有機半導体素子40Bを製造する方法が用いられる(図11(b))。
こうして製造された有機半導体素子40Bは、上記有機トランジスタ保護用隔壁部23の開口部の内側に、上記有機トランジスタ22が密封された状態となる。このため、本発明の有機トランジスタ付基板20を用いて製造した有機半導体素子40Bは、有機トランジスタ22に他の化合物が接触すること等によって、経時で性能が損なわれてしまうことを防止できる。
このようなことから、本発明の有機トランジスタ付基板によれば、性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を製造することができる。
本発明の有機トランジスタ付基板は、少なくとも基板、有機トランジスタ、および、有機トランジスタ保護用隔壁部を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の有機トランジスタ付基板に用いられる各構成について詳細に説明する。
1.有機トランジスタ保護用隔壁部
まず、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部について説明する。本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部は、後述する基板上に、有機トランジスタを囲うように形成されるものであり、開口部を有する枠状の形状を有するものである。また、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部は、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造された有機半導体素子において有機トランジスタが経時劣化することを防止する保護機能を有するものである。さらに、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部は、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造される有機半導体素子において、本発明の有機トランジスタ付基板に対向するように配置される基板との間隔を制御する機能を有するものである
以下、このような有機トランジスタ保護用隔壁部について詳細に説明する。
本発明の有機トランジスタ付基板において、有機トランジスタ保護用隔壁部が形成されている態様としては、後述する有機トランジスタの周囲を囲うように形成されている態様であれば特に限定されるものではない。このような形成態様としては、後述する有機トランジスタ毎に、個別に有機トランジスタ保護用隔壁部が形成されている態様であってもよく、または、複数の有機トランジスタ保護用隔壁部が一体となって形成されている態様であってもよい。
本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部が、複数の有機トランジスタ保護用隔壁部が一体となって形成されている態様の具体例としては、液晶材料の配列状態を規制するリブ等の他の部材の一部として形成されている態様を挙げることができる。
また、本発明の有機トランジスタ付基板においては、後述する有機トランジスタのすべてが有機トランジスタ保護用隔壁部によって囲われていることが好ましい。したがって、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部の個数は、本発明における有機トランジスタの数等に応じて、適宜決定すればよい。
また、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部の高さは、後述する有機トランジスタの高さよりも高ければ特に限定されるものではない。また、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の高さは、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造される有機半導体素子において、上記有機半導体素子用基板と対向する基板との間隔に相当するものになる。このため、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の高さは、上記後述する有機トランジスタの高さよりも高い範囲で、上記間隔として好ましい高さにすればよい。例えば、本発明の有機トランジスタ付基板を、強誘電性液晶を用いた液晶表示装置を作製するために用いる場合、上記高さは0.5μm〜2.5μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。また、強誘電性液晶ではなく、他の液晶が用いられた液晶表示装置を作製するために用いる場合、上記高さは2μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、なかでも5μm〜7μmの範囲内であることが好ましい。さらに、本発明の有機トランジスタ付基板を電子ペーパーを作製するために用いる場合、上記高さは10μm〜300μmの範囲内であることが好ましく、特に30μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部の形状としては、本発明の有機半導体素子用基板を用いて有機半導体素子を作製する際に、有機トランジスタをその内側に納めることができる程度の開口部を有する枠状の形状であれば特に限定されるものではない。このような形状としては、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部の内側の面積は、後述する有機トランジスタを開口部内に収納できる程度の面積であれば特に限定されるものではない。
なお、本発明に用いられる有機トランジスタ保護用基板を形成する方法については、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明した方法と同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.有機トランジスタ
次に、本発明に用いられる有機トランジスタについて説明する。本発明に用いられる有機トランジスタは、有機半導体材料が用いられたものである。
本発明に用いられる有機トランジスタについて図を参照しながら具体的に説明する。図12は本発明に用いられる有機トランジスタの一例を示す概略図である。図12に例示するように本発明に用いられる有機トランジスタ22は、通常、ゲート電極22Aと、上記ゲート電極22A上に形成されたゲート絶縁膜22Bと、上記ゲート絶縁膜22B上に形成され、有機半導体材料からなる有機半導体層22Cと、上記有機半導体層22C上に一定に間隔を空けて対向するように形成されたソース電極22Dおよびドレイン電極22Eとを有するものである。
なお、上記図12においては、本発明に用いられる有機トランジスタとして、ボトムゲート・トップコンタクト構造を有する有機トランジスタの例を説明したが、本発明に用いられる有機トランジスタは、このような構造を有するものに限定されるものではない。したがって、本発明に用いられる有機トランジスタは、ボトムゲート・ボトムコンタクト構造、トップゲート・トップコンタクト構造、または、トップゲート・ボトムコンタクト構構造を有するものであってもよい。なかでも本発明においては、特に、ボトムゲート・トップコンタクト構造とボトムゲート・ボトムコンタクト構造が好ましい、
以下、このような有機トランジスタについて説明する。
(1)有機半導体層
まず、本発明に用いられる有機半導体層について説明する。本発明に用いられる有機半導体層は、有機半導体材料からなるものである。
上記有機半導体材料としては、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造される有機半導体素子の用途等に応じて、所望の半導体特性を備える有機半導体層を形成できる材料であれば特に限定されるものではない。このような有機半導体材料としては、例えば、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料、有機ケイ素化合物等を挙げることができる。より具体的には、ペンタセン等の低分子系有機半導体材料、および、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)等のポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェン等のポリチオフェン類、ポリイソチアナフテン等のポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレン等のポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)等のポリアニリン類、ポリアセチレン等のポリアセチレン類、ポリジアセチレン、ポリアズレン等のポリアズレン類等の高分子系有機半導体材料を挙げることができる。なかでも本発明においては、ペンタセンまたはポリチオフェン類を好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる有機半導体層の厚みは、上記有機半導体材料の種類等に応じて所望の半導体特性を備える有機半導体層を発現できる範囲であれば特に限定されない。なかでも本発明においては、1000nm以下であることが好ましく、特に5nm〜300nmの範囲内であることが好ましく、さらに20nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
(2)ゲート絶縁層
次に、本発明に用いられるゲート絶縁層について説明する。本発明に用いられるゲート絶縁層は、絶縁性材料によって構成されるものである。
上記絶縁性材料としては、ゲート絶縁層に所望の絶縁性を付与することができるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本発明に用いられる絶縁性材料としては、無機材料であってもよく、または、有機材料であってもよい。
このような絶縁性材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、ポリアクリロニトリルおよび各種絶縁性LB膜等、Ta、ZrO、La、TiO、Y、CeOなどの酸化物、Siなどの窒化物、SiOなどの酸化窒化物、CaFなどのフッ化物、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などや熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、UVなどによる光硬化性樹脂などの有機材料、および、PVP、PVA等を挙げることができる。
本発明においては、このような絶縁性材料を単独で用いてもよく、または、2種類以上を併せて用いてもよい。
本発明に用いられるゲート絶縁層の厚みとしては、ゲート絶縁層を構成する絶縁性材料の種類等に応じて、ゲート絶縁層に所望の絶縁性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも発明においては100μm以下であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、さらには0.3μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。
(3)ソース電極およびドレイン電極
次に、本発明に用いられるソース電極およびドレイン電極について説明する。本発明に用いられるソース電極およびドレイン電極は、上記有機半導体層と接するように形成されるものである。
本発明に用いられるソース電極およびドレイン電極は、通常、金属材料から構成されるものである。このような金属材料としては所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的にトランジスタの電極に用いられている金属材料を用いることができる。
本発明に用いられる上記金属材料としては、例えば、Au、ITO、白金、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、低抵抗ポリシリコン、低抵抗アモルファスシリコン等の金属や、錫酸化物、酸化インジウムおよびインジウム・錫酸化物(ITO)、Al、Cu、Cr等の金属、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類等を挙げることができる。
なお、本発明に用いられるソース電極およびドレイン電極は、通常、同一の金属材料から構成される。
(4)ゲート電極
次に、本発明に用いられるゲート電極について説明する。本発明に用いられるゲート電極は、上記ゲート絶縁層上に形成されるものである。
ここで、本発明に用いられるゲート電極については一般的に有機トランジスタに用いられるものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
(5)その他
本発明に用いられる有機トランジスタは、上記ゲート絶縁層、有機半導体層、ソース電極、ドレイン電極、および、ゲート電極以外に他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造される有機半導体素子の用途等に応じて任意の機能を有するものを用いることができる。なかでも上記他の構成として本発明に好適に用いられるものとしては、有機半導体層の経時劣化を防止するために、有機トランジスタの最表面に位置するように形成されるパッシベーション層を挙げることができる。このようなパッシベーション層としては、例えば、フッ素系樹脂、PVA、および、PVP等からなるものを用いることができる。
3.基板
次に、本発明に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は上記有機トランジスタ、および、上記有機トランジスタ保護用隔壁部を支持するものである。
ここで、本発明に用いられる基板は、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.その他の構成
本発明の有機トランジスタ付基板は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部、有機トランジスタ、および、基板以外に他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造される有機半導体素子の用途等に応じて任意の機能を備える構成を用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる上記他の構成としては、液晶材料に対して配向規制力を有する配向層、スペーサー部、および、上記有機トランジスタのドレイン電極に接続するように形成された画素電極を挙げることができる。
以下、このような配向層、スペーサー部、および、画素電極について順に説明する。
(1)配向層
まず、本発明に用いられる配向層について説明する。本発明に用いられる配向層は、液晶材料に対して配向規制力を有するものである。このような配向層が形成されていることにより、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造される有機半導体素子を、液晶表示装置に好適に用いられるものにできる。
本発明の有機トランジスタ付基板が上記配向層を有する場合について図を参照しながら説明する。図13は本発明の有機トランジスタ付基板が上記配向層を有する場合の一例を示す概略図である。図13に例示するように、本発明の有機トランジスタ付基板20’は、有機トランジスタ保護用隔壁部23、および、有機トランジスタ22上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層24が形成されたものであってもよい。
また、本発明の有機トランジスタ付基板において上記配向層が形成されている態様としては、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造される有機半導体素子を液晶表示装置に用いた場合に、液晶材料の配向を規制できる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、上記図13に示したように、上記有機トランジスタおよび有機トランジスタ保護用隔壁部上に形成されている態様であってもよく、または、図14に示すように、基板21上であって、有機トランジスタ保護用隔壁部23の間に形成されている態様であってもよい。
ここで、本発明に用いられる配向層については、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)スペーサー部
次に、本発明に用いられるスペーサー部について説明する。本発明に用いられるスペーサー部は、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造される有機半導体素子において、本発明の有機トランジスタ付基板と、当該有機トランジスタ付基板に対向するように配置される基板との間隔を均一に保持する機能を有するものである。
本発明の有機トランジスタ付基板に上記スペーサー部が形成されている場合について図を参照しながら説明する。図15は、本発明の有機トランジスタ付基板にスペーサー部が形成されている場合の一例を示す概略図である。ここで、図15(a)は、本発明の有機トランジスタ付基板にスペーサー部が形成されている場合の一例を示す概略図である。また、図15(b)は、上記図15(a)におけるy−y’線矢視断面図である。
図15(a)に例示するように本発明の有機トランジスタ付基板20’’は、上記基板21上にスペーサー部25が形成されているものであってもよい。
また、図22(b)に例示するように、本発明の有機トランジスタ付基板20’’にスペーサ部25が形成されている場合、上記スペーサー部25は、通常、有機トランジスタ保護用隔壁部23と同一の高さに形成される。
ここで、本発明に用いられるスペーサー部については、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(3)画素電極
次に、本発明に用いられる画素電極について説明する。本発明に用いられる画素電極は、本発明の有機トランジスタ付基板が備える各有機トランジスタのドレイン電極に接続されるように形成されるものである。
このような画素電極が形成されていることにより、本発明の有機トランジスタ付基板を用いて製造した有機半導体素子を、ディスプレイ装置に好適に用いられるものにできる。
本発明に用いられる画素電極としては、一般的に液晶表示装置用の画素電極として用いられているものを用いることができる。なかでも本発明においては、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)からなる画素電極が好適に用いられる。
5.有機トランジスタ付基板の製造方法
次に、本発明の有機トランジスタ付基板の製造方法について説明する。本発明の有機トランジスタ付基板の製造方法としては、上記構成を有する有機トランジスタ付基板を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような製造方法としては、例えば、上記基板を用い、上記基板上に有機トランジスタを形成する有機トランジスタ形成工程と、上記有機トランジスタを囲うように、上記有機トランジスタ保護用隔壁部を形成する有機トランジスタ保護用隔壁部形成工程とからなる方法を例示することができる。
上記有機トランジスタ形成工程において、有機トランジスタを形成する方法としては、所望の構造を有する有機トランジスタを形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、一般的に有機トランジスタを形成する方法として、公知の方法を用いることができる。
また、上記有機トランジスタ保護用隔壁部形成工程において、上記有機トランジスタ保護用隔壁部を形成する方法としては、上記有機トランジスタを囲うように有機トランジスタ保護用隔壁部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明した方法と同様の方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
C.有機半導体素子
次に、本発明の有機半導体素子について説明する。本発明の有機半導体素子は、上記本発明に係る有機半導体素子用基板が用いられた態様(第1態様)と、上記本発明に係る有機トランジスタ付基板が用いられた態様(第2態様)とに分けることができる。したがって、以下、各態様に分けて本発明の有機半導体素子について説明する。
C−1.第1態様の有機半導体素子
まず、本発明の第1態様の有機半導体素子について説明する。本態様の有機半導体素子は、上記本発明に係る有機半導体素子用基板が用いられたものである。すなわち、本態様の有機半導体素子は、上記本発明に係る有機半導体素子用基板、および、基板と、上記基板上に形成された有機トランジスタと、を有するトランジスタ側基板を有する有機半導体素子であって、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部内に上記有機トランジスタが収まるように、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板とが対向配置されていることを特徴とするものである。
このような本態様の有機半導体素子について図を参照しながら説明する。図16は本態様の有機半導体素子の一例を示す概略図である。図16に例示するように本態様の有機半導体素子40Aは、上記本発明に係る有機半導体素子用基板10、および、基板31と、上記基板上31に形成された有機トランジスタ32と、を有するトランジスタ側基板30が用いられており、上記有機半導体素子用基板10が有する有機トランジスタ保護用隔壁部3の開口部内に、上記トランジスタ側基板30が有する有機トランジスタ32が収まるように、上記有機半導体素子用基板10と上記トランジスタ側基板30とが対向配置されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、上記有機トランジスタが上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部内に収まるように、上記有機半導体素子用基板と上記トランジスタ側基板とが対向配置されていることにより、上記有機トランジスタが他の化合物と接触すること等によって経時劣化してしまうことを防止できる。このため、本態様によれば性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を得ることができる。
本態様の有機半導体素子は、少なくとも有機半導体素子用基板、および、トランジスタ側基板を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本態様の有機半導体素子に用いられる各構成について順に説明する。
1.有機半導体素子用基板
まず、本態様に用いられる有機半導体素子用基板について説明する。本態様に用いられる有機半導体素子用基板は、上記本発明の有機半導体素子用基板である。したがって、本態様に用いられる有機半導体素子用基板については、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.トランジスタ側基板
次に、本態様に用いられるトランジスタ側基板について説明する。本態様に用いられるトランジスタ側基板は、基板と、上記基板上に形成された複数の有機トランジスタとを有するものである。
ここで、上記基板および上記有機トランジスタについては、上記「B.有機トランジスタ付基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、本態様に用いられるトランジスタ側基板は、上記基板および有機トランジスタ以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて、所望の機能を有する構成を用いることができる。なかでも本態様の有機半導体素子に好適に用いられる他の構成としては、例えば、上記有機トランジスタを構成するドレイン電極に接続するように形成された画素電極、および、液晶材料に対する配向規制力を有する配向層を挙げることができる。
なお、上記画素電極および配向層については、上記「B.有機トランジスタ付基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.有機半導体素子
本態様の有機半導体素子は、上記有機半導体素子用基板、および、上記トランジスタ側基板以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて、任意の機能を有するものを用いることができる。
本態様の有機半導体素子は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されていることが好ましい。上記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されていることにより、上記有機トランジスタが空気中の酸素や水分に曝露されることによって経時劣化することを防止できるからである。
本態様において上記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されている場合、その減圧の程度は0.00001Torr〜100Torrの範囲内であることが好ましく、特に0.001Torr〜50Torrの範囲内であることが好ましく、さらには0.05Torr〜10Torrの範囲内であることが好ましい。上記減圧の程度がこのような範囲内であることにより、本態様の有機半導体素子を、より性能の経時安定性に優れたものにできるからである。
なお、上記有機トランジスタ保護用隔壁部内の気圧は、通常、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板とを貼り合わせる際の気圧となる。したがって、上記有機トランジスタ保護用隔壁部内の気圧を上記範囲内にするには、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板とを貼り合わせる際の気圧を上記範囲内とすればよい。
また、逆に本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板とを減圧下で貼り合わせた場合は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部内が減圧されることになる。
4.有機半導体素子の用途
本態様の有機半導体素子は、例えば、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板との間に液晶材料を充填することにより、液晶表示素子として用いることができる。
また、本態様の有機半導体素子は、液晶表示素子以外に、マイクロカプセル型電気泳動ディスプレイ、ツイストボール型電子ペーパー、電子粉流体型電子ペーパー、インプレーン型電気泳動ディスプレイ、着色溶液型電気泳動ディスプレイ、粒子移動型電子ペーパーなどの電気泳動型ディスプレイ等に用いることができる。
5.有機半導体素子の製造方法
本態様の有機半導体素子は、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板とを貼り合わせることによって製造することができる。また、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板とを減圧下で張り合わせることにより、上記有機トランジスタ保護用隔壁部内が減圧された有機半導体素子を製造することができる。ここで、上記有機半導体素子用基板と、上記トランジスタ側基板とを貼り合わせる方法としては、一般的に公知の方法を用いることができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
C−2.第2態様の有機半導体素子
次に、本発明の第2態様の有機半導体素子について説明する。本態様の有機半導体素子は、上記本発明に係る有機トランジスタ付基板が用いられたものである。すなわち、本態様の有機半導体素子は、上記本発明に係る有機トランジスタ付基板、および、基板と、上記基板上に形成された透明電極とを有する対向基板を有する有機半導体素子であって、上記対向基板によって上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部が塞がれるように、上記有機トランジスタ付基板と、対向基板とが対向配置されていることを特徴とするものである。
このような本態様の有機半導体素子について図を参照しながら説明する。図17は本態様の有機半導体素子の一例を示す概略図である。図17に例示するように、本態様の有機半導体素子40Bは、上記本発明に係る有機トランジスタ付基板20、および、基板51と、上記基板51上に形成された透明電極52とを有する対向基板50が用いられたものであって、上記対向基板50によって、上記有機トランジスタ付基板20が有する有機トランジスタ保護用隔壁部23の開口部が塞がれるように、上記有機トランジスタ付基板20と、対向基板50とが対向配置されているものである。
本発明によれば、上記対向基板によって上記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部が塞がれるように、上記有機トランジスタ付基板と、対向基板とが対向配置されていることにより、上記有機トランジスタが他の化合物と接触すること等によって経時劣化してしまうことを防止できる。このため、本発明によれば性能の経時安定性に優れた有機半導体素子を得ることができる。
本態様の有機半導体素子は、少なくとも上記有機トランジスタ付基板、および、対向基板を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本態様の液晶表示装置に用いられる各構成について順に説明する。
1.有機トランジスタ付基板
まず、本態様に用いられる有機トランジスタ付基板について説明する。本態様に用いられる有機トランジスタ付基板は、上記本発明の有機トランジスタ付基板である。したがって、本態様に用いられる有機トランジスタ付基板については、上記「B.有機トランジスタ付基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.対向基板
次に、本態様に用いられる対向基板について説明する。本態様に用いられる対向基板は基板と、上記基板上に形成された透明電極とを有するものである。
ここで、上記対向基板に用いられる上記基板および透明電極については、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる対向基板は、上記基板、透明電極および透明電極以外に他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて、所望の機能を有する構成を用いることができる。なかでも上記対向基板に好適に用いられる他の構成としては、上記基板と上記透明電極との間に形成され、複数の着色層を備えるカラーフィルター層を挙げることができる。このようなカラーフィルター層が形成されていることにより、本態様の有機半導体素子をカラーフィルター方式による液晶表示素子に好適に用いられるものにできる。
なお、本態様に用いられる上記カラーフィルター層としては、上記「A.有機半導体素子用基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
3.有機半導体素子
本態様の有機半導体素子は、上記有機トランジスタ付基板、および、上記対向基板以外の他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては特に限定されるものではなく、本態様の有機半導体素子の用途等に応じて、任意の機能を有するものを用いることができる。
本態様の有機半導体素子は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されていることが好ましい。上記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されていることにより、上記有機トランジスタが空気中の酸素や水分に曝露されることによって経時劣化することを防止できるからである。
本態様において、上記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されている場合、その減圧の程度は0.00001Torr〜100Torrの範囲内であることが好ましく、特に0.001Torr〜50Torrの範囲内であることが好ましく、さらには0.05Torr〜10Torrの範囲内であることが好ましい。上記減圧の程度がこのような範囲内であることにより、本態様の有機半導体素子を、より性能の経時安定性に優れたものにできるからである。
なお、上記有機トランジスタ保護用隔壁部内の気圧は、通常、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上記有機トランジスタ付基板と、上記対向基板とを貼り合わせる際の気圧となる。したがって、上記有機トランジスタ保護用隔壁部内の気圧を上記範囲内にするには、本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上記有機トランジスタ付基板と、上記対向基板とを貼り合わせる際の気圧を上記範囲内とすればよい。
また、逆に本態様の有機半導体素子を製造する工程において、上記有機トランジスタ付基板と、上記対向基板とを減圧下で張り合わせた場合は、上記有機トランジスタ保護用隔壁部内が減圧されることになる。
4.有機半導体素子の用途
本態様の有機半導体素子は、例えば、上記有機トランジスタ付基板と、上記対向基板との間に液晶材料を充填することにより液層表示素子として用いることができる。また、本態様の有機半導体素子は、液晶表示素子以外に、マイクロカプセル型電気泳動ディスプレイ、ツイストボール型電子ペーパー、電子粉流体型電子ペーパー、インプレーン型電気泳動ディスプレイ、着色溶液型電気泳動ディスプレイ、粒子移動型電子ペーパーなどの電気泳動型ディスプレイ等に用いることができる。
5.有機半導体素子の製造方法
本態様の有機半導体素子は、上記有機トランジスタ付基板と、上記対向基板とを貼り合わせることによって製造することができる。また、上記有機トランジスタ付基板と、上記対向基板とを減圧下で張り合わせることにより、上記有機トランジスタ保護用隔壁部内が減圧された有機半導体素子を製造することができる。ここで、上記有機トランジスタ付基板と、上記対向基板とを貼り合わせる方法としては、一般的に公知の方法を用いることができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を示すことにより、本発明をより具体的に説明する。
1.実施例
(1)有機トランジスタ付基板の作製
(ゲート電極形成工程)
まず、大きさ150mm×150mm×0.7mmのガラス基板表面に、ゲート電極形状の開口部を有するメタルマスクを配置した後、膜厚10nmのクロム膜を形成した。次いで、200nmのアルミニウム膜を蒸着し、ゲート電極を形成した。蒸着の際の真空度は、1×10Paとし、蒸着速度は約1Å/secとした。
(ゲート絶縁層形成工程)
次に、上記基板にゲート絶縁層としてフォトレジスト(アクリル系ネガレジスト)をスピンコートした。このときのスピンコートは、800rpmで10sec保持させた。その後、基板を80℃で3分乾燥させた後、350mJ/cmでパターン露光した。次いで、ゲート電極以外の部分を除去するために現像工程を行い、その後、200℃のオーブンで30分乾燥させた。
(配向層形成工程)
上記基板上に光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-102、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線紫外線偏光を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(ソース・ドレイン電極形成工程)
次にゲート絶縁層形成後の基板表面に、ソース・ドレイン電極形状の開口部を有するメタルマスクを配置した後、膜厚50nmのAu膜を蒸着し、ソース・ドレイン電極を形成した。このとき、蒸着の際の真空度は1×10Paとし、蒸着速度は約1Å/secとした。形成されたソース電極およびドレイン電極を反射型光学顕微鏡にて観察したところ、ソース電極とドレイン電極との電極間距離(チャネル長)は50μmであった。
(有機トランジスタ保護用隔壁部作製工程)
有機トランジスタが形成された基板上に透明レジスト(商品名:NN780、JSR社製)をスピンコートして、減圧乾燥し、90℃で3分間プリベークを行った。
次いで、100mJ/cmの紫外線でマスク露光し、無機アルカリ溶液で現像を行い、230℃で30分間ポストベークを行った。
これにより、有機TFT部を取り囲む高さ1.5μmの有機トランジスタ保護用隔壁部を形成した。
(有機半導体層形成工程)
上記ソース電極およびドレイン電極が形成された側の基板の全面に膜厚50nmのチオフェン系有機半導体からなる有機半導体層を蒸着した。
以上の工程により、有機トランジスタを有する有機トランジスタ付基板を作製した。
作製した有機トランジスタ付基板の有機トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機トランジスタのON電流は1×10−4A、OFF電流は1×10−11Aであった。測定条件はゲート電圧を100V〜−80Vまで−2V刻みで印加した。
次いで、ソース・ドレイン電圧を−80Vと固定し、ソース・ドレイン間に流れる電流値を測定した。また、トランジスタ評価においてはいずれの場合においても大気中で測定を行った。
(2)対向基板の作製
共通電極としてITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-103、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線紫外線偏光を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(3)液晶表示素子(有機半導体素子)の作製
対向基板の周縁部に紫外線硬化型シール材を塗布し、有機TFTを形成したガラス基板との関係が、上記の偏光紫外線照射方向と平行かつアンチパラレルの状態となるように両基板を対向させ圧力をかけながらシール剤を光硬化させた。
次いで、両ガラス基板のセルギャップ内に液晶を注入するための注入口を一端に設け、この注入口の上部に、液晶物質(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 R2301)を付着し、真空チャンバー内が10Torrになるように排気を行った状態で、ネマチック相−等方転移温度より10〜20℃高い温度でセルギャップ内に注入した。注入後、液晶物質を徐冷して常温に戻した。
(4)評価
有機トランジスタは液晶を注入した後も破壊されておらず、有機トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機トランジスタのON電流は1×10−4A、OFF電流は1×10−11Aで変化が無かった。測定条件はゲート電圧を100V〜−80Vまで−2V刻みで印加し、次いで、ソース・ドレイン電圧を−80Vと固定し、ソース・ドレイン間に流れる電流値を測定した。また、トランジスタ評価においてはいずれの場合においても大気中で測定を行った。
また、このトランジスタ特性の経時変化を作製直後、1日後、3日後、7日後、2週間後、1ヶ月後と評価したところ、ON電流およびOFF電流ともに低下は見られなかった。
2.比較例1
(1)有機トランジスタ付基板の作製
有機トランジスタ保護用隔壁部作製工程を実施しなかったこと以外は、実施例と同様の方法により有機トランジスタを有する有機トランジスタ付基板を作製した。
作製した有機トランジスタ付基板の有機トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機トランジスタのON電流は1×10−4A、OFF電流は1×10−11Aであった。測定条件はゲート電圧を100V〜−80Vまで−2V刻みで印加し、次いで、ソース・ドレイン電圧を−80Vと固定し、ソース・ドレイン間に流れる電流値を測定した。また、トランジスタ評価においてはいずれの場合においても大気中で測定を行った。
(2)対向基板の作製
共通電極としてITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-103、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線紫外線偏光を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。次に1.5μのビーズスペーサーをスピンコーターにて散布した。
(3)液晶表示素子(有機半導体素子)の作製
対向基板の周縁部に紫外線硬化型シール材を塗布し、有機TFTを形成したガラス基板との関係が、上記の偏光紫外線照射方向と平行かつアンチパラレルの状態となるように両基板を対向させ圧力をかけながらシール剤を光硬化させた。次いで、両ガラス基板のセルギャップ内に液晶を注入するための注入口を一端に設け、この注入口の上部に、液晶物質(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 R2301)を付着し、真空チャンバー内が10Torrになるように排気を行った状態で、ネマチック相−等方転移温度より10〜20℃高い温度でセルギャップ内に注入した。注入後、液晶物質を徐冷して常温に戻した。
(4)評価
有機トランジスタは液晶を注入した後、液晶により破壊されており、トランジスタとして駆動していないことが分かった。
3.比較例2
(1)有機トランジスタ付基板の作製
有機トランジスタ保護用隔壁部作製工程を実施せず、かつ有機半導体層形成工程後に以下のパッシベーション層形成工程を行ったこと以外は、実施例と同様の方法により有機トランジスタを有する有機トランジスタ付基板を作製した。
(パッシベーション層形成工程)
パッシベーション層の形成は、エタノール溶媒で15質量%に希釈したPVP溶液を有機半導体層形成後の基板にスピンコートすることにより行った。このとき、スピンコートは2000rpm、15sec保持で行った。その後、基板を100℃のホットプレートで30min乾燥させた。
作製した有機半導体素子の有機トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機トランジスタのON電流は1×10−5A、OFF電流は1×10−11Aであった。測定条件はゲート電圧を100V〜−80Vまで−2V刻みで印加し、次いで、ソース・ドレイン電圧を−80Vと固定し、ソース・ドレイン間に流れる電流値を測定した。また、トランジスタ評価においてはいずれの場合においても大気中で測定を行った。
(2)対向基板の作製
共通電極としてITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-103、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線紫外線偏光を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。次に1.5μのビーズスペーサーをスピンコーターにて散布した。
(3)液晶表示素子(有機半導体素子)の作製
対向基板の周縁部に紫外線硬化型シール材を塗布し、有機TFTを形成したガラス基板との関係が、上記の偏光紫外線照射方向と平行かつアンチパラレルの状態となるように両基板を対向させ圧力をかけながらシール剤を光硬化させた。
次いで、両ガラス基板のセルギャップ内に液晶を注入するための注入口を一端に設け、この注入口の上部に、液晶物質(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 R2301)を付着し、真空チャンバー内が10Torrになるように排気を行った状態で、ネマチック相−等方転移温度より10〜20℃高い温度でセルギャップ内に注入した。注入後、液晶物質を徐冷して常温に戻した。
(4)評価
有機トランジスタは液晶を注入した後、特性を評価したところ、トランジスタとして駆動していないことが分かった。
4.実施例2
(1)有機半導体素子用基板の作製
透明電極としてITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に透明レジスト(商品名:NN780、JSR社製)をスピンコートして、減圧乾燥し、90℃で3分間プリベークを行った。
次いで、100mJ/cmの紫外線でマスク露光し、無機アルカリ溶液で現像を行い、230℃で30分間ポストベークを行った。これにより、有機トランジスタを取り囲む高さ1.5μmの有機トランジスタ保護用隔壁部を形成した。
上記有機トランジスタ保護用隔壁部を形成したガラス基板上に、光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-103、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(2)トランジスタ側基板の作製
(ゲート電極形成工程)
まず、大きさ150mm×150mm×0.7mmのガラス基板表面に、ゲート電極形状の開口部を有するメタルマスクを配置した後、膜厚10nmのクロム膜を形成した。次いで、200nmのアルミニウム膜を蒸着し、ゲート電極を形成した。蒸着の際の真空度は、1×10Paとし、蒸着速度は約1Å/secとした。
(ゲート絶縁層形成工程)
次に、上記基板にゲート絶縁層としてフォトレジスト(アクリル系ネガレジスト)をスピンコートした。このときのスピンコートは、800rpmで10sec保持させた。その後、基板を80℃で3分乾燥させた後、350mJ/cmでパターン露光した。次いで、ゲート電極以外の部分を除去するために現像工程を行い、その後、200℃のオーブンで30分乾燥させた。
(配向層形成工程)
上記基板上に光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-102、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線紫外線偏光を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(ソース・ドレイン電極形成工程)
次にゲート絶縁層形成後の基板表面に、ソース・ドレイン電極形状の開口部を有するメタルマスクを配置した後、膜厚50nmのAu膜を蒸着し、ソース・ドレイン電極を形成した。このとき、蒸着の際の真空度は1×10Paとし、蒸着速度は約1Å/secとした。形成されたソース電極およびドレイン電極を反射型光学顕微鏡にて観察したところ、ソース電極とドレイン電極との電極間距離(チャネル長)は50μmであった。
(有機半導体層形成工程)
上記ソース電極およびドレイン電極が形成された側の基板の全面に膜厚50nmのチオフェン系有機半導体からなる有機半導体層を蒸着した。
作製したトランジスタ側基板の有機トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機トランジスタのON電流は1×10−4A、OFF電流は1×10−11Aであった。測定条件はゲート電圧を100V〜−80Vまで−2V刻みで印加した。ソース・ドレイン電圧を−80Vと固定し、ソース・ドレイン間に流れる電流値を測定した。また、トランジスタ評価においてはいずれの場合においても大気中で測定を行った。
(3)液晶表示素子(有機半導体素子)の作製
上記有機半導体素子用基板の周縁部に紫外線硬化型シール材を塗布し、トランジスタ側基板との関係が、上記の偏光紫外線照射方向と平行かつアンチパラレルの状態となるように両基板を対向させ圧力をかけながらシール剤を光硬化させた。次いで、両基板のセルギャップ内に液晶を注入するための注入口を一端に設け、この注入口の上部に、液晶物質(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 R2301)を付着し、真空チャンバー内が10Torrになるように排気を行った状態で、ネマチック相−等方転移温度より10〜20℃高い温度でセルギャップ内に注入した。注入後、液晶物質を徐冷して常温に戻した。
(4)評価
有機トランジスタは液晶を注入した後も破壊されておらず、有機トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していることが分かった。このとき、有機トランジスタのON電流は1×10−4A、OFF電流は1×10−11Aで変化が無かった。測定条件はゲート電圧を100V〜−80Vまで−2V刻みで印加し、次いで、ソース・ドレイン電圧を−80Vと固定し、ソース・ドレイン間に流れる電流値を測定した。また、トランジスタ評価においてはいずれの場合においても大気中で測定を行った。
5.比較例3
(1)液晶表示素子(有機半導体素子)の作製
以下の方法で作製した有機半導体素子用基板を用いたこと以外は、実施例2と同様の方法により、液晶表示素子(有機半導体素子)を作製した。
(有機半導体素子用基板の作製方法)
透明電極としてITO電極が形成されたガラス基板をよく洗浄し、このガラス基板上に直径1.5μのビーズスペーサーを塗布した。
次に、上記ビーズスペーサーを塗布したガラス基板上に、光二量化反応型の光配向膜材料(商品名:ROP-103、ロリックテクノロジー社製)の2質量%シクロペンタノン溶液をスピンコートし、130℃で10分間乾燥した後、直線偏光紫外線を約100mJ/cm照射し、配向処理を行った。
(2)評価
有機トランジスタは液晶を注入した後に破壊されており、有機トランジスタのトランジスタ特性を測定した結果、トランジスタとして駆動していないことが分かった。
本発明の有機半導体素子用基板の一例を示す概略図である。 本発明の有機半導体素子用基板の作用効果を説明するための概略図である。 本発明の有機半導体素子用基板の作用効果を説明するための概略図である。 本発明の有機半導体素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の有機半導体素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の有機半導体素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の有機半導体素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の有機半導体素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の有機半導体素子用基板の他の例を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタ付基板の一例を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタ付基板の作用効果を説明するための概略図である。 本発明の有機トランジスタ付基板に用いられる有機トランジスタの一例を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタ付基板の他の例を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタ付基板の他の例を示す概略図である。 本発明の有機トランジスタ付基板の他の例を示す概略図である。 本発明の第1態様の有機半導体素子の一例を示す概略図である。 本発明の第2態様の有機半導体素子の一例を示す概略図である。
符号の説明
1、21、31、51 … 基板
2、52 … 透明電極
3、23 … 有機トランジスタ保護用隔壁部
4 … カラーフィルター層
4a、4a’、4a’’、4a’’’ … 着色層
4b … オーバーコート層
4c … 遮光部
5、24 … 配向層
6、25… スペーサー部
10、10’、10’’、10’’’ … 有機半導体素子用基板
20、20’、20’’ … 有機トランジスタ付基板
22、32 … 有機トランジスタ
22A … ゲート電極
22B … ゲート絶縁膜
22C … 半導体層
22D … ソース電極
22E … ドレイン電極
30 … トランジスタ側基板
40A、40B … 有機半導体素子
41 … 液晶材料

Claims (23)

  1. 基板と、前記基板上に形成された透明電極と、前記透明電極上に形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部とを有する有機半導体素子用基板であって、
    前記有機半導体素子用基板と、基板上に有機トランジスタが形成されたトランジスタ側基板との間に液晶材料が充填された液晶表示素子に用いられるものであり、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部は、前記有機トランジスタが前記液晶材料と接触するのを防止する機能と、前記有機半導体素子用基板および前記トランジスタ側基板の間隔を制御する機能とを有することを特徴とする、有機半導体素子用基板。
  2. 前記透明電極上に形成され、前記液晶材料の配列状態を規制するリブをさらに有し、
    複数の前記有機トランジスタ保護用隔壁部が一体となって形成され、かつ前記リブの一部として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体素子用基板。
  3. 前記透明電極上に形成され、前記有機半導体素子用基板および前記トランジスタ側基板の間隔の間隔を均一に保持するスペーサー部をさらに有し、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部および前記スペーサー部の高さが同一であることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体素子用基板。
  4. 前記有機トランジスタ保護用隔壁部と前記スペーサー部とが一体となって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の有機半導体素子用基板。
  5. 前記透明電極上に形成され、前記液晶材料に対して配向規制力を有する配向層をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の有機半導体素子用基板。
  6. 基板と、前記基板上に形成された透明電極と、前記透明電極上に形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部とを有する有機半導体素子用基板であって、
    前記有機半導体素子用基板と、基板上に有機トランジスタが形成されたトランジスタ側基板との間に電気泳動材料が充填された電気泳動型ディスプレイに用いられるものであり、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部は、前記有機トランジスタが前記電気泳動材料と接触するのを防止する機能と、前記有機半導体素子用基板および前記トランジスタ側基板の間隔を制御する機能とを有することを特徴とする、有機半導体素子用基板。
  7. 前記透明電極上に形成され、前記有機半導体素子用基板および前記トランジスタ側基板の間隔を均一に保持するスペーサー部をさらに有し、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部および前記スペーサー部の高さが同一であることを特徴とする請求項6に記載の有機半導体素子用基板。
  8. 前記有機トランジスタ保護用隔壁部と前記スペーサー部とが一体となって形成されていることを特徴とする請求項7に記載の有機半導体素子用基板。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれかに記載の有機半導体素子用基板、および、基板と、前記基板上に形成された有機トランジスタと、を有するトランジスタ側基板を有する有機半導体素子であって、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部内に前記有機トランジスタが収まるように、前記有機半導体素子用基板と、前記トランジスタ側基板とが対向配置されていることを特徴とする、有機半導体素子。
  10. 基板と、前記基板上に形成された複数の有機トランジスタと、前記基板上に前記有機トランジスタを囲うように形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部とを有する有機トランジスタ付基板であって、
    前記有機トランジスタ付基板と、基板上に透明電極が形成された対向基板との間に液晶材料が充填された液晶表示素子に用いられるものであり、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部は、前記有機トランジスタが前記液晶材料と接触するのを防止する機能と、前記有機トランジスタ付基板および前記対向基板の間隔を制御する機能とを有することを特徴とする、有機トランジスタ付基板。
  11. 前記基板上に形成され、前記液晶材料の配列状態を規制するリブをさらに有し、
    複数の前記有機トランジスタ保護用隔壁部が一体となって形成され、かつ前記リブの一部として形成されていることを特徴とする請求項10に記載の有機トランジスタ付基板。
  12. 前記基板上に形成され、前記有機トランジスタ付基板および前記対向基板の間隔の間隔を均一に保持するスペーサー部をさらに有し、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部および前記スペーサー部の高さが同一であることを特徴とする請求項10に記載の有機トランジスタ付基板。
  13. 前記有機トランジスタ保護用隔壁部と前記スペーサー部とが一体となって形成されていることを特徴とする請求項12に記載の有機トランジスタ付基板。
  14. 前記基板上に形成され、前記液晶材料に対して配向規制力を有する配向層をさらに有することを特徴とする請求項10から請求項13までのいずれかに記載の有機トランジスタ付基板。
  15. 基板と、前記基板上に形成された複数の有機トランジスタと、前記基板上に前記有機トランジスタを囲うように形成され、開口部を有する枠状の有機トランジスタ保護用隔壁部とを有する有機トランジスタ付基板であって、
    前記有機トランジスタ付基板と、基板上に透明電極が形成された対向基板との間に電気泳動材料が充填された電気泳動型ディスプレイに用いられるものであり、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部は、前記有機トランジスタが前記電気泳動材料と接触するのを防止する機能と、前記有機トランジスタ付基板および前記対向基板の間隔を制御する機能とを有することを特徴とする、有機トランジスタ付基板。
  16. 前記基板上に形成され、前記有機トランジスタ付基板および前記対向基板の間隔を均一に保持するスペーサー部をさらに有し、
    前記有機トランジスタ保護用隔壁部および前記スペーサー部の高さが同一であることを特徴とする請求項15に記載の有機トランジスタ付基板。
  17. 前記有機トランジスタ保護用隔壁部と前記スペーサー部とが一体となって形成されていることを特徴とする請求項16に記載の有機トランジスタ付基板。
  18. 請求項10から請求項17までのいずれかに記載の有機トランジスタ付基板、および、基板と、前記基板上に形成された透明電極とを有する対向基板を有する有機半導体素子であって、
    前記対向基板によって前記有機トランジスタ保護用隔壁部の開口部が塞がれるように、前記有機トランジスタ付基板と、対向基板とが対向配置されていることを特徴とする、有機半導体素子。
  19. 前記有機トランジスタ保護用隔壁部の内側が減圧されていることを特徴とする、請求項または請求項18に記載の有機半導体素子。
  20. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の有機半導体素子用基板を有する、請求項9または請求項19に記載の有機半導体素子を用いた液晶表示素子であって、
    前記有機半導体素子の有機半導体素子用基板とトランジスタ側基板との間に液晶材料が充填されていることを特徴とする液晶表示素子。
  21. 請求項10から請求項14までのいずれかに記載の有機トランジスタ付基板を有する、請求項18または請求項19に記載の有機半導体素子を用いた液晶表示素子であって、
    前記有機半導体素子の有機トラジスタ付基板と対向基板との間に液晶材料が充填されていることを特徴とする液晶表示素子。
  22. 請求項6から請求項8までのいずれかに記載の有機半導体素子用基板を有する、請求項9または請求項19に記載の有機半導体素子を用いた電気泳動型ディスプレイであって、
    前記有機半導体素子の有機半導体素子用基板とトランジスタ側基板との間に電気泳動材料が充填されていることを特徴とする電気泳動型ディスプレイ。
  23. 請求項15から請求項17までのいずれかに記載の有機トランジスタ付基板を有する、請求項18または請求項19に記載の有機半導体素子を用いた電気泳動型ディスプレイであって、
    前記有機半導体素子の有機トラジスタ付基板と対向基板との間に電気泳動材料が充填されていることを特徴とする電気泳動型ディスプレイ。
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