以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施の形態であるカウンセリングシステムは、例えば、会員である顧客がコンピュータ端末を利用して、ネットワークを介したオンラインでのチャットシステムを利用して、ネットワーク上でカウンセリングを受けることを可能とするシステムである。また、各カウンセラーのスケジュールや稼働状況を管理するとともに、空き時間に対して会員による予約や飛び込みによるカウンセリングの依頼を受け付けて管理する機能を有する。
なお、本明細書では、「チャット」とはネットワークを介したリアルタイムの会話を意味し、会話手段としてテキスト(文字)を用いる「テキストチャット」、音声を用いる「ボイスチャット」、動画(音声を含み得る)を用いる「ビデオチャット」のうち1つ以上が含まれるものとする。また、「カウンセラー」とは、カウンセリングを行う者を指すものとし、カウンセリングサービスを提供することを主業務とする者のみならず、商品販売員を主業務とする者のうち顧客からの相談を受けるような者も含まれるものとする。また、カウンセリングの開始時間に対して事前に余裕をもって(例えば、カウンセリングの開始より3時間以上前等に)カウンセリングを予約すること、およびカウンセリングを開始する直前に飛び込みでカウンセリングを申し込むことを総称して「カウンセリングの依頼」と記載する場合がある。
本発明の一実施の形態であるカウンセリングシステムは、少なくともカウンセラーのスケジュール情報、カウンセラーの現時点でのサービス可否のステータス情報、およびカウンセリングの依頼の内容や状況という3種類の情報を組みわせてカウンセリングの依頼や実施の管理を可能とする。さらに、上記の3種類の情報に加え、カウンセラーと会員とが使用するチャットシステムにおける会議室の利用状況という4種類目の情報を組み合わせてカウンセリングの依頼や実施の管理を行うことも可能である。さらに、上記の3種類もしくは4種類の情報に加え、現在時刻という5種類目の情報を考慮し、例えば、予約や飛び込みにおけるカウンセリングの開始時刻と現在時刻との差分を考慮してカウンセリングの依頼や実施の管理を行うことも可能である。
本実施の形態では、美容に関するカウンセリングを対象とし、例えば、美容一般に関する悩み等の簡易な相談から、メイクアップやスキンケア等についての個別のレッスンまで、レベルの異なる複数のメニューやコースを提供するものとする。さらに、カウンセリングの結果情報をフィードバックする際に、適した美容商品の推奨等を通して、美容商品を販売する実店舗やWebサイトに顧客を誘導することで、顧客とのチャネルを拡大し、美容商品の販売につなげることを可能とする。
本実施の形態のカウンセリングシステムでは、カウンセリングのメニューとして、大きく分けて2種類のメニューを有する。1つは、肌の悩みや、美容商品の使い方に対する疑問などに、動画や商品画像を用いてカウンセラーが回答するサービス(以下では“お悩み相談”と呼ぶものとする)であり、もう1つは、スキンケアやメイクアップの知識やテクニック等について、動画や商品画像を用いてカウンセラーがレッスンを行うサービス(以下では“美容レッスン”と呼ぶものとする)である。
ここで、“お悩み相談”は、簡易的なサービスであり、会員である顧客は、カウンセリングのサービス時間内(例えば、カウンセラーがシフト制で勤務する9:00〜21:00など)は随時カウンセリングシステムにアクセスすることでカウンセリングを受けることができる一方、カウンセラーの指名や予約はできないメニューである。すなわち、飛び込みのみ可能なメニューであり、依頼に対して空いているカウンセラーが対応することになる。
この“お悩み相談”では、会員とカウンセラーとのコミュニケーションは、主にテキストチャットにより行われる。図2は、会員とカウンセラーのコミュニケーションの手段の例について概要を示した図であり、図2(a)は、“お悩み相談”でのコミュニケーションの手段の例を示している。ここで、左側の図は会員の情報処理装置である会員端末60上でのカウンセリング画面、右側の図はカウンセラーの情報処理装置であるカウンセラー端末70上でのカウンセリング画面の例をそれぞれ示している。
上述したように、“お悩み相談”では、主に、それぞれのカウンセリング画面の右下部分に表示されるテキストチャットを用い、会員とカウンセラーのコミュニケーションが行われる。また、画面右上部分には、カウンセラーのプロフィールや顔写真等が表示され、会員はカウンセラーのタイプや専門スキル等を把握することができる。また、画面左部分には、会員とカウンセラーで画像や動画のコンテンツを共有できる領域を有する。例えば、カウンセラーの画面でカウンセラーが顔の画像のコンテンツの上に描画ツールを利用してメイクの方法等を描画すると、その内容が会員のカウンセリング画面にも表示されて共有される。美容商品の使用方法等の動画コンテンツを共有することで、会員に対して動きを見せるようにしてもよい。
一方、“美容レッスン”は、より高度なサービスであり、会員は、“お悩み相談”と同様に、カウンセリングのサービス時間内は随時カウンセリングシステムにアクセスすることで飛び込みでカウンセリングを受けることができるとともに、“お悩み相談”と異なり、カウンセリングの開始日時を指定して予約した上でカウンセリングを受けることも可能である。また、空いているカウンセラーによる対応だけでなく、カウンセラーを指定することも可能である。
この“美容レッスン”では、会員とカウンセラーとのコミュニケーションは、主に音声とカウンセラーのライブ動画により行われる。図2(b)は、“美容レッスン”でのコミュニケーション手段の例を示している。ここでは、ボイスチャットやビデオチャットによりやり取りされる音声データもしくは電話により、会員とカウンセラーの音声によるコミュニケーションが行われ、テキストチャットは必要に応じて補充的に用いられる。
また、それぞれのカウンセリング画面の左下部分には、“お悩み相談”と同様に、カウンセラーのプロフィールや顔写真等が表示され、画面左上部分では、会員とカウンセラーで画像や動画のコンテンツを共有できる領域を有する。さらに、画面右上部分には、カウンセラー端末70に接続されたWebカメラ71を利用して撮影されたカウンセラーのライブ動画がビデオチャットにより表示されている。
本実施の形態では、カウンセリングの際に、会員の顔画像はカウンセラーに対して提供されないものとしている。会員の顔画像等がカウンセラーにも見えるものとすると、抵抗感を有してカウンセリングが受けづらくなる会員もいることを考慮したものである。なお、会員が希望する場合等は、会員のライブ動画をカウンセラーにも見えるようにして、会員のメイクの際の動きなどをカウンセラーが確認できるようにしてもよい。また、このようなビデオチャット(ライブ動画と音声)によるコミュニケーションを、“お悩み相談”において利用することも当然可能である。
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態であるカウンセリングシステムの構成例について概要を示した図である。カウンセリングシステム1は、コンピュータシステムによって構成されるサーバ機器からなるカウンセリングサーバ10と、チャットサーバ50と、商品販売Webサーバ80、および、PC(Personal Computer)等の情報処理装置からなる会員端末60と、カウンセラー端末70とが、インターネット等のネットワーク90に対して接続された構成を有する。なお、各サーバは当該サーバが行う処理を行うための専用のPCに設けられるもの限定されず、クラウドコンピューティングのような仮想化されたコンピュータシステム上に構築されるサーバ環境も含む。
上述したように、会員端末60は、カウンセリングシステム1上でカウンセリングを受けることができる顧客である会員が使用する情報処理装置であり、カウンセラー端末70は、カウンセリングシステム1上でカウンセリングを行うカウンセラーが使用する情報処理装置である。これらはともに、後述するカウンセリングサーバ10やチャットサーバ50の各機能にアクセスするための図示しないアプリケーションプログラム(例えばWebブラウザ)を有する。また、カウンセラー端末70には、ビデオチャットにより会員に提供するカウンセラーのライブ動画を撮影するためのいわゆるWebカメラ71が接続されている。なお、会員端末60にも、ビデオチャットによりカウンセラーに提供する会員のライブ動画を撮影するためのWebカメラを有していてもよい。
カウンセリングサーバ10は、チャットサーバ50と連携して、カウンセラーが会員に対するカウンセリングを行うための環境を実現して支援するサーバシステムである。また、各カウンセラーのスケジュールや稼働状況を管理するとともに、空き時間に対して会員による予約や飛び込みによるカウンセリングの依頼を受け付けて、カウンセリングの依頼および実施状況を管理する機能を有する。
カウンセリングサーバ10は、図示しないOS(Operating System)やWebサーバプログラム、データベース(DB)管理ソフトウェアなどのミドルウェアを有し、さらに、OS上で稼働するソフトウェアプログラムとして実装される、カウンセラー管理部11、カウンセリング処理部12、および結果情報処理部13などの各部を有する。また、データベースとして実装される、メニューマスタテーブル21、カウンセラーマスタテーブル22、および会員マスタテーブル23などのマスタ情報を保持するマスタデータ保持部としての各マスタテーブルと、カウンセラースケジュールデータ保持部31、依頼情報データ保持部32、およびカウンセラーステータスデータ保持部33などの各データ保持部を有する。また、カウンセリングの結果を会員に提供するためのコンテンツである結果情報40を有する。
カウンセラー管理部11は、各カウンセラーのスケジュールや、稼働状況を管理し、また、各カウンセラーに対する会員からのアクセスの検知などを行う機能を有する。各カウンセラーは、カウンセラー端末70を利用して、カウンセラー管理部11により提供される画面を介して、自身のスケジュールを登録・変更したり、内容を確認したりすることができる。登録されたカウンセラーのスケジュールは、カウンセラースケジュールデータ保持部31に登録される。また、カウンセラーは、カウンセラー管理部11により提供される画面を介して、自身の現在のステータス(稼働状況)を切り替えることができる。
カウンセリング処理部12は、会員からのカウンセリングの依頼(予約もしくは飛び込み)の受け付けに係る処理を行うとともに、カウンセリングの実施(開始や終了)を制御する機能を有する。具体的には、例えば、各会員は、会員端末60を利用して、カウンセリング処理部12により提供される画面を介して、“美容レッスン”の予約を登録・変更したり、内容を確認したりすることができる。登録された予約の内容は、依頼情報データ保持部32に登録される。予約の際には、カウンセリング処理部12は、メニューマスタテーブル21を参照して、会員に提供可能なカウンセリングのメニューの一覧を画面を介して会員に提示し、また、カウンセラーマスタテーブル22やカウンセラースケジュールデータ保持部31、カウンセラーステータスデータ保持部33等を参照して、カウンセラーの一覧やスケジュール(空き状況)の一覧を画面を介して会員に提示する。
また、カウンセリング処理部12は、チャットサーバ50と連携し、例えば、飛び込みでのカウンセリング(“お悩み相談”および“美容レッスン”)の依頼について、カウンセラーを割り当て、カウンセラースケジュールデータ保持部31や依頼情報データ保持部32に記録・保持される情報を登録する。また、会員端末60からの要求に応じて依頼情報データ保持部32を参照し、対象の会員が予約したカウンセリングが開始可能な状態である場合は、チャットサーバ50と連携してカウンセリングを開始させる。
また、カウンセリングに際して、会員やカウンセラーから会員端末60やカウンセラー端末70を介して登録されたり入力されたりしたテキスト情報(例えば、カウンセリングの前に会員が事前入力した相談内容や、テキストチャットの内容など)を、依頼情報データ保持部32の該当レコードに追加して応対履歴として記録する。このとき、例えば、ボイスチャット、ビデオチャットや電話の音声情報に対して、公知のテキスト変換技術を用いることでテキスト情報を得てもよい。また、これらのテキスト情報に対して、公知の文章要約技術を用いることで、カウンセリングの内容の要約を得るようにしてもよい。また、依頼情報データ保持部32に登録された応対履歴の内容をカウンセラーが編集可能なようにしてもよい。
結果情報処理部13は、カウンセリングの終了後に、会員に提供・フィードバックする結果情報40をカウンセラーがカウンセラー端末70上で作成した場合に、そのアップロードを受け付けてカウンセリングサーバ10上に保持するとともに、結果情報40のファイルパス等の所在の情報を依頼情報データ保持部32の該当レコードに追加する。また、会員端末60やカウンセラー端末70を介した会員やカウンセラーからの要求に基づいて、依頼情報データ保持部32を参照して対象の結果情報40を検索し、会員やカウンセラーに提示して閲覧可能とする。
チャットサーバ50は、ネットワーク90を介してオンラインで複数のユーザがそれぞれ担当のカウンセラーと1対1でチャットを行うことを可能とするサーバシステムであり、例えば、公知の技術や製品を利用して構成される。本実施の形態では、チャットサーバ50は、チャットの種類としてビデオチャットが実施可能なように構成されており、ビデオチャットによって、例えば、相手方の動画像をリアルタイムで閲覧することが可能であるとともに、テキストチャットもしくは音声によりコミュニケーションをとることが可能である。
チャットは同時に複数組実行することが可能であるが、本実施の形態のカウンセリングシステム1では、会員1人に対して1人のカウンセラーが対応する「1対1対応」のシステムであり、当該会員と当該カウンセラーからなるそれぞれの組は会議室と呼ばれる単位で個別に管理される。すなわち、ユーザ(会員もしくはカウンセラー)からの要求によりチャットサーバ50が作成した1つの会議室に入室した1人の会員と1人のカウンセラーとの間の組毎に、それぞれ、テキストや動画像によるチャットを行うことができるよう、カウンセリングサーバ10と連携して、会議室の作成や管理を行う。
チャットサーバ50は、図示しないOSやウェブサーバプログラム、DB管理ソフトウェアなどのミドルウェアや、ビデオチャットアプリケーションを有し、さらに、OS上で稼働するソフトウェアプログラムとして実装される、会議室作成部51、入退室判定部52、および会議室管理部53などの各部を有する。また、会議室毎のステータスを管理するデータベースである会議室ステータスデータ保持部54を有する。
会議室作成部51は、本実施の形態では、会員端末60もしくはカウンセラー端末70のいずれか一方を介して、会員もしくはカウンセラーからカウンセリングの開始要求、もしくは障害復旧等に係る会議室の再作成の要求を受け付けたカウンセリングサーバ10からの指示に基づいて、対象の会員1人と対象のカウンセラー1人のみがテキストもしくは音声によるチャットを行うことが可能な会議室を作成する。
入退室判定部52は、会員端末60もしくはカウンセラー端末70上のビデオチャット用のウィンドウ上で稼働する、ビデオチャットのクライアントアプリケーション、もしくはカウンセリングサーバ10からの要求に基づいて、会員および/またはカウンセラーが会議室に入室しているか否かを判定する。また、このときの入室状況により、後述する会議室管理部53を介して会議室ステータスデータ保持部54における当該会議室の状態に係る情報を更新する。
会議室管理部53は、会議室作成部51により作成された会議室のURLなどの情報を会議室情報として会議室ステータスデータ保持部54に記憶する。また、ビデオチャットアプリケーションが、会員端末60および/またはカウンセラー端末70からの会議室への入室の要求を受けた際に、その処理結果に基づいて、会員および/またはカウンセラーの当該会議室への入室状況、および当該会議室の利用状況に係る情報を会議室ステータスデータ保持部54に記録する。
商品販売Webサーバ80は、カウンセリングシステム1によるカウンセリングの内容に関連する商品(本実施の形態では化粧品等の美容商品)を販売するEC(Electronic Commerce:電子商取引)サイトを実現するサーバシステムである。
<データ構成>
図3は、メニューマスタテーブル21のデータ構成の例について示した図である。メニューマスタテーブル21は、カウンセリングシステム1において会員に提供することが可能なカウンセリングのメニューやコースについてのマスタ情報を保持するテーブルであり、例えば、メニューコード、メニュー名、コースコード、メニュー分類コード、メニュー内容説明、所要時間合計、所要コマ数、所要時間(レッスン)、所要時間(結果情報作成)、所要時間(バッファ)、およびメニューファイルパスなどの項目を有する。
メニューコードの項目は、キー項目であり、対象のカウンセリングのメニューを一意に識別することができるコード情報を保持する。メニュー名の項目は、対象のメニューの名称の情報を保持する。コースコードの項目は、対象のメニューが属するカウンセリングのコースを一意に識別することができるコード情報を保持する。本実施の形態では、コースコードは、“お悩み相談”か“美容レッスン”のいずれかを特定するコード値となる。メニュー分類コードの項目は、メニューの分類を一意に識別することができるコード情報を保持する。本実施の形態では、メニュー分類コードは、メイクアップかスキンケアのいずれかを特定するコード値となる。メニュー内容説明の項目は、対象のメニューの内容を説明するテキスト情報を保持する。
所要時間合計の項目は、対象のメニューに係る全体の処理の実施(後述するように、カウンセリング(“お悩み相談”における相談や“美容レッスン”におけるレッスン)の実施、結果情報40の作成、予備のバッファからなる)にかかる標準の所要時間の情報を保持する。所要コマ数の項目は、対象のメニューに係る全体の処理の実施(上記の所要時間合計の項目の時間を必要とする)に必要となるコマ数の情報を保持する。本実施の形態では、各カウンセラーのスケジュールをコマ単位(例えば30分/コマ)で管理するものとする。この場合、例えば、上記の所要時間合計の項目の値が45分である場合は、1コマあたり30分のコマが2コマ必要となる。
所要時間(レッスン)の項目は、対象のメニューに係る全体の処理のうち、カウンセリング(相談やレッスン)の部分にかかる標準の所要時間の情報を保持する。また、所要時間(結果情報作成)の項目は、対象のメニューに係る全体の処理のうち、カウンセリング実施後の結果情報40の作成処理にかかる標準の所要時間の情報を保持する。また、所要時間(バッファ)の項目は、対象のメニューに係る処理を行うために確保しておく予備時間(バッファ)の情報を保持する。従って、上記の所要時間合計の項目の値は、所要時間(レッスン)、所要時間(結果情報作成)、および所要時間(バッファ)の各項目の時間の合計となる。メニューファイルパスの項目は、対象のメニューの内容を会員端末60上に表示する際の画像ファイルや、カウンセリングの内容等を説明するためのHTML(HyperText Markup Language)ファイルなどの所在(パス)の情報を保持する。
図4は、カウンセラーマスタテーブル22のデータ構成の例について示した図である。カウンセラーマスタテーブル22は、カウンセリングシステム1において会員にカウンセリングを行うことができるカウンセラーについてのマスタ情報を保持するテーブルであり、例えば、カウンセラーID、カウンセラー区分、カウンセラー名、カウンセラーグループ、カウンセラー画像URL、年齢、およびプロフィールURLなどの項目を有する。
カウンセラーIDの項目は、キー項目であり、対象のカウンセラーを一意に識別するIDの情報を保持する。カウンセラー区分の項目は、対象のカウンセラーの役職やレベル等の区分(例えば、通常のカウンセラーかスーパーバイザ等の管理者かなど)を示す情報を保持する。カウンセラー名の項目は、対象のカウンセラーの氏名の情報を保持する。カウンセラーグループの項目は、対象のカウンセラーが属するグループ(例えば、交代シフトの単位などでグルーピングしたもの)を示す情報を保持する。カウンセラー画像URL、年齢、およびプロフィールURLの各項目は、それぞれ、対象のカウンセラーの顔写真データを表示するURL、年齢、およびプロフィールの内容を表示するURLの情報を、会員端末60上に表示して、会員がカウンセラーの素性やタイプを把握することができるようにするための情報を保持する。
図5は、会員マスタテーブル23のデータ構成の例について示した図である。会員マスタテーブル23は、カウンセリングシステム1においてカウンセリングを受けるために会員登録を行ったユーザ(会員)についてのマスタ情報を保持するテーブルであり、例えば、会員ID、会員名漢字、会員名カナ、電話番号、およびメールアドレスなどの項目を有する。会員IDの項目は、キー項目であり、対象の会員を一意に識別するIDの情報を保持する。会員名漢字および会員名カナの各項目は、それぞれ、対象の会員の氏名の漢字およびカナの情報を保持する。電話番号およびメールアドレスの各項目は、それぞれ、対象の会員に対するコンタクト情報として電話番号および電子メールアドレスの情報を保持する。
図6は、カウンセラースケジュールデータ保持部31のデータ構成の例について示した図である。カウンセラースケジュールデータ保持部31は、各カウンセラーのカウンセリングのスケジュールをコマ単位で保持して管理するテーブルとして構成され、例えば、カウンセラーID、対象日、対象時間、欠勤フラグ、コースコード、メニュー分類コード、メニューコード、依頼番号、シフト区分、および更新日時などの項目を有する。
カウンセラーIDの項目は、キー項目(複合キー)であり、対象のカウンセラーを特定する、カウンセラーマスタテーブル22上でのカウンセラーIDの項目の値を保持する。対象日および対象時間の各項目は、キー項目(複合キー)であり、対象のコマを特定する日および時間(1コマの30分単位)の情報をそれぞれ保持する。なお、サービス時間内に含まれる各コマのレコードを予め全て登録しておくようにしてもよい。欠勤フラグの項目は、対象のカウンセラーが、対象のコマに欠勤することを示すフラグの値を保持する。コースコード、メニュー分類コード、およびメニューコードの各項目は、対象のコマで実施される予定のカウンセリングの内容を特定する、メニューマスタテーブル21上でのコースコード、メニュー分類コード、およびメニューコードの各項目の値を保持する。
依頼番号の項目は、対象のコマで実施される予定のカウンセリングについての、後述する依頼情報データ保持部32上での依頼番号の項目の値を保持する。なお、この項目に値が設定されている場合は、対象のコマは埋まっていることを示し、当該コマを含むカウンセリングの依頼は受け付けないよう制御される。一方、この項目に値が設定されていない場合は、対象のコマは空きであることを示すものとする。シフト区分の項目は、対象のカウンセラーのシフトの区分(例えば、“お悩み相談”担当か、“美容レッスン”担当か、いずれの対応も不可なのか等の区分)を示す情報を保持する。更新日時の項目は、対象のコマに対するスケジュールがカウンセラースケジュールデータ保持部31に登録された日時の情報(通常はシステム時刻)を保持する。
図7は、依頼情報データ保持部32のデータ構成の例について示した図である。依頼情報データ保持部32は、会員からのカウンセリングの依頼(予約および飛び込み)の内容や状況、およびカウンセリングの実施や結果に係る情報を保持するテーブルとして構成され、例えば、依頼番号、会員ID、コースコード、メニュー分類コード、メニューコード、カウンセラーID、電話番号、開始日、開始時間、相談区分、備考、依頼ステータス、結果情報作成状況、結果情報ファイルパス、更新日時、会議室ID、および会議室URLなどの項目を有する。
依頼番号の項目は、キー項目であり、カウンセリング処理部12によって採番され、対象の依頼(予約および飛び込み)を一意に識別する番号の情報を保持する。会員IDの項目は、対象の依頼を行った会員を特定する、会員マスタテーブル23上での会員IDの項目の値を保持する。コースコード、メニュー分類コード、およびメニューコードの各項目は、対象の依頼に基づくカウンセリングの内容を特定する、メニューマスタテーブル21上でのコースコード、メニュー分類コード、およびメニューコードの各項目の値を保持する。カウンセラーIDの項目は、対象の依頼に基づくカウンセリングを行うカウンセラーを特定する、カウンセラーマスタテーブル22上でのカウンセラーIDの項目の値を保持する。
電話番号の項目は、対象の依頼を行った会員の連絡先の電話番号の情報を保持する。この値は、会員マスタテーブル23上での電話番号の項目の値と同じであってもよいし、依頼時に会員から指定された異なる電話番号であってもよい。開始日および開始時間の各項目は、それぞれ、対象の依頼に基づくカウンセリングの開始日および開始時間の情報を保持する。相談区分の項目は、対象の依頼に基づくカウンセリングのコースが“お悩み相談”である場合に、依頼時もしくはカウンセリングの開始時に会員が指定した相談の内容の区分(例えば、スキンケアについて、メイクアップ方法について、商品について、その他等の区分)を示す情報を保持する。
備考の項目は、対象の依頼に固有の各種情報や、カウンセリングの実施時の情報など、会員やカウンセラーから会員端末60やカウンセラー端末70を介して入力された情報を保持する。依頼ステータスの項目は、対象の依頼の現在のステータスを示す情報を保持する。依頼ステータスの状態遷移については後述する。結果情報作成状況および結果情報ファイルパスの各項目は、対象の依頼に基づくカウセリングが実施された後、カウンセラーにより作成された結果情報40がある(アップロードされている)か否かを示す情報、および結果情報40がある(アップロードされている)場合には、カウンセリングサーバ10上での結果情報40のファイルの所在(パス)の情報をそれぞれ保持する。
更新日時の項目は、対象の依頼の内容が更新された日時の情報(通常はシステム時刻)を保持する。会議室IDおよび会議室URLの各項目は、対象の依頼に基づくカウンセリングの実施の際に使用するチャットサーバ50上で作成された会議室を一意に識別するIDの情報、および当該会議室に会員およびカウンセラーが会員端末60およびカウンセラー端末70を介してアクセスするためのURLの情報を保持する。
図8は、カウンセラーステータスデータ保持部33のデータ構成の例について示した図である。カウンセラーステータスデータ保持部33は、カウンセラーのサービス可否のステータスをリアルタイムで管理するテーブルとして構成され、例えば、カウンセラーID、ステータス、および更新日時などの項目を有する。カウンセラーIDの項目は、キー項目であり、対象のカウンセラーを特定する、カウンセラーマスタテーブル22上でのカウンセラーIDの項目の値を保持する。ステータスの項目は、対象のカウンセラーが現在カウンセリングを行うことが可能か否かのステータス(例えば、“サービス可能”、“サービス不可”など)を示す情報を保持する。更新日時の情報は、対象のカウンセラーのステータスを更新した日時の情報(通常はシステム時刻)を保持する。
図9は、会議室ステータスデータ保持部54のデータ構成の例を示した図である。会議室ステータスデータ保持部54は、チャットサーバ50上で、カウンセリングを行うために作成された会議室のステータスを管理し、会議室毎にその会議室を利用する会員およびカウンセラーによる入退室におよび会議室の利用状態ついての情報を保持するテーブルとして構成され、例えば、会議室ID、会議室URL、会議室状態区分、入室状態区分および更新日時などの項目を有する。
会議室IDの項目は、キー項目であり、チャットサーバ50により採番され、対象の会議室を一意に識別するIDの情報を保持する。会議室URLの項目は、対象の会議室に会員およびカウンセラーが会員端末60およびカウンセラー端末70を介してアクセスするためのURLの情報を保持する。会議室状態区分の項目は、対象の会議室の利用状態(例えば、会議室なし、会議室ありで会議開催中、会議室ありで会議終了など)を示す情報を保持する。入室状態区分の項目は、対象の会議室に対する1組のユーザ(1人の会員および1人のカウンセラー)の入室の状態(例えば、双方入室なし、カウンセラーのみ入室、会員のみ入室、双方入室など)を示す情報を保持する。更新日時の項目は、対象の会議室のステータスを更新した日時の情報を保持する。
なお、上述の図3〜図9で示した各テーブルのデータ構成(項目)はあくまで一例であり、同様のデータを保持・管理することが可能な構成であれば、他のテーブル構成やデータ構成であってもよい。また、本実施の形態では、メニューマスタテーブル21、カウンセラーマスタテーブル22、および会員マスタテーブル23などからなるマスタデータ保持部や、カウンセラースケジュールデータ保持部31、依頼情報データ保持部32、カウンセラーステータスデータ保持部33、並びに会議室ステータスデータ保持部54は、データの集合を表形式で表すデータテーブルとして構成されているが、このような形式に限らず、他の形式でデータを記録・保持するものであってもよい。例えば、ファイル形式等によりデータを記録・保持するものであってもよい。
<処理の流れ(全体)>
図10は、カウンセリングシステム1における全体の処理の流れ(業務フロー)の例について概要を示した図である。まず、各カウンセラーがスケジュールの登録もしくは変更を行うカウンセラースケジュール管理処理を行う(S01)。ここでは、各カウンセラーが、予め作成されたシフト表などに基づいて、自身のスケジュールをカウンセラー端末70を介して事前にカウンセリングサーバ10に登録もしくは変更する。各カウンセラーにより入力されたスケジュールは、カウンセラー管理部11によりカウンセラースケジュールデータ保持部31に登録される。
次に、各会員がカウンセリングの予約(ここでは事前予約が必要な“美容レッスン”が対象となる)を行うカウンセリング予約処理を行う(S02)。ここでは、各会員が会員端末60を介して“美容レッスン”の新規予約、予約の変更およびキャンセルを行うことができる。また、所定の場合にはカウンセラーがカウンセラー端末70を介して予約のキャンセルを行ったり、カウンセリングサーバ10が自動でキャンセルを行ったりする(例えば、予約開始時刻を所定時間以上過ぎても会議室に会員が入室してこない場合など)ことも可能である。登録・変更された予約の情報は、カウンセリング処理部12により依頼情報データ保持部32に登録される。
次に、コースに応じて、チャットサーバ50によるビデオチャットなどを利用してカウンセリングを実施するカウンセリング実施処理を行う(S03)。本実施の形態では、カウンセラーは上述したように、例えば、主にテキストチャットでの応対による、飛び込みでの“お悩み相談”や、主にビデオチャットでの応対による、事前予約もしくは飛び込みでの“美容レッスン”を実施する。このとき、カウンセリング処理部12により、カウンセラーステータスデータ保持部33における対象のカウンセラーのステータスや、依頼情報データ保持部32の依頼ステータスを更新する。
カウンセリングが終了すると、カウンセリングの結果の情報を管理する結果情報管理処理を行う(S04)。ここでは、まず、カウンセラーがカウンセリングの内容を会員にフィードバックするための結果情報40をカウンセラー端末70上で作成し、これをカウンセリングサーバ10にアップロードする。アップロードされた結果情報40は、結果情報処理部13により、その所在の情報が依頼情報データ保持部32の対象の依頼の情報に追加されるとともに、会員からの要求に応じて会員端末60上に表示され閲覧可能とされる。
<依頼ステータス遷移>
図11は、図7に示した依頼情報データ保持部32にて管理される依頼ステータスの状態遷移の例を示した図である。まず、会員が予約処理を実施すると、依頼ステータスが“予約済”として依頼情報データ保持部32に登録される。
依頼ステータスが“予約済”の状態で、会員がカウンセリングの開始を要求する(飛び込みでのカウンセリングの依頼の場合も含む)と、依頼ステータスは“開始”に遷移する。この状態で、対象の依頼に対してカウンセラーがカウンセリングの開始を要求すると、依頼ステータスは“応対”に遷移し、会員とカウンセラーとの間のビデオチャットによるカウンセリングが開始する。なお、ここでは、会員もしくはカウンセラーがカウンセリングサーバ10に対してカウンセリングの開始を要求した際に状態が遷移するものとしているが、会員もしくはカウンセラーが、会員端末60もしくはカウンセラー端末70上のビデオチャット用のウィンドウを介してチャットサーバ50上で作成された会議室に実際に入室した際に遷移するようにしてもよい。
依頼ステータスが“応対”の状態では、時間帯やカウンセラーが重複する他のカウンセリングは実施することができないよう、当該依頼は排他的に取り扱われる。カウンセリングが終了する(もしくはチャットが終了する)と、依頼ステータスは“終了”に遷移する。
一方、依頼ステータスが“予約済”の状態でキャンセル登録されると、依頼ステータスは“予約取消”に遷移する。なお、キャンセルの実施は、上述したように、会員だけでなく、カウンセラーが行ったり、カウンセリングサーバ10が自動で行ったりすることができる。これらのキャンセルの理由毎に依頼ステータスを異なるものに細分化してもよい。また、依頼ステータスが“予約済”の状態で会員により予約内容の変更が登録されると、依頼ステータスは“予約変更”の状態に遷移する。この“予約変更”の依頼ステータスからは、会員がキャンセルを行えば“予約取消”に、予約内容の再変更を行えば再度“予約取消”に、会員がカウンセリングを開始(もしくは会議室に入室)すれば“開始”の状態にそれぞれ依頼ステータスが遷移する。
<処理の流れ(予約によるカウンセリング開始)>
図12は、図10におけるステップS03(カウンセリング実施処理)での予約によるカウンセリングの開始の際の会員側の処理の流れの例について概要を示したシーケンス図である。図12では、会員が事前に予約を行っている“美容レッスン”を開始する際の処理の流れの例について示している。また、予約の対象のカウンセラーについてのカウンセラーステータスデータ保持部33上でのステータスは“サービス可能”であるものとする。
まず、会員は、会員端末60の図示しないWebブラウザ等を利用してカウンセリングサーバ10にアクセスし、会員ID等を指定して認証処理を経た後、Webブラウザ上に表示されたカウンセリングサービス用の画面を介して、カウンセリングサーバ10に対して予約内容の確認の要求を行う(S301)。予約内容の確認要求を受信したカウンセリングサーバ10は、カウンセリング処理部12により、依頼情報データ保持部32を参照して、予約が有効でまだカウンセリングが開始されていない予約(すなわち、依頼ステータスが“予約済”もしくは“予約変更”のもの)を取得する(S302)。依頼番号が指定されている場合はこれを条件に加えてもよい。
さらに、ステップS302で取得した各予約について、開始日および開始時間で特定されるカウンセリングの開始時刻が現在時刻から所定の時間以内であるか否かを判定する(S303)。この所定の時間は、カウンセリングの開始時刻に対して、会員がカウンセリングサーバ10に対して開始要求を行うことが可能な時間(例えば5分前)である。すなわち、ここでは開始要求を行うことが可能な予約を抽出している。カウンセリングサーバ10は、予約内容の確認画面を作成して会員端末60に送信する。このとき、開始要求を行うことが可能な予約については、開始ボタン等を付加するなどして、カウンセリングの開始を行えるようにする。
会員端末60では、受信した予約内容の確認結果画面を表示する(S304)。なお、予約内容の確認結果の表示を自動的に更新するため、自動リロード機能等により定期的にステップS301に戻って予約内容の確認要求を再度行うようにするのが望ましい。会員は、表示された予約のうち、開始要求を行うことが可能な予約について、付加された開始ボタンを押下する等によりカウンセリングの開始を要求する(S305)。このように、予約の開始時間に基づいて、カウンセリングの開始要求を行うことが可能な時間となるまで会員によるカウンセリングの開始要求を制限することで、会員によるオンラインでのスムーズなカウンセリングの実施を支援する。
カウンセリングの開始要求を受信したカウンセリングサーバ10は、カウンセリング処理部10により、チャットサーバ50に対して会議室の作成要求を行う(S306)。チャットサーバ50では、要求に応じて会議室作成部51により会議室を新たに作成し、会議室IDや会議室URLの情報を、会議室管理部53により会議室ステータスデータ保持部54に記録するとともに、カウンセリングサーバ10に応答する(S307)。カウンセリングサーバ10では、カウンセリング処理部12により、依頼情報データ保持部32の対象の予約に対して、会議室IDや会議室URLの内容を登録するとともに、依頼ステータスを“開始”に更新する。なお、会議室の作成は、カウンセリングの開始要求以前、例えば、カウンセリングの予約の受け付け時などであってもよい。
また、予約の対象のカウンセラーについて、カウンセラーステータスデータ保持部33を参照してステータスを取得し、カウンセリングが可能な状態(ステータスが“サービス可能”)であるかを確認した上で(S309)、予約内容の確認画面を会員端末60に応答する。なお、対象のカウンセラーが、例えば前のカウンセリングの実施が延長している等によりカウンセリングができない状態(ステータスが“サービス不可”)であった場合は、本実施の形態では、後述するように、当該カウンセラーに対して他の会員が当該他の会員が予約したカウンセリングの開始要求を行った旨を通知することで、当該カウンセラーによる延長しているカウンセリングの終了と次のカウンセリングの開始のスムーズな実行を促す。これに対し、当該他の会員に対して当該カウンセラーが現在対応できない旨を通知して、当該会員のカウンセリングの開始要求を拒否するようにしてもよい。
会員端末60では、受信した予約内容の確認画面を表示するとともに、カウンセリングサーバ10からの応答を介して取得した会議室IDや会議室URLの情報、およびカウンセラーのステータスの情報をパラメータとして渡した上で、ビデオチャット用のWebブラウザのウィンドウをポップアップ等により表示する(S310)。その後、ビデオチャット用のウィンドウから、チャットサーバ50に対して対象のカウンセラーが会議室に入室しているかの確認を行う(S311)。チャットサーバ50は、入退室判定部52により会議室ステータスデータ保持部54の入室状態区分を参照して対象の会議室に対する入室状況を判定し、カウンセラーが入室しているか否かの情報を会員端末60のビデオチャット用のウィンドウに対して応答する(S312)。
ビデオチャット用のウィンドウでは、チャットサーバ50から受信した情報に基づいて対象のカウンセラーが会議室に入室しているか否かを確認し(S313)、入室していない場合は、ステップS311に戻り、定期的にカウンセラーの入室確認を繰り返す。このとき、例えば、カウンセラー端末70上のビデオチャット用のウィンドウにおいて、カウンセラーに対して当該会員がカウンセリングの開始要求を行った旨のアラートのメッセージ(例えば「会員が入室しています」等)を表示して通知することで、カウンセラーの速やかな対応を促すとともに、会員端末60上のビデオチャット用のウィンドウにおいて、カウンセラーがすぐには応対できない旨を会員に通知するメッセージ(例えば「しばらくお待ちください」等)を表示しておくことで、会員に対して状況を適切に通知し、無用なストレスを与えないようにすることができる。
ステップS313で、対象のカウンセラーが会議室に接続したことを確認した場合は、ビデオチャット用のウィンドウは、対象の会議室のURLに基づいてビデオチャット画面を表示し、チャットサーバ50に対して会議室への入室を行うことで(S314)、会員側、カウンセラー側双方でビデオチャットを開始する(S315)。ここで、会議室への入室とは、会議室に対してログインして実際に接続し、チャットが可能な状態となることを示す。会員が会議室に入室すると、チャットサーバ50の会議室管理部53により、会議室ステータスデータ保持部54の当該会議室への入室状態について会員が入室していることを示す値を記録する。
一方、図13は、図10におけるステップS03(カウンセリング実施処理)での予約によるカウンセリングの開始の際のカウンセラー側の処理の流れの例について概要を示したシーケンス図である。まず、カウンセラーは、カウンセラー端末70の図示しないWebブラウザ等を利用してカウンセリングサーバ10にアクセスし、カウンセラーID等を指定して認証処理を経た後、Webブラウザ上にカウンセリングサービス用の画面を表示させる。ここで例えば、当該画面に組み込まれたクライアントサイドのアプリケーションプログラムが、カウンセリングサーバ10のカウンセラー管理部11に対して会員のカウンセリングの開始要求の有無を確認する問い合わせを行う(S321)。
問い合わせを受けたカウンセリングサーバ10は、カウンセラー管理部11により、依頼情報データ保持部32を参照して、会員がカウンセリングの開始要求を行った状態である予約を取得してカウンセラー端末70に応答する(S322)。ここでは、例えば、依頼情報データ保持部32から、自身のカウンセラーIDを対象とし、開始日が当日、依頼ステータスが“開始”である依頼を抽出する。カウンセラー端末70では、カウンセリングサーバ10からの応答に基づいて、カウンセリングの開始要求を行っている会員がいるか)否かを判定し(S323)、開始要求を行っている会員がいない場合は、ステップS311に戻り、カウンセリングサーバ10に対して会員による開始要求の有無を確認する問い合わせを定期的に繰り返す。
ステップS323で、会員がカウセリングの開始要求を行っていることを確認した場合は、カウンセラー端末70上で、例えばポップアップ等によりビデオチャット用のウィンドウを表示し(S324)、会員がカウンセリングの開始要求を行っている旨を表示することでカウンセラーに通知する(S325)。その後、カウンセラーは、ビデオチャット用のウィンドウにおいて開始ボタンを押下する等により、当該会員とのチャットの開始を要求する(S326)。
チャット開始の要求を受信したカウンセリングサーバ10では、カウンセリング処理部12により、カウンセラーステータスデータ保持部33のステータスを他のカウンセリングができない状態(ステータスが“サービス不可”)に更新し(S327)、さらに、依頼情報データ保持部32の対象の予約のステータスを“開始”から“応対”に更新する(S328)。なお、カウンセラーステータスデータ保持部33の更新および依頼情報データ保持部32のステータスの更新は、カウンセリング処理部12が行ってもよい。
その後、依頼情報データ保持部32から、対象の予約について作成された会議室の会議室IDや会議室URLの値を取得し(S329)、カウンセラー端末70上のビデオチャット用のウィンドウに対してチャットの開始要求に対する応答として送信する。ビデオチャット用のウィンドウは、カウンセリングサーバ10から取得した会議室URL等の情報に基づいてビデオチャット画面を表示し、チャットサーバ50に対して会議室への入室を行うことで(S330)、会員側、カウンセラー側双方でビデオチャットを開始する(S331)。カウンセラーが会議室に入室すると、チャットサーバ50の会議室管理部53により、会議室ステータスデータ保持部54の当該会議室への入室状態についてカウンセラーが入室していることを示す値を記録する。
ビデオチャットを開始した後は、カウンセラー端末70上のビデオチャット用のウィンドウは、ステップS321と同様にカウンセリングサーバ10に対して他の会員による当該他の会員が予約したカウンセリングの開始要求の有無を確認する問い合わせを行う(S332)。その後、ステップS322およびS323と同様に、問い合わせを受けたカウンセリングサーバ10は、カウンセラー管理部11により、依頼情報データ保持部32を参照して、会員がカウンセリングの開始要求を行った状態である予約を取得してカウンセラー端末70に応答し(S333)、カウンセラー端末70では、カウンセリングサーバ10からの応答に基づいて、カウンセリングの開始要求を行っている会員がいるか否かを判定する(S334)。
ステップS334で、他にカウンセリングの開始要求を行っている会員がいない場合は、ステップS332に戻り、カウンセリングサーバ10に対して他の会員によるカウンセリングの開始要求の有無を確認する問い合わせを定期的に繰り返す。他の会員によるカウンセリングの開始要求があることを検知した場合は、カウンセラー端末70上のビデオチャット用のウィンドウにおいて、カウンセラーに対して他の会員が当該他の会員が予約したカウンセリングの開始要求を行った旨のアラートのメッセージ等を表示して通知する(S335)。これにより、例えば前のカウンセリングの実施が延長しているなどの状況で次のカウンセリングを予約している他の会員が入室してきた場合に、対象のカウンセラーに対してその旨を通知することで、延長しているカウンセリングの終了と次のカウンセリングの開始のスムーズな実行を促すことができる。
本実施の形態では、上記の図12、13において示したように、まず会員がカウンセリングの開始要求を行うことで、チャットサーバ50上に会議室が作成され、依頼情報データ保持部32における対象の予約のステータスが“開始”となる。この状態をカウンセリングサーバ10にアクセスして検知したカウンセラー端末70がカウンセリング(チャット)の開始要求を行うことで、依頼情報データ保持部32における依頼ステータスが“応対”に遷移するとともに、カウンセラーステータスデータ保持部33における対象のカウンセラーのステータスが“サービス不可”となる。この状態で、まずカウンセラーがカウンセラー端末70から対象の会議室に入室し、これを検知した会員端末60が対象の会議室に入室することで、双方が会議室に入室し、ビデオチャットを開始するシーケンスとなる。
なお、ビデオチャットの開始シーケンスは上記のものに限らない。例えば、まず会員がカウンセリングの開始要求を行うことで、チャットサーバ50に会議室が作成され、当該会議室に会員端末60を介して入室するとともに、依頼情報データ保持部32における対象の予約のステータスを“開始”とする。会員によるカウンセリングの開始要求が行われたこと(依頼ステータスが“開始”となっていること)、もしくは会議室へ会員が入室したことをカウンセリングサーバ10もしくはチャットサーバ50にアクセスして検知したカウンセラー端末70が、カウンセリング(チャット)の開始要求を行うことで、カウンセラーが対象の会議室に入室し、ビデオチャットを開始する。
このとき、会員およびカウンセラーの双方が会議室に入室したことをトリガとして、依頼情報データ保持部32における対象の予約のステータスを“応対”に更新するようにしてもよい。また、カウンセラーが会議室に入室したことをトリガとして、カウンセラーステータスデータ保持部33のステータスを“サービス不可”に更新するようにしてもよい。
なお、会員による会議室への入退室の検出は会員端末60、カウンセリングサーバ10、チャットサーバ50のいずれが行ってもよく、カウンセラーによる会議室への入退室の検出はカウンセラー端末70、カウンセリングサーバ10、チャットサーバ50のいずれが行ってもよい。
<処理の流れ(飛び込みによるカウンセリング開始)>
図14は、図10におけるステップS03(カウンセリング実施処理)での飛び込みによるカウンセリングの開始の際の会員側の処理の流れの例について概要を示したシーケンス図である。図14では、会員が事前に予約を行わない“お悩み相談”もしくは飛び込みでの“美容レッスン”を開始する際の処理の流れの例について示している。また、複数のカウンセラーのステータス情報を保持しているカウンセラーステータスデータ保持部33上においてステータスが“サービス可能”であるカウンセラーが少なくとも1人以上いるものとする。
まず、会員は、会員端末60の図示しないWebブラウザを利用してカウンセリングサーバ10にアクセスし、会員ID等を指定して認証処理を経た後、カウンセリングサービス用の画面を介して、開始ボタンを押下する等により、カウンセリングサーバ10に対して飛び込みでのカウンセリングの依頼(開始要求)を行う(S341)。なお、例えば、カウンセリングサービス用の画面から自動で定期的にカウンセリングサーバ10にアクセスして、カウンセラースケジュールデータ保持部31およびカウンセラーステータスデータ保持部33を参照して、対象のコース(“お悩み相談”もしくは“美容レッスン”)を対応可能なシフト区分のカウンセラーのステータスを確認し、“サービス可能”なカウンセラーがいる(すなわち、飛び込みでのカウンセリングが可能)な場合にのみ開始ボタンを押下できるようにするなどの制御を行うようにしてもよい。
開始要求を受信したカウンセリングサーバ10は、カウンセリング処理部12により、カウンセラーステータスデータ保持部33を参照し、各カウンセラーについてステータスが“サービス可能”であるか否かを確認する(S342)。対象のカウンセラーのステータスが“サービス可能”である場合は、依頼情報データ保持部32を参照し、対象のカウンセラーが対応する予約で依頼ステータスが“開始”もしくは“応対”のものがあるか否かを確認する(S343)。
ステップS343で、依頼ステータスが“開始“もしくは“応対”である予約が1件もない場合は、当該カウンセラーは飛び込みでのカウンセリングの実施が可能と判断し、当該カウンセラーを割り当てた上で、チャットサーバ50に対して会議室の作成要求を行う(S344)。チャットサーバ50では、要求に応じて会議室を新たに作成し、会議室IDや会議室URLの情報をカウンセリングサーバ10に応答する(S345)。カウンセリングサーバ10では、カウンセリング処理部12により、依頼情報データ保持部32に対して、飛び込みでのカウンセリングの内容や割り当てられたカウンセラーのカウンセラーID、チャットサーバ50から取得した会議室IDや会議室URLの内容等を新たに登録し、また、依頼ステータスを“開始”として、会員端末60に開始要求の応答を返す。
会員端末60では、カウンセリングサーバ10からの応答を介して取得した会議室IDや会議室URLの情報等をパラメータとして渡した上で、ビデオチャット用のWebブラウザのウィンドウをポップアップ等により表示する(S347)。その後の処理(図中のステップS348〜S352)は、上述した図12のステップS311〜S315と同様である。すなわち、対象のカウンセラーが会議室に入室するのを待って(ステップS348〜S350)、会員が会議室に入室し(S351)、会員側、カウンセラー側双方でビデオチャットを開始する(S352)。また、このときのカウンセラー側の開始処理は、上述した図13での処理と同様である。
なお、図14に示した飛び込みによるカウンセリングの開始の場合でも、上述の図12、図13で示した予約によるカウンセリングの開始の場合と同様に、ビデオチャットの開始シーケンスは上記のものに限らない。
本実施の形態では、飛び込みによるカウンセリングの可否を判定する際に、カウンセラースケジュールデータ保持部31における各カウンセラーの予約のスケジュールだけではなく、さらに各カウンセラーのリアルタイムでのステータスの情報を加えて判定する。これにより、例えば、カウセリングの実施の延長や、予期しない早期での終了などカウセリングの実施時間の変動等に対して、カウンセラーの空きスケジュールをできる限り会員に利用可能とし、また、飛び込みによるカウンセリングのスムーズな実施を可能とする。
<処理の流れ(カウンセリング終了)>
図15は、図10におけるステップS03(カウンセリング実施処理)でのカウンセリングの終了の際の処理の流れの例について概要を示したシーケンス図である。図15(a)の例では、通常時の終了処理の流れの例を示している。ここでは、ビデオチャットによるカウンセリング(“お悩み相談”もしくは“美容レッスン”)が現在行われており、対象のカウンセラーについてのカウンセラーステータスデータ保持部33上でのステータスは、カウンセリング中であることから“サービス不可”となっているものとする。また、当該カウンセラーが対応中のカウンセリングについての依頼情報データ保持部32上での依頼ステータスは“応対”であるものとする。
カウンセリングの終了処理は、カウンセラー側からの指示に基づいて処理を開始するものとする。ビデオチャットを利用したカウンセリングの実施中にカウンセリングを終了する場合において、まず、カウンセラー端末70上のカウンセリングサービス用の画面は、カウンセラーからの指示もしくは自動により、チャットサーバ50に対して、カウンセリングの終了要求(会議室の破棄要求)を行う(S361)。ここでは例えば、カウンセリングサービス用の画面に組み込まれたクライアントサイドのアプリケーションプログラムが、チャットサーバ50に対して会議室の破棄の要求を送信する。カウンセリングサーバ10を経由してチャットサーバ50に対して終了要求を行うようにしてもよい。
チャットサーバ50では、会議室ステータスデータ保持部54を参照して、もしくは入退室判定部52や会議室管理部53などにより、対象の会議室の会議室状態区分および入室状態区分を取得して、会議室の状態を確認する(S362)。会議室の状態が、会議室ありでかつ会員もしくはカウンセラーの少なくとも一方が入室していない状態などの異常な状態である場合は、カウンセラー端末70にその旨を応答して、後述する図15(b)の例により終了処理を行うようにしてもよい。会議室の状態が問題ない場合は、チャットサーバ50は、対象の会議室(ビデオチャット)を終了する(S363)。会議室が終了すると、チャットサーバ50の会議室管理部53により、会議室ステータスデータ保持部54の当該会議室の状態について終了を示す値とし、会議室への入室状態についていずれも入室していないことを示す値を記録する。
その後、カウンセリングサーバ10では、カウンセリング処理部12により、依頼情報データ保持部32における対象の依頼の依頼ステータスを“応対”から“終了”に更新する(S364)。すなわち、依頼ステータスは、対応する会議室が終了している(例えば、会議室ステータスデータ保持部54の会議室状態区分において終了したステータスとなっており、入室状態区分においていずれのユーザも入室していないステータスとなっている)ことを条件として“終了”に遷移するように制御される。その後、カウンセリングの終了をカウンセラー端末70に対して応答する(S365)。なお、図15の例では、ステップS363とステップS364、S365とを逐次的な処理としているが、これらを並列的に処理するようにしてもよい。
その後、カウンセラーは、必要に応じてカウンセラー端末70上で会員にカウンセリングの結果をフィードバックするための結果情報40を作成する。この結果情報40は、一般的な文書作成アプリケーションなどを用いて作成することができる。このとき、例えば、会員に適した化粧品等の美容商品などを推奨し、これらの商品を販売する商品販売Webサーバ80上のECサイトのURLをリンクとして埋め込むようにしてもよい。カウンセラーは、結果情報40を作成すると、そのファイルをカウンセリングサーバ10にアップロードする(S366)。アップロードされた結果情報40のファイルは、結果情報処理部13によりファイルのパスの情報が依頼情報データ保持部32の対象の予約のレコードに追加されて管理される。
このように、本実施の形態では、カウンセリング終了後の結果情報40の作成やその後の休憩など、カウンセリング全体の処理に要する時間が変動する場合があり得る。従って、カウンセラーが能動的に自身が次のカウンセリングを実施可能となったことを通知してステータスを更新することで、飛び込みによるカウンセリングを受け付ける際に対応可能なカウンセラーをカウンセリングシステム1が適切に割り当てることを可能とする。
そこで、本実施の形態では、結果情報40の作成と登録が完了すると、カウンセラーは、カウンセラー端末70上のカウンセリングサービス用の画面上で、例えば、サービス可能ボタンを押下する等の処理により、自身が次のカウンセリングを実施可能となった旨のステータスの更新要求を行う(S367)。更新要求を受信したカウンセリングサーバ10では、カウンセラー管理部11により、カウンセラーステータスデータ保持部33の対象のカウンセラーのステータスを“サービス不可”から“サービス可能”に更新する(S368)。
なお、カウンセラーが自身のステータスを手動で“サービス可能”に更新する際に、カウンセラー管理部11は、ステップS364での処理により、自身が対応したカウンセリングの依頼ステータスが“終了”になっていることを条件とするよう制御する。これにより、カウンセラーステータスと依頼ステータスとが不整合となることを防止する。なお、上述したように、依頼ステータスが“終了”に遷移するためには、ステップS363での処理により対象のカウンセリングに使用された会議室が終了している(例えば、会議室ステータスデータ保持部54の会議室状態区分において終了したステータスとなっており、会員もカウンセラーも入室していない)ことが条件となる。以上のような制御により、カウンセラー端末70では、カウンセリングサーバ10の依頼情報データ保持部32における依頼ステータスを参照することで、チャットサーバ50にまでアクセスすることなく、カウンセリングが終了しているか否かを判定することができる。
一方、図15(b)では、カウンセリングの終了処理の別の例として、例えば、ビデオチャットのセッションが障害等により切れてしまい、カウンセリングが異常終了したような場合においても対応可能な終了処理の流れの例を示している。まず、カウンセラー端末70上のカウンセリングサービス用の画面は、カウンセラーからの指示もしくは自動により、カウンセリングサーバ10に対して、カウンセリングの終了要求(会議室の破棄要求)を行う(S371)。ここでは例えば、カウンセリングサービス用の画面に組み込まれたクライアントサイドのアプリケーションプログラムが、カウンセリングサーバ10に対して会議室の破棄の要求を送信する。
カウンセリングの終了要求を受信したカウンセリングサーバ10は、カウンセリング処理部12により、依頼情報データ保持部32を参照して、対象のカウンセリングに係る依頼の依頼ステータスを取得し(S372)、取得した依頼ステータスが“応対”であるか否かを確認する(S373)。依頼ステータスが“応対”でない場合は、そのままステップS380に進んで、カウンセリングの終了をカウンセラー端末70に対して応答する(S380)。
ステップS373で、依頼ステータスが“応対”である場合は、当該依頼(もしくは依頼ステータスが“応対”である全ての依頼)に係る会議室IDの情報を依頼情報データ保持部32から取得し、チャットサーバ50に対して、対象の会議室の状態を確認する(S374)。チャットサーバ50では、会議室ステータスデータ保持部54を参照して、もしくは入退室判定部52や会議室管理部53などにより、対象の会議室の会議室状態区分および入室状態区分を取得して、会議室の状態としてカウンセリングサーバ10に応答する(S375)。
カウンセリングサーバ10では、取得した対象の会議室の状態が、会議室ありでかつ会員もしくはカウンセラーの少なくとも一方が入室していない状態である場合は、チャットサーバ50に対して対象の会議室の終了要求を送信する(S377)。終了要求を受信したチャットサーバ50は、対象の会議室(ビデオチャット)を終了する(S378)。会議室が終了すると、チャットサーバ50の会議室管理部53により、会議室ステータスデータ保持部54の当該会議室の状態について終了を示す値とし、会議室への入室状態についていずれも入室していないことを示す値を記録する。その後のステップS379以降は、図15(a)におけるステップS364以降と同様であるため、再度の説明は省略する。
このように、ビデオチャットのセッションが切れた等によりカウンセリングが異常終了した場合は、カウンセラー端末70は、カウンセリングサーバ10を介して処理を行うことで、会議室の実際の状態と依頼ステータス等との間でステータスが不整合となることを回避しつつカウンセリングを終了させることができる。
<ユースケース>
以下では、カウンセリングの業務における各ユースケースでのデータの制御について説明する。図16は、“お悩み相談”を実施して結果情報40を作成する場合のデータの制御の例について概要を示した図である。以降の各図では、左側から右側に向けて時間帯を示し、上段では、業務イベントとして、会員からのカウンセリングの申し込みと、カウセリングの実施状況を示し、下段では、データコントロールとして、カウンセラースケジュールデータ保持部31、カウンセラーステータスデータ保持部33、および依頼情報データ保持部32における主要な項目のデータの遷移(制御)状況を時系列で模式的に示している。
図16の例では、9:00の時点でカウンセラーYのステータスは“サービス可能”となっている。この状態で、会員Aが“お悩み相談”を依頼し、10:00からカウンセラーYによるカウンセリング(チャット)を開始したことを示している。このとき、カウンセラースケジュールデータ保持部31ではカウンセラーYのスケジュールに“お悩み相談”のスケジュールを登録する。ここで、例えば、メニューマスタテーブル21における“お悩み相談”の所要時間合計が45分であったとすると、30分単位のコマが2コマ(10:00〜のコマと10:30〜のコマ)必要となるため、この2コマ分に依頼番号が登録される。
また、“お悩み相談”を開始する(もしくは会員およびカウンセラーが会議室に入室する)と、担当するカウンセラーYのステータスは、カウンセリングサーバ10のカウンセリング処理部12により自動的に“サービス不可”に更新され、他の会員からの“お悩み相談”の依頼ができないように制御される。また、依頼情報データ保持部32には、当該“お悩み相談”の内容が新たに登録される。
その後、10:45にカウンセリング(チャット)が終了し、カウンセラーYは結果情報40の作成に着手したことを示している。この時点で、依頼情報データ保持部32の依頼ステータスは、カウンセリング処理部12により自動的に“終了”に更新される。一方で、カウンセラーYのステータスは未だ“サービス不可”のままであるが、カウンセラーYによる手動でのステータス更新が可能な状態となる。その後、11:30に結果情報40の作成と登録が完了すると、カウンセラーYは、自身のステータスを手動で“サービス可能”に更新する。これにより、他の会員からの“お悩み相談”の依頼が可能となるように制御される。また、依頼情報データ保持部32には、結果情報40がアップロードされた旨の情報が登録される。これ以降、会員Aは、カウンセリングサーバ10にアクセスして結果情報40を閲覧することが可能となる。
図17は、“お悩み相談”を実施して結果情報40を作成しない場合のデータの制御の例について概要を示した図である。図17の例では、基本的には図16の例と同様であるが、10:45にカウンセリング(チャット)が終了した際に、カウンセラーYは結果情報40を作成しない。従って、その時点で、依頼情報データ保持部32の依頼ステータスがカウンセリング処理部12により“終了”に更新されていることを条件として、カウンセラーYは自身のステータスを手動で“サービス可能”に更新して、他の会員からの“お悩み相談”の依頼を可能とする。また、依頼情報データ保持部32には、結果情報40が作成されなかった旨の情報が登録されるため、会員Aは結果情報40を閲覧することはできない(例えば、会員Aが当該カウンセリングの履歴を閲覧しても結果情報40の情報が表示されない)。
図18は、飛び込みによる“美容レッスン”を実施する場合のデータ制御の例について概要を示した図である。図18の例では、上記の例と同様に、9:00の時点でカウンセラーXのステータスは“サービス可能”となっている。この状態で、会員Aが“美容レッスン”を飛び込みで依頼し、9:45からカウンセラーXによるカウンセリング(チャット)を開始したことを示している。
このとき、カウンセラースケジュールデータ保持部31ではカウンセラーXのスケジュールに“美容レッスン”のスケジュールを登録する。ここでは、例えば、メニューマスタテーブル21における“美容レッスン”の所要時間合計が60分であったとすると、30分単位のコマが3コマ(9:30〜のコマと、10:00〜のコマと、10:30〜のコマ)必要となるため、この3コマ分に依頼番号が登録される。
なお、飛び込みではなく予約による“美容レッスン”の場合は、30分のコマの単位でのみ開始時間を指定することができるよう制限するため、60分のコースの場合は2コマ必要となるが、飛び込みの場合は、例えば、コマの途中での依頼であっても、次のコマの開始時刻よりも所定の時間(例えば10分)以上前である場合(現在のコマがまだ10分以上残っている場合)は、コマの途中からカウンセリングを開始することができるものとする。この場合、上記のように標準で必要となるコマ数よりも多くのコマを押さえる必要が生じる。
また、“美容レッスン”を開始する(もしくは会員が会議室に入室する)と、上記と同様に、担当するカウンセラーXのステータスは、カウンセリング処理部12により自動的に“サービス不可”に更新され、他の会員からの飛び込みでの“美容レッスン”の依頼ができないように制御される。また、依頼情報データ保持部32には、当該“美容レッスン”の内容が新たに登録される。
その後、10:45にカウンセリング(チャット)が終了し、カウンセラーXは結果情報40の作成に着手したことを示している。上記と同様に、この時点では、カウンセラーXのステータスは未だ“サービス不可”のままである。その後、11:30に結果情報40の作成と登録が完了すると、カウンセラーXは、自身のステータスを手動で“サービス可能”に更新する。これにより、他の会員からの飛び込みでの“美容レッスン”の依頼が可能となるように制御される。また、依頼情報データ保持部32には、結果情報40がアップロードされた旨の情報が登録される。これ以降、会員Aは、カウンセリングサーバ10にアクセスして結果情報40を閲覧することが可能となる。
図19は、予約による“美容レッスン”を実施する場合のデータ制御の例について概要を示した図である。図19の例では、会員Aが事前(ここでは当日の朝9:00)に、10:00からのカウンセラーXによる“美容レッスン”を予約したことを示している。なお、カウンセリングの開始時間まで所定の時間(例えば10分)以内の場合は、もはや予約はできず、飛び込みのカウンセリングの依頼として取り扱うものとする。すなわち、例えば、9:50以降には10:00から開始する“美容レッスン”の予約を行うことはできず、会員は、10:00からの飛び込みでのカウンセリングとするか、10:30以降に開始時間を変更して予約するかのいずれかを選択することになる。
予約がされると、カウンセラースケジュールデータ保持部31には、カウセリング処理部12により、カウンセラーXのスケジュールに“美容レッスン”のスケジュールが登録される。ここでは、例えば、メニューマスタテーブル21における“美容レッスン”の所要時間合計が60分であったとすると、30分単位のコマが2コマ(10:00〜のコマと、10:30〜のコマ)必要となるため、この2コマ分が登録される。また、依頼情報データ保持部32にも当該“美容レッスン”の予約内容が新たに登録される。このとき、依頼ステータスは“予約済”となる。その後、11:00前にカウンセリング(チャット)が終了し、カウンセラーXは結果情報40の作成に着手したことを示している。なお、その後の処理やデータ制御は、上述の図18の例と同様である。
図20は、“美容レッスン”が予定時間よりも早く終了した場合のデータ制御の例について概要を示した図である。図20の例では、基本的には、図19の例と同様であるが、11:00までの予定のカウセリング(チャット)が10:30に終了したことを示している。本実施の形態では、Webを利用したオンラインでのカウンセリングであり、会員が容易にサービスを利用できるよう、原則として会員側の画像や動画はカウンセラーには提供されないものとしている。従って、会員側から一方的にカウンセリングを終了されたりすることで、図20の例のようにカウンセリングが早く終了する場合が増えることも考えられる。
このとき、依頼情報データ保持部32の依頼ステータスは、カウンセリング処理部12により自動的に“終了”に更新され、さらに、カウンセラーXは、自身が次のサービスが可能となった時点で、カウンセラーステータスデータ保持部33における自身のステータスを手動で“サービス可能”に更新する。これにより、カウンセラースケジュールデータ保持部31上では11:00までカウンセラーXのスケジュールは押さえられた状態であるが、他の会員からの飛び込みでの“美容レッスン”の依頼が可能となるように制御される(例えば、会員Bが10:45から飛び込みでの”美容レッスン”を受けることが可能となる)。
なお、上述したように、カウンセラーXが自身のステータスを手動で“サービス可能”に更新する際に、カウンセラー管理部11は、自身が対応したカウンセリングの依頼ステータスが“終了”になっている(もしくは当該カウンセリングに使用された会議室に会員もカウンセラーも入室していない)ことを条件とするよう制御する。これにより、カウンセラーステータスと依頼ステータスが不整合となることを防止する。なお、上述したように、依頼ステータスが“終了”に遷移するためには、対象のカウンセリングに使用された会議室が終了している(例えば、会議室ステータスデータ保持部54の会議室状態区分において終了したステータスとなっており、会員もカウンセラーも入室していない)ことが条件となる。
図21は、“美容レッスン”が予定時間よりも延長し、次の予約が入っている場合のデータ制御の例について概要を示した図である。上述した図19の例と同様に、会員Aが予約により10:00から“美容レッスン”を開始したが、終了予定の11:00を過ぎてもカウンセリング(チャット)が延長している状況を示している。また、会員BがカウンセラーXに対して11:00から“美容レッスン”を新たに予約していることを示している。
この場合、11:00の時点では、会員Aのカウンセリングは未だ終了していないため、依頼ステータスは“応対”のままとなっている。また、カウンセラーXのステータスも“サービス不可”のままとなっている。ここで会員Bがカウンセリングを開始するために11:00にカウンセリングの開始要求を行った(もしくは会議室に入室した)場合、カウンセラーXのステータスが“サービス不可”であるためカウンセリング(チャット)を開始することはできない。このような場合、上述したように、本実施の形態では、例えば、図13において示したように、カウンセラーXに対して次の会員Bが入室した旨のアラートを出力し、会員Aに対するカウンセリングを速やかに終了するよう通知するとともに、図12において示したように、会員Bに対しては、すぐには対応できない旨のメッセージ(例えば「しばらくお待ちください」等)を出力することで、会員Bに対して状況を適切に通知し、無用なストレスを与えないようにする。
図22は、予約による“美容レッスン”での予約を変更する場合のデータ制御の例について概要を示した図である。図22の例では、会員Aが事前(ここでは当日の朝9:00)に、10:30からのカウンセラーXによる“美容レッスン”を予約したことを示しており、さらに、会員Aが10:30より前に当該予約を11:00からに変更したことを示している。
このとき、依頼情報データ保持部32では、例えば、変更前の予約のレコード(図22の例では依頼番号“001”)は履歴として残し、当該予約に紐付く予約変更後のレコードを、変更前の依頼番号に枝番を付した依頼番号(図22の例では“001−2”)により依頼ステータスを“予約変更”として新たに登録する。また、カウンセラースケジュールデータ保持部31では、変更前の予約のコマを取り消して、変更後のコマを新たに押さえる(本実施の形態では、変更前の予約のコマの依頼番号を削除し、変更後の予約のコマに新たな依頼番号を登録する)。
図23は、予約による“美容レッスン”での予約をキャンセルする場合のデータ制御の例について概要を示した図である。図23の例では、会員Aが事前(ここでは当日の朝9:00)に、11:00からのカウンセラーXによる“美容レッスン”を予約したことを示しており、さらに、会員Aが11:00より前に当該予約をキャンセルしたことを示している。
このとき、依頼情報データ保持部32では、例えば、上記と同様にキャンセル前の予約のレコード(図23の例では依頼番号“001”)は履歴として残し、当該予約に紐付く予約キャンセル後のレコードを、キャンセル前の依頼に枝番を付した依頼番号(図23の例では“001−2”)により依頼ステータスを“予約取消”として新たに登録する。また、カウンセラースケジュールデータ保持部31では、予約していたコマを取り消す(本実施の形態では、キャンセルする予約のコマの依頼番号を削除する)。
以上に説明したように、本発明の一実施の形態であるカウンセリングシステム1によれば、カウンセリングサーバ10において、各カウンセラーのコマ単位でのカウセリングの依頼のスケジュール、各カウンセラーのリアルタイムでのステータス、およびカウンセリングの依頼の内容やステータスを、それぞれ、カウンセラースケジュールデータ保持部31、カウンセラーステータスデータ保持部33、および依頼情報データ保持部32によって管理し、データの制御を行う。これにより、各カウンセラーのスケジュールや稼働状況(空き状況)を管理して、予約によるカウンセリングの実施と飛び込みによるカウンセリングの実施に柔軟に対応して、カウンセラーの空き時間を低減して稼働率を上げることが可能となり、また、会員がスムーズにカウンセリングの依頼や実施を行うことが可能となる。
また、カウンセリングを行うためのビデオチャットの会議室のステータスと連携して、依頼情報データ保持部32の依頼ステータスの遷移を制御することで、より的確に依頼ステータスやカウンセラーのステータスの管理を行うことができる。さらに、会員による予約したカウンセリングの開始要求や飛び込みでの依頼を時間に基づいて制御する(例えば、予約に対する開始要求が可能な時間(もしくは会議室への事前の入室時間)の制限や、飛び込みの際の押さえるコマの制御、次のコマに対する予約を許可するか飛び込みのみとするかの制御など)ことで、会員がスムーズにカウンセリングを開始することが可能となる。
また、カウンセリングに際しては、チャットサーバ50によるビデオチャットの仕組みを用いて、動画や画像(これらの上に描画ツール等により手動で描画された内容も含む)のコンテンツを相互に共有して閲覧し、また、カウンセラーによる美容商品の使用方法やメイクアップ方法等のライブ動画を会員が視聴可能とすることで、より効果的なカウンセリングを実施することが可能となる。
また、カウンセリングの内容や、結果情報40等によって、美容商品などを推奨して、これを販売する商品販売Webサーバ80上のECサイトや実店舗に誘導することで、会員に対するチャネルを拡大し、美容商品等の販売につなげることが可能となる。さらに、例えば、商品販売Webサーバ80上のECサイトでの会員に対する販売実績と、カウンセリングの内容や結果情報40とを合わせて分析することで、カウンセラーの評価指標としたり、カウンセリング内容の見直しを行うための参考情報としたりすることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施の形態では、美容商品の販売等を目的とした美容に関するカウンセリングを対象としたが、これに限らず、サービスの提供者に対して顧客等が応対の申し込みを行い、オンラインでサービス提供者が当該顧客等に対して応対を行うような有償・無償の各種応対サービス(例えば、各種の指導や教育、相談サービスなど)にも適用することができる。