JP5004825B2 - 溶湯金属攪拌用回転体およびこれを用いた溶湯金属の脱ガス処理装置 - Google Patents

溶湯金属攪拌用回転体およびこれを用いた溶湯金属の脱ガス処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウムやその合金の溶湯金属中に窒素ガスやアルゴンガスを放出しながら回転して溶湯金属を攪拌することにより、溶湯金属中の水素や非金属酸化物等の不純物を処理する溶湯金属攪拌用回転体およびこれを用いた溶湯金属の脱ガス処理装置に関するものである。
近年、地球規模の環境意識の高まりから燃費の向上やCO排出の削減を図るため、自動車の構成部品の軽量化対策として、アルミニウムやその合金の溶融状態の溶湯を鋳型に流し込んで冷却し、所定の形状とする鋳造方法が採用されている。そして、このような構成部品の軽量化の要求は、さらなる燃費の向上やCO排出の削減を図るため一層厳しくなっており、これら構成部品を軽量化するためには薄肉化が必要になってきている。
しかしながら、これらの構成部品の材料にアルミニウムやその合金を用いて薄肉化しただけでは機械的強度が不足するため、薄肉化するには構成部品の材料そのものの機械的強度の向上が必要となる。この構成部品の材料そのものの機械的強度の向上には、材質の変更や製造方法の変更などが考えられるが、最も簡単な方法は、構成部品に用いる材料に含まれる不純物の量を減らすことにより、機械的強度をできるだけ材料そのものの理論的強度に近づけることである。
この構成部品に用いる材料に含まれる不純物の量を減らすには、不純物の少ない原材料を用いればよいが、不純物の少ない原材料を用いようとすると、原材料自体の価格が非常に高くなり、構成部品の価格もこれに伴って高くなるという問題があった。
このような問題を解決するために、アルミニウムやその合金の溶湯金属中の不純物を処理する目的で、溶湯金属中に処理ガスを吹き込み、攪拌して処理ガスを分散させて、その処理ガスの気泡により不純物を浮上させて分離することによって処理する脱ガス処理装置が用いられている。
図7は、従来の溶湯金属の脱ガス処理装置の一部を破断して示す正面図である。
図7に示す脱ガス処理装置30は、溶湯金属35を入れる容器34と、溶湯金属35を攪拌するためのシャフト31と、シャフト31の一方の端部に接続されたローター32と、シャフト31の他方の端部にフランジ継手38a,38bを介してボルト39およびナット40で接続された回転軸37と、この回転軸37を回転するための回転駆動機構33とから構成されている。
そして、フランジ継手38bは処理ガス(G)を供給するための供給口41と内部にガス供給路41aとを有し、シャフト31はこのガス供給路41aに連通したガス供給路41aを内部に有している。ガス供給路41aはシャフト31の一方の端部に接続されたローター32のガス供給路32aと連通しており、ローター32の放出口42より処理ガス(G)が容器34内の溶湯金属35中に放出される。
この脱ガス処理装置30を用いた溶湯金属35中の不純物36の処理方法は、容器34中の溶湯金属35に浸漬したシャフト31およびローター32を回転駆動機構33の回転駆動により回転させながら、処理ガス(G)を供給口41からガス供給路41a,31a,32aを通じて放出口42より溶湯金属35中に吹き込み、回転によって生じる遠心力により処理ガス(G)を溶湯金属35中で微細化して分散させ、溶湯金属35中の水素や非金属酸化物等の不純物36を気泡に取り込んだり付着させたりして溶湯金属35の表面に集めて、それら不純物36を効率的に処理する方法である。
そして、従来このような脱ガス処理装置30に用いられるシャフト31およびローター32の材料として主に炭素が使用されてきたが、溶湯金属35中で不純物36を処理する際に炭素が溶湯金属35によって消耗する量が多いために、近年では炭素に代わりセラミック材料が使用されてきている。しかしながら、一般的にセラミック材料は急激な熱衝撃に弱いという欠点があるために、溶湯金属35に加熱されたガス供給路41a,31a,32aが、供給口41から吹き込まれる低温の処理ガス(G)により急激に冷却されて、熱衝撃に耐え切れず破損するという問題があった。
このような問題に対して、特許文献1には、気体供給用の中空部を有する垂直な回転軸(シャフト)と、この回転軸の下端部に固着したローターとからなる溶融(溶湯)金属攪拌用回転体において、これら回転軸およびローターを窒化物系,ほう化物系もしくは炭化物系のセラミック材料によって形成するとともに、回転軸内に断熱材料により中空筒状に形成した気体供給用の吹込管(ガス供給管)の間隙を介して同軸的に挿通固着した溶融金属攪拌用回転体が開示されている。この溶融金属攪拌用回転体によれば、断熱材料により中空筒状に形成した吹込管を用いるので、吹込管内を流通する低温気体(処理ガス)によって回転軸が急冷されるのを防ぎ、回転軸の亀裂や破損を未然に防止できるというものである。
実公平7−53804号公報
しかしながら、特許文献1に開示された溶融金属攪拌用回転体は、回転軸内に断熱材料により中空筒状に形成した気体供給用の吹込管の間隙を介して同軸的に挿通固着した構成であることから、低温気体の流通による回転軸の急冷作用を阻止することができるので、回転軸の亀裂や破損を未然に防止することができるものであるが、近年の溶融金属攪拌用回転体に求められている長時間の使用に耐えて信頼性を大幅に向上させるものではなかった。
すなわち、この特許文献1に開示された構造の溶融金属攪拌用回転体を用いて回転軸内の吹込管およびローターを介して溶融金属内に低温の気体を供給して放出すれば、気体が低温であるためにこれに接した溶融金属は冷却されて粘度が著しく上昇する。このために溶融金属攪拌用回転体の回転時に回転軸のローター側の近傍部分に多大な負荷が掛かり、長時間運転を継続するとその部分に亀裂や破損を生じるという問題が起こっていた。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、低温の処理ガスが放出されることによって溶湯金属が冷却されて粘度が著しく上昇し、シャフトのローター側の近傍部分に多大な負荷が掛かることにより亀裂や破損を生じないように、低温の処理ガスを加熱した状態で溶湯金属中に放出することができる溶湯金属攪拌用回転体を提供することを目的とする。また、この溶湯金属攪拌用回転体を用いることによって長期に渡って品質のよい溶湯金属を安定して供給することができる、信頼性の高い溶湯金属の脱ガス処理装置を提供することを目的とする。
本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、シャフトの一方の端部に溶湯金属を攪拌するローターが、他方の端部に回転駆動機構に接続する連結具が取り付けられた溶湯金属攪拌用回転体であって、前記シャフト内に複数のガス供給管を同軸状に配置して内側から外側へ順に間隙を通して処理ガスを前記一方の端部より前記溶湯金属に供給することを特徴とするものである。
さらに、本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、上記構成において、前記複数のガス供給管と前記シャフトとの間隙に伝熱部が設けてあることを特徴とするものである。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、上記構成において、前記伝熱部が複数設けてあり、複数の該伝熱部のうち少なくとも一部が弾性部材からなることを特徴とするものである。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、上記構成において、前記複数のガス供給管の内面および外面のうち最も内側の内面を除く内面および外面の少なくとも1つの面に突起部が設けてあることを特徴とするものである。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、上記構成において、前記複数のガス供給管の表面積における前記突起部が占有する面積の占有率が5%以上30%以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、上記構成において、前記突起部が前記ガス供給管の内周または外周に沿って環状に設けてあることを特徴とするものである。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、上記構成において、前記ガス供給管の軸方向の断面における前記突起部の断面形状が三角形状であることを特徴とするものである。
また、本発明の溶湯金属の脱ガス処理装置は、上記いずれかの構成の本発明の溶湯金属攪拌用回転体が、前記連結具を介して前記回転駆動機構に接続されて、前記溶湯金属の容器内に配置されていることを特徴とするものである。
本発明の溶湯金属攪拌用回転体によれば、シャフトの一方の端部に溶湯金属を攪拌するローターが、他方の端部に回転駆動機構に接続する連結具が取り付けられた溶湯金属攪拌用回転体であって、シャフト内に複数のガス供給管を同軸状に配置して内側から外側へ順に間隙を通して処理ガスを一方の端部より溶湯金属に供給することから、処理ガスを複数のガス供給管の間隙を通り抜ける間に加熱して溶湯金属中に放出することができるので、溶湯金属が冷却されることによる粘度の上昇を抑制し、シャフトのローター側の近傍部分に多大な負荷が掛かることによる亀裂や破損を抑制することができる。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体によれば、複数のガス供給管とシャフトとの間隙に伝熱部が設けてあるときには、溶湯金属により加熱されたシャフトの熱を複数のガス供給管に伝熱部を介して伝熱することができるので、供給される処理ガスを複数のガス供給管によって高温に加熱することができるために、溶湯金属の粘度の上昇を抑制し、シャフトのローター側の近傍部分に掛かる負荷をさらに低減して亀裂や破損を抑制することができる。
さらに、本発明の溶湯金属攪拌用回転体によれば、伝熱部が複数設けてあり、複数の伝熱部のうち少なくとも一部が弾性部材からなるときには、シャフトや外側のガス供給管から弾性部材を介して溶湯金属の熱を内側のガス供給管に伝達することができるので、処理ガスの加熱を効率よく行なうことができる。さらに、例えば、シャフトとガス供給管との熱膨張係数の違いから、溶湯金属の熱によってシャフトとガス供給管との間隙の寸法に変化が生じたとしても、伸縮可能な弾性部材がこの寸法の変化を吸収することができるので、シャフトとガス供給管との間隙の寸法の変化が生じても、両者の間に介在する伝熱部12が起因となる亀裂や破損を抑制することができる。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体によれば、複数のガス供給管の内面および外面のうち最も内側の内面を除く内面および外面の少なくとも1つの面に突起部が設けてあるときには、ガス供給管の表面積が増加して間隙内を流れる処理ガスとの接触面積が増加するので、処理ガスへの伝熱効率が高まり、放出される処理ガスによって溶湯金属が冷却されて粘度が著しく上昇することをより効果的に抑制することができるので、シャフトのローター側の近傍部分に多大な負荷が掛かることにより亀裂や破損が生じることをさらに効果的に抑制できる。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体によれば、複数のガス供給管の表面積における突起部が占有する面積の占有率が5%以上30%以下であるときには、ガス供給管内の通気抵抗の上昇を抑制しつつ、シャフトやガス供給管を介して溶湯金属の熱を処理ガスへ効率よく伝えて処理ガスを効率よく温めることができる。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体によれば、突起部がガス供給管の内周または外周に沿って環状に設けてあるときには、ガス供給管の製造において突起部の加工や接合が比較的容易であり、低いコストで処理ガスを効率よく伝えて温めることができるものとなる。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体によれば、ガス供給管の軸方向の断面における突起部の断面形状が三角形状であるときには、突起部に接触した処理ガスを効率よく温めるとともに、三角形状の斜辺となる部分によってガス供給管の軸方向に沿った処理ガスの流れをスムーズにして通気抵抗の上昇を抑制することができる。
また、本発明の溶湯金属の脱ガス処理装置によれば、本発明の溶湯金属攪拌用回転体が、連結具を介してシャフトを回転させるための回転駆動機構に接続されて、溶湯金属の容器内に配置されているときには、処理ガスが複数のガス供給管の間隙を通り抜ける間に加熱されて溶湯金属中に放出されることにより、シャフトのローター側の近傍部分に多大な負荷が掛かることによる亀裂や破損の発生を防止することができるので、長時間の使用に耐えて信頼性を大幅に向上できるとともに、シャフト等の部品交換の回数が低減されてメンテナンスコストの削減を図れる良好な脱ガス処理装置とすることができる。
以下、本発明の溶湯金属攪拌用回転体およびこれを用いた溶湯金属の脱ガス処理装置の実施の形態の例について説明する。
図1は、本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態の一例を示す縦断面図である。なお、以下の図面において図1と同様の部材には同じ符号を用いて示し、図1に示す断面図と同様の断面図を縦断面図と称す。
本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、シャフト4と、シャフト4の一方の端部に取り付けられた溶湯金属2を攪拌するローター5と、シャフト4の他方の端部に取り付けられた、シャフト4を回転させるための回転駆動機構(図示せず)に接続する連結具3と、シャフト4の内部に間隙9を設けて同軸状に配置された、外管7aおよび内管7bからなる複数のガス供給管7とにより構成されている。また、連結具3にはガス供給口6が設けられ、ローター5側の先端にはガス噴出口8が設けられている。なお、シャフト4内に記載した複数の矢印は、処理ガスの進行方向を示すものである。
この溶湯金属攪拌用回転体1を用いた溶湯金属2中の不純物の処理方法は、図1に示す例のように容器(図示せず)に入った溶湯金属2に浸漬したシャフト4およびローター5を回転駆動機構により回転させながら、処理ガスをガス供給口6からガス供給管7を通じてガス噴出口8より溶湯金属2中に放出し、ローター5の回転によって生じる遠心力により処理ガスを溶湯金属2中で微細化して分散させ、溶湯金属2中の水素や非金属酸化物等の不純物を処理ガスの気泡に取り込んだり付着させたりして溶湯金属2の表面に浮かせて集めることによって、それら不純物を効率的に処理する方法である。
このとき、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、シャフト4内に複数のガス供給管7(この例では外管7aおよび内管7b)を同軸状に配置して内側から外側へ順に間隙9を通して処理ガスを供給する構造としたことが重要である。本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、従来、ガス供給口6からガス噴出口8に通じるガス供給管7が1本の管からなるものであったのに対して、外管7aと内管7bとの複数のガス供給管7で構成している。内管7bは、円筒状の管であって、他方の端部が連結具3の中央のガス供給口6が設けられた突出部に接合されている。また、外管7aは、ローター5側に向かってガス供給口6から内管7bの内側を通ってきた処理ガスを、図1中の矢印で示すように、連結具3側へ進行方向を変える封止部11を有した円筒状の管である。また、外管7aの連結具3側の端部には、ガス供給口6から内管7bの内側を通し、内管7bの外面と外管7aの内面との間隙9を通して供給されてきた処理ガスを外管7aの外面とシャフト4の内面との間隙9に通過させるためのガス通過孔10を設けている。同様にローター5側の封止部11の下にも、連結具3側のガス通過孔10を通って外管7aの外面とシャフト4の内面との間隙9を通して供給されてきた処理ガスをガス噴出孔8に通過させるためのガス通過孔10を設けている。そして、この外管7aの他方の端部も連結具3に接合されている。
このように、ガス供給管7を外管7aと内管7bとの複数の管で構成することにより、ガス供給口6から供給された処理ガスが内管7bの内側を通り、内管7bの外面と外管7aの内面との間隙9を通り、外管7aの外面とシャフト4の内面との間隙9を通ってガス噴出口8より溶湯金属2中に放出するというように内側から外側へ順に間隙9を通すことによって、処理ガスとガス供給管7との接触面積が増加して、低温であった処理ガスを加熱して溶湯金属2中に放出することができるので、溶湯金属2が冷却されることによる粘度の上昇を抑制し、シャフト4のローター5側の近傍部分に多大な負荷が掛かることによる亀裂や破損の発生を防止することができる。
ここで、外管7aおよび内管7bの材質としては、金属またはセラミックス製とするのがよい。金属としては熱伝導率,加工の容易さおよびコスト面を考慮すれば、銅,アルミニウムまたは鉄を用いるのがよい。セラミックスとしては、熱伝導率の高い窒化アルミニウムや高強度のアルミナ,低熱膨張率で高温用部材として適用されているコージェライトまたはムライト等を用いるのがよい。また、外管7aおよび内管7bの形状については、軸方向に垂直な断面で見たとき、円形や多角形状等の形状とすることが可能である。
図2は、本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態の他の例を示す、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)におけるA−A’線での横断面図である。なお、以下の図面において図2(b)に示す断面図と同様の断面図を横断面図と称す。
この溶湯金属攪拌用回転体1は、図1に示す例と同様の構成に加えて、シャフト4と外管7aとの間隙9に伝熱部12が設けてある。このように、シャフト4とガス供給管7である外管7aとの間隙9に伝熱部12が設けてあることが好ましい。
これにより、溶湯金属2によって加熱されたシャフト4の熱を伝熱部12を介して外管7aに伝達させることによって、熱せられた外管7aから処理ガスへとより効率よく熱を伝達して、供給された低温の処理ガスを高温に加熱することができるので、溶湯金属2の粘度の上昇を抑制し、シャフト4のローター5側の近傍部分に掛かる負荷をさらに低減して亀裂や破損の発生を防止することができる。さらに、伝熱部12が設けてあることにより、処理ガスと高温部分との接触面積が増加し、シャフト4からの熱で加熱された伝熱部12にも処理ガスが接触して通過することから、処理ガスの温度を上げることができる。
また、伝熱部12によって外管7aの固定を行なうのであれば、少なくとも連結具3側とローター5側との両方に伝熱部12が設けてあることが好ましい。さらに、中央にも伝熱部12を設けて軸方向の3箇所で固定することがより好ましい。このように、伝熱部12は、複数設置することが可能であり、設置数が増した分だけ外管7aはより安定に固定されるともに熱の伝達効率が上昇する。
図3は、本発明の溶湯攪拌用回転体の実施の形態の他の例を示す横断面図である。
図3に示す例のように、本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、ガス供給管7とシャフト4との間隙に伝熱部12が複数設けてあり、複数の伝熱部12のうち少なくとも一部が弾性部材12aからなることが好ましい。この図3(a)に示す例は、シャフト4とガス供給管7のうち外管7aとの間隙に伝熱部12としての弾性部材12aを周方向の4箇所に設けたものであり、図3(b)に示す例は、シャフト4とガス供給管7のうち外管7aとの間隙に伝熱部12および伝熱部12としての弾性部材12aを、周方向の4箇所のうちそれぞれ2箇所ずつ設けたものである。
この複数の伝熱部12のうち少なくとも一部が弾性部材12aからなるときには、シャフト4から弾性部材12aを介して溶湯金属2の熱を外管7aに伝達することができるとともに、シャフト4と外管7aとの熱膨張係数の違いから、溶湯金属2の熱によってシャフト4と外管7aとの間隙の寸法に変化が生じたとしても、伸縮可能な弾性部材12aがこの寸法の変形を吸収することができるので、シャフト4とガス供給管7との間隙9の寸法の変化が生じても、両者の間に介在する伝熱部12が起因となる亀裂や破損を抑制することができる。
また、弾性部材12aの形状については、種々の形状が利用可能であるが、処理ガスの通過を妨げることとなって複数のガス供給管7内の通気抵抗が上昇し、処理ガスの排出が困難となるような形状とするのは好ましくない。そのため、シャフト4および外管7aの両方に面接触して効率よく熱を伝達し、複数の弾性部材12aの間および弾性部材12aを通して処理ガスが流れる際の通気抵抗の小さいコイルばね形状の弾性部材12aを用いることが好ましい。また、弾性部材12aの材質については、熱伝導率の良好な金属を用いるのがよく、熱膨張によるシャフト4と外管7aとの間隙の寸法の変化を吸収可能な弾性に優れるバネ鋼鋼材(SUP系)を用いるのが好適である。
さらに、弾性部材12aの固定方法については、シャフト4の内面または外管7aの外面へロウ付けや溶接によって固定する方法や、シャフト4の内面および外管7aの外面に弾性部材12aを固定する凹部をそれぞれ設け、その凹部に弾性部材12aの端部を嵌め込むことにより固定する方法がある。なお、伝熱部材12および弾性部材12aは、それぞれ外管7aと内管7bとの間隙に設けてもよい。
図4は、本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態のさらに他の例を示す、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での横断面図であり、(c)は(a)におけるC−C’線での横断面図である。
本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、複数のガス供給管7の内面および外面のうち最も内側の内面を除く内面および外面の少なくとも1つの面に突起部13が設けてあることが好ましい。このように、ガス供給管7の内面および外面の少なくとも1つの面に突起部13を設けてあるときには、突起部13によりガス供給管7の表面積が増加して間隙9内を流れる処理ガスとの接触面積が増加するので、処理ガスへの伝熱効率が高まり、放出される処理ガスによって溶湯金属2が冷却されて粘度が著しく上昇することをより効果的に抑制することができるので、シャフト4のローター5側の近傍部分に多大な負荷が掛かることにより亀裂や破損が生じることを抑制することができる。
なお、複数のガス供給管7の内面および外面のうち最も内側(この例では内管7b)の内面に突起部13を設けることを除いたのは、この内面が溶湯金属2から最も遠い部分のため得られる伝熱効果も小さく、内管7bの内面は処理ガスを注入した際に最初に接する面であるため、通気抵抗が上昇して処理ガスの流通が困難となるおそれがあるからである。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、複数のガス供給管7の表面積における突起部13が占有する面積の占有率が5%以上30%以下であることが好ましい。これにより、ガス供給管7内の処理ガスの通気抵抗の上昇を抑制しつつ、シャフト4やガス供給管7を介して溶湯金属2の熱を処理ガスへ効率よく伝えて処理ガスを効率よく温めることができる。一方、突起部13が占有する面積の占有率が5%未満である場合は、突起部13を設けない場合と比べて処理ガスへの熱の伝達効率の向上があまり見られず、突起部13を設けるための加工コストと見合わない場合がある。また、突起部13が占有する面積の占有率が30%を超える場合には、ガス供給管7内の通気抵抗が上昇し、処理ガスの供給に掛かる負荷が大きくなる傾向がある。
なお、複数のガス供給管7の表面積における突起部13が占有する面積の占有率とは、突起部13が複数のガス供給管7に接している部分の面積を、ガス供給管7を構成する外管7a,内管7bの内面や外面およびガス通過孔10の上面や下面の表面積の合計で除して百分率で表した数値である。
また、図4(a)に縦断面図で,(b)および(c)に横断面図で示す例のように、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、突起部13がガス供給管7の内周または外周に沿って環状に設けてあることが好ましい。ガス供給管7の内周または外周に沿って環状に設けるのであれば、突起部13の加工や接合が比較的容易であり、低いコストで処理ガスを効率よく温めることができるものとなる。
図5および図6は、本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態のさらに他の例を示す縦断面図である。
図5および図6に示す例のように、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、ガス供給管7の軸方向の断面における突起部13の断面形状が三角形状であることが好ましい。これにより、突起部13に接触した処理ガスを効率よく温めることができるとともに、三角形状の斜辺となる部分によってガス供給管の軸方向に沿った処理ガスの流れをスムーズにして、突起部13による通気抵抗の上昇を抑制することができる。
溶湯金属攪拌用回転体1において、ガス供給管7の軸方向の断面における突起部13の断面形状が図5に示す例のように三角形状であれば、処理ガスの流れを大きく妨げることなく処理ガスを温めることができる。また、ガス供給管7の軸方向の断面における突起部13の断面形状が、図6に示す例のように、三角形状であって処理ガスの流れの上流側にほぼ垂直に近いような大きな角度の辺を配置したような形状、すなわちいわゆる鋸歯状であれば、図5に示す例の溶湯金属攪拌用回転体1よりも処理ガスをより高い温度に効率よく温めることができる。
また、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1における複数のガス供給管7である外管7aおよび内管7bは多孔質体であってもよい。複数のガス供給管7をセラミックス多孔質体とした場合には、ガス供給管7の耐熱衝撃性を向上させることができるために好ましい。また、外管7aおよび内管7bは、そのどちらかを金属とし、どちらかをセラミックスとしてもよい。
次に、本発明の溶湯金属攪拌用回転体の製造方法の一例を説明する。
まず、窒化珪素質焼結体製のシャフト4およびローター5を作製する。市販の平均粒径が0.5〜10μmの窒化珪素1次原料と、所定量の焼結助剤とバインダと溶媒とを混合してスラリーとした後、スプレードライヤーにより噴霧造粒して2次原料を得る。そして、この2次原料を用いて静水圧プレス成形法(ラバープレス)により、シャフト4となる一方の端部に凸部を有する円筒状の成形体と、ローター5となる円板状の成形体とをそれぞれ成形する。その後、これらの成形体に必要に応じて切削加工を施した後、還元雰囲気炉中で1800〜2100℃の温度で焼成し、必要に応じて研削加工を施して、窒化珪素質焼結体からなるシャフト4およびローター5を得る。なお、シャフト4の一方の端部の凸部および他方の端部には、ローター5および連結具3と締結するための雄ねじを設け、ローター5の中央の凹部には、シャフト4と締結するための雌ねじを設ける。
次に、ガス供給管7を作製する。ガス供給管7を構成する外管7aおよび内管7bを金属製とする場合には、例えば所望の外径および内径を有する市販のアルミニウム製のパイプを用意して所望の長さで切断する。または、所望の厚みを有する市販のアルミニウム製板状素材を用意し、これを所望の寸法で塑性加工により円筒状に変形させた後、継ぎ目を溶接により接合する。外管7aについては、内径に合わせた円板状のアルミニウム製鋼板を切り出し、これを溶接することにより封止部11とし、さらに、研削用ドリルを用いて連結具3側およびローター5側の端部近傍にガス通過孔10を複数個開ける。なお、円筒状以外の形状についても、塑性加工により変形させて溶接することにより製造可能である。
また、ガス供給管7を構成する外管7aおよび内管7bの材質をセラミックスとする場合には、例えば市販の平均粒径0.5〜10μmの合成コージェライトと、所定量の焼結助剤,バインダおよび溶媒とを混合してスラリーとした後、スプレードライヤーにより噴霧造粒してコージェライト2次原料を得る。そして、この2次原料を用いて静水圧プレス成形法(ラバープレス)により、外管7aとなる一端が封止された円筒状の成形体と、内管7bとなる両端が開放された円筒状の成形体とを得る。
次に、外管7aとなる一端が封止された円筒状の成形体については、封止された端部から成形体の中央部に向かって切削加工を施し、円筒状の成形体の一部に封止部11を形成する。さらに、連結具3側の端部とローター5側の端部との所望の位置にガス通過孔10を開ける。その後、大気雰囲気炉中で1300〜1450℃の温度で焼成し、必要に応じて研削加工を施して、コージェライト質焼結体からなる外管7aおよび内管7bを得る。
また、2次原料の製造時に焼成時に焼失可能な焼失剤を混合すれば、セラミックス多孔質体からなるガス供給管7を製造可能である。焼失剤については、比較的低温で焼失可能なポリビニルアルコールやポリプロピレン,酢酸ビニール,アクリル樹脂,セルロース,炭酸カルシウム,炭化マグネシウム,澱粉等を用いることが可能で、これらが繊維状となったものを用いるのがよい。また、コージェライトのみに限っていえば、予め合成された1次原料を用いるのではなく、タルク,カオリンおよびアルミナ(またはハイジライト)より構成され、焼成時にこれらが合成されてコージェライト組成となる1次原料を用いれば、多孔質体を製造可能である。この場合、多孔質体の孔径はタルクの粒径に依存するため、得たい孔径に合わせてタルクの粒径を選定することで多孔質体の孔径を調整することが可能である。
なお、ガス供給管7の作製については、一例としてコージェライト質焼結体を述べたが、他にムライト,ステアタイト,アルミナまたはジルコニアについても、用いる原料と焼成温度以外は上述と同様の製造方法を適用可能である。焼成温度については、ムライト,ステアタイトは1300〜1500℃、アルミナ,ジルコニアは1500〜1700℃である。
さらに、図2に示す例のように、シャフト4とガス供給管7のうち外管7aとの間隙9に伝熱部12を設ける場合には、以下のように作製すればよい。金属製またはセラミックス製の外管7aに金属製の伝熱部12を設ける場合には、金属製の外管7aと同様の素材から8個の伝熱部12となる部材を切り出し、この部材を外管7aの連結具3側に4個,ローター5側に4個をそれぞれロウ付けや溶接等にて接合する。なお、一例として金属製の外管7aと同様の素材を示したが、伝熱部12の素材はこれに限るものではなく、シャフト4を介して溶湯金属2の熱を外管7aに伝達することができるものであれば他の素材であってもよい。
また、セラミックス製の外管7aにセラミックス製の伝熱部12を設ける場合には、予め厚肉の外管7aを静水圧プレス成形法により成形し、切削加工により伝熱部12を形成した後に焼成すればよい。あるいは伝熱部12を粉末プレス成形法等により成形して焼成した後に、無機系接着剤を用いて外管7aに接着することもできる。
また、図3に示す例のように、伝熱部12に替えて弾性部材12aを設ける場合には、ばね鋼鋼材からなるコイルばね形状のばね母材から弾性部材12aを切り出し、伝熱部12と同様に外管7aの連結具3側に4個,ローター5側に4個をそれぞれロウ付けや溶接等にて接合すればよい。さらに、外管7aの外面に切削加工,研削加工等により伝熱部12や弾性部材12aを嵌合可能な凹部を設けておき、この凹部に伝熱部12や弾性部材12aの端部を嵌合させて外管7aとシャフト4との間に挟んで設けることも可能である。なお、シャフト4を介して溶湯金属2の熱を外管7aに伝達することができるように、この凹部に嵌合させる伝熱部12や弾性部材12aは、凹部の深さと間隙9の寸法とを考慮した長さにする必要がある。
また、図3に示す例のように、外管7aに突起部13を設ける場合には、金属製またはセラミックス製の外管7aに伝熱部12を設けた場合と同様に、金属製の外管7aと同様の素材から突起部13となる部材を切り出し、この部材を外管7aの外面にロウ付けや溶接等にて接合すればよい。なお、一例として金属製の外管7aと同様の素材を示したが、突起部13の素材はこれに限るものではなく、間隙9を流れる処理ガスとの接触面積が増加して、処理ガスへの伝熱効率が高まるものであれば他の素材であってもよい。また、セラミックス製の外管7aの場合は、予め厚肉な外管7aを静水圧プレス成形法により成形し、切削加工により突起部13を形成した後に焼成する、あるいは突起部13を粉末プレス成形法等により成形して焼成した後に、無機系接着剤を用いて接着することもできる。
また、環状の突起部13を設ける場合には、外管7aの外面を加工して環状の突起部13を嵌合可能な凹部を設けておき、環状もしくは環状を分割した形状で金属のインゴットから切り出した部材、または環状もしくは環状を分割した形状で成形し焼成したセラミックスの部材を外管7aの凹部に嵌め合わせた後、溶接あるいは接着することによって設けることができる。なお、図2〜4に示す例を用いてシャフト4と外管7aとの間隙9に伝熱部12,弾性部材12a,突起部13を設けた場合を示したが、伝熱部12,弾性部材12a,突起部13の大きさや厚み等の形状を変更して、上記と同様の方法によって、ガス供給管7の外管7aと内管7bとの間隙9に伝熱部12,弾性部材12a,突起部13を設けることもできる。
さらに、図5および図6に示す例のように、ガス供給管7の軸方向の断面における断面形状が三角形状の突起部13を設ける場合には、ガス供給管7(外管7a,内管7b)と間隙9を流れる処理ガスとの接触面積が突起部13によって増加して処理ガスへの伝熱効率が高まる素材を用いて、軸方向の断面における断面形状が三角形状の突起部13を形成し、これらをロウ付けや溶接等にて外管7aまたは内管7bの内面あるいは外面に接合することにより、ガス供給管7の軸方向の断面における断面形状が三角形状の突起部13を設けることができる。また、セラミックス製のガス供給管7であれば、静水圧プレス成形法により成形し、切削加工により軸方向の断面における断面形状が三角形状の突起部13を形成して焼成した後に、あるいは軸方向の断面における断面形状が三角形状の突起部13を粉末プレス成形法等により成形して焼成した後に、無機系接着剤を用いて外管7aまたは内管7bの内面あるいは外面に接着することもできる。
また、外管7a,内管7bの内面や外面およびガス通過孔10の上面や下面の表面積を計算により求めておき、設ける突起部13が占有する面積の占有率が5%以上30%以下となるようにすれば、処理ガスの通気抵抗の大幅な上昇を抑制しつつ、シャフト4やガス供給管7(外管7a,内管7b)を介して溶湯金属2の熱を処理ガスへ効率よく伝えて加熱することができて好ましい。
また、連結具3の作製については、ステンレス鋼のインゴットを用いて、シャフト4と締結するための雌ねじや外管7aとの接合部となる凹部、内径7bとの接合部となる突出部の中央にガス供給口6を研削加工すればよく、これによって連結具3を得る。
その後、部材を組み立てる。連結具3は、そのガス供給口6が設けられた突出部に金属製またはセラミックス製の内管7bを溶接,ロウ付けやねじ締結により接合する。次に、外管7aを溶接,ロウ付けやねじ締結により接合する。次に、シャフト4の一方の端部の凸部の雄ねじとローター5の中央の凹部の雌ねじとを締結し、外管7aおよび内管7bが予め接合された連結具3をシャフト4内に挿入し、シャフト4の雄ねじと連結具3の雌ねじとを締結することにより組立完了となり、図1に示す本発明の溶湯金属攪拌用回転体1を得ることができる。また、伝熱部12,弾性部材12a,突起部13を設けたガス供給管7(外管7a,内管7b)を用いて組み立てることによって、図2〜図6に示す例のような本発明の溶湯金属攪拌用回転体1を得ることもできる。
このようにして製造された本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、シャフト4の一方の端部に溶湯金属2を攪拌するローター5が、他方の端部に回転駆動機構に接続する連結具3が取り付けられ、シャフト4内に複数のガス供給管7(外管7a,内管7b)を同軸状に配置して内側から外側へ順に間隙9を通して処理ガスをローター5側の端部より溶湯金属2に供給することから、処理ガスを複数のガス供給管7の間隙9を通り抜ける間に加熱して溶湯金属2中に放出することができるので、溶湯金属2が冷却されることによる粘度の上昇を抑制し、シャフト4のローター5側の近傍部分に多大な負荷が掛かることによる亀裂や破損の発生を防止することができる。
また、外管7aとシャフトとの間隙9に伝熱部12が設けてあるときには、溶湯金属2により加熱されたシャフト4の熱を外管7aに効率よく伝熱することができるので、供給される処理ガスを高温に加熱することができ、放出される処理ガスによる溶湯金属2の粘度の上昇を抑制し、シャフト4のローター5側の近傍部分に掛かる負荷をさらに低減して亀裂や破損の発生を防止することができる。
さらに、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1を用いた本発明の溶湯金属2の脱ガス処理装置は、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1が、連結具3を介してシャフト4を回転駆動するための回転駆動機構に接続されて、溶湯金属2の容器内に配置されており、処理ガスが複数のガス供給管7(外管7a,内管7b)の間隙9を通り抜ける間に加熱されてから溶湯金属2中に放出されることにより、シャフト4のローター5側の近傍部分に多大な負荷が掛かることによる亀裂や破損の発生を防止することができるので、長時間の使用に耐えて信頼性を大幅に向上できるとともに、シャフト4等の部品交換の回数が低減されてメンテナンスコストの削減を図れる、良好な脱ガス処理装置とすることができる。
以上、本発明の実施の形態の例について説明したが、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1は、上述の内容に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内であれば種々変更してもよいことは言うまでもない。例えば、複数のガス供給管7の形状が円筒ではなく多角形の筒であっても同様の効果が得られ、シャフト4の破損を効果的に防止することが可能である。
以下に本発明の実施例を示す。
(実施例1)
図1に示す例の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の製造を実施した。まず、窒化珪素質焼結体からなるシャフト4,ローター5を作製した。市販の平均粒径が1μmの窒化珪素1次原料とバインダと溶媒とを加えスラリーとした後、スプレードライヤーにて噴霧造粒し2次原料を得た。そして、この2次原料を用いて静水圧プレス成形法(ラバープレス)によりシャフト4となる一方の端部に凸部を有する円筒状の成形体とローター5となる円板状の成形体とをそれぞれ成形した。その後、切削加工を施し、一方の端部に凸部を有する円筒状のシャフト4と中央に凹部を有する円板状のローター5とを得た。次に、このシャフト4とローター5とを還元雰囲気炉に入炉して1950℃の最高温度にて焼成して焼結体を得た。焼成後、さらに焼結体の表面に研削加工を施すことにより、外径が65mm,内径が40mm,長さが970mmで一方の端部に凸部を有する円筒状のシャフト4と、外径が250mm,厚さが30mmで中央部に凹部を有する円板状のローター5とを得た。なお、ローター5の底面には、処理ガスを溶湯金属2中へ分散するための深さが15mmの放射状の分散溝を設けた。また、シャフト4の一方の端部の凸部および他方の端部には、ローター5および連結具3と締結するための雄ねじを設けた。また、ローター5の中央の凹部には、シャフト4と締結するための雌ねじを設けた。
次に、セラミックスのガス供給管7となる外管7aと内管7bとを作製した。まず、市販の平均粒径が1μmの合成コージェライト原料とバインダと溶媒とを混合してスラリーとした後、スプレードライヤーにより噴霧造粒して、コージェライト2次原料を得た。そして、この2次原料を用いて静水圧プレス成形法(ラバープレス)により、外管7aとなる一端が封止された円筒状の成形体と、内管7bとなる両端が開放された円筒状の成形体とを得た。次に、外管7aとなる一端が封止された円筒状の成形体については、封止された端部から成形体の中央部に向かって切削加工を施し、円筒状の成形体の一部に封止部11を形成した。さらに、連結具3側の端部から10mmおよびローター5側の端部から50mmの位置にφ20mmのガス通過孔10をそれぞれ4個開けた。その後、大気雰囲気中で1425℃の温度で焼成し、研削加工を施すことにより、外径が30mm,内径が25mm,長さが955mmで円筒状の一部に封止部11と、両端にガス通過孔をそれぞれ4個有するセラミックス製の外管7aと、外径が15mm,内径が10mm,長さが900mmで両端が開放された円筒状のセラミックス製の内管7bとを得た。
また、セラミックス製のガス供給管7とともに、金属製のガス供給管7となる外管7aと内管7bとについても作製を行なった。まず、外管7a用として、市販の外径が30mm,内径が25mm,長さが955mmのアルミニウム製のパイプを用意した。その後、厚さが2.5mmのアルミ鋼板からパイプの内径に合わせて直径が25mmの円板を切り出し、これを封止部11としてパイプのローター側端部から40mmの位置に溶接し、さらにローター5側端部から10mm,連結具3側の端部から50mmの位置にφ20mmのガス通過孔10をそれぞれ4個開けた金属製外管7aを得た。内管7bについては、外径が15mm,内径が10mm,長さが900mmのアルミニウム製のパイプを用意してこれを用いた。
次に、S45Cのインゴットから外径が80mm,長さが100mmの円筒体を研削加工により切り出し、その一端に内径が65mm,深さが50mmの凹部を、またその内径部分に雌ねじを、それぞれ研削加工により設けた。そして、その中心部にφ5mmのガス供給口6を長さ方向に設け、内管7bの端部を接続可能なようにガス供給口6を中心にして外径がφ10mm,高さが5mmの突出部が形成されるように、凹部に内径が30mm,深さが5mmの円形の溝を形成した連結具3を得た。
そして、セラミックス製および金属製の外管7aと内管7bとを用いて溶湯金属攪拌用回転体1の組み立てを行なった。なお、シャフト4,ローター5および連結具3については、上記作製方法により2組ずつ準備した。まず、シャフト4の先端の凸部の雄ねじとローター5の中央の凹部の雌ねじとを締結した。次に、連結具3の中央のガス供給口6が設けられた突出部と内管7bの片側端部とを、セラミックス製のものについてはロウ付けで、また金属製のものについては溶接により接合した。そして、外管7aを内管7bと同軸状に配置するようにセラミックス製のものについてはロウ付けで、金属製のものは溶接にて連結具3に接合した。しかる後、外管7aおよび内管7bが予め接合された連結具3をシャフト4内に挿入し、連結具3の雌ねじ部とシャフト4の雄ねじ部とを締結して、外管7aと内管7bとからなるガス供給管7がセラミックス製と金属製との組合せである2組の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1を得た。
次に、比較例として、1本のガス供給管をシャフト内に同軸的に挿通固着した溶湯金属攪拌用回転体を作製した。そして、ガス供給管7がセラミックス製と金属製との組合せである2組の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1と比較例の溶湯金属攪拌用回転体とを溶湯金属の脱ガス処理装置に設置して、溶湯金属中の不純物除去運転を実施した。その結果、比較例の溶湯金属攪拌用回転体は、数日の運転でシャフトが破損した。これは、溶融金属内に放出された低温の処理ガスにより溶湯金属が冷却され粘度が著しく上昇し、溶融金属攪拌用回転体の回転時にシャフトのローター側の近傍部分に多大な負荷が掛かり破損したものと考えられる。
一方、シャフト3内に複数のガス供給管7であるセラミックス製ならびに金属製の外管7aと内管7bとを同軸状に配置して、内側から外側へ順に間隙9を通して溶湯金属2に処理ガスを供給した本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例は、1ヶ月の運転によっても破損することなく、溶湯金属2中の不純物の除去を継続実施できた。これにより、シャフト4内に外管7aと内管7bとのように複数のガス供給管7を同軸状に配置して内側から外側へ順に間隙9を通して処理ガスを供給することにより、処理ガスが複数のガス供給管7の間隙9を通り抜ける間に加熱され、温められた処理ガスが溶湯金属2中に放出されるので、溶湯金属2の粘度が上昇せず、シャフト4に負荷が掛からず亀裂や破損の発生を防止できることが確認された。
(実施例2)
金属製の外管7aの連結具3側の端部から100mmの位置と、ローター5側の端部から70mmの位置とに図2に示す形状の伝熱部12を溶接により接合して、実施例1と同様の部材を用いて組み立てることによって本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例を得た。そして、実施例1で用いた伝熱部12を設けていない本発明の溶湯金属攪拌用回転体1とともに溶湯金属2へ浸漬してガス供給口6から熱電対を差し込み、封止部11の温度を測ることにより、熱の伝達状態を確認した。
伝熱部12を設けていない外管7aの封止部11よりも伝熱部12を設けてある外管7aの封止部11は温度が高く、シャフト4からの熱が効率よく伝達されていることが確認された。また、この伝熱部12を設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例を溶湯金属の脱ガス処理装置に設置して溶湯金属2中の不純物除去運転を実施したところ、1ヶ月の運転によっても破損することなく、溶湯金属2中の不純物の除去を継続実施できた。これにより、外管7aとシャフト4との間隙9に伝熱部12が設けてあれば、加熱された処理ガスが溶湯金属2中に放出されることとなり、運転期間に差は見られなかったものの伝熱部12を設けていない溶湯金属攪拌用回転体1の実施例よりもシャフト4のローター5側の近傍部分の負荷は軽減され、亀裂や破損の発生をさらに防止することができるものと考えられる。
(実施例3)
次に、平均径が20mm,自由高さが5mmのばね状の弾性部材12aを用意し、実施例2の伝熱部12に代えて弾性部材12aを金属製の外管7aに溶接により接合して、実施例1と同様の部材を用いて組み立てることによって、本発明の溶湯金属攪拌用回転体1を得た。そして、溶湯金属2へ浸漬してガス供給口6から熱電対を差し込み、封止部11の温度を測ることにより、熱の伝達状態を確認した。
その結果、弾性部材12aを設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例は、封止部11の温度が実施例2の伝熱部12を設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1と同等の温度であり、溶湯金属2からの熱がシャフト4を介して効率よく伝達されていることが確認された。
(実施例4)
次に、実施例2の伝熱部12を設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例と、実施例3の弾性部材12aを設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例とをそれぞれ溶湯金属2の脱ガス処理装置に設置して、溶湯金属2中の不純物除去運転を3ヶ月間実施し、シャフト4の損傷状況を確認した。
その結果、いずれのシャフト4も破損することはなかったものの、伝熱部12を設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例は、シャフト4の伝熱部12が設けられていた位置に亀裂が生じていた。これと比較して弾性部材12aを設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例は、弾性部材12aが設けられていた位置に亀裂等は見られず、溶湯金属2の熱によってシャフト3と外管7aとの間隙9の寸法の変化を弾性部材12aが吸収し、シャフト4の内面に掛かる応力を抑えることができていることが確認された。
(実施例5)
次に、図4に示す例の突起部13を設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例の製造を実施した。まず、外径が35mm,内径が30mmのアルミニウム製のパイプから、長さが50mmの突起部13となる環状体を5個切り出した。これを実施例1で用いた金属製の外管7aの外面の所定位置5ヶ所に溶接により接合して、実施例1と同様の部材を用いて組み立てることによって、図4に示す例の突起部13を設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例を得た。なお、複数のガス供給管7の表面積における突起部13が占有する面積の占有率は10%である。
その後、金属製の外管7aと内管7bとを用いて組み立てることにより、実施例1と同様の図1に示す例の本発明の溶湯金属攪拌回転体1を得た。そして、この図1に示す例の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例と、図4に示す例の突起部13を設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例とをそれぞれ溶湯金属2の脱ガス処理装置に設置して、溶湯金属2へ浸漬し、処理ガスを供給して溶湯金属2の攪拌を行なった。その後、それぞれの本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例のローター側のガス通過孔10を通過する処理ガスの温度を測定した。なお、予め溶湯金属攪拌用回転体1の実施例の組立時に封止部11に孔を設けておき、ガス供給口6,封止部11の孔を通してローター5側のガス通過孔10に配置した熱電対により処理ガスの温度を確認した。
その結果、図1に示す例の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例よりも、図4に示す例の突起部13を設けた本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例の方が処理ガスの温度が高くなっており、ガス供給管7の表面積が増加して間隙9内を流れる処理ガスとの接触面積が突起部13によって増加するので、処理ガスへの伝熱効率が高まっていることが確認された。
(実施例6)
次に、複数のガス供給管7の表面積における突起部13が占有する面積の占有率を種々変更した本発明の溶湯金属撹拌用回転体1の実施例の製造を実施して、処理ガスの温度および圧力の確認を行なった。
まず、外径が35mm,内径が30mmのアルミニウム製のパイプから外管7aの外面に嵌合可能な長さが20mmの突起部13となる環状体と、外径が25mm,内径が20mmのアルミニウム製のパイプから外管7aの内面に嵌合可能な長さが20mmの突起部13となる環状体と、外径が20mm,内径が15mmのアルミニウム製のパイプから内管7bの外面に嵌合可能な長さが20mmの突起部13となる環状体をそれぞれ複数個切り出して準備した。
次に、実施例1で用いた金属製の外管7aの内外面および内管7bの外面に、互いに重ならないように、試料No.1として外管7aの内外面および内管7bの外面に突起部13をそれぞれ2個ずつ、試料No.2としては同様に3個ずつ、試料No.3としては同様に5個ずつ、試料No.4としては同様に8個ずつ、試料No.5としては11個ずつ、試料No.6としては16個ずつ、試料No.7としては18個ずつ、それぞれ溶接して接合した。そして、実施例1と同様の部材を用いて組み立てることによって、試料No.1〜7の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例を得た。
このように外管7aの内外面および内管7bの外面に突起部13を溶接して接合することにより、複数のガス供給管7の表面積における突起部13が占有する面積の占有率は、試料No.1が3%、試料No.2が5%、試料No.3が9%、試料No.4が15%、試料No.5が20%、試料No.6が30%、試料No.7が33%である。なお、この占有率は、突起部13が複数のガス供給管7に接している部分の面積を、ガス供給管7を構成する外管7a,内管7bの内面や外面およびガス通過孔10の上面や下面の表面積の合計で除して百分率で表した数値である。
そして、これらの試料No.1〜7の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例について、実施例5と同様にそれぞれ溶湯金属2の脱ガス処理装置に設置して、溶湯金属2へ浸漬し、処理ガスを供給して溶湯金属2の攪拌を行なった。その後、試料No.1〜7の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例のローター側のガス通過孔10を通過する処理ガスの温度を測定した。なお、予め溶湯金属攪拌用回転体1の実施例の組立時に封止部11に孔を設けておき、ガス供給口6,封止部11の孔を通してローター5側のガス通過孔10に配置した熱電対により処理ガスの温度を測定した。また、処理ガスを注入する際の圧力についても市販の圧力計を用いて確認した。
その結果、試料No.1〜7の本発明の金属攪拌用回転体1の実施例において、試料No.1は、ガス通過孔10を通過する処理ガスの温度が最も低く、試料No.7は、ガス通過孔10を通過する処理ガスの温度が最も高いものの処理ガスを注入する際の圧力の上昇が確認された。試料No.2〜6は、外管7a,内管7bの内面や外面およびガス通過孔10の上面や下面の表面積における突起部13が占有する面積の占有率が5%以上30%以下であることにより、処理ガスの通気抵抗の上昇を抑制しつつ、シャフト4やガス供給管7を介して溶湯金属2の熱を処理ガスへ効率よく伝えて温めることができることが確認された。
(実施例7)
次に、図6に示す例のガス供給管7の軸方向の断面における突起部13の断面形状が三角形状である本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例の製造を実施した。まず、外径が25mm,内径が20mmのアルミニウム製のパイプから外管7aの内面に嵌合可能な長さが20mmの環状体を、外径が20mm,内径が15mmのアルミニウム製のパイプから内管7bの外面に嵌合可能な長さが20mmの環状体をそれぞれ複数個切り出して準備した。そして、ガス供給管7の軸方向の断面における突起部13の断面形状が、底辺(環状体の外径と内径との差)が5mm,高さ(環状体の長さ)が20mmとなるように加工した。
次に、実施例1と同様の外管7aおよび内管7bを用いて、作製した環状体の突起部13が占有する面積の占有率が20%となるように、外管7aの内面に19箇所,内管7bの外面に19箇所に互いに重ならないように配置して溶接して接合した。その後、実施例1と同様の部材を用いて組み立てることによって図6に示す例の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例を得た。
このようにして製造した、ガス供給管7の軸方向の断面における突起部13の断面形状が三角形状であり、突起部13が占有する面積の占有率が20%の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例と、実施例6で製造した、突起部13が占有する面積の占有率が同じ20%の試料No.5とをそれぞれ溶湯金属2の脱ガス処理装置に設置して、溶湯金属2へ浸漬し、処理ガスを供給して溶湯金属2の攪拌を行なった。その後、ローター側のガス通過孔10を通過する処理ガスの温度を測定した。なお、予め溶湯金属攪拌用回転体1の実施例の組立時に封止部11に孔を設けておき、ガス供給口6,封止部11の孔を通してローター5側のガス通過孔10に配置した熱電対により処理ガスの温度を測定した。また、処理ガスを注入する際の圧力についても市販の圧力計を用いて確認した。
その結果、ガス供給管7の軸方向の断面における突起部13の断面形状が三角形状であり、突起部13が占有する面積の占有率が20%の本発明の溶湯金属攪拌用回転体1の実施例は、試料No.5と比較して、ガス通過孔10を通過する処理ガスの温度が高く、処理ガスを注入する際の圧力の変化は見られなかった。ガス供給管7の軸方向の断面における突起部13の断面形状が三角形状であることにより、突起部13に接触した処理ガスを効率よく加熱することができるとともに、三角形状の斜辺となる部分により処理ガスの流れをスムーズにして通気抵抗の上昇を抑制した溶湯金属撹拌用回転体1とできることが確認された。
本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態の一例を示す縦断面図である。 本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態の他の例を示す、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)におけるA−A’線での横断面図である。 本発明の溶湯攪拌用回転体の実施の形態の他の例を示す横断面図であり、シャフト4と外管7aとの間隙において、(a)は弾性部材を4箇所ずつ設けた状態を、(b)は伝熱部および弾性部材を2箇所ずつ設けた状態を示す。 本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態のさらに他の例を示す、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での横断面図であり、(c)は(a)におけるC−C’線での横断面図である。 本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態のさらに他の例を示す縦断面図である。 本発明の溶湯金属攪拌用回転体の実施の形態のさらに他の例を示す縦断面図である。 従来の溶湯金属の脱ガス処理装置の一部を破断して示す正面図である。
符号の説明
1:溶湯金属攪拌用回転体
2:溶湯金属
3:連結具
4:シャフト
5:ローター
6:ガス供給口
7:ガス供給管
7a:外管
7b:内管
8:ガス噴出口
9:間隙
10:ガス通過孔
11:封止部
12:伝熱部
12a:弾性部材
13:突起部

Claims (8)

  1. シャフトの一方の端部に溶湯金属を攪拌するローターが、他方の端部に回転駆動機構に接続する連結具が取り付けられた溶湯金属攪拌用回転体であって、前記シャフト内に複数のガス供給管を同軸状に配置して内側から外側へ順に間隙を通して処理ガスを前記一方の端部より前記溶湯金属に供給することを特徴とする溶湯金属攪拌用回転体。
  2. 前記複数のガス供給管と前記シャフトとの間隙に伝熱部が設けてあることを特徴とする請求項1記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  3. 前記伝熱部が複数設けてあり、複数の該伝熱部のうち少なくとも一部が弾性部材からなることを特徴とする請求項2に記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  4. 前記複数のガス供給管の内面および外面のうち最も内側の内面を除く内面および外面の少なくとも1つの面に突起部が設けてあることを特徴とする請求項1に記載の金属溶湯攪拌用回転体。
  5. 前記複数のガス供給管の表面積における前記突起部が占有する面積の占有率が5%以上30%以下であることを特徴とする請求項4に記載の金属溶湯攪拌用回転体。
  6. 前記突起部が前記ガス供給管の内周または外周に沿って環状に設けてあることを特徴とする請求項4または5に記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  7. 前記ガス供給管の軸方向の断面における前記突起部の断面形状が三角形状であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の溶湯金属攪拌用回転体が、前記連結具を介して前記回転駆動機構に接続されて、前記溶湯金属の容器内に配置されていることを特徴とする溶湯金属の脱ガス処理装置。
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