JP5001770B2 - 容器整列装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、血液(特に血清)、尿、唾液、髄液等の検体(試料)中の特定の抗原または抗体を定量する酵素免疫測定(Enzyme Immuno Assay)を行う自動免疫分析装置等に適用される容器整列装置に関する。
例えば、血液等に含まれるグロブリン、酵素等の蛋白質、ホルモン、細菌、ウイルス等は、その分子構造が類似していたり、ごく微量であるために、通常の分析方法では固定や定量が困難である。これらの物質の分析には、一般に抗原抗体反応を利用した免疫化学的分析方法として特異性が高く、検出感度に優れたEIA法(酵素免疫測定法)が採用されている。通常、このEIA法では、測定対象物に応じた抗原または抗体を固相に結合して用い、これに検体(試料)中の測定対象物を接触させる。次いで、標識化合物である酵素で標識された測定対象物に特異的に反応する抗原または抗体を反応させて固定化し(Bound)、洗浄を繰り返して未反応の酵素標識抗体(Free)を完全に除去する(Bound/Free分離。以下、「B/F分離」という)。この後、検体中の測定対象物と結合した標識物の酵素の活性を測定し、検体中の測定対象物を定量するものである。
従って、EIA法を実施するにあたっては、分注、希釈、攪拌、B/F分離・洗浄、固相の移動等の複雑な操作が必要である。また、この実施には、一般に固相が用いられており、ポリスチレンビーズ、磁性粒子、反応容器の内壁等が知られている。この中で高感度かつ迅速な測定を行うために、固相として磁性体微粒子を用い磁石でB/F分離を行う技術や自動免疫分析装置が以前から開発されている。
この種の自動免疫分析装置として、図8に示すものがある(例えば、特許文献1参照。)。この自動免疫分析装置1は、図8に示すように、反応容器Kを直線の反応ラインの方向に移送する移送体2と、移送器3aを備え、移送体2上に反応容器Kを供給する反応容器ストッカー3と、分注器4aを備え、反応容器K内に血液等の検体を供給する検体供給部4と、各分注器5b,5dを介して反応容器K内に試薬を分注する一対の試薬ターンテーブル5a,5cを備えた第1試薬格納部5及び第2試薬格納部6と、第1及び第2のB/F分離・洗浄部7a,7bと、移送器8aを備え、分析項目に対応する目的の測定対象物を測定する計測部8と、使用済みの反応容器Kを廃棄する廃棄部9とで構成されている。
特開2001−91521号公報(図1)
しかしながら、前記従来の自動免疫分析装置1では、向きが揃っていない反応容器Kを反応容器ストッカー3に整列させて供給することが煩雑であった。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、反応容器の向きを揃えて供給することができる構成が極めて簡易で、かつ、低廉な容器整列装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、容器整列装置を、容器を投入する投入受板と、この投入受板の下方に配置され、前記容器をその矩形の底面側より挿入する矩形の上側開口部が形成された上側案内板と、この上側案内板より下方に配置されると共に、該上側案内板の上側開口部の位置より90度向きを変えた矩形の下側開口部が形成された下側案内板と、前記矩形の上側開口部の相対向する短縁部と前記矩形の下側開口部の相対向する短縁部に少なくとも1本ずつ掛け渡された線材と、前記矩形の上側開口部の相対向する長縁部と前記矩形の下側開口部の相対向する長縁部に位相をずらして少なくとも2本ずつ掛け渡された線材と、前記下側案内板の下方に配置され、深さ方向を軸として90度向きを変えられて揃えられた容器を容器供給廃棄ディスク上に移送する移送体と、で構成したことを特徴とする。
以上説明したように、請求項1の発明によれば、容器整列装置を、容器を投入する投入受板と、この投入受板の下方に配置され、容器をその矩形の底面側より挿入する矩形の上側開口部が形成された上側案内板と、この上側案内板より下方に配置されると共に、該上側案内板の上側開口部の位置より90度向きを変えた矩形の下側開口部が形成された下側案内板と、矩形の上側開口部の相対向する短縁部と矩形の下側開口部の相対向する短縁部に少なくとも1本ずつ掛け渡された線材と、矩形の上側開口部の相対向する長縁部と矩形の下側開口部の相対向する長縁部に位相をずらして少なくとも2本ずつ掛け渡された線材と、下側案内板の下方に配置され、深さ方向を軸として90度向きを変えられて揃えられた容器を容器供給廃棄ディスク上に移送する移送体とで構成したことにより、容器整列装置を簡単な構造で製造することができる。また、この簡単な構造の容器整列装置により、深さ方向を軸として、容器を90度確実に回転させて向きを揃えた整列状態で容器供給廃棄ディスク上に短時間でスムーズに供給することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態の容器整列装置が適用された自動免疫分析装置例を示す全体の平面図、図2は同容器整列装置の側面図、図3は同容器整列装置を一部断面で示す背面図、図4は同容器整列装置の要部の概略構成を示す斜視図、図5〜図7は同自動免疫分析装置によるステップ分析の各例を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明の一実施形態の容器整列装置30が適用された自動免疫分析装置10は、恒温(37℃)に維持されて回転する円形の反応ターンテーブル11の外周に、容器である反応容器12を整列させて順次供給する容器供給ユニット13と、反応容器12を供給したり、廃棄する容器供給廃棄ディスク14と、この容器供給廃棄ディスク14上に配置され、反応容器12内の検体(試料)Pを遠心分離させる遠心器17と、反応容器12に検体Pを分注する複数本の検体ボトル21及び希釈液ボトル22を保持した円形の検体ターンテーブル20と、反応容器12に試薬R,R′を分注する複数本の試薬ボトル25,25′を保持した円形で一対の試薬ターンテーブル24,24′と、B/F分離用の磁石27と、検体をB/F分離・洗浄するBF洗浄ユニット28と、分析項目に対応する目的の測定対象物を光学的に計測するホトルマンの検出器29とをそれぞれ設けており、円形の反応ターンテーブル11の円周上に円環状に52個セットされた反応容器12内の検体P中の測定対象物を抗原抗体反応を利用して免疫学的に測定するものである。
容器供給廃棄ディスク14に供給された反応容器12は、容器移送ユニット15により円形の反応ターンテーブル11の円周上に移送されてセットされるようになっている。また、円形の反応ターンテーブル11にセットされてB/F分離・洗浄された反応容器12は、容器移送ユニット15により検出器29に移送され、該検出器29で光学的に計測された使用済みの反応容器12は、容器移送ユニット15により容器供給廃棄ディスク14上の廃棄部18に移送されるようになっている。さらに、容器供給廃棄ディスク14上に配置された遠心器17へは別の容器移送ユニット16により反応容器12が移送されるようになっている。また、使用済みの反応容器12は、容器移送ユニット16により容器供給廃棄ディスク14上の別の廃棄部19に移送されるようになっている。
また、円形の検体ターンテーブル20に保持された検体ボトル21内の検体P及び希釈液ボトル22内のコントロールスタンダードとしての希釈液Qは、分注ノズルを備えた検体分注ピペット23により、円形の反応ターンテーブル11の円周上にセットされた反応容器12内や遠心器17にセットされた反応容器12内にそれぞれ分注されるようになっている。さらに、一対の試薬ターンテーブル24,24′に保持された試薬ボトル25,25′内の試薬R,R′は、分注ノズルを備えた一対の試薬分注ピペッタ26,26′により、円形の反応ターンテーブル11の円周上にセットされた反応容器12内にそれぞれ分注されるようになっている。
また、容器供給ユニット13は、反応容器12の向きを90度回転させて整列させる容器整列装置30を備えている。尚、図1〜図3に示すように、反応容器12は透明な樹脂により形成されており、上端が注入口になっている円筒部12aと底面が矩形で直方体状の容器本体12bとで正面逆T字状になっている。
図2〜図4に示すように、本発明の一実施形態を示す容器整列装置30は、反応容器12を投入するシュータ形の投入受板31と、この投入受板31の下方に配置され、反応容器12をその容器本体12bの矩形の底面側より挿入する矩形の上側開口部33が形成された上側案内板32と、この上側案内板32より下方に配置されると共に、該上側案内板32の上側開口部33の位置より90度向きを変えた矩形の下側開口部35が形成された下側案内板34と、これら上側案内板32及び下側案内板34を覆う側板36と、矩形の上側開口部33の相対向する短縁部33a,33aの中央と矩形の下側開口部35の相対向する短縁部35a,35aの中央にガイド棒37を介して1本ずつ掛け渡されたワイヤ(線材)38と、矩形の上側開口部33の相対向する長縁部33b,33bと矩形の下側開口部35の相対向する長縁部35b,35bに位相をずらして2本ずつ掛け渡されたワイヤ(線材)38と、下側案内板34の下方に配置され、90度向きを変えられて揃えられた反応容器12を容器供給廃棄ディスク14上に移送するベルトコンベヤ等から成る移送体39とで構成されている。
図4に示すように、上側案内板32の矩形の上側開口部33の相対向する短縁部33a,33aの中央と下側案内板34の矩形の下側開口部35の相対向する短縁部35a,35aの中央に各ガイド棒37を介して1本ずつ掛け渡されたワイヤ38の両端が固定された該各ガイド棒37は、前後方向に移動調節自在になっており、相対向する各ガイド棒37間の間隔を調節することができるようになっている。
また、上側案内板32の矩形の上側開口部33の相対向する長縁部33b,33bの中央に掛け渡された一対のワイヤ38,38は、下側案内板34の矩形の下側開口部35の相対向する長縁部35b,35bの相対向する角部から各長縁部35bを1とした場合にその位相を3/8ずらして位置に固定されている。
さらに、上側案内板32の矩形の上側開口部33の相対向する長縁部33b,33bの相対向する角部から位相を1/6をずらした位置に掛け渡された他の一対のワイヤ38,38は、下側案内板34の矩形の下側開口部35の相対向する長縁部35b,35bの相対向する別の角部から各長縁部35bを1とした場合にその位相を3/8ずらして位置に固定されている。
次に、前記構成の自動免疫分析装置10によるステップ分析の一例を、図5に示すフローチャートにより簡単に説明する。
円形の反応ターンテーブル11の円周上の最初のポジション(1番目)にセットされた反応容器12内に、検体分注ピペッタ23を介して円形の検体ターンテーブル20に保持された検体ボトル21内の血液の血清等の検体Pと希釈液ボトル22内の希釈液Qが分注されて所定量の希釈検体が注入される。
次に、希釈検体が注入された反応容器12内に、一対の試薬分注ピペッタ26,26′を介して一対の試薬ターンテーブル24,24′に保持された試薬ボトル25,25′内から試薬R,R′としての所定量のビチオン抗体液と標準抗体液が分注され、インキュベーション後に、磁性粒子としての所定量のストレプトアビジン粒子が注入される。
そして、所定時間経過した後で、BF洗浄ユニット28で希釈検体がB/F分離・洗浄され、ホトルマンの検出器29にて分析項目に対応する目的の測定対象物が光学的に計測される。
この自動免疫分析装置10によれば、円形の反応ターンテーブル11の外周に、反応容器12を整列させて順次供給する容器供給ユニット13と、反応容器12に血液の血清等の検体Pを分注する複数本の検体ボトル21を保持した検体ターンテーブル20と、反応容器12に試薬R,R′を分注する複数本の試薬ボトル25,25′を保持した試薬ターンテーブル24,24′と、検体PをB/F分離・洗浄するBF洗浄ユニット28と、分析項目に対応する目的の測定対象物を光学的に測定する検出器29等をそれぞれ設け、容器供給ユニット13に反応容器12の向きを90度回転させて整列させる容器整列機構30を備えたことにより、自動免疫分析装置10の全体の小型化を図ることができると共に、大量のサンプルの分析測定を短時間で処理することができる。
また、図2及び図3に示すように、上,下側案内板32,34とワイヤ38等から成る簡単な構造の容器整列装置30の6本のワイヤ38間を反応容器12が通過することにより、反応容器12を90度回転させて向きを確実に変えることができる。この向きが揃えられた反応容器12は、移送体39により整列した状態で容器供給廃棄ディスク14上に短時間でスムーズに供給される。
尚、前記実施形態によれば、反応容器12の向きを90度回転させる線材としてワイヤ38を用いたが、ワイヤ以外の線材を用いても良いことは勿論である。
本発明の一実施形態に係る容器整列装置が適用された自動免疫分析装置を示す全体の平面図である。 上記容器整列装置の側面図である。 上記容器整列装置を一部断面で示す背面図である。 上記容器整列装置の要部の概略構成を示す斜視図である。 上記自動免疫分析装置によるステップ分析の一つの例を示すフローチャートである。 上記自動免疫分析装置によるステップ分析の他の例を示すフローチャートである。 上記自動免疫分析装置によるステップ分析の別の例を示すフローチャートである。 従来の自動免疫分析装置の構成を示す概念図である。
符号の説明
10 自動免疫分析装置
12 反応容器(容器)
13 容器供給ユニット
14 容器供給廃棄ディスク
30 容器整列装置
31 投入受板
32 上側案内板
33 上側開口部
33a 短縁部
33b 長縁部
34 下側案内板
35 下側開口部
35a 短縁部
35b 長縁部
38 ワイヤ(線材)
39 移送体
P 検体

Claims (1)

  1. 容器を投入する投入受板と、この投入受板の下方に配置され、前記容器をその矩形の底面側より挿入する矩形の上側開口部が形成された上側案内板と、この上側案内板より下方に配置されると共に、該上側案内板の上側開口部の位置より90度向きを変えた矩形の下側開口部が形成された下側案内板と、前記矩形の上側開口部の相対向する短縁部と前記矩形の下側開口部の相対向する短縁部に少なくとも1本ずつ掛け渡された線材と、前記矩形の上側開口部の相対向する長縁部と前記矩形の下側開口部の相対向する長縁部に位相をずらして少なくとも2本ずつ掛け渡された線材と、前記下側案内板の下方に配置され、深さ方向を軸として90度向きを変えられて揃えられた容器を容器供給廃棄ディスク上に移送する移送体と、で構成したことを特徴とする容器整列装置。
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