JP5001727B2 - ロープ - Google Patents

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Description

本発明は、ロープに関する。さらに詳しくは、本発明は、曳船作業などの用途に好適な耐摩耗性に優れたロープに関する。
例えば曳船作業において用いられるロープとしては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどの一般的な合成繊維からなるロープが使用されてきたが、近年、引張強度が高く、かつ海水より比重が小さい超高分子量ポリエチレン繊維を少なくとも一部に用いたロープが普及してきている。この超高分子量ポリエチレン繊維を一部に有するロープに関する技術として、例えば、以下のような特許文献1に開示された技術がある。
従来、超高強度ポリエチレン繊維よりなるヤーンが撚り合わされてなるストランドが適宜本数配設加撚された芯部ロープを有する曳船用ロープが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の曳船用ロープは、超高強度ポリエチレン繊維よりなる上記芯部ロープと、ポリエステル繊維とアラミド繊維よりなるヤーンを撚り合わせてなるストランドが適宜本数配設加撚されてなる外周ロープとからなるロープが三つ撚りされてなるロープである。引張強度の高い超高強度ポリエチレン繊維を用いることにより、ロープの径を小さくでき、ウインチドラムへの巻き量を多くできるので、タグボートと曳船される本船との間隔を長くできる、と称している。
特開平11−61661号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたようなロープが曳船作業に用いられる場合、ロープとロープガイドとの間などで繰り返しの摩擦が生じ、ロープ表面の繊維が切断され、たとえロープの初期強度が高かったとしても早期に強度が低下してしまうという問題点があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、繰り返しの磨耗に対して長期に渡って耐えうる耐磨耗性に優れたロープを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係るロープは、曳船作業などの用途に好適な耐摩耗性に優れたロープに関する。そして、本発明に係るロープは、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明のロープは、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係るロープにおける第1の特徴は、合成繊維からなる複数のヤーンを撚り合わせて形成する複数のストランドを備え、前記ストランドの最外層を形成する前記ヤーンは、前記ストランドを形成する前の状態で前記合成繊維の表面および前記合成繊維間に樹脂を分散させる分散処理を行った樹脂処理ヤーンであり、複数の前記樹脂処理ヤーンが、前記ストランドの周方向に沿って相互に隣接して配設されるよう撚り合わせられることにより、前記ストランドの外周面が平滑な面に形成されてなることである。
この構成によると、ロープを構成するストランドの外周面にはほとんど凹凸が形成されない。そのため、ストランドは、例えばロープガイドなどとほぼ面接触することとなり、ストランド外周面の局部的な磨耗は防止される。また、ヤーンの内部に至るまでの単繊維間に樹脂が分散し、その単繊維同士は分散した樹脂により物理的に強固に結合するため、上記分散処理を行った樹脂処理ヤーンの形状は安定する。すなわち、複数の上記樹脂処理ヤーンで形成されるストランド外周面の平滑な形状も安定し、その平滑な形状は長期に渡って維持される。したがって、本ロープは、繰り返しの磨耗に対して長期に渡って耐えうる耐磨耗性に優れたロープとなる。
また、本発明に係るロープにおける第2の特徴は、前記樹脂処理ヤーンは、前記合成繊維の表面および前記合成繊維間に顔料および前記樹脂を分散させたヤーンであることである。
この構成によると、顔料の粒子は、ヤーンの内部に至るまでの単繊維間に分散し、樹脂により単繊維の表面全体にわたって物理的に結合すると共に、この合成繊維の間を埋めるように単繊維同士の間隙に固着保持される。このため、本ロープが繰り返しの磨耗を受けて、たとえロープ表面の着色された単繊維が切断されて剥がれ落ちたとしても、その内側の着色された単繊維がロープ表面に現れてくることによりロープの色落ちは防止される。すなわち、本ロープは、繰り返しの磨耗を受けても長期間にわたって色落ちしにくい視認性に優れたロープとなる。
また、本発明に係るロープにおける第3の特徴は、前記樹脂処理ヤーンは、前記樹脂を軟化させる温度に加温したボイスにより撚り合わせられることである。ボイスとは、ヤーンを撚り合わせるための金型のことをいう。
この構成によると、ボイスの内平面に沿って樹脂処理ヤーンが加温されたボイスを通過する際、樹脂処理ヤーンを構成する樹脂が軟化して、樹脂処理ヤーンの外表面はボイスの内平面に沿って平滑化される。したがって、平滑化された複数の樹脂処理ヤーンで形成されるストランドの表面は、平滑な円状に形成され、耐磨耗性に優れたロープが形成される。
また、本発明に係るロープにおける第4の特徴は、前記樹脂処理ヤーンは、超高分子量ポリエチレン繊維からなり、当該樹脂処理ヤーンの繊度が60000dT以下であることである。
この構成によると、引張強度も高く耐磨耗性にも優れた超高分子量ポリエチレン繊維を用いることで、ロープの引張強度を高めると共に耐摩耗性をさらに高めることができる。また、繊度を60000dT以下とすることで、顔料および樹脂を十分に合成繊維からなるヤーンの内部まで分散させることができる。
また、本発明に係るロープにおける第5の特徴は、前記樹脂処理ヤーンにおける前記樹脂の付着量は、前記分散処理される前の前記ヤーンの重量の7%以上であることである。この構成によると、顔料および樹脂は、合成繊維からなるヤーンの内部まで十分分散する。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明に係るロープは、曳船作業、車両牽引作業、荷締め作業などの用途で広く利用できるものである。
図1は、本発明に係るロープの一実施形態を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るロープ1は、8本のストランド2を撚り合わせて形成される8つ打ちロープであり、ロープ1の呼称径は70mmである。そして、ストランド2をスパイラル状に1周撚り合わせることでロープ長手方向にストランド2が進む距離であるロープ1のロープピッチは、ロープ1の呼称径の約4.26倍である。また、ストランド2は、合成繊維からなる複数のヤーン(3、4、5、詳しくは後述する)を撚り合わせて形成されるものである。そして、上記ヤーンをスパイラル状に1周撚り合わせることでストランド2の長手方向にヤーンが進む距離であるストランドピッチは、ロープ1の呼称径の約3.5倍である。尚、本実施形態に係るロープ1は、8つ打ちロープであるが、3本のストランドを撚り合わせて形成される3つ打ちロープ、12本のストランドを撚り合わせて形成される12打ちロープ、または24本のストランドを撚り合わせて形成される24打ちロープとしてもよい。
次に、ストランド2を形成するヤーンについて説明する。図2は、図1に示すロープ1のA−A断面の概略図である。図3は、図2に示すストランド2断面の概略図である。また、図4は、図3に示すストランド2断面に相当する従来技術に係るストランド51断面の概略図である。
まず、図2においてロープ1のA−A断面を示すように、本実施形態に係るロープ1は、8本のストランド2からなるものである。そして、図3に示すように、ストランド2は、合成繊維からなるヤーン(3、4、5)を撚り合わせた複数のヤーン(3、4、5)から形成されている。そして、ストランド2は、最外層の環状の層Xと、芯Zと、層Xと芯Zとの中間の環状の層Yとからなるものである。このように、本実施形態に係るストランド2は、3つの層から構成されている。尚、必ずしも3つの層に限られる必要はなく、例えば環状の1つの層(最外層)と芯とから構成されてもよい。
また、最外層の環状の層Xは29本のヤーン3からなり、中間の環状の層Yは21本のヤーン4からなり、芯Zは、22本のヤーン5からなる。
ここで、ストランド2の最外層(層X)を形成するヤーン3は、超高分子量ポリエチレン繊維からなる。また、詳しくは後述するが、ヤーン3は、ストランド2を形成する前の状態(ヤーンの状態)で、この超高分子量ポリエチレン繊維の表面および繊維間に、顔料、および樹脂からなるバインダーを分散させる分散処理を行った樹脂処理ヤーン3である。そして、この分散処理を行った後、複数の樹脂処理ヤーン3が、ストランド2の周方向に沿って隣接して配置されるよう撚り合わせられることにより、ストランド2の外周面Sは平滑な面に形成されている。
一方、図4に示すように、従来技術に係るストランド51の最外層(層X)を形成するヤーン52は、その断面が円状であり、断面が円状の複数のヤーン52が連続してなるストランド51の外周面には、繰り返し連続する凸凹が形成されている。したがって、ストランド51からなるロープが、例えばロープガイドなどと接触すると、ストランド51の凸部が局部的に磨耗を受けることになる。
しかしながら、本実施形態に係るロープ1の場合、ロープを構成するストランド2の外周面Sにはほとんど凹凸が形成されない。そのため、ストランド2は、例えばロープガイドなどとほぼ面接触することとなり、ストランド2外周面Sの局部的な磨耗は防止される。また、ヤーン3の内部に至るまでの単繊維間に樹脂が分散し、その単繊維同士は分散した樹脂により物理的に強固に結合するため、上記分散処理を行った樹脂処理ヤーン3の形状は安定する。すなわち、複数の樹脂処理ヤーン3で形成されるストランド2外周面Sの平滑な形状も安定し、その平滑な形状は長期に渡って維持される。したがって、本ロープは、繰り返しの磨耗に対して長期に渡って耐えうる耐磨耗性に優れたロープとなる。
尚、層Yを形成するヤーン4および芯Zを形成するヤーン5に関しては、上記分散処理を施していないが、ヤーン3と同様に分散処理を施してもかまわない。また、ヤーン4は、超高分子量ポリエチレン繊維からなるものであり、ヤーン5は、ポリプロピレン繊維からなるものである。最外層(層X)を形成するヤーン3および中間の環状の層Yを形成するヤーン4に、引張強度も高く耐磨耗性にも優れた超高分子量ポリエチレン繊維を用いることで、ロープ1の径を小さくすることができ、ロープ1は、取扱性、作業性などに優れたものとなる。使用する超高分子量ポリエチレン繊維は、一般に、超高強度ポリエチレン繊維、あるいは高強力ポリエチレン繊維と呼ばれる繊維であってもよい。
次に、図5は、図3に示す樹脂処理ヤーン3断面の概略図である。図5に示すように、樹脂処理ヤーン3の外表面Sは平滑な面に形成され、樹脂処理ヤーン3相互(合成繊維相互)の間隙には、顔料および樹脂8が入り込みヤーン3同士(合成繊維同士)を強固に結合させている。一方、樹脂処理ヤーン3は、7本の原糸6を下撚りしたもの3本をさらに上撚りして形成されたものである。下撚りは、22回/30cm行い、上撚りは、15回/30cm行っている。また、図3に示すヤーン4は、樹脂処理ヤーン3と同様、7本の原糸を下撚りしたもの3本をさらに上撚りして形成されたもので、下撚り22回/30cm、上撚り15回/30cm行っている。また、図3に示すヤーン5は、2本の原糸を下撚りしたもの5本をさらに上撚りして形成されたもので、下撚り24回/30cm、上撚り12回/30cm行っている。
また、樹脂処理ヤーン3を形成する樹脂処理原糸6、およびヤーン4を形成する原糸は、いずれも東洋紡績株式会社で製造されているダイニーマ(商品名)という超高分子量ポリエチレン繊維からなり、その繊度は1760dTである。また、繊維数は、1560F(フィラメント)である。尚、着色ヤーン3およびヤーン4の繊度は、1760×7×3=36960dTとなる。また、ヤーン5を形成する原糸の繊度は、3300dTのものを用いた。
次に、図6は、図5に示す樹脂処理原糸6断面の概略図である。図6に示すように、ヤーン3を形成する原糸6は、ストランド2を形成する前の状態で、つまり、ヤーン3の状態で、合成繊維(超高分子量ポリエチレン繊維)7の表面および合成繊維(超高分子量ポリエチレン繊維)7の間(間隙)に顔料およびバインダー8(顔料および樹脂8)を分散させる分散処理されたものである。
顔料およびバインダー8を、ヤーン3の状態で合成繊維7の表面および合成繊維7の間に分散させることで、顔料の粒子は、ヤーン3の内部に至るまでの単繊維間に分散し、バインダーにより合成繊維7(単繊維)の表面全体にわたって物理的に結合すると共に、この合成繊維7の間を埋めるように単繊維同士の間隙に固着保持される。このため、顔料およびバインダー8で着色されたロープ1が繰り返しの磨耗を受けて、仮にロープ表面の着色された合成繊維7が切断されて剥がれ落ちたとしても、その内側の着色された合成繊維7がロープ表面に現れてくることによりロープの色落ちは防止される。すなわち、ロープ1は、繰り返しの磨耗を受けても長期間にわたって色落ちしにくいため視認性に優れる。
また、上記のように、顔料およびバインダー8による着色処理は、化学変化を伴う染色によるものではなく、物理的作用によるものであるため、樹脂処理ヤーン3を構成する超高分子量ポリエチレン繊維内部に影響を与えるものではない。つまり、顔料を用いた着色処理により着色前の合成繊維7の強度が低下することはない。すなわち、ロープ1は、着色により着色前の強度が低下することはない。また、合成繊維7の表面は、全体にわたって顔料およびバインダー8により被覆されるので、この点からも樹脂処理ヤーン3の層を最外層に有するロープ1は、耐摩耗性に優れたものとなる。
尚、前記したように、本実施形態では、樹脂処理ヤーン3の繊度を36960dTとしているが、樹脂処理ヤーン3の繊度としては、60000dT以下であることが好ましい。超高分子量ポリエチレン繊維からなる60000dT以下のヤーンは、直径が約6mm以下であり、顔料およびバインダー8を十分に合成繊維からなるヤーンの内部まで分散させることができる。
また、樹脂処理ヤーンにおけるバインダー(樹脂)の付着量は、分散処理される前のヤーンの重量の7%以上であることが好ましい。これにより、顔料およびバインダー8は、合成繊維からなるヤーンの内部まで十分分散する。
次に、ロープ1を構成するストランド2の製造方法について説明する。図7は、図2に示すストランド2を製造するための製造装置100の概略図である。
図6に示すように、ストランド2を製造するための製造装置100は、ボビン(17、18、19)が回転自在に取り付けられたクリール11と、着色処理液が満たされた着色バス12と、乾燥炉13と、ヤーン5を撚り合わせるための第1ボイス20が取り付けられた第1収束盤14と、ヤーン4を撚り合わせるための第2ボイス21が取り付けられた第2収束盤15と、ヤーン3を撚り合わせるための第3ボイス22が取り付けられた第3収束盤16とから構成されている。
ストランド2の最外層(層X)を形成するヤーン3は、ボビン19に巻きつけられ、ストランド2の中間の環状の層Yを形成するヤーン4は、ボビン17に巻きつけられ、ストランド2の芯Zを形成するヤーン5は、ボビン18に巻きつけられる。
そして、着色バス12に満たされた着色処理液は、顔料および樹脂(バインダー)からなる処理液である。水100重量部に対して、顔料は、住化カラー株式会社製の黄色の顔料(タイプPM−3T087(イエロー)、平均粒子径0.04μm、固形分濃度35%)を1.5重量部用い、バインダーは、BIP社製のウレタンL9010(固形分濃度23%)を、50重量部混合したものを用いた。
まず、ストランド2の芯Zを形成するヤーン5は、ボビン18から第1収束盤14の第1ボイス20に供給され、第1ボイス20の部分で撚り合わされる。撚り合わされた複数のヤーン5は、ストランド2の芯Zを形成し第2収束盤15、第3収束盤16の順に後段の工程へ送られていく。
ストランド2の中間の環状の層Yを形成するヤーン4は、ボビン17から第2収束盤15の第2ボイス21に供給され、第2ボイス21の部分で撚り合わされる。撚り合わされた複数のヤーン4は、芯Zを覆うようにストランド2の中間の環状の層Yを形成し、第3収束盤16へ送られていく。
次に、ストランド2の最外層(層X)を形成するヤーン3は、まず、ボビン19から着色バス12の中へ供給される。そして、ヤーン3を乾燥させるための乾燥炉13に送られる。このように、ヤーン3を着色バス12に満たされた上記着色処理液に浸漬し、乾燥炉13を通過させることで、樹脂処理ヤーン3が形成される。これにより、顔料の粒子は、ヤーン全体の繊維間まで分散されバインダーにより固着され、約10%(着色処理される前のヤーン3の重量に対する割合)という高い付着量でバインダーをヤーン3に付着させることができた。
樹脂処理ヤーン3は、第3収束盤16の第3ボイス22に供給され、第3ボイス22の部分で撚り合わされる。ここで、第3ボイス22は、ストランド2の径よりもわずかに小さい内径を有し、予めバインダーであるウレタンL9010の軟化温度に加温されている。樹脂処理ヤーン3が、第3ボイス22の内平面に沿って予め加温された第3ボイス22を撚り合わされながら通過する際、樹脂処理ヤーン3を構成しているウレタンL9010が軟化し、第3ボイス22の内平面で押圧されることにより、樹脂処理ヤーン3の外表面は平滑化される。撚り合わされた複数の着色ヤーン3は、環状の層Yを覆うようにストランド2の最外層(層X)を形成し、層X、層Y、および芯Zからなるストランド2を形成する。そのため、平滑化された複数の樹脂処理ヤーン3で形成されるストランド2の表面は、平滑な円状に形成される。その後、8本のストランド2を撚り合わせてロープ1が完成する。尚、必ずしも、第3ボイス22を加温して用いる必要はない。
尚、樹脂処理ヤーン3の形成に際しては、ヤーン3にテンションをできるだけ加えないで行うことが好ましい。これにより、顔料およびバインダー8の粒子がヤーン3の内部まで分散しやすくなり、バインダーを十分な付着量でヤーン3に付着させることができる。
一方、従来は、ヤーンを撚り合わせて形成したストランド、またはストランドを撚り合わせたロープの状態で樹脂処理(着色処理)を行っているが、撚り合わされることによりヤーンにはテンションが加わった状態であり、さらに、ストランドやロープの外表面のみからの着色処理となり、顔料およびバインダー8の粒子は、ヤーン内部へ分散しにくい。参考として、ストランドの状態での着色処理では、バインダー付着量は5.7%、ロープの状態での着色処理では、バインダー付着量は3.1%であった。
尚、ストランド2の製造方法としては、図7に示すように樹脂処理していないヤーン3をボビン19にセットして、着色、乾燥固化、撚り合わせの工程を連続的に行ってもよいが、事前に樹脂処理した着色ヤーン3をボビン19にセットして、その後、ストランド2の最外層(層X)に着色ヤーン3が配置されたストランド2を製造してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
本発明に係るロープの一実施形態を示す図である。 図1に示すロープのA−A断面の概略図である。 図2に示すストランド断面の概略図である。 図3に示すストランド断面に相当する従来技術に係るストランド断面の概略図である。 図3に示す樹脂処理ヤーン断面の概略図である。 図5に示す樹脂処理原糸断面の概略図である。 図2に示すストランドを製造するための製造装置の概略図である。
符号の説明
1 ロープ
2 ストランド
3 樹脂処理ヤーン(ヤーン)
4、5 ヤーン
6 樹脂処理原糸(原糸)
7 合成繊維(単繊維)
8 顔料および樹脂
X 層(最外層)
Z 芯

Claims (5)

  1. 合成繊維の複数の単繊維からなる複数の原糸を撚り合わせて形成される複数のヤーンをさらに撚り合わせて形成する複数のストランドを備え、
    前記ストランドの最外層を形成する前記ヤーンは、前記ストランドを形成する前の状態で前記単繊維の表面および前記単繊維間に樹脂を分散させる分散処理を行った樹脂処理ヤーンであり、
    複数の前記樹脂処理ヤーンが、前記ストランドの周方向に沿って相互に隣接して配設されるよう撚り合わせられることにより、前記ストランドの外周面が平滑な面に形成されてなることを特徴とする、ロープ。
  2. 前記樹脂処理ヤーンは、前記複数の原糸を撚り合わせた後、且つ前記ストランドを形成する前の状態で、前記単繊維の表面および前記単繊維間に顔料および前記樹脂を分散させたヤーンであることを特徴とする、請求項1に記載のロープ。
  3. 前記樹脂処理ヤーンは、前記樹脂を軟化させる温度に加温したボイスにより撚り合わせられることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のロープ。
  4. 前記樹脂処理ヤーンは、超高分子量ポリエチレン繊維からなり、当該樹脂処理ヤーンの繊度が60000dT以下であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のロープ。
  5. 前記樹脂処理ヤーンにおける前記樹脂の付着量は、前記分散処理される前の前記ヤーンの重量の7%以上であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のロープ。
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