JP5001570B2 - ホログラムデータ作成装置、ホログラムデータ作成方法及びホログラムデータ作成プログラム - Google Patents

ホログラムデータ作成装置、ホログラムデータ作成方法及びホログラムデータ作成プログラム Download PDF

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本発明は、2次元の表示画面のディスプレイによって3次元画像(立体画像)を視認可能にホログラムとして再生させるためのホログラムデータを作成するホログラムデータ作成装置、ホログラムデータ作成方法、ホログラムデータ作成プログラム及びホログラム表示システムに関するものである。
一般に、2次元の表示画面のディスプレイに被写体等のオブジェクトを3次元画像(立体画像)として視認可能に表示させるための技術の一つとして、オブジェクトの複数の要素画像からホログラムを作成するホロコーダ・ホログラム(例えば、非特許文献1参照)を応用したものが知られている。このホロコーダ・ホログラムは、インテグラル・フォトグラフィ(例えば、非特許文献2参照)の技術を利用して撮影された複数の要素画像から光学的にホログラムを作成するものである。
R.V.Pole,"3-D imagery and holograms of objects illuminated in white light",Appl.Phys.Lett.vol.10,pp.20-22(1967) M.G.Lippmann,Comptes-Rendus,146,pp.446-451(1908)
従来、ホロコーダ・ホログラムでは、凸レンズアレイを介して撮像された被写体(オブジェクト)の多視点の要素画像にコヒーレント光を照射し、撮像時と同じ焦点距離及び配置を有する凸レンズアレイを通して被写体と等価な像を再生し、この再生像を構成する光(物体光)と参照光であるコヒーレント光との干渉縞を形成することによって、自然光下で撮像された被写体のホログラムを作成するようになっている。
前記のようなホロコーダ・ホログラムでは、凸レンズアレイ等の光学系や参照光の照明系の高精度な設置や調整が必要であるため、表示装置として製造する上で、組み立て時間がかかり、量産や低コスト化に向かない。そのため、光学系や照明系の設置・調整に要する労力を軽減できる技術が望まれている。そのような中で、計算機合成ホログラムやディジタルホログラムと呼ばれるように、コンピュータを利用して、光の伝播を演算し、ホログラムの記録や再生を行う技術の開発が行われてきている。ところが、光の伝播を計算するためには、取り扱うデータ数が多いため、速くかつ正確にホログラムデータを作成する技術が確立されていなかった。
そこで、本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、ホロコーダ・ホログラムによって画像劣化が少ないホログラムを速くかつ大量に表示するために、ホログラムデータを速くかつ正確に作成するホログラムデータ作成装置、ホログラムデータ作成方法、ホログラムデータ作成プログラム及びホログラム表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載のホログラムデータ作成装置は、オブジェクトを多視点で表した複数の要素画像のそれぞれから放射される物体光をレンズ群に入射させ、そのレンズ群から射出される光の重ね合わせによって生じる光場の強度分布と参照光との干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させるホログラムデータを作成するために、要素画像記憶手段と、位相シフト設定手段と、乗算手段と、フーリエ変換手段と、加算手段と、ホログラムデータ作成手段とを備えた構成とした。
かかる構成において、ホログラムデータ作成装置は、位相シフト設定手段によって、前側焦平面に配置させた要素画像とこの要素画像に対向して対となるレンズ群を構成するレンズとの光軸上の交点を主点とするレンズに相当する位相シフト関数に応じた位相シフト量を設定しておく。ここで、位相シフト設定手段は、位相シフト量を、レンズ群を構成するレンズと要素画像の表示面との間の距離をfとし、レンズ群を構成するレンズとホログラム作成面との間の距離をdとしたときに、焦点距離Fが[f /(d−f)]となるレンズに相当する位相シフト関数に応じて設定している。したがって、位相シフト関数に従った計算は、凸レンズを通過する光の様子をあらわすことになる。
そして、ホログラムデータ作成装置は、乗算手段によって、要素画像に含まれる画素ごとの輝度データと、位相シフト設定手段によって設定されている位相シフト量とを乗算し、その結果算出された積を要素とする位相シフト後の光場の強度分布を求め、フーリエ変換手段によって、乗算手段によって算出された積をフーリエ変換して、要素画像ごとのホログラム作成面における光場の強度分布を算出する。
輝度データは、要素画像の画素を表示するときの明るさを表しているため、単色光による表示の場合、その明暗の度合いによって画素を形成することができる。つまり、輝度データの大きさの分布は、光場の強度分布を表す。
次に、ホログラムデータ作成装置は、加算手段によって、フーリエ変換手段によって算出された要素画像ごとの物体光の光場の強度分布同士の重ね合わせの和を算出して、ホログラム作成面における光場の強度分布とし、ホログラムデータ作成手段によって、加算手段によって算出された光場の強度分布と前記参照光の光場の強度分布とを重ね合わせた光場の強度分布を算出し、当該重ね合わせた光場の強度分布として現れる干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させる画素ごとの輝度データをホログラムデータとして作成する。
また、請求項に記載のホログラムデータ作成装置は、請求項1において、フーリエ変換手段によって、高速フーリエ変換(FFT(Fast Fourier Transform))処理を実行する構成とした。ところで、計算点数をNとした場合、離散的フーリエ変換(DFT(Distance Fourier Transform))の計算量がNオーダであるのに対して、高速フーリエ変換の計算量は、N*logNオーダであるため、計算点数Nが多いほど、計算量の低減の度合いが高くなる傾向がある。したがって、ホログラムデータ作成装置は、フーリエ変換手段によって、高速フーリエ変換を実行することで、データ量の多いホログラムデータの作成処理において、速くかつ正確にホログラムデータを作成することになる。
また、請求項に記載のホログラムデータ作成方法は、オブジェクトを多視点で表した複数の要素画像のそれぞれから放射される光をレンズ群に入射させ、そのレンズ群から射出される物体光の重ね合わせによって生じる光場の強度分布と参照光との干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させるホログラムデータを作成するために、乗算ステップと、フーリエ変換ステップと、加算ステップと、ホログラムデータ作成ステップとを含む手順とした。
かかる手順において、ホログラムデータ作成方法は、乗算ステップで、要素画像に含まれる画素ごとの輝度データと、前側焦平面に配置させた要素画像とこの要素画像に対向して対となるレンズ群を構成するレンズとの光軸上の交点を主点とするレンズに相当する位相シフト関数に応じた位相シフト量とを乗算し、その結果算出された積を要素とする位相シフト後の光場の強度分布を求め、フーリエ変換ステップで、乗算ステップで算出された積をフーリエ変換して、要素画像ごとのホログラム作成面における光場の強度分布を算出する。ここで、乗算ステップにおいて位相シフト量は、レンズ群を構成するレンズと要素画像の表示面との間の距離をfとし、レンズ群を構成するレンズとホログラム作成面との間の距離をdとしたときに、焦点距離Fが[f /(d−f)]となるレンズに相当する位相シフト関数に応じて設定されている。
そして、ホログラムデータ作成方法は、加算ステップで、フーリエ変換ステップで算出された要素画像ごとの物体光の光場の強度分布同士の重ね合わせの和を算出して、ホログラム作成面における光場の強度分布とし、ホログラムデータ作成ステップで、加算ステップで算出された光場の強度分布と前記参照光の光場の強度分布とを重ね合わせた光場の強度分布を算出し、当該重ね合わせた光場の強度分布として現れる干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させる画素ごとの輝度データをホログラムデータとして作成する。
また、請求項に記載のホログラムデータ作成プログラムは、オブジェクトを多視点で表した複数の要素画像のそれぞれから放射される光をレンズ群に入射させ、そのレンズ群から射出される物体光の重ね合わせによって生じる光場の強度分布と参照光との干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させるホログラムデータを作成するために、コンピュータを、乗算手段、フーリエ変換手段、加算手段、ホログラムデータ作成手段として機能させる構成とした。
かかる構成において、ホログラムデータ作成プログラムは、乗算手段によって、要素画像に含まれる画素ごとの輝度データと、前側焦平面に配置させた要素画像とこの要素画像に対向して対となる前記レンズ群を構成するレンズとの光軸上の交点を主点とするレンズに相当する位相シフト関数に応じた位相シフト量とを乗算し、その結果算出された積を要素とする位相シフト後の光場の強度分布を求め、フーリエ変換手段によって、乗算手段によって算出された積をフーリエ変換して、要素画像ごとのホログラム作成面における光場の強度分布を算出する。
かかる構成において、ホログラムデータ作成プログラムは、乗算手段によって、要素画像に含まれる画素ごとの輝度データと、前側焦平面に配置させた要素画像とこの要素画像に対向して対となる前記レンズ群を構成するレンズとの光軸上の交点を主点とするレンズに相当する位相シフト関数に応じた位相シフト量とを乗算し、その結果算出された積を要素とする位相シフト後の光場の強度分布を求め、フーリエ変換手段によって、乗算手段によって算出された積をフーリエ変換して、要素画像ごとのホログラム作成面における光場の強度分布を算出する。ここで、位相シフト量は、レンズ群を構成するレンズと要素画像の表示面との間の距離をfとし、レンズ群を構成するレンズとホログラム作成面との間の距離をdとしたときに、焦点距離Fが[f /(d−f)]となるレンズに相当する位相シフト関数に応じて設定されている。
本発明は、以下に示すような優れた効果を奏するものである。
請求項1、請求項または請求項に記載の発明によれば、ホロコーダ・ホログラムによって画像劣化が少ないホログラムを速くかつ大量に表示するためのホログラムデータを速くかつ正確に作成できるという効果を奏する。また、蠅の目レンズやレンチキュラレンズ等の光学的なレンズアレイが不要であり、部品点数が減少すると共に光学的装置としての製造・調整作業も不要になる。そのため、部品点数の減少や光学系の製造・調整作業が簡略化するため、製造コストの低減を図るうえでも有用なものとなる。さらに、位相シフト関数に従って、凸レンズの光学系の透過に相当する光場の強度分布の位相シフトを算出することができる。
請求項に記載の発明によれば、高速フーリエ変換を実行するため、サンプリング数が増えれば増えるほど効率良くフーリエ変換を行うことができ、データ量の多いホログラムデータを効率よく作成することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、ホログラムデータ作成装置、ホログラムデータ作成方法、ホログラムデータ作成プログラム及びホログラム表示装置に関するものであるが、ここでは、ホログラムデータ作成装置の構成及び動作を主として説明する。
図1は、実施の形態のホログラムデータ作成装置の構成を示すブロック図である。このホログラムデータ作成装置1は、オブジェクトを多視点で表した複数の要素画像のそれぞれから放射される物体光をレンズ群に入射させ、そのレンズ群から射出される物体光の重ね合わせによって生じる光場の強度分布と参照光との干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させるホログラムデータを作成するために、要素画像記憶手段2と、位相シフト設定手段3と、乗算手段4と、フーリエ変換手段5と、加算手段6と、ホログラムデータ作成手段7と、ホログラムデータ記憶手段8とを主に備えている。
要素画像記憶手段2は、インテグラル・フォトグラフィに従ってオブジェクトを多視点で表した要素画像から放射する放射光に相当する光場の強度分布を形成するための要素画像に含まれる画素ごとの輝度データを記憶するものである。記憶された輝度データは乗算手段4に出力される。なお、この要素画像記憶手段2は、オブジェクトを撮像する撮像装置9から輝度データを取得する。
ここで、x0軸及びy0軸のx0-y0平面に画像形成面をとり、この画像形成面に形成された要素画像iから放射する物体光が、そのx0-y0平面に直交するz軸方向へ進行するときに、その要素画像iからの放射光の複素振幅分布をO(x0,y0)で表す。
また、要素画像記憶手段2には、要素画像iを構成する画素ごとの複数の輝度データがフレームごとに記憶される。ここで、フレームごととは、互いに関連づけがなされている程度の意味であって、必ずしも記憶される領域が同一でなくてもよい。
また、要素画像iは、インテグラル・フォトグラフィによって、オブジェクトの実写による多視点の画像に限らず、CG(Computer Graphic)や手書きされたオブジェクトの多視点の画像であってもよい。実写による場合には、蠅の目レンズやレンチキュラレンズ等の凸レンズアレイの焦平面にCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサをおき、被写体のオブジェクトを撮影すればよい。つまり、多視点の要素画像iは、凸レンズアレイの各凸レンズのピッチ間隔の視差を利用して撮影される。ここで、要素画像iの記録原理について説明する。
図2は、インテグラル・フォトグラフィ技術による要素画像の記録原理を説明する模式図である。この模式図には、複数の凸レンズL1…を同一平面上に配列したレンズ群Lと、このレンズ群Lの各凸レンズL1の後側焦平面(図2中右側)に、レンズ群Lの平面に対して平行に形成された要素画像群記録面Rとが配置されている。また、各凸レンズL1の前側(図2中左側)に被写体(オブジェクト)Xが配置されている。
ここで、各凸レンズL1が、すべて同じ特性(焦点距離、口径など)を持つものとする。また、要素画像群記録面Rには、凸レンズL1ごとに被写体Xの倒立像O(↓)が結像される。したがって、要素画像群記録面Rには凸レンズL1の数だけ一つの被写体Xの倒立像O(↓)が記録される。その倒立像O(↓)は、それぞれ対応した凸レンズL1の主点方向から被写体Xを見た画像であり、この画像を要素画像iと呼ぶ。なお、凸レンズL1同士の間には、視差があるため、撮影される各要素画像iはそれぞれ異なる視点の画像、すなわち、各要素画像iの集合体は多視点の画像となる。
なお、要素画像群記録面Rには、結像した倒立像O(↓)ごとの画素の輝度データを入力する複数の図示しないCCD(Charge Coupled Devices)(図1の撮像装置参照)が配置されている。各CCDは、光電変換を行い画素ごとの輝度データを、図示しない記憶媒体に記憶させる。そして、その輝度データは、各種伝送路を介してホログラムデータ作成装置1に伝送され、要素画像記憶手段2に記憶される。また、そのデータは、ポータブルな記憶媒体を介してホログラムデータ作成装置1に提供させるようにしてもよい。
続いて、複数の要素画像iから光学的にホログラムを再生する原理について説明する。図3は、複数の要素画像からホログラムを光学的に再生する原理を説明する模式図である。この模式図では、凸レンズL1と同一特性の複数の凸レンズM1を同一平面上に並べたレンズ群Mと、このレンズ群Mの前側焦平面(図3中左側)に位置する要素画像群表示面(要素画像群形成面(画像形成面))Tと、その後側(図3中右側)にホログラム記録面Uとが主に配置されている。
要素画像群記録面R(図2参照)に記録された各要素画像iの画素の輝度データを要素画像群表示面Tに表示させる。このとき、要素画像群記録面Rには、各要素画像iが倒立像O(↓)として記録されているため、正立像O(↑)に変換し、要素画像群表示面Tに要素画像iとして表示させる。
そして、要素画像群表示面Tに対して、レンズ群Mと反対側からコヒーレント光OCを照射すると、要素画像群表示面Tを通過した光OTは、レンズ群Mに入射する。そして、各凸レンズM1から射出される光OMは、レンズ群Mの光学的な特性により物体光に相当する光となり、その結果、本来、被写体Xの存在した位置(焦点距離)に被写体Xの再生像(虚像)XVが結像する。
したがって、コヒーレント光OCと同じ光が、参照光Orとしてホログラム記録面Uに照射されると、ホログラム記録面Uには、物体光と参照光との干渉縞、すなわちホログラムが記録される。以上説明した内容が、ホロコーダ・ホログラムの原理である。
続いて、図1に戻って説明を続ける。位相シフト設定手段3は、前側焦平面に配置させた要素画像とこの要素画像に対向して対となるレンズ群を構成するレンズとの光軸上の交点を主点とするレンズに相当する位相シフト関数に応じた位相シフト量を設定するものである。設定された位相シフト量は、乗算手段4に出力される。また、凸レンズMiは、物体光を透過させて位相をシフトさせる光学系である。
乗算手段4は、要素画像記憶手段2によって記憶されている輝度データと、位相シフト設定手段3によって設定されている位相シフト量とを乗算することによって、その結果算出された積を要素とする位相シフト後の光場の強度分布を求めるものである。この乗算手段4は、アルゴリズム的には、フーリエ変換手段5と一体に表される。
フーリエ変換手段5は、乗算手段4によって算出した積をフーリエ変換して、要素画像ごとのホログラム作成面(図4参照)における光場の強度分布を算出するものである。次に、乗算手段4及びフーリエ変換手段5のアルゴリズムについて説明する。乗算手段4及びフーリエ変換手段5は、次式(1)のアルゴリズムに従った演算を行う。
Figure 0005001570
ここで、C3は定数である。O(x0,y0)は、要素画像iからの光(光場の強度分布(複素振幅分布))である。f2/(d−f)をFとすると、この焦点距離Fを含むexp{jk[(x0+y0)/2F]}は、実際の凸レンズM1の位相シフト関数とは異なる、計算量の低減のための位相シフト関数である。fは、凸レンズM1と要素画像形成面Tとの間の距離を示す。dは、凸レンズM1とホログラム作成面Wとの間の距離を示す。kは定数である。
そのため、式(1)は、光場の強度分布O(x0,y0)と、焦点距離Fのレンズの位相シフト関数との積のフーリエ変換を表している。そして、このフーリエ変換によって、光場の強度分布h(x2,y2)が算出される。つまり、乗算手段4及びフーリエ変換手段5は、式(1)に従ったアルゴリズムを概念的に二つのステップに分けて表している。以下、式(1)の物理的意味及びその算出方法について説明する。ここでは、要素画像iに着目して説明する。
図4は、要素画像から放射された光が凸レンズを介してホログラム作成面に伝搬させる光学系を説明する模式図である。要素画像群形成面Tは、要素画像i−1,i,i+1の図示しない画素群の領域に分けて表されている。また、凸レンズMi-1,Mi,Mi+1は、各要素画像i−1,i,i+1にそれぞれ相対向させて対になるように配置されている。また、ホログラム作成面Wが、要素画像形成面Tとの間に凸レンズMi-1,Mi,Mi+1を挟んで図4中右側に配置されている。
そのため、要素画像群形成面Tに形成される要素画像i−1,i,i+1ごとの光場の強度分布E3は、各凸レンズMi-1,Mi,Mi+1に入射する。そして、光場の強度分布E3は、光の伝搬計算αで算出される。
〈光の伝搬計算α〉
図4に示すように、要素画像iから放射される光O(x0,y0)は、要素画像iと対の凸レンズMiの入射面につくる光場の強度分布E3=fi(x1,y1)は、式(2)で算出される。
Figure 0005001570
ここで、C1は定数である。また、要素画像iと凸レンズMiとの距離を、凸レンズMiの焦点距離fとする。要素画像−凸レンズ間距離を凸レンズの焦点距離と一致させる理由は、奥行き方向に広い範囲で比較的良好な画質の再生像が得られるためである。したがって、この設定は立体表示用途に非常に適しており、このような設定が一般的によく用いられる。また、光の伝搬を計算する場合、通常、フレネル・キルヒホッフの式の、フレネル領域における近似式(ここでは“フレネル近似式”と呼ぶ)が使用される。このため、式(2)には、要素画像iからの光、O(x0,y0)が凸レンズMiの入射面までの距離fを伝搬する計算に、フレネル近似式が用いられている。
次に、各凸レンズMi-1,Mi,Mi+1は、光場の強度分布E3の光を入射し、位相をシフトした光場の強度分布E4を射出面に生じる。この光場の強度分布E4は、各凸レンズMi-1,Mi,Mi+1の位相シフト計算βで算出される。
〈レンズの位相シフト計算β〉
凸レンズMiの射出面の光場の強度分布E4=f0(x1,y1)は、式(3)によって示される。式(3)には、凸レンズMiの入射面における光場の強度分布E3=fi(x1,y1)と、凸レンズMiの位相シフト関数との積が、光場の強度分布E4を示している。なお、式(3)中、項(3’)は、焦点距離fの凸レンズMiの位相シフト関数を表す。
Figure 0005001570
そして、その光場の強度分布E4は、ホログラム作成面Wまで伝搬する。そのため、ホログラム作成面Wには、光場の強度分布E4を重ね合わせた光場の強度分布E5が生じる。この光場の強度分布E5=h(x2,y2)は、光場の強度分布E4=f0(x1,y1)から距離d離れたホログラム作成面Wにおけるものとして算出される。光場の強度分布E4から光場の強度分布E5の式は、要素画像iから光場の強度分布E3を計算するときと同様に、フレネル近似式を用いて、式(4)で与えられる。
Figure 0005001570
なお、実際には、光場の強度分布E4上の各画素から発生する光がホログラム作成面Wに生じる光場の強度分布E4’を求め、すべての画素について光場の強度分布E4’を加算していく。ここで、式(4)の計算における、光場の強度分布E4上の各画素から発生する光に対するホログラム作成面Wにおける(x2,y2)の計算領域について説明する。
図5は、図4に示した光学系での画素ごとの光場の強度分布のホログラム作成面Wにおける領域を説明する模式図である。図5に示すように、干渉縞に折り返し成分が発生しないためには、光場の強度分布E4を生じる画素Sfを通り、傾きが参照光Orの進行方向である直線がホログラム作成面Wと交わる点を中心とする範囲Dmに分布すればよい。範囲Dmは、式(5)及び式(6)で示される。
Figure 0005001570
ここで、dは、凸レンズMi−ホログラム作成面W間距離を示す。θは、干渉縞に折り返し成分が生じないための、光の拡がり角の最大値を示し、θ=λ/pである。λは、光の波長を示す。pは、ホログラム作成面Wの標本化(画素)間隔を示す。光の波長λを一定とすると、式(6)より、ホログラム作成面Wの画素間隔pが小さくなるほど、又は、凸レンズMi−ホログラム作成面W間距離dが大きくなるほど計算領域が拡大する。図5では、計算領域が、1次元(垂直方向)で描かれているが、実際には2次元平面(水平及び垂直を含む)であるため、全計算領域は式(6)の二乗で拡大する。
ところで、式(2)、式(3)、式(4)をまとめると、式(1)が示されることが分かる。つまり、式(1)に従うアルゴリズムは、式(2)、式(3)、式(4)の3段階の計算処理を必要とするアルゴリズムよりも、計算量が少ない。したがって、本発明によれば、理論上、ホログラム再生像の劣化を引き起こすことなく計算量が低減できる。
なお、特許出願人は、式(2)、式(3)及び式(4)の3段階のアルゴリズムに従い、ホロコーダ・ホログラムにおける光学処理を計算機による処理に置き換え、複数の要素画像から計算でホログラムデータを作成する技術を、特願2004−315360号及び特願2005−133532号として、既に出願している。
しかし、特願2004−315360号の技術は、計算の高速化についてのものであるが、光の伝搬計算に近似計算を適用しているため、再生像の劣化を、理論上、回避することができなかった。
また、特願2005−133532号の技術では、近似を用いることなく計算の高速化を実現しているが、ホログラム作成面の位置がレンズ群を構成する凸レンズの後側焦平面に限定されている。また、作成されるホログラムデータのレベル差が、ホログラム内で非常に大きくなるため、電子ホログラフィにおいて、ホログラムデータ表示に用いられる液晶パネルのような電気的な表示デバイスでは、このような大きなレベル差を持つデータを正確に表示することが困難であった。
一方、この実施の形態のように、式(1)のアルゴリズムに従う場合、前記のように、近似を用いていないため、再生像の劣化を招くことなく、また、後側焦平面に限定されることもない。次に、図1に戻って、説明を続ける。
加算手段6は、フーリエ変換手段5によって算出された要素画像i(図2等)ごとの光場の強度分布E4(図4、5)同士の重ね合わせの和を算出して、ホログラム作成面Wにおけるフレームごとの光場の強度分布E5とするものである。算出された光場の強度分布E5は、ホログラムデータ作成手段7に出力される。
ホログラムデータ作成手段(以下適宜「作成手段」と略す。)7は、加算手段6によって算出された光場の強度分布E5と参照光の光場の強度分布とを重ね合わせた光場の強度分布を算出し、重ね合わせた光場の強度分布として現れる干渉縞に相当する画像を図示しないディスプレイに表示させる画素ごとの輝度データをホログラムデータとして作成するものである。作成手段7は、加算手段6によって光場の強度分布E5として算出された分布をサンプリングして画素ごとの輝度データ(輝度値)を決定する。例えば、作成手段7は、画素に相当する領域ごとに光場の強度分布E5の平均値を算出して、その平均値を各画素の輝度データとする。
ホログラムデータ記憶手段8は、ホログラムデータ作成手段7によって作成されたホログラムデータをフレームごとに記憶していくものである。ここでも、フレームごととは、互いに関連づけがなされている程度の意味であって、必ずしも記憶される領域が同一でなくてもよい。
続いて、実施の形態の式(1)のアルゴリズムに従った処理について適宜図1を参照して説明する。図6は、実施の形態のホログラムデータ作成装置の主な処理の流れについて説明する概念図である。まず、乗算手段4は、要素画像記憶手段2から、要素画像iの輝度データを読み出す(S10)。そして、乗算手段4は、位相シフト設定手段3から設定されている位相シフト関数から求められた位相シフト量を読み出して、要素画像ごとの輝度データと位相シフト量とを乗算する(S20)。
このとき、位相シフト関数は、実際の凸レンズM1の位相シフト関数とは異なる、計算量の低減のための関数であり、焦点距離[f2/(d−f)]のレンズの位相をシフトさせるのに相当する関数である。次に、フーリエ変換手段5は、乗算手段4による積のフーリエ変換を算出する(S30)。そして、ホログラムデータ作成装置1は、フレームごとの全要素画像について、式(1)のアルゴリズムに従ったS10、S20、S30を実行する。そのたびに算出される値は、図示しないメモリに蓄積していく。そして、加算手段6が、その全要素画像分のフーリエ変換の値を加算する(S40)。これによって、ホログラム作成面Wに作成される光場の強度分布E5が算出される。
そして、ホログラムデータ作成装置1では、ホログラムデータ作成手段7が、加算手段6によって算出された光場の強度分布E5と参照光の光場の強度分布とを重ね合わせた光場の強度分布を算出し、重ね合わせた光場の強度分布として現れる干渉縞に相当する画像を図示しないディスプレイに表示させる画素ごとの輝度データをホログラムデータとして作成し、ホログラムデータ記憶手段8に記憶していく。例えば、ホログラムデータ作成手段7は、画素に相当する領域ごとに光場の強度分布E5の平均値を算出して、その平均値を各画素の輝度データとする。
ここで、式(2)、式(3)、式(4)のアルゴリズムに従って光場の強度分布E5を算出する手順について比較例として説明する。図7は、比較例の処理の流れについて説明する概念図である。以下、図示しない処理部が各手順を実行することとして説明する。まず、処理部は、要素画像記憶手段から、要素画像iの輝度データを読み出す(S10)。前記光の伝搬計算αを実行して、フレネル近似式によって距離fまで伝搬する光場の強度分布について算出する(S50)。
次に、処理部は、光の伝搬計算αの結果に、レンズの位相シフト計算βに従って、焦点距離fの凸レンズの位相シフト関数(位相シフト量)を乗算して(S51)、凸レンズを透過した光場の強度分布の状態を求める。続いて、処理部は、光の伝搬計算γによって、凸レンズから距離dまで伝搬する光場の強度分布をフレネル近似式によって算出する(S52)。そして、処理部は、フレームごとの全要素画像について、式(2)、式(3)、式(4)のアルゴリズムに従ったS10、S50、S51、S52を実行する。そのたびに算出される値は、図示しないメモリに蓄積していく。そして、加算手段6が、その全要素画像分の算出された値を加算する(S40)。これによって、ホログラム作成面Wに作成される光場の強度分布E5が算出される。
以下に、実施の形態の変形例について説明する。主に、前記した実施の形態との相違点を説明し、共通点については省略する。
[変形例1]
図8は、図6の処理の変形例1を示す概念図である。この変形例1は、S10とS20の間に、S15を行い、S30の代わりにS31を実行するようにしたものである。S15では、乗算手段4が、サンプル点の補間を行う。このサンプル点補間は、要素画像iのサンプル点数を補間する処理である。ここで、補間処理が、凸レンズの位相シフト関数を乗算する(S20)前に挿入されているが、凸レンズの位相シフト関数を乗算した(S20)後でもよい。したがって、サンプル点補間処理は、フーリエ変換前に実行されていればよい。
また、S31は、高速フーリエ変換(FFT)計算である。計算点数をNとした場合、通常のフーリエ変換では、N2オーダの計算量であるのに対して、FFTの計算では、N*log2Nオーダの計算量となり、計算点数Nが多いほど、計算量の低減化の度合いが高くなる。また、FFTの計算では、フーリエ変換される関数と、変換後の関数のサンプル点数を一致させる必要があるのに対して、式(1)において、フーリエ変換される関数は要素画像、変換後の関数は光場の強度分布E5に相当する。光場の強度分布Eの計算範囲は、式(1)に基づいて、ホログラム作成面Wの標本化間隔及び光の波長を一定とすると、凸レンズMi−ホログラム作成面W間距離が大きくなるほど拡大、すなわち、サンプル点数が増大する。
したがって、光場の強度分布E5を、FFTを使って計算する場合は、凸レンズMi−ホログラム作成面W間距離による計算範囲の拡大に応じて、要素画像iの画素のサンプル点数を増やす必要がある。そのため、S15が、フーリエ変換処理の前に挿入された構成とする。
ところで、ホログラム作成面Wの標本化間隔及び光の波長λを一定とすると、式(1)より、ホログラム作成面Wにおける光場の強度分布E5の計算範囲は、凸レンズM−ホログラム作成面W間距離が大きくなるほど拡大し、その結果、計算量が増大することが分かる。そこで、凸レンズMi−ホログラム作成面W間距離を短くすると、計算量が減少する。このような場合を変形例2,3として説明する。
[変形例2,3]
図9は、変形例2,3の仮想光学系を示す模式図である。図4と同様に、要素画像群形成面Tは、要素画像i−1,i,i+1の図示しない画素群の領域に分けて表されている。また、凸レンズMi-1,Mi,Mi+1は、各要素画像i−1,i,i+1にそれぞれ相対向させて対になるように配置されている。そして、ホログラム作成面Wが、凸レンズMi-1,Mi,Mi+1の射出面に接して図9中右側に配置されている。
そのため、要素画像群形成面Tに形成される要素画像i−1,i,i+1ごとの光場の強度分布E3は、各凸レンズMi-1,Mi,Mi-1に入射する。そして、光場の強度分布E3は、光の伝搬計算αで算出される。次に、各凸レンズMi-1,Mi,Mi+1は、光場の強度分布E3の光を入射し、位相をシフトした光場の強度分布E4を射出面に生じる。この光場の強度分布E4は、各凸レンズMi-1,Mi,Mi+1の位相シフト計算βで算出される。
なお、この場合、ホログラム作成面Wが凸レンズ直後に配置されているから、ホログラム作成面Wにおける物体光の光場の強度分布の計算は、式(4)が不要となり、式(2)及び式(3)で算出することができる。そのため、計算量の低減化が図られる。この場合は、凸レンズ射出面の光場の強度分布E4がホログラム作成面Wにおける光場の強度分布E5と一致する。式(2)及び式(3)だけの計算は、式(1)において、d=0とした場合に相当し、物体光の光場の強度分布E4(=E5=h(x2,y2))は式(7)で計算できる。
Figure 0005001570
ここで、C4は定数である。
[変形例2]
図10は、図6の処理の変形例2を示す概念図である。この変形例2は、式(7)のアルゴリズムに従った処理である。式(7)は、ホログラム作成面Wを凸レンズMiの直後に配置した場合、ホログラム作成面Wにおける物体光の光場の強度分布E4を計算するものである。この式(7)は、要素画像i(S10)に、凸レンズMiの焦点距離と絶対値が同じで負の符号を持つ焦点距離、すなわち、焦点距離が(−f)の凹レンズの位相シフト関数を乗算した(S21)後、得られた積にフーリエ変換処理(S32)を施すことを表している。そして、全要素画像iについての和を算出して(S40)、ホログラム作成面W上の光場の強度分布E5(=E3=h(x2,y2))を算出する。
[変形例3]
図11は、図10の処理の変形を示す変形例3の概念図である。この変形例3は、式(7)のフーリエ変換計算に高速フーリエ変換処理を適用する場合である。一般的に、インテグラル・フォトグラフィでは、要素画像iの大きさは凸レンズの大きさと一致する。ホログラム作成面Wを凸レンズMi直後に配置する場合、光場の強度分布E4の計算範囲が要素画像iの大きさと同じになる。式(7)の計算において、要素画像i、光場の強度分布E4ともに同じサンプル間隔で標本化すると仮定した場合、それぞれのサンプル点数は同じになる。
したがって、この実施の形態においては、要素画像記憶手段2から読み取った要素画像i(S10)のサンプル点数の補間を行うことなく、凹レンズのシフト関数を乗じ(S21)、高速フーリエ変換(FFT)の計算アルゴリズム(S33)を適用することができ、さらに計算の高速化が図られる。
なお、この実施の形態の説明では、すべて図面と平行な1方向(右方向)のみに進む光場の強度分布を用いて説明した。しかし、光場の強度分布は3次元空間を伝搬し、実際は空間上に計算領域は広がっているため、図面に鉛直な方向も考慮するのが望ましい。なお、鉛直方向についても、以上説明してきた、水平方向の場合と同様に説明できる。
したがって、この実施の形態では、再生像に対して劣化を生じさせることなく、計算量を低減できる。また、フーリエ変換計算に高速フーリエ変換(FFT)を適用することにより、さらに計算量の低減化が実現できる。また、大量のホログラムデータ作成に効果的に処理を実行することができる。そのため、動画ホログラフィ装置などに有効な技術となる可能性が期待できる。
[ホログラム表示システムの概要]
次に、ホログラムデータ作成装置1からホログラムデータを受け取って、そのホログラムデータに基づいたホログラムを表示するホログラム表示システムについて説明する。図12は、実施の形態のホログラム表示システムの概要を説明するブロック図である。このホログラム表示システム10は、フレームメモリ11と、画像形成手段12と、再生照明光照射手段13と、表示制御手段14とを主に備えている。なお、ホログラムデータ作成装置1とホログラム表示システム10とは、各種通信回線や放送波を介して接続する。
フレームメモリ11は、ホログラムデータ作成装置1が作成したホログラムデータをフレームごとに記憶するものである。画像形成手段(装置)12は、ホログラムデータ作成装置1によって作成されたホログラムデータに従った物体光に相当する画像を画像形成面に形成するものである。画像形成手段12は、LCD(Liquid Crystal Display)等の画像形成面と、この画像形成面に再生照明光を照射することが可能な構造を有するディスプレイであれば、いずれのものであってもよい。
再生照明光照射手段(装置)13は、画像形成手段12によって形成された画像に所定方向から再生照明光を照射する。そのため、図示しない画像形成面に形成した画像による物体光と参照光との干渉縞(ホログラム)によって、ホログラムが虚像として再生される。表示制御手段14は、フレームメモリ11と画像形成手段12と再生照明光照射手段13との動作を制御するものである。
ここでは、ホログラム表示システム10とホログラムデータ作成装置1とが別体の構成としたが、ホログラム表示システム10とホログラムデータ作成装置1とを一体にした構成としてもよい。
[その他の変形例]
なお、この実施の形態のホログラムデータ作成装置1は、一般的な図示しないコンピュータの図示しないCPU(Central Processing Unit)(演算装置)が図示しないメモリに展開されたホログラムデータ作成プログラムを順次実行することにより、乗算手段4、フーリエ変換手段5、加算手段6及びホログラムデータ作成手段7として機能するものとする。また、このホログラムデータ作成装置1は、一時的に記憶するための図示しないメモリを備え、要素画像記憶手段2、位相シフト設定手段3及びホログラムデータ記憶手段8として、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体読み書き装置を備えている。また、コンピュータに直接的にインターフェースを介して接続する場合に限らず、LAN(Local Area Network)やインターネット等の各種ネットワークを介して他のコンピュータに接続していても構わない。なお、前記各手段は、電子回路、特に、ICチップとして構成するようにしてもよい。
また、前記実施の形態は、単色光のホログラムについて説明したが、多色光(カラー)のホログラムについても、同様に適用することが可能である。この場合、ホログラムデータは、赤、緑、青それぞれの色データを画素ごとに含むものとすればよい。
また、前記実施の形態では、光の場合のホログラムデータの作成を説明したが、ホログラムは光以外の波長の電場や音場等の波動でも生じるため、光以外の波動に置き換えた場合も本発明の範囲に属するものである。
実施の形態のホログラムデータ作成装置の構成を示すブロック図である。 インテグラル・フォトグラフィ技術による要素画像の記録原理を説明する模式図である。 複数の要素画像からホログラムを光学的に再生する原理を説明する模式図である。 要素画像から放射された光が凸レンズを介してホログラム作成面に伝搬させる光学系を説明する模式図である。 図4に示した光学系での画素ごとの光場の強度分布のホログラム作成面Wにおける領域を説明する模式図である。 実施の形態のホログラムデータ作成装置の主な処理の流れについて説明する概念図である。 比較例の処理の流れについて説明する概念図である。 図6の処理の変形例1を示す概念図である。 変形例2,3の仮想光学系を示す模式図である。 図6の処理の変形例2を示す概念図である。 図10の処理の変形を示す変形例3の概念図である。 実施の形態のホログラムデータ作成装置を搭載したホログラム表示システムの概要を説明するブロック図である。
符号の説明
1 ホログラムデータ作成装置
2 要素画像記憶手段
3 位相シフト設定手段
4 乗算手段
5 フーリエ変換手段
6 加算手段
7 ホログラムデータ作成手段
8 ホログラムデータ記憶手段
10 ホログラム表示システム
11 フレームメモリ
12 画像形成手段
13 再生照明光照射手段
14 表示制御手段
5 光場の強度分布
i 要素画像
M レンズ群
i 凸レンズ
O(↓) 倒立像
O(↑) 正立像
r 参照光
c コヒーレント光
p 画素間隔
R 要素画像群記録面
T 要素画像群形成面(画像形成面)
U ホログラム記録面
W ホログラム作成面
X 被写体(オブジェクト)

Claims (4)

  1. オブジェクトを多視点で表した複数の要素画像のそれぞれから放射される光をレンズ群に入射させ、そのレンズ群から射出される物体光の重ね合わせによって生じる光場の強度分布と参照光との干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させるホログラムデータを作成するホログラムデータ作成装置であって、
    前側焦平面に配置させた前記要素画像とこの要素画像に対向して対となる前記レンズ群を構成するレンズとの光軸上の交点を主点とするレンズに相当する位相シフト関数に応じた位相シフト量を設定する位相シフト設定手段と、
    前記要素画像に含まれる画素ごとの輝度データと、前記位相シフト設定手段によって設定されている位相シフト量とを乗算することによって、その結果算出された積を要素とする位相シフト後の光場の強度分布を求める乗算手段と、
    この乗算手段によって算出された積をフーリエ変換して、前記要素画像ごとのホログラム作成面における光場の強度分布を算出するフーリエ変換手段と、
    このフーリエ変換手段によって算出された前記要素画像ごとの物体光の光場の強度分布同士の重ね合わせの和を算出して、ホログラム作成面における光場の強度分布とする加算手段と、
    この加算手段によって算出された光場の強度分布と前記参照光の光場の強度分布とを重ね合わせた光場の強度分布を算出し、当該重ね合わせた光場の強度分布として現れる干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させる画素ごとの輝度データをホログラムデータとして作成するホログラムデータ作成手段と、
    を備え
    前記位相シフト設定手段は、
    前記位相シフト量を、
    前記レンズ群を構成するレンズと前記要素画像の表示面との間の距離をfとし、前記レンズ群を構成するレンズと前記ホログラム作成面との間の距離をdとしたときに、焦点距離Fが[f /(d−f)]となる前記レンズに相当する位相シフト関数に応じて設定した
    ことを特徴とするホログラムデータ作成装置。
  2. 前記フーリエ変換手段は、高速フーリエ変換処理を実行すること、
    を特徴とする請求項1に記載のホログラムデータ作成装置。
  3. オブジェクトを多視点で表した複数の要素画像のそれぞれから放射される光をレンズ群に入射させ、そのレンズ群から射出される物体光の重ね合わせによって生じる光場の強度分布と参照光との干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させるホログラムデータを作成するホログラムデータ作成方法であって、
    前記要素画像に含まれる画素ごとの輝度データと、前側焦平面に配置させた前記要素画像とこの要素画像に対向して対となる前記レンズ群を構成するレンズとの光軸上の交点を主点とするレンズに相当する位相シフト関数に応じた位相シフト量とを乗算し、その結果算出された積を要素とする位相シフト後の光場の強度分布を求める乗算ステップと、
    この乗算ステップで算出された積をフーリエ変換して、前記要素画像ごとのホログラム作成面における光場の強度分布を算出するフーリエ変換ステップと、
    前記フーリエ変換ステップで算出された前記要素画像ごとの物体光の光場の強度分布同士の重ね合わせの和を算出して、ホログラム作成面における光場の強度分布とする加算ステップと、
    この加算ステップで算出された光場の強度分布と前記参照光の光場の強度分布とを重ね合わせた光場の強度分布を算出し、当該重ね合わせた光場の強度分布として現れる干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させる画素ごとの輝度データをホログラムデータとして作成するホログラムデータ作成ステップと、
    を含み、
    前記乗算ステップにおいて、前記位相シフト量は、前記レンズ群を構成するレンズと前記要素画像の表示面との間の距離をfとし、前記レンズ群を構成するレンズと前記ホログラム作成面との間の距離をdとしたときに、焦点距離Fが[f /(d−f)]となる前記レンズに相当する位相シフト関数に応じて設定されている
    ことを特徴とするホログラムデータ作成方法。
  4. オブジェクトを多視点で表した複数の要素画像のそれぞれから放射される光をレンズ群に入射させ、そのレンズ群から射出される物体光の重ね合わせによって生じる光場の強度分布と参照光との干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させるホログラムデータを作成するために、コンピュータを、
    前記要素画像に含まれる画素ごとの輝度データと、前側焦平面に配置させた前記要素画像とこの要素画像に対向して対となる前記レンズ群を構成するレンズとの光軸上の交点を主点とするレンズに相当する位相シフト関数に応じた位相シフト量とを乗算し、その結果算出された積を要素とする位相シフト後の光場の強度分布を求める乗算手段、
    この乗算手段によって算出された積をフーリエ変換して、前記要素画像ごとのホログラム作成面における光場の強度分布を算出するフーリエ変換手段、
    前記フーリエ変換手段によって算出された前記要素画像ごとの物体光の光場の強度分布同士の重ね合わせの和を算出して、ホログラム作成面における光場の強度分布とする加算手段、
    この加算手段によって算出された光場の強度分布と前記参照光の光場の強度分布とを重ね合わせた光場の強度分布を算出し、当該重ね合わせた光場の強度分布として現れる干渉縞に相当する画像をディスプレイに表示させる画素ごとの輝度データをホログラムデータとして作成するホログラムデータ作成手段、
    として機能させ
    前記位相シフト量は、前記レンズ群を構成するレンズと前記要素画像の表示面との間の距離をfとし、前記レンズ群を構成するレンズと前記ホログラム作成面との間の距離をdとしたときに、焦点距離Fが[f /(d−f)]となる前記レンズに相当する位相シフト関数に応じて設定されている
    ことを特徴とするホログラムデータ作成プログラム。
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