JP5000288B2 - β−ケトカルボン酸銀から得られる金属銀を含む銀ペーストの製造方法及び金属銀の焼成方法 - Google Patents

β−ケトカルボン酸銀から得られる金属銀を含む銀ペーストの製造方法及び金属銀の焼成方法 Download PDF

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Description

本発明は、β−ケトカルボン酸銀から得られる金属銀を含む銀ペーストおよびその製造方法に関するものである。
金属銀は、配線材料や印刷刷版の材料として、また、導電性に優れることから高導電性材料として幅広く用いられている。前記配線材料として用いる場合、一般には、金属銀が分散溶媒中に分散したペーストを用い、配線基板上にパターン形成し、前記ペースト中の金属銀を焼結させ、配線を形成する。この際、金属銀を導電性材料として使用する場合には、形成される被膜の抵抗を低減するために、より微細な金属銀の粒子を使用する必要がある。このような微細な金属銀の粒子は、互いに接触して凝集しやすいことが知られている。そこで、微細な金属銀の粒子の凝集を防止するため、前記ペーストには分散剤を含む必要がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記分散剤を含むペーストを用いて金属銀の粒子を焼結させると、得られた配線中に前記分散剤に由来する不純物が残留する。このような不純物は、得られる配線中の導電性を高めるために、できるだけ除去することが望ましい。
金属銀の一般的な製造方法としては、例えば、無機物である酸化銀を還元剤の存在下で加熱する方法が挙げられる。具体的には、例えば、粒子状の酸化銀をバインダーに分散させ、これに還元剤を添加してペーストを調製し、前記ペーストを基材等に塗布して加熱すればよい。このように、還元剤の存在下で加熱することによって、酸化銀が還元され、還元により生成された金属銀が相互に融着し、金属銀を含む被膜が形成される。
しかしながら、金属銀の形成材料として酸化銀を使用する場合、還元剤が必要であり、また、その処理温度が約300℃程度と極めて高温であるという問題がある。さらに、金属銀を導電性材料として使用する場合には、形成される被膜の抵抗を低減するために、より微細な酸化銀の粒子を使用する必要がある。
一方、近年では、前述のような無機物にかえて有機酸銀を用いた金属銀の形成方法も報告されている。前記有機酸銀としては、例えば、長鎖カルボン酸の銀塩を窒素雰囲気下で焼結する方法が報告されており(特許文献2)、また、ステアリン酸銀やα−ケトカルボン酸銀が新たな金属銀の形成材料として報告されている(特許文献3〜4)。
特開2005−60824号公報 特開2005−298921号公報 特開平10−183207号公報 特開2004−315374号公報
そこで、本発明は、金属銀を含む銀ペーストであって、低温加熱で製造可能な銀ペーストおよび、その製造方法を提供することを目的とする。
発明は、金属銀を含む銀ペーストの製造方法であって、前記方法が、下記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀と、極性溶媒とを含む混合物を加熱して金属銀を生成する工程を含むことを特徴とする。
Figure 0005000288
前記式(1)において、Rは、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R1−CY2−、CY3−、R1−CHY−、R2O−、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基、R54N−、水酸基、アミノ基、または、(R3O)2CY−である。
ただし、前記式中、
Yは、同一であるかまたは異なり、それぞれフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子であり、
1は直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C19脂肪族炭化水素基、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、または1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基であり、
2は直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基であり、
3は直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C16脂肪族炭化水素基であり、
4およびR5は、同一であるかまたは異なり、それぞれ直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C18脂肪族炭化水素基である。
前記式(1)において、Xは、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R6O−、R6S−、R6−CO−、R6−CO−O−、ハロゲン原子、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基、アラルキル基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアラルキル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基である。
ただし、前記式中、
6は直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C10脂肪族炭化水素基、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基である。
また、本発明は、基材上に、上記本発明の製造方法により得られた銀ペーストを塗布し、これに加熱処理を施すことによって、金属銀膜を形成する金属銀の焼成方法である。
本発明の銀ペーストは、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀から得られるため、低温加熱でも金属銀を含む銀ペーストの製造が可能という利点がある。また、本発明の銀ペーストは、還元剤等を使用せずに製造可能であるので、銀ペーストに含まれる不純物が少なく、従って銀ペーストを焼成する際に副反応が生じる恐れが低いという利点がある。
本発明の製造方法においては、前記加熱は、前記β−ケトカルボン酸銀の分解温度より60℃低い温度以上の温度で行われるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記加熱は、常圧条件下で行われるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記加熱は、加圧条件下で行ってもよい。
本発明の製造方法においては、前記極性溶媒は、複素環、アルキル置換された複素環、水、−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含むアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環およびアルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上の極性溶媒であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記式(1)において、Rが、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、アリール基、または1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基であり、Xが、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、または直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀は、イソブチリル酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、アセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、α−メチルアセト酢酸銀およびα−エチルアセト酢酸銀からなる群から選択される1以上であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、前記銀ペーストに含まれる金属銀は、3nm〜500nmの範囲の粒径の金属銀を含むのが好ましい。前記銀ペーストに含まれる金属銀が、3nm〜20nmの範囲の粒径の金属銀を含む場合、本発明の製造方法において前記混合物は、更に分散剤を含むのが好ましい。前記分散剤を含むのは、前記3nm〜20nmの範囲の粒径の金属銀の凝集を抑制するためである。
本発明の製造方法においては、前記混合物中、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀の含有量は、0.01mol/L〜10mol/Lであるのが好ましい。
また、本発明の銀ペーストは、本発明の製造方法により形成されるのが好ましい。
また、本発明の金属銀の焼成方法は、基材上に本発明の銀ペーストを塗布し、これに加熱処理を施すことによって、金属銀膜を形成することを特徴とする。
本発明の金属銀の焼成方法においては、前記金属銀膜は、基材上の接続配線であるのが好ましい。
本発明の金属銀の焼成方法においては、前記基材は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属、シリコンおよびセラミックスからなる群から選択される1以上の材料から形成されるのが好ましい。
また、本発明の金属銀は、本発明の金属銀の焼成方法により形成される金属銀である。
まず、本発明は、前記のように、下記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀から得られる銀ペーストである。
Figure 0005000288
本発明の銀ペ−ストは、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀から得られるものであればよく、その製造方法は限定されない。また、本発明の銀ペーストは、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀から得られるため、低温加熱で製造することができるという利点がある。また、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀から得られるため、加熱処理によりβ−ケトカルボン酸銀が分解して揮発性のケトンと二酸化炭素を生成し、金属銀を含む銀ペーストを製造することができる。
前記式(1)において、Rは、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R1−CY2−、CY3−、R1−CHY−、R2O−、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基、R54N−、水酸基、アミノ基、または、(R3O)2CY−である。
本発明において、Rが直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である場合、Rとしては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1(nは1〜20の整数、好ましくは1〜6の整数)、−Cn2n-1(nは2〜20の整数、好ましくは2〜6の整数)、または−Cn2n-3(nは2〜20の整数、好ましくは2〜6の整数)で表される基であってもよい。
本発明において、−Cn2n+1(nは1〜20の整数)の例としては、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコサニル等が挙げられる。また、−Cn2n+1(nは1〜6の整数)の例としては、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
本発明において、−Cn2n-1(nは2〜20の整数)の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、シクロプロペニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等挙げられる。また、−Cn2n-1(nは2〜6の整数)の例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロプロペニル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
本発明において、−Cn2n-3(nは2〜20の整数)の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキサイニル、ヘプタイニル、オクタイニル、ノナイニル、デカイニル、ウンデカイニル、ドデカイニル、トリデカイニル、テトラデカイニル、ペンタデカイニル、ヘキサデカイニル、ヘプタデカイニル、オクタデカイニル、ノナデカイニル、イコサイニル等が挙げられる。また、−Cn2n-3(nは2〜6の整数)の例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキサイニル等が挙げられる。また、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基は、1以上の水素基が、フッ素原子、塩素原子または臭素原子に置換されてもよい。
本発明において、アリール基の例としては、芳香族炭化水素から水素1原子を除いた基を意味し、例えば炭素数6〜30のものが挙げられる。前記アリール基としては、好ましくはフェニル、ペンタレニル、ナフタレニル、フェナレニル、フェナントレニル等である。
本発明において、Rが、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基である場合、その置換基としては、R3−、R3O−、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(C65−O−)、アルキル基、アリール基等が挙げられ、アリール基のいずれの位置が置換されてもよい。前記置換されたアリール基の例としては、4−フェニルフェニル(ビフェニル)、2,4,6トリメチルフェニル等である。
本発明において、ヘテロアリール基の例としては、複素環から水素1原子を除いた基を意味し、例えば酸素、硫黄、窒素等を含むヘテロアリール基が挙げられる。前記ヘテロアリール基としては、好ましくはチオフェニル、フラニル、ピラニル、キサンテニル、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、イソオキサゾリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル等である。
本発明において、Rが、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基である場合、その置換基としては、R3−、R3O−、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基(−OH)、シアノ基(−C≡N)、フェノキシ基(C65−O−)、アルキル基、アリール基等が挙げられ、アリール基のいずれの位置が置換されてもよい。前記置換されたヘテロアリール基の例としては、4−フェニルピリジニル、4−メチルピリジニル等である。
本発明における「アルキル基」とは、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が挙げられる。「アルケニル基」とは、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜6のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基および2−ブテニル基等が挙げられる。また、「アルキニル基」とは、特に限定されないが、例えば、炭素数2〜6のアルキニル基、例えば、エチニル基およびプロパルギル基等が挙げられる。「シクロアルキル基」とは、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜8のシクロアルキル基、例えばシクロペンチル基およびシクロへキシル基等が挙げられる。「シクロアルケニル基」とは、特に限定されないが、例えば、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、たとえば1,3−シクロヘキサジエニル基、1,4−シクロヘキサジエニル基およびシクロペンタジエニル基等が挙げられる。また、本発明における各種炭化水素基は、1以上の水素基が、フッ素原子、塩素原子または臭素原子に置換されてもよい。
本発明において、前記RにおけるYは、同一であるかまたは異なってもよく、それぞれフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である。
本発明において、前記RにおけるR1は、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C19脂肪族炭化水素基、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、または1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基である。前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜19の整数)で表される基であってもよい。
本発明において、R2は、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である。前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜20の整数)で表される基であってもよい。
本発明において、R3は、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C16脂肪族炭化水素基である。前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜16の整数)で表される基であってもよい。
本発明において、R4およびR5は、同一であるかまたは異ってもよく、それぞれ直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C18脂肪族炭化水素基である。前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜18の整数)で表される基であってもよい。
前記式(1)において、Xは、同一でも異なってもよく、水素原子、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R6O−、R6S−、R6−CO−、R6−CO−O−、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基、アラルキル基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアラルキル基、シアノ基(−C≡N)、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基(C25−O−CH=CH−)である。ただし、R6は直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C10脂肪族炭化水素基、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基である。
前記Xが、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である場合、Xとしては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜20の整数)で表される基であってもよい。
本発明において、XのR6O−、R6S−、R6−CO−、R6−CO−O−において、R6としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等が挙げられ、例えば、−Cn2n+1、−Cn2n-1、または−Cn2n-3(nは1〜10の整数)で表される基であってもよい。また、R6は、前述のように、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基であってもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素))等があげられ、アリール基またはヘテロアリール基のいずれの位置が置換されてもよい。
本発明における「アラルキル基」とは、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜6のアルキル基にアリール基が置換した基、例えば、フェニルメチル(ベンジル)、フェニチル、ナフチルメチル等が挙げられる。
本発明において、Xが、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアラルキル基の場合、その置換基は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基(−NO2)等があげられ、アリール基またはヘテロアリール基のいずれの位置が置換されてもよい。
また、前記式(1)において、一方のXには、基が結合しておらず、他方のXのみに、=CH−C64−NO2が結合した構造であってもよい。
前記β−ケトカルボン酸銀の分解温度は、例えば、約60℃〜210℃の範囲、好ましくは約60℃〜200℃の範囲に設定可能であり、例えば、式(1)におけるRやXの置換基の種類等によって調整できる。
前記分解温度は、例えば、Rの電子吸引性に依存しており、その値が大きいほど、加熱時にβ−ケトカルボン酸の脱炭酸反応が起こりやすくなる。従って、電子吸引性の値が相対的に大きいRに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に低く設定できる。一方、電子吸引性の値が相対的に小さいRに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に高く設定できる。
以下に、式(1)における置換基Rとβ−ケトカルボン酸銀の分解温度との関係の一例を示す。なお、式(1)におけるXは、それぞれ水素原子とし、表中における等号および不等号は、それぞれの分解温度の関係の一例を表わしている。
Figure 0005000288
RがR1−CY2−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 0005000288
RがCY3−である場合の具体例としては、例えば、CF3−、CCl3−等が挙げられ、このようなRを有する化合物の分解温度の関係は、例えば、CF3−<CCl3−である。
RがR1−CHY−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 0005000288
RがR3−で置換されたフェニル基である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 0005000288
RがR3O−で置換されたフェニル基である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 0005000288
Rが直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20の脂肪族炭化水素基である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 0005000288
RがR54N−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられ、下記式における不等号は、このようなRを有する化合物の分解温度の関係の一例を示している。
Figure 0005000288
Xがそれぞれ水素原子の場合における、Rと分解温度との関係について具体例を示すと、式(1)におけるRがイソプロピル基ならば、β−ケトカルボン酸銀はイソブチリル酢酸銀となり、その分解温度は約145℃、Rがメチル基ならば、β−ケトカルボン酸銀はアセト酢酸銀となり、その分解温度は約110℃となる。また、式(1)におけるRがエチル基ならば、β−ケトカルボン酸銀はプロピオニル酢酸銀となり、その分解温度は約130℃、Rがフェニル基ならば、β−ケトカルボン酸銀はベンゾイル酢酸銀となり、その分解温度は約120℃となる。
なお、β−ケトカルボン酸銀を使用することによる前述のような極めて優れた効果は、本発明者等が以前に見出したことであるが、種々の置換基の電子吸引性がどの程度であるか、また、置換基同士の相対的な関係は、例えば、技術常識から決定可能であるため、式(1)におけるRは、前述のように列挙したものには制限されない。つまり、例えば、イソプロピル基よりも電子吸引性が小さいものをRとすれば、分解温度をより高く設定でき、イソプロピル基よりも電子吸引性が大きいものをRとすれば、分解温度をより低く設定できる。
また、β−ケトカルボン酸銀の分解温度は、式(1)におけるXによっても調整できる。Xの電子吸引性が大きいほど、加熱時にβ−ケトカルボン酸の脱炭酸反応が起こり易くなる。従って、電子吸引性の値が相対的に大きいXに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に低く設定できる。一方、電子吸引性の値が相対的に小さいXに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に高く設定できる。
また、β−ケトカルボン酸銀の分解温度は、例えば、立体障害のようなXの立体的効果によって、調整することができる。すなわち、立体障害が相対的に大きいXに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に低く設定でき、立体障害が相対的に小さいXに設定すれば、例えば、分解温度を相対的に高く設定できる。なお、例えば、種々の置換基Xの立体障害がどの程度であるか、また、置換基同士の立体障害の相対的な関係は、例えば、技術常識から決定可能である。
以下の表に、例えば、電子吸引性のような置換基の電子的効果および立体障害のような立体的効果を考慮した際の、式(1)におけるXが水素原子である場合を基準とした、Xの置換による分解温度の変化の一例を示す。なお、Xの置換による分解温度の変化の程度は、例えば、電子的効果による温度変化に立体的効果による温度変化を加えた値となるとして設定することが考えられる。
Figure 0005000288
具体的には、式(1)において、例えば、Rがイソプロピル基、Xが共に水素原子の場合、前述のようにイソブチリル酢酸銀の分解温度は約145℃となる。ここで、式(1)におけるXの1つのみをベンジルに置換した場合、イソブチリルカルボン酸銀の分解温度は、例えば、(145+5−20)℃の約130℃程度に、また、Xの両方をベンジルに置換した場合、その分解温度は、例えば、(145+10−40)℃の約115℃程度に、それぞれ設定できると解される。
XがR6O−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられる。
Figure 0005000288
XがR6S−である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられる。
Figure 0005000288
Xが直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20の脂肪族炭化水素基である場合の具体例としては、例えば、下記式に示す基が挙げられる。
Figure 0005000288
以下に、前記式(1)におけるRおよびXのさらにその他の具体例をあげるが、これらには何ら制限されない。
Figure 0005000288
Figure 0005000288
本発明の銀ペーストにおいては、前記式(1)において、Rが、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、アリール基、または1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基であり、
Xが、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、または直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基であるβ−ケトカルボン酸銀が好ましい。
本発明の銀ペーストにおいては、前記式(1)において、Rが、−Cn2n+1(n=1〜20の整数)またはアリール基であり、Xが、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、または−Cn2n+1(n=1〜20の整数)であるβ−ケトカルボン酸銀がより好ましい。
本発明の銀ペーストにおいては、前記式(1)において、Rが、−Cn2n+1(n=1〜6の整数)またはフェニル基であり、Xが、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、または−Cn2n+1(n=1〜6の整数)であるβ−ケトカルボン酸銀がさらに好ましい。
本発明の銀ペーストにおいては、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀は、イソブチリル酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、アセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、α−メチルアセト酢酸銀およびα−エチルアセト酢酸銀からなる群から選択される1以上であるのが好ましい。これらのβ−ケトカルボン酸銀は、金属銀へ分解して銀ペーストの製造を行う際の加熱温度が低く、製造条件が緩和であるので好ましい。また、これらのβ−ケトカルボン酸銀を用いることから、加熱により揮発性のケトンと二酸化炭素が生成し、得られる金属銀を含む銀ペーストに残存する不純物の濃度を低減できることから特に好ましい。相対的に不純物が少ない金属銀である程、例えば、さらに、相対的に析出する銀どうしの接触が良くなり、導通がし易くなり、抵抗率が下がるという効果に優れた性質となる。
β−ケトカルボン酸銀の製造方法は、前述のような化合物が製造できればよく、何ら制限されないが、具体例として、下記のβ−ケトカルボン酸銀の製造方法が挙げられる。
β−ケトカルボン酸銀の製造方法は、例えば、β−ケトカルボン酸と銀化合物とを、水の含有量が55重量%以下の反応液中で反応させることにより、β−ケトカルボン酸銀を生成する工程を含む。以下に前記製造方法の一例を説明する。
まず、β−ケトカルボン酸塩を準備する。このβ−ケトカルボン酸塩は、例えば、β−ケトカルボン酸エステルを加水分解することによって生成できる。エステルの加水分解は、通常、塩基が使用され、前記塩基の種類は、特に制限されないが、例えば、NaOH、KOH等が挙げられる。前記塩基は、例えば、水溶液として調製されるが、その濃度は、例えば、1mol/L以上であり、好ましくは2mol/L〜5mol/Lである。
具体的には、例えば、前記塩基の水溶液を攪拌しながら、これにβ−ケトカルボン酸エステルを滴下し、反応させればよい。前記塩基の添加割合は、特に制限されないが、β−ケトカルボン酸エステル1モルに対して0.8モル〜2モルが好ましく、さらに好ましくは0.9モル〜1.2モルである。また、反応液中におけるβ−ケトカルボン酸エステルの濃度は、例えば、0.5mol/L〜6.25mol/Lであり、好ましくは1mol/L〜5.6mol/Lである。反応温度は、特に制限されないが、例えば、50℃以下が好ましく、より好ましくは40℃以下、特に好ましくは20℃〜40℃である。反応時間は、例えば、0.5時間〜48時間、好ましくは1時間〜4時間である。
なお、この工程において、反応終了後の反応液における前記塩基(NaOH等)の残存量を十分に低減させるには、前記塩基の使用量をβ−ケトカルボン酸エステル使用量よりも少なく設定することが好ましく、例えば、β−ケトカルボン酸エステル1モルに対して0.8モル〜1モルが好ましく、さらに好ましくは0.8モル〜0.9モルである。この条件は、β−ケトカルボン酸塩を一度単離してから次工程に供給する際に好ましい。他方、この工程で生成したβ−ケトカルボン酸塩をそのまま次工程に供給する際には、例えば、β−ケトカルボン酸エステル1モルに対して1モル〜1.3モルの塩基(より好ましくは1.1モル〜1.2モル)を添加してβ−ケトカルボン酸塩を生成する。そして、次工程において、使用した塩基と当量の酸(後述する硫酸等)を添加すればよい。
β−ケトカルボン酸エステルは、特に制限されないが、所望のβ−ケトカルボン酸銀の構造に応じて適宜設定できる。β−ケトカルボン酸エステルは、例えば、下記式(2)で表わされ、下記式(2)において、RおよびXは前記式(1)におけるRおよびXと同様であり、R’は、特に制限されず、例えば、メチル、エチル、イソプロピルおよびベンジル等が挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、イソブチリル酢酸メチル、ベンゾイル酢酸エチル、アセト酢酸メチル、プロピオニル酢酸メチル、イソブチリル酢酸ベンジル、イソブチリル酢酸イソプロピル、2−メチルアセト酢酸エチル、2−エチルアセト酢酸エチルおよび2−n−ブチル酢酸エチル等が挙げられる。
Figure 0005000288
また、原料としては、前述のようなβ−ケトカルボン酸エステルには限定されず、例えば、開環によって前記エステルとなる環状化合物も使用できる。このような環状化合物としては、例えば、以下のようなものが使用できる。
Figure 0005000288
得られるβ−ケトカルボン酸塩は、下記式(3)で表される。下記式(3)において、RおよびXは前記式(1)におけるRおよびXと同様である。R’’は、特に制限されず、使用する塩の種類によって決定され、例えば、Na、K、NH4等が挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、イソブチリル酢酸NaまたはK、ベンゾイル酢酸NaまたはK、アセト酢酸NaまたはK、プロピオニル酢酸NaまたはK、イソブチリル酢酸NaまたはK、2−メチルアセト酢酸NaまたはK、2−エチルアセト酢酸NaまたはKおよび2−n−ブチル酢酸NaまたはK等が挙げられる。
Figure 0005000288
このβ−ケトカルボン酸塩は、前述のように、β−ケトカルボン酸エステルの加水分解によって調製できるが、得られたβ−ケトカルボン酸塩は、常法により単離してもよいし、次工程における銀化合物との混合の際に、加水分解したものをそのまま用いることも可能である。
つぎに、β−ケトカルボン酸塩と銀化合物とを混合して、β−ケトカルボン酸銀を生成する。このβ−ケトカルボン酸銀の生成について、第1および第2の方法を以下に示す。
まず、前記式(3)で表されるβ−ケトカルボン酸塩に酸を添加し、生成したβ−ケトカルボン酸を有機溶媒で抽出する。前記酸は、特に制限されないが、例えば、硫酸、塩酸、HBr、硝酸、リン酸、酢酸等が使用できる。酸の使用量は、特に制限されないが、例えば、前記式(3)で表されるβ−ケトカルボン酸塩のR’’に相当する量の水素を供給できればよい。また、前工程において生成したβ−ケトカルボン酸塩を単離せずにそのまま使用した場合は、前工程において使用した塩基に相当する量の水素を供給できる酸量とすればよい。このように有機溶媒で抽出することによって、さらに得られるβ−ケトカルボン酸銀の純度を向上することができる。また、この工程で得られるβ−ケトカルボン酸は、例えば、生成された後、速やかに氷冷等により冷却し、次工程に進めることが好ましい。
つぎに、β−ケトカルボン酸に銀化合物を添加することによって、β−ケトカルボン酸銀を生成する。
前記両者の反応は、通常、溶媒中で行われるが、β−ケトカルボン酸銀を効率良く生成するためには、反応液における水の量を低減することが好ましい。すなわち、反応液における水の量が少ない程、β−ケトカルボン酸銀の生成率が相対的に向上する。具体的には、反応液における水の割合(重量%)は、例えば、55重量%以下であり、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは44重量%以下である。下限は、特に制限されないが、例えば、35重量%程度であり、特に好ましくは検出限界以下である。反応液における溶媒としては、例えば、エーテル等の有機溶媒、水、これらの混合液が挙げられる。
β−ケトカルボン酸と銀化合物との混合比は、特に制限されないが、銀化合物1モルに対してβ−ケトカルボン酸1モル〜1.5モルが好ましく、さらに好ましくは銀化合物1モルに対してβ−ケトカルボン酸1モル〜1.2モルである。β−ケトカルボン酸および銀化合物は、それぞれ少なくとも1種類ずつ用いればよいが、それぞれ2種類以上を併用してもよい。
β−ケトカルボン酸は、通常、有機溶媒に溶解または分散したβ−ケトカルボン酸液として使用される。前記有機溶媒としては、特に制限されず、例えば、酢酸エチル等のエステル類やジエチルエーテル等のエーテルが挙げられる。前記β−ケトカルボン酸液の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.2mol/L以上であり、好ましくは0.5mol/L以上である。
銀化合物は、通常、銀化合物溶液(例えば、銀化合物水溶液)として添加されるが、前述のように反応液における水量を低減する目的から、その濃度は、例えば、1mol/L以上であり、好ましくは2mol/L以上、より好ましくは3mol/L以上であり、その上限は特に制限されず、例えば、13mol/L以下である。また、生成するβ−ケトカルボン酸銀が、α位未置換の場合、銀化合物液の濃度は、例えば、1mol/L以上であり、好ましくは1.5mol/L以上、より好ましくは2mol/L以上であり、α位置換の場合、銀化合物液の濃度は、例えば、3mol/L以上であり、好ましくは4mol/L以上、より好ましくは5mol/L以上である。また、具体的に、アセト酢酸銀の場合は、例えば、3mol/L以上であり、好ましくは4mol/L以上、より好ましくは5mol/L以上である。
前記銀化合物としては、特に制限されないが、例えば、硝酸銀、塩化銀、炭酸銀、臭化銀およびヨウ化銀等が挙げられ、中でも硝酸銀は、水溶性、安定性および安全性が比較的高いため特に好ましい。
β−ケトカルボン酸と銀化合物との反応においては、β−ケトカルボン酸の−COOHをカルボキシラート(−COO-)へと解離させるために、例えば、ジエタノールアミン、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノールおよびトリエタノールアミン等のアミンを加えてもよい。前記アミンの添加割合は、特に制限されず、例えば、銀化合物1モルに対して1モル〜1.5モルが好ましく、さらに好ましくは銀化合物1モルに対して1モル〜1.1モルである。アミンを添加することによって、例えば、β−ケトカルボン酸は有機相から水相に移る。このため、アミンを添加する場合には、例えば、β−ケトカルボン酸液(有機溶媒)におけるβ−ケトカルボン酸濃度は特に考慮しなくともよい。また、アミンの添加によってβ−ケトカルボン酸を有機相から水相に移し、この段階で水相のみを分取して、β−ケトカルボン酸水溶液(水相)と銀化合物溶液(例えば、銀化合物水溶液)とを混合し、β−ケトカルボン酸銀の生成を行ってもよい。
アミンは、通常、アミン溶液(例えば、アミン水溶液)として添加されるが、前述のように反応液における水量を低減する目的から、前記アミン溶液の濃度は、例えば、2mol/L以上であり、好ましくは4mol/L以上、より好ましくは6mol/Lである。また、その上限は特に制限されず、例えば、8mol/L以下である。
前記反応液におけるβ−ケトカルボン酸の濃度は、例えば、0.1mol/L〜5mol/Lであり、好ましくは0.3mol/L〜3mol/Lである。また、前記反応液におけるアミンの濃度は、例えば、0.1mol/L〜5mol/L、好ましくは0.3mol/L〜3mol/Lである。また、前記反応液における銀化合物の濃度は、生成するβ−ケトカルボン酸銀がα位未置換の場合、例えば、0.1mol/L以上であり、好ましくは0.3mol/L以上、より好ましくは0.5mol/L以上であり、α位置換の場合、銀化合物液の濃度は、例えば、0.1mol/L以上であり、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは2mol/L以上である。また、具体的にアセト酢酸銀の場合、銀化合物液の濃度は、例えば、0.1mol/L以上であり、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは2mol/L以上、イソブチリル酢酸銀の場合は、例えば、0.15mol/L以上であり、好ましくは0.4mol/L以上、より好ましくは0.6mol/L以上である。
β−ケトカルボン酸と銀化合物との反応条件は、特に制限されないが、例えば、反応時間は0.1時間〜0.5時間、反応温度は0℃〜25℃であることが好ましい。
このようにして得られたβ−ケトカルボン酸銀は、例えば、反応後、速やかに分取して乾燥させ、そのまま金属銀の形成材料として用いてもよいが、例えば、水やエタノール等のアルコールで洗浄することにより精製したものを使用することが好ましい。
なお、以上の方法の他に、例えば、β−ケトカルボン酸塩に銀化合物を直接添加してβ−ケトカルボン酸銀を生成する方法もある。この場合、銀化合物溶液(例えば、銀化合物水溶液)に、β−ケトカルボン酸塩溶液(例えば、水溶液)を添加することが好ましい。
次に、本発明は、前記のように金属銀を含む銀ペーストの製造方法であって、前記方法が、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀と、極性溶媒とを含む混合物を加熱して金属銀を生成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法においては、前記式(1)中、RおよびXに関する定義は、前記の本発明の銀ペーストにおける式(1)中のRおよびXに関する定義と同一である。
本発明の製造方法においては、前記のように、前記式(1)において、Rが、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、アリール基、または1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基であり、Xが、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、または直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、β−ケトカルボン酸銀は、前記式(1)において、Rが、−Cn2n+1(n=1〜20の整数)またはアリール基であり、Xが、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、または−Cn2n+1(n=1〜20の整数)であるものがより好ましい。
本発明の製造方法においては、β−ケトカルボン酸銀は、前記式(1)において、Rが、−Cn2n+1(n=1〜6の整数)またはフェニル基であり、Xが、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、または−Cn2n+1(n=1〜6の整数)であるものがさらに好ましい。
本発明の製造方法においては、前記のように、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀は、イソブチリル酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、アセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、α−メチルアセト酢酸銀およびα−エチルアセト酢酸銀からなる群から選択される1以上であるのが好ましい。これらのβ−ケトカルボン酸銀は、金属銀へ分解して銀ペーストの製造を行う際の加熱温度が低く、製造条件が緩和であるので好ましい。また、これらのβ−ケトカルボン酸銀を用いることから、加熱により揮発性のケトンと二酸化炭素が生成し、得られる金属銀を含む銀ペーストに残存する不純物の濃度を低減できることから特に好ましい。相対的に不純物が少ない金属銀である程、例えば、さらに、相対的に析出する銀どうしの接触が良くなり、導通がし易くなり、抵抗率が下がるという効果に優れた性質となる。
まず、本発明の製造方法においては、前記式(1)で表されるβ−ケトカルボン酸銀と、極性溶媒とを含む混合物を調製する。
本発明の製造方法においては、前記混合物中、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀の含有量は、好ましくは0.01mol/L〜10mol/L、より好ましくは0.1mol/L〜3mol/L、さらに好ましくは0.5mol/L〜2mol/Lである。
本発明の製造方法においては、前記極性溶媒は、前記のように、複素環、アルキル置換された複素環、水、−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含むアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環およびアルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上の極性溶媒であるのが好ましい。
複素環およびアルキル置換された複素環における「複素環」部分としては、炭素原子以外の原子を1以上含む環を意味し、例えば酸素、硫黄、窒素等を含む複素環が挙げられる。前記複素環および複素環部分としては、好ましくはチオフェン、フラン、ピラン、キサンテン、ピロール、ピロリドン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン等である。
芳香族炭化水素およびアルキル置換された芳香族炭化水素における「芳香族炭化水素」部分としては、芳香族性を示す不飽和環系炭化水素を意味し、例えば炭素数6〜30のものが挙げられる。前記芳香族炭化水素および芳香族炭化水素部分としては、好ましくはベンゼン、ペンタレン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン等である。
前記アルキル置換された複素環としては、前記複素環の1以上の水素原子が、前記アルキル基で置換されたものを意味し、例えば炭素数が1〜10のアルキル基で置換された複素環が挙げられる。前記アルキル基で置換された複素環としては、好ましくはメチルチオフェン、ヘキシルフラン、メチルピラン、ブチルキサンテン、メチルピロール、N−メチルピロリドン、ペンチルイミダゾール、オクチルピラゾール、ヘキシルチアゾール、ペンチルイソオキサゾール、ブチルピリジン、メチルピラジン、メチルピリミジン等である。
前記アルキル置換された芳香族炭化水素としては、前記芳香族炭化水素の1以上の水素原子が、前記アルキル基で置換された化合物を意味し、例えば炭素数が1〜10のアルキル基で置換された炭素数6〜30の芳香族炭化水素が挙げられる。前記アルキル置換された芳香族炭化水素としては、例えばメチルベンゼン(トルエン)、プロピルペンタレン、ヘキシルナフタレン、メチルフェナレン、エチルフェナントレン等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基で置換された芳香族炭化水素、例えばトルエン、プロピルペンタレン、ヘキシルナフタレン、メチルフェナレン、エチルフェナントレン、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で置換された芳香族炭化水素、例えばトルエン、プロピルペンタレン、エチルナフタレン、メチルフェナレン、エチルフェナントレン等である。
アルカンとしては、式Cn2n+2で表される非環系飽和炭化水素を意味し、例えば炭素数1〜100のものが挙げられる。前記アルカンには鎖状と分岐状が含まれる。前記アルカンとしては、好ましくは炭素数1〜20のアルカン、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2,2,2、4−トリメチルペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン等であり、より好ましくは炭素数5〜15のアルカン、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2,2,2、4−トリメチルペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン等であり、さらに好ましくは炭素数8〜15のアルカン、例えば2,2,2、4−トリメチルペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン等である。
−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含むアルカンとしては、前記アルカンの1以上の水素原子が前記置換基で1以上置換されたものを意味し、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、メタンスルホン酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メチル−2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナオール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノール、エチレングリコール、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコサニルアミン、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ウンデカンチオール、ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。前記置換されたアルカンとしては、好ましくはオクタノール、ドデカノール、エチレングリコール、ドデシルアミン、ジメチルホルムアミド等である。
アルケンとしては、式Cn2nで表される非環系不飽和炭化水素を意味し、例えば炭素数2〜100のものが挙げられる。前記アルケンには鎖状と分岐状が含まれる。前記アルケンとしては、好ましくは炭素数2〜20のアルケン、例えばエテン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン等であり、より好ましくは炭素数3〜10のアルケン、例えばプロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン等であり、さらに好ましくは炭素数3〜5のアルケン、例えばプロペン、ブテン、ペンテン等である。
−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含むアルケンとしては、前記アルケンに前記置換基を1以上含むものを意味し、例えばアリルアルコール、ビニルアミン、プロペニルアミン、ブテニルアミン、ペンテニルアミン、ヘキセニルアミン、ヘプテニルアミン、オクテニルアミン、ノネニルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン、ノナコセニルアミン、エテンチオール、プロペンチオール(アリルメルカプタン)、ブテンチオール、ペンテンチオール、ヘキセンチオール、ヘプテンチオール、オクテンチオール、ノネンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール、ヘキサデセンチオール、ヘプタデセンチオール、オクタデセンチオール、ノナデセンチオール、イコセンチオール、ノナコセンチオール、アクリル酸(プロペン酸)、メタクリル酸(2−メチルプロペン酸)、クロトン酸(trans−ブタ−2−エン酸)、イソクロトン酸(cis−ブタ−2−エン酸)、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸(cis−オクタデカ−9−エン酸)、エライジン酸(trans−オクタデカ−9−エン酸)、マレイン酸(cis−ブテン二酸)、フマル酸(trans−ブテン二酸)等が挙げられる。
アルキンとしては、式Cn2n-2で表される非環系不飽和炭化水素を意味し、例えば炭素数2〜100のものが挙げられる。前記アルキンには鎖状と分岐状が含まれる。前記アルキンとしては、好ましくは炭素数2〜20のアルキン、例えばエチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキサイン、ヘプタイン、オクタイン、ノナイン、デカイン、ウンデカイン、ドデカイン、トリデカイン、テトラデカイン、ペンタデカイン、ヘキサデカイン、ヘプタデカイン、オクタデカイン、ノナデカイン、イコサイン等であり、より好ましくは炭素数3〜10のアルキン、例えばプロピン、ブチン、ペンチン、ヘキサイン、ヘプタイン、オクタイン、ノナイン、デカイン等であり、さらに好ましくは炭素数3〜5のアルケン、例えばプロピン、ブチン、ペンチン等である。
−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含むアルキンとしては、前記アルキンに前記置換基を1以上含むものを意味し、例えばエチンチオール、プロピンイルアミン等が挙げられる。
−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含む芳香族炭化水素としては、前記芳香族炭化水素が前記置換基の1以上を含むものを意味し、例えば安息香酸、ベンゼンチオール、アニリン等が挙げられる。
−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含むアルキル置換された芳香族炭化水素としては、前記アルキル置換された芳香族炭化水素が前記置換基の1以上を含むものを意味し、例えばベンジルアルコール、フェニル酢酸等が挙げられる。
−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含む複素環としては、前記複素環が前記置換基の1以上を含むものを意味し、例えばカルボキシルピリジン、ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含むアルキル置換された複素環としては、前記アルキル置換された複素環が前記置換基の1以上を含むものを意味し、例えばカルボキシルピリジン、ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
次に、前記混合物を加熱する。本発明の製造方法においては、前記加熱は、好ましくは前記β−ケトカルボン酸銀の分解温度より60℃低い温度以上の温度、より好ましくは前記β−ケトカルボン酸銀の分解温度より55℃低い温度以上の温度、さらに好ましくは前記β−ケトカルボン酸銀の分解温度より45℃低い温度以上の温度で行われる。前記加熱温度の上限値は無いが、例えば150℃以下、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下である。
本発明の製造方法においては、前記加熱は、前記のように、好ましくは常圧条件下で行われる。本発明の製造方法は、前記常圧条件下で行うことができるため、特別な圧力下で行う必要が無く、好ましい。
また、本発明の製造方法においては、前記加熱は、加圧条件下で行うことができる。前記加熱は、例えば1.1気圧〜15気圧で、より好ましくは1.1気圧〜10気圧、さらに好ましくは1.1気圧〜5気圧で行われる。なお、この加圧条件下の場合、前記加熱は、前記極性溶媒の沸点以上の温度で行っても行わなくてもよい。
本発明の製造方法においては、前記加熱は、空気中、不活性気体(例えば、アルゴン、窒素等)雰囲気下等で行うことができる。本発明の製造方法は前記加熱を空気中で行うことができるため、特別な雰囲気下で行う必要が無く、好ましい。
また、本発明の銀ペーストは、前記のように、本発明の製造方法により形成されるのが好ましい。
前述のように、β−ケトカルボン酸銀から形成される本発明の銀ペーストは、β−ケトカルボン酸銀が分解温度において、迅速且つ十分に分解されるため、形成される銀ペーストは、焼結後に優れた導電率、すなわち低い抵抗率をも実現可能である。具体的には、金属銀の抵抗率を、例えば、約1×10-4Ωcm〜1×10-5Ωcmに設定できる。この抵抗率は十分に実用的な値であり、特に、5×10-5Ωcmオーダーの抵抗率は極めて優れることから、本発明の銀ペーストは、導電性材料として非常に有用であるといえる。
さらに、本発明の銀ペーストは、β−ケトカルボン酸銀を加熱して分解した金属銀の粒子を含む。この金属銀の粒子を形成する際、β−ケトカルボン酸銀から、β−ケトカルボン酸に由来する揮発性のケトンとCO2が発生する。CO2は気体として銀ペーストから除去される。従って、得られた本発明の銀ペーストには、含まれる不純物が少なく、好ましい。また、この揮発性ケトンは適当な条件下に気体として銀ペーストから除去される。この結果得られた本発明の銀ペーストには、銀粒子以外のβ−ケトカルボン酸銀由来物が含まれず、好ましい。
また、本発明の銀ペーストに含有される金属銀は、3nm〜500nmの範囲の粒径の金属銀を含むのが好ましく、3nm〜100nmの範囲の粒径の金属銀を含むのがより好ましく、3nm〜50nmの範囲の粒径の金属銀を含むのが好ましい。前記粒径は、透過型電子顕微鏡(例えば、JEM−3000F(日本電子株式会社製))を用いた観察により測定した粒径である。前記金属銀の粒径は、均一であっても混合であってもよい。
本発明の製造方法において、銀ペーストに含まれる金属銀が、3nm〜20nmの範囲の粒径の金属銀を含む場合、前記のように、前記混合物は更に分散剤を含むのが好ましい。前記範囲の粒径の金属銀の場合、金属銀の凝集を抑制するために含むのが好ましいためである。本発明の製造方法においては、前記分散剤の含有量を従来の銀ペーストに含まれる分散剤の含有量より低下させることが可能である。本発明の製造方法において前記分散剤が含まれる場合、前記分散剤の含有量は、例えば、5重量%〜40重量%であり、好ましくは5重量%〜30重量%であり、より好ましくは10重量%〜15重量%である。
前記分散剤としては、3nm〜20nmの範囲の粒径の金属銀を分散させることができるものであれば限定されないが、例えば、第1級アミン、第2級アミンである。なお、銀ペーストに含まれる金属銀の粒子が、3nm〜20nmの範囲の粒径の微粒子で無い場合、分散剤を用いずに銀ペーストを製造することが可能である。そのような銀ペーストは、分散剤の焼結残渣を含有しない金属銀の被覆を形成することが可能になる。
本発明の製造方法において、前記混合物は添加剤を含んでもよい。前記添加剤としては、例えば、酸無水物、高分子化合物(例えばポリビニルピロリドン等)等が挙げられる。前記添加剤としては、銀ペーストを焼結した後、残留しないものが好ましく、例えば、脂肪酸無水物等である。
次に本発明の金属銀の焼成方法について、例えば、基材上に金属銀膜を形成する例を挙げて説明する。なお、本発明の金属銀の焼成方法は、本発明の銀ペーストを使用すればよく、以下の方法に何ら限定されない。
まず、本発明の銀ペーストを前記のようにして用意する。次に、この銀ペーストを基材上に塗布する。前記基材は、特に制限されず、形成する金属銀膜の用途に応じて適宜決定でき、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属(例えば、金、銀、銅等)、シリコン、セラミックス等が挙げられる。特に、本発明の金属銀製造方法では、高温処理が必要な従来の製造方法では使用できない耐熱性の低い基材も使用可能であることから、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびエポキシ樹脂等の樹脂製基材等も挙げられる。前記銀ペーストの塗布方法は、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、ディップ方式、インクジェット方式、ディスペンサー方式等が挙げられる。前記銀ペーストの基材面積当たりの塗布量は、特に制限されず、例えば、銀ペーストにおけるβ−ケトカルボン酸銀の濃度や形成する金属銀膜の厚み等によって適宜決定できる。
次に、銀ペーストが塗布された基材に加熱処理を施すことによって、金属銀膜を形成する。前記加熱は、例えば、電気炉による加熱、感熱方式の熱ヘッドを用いる方式等の方法により行うことができ、その条件も特に制限されず、例えば、大気圧下等の条件で行うことができる。
前記加熱処理は、例えば0.01気圧〜1気圧、好ましくは0.1気圧〜1気圧、より好ましくは0.8気圧〜1気圧で行われる。前記加熱処理は、例えば、1気圧の場合、前記極性溶媒の沸点より50℃低い温度以上で、好ましくは1気圧の場合、前記極性溶媒の沸点より40℃低い温度以上で、より好ましくは1気圧の場合、前記極性溶媒の沸点より30℃低い温度以上で行う。また、前記加熱温度の上限値は無いが、例えば前記極性溶媒の沸点以下、好ましくは前記極性溶媒の沸点より10℃低い温度以下、より好ましくは前記極性溶媒の沸点より15℃低い温度以下である。気圧が低い場合、1気圧の場合で用いる温度より低い温度で加熱処理を行うことができる。例えば、前記加熱処理は、例えば、0.1気圧の場合、前記極性溶媒の沸点より30℃低い温度以上で、好ましくは0.5気圧の場合、前記極性溶媒の沸点より25℃低い温度以上で、より好ましくは0.8気圧の場合、前記極性溶媒の沸点より23℃低い温度以上で行う。
本発明の銀ペーストの導電性材料としての用途は、何ら制限されないが、例えば、接続配線、電極、導電性接着剤等が挙げられる。特に、β−ケトカルボン酸銀から形成された金属銀粒子を含む銀ペーストは、低温で焼結を行うことが可能なため、微細な接続配線等の形成を容易に行うことができる。
また、本発明の金属銀は、本発明の金属銀の製造方法により形成される金属銀である。
まず、β−ケトカルボン酸銀の製造例を説明する。
(参考例1)
イソブチリル酢酸銀の合成
水酸化ナトリウム(0.4g)を水(10ml)に溶解し、これにメチルイソブチリルアセテート(1.44g:フルカ社製)を加え、室温で6時間撹拌した。反応生成物をエーテルで洗浄し、10%希硫酸(4.9g)を加えてエーテルで抽出した。エーテル抽出液に過剰の無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過によって無水硫酸ナトリウムを除去した。そして、ロータリーエバポレータによってエーテルを除去し、イソブチリル酢酸を得た(収量1g)。
ジエタノールアミン(0.33g)を水(5ml)に溶解し、これにイソブチリル酢酸(0.43g)を含むエーテル溶液(10ml)を加えた。続いて、前記混合液を15℃で撹拌しながら、これに硝酸銀(0.51g)を含む水溶液(5ml)を滴下し、さらに15分間撹拌した。そして、析出した白色沈殿物を濾取し、イソブチリル酢酸銀を得た。
(収量0.37g)。
IR(ATR法):1709cm-1、1505cm-1
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.00ppm(6H,d)、2.83ppm(1H,5重線)、3.30ppm(2H,s,J=7Hz).
元素分析
測定値 C:30.33,H:3.65,N:0.00,Ag:45.42
計算値 C:30.41,H:3.84,Ag:45.51.
(参考例2)
アセト酢酸銀の合成
水酸化ナトリウム(0.8g)を水(10ml)に溶解し、これにアセト酢酸メチル(2.2g:和光純薬社製)を加え、室温で終夜撹拌した。さらに、硝酸銀(3.4g)を加え、15℃で15分間撹拌した。そして、析出した沈殿物を濾取し、アセト酢酸銀を得た(収量3.52g)。
IR(ATR法):1709cm-1、1547cm-1
1H−NMR(DMSO−d6)δ:2.17ppm(3H,s)、3.25ppm(2H,s).
(参考例3)
プロピオニル酢酸銀の合成
水酸化ナトリウム(0.4g)を水(10ml)に溶解し、これにメチルプロピオニルアセテート(1.3g:アルドリッチ社製)を加え、室温で3時間撹拌した。反応生成物をエーテルで洗浄し、10%希硫酸(4.9g)を加えてエーテルで抽出した。エーテル抽出液に過剰の無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過によって無水硫酸ナトリウムを除去した。そして、ロータリーエバポレータによってエーテルを除去し、プロピオニル酢酸を得た(収量0.88g)。
ジエタノールアミン(0.22g)を水(0.5ml)に溶解し、これにプロピオニル酢酸(0.25g)を含むエーテル溶液(3ml)を加えた。続いて、前記混合液を15℃で撹拌しながら、これに硝酸銀(0.34g)を含む水溶液(1ml)を滴下し、さらに15分間撹拌した。そして、析出した白色沈殿物を濾取し、プロピオニル酢酸銀を得た(収量1.89g)。
IR(ATR法):1714cm-1、1505cm-1
1H−NMR(DMSO−d6)δ:0.87ppm(3H,t)、2.55ppm(2H,q)、3.25ppm(2H,s,J=7Hz).
(参考例4)
ベンゾイル酢酸銀の合成
水酸化ナトリウム(0.4g)を水(10ml)に溶解し、これにエチルベンゾイルアセテート(2.14g:純度90%、アルドリッチ社製)を加えて室温で終夜撹拌した。反応生成物をエーテルで洗浄し、10%希硫酸(4.9g)を加え、エーテルで抽出した。エーテル抽出液に過剰の無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、濾過によって無水硫酸ナトリウムを除去した。そして、ロータリーエバポレータによってエーテルを除去し、ベンゾイル酢酸を得た(収量1.05g)。
ジエタノールアミン(0.33g)を水(5ml)に溶解し、これにベンゾイル酢酸(0.54g)を含むエーテル溶液(20ml)を加えた。続いて、前記混合液を15℃で撹拌しながら、これに硝酸銀(0.51g)を含む水溶液(5ml)を滴下し、さらに15分間撹拌した。そして、析出した淡黄色沈殿物を濾取し、ベンゾイル酢酸銀を得た(収量0.79g)。
IR(ATR法):1687cm-1、1540cm-1
1H−NMR(DMSO−d6)δ:3.55ppm(2H,s)、7.45〜8.00ppm(5H,m).
(参考例5)
α−メチルアセト酢酸銀の合成
水酸化ナトリウム(1.92g)を水(8ml)に溶解し、これを室温で撹拌しながら、2−メチルアセト酢酸エチル(5.77g:和光純薬社製)を滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターによってエタノールを除去し、残留した水層をエーテルで洗浄した。これにエーテル(20ml)を添加し、さらに、氷冷下で撹拌しながら、水8mlに濃硫酸2.35gを溶解させたものを滴下した。エーテル層を分取し、水層を塩析した後にエーテルで抽出した。エーテル層を集め、α−メチルアセト酢酸のエーテル溶液を得た。
ジエタノールアミン(4.4g)を水(5ml)に溶解し、この溶液を、氷冷下でα−メチルアセト酢酸のエーテル溶液に添加した。続いて、水(8ml)に硝酸銀(6.8g)を溶解させたものを滴下した。そして、析出した白色沈殿物を濾取し、氷水、続いてイソプロパノールで洗浄し、乾燥させることによって、α−メチルアセト酢酸銀を白色沈殿物として得た(収量4.78g)。
IR(ATR法):1692cm-1、1523cm-1
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.25ppm(3H,d)、2.25ppm(3H,s)、3.55ppm(1H,q,J=7Hz).
元素分析
測定値 C:26.49,H:3.11,Ag:48.91,
理論値 C:26.93,H:3.16,Ag:48.36.
(参考例6)
α−エチルアセト酢酸銀の合成
水酸化ナトリウム(1.92g)を水(10ml)に溶解し、これを室温で撹拌しながら、2−エチルアセト酢酸エチル(6.32g:和光純薬社製)を滴下し、さらに30分間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターによってエタノールを除去し、残留した水層をエーテルで洗浄した。これにエーテル(20ml)を添加し、さらに、氷冷下で撹拌しながら、水8mlに濃硫酸2.35gを溶解させたものを滴下した。エーテル層を分取し、水層を塩析した後にエーテルで抽出した。エーテル層を集め、α−エチルアセト酢酸のエーテル溶液を得た。
ジエタノールアミン(4.4g)を水(5ml)に溶解し、この溶液を、氷冷下でα−エチルアセト酢酸のエーテル溶液に添加した。続いて、水(8ml)に硝酸銀(6.8g)を溶解させたものを滴下した。そして、析出した白色沈殿物を濾取し、氷水、続いてイソプロパノールで洗浄し、乾燥させることによって、α−メチルアセト酢酸銀を白色沈殿物として得た(収量6.7g)。
IR(ヌジョール):1700cm-1、1547cm-1
1H−NMR(DMSO−d6)δ:0.83ppm(3H,t)、1.67ppm(2H,5重線)、2.15ppm(3H,s)、3.25ppm(1H,t,J=7Hz).
(参考例7)
(熱重量分析)
参考例1〜6で合成した各β−ケトカルボン酸銀サンプルの熱重量分析(TGA)を、熱分析装置(商品名GTA50:島津製作所社製)を用いて行った。測定条件は、いずれも昇温速度10℃/分、大気雰囲気下とした。サンプル量は、それぞれイソブチリル酢酸銀8.63mg、アセト酢酸銀6.77mg、プロピオニル酢酸銀5.24mg、ベンゾイル酢酸銀5.35mg、α−メチルアセト酢酸銀6.18mg、α−エチルアセト酢酸銀9.05mgとした。参考例1〜6のβ−カルボン酸銀のTGA測定結果をそれぞれ図1〜6のグラフに示す。また、各TGAの結果から求めた加熱処理によるサンプルの質量変化を下記表3に示す。下記表3における、合成したβ−ケトカルボン酸銀の銀含有量(理論値)およびサンプルの熱分解後の残存質量(実験値)は、下記式より算出した。
銀含有量(%)=(銀の原子量/β−ケトカルボン酸銀の分子量)×100
残存質量(%)=(A/B)×100
A:熱分解後のサンプルの質量(mg)
B:TGA測定に使用したサンプルの質量(mg)
Figure 0005000288
図1〜図6の結果より、各参考例のβ−ケトカルボン酸銀によれば、210℃以下の加熱温度で急激に分解が起こり、速やかに金属銀を形成できること、さらに、β−ケトカルボニル基を変化させることで、分解温度を調整できることがわかった。また、各β−ケトカルボン酸銀の熱分解後の残存質量が銀含有量の理論値に近い値を示したことから、各β−ケトカルボン酸銀は、分解温度において十分に分解され、金属銀が形成されていることがわかった。
実施例1−1
前記参考例1で得たイソブチリル酢酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、ドデシルアミン(1.5g)を常圧100℃で溶かし、そこへ参考例1で合成したイソブチリル酢酸銀(0.47g、2mmol)を加え(1M)、攪拌させて銀ペースト(1.7g)を製造した。前記銀ペーストに含有される金属銀の粒径は10nm以下(TEM測定)であった。
実施例2−1
前記参考例5で得たα−メチルアセト酢酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、ラウリルアルコール(2ml)に参考例5で合成したα−メチルアセト酢酸銀(0.45g、2mmol)を攪拌しながら分散させ(1M)、混合物を得た。前記混合物を常圧110℃で5分間加熱し、黒色ペースト状物を得た。前記黒色ペースト状物を室温まで冷却した後、アセトンで洗浄し、上澄液を除去して微細な黒の粉末を含む銀ペースト(1.5g)を得た。
実施例2−2
前記実施例2−1で得た銀ペーストを、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを160℃で30分間加熱処理後、塗工膜の抵抗をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、0.41Ωの導電性を示した。
実施例3−1
前記参考例5で得たα−メチルアセト酢酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、n−オクタノール(2ml)に参考例5で合成したα−メチルアセト酢酸銀(0.45g、2mmol)を攪拌しながら分散させ(1M)、混合物を得た。前記混合物を常圧100℃で3分間加熱し、銀ペースト(1.8g)を得た。
実施例3−2
前記実施例3−1で得た銀ペーストをスライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを160℃で10分間加熱処理後、塗工膜の抵抗をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、2.3Ωの導電性を示した。また、同温度で25分間加熱処理後の塗工膜の抵抗は、1.0Ωであった。
実施例4−1
前記参考例5で得たα−メチルアセト酢酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、N−メチルピロリドン(2ml)に参考例5で合成したα−メチルアセト酢酸銀(0.45g、2mmol)を溶かし(1M)、混合物を得た。前記混合物を常圧110℃で3分間加熱し、銀ペースト(2.2g、含有される金属銀の粒径は5nm〜50nmの混合物(TEM測定))を得た。
実施例4−2
前記実施例4−1で得た銀ペーストを、スポイトを用いて、塗工面積(長さ25mm×幅5mm)、塗工量0.2mLの条件で、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを180℃で30分間加熱処理後、塗工膜の抵抗率をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、4.4×10-5Ωcmの導電性を示した。
実施例5−1
前記参考例5で得たα−メチルアセト酢酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、ジメチルホルムアミド(2ml)に参考例5で合成したα−メチルアセト酢酸銀(0.9g、4mmol)を攪拌しながら分散させ(2M)、混合物を得た。前記混合物を常圧100℃で3分間加熱し、銀ペースト(2.2g)を得た。
実施例5−2
前記実施例5−1で得た銀ペーストを、スポイトを用いて、塗工面積(長さ25mm×幅5mm)、塗工量0.2mLの条件で、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを130℃で30分間加熱処理後、塗工膜の抵抗率をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、6.9×10-4Ωcmの導電性を示した。
比較例1−1
グリオキシル酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、ジメチルホルムアミド(1ml)にグリオキシル酸銀(0.2g、1.1mmol)を攪拌しながら分散させ(1.1M)、混合物を得た。前記混合物を常圧120℃で3分間加熱し、銀ペースト(1.1g)を得た。
比較例1−2
前記比較例1−1で得た銀ペーストをスライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを130℃で30分間加熱処理した。得られた金属銀が脆く崩れ、形を保つことができなかった。その金属銀の抵抗をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、6MΩの抵抗を示した。
比較例2−1
ラウリン酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、DMF(1ml)にラウリン酸銀(0.2g、0.65mmol)を攪拌しながら分散させ(0.65M)、混合物を得た。前記混合物を常圧150℃で5分間加熱し、銀ペースト(1.1g)を得た。
比較例2−2
前記比較例2−1で得た銀ペーストを、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを130℃で30分間加熱処理した。得られた金属銀は粉末状であり、その金属銀の抵抗率をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、導電性を示さなかった。
比較例3−1
プロピオン酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、ジメチルホルムアミド(1ml)にプロピオン酸銀(0.2g、1.1mmol)を攪拌しながら分散させ(1.1M)、混合物を得た。前記混合物を常圧150℃で3分間加熱し、銀ペースト(1.1g)を得た。
比較例3−2
前記比較例3−1で得た銀ペーストを、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを130℃で30分間加熱処理した。得られた金属銀が粉末状であり、その金属銀の抵抗をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、導電性を示さなかった。
比較例4−1
ネオデカン酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、ジメチルホルムアミド(1ml)にネオデカン酸銀(0.2g、0.7mmol)を攪拌しながら溶解させ(0.7M)、混合物を得た。前記混合物を常圧150℃で3分間加熱し、銀ペースト(1.1g)を得た。
比較例4−2
前記比較例4−1で得た銀ペーストを、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを130℃で30分間加熱処理後、塗工膜の抵抗をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、100MΩの抵抗を示した。
実施例6−1
前記参考例5で得たα−メチルアセト酢酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、エチレングリコール(2ml)に参考例5で合成したα−メチルアセト酢酸銀(0.45g、2mmol)を攪拌しながら分散させ(1M)、混合物を得た。前記混合物を常圧100℃で3分間加熱し、銀ペースト(2.4g)を得た。
実施例6−2
前記実施例6−1で得た銀ペーストを、スポイトを用いて、塗工面積(長さ25mm×幅5mm)、塗工量0.2mLの条件で、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを150℃で30分間加熱処理後、塗工膜の抵抗率をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、7.5×10-5Ωcmの導電性を示した。
比較例5−1
グリオキシル酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、エチレングリコール(1ml)にグリオキシル酸銀(0.2g、1.1]mmol)を攪拌しながら分散させ(1.1M)、混合物を得た。前記混合物を常圧100〜110℃で3分間加熱し、銀ペースト(1.3g)を得た。
比較例5−2
前記比較例5−1で得た銀ペーストを、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを150℃で30分間加熱処理した。得られた金属銀は粉末状であった。その金属銀の抵抗をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、3.5MΩの抵抗を示した。
比較例6−1
ラウリン酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、エチレングリコール(1ml)にラウリン酸銀(0.2g、0.65mmol)を攪拌しながら分散させ(0.65M)、混合物を得た。前記混合物を常圧180℃で3分間加熱し、銀ペースト(1.3g)を得た。
比較例6−2
前記比較例6−1で得た銀ペーストを、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを150℃で30分間加熱処理した。得られた金属銀は粉末状であった。その金属銀の抵抗を、マルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、導通はなかった。
比較例7−1
プロピオン酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、エチレングリコール(1ml)にプロピオン酸銀(0.2g、1.1mmol)を攪拌しながら分散させ(1.1M)、混合物を得た。前記混合物を常圧150℃で3分間加熱し、銀ペースト(1.3g)を得た。
比較例7−2
前記比較例7−1で得た銀ペーストを、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを150℃で30分間加熱処理した。得られた金属銀は粉末状であった。その金属銀の抵抗を、マルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、1000MΩの抵抗を示した。
比較例8−1
ネオデカン酸銀を用いて、銀ペーストを製造した。まず、エチレングリコール(1ml)にネオデカン酸銀(0.2g、0.7mmol)を攪拌しながら分散させ(0.7M)、混合物を得た。前記混合物を常圧140℃で3分間加熱し、銀ペースト(1.3g)を得た。
比較例8−2
前記比較例8−1で得た銀ペーストを、スライドグラス上に塗布した。銀ペーストが塗工されたスライドグラスを150℃で30分間加熱処理した。得られた金属銀は粉末状であった。その金属銀の抵抗をマルチメーター(商品名R6871E−DCデジタルマルチメータ:アドバンテスト社製)で測定した。その結果、1Ωの抵抗を示した。
前記実施例および比較例から、本発明の製造方法により、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀から低温加熱でも金属銀を含む銀ペーストの製造が可能であることを確認できた。また、本発明の製造方法により得られる銀ペーストは、低温加熱でも金属銀を含む皮膜が形成可能であることが確認できた。さらに、本発明の銀ペーストを用いれば、焼結後に優れた導電率、すなわち低い抵抗率を実現可能であることが確認できた。また、本発明の銀ペーストは、還元剤等を使用せずに製造可能であるので、銀ペーストに含まれる不純物が少なく、従って銀ペーストを焼成する際に副反応が生じる恐れが低いという利点がある。
銀ペーストに含まれる金属銀の粒子が、微粒子で無い場合、分散剤を用いずに銀ペーストを製造することが可能である。そのような銀ペーストは、分散剤の焼結残渣を含有しない金属銀の被覆を形成することが可能になる。また、本発明の銀ペーストおよび製造方法によれば、従来の方法に較べて容易に金属銀を形成できる。また、低温での処理が可能となったことから、例えば、耐熱性の低い樹脂等と組み合わせて処理することも可能となり、金属銀の用途が広がり、極めて有用といえる。
図1は、参考例1におけるイソブチリル酢酸銀の熱重量分析の測定結果を示すグラフである。 図2は、参考例2におけるアセト酢酸銀の熱重量分析の測定結果を示すグラフである。 図3は、参考例3におけるプロピオニル酢酸銀の熱重量分析の測定結果を示すグラフである。 図4は、参考例4におけるベンゾイル酢酸銀の熱重量分析の測定結果を示すグラフである。 図5は、参考例5におけるα−メチルアセト酢酸銀の熱重量分析の測定結果を示すグラフである。 図6は、参考例6におけるα−エチルアセト酢酸銀の熱重量分析の測定結果を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 金属銀を含む銀ペーストの製造方法であって、前記方法が、下記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀と、極性溶媒とを含む混合物を加熱して金属銀を生成する工程を含む銀ペーストの製造方法。
    Figure 0005000288
    前記式(1)において、Rは、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R1−CY2−、CY3−、R1−CHY−、R2O−、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基、R54N−、水酸基、アミノ基、または、(R3O)2CY−である。
    ただし、前記式中、
    Yは、同一であるかまたは異なり、それぞれフッ素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子であり、
    1は直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C19脂肪族炭化水素基、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、または1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基であり、
    2は直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基であり、
    3は直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C16脂肪族炭化水素基であり、
    4およびR5は、同一であるかまたは異なり、それぞれ直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C18脂肪族炭化水素基である。
    前記式(1)において、Xは、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、直鎖、分枝または環状の飽和または不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、R6O−、R6S−、R6−CO−、R6−CO−O−、ハロゲン原子、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基、アラルキル基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアラルキル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基である。
    ただし、前記式中、
    6は直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C10脂肪族炭化水素基、アリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基、ヘテロアリール基、1個もしくは複数の置換基で置換されたヘテロアリール基である。
  2. 前記加熱が、前記β−ケトカルボン酸銀の分解温度より60℃低い温度以上の温度で行われる請求項に記載の製造方法。
  3. 前記加熱が、常圧条件下で行われる請求項またはに記載の製造方法。
  4. 前記加熱が、加圧条件下で行われる請求項またはに記載の製造方法。
  5. 前記極性溶媒が、複素環、アルキル置換された複素環、水、−COOH、−SH、―NH2、―OH、−COO−、−CON(−)−、―CONH−、−CONH2、−S−、−SO−、−SO2−、−NH−および−N(−)−からなる群から選択される1以上を含むアルカン、アルケン、アルキン、芳香族炭化水素、アルキル置換された芳香族炭化水素、複素環およびアルキル置換された複素環からなる群から選択される1以上の極性溶媒である請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記式(1)において、
    Rが、直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基、アリール基、または1個もしくは複数の置換基で置換されたアリール基であり、
    Xが、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素原子、または直鎖、分枝もしくは環状の飽和もしくは不飽和C1〜C20脂肪族炭化水素基である請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀が、イソブチリル酢酸銀、ベンゾイル酢酸銀、アセト酢酸銀、プロピオニル酢酸銀、α−メチルアセト酢酸銀およびα−エチルアセト酢酸銀からなる群から選択される1以上である請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記銀ペーストに含まれる金属銀が、3nm〜500nmの範囲の粒径の金属銀を含む請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記銀ペーストに含まれる金属銀が、3nm〜20nmの範囲の粒径の金属銀を含む請求項8のいずれか一項に記載の製造方法であり、
    前記混合物が、更に分散剤を含む製造方法。
  10. 前記混合物中、前記式(1)で表わされるβ−ケトカルボン酸銀の含有量が0.01mol/L〜10mol/Lである請求項のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 基材上に請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法により得られた銀ペーストを塗布し、これに加熱処理を施すことによって、金属銀膜を形成する金属銀の焼成方法。
  12. 前記金属銀膜が基材上の接続配線である、請求項11に記載の金属銀の焼成方法。
  13. 前記基材が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属、シリコンおよびセラミックスからなる群から選択される1以上の材料から形成される請求項11または12に記載の金属銀の焼成方法。
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