以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図42に基づいて説明する。図1に示すように、本実施例のパチンコ遊技機10の遊技盤11には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域YRが形成され、その遊技領域YR内に本発明の「表示手段」に相当する表示装置13が備えられている。遊技領域YRのうち表示装置13の下方中央には、上始動入賞口14A、下始動入賞口14B、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。なお、大入賞口15が本発明の「可変入賞口」に相当する。
図2(A)に拡大して示すように、上下の各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
上側に配置された上始動入賞口14Aは、上方を向いて開放しており、その開口幅は遊技球が1つだけ入る大きさになっている。一方、下側に配置された下始動入賞口14Bは、上始動入賞口14Aの真下に配置されて上方を向いて開放しており、その開口の左右両側には可動翼14C,14Cが備えられている。これら両可動翼14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼14C,14Cに挟まれた下始動入賞口14Bの開口幅も、遊技球が1つだけ入る大きさになっている。また、下始動入賞口14Bの上方空間は、常には、上始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、所定の条件が成立すると、図2(B)に示すように、両可動翼14C,14Cが両側に倒れ、それら可動翼14C,14Cをガイドにして下始動入賞口14Bに遊技球が入賞可能になる。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、図2(A)に示すように、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、所定の条件が成立すると、図2(B)に示すように、可動扉15Tが前側に倒れて大入賞口15を開状態と閉状態とに切り替え、可動扉15Tをガイドにして大入賞口15に遊技球が入賞可能になる。
遊技領域YRのうち上下の始動入賞口14A,14Bの左側方には、特別図柄(特図)を表示するための特図表示部14Dが設けられている。特図表示部14Dは、2桁の7セグメントLED表示器を左右に並べて構成されている。そして、特図表示部14Dの右側方には、一つのLEDで構成された普通図柄表示部18Dが設けられている。
図1に示すように、大入賞口15の両サイドには、一般入賞口20,21が設けられている。これら一般入賞口20,21は、上記上始動入賞口14Aと同様に、所謂、上方を向いて開放したポケット構造をなし、その開口幅は遊技球が1つだけ入る大きさになっている。
遊技領域YRのうち表示装置13の左側には、始動ゲート18及び風車形ホイール19が設けられている。始動ゲート18は、遊技球が上下方向に1球ずつ通過可能な幅のゲート構造をなしている。
表示装置13は、TFT−LCDモジュールの液晶表示器で構成された表示画面34の縁部を、表示枠体23で覆った構造になっている。遊技者は、表示枠体23を通して表示画面34に表示された画像を見ることができる。表示画面34では、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の装飾図柄13A,13B,13Cが、横並びに表示されている。これら各装飾図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されている。
表示枠体23の右下角部には、遊技に係るキャラクタ形状(例えば、将棋の盤の形状)の電飾プレート25が設けられ、その電飾プレート25の中に、遊技に係るキャラクタ形状(例えば、将棋の駒の形状)の可動プレート24が設けられている。可動プレート24は、遊技盤11の前面と平行な軸を中心にして回転可能に軸支され、モータにより回転駆動される。そして、遊技状況に応じて可動プレート24の表裏の何れかの面を遊技者に見せる。また、可動プレート24の内部には、図示しないLEDが収容されており、報知ランプ24Lになっている。そして、内部のLEDが点灯することで報知ランプ24Lが光る。なお、遊技領域YRには、図示しない複数の障害釘が起立している。
遊技盤11の前面側は、遊技領域YRに対応したガラス窓10Wを有する前面枠10Zによって覆われている。前面枠10Zのうちガラス窓10Wの縁部には、装飾ランプ35が備えられている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより上側の両角部寄り位置には、それぞれスピーカ56S,56Sが設けられている。一方、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。そして、前面枠10Zのうち右下角部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が、遊技盤11の遊技領域YRに向けて弾き出されて遊技が開始される。
また、ガラス窓10Wの下側縁部には、第1の遊技球排出ボタン29Aが備えられ、それを押すと上皿27Aに収容されている遊技球を下皿27Bに移すことができる。また、下皿27Bの上面右寄り位置には、第2の遊技球排出ボタン29Bが備えられ、下皿27Bの下方に図示しない箱を配置して第2の遊技球排出ボタン29Bを押すと、下皿27Bに収容されている遊技球を所謂ドル箱に移すことができる。
下皿27Bの上面左側端部には、操作ジョグ90が備えられている。この操作ジョグ90により、表示装置13に表示された画像を選択する遊技を楽しむことができる。
次に、上記した遊技領域YRにおける所要の各部位について詳説する。始動ゲート18は、ゲートスイッチ30(図3参照)を内蔵している。そして、始動ゲート18を遊技球が通過すると、下始動入賞口14Bの可動翼14Cを開くか否かの当否判定を受ける権利(「普通図柄判定権利」という。)が発生する。普通図柄判定権利は発生後に使用されて消滅し、普通図柄判定権利を使用することで普通図柄当否判定が行われる。その判定結果は、前述した普通図柄表示部18Dに表示される。具体的には、始動ゲート18を遊技球が通過すると、例えば、普通図柄表示部18DのLEDが所定期間に亘って点滅(変動)し、判定結果が当りであれば、普通図柄表示部18DのLEDが点灯した状態になり、判定結果が外れであれば、普通図柄表示部18DのLEDが消灯した状態になる。
普通図柄表示部18Dが変動している間に始動ゲート18に遊技球が入球すると、普通図柄判定権利は保留されて貯まっていく。また普通図柄判定権利の保留数は、普通図柄表示部18Dへの変動中の普通図柄判定権利を含めずに、例えば、最高4つに設定されており、図1に示すように、表示装置13の表示画面34における下端部の普通保留数表示部18Hに表示される。普通保留数表示部18Hは、例えば、横並びの4つの「□」印で構成され、保留数が増えるに従い、その数に応じて左端から「□」印の色が薄い色から濃い色に切り替わる。なお、以下の説明において、「普通図柄判定権利の保留数」と、「普通図柄の保留球数」と、「ゲート保留球数」とは、同じ意味である。
普通図柄当否判定の判定結果が当りになると、遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動されて、図2(B)に示すように、下始動入賞口14Bの可動翼14C,14Cが所定期間(例えば、0.5秒間)に亘って横に倒される。すると、下始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、上始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼14C,14Cに受け止められて下始動入賞口14Bに案内されるようになる。この状態を「電サポ」という。
始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、始動入賞口14A,14B内に設けた始動口センサ31A,31B(図3参照)が遊技球を検出する。すると、遊技状態を遊技者にとって特典が多い状態に移行させるか否かの当否判定を受ける権利、即ち、「当否判定権利」が発生する。また、その当否判定権利は使うことによって消滅する(消尽される)。即ち、当否判定権利は発生後に使用されて消滅し、当否判定権利を使用することで特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、前述した特図表示部14D及び表示装置13の表示画面34に表示される。表示画面34は、遊技の当否判定の結果を表示するためにも用いられるので、表示画面34の有効利用が図られる。ここで、遊技者にとっての特典としては、遊技者に対して付与される賞球の他、前述の電サポ(時短)や後述の確変など遊技者にとって有益となるものが挙げられる。
なお、特図表示部14Dが変動表示されている間、及び、後述する「可変遊技」が実行されている間に、上下何れかの始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球すると、上記した当否判定を受けるための当否判定権利は保留されて貯まっていく。また、当否判定権利の保留数は、装飾図柄13A,13B,13Cの変動表示に係る当否判定権利を含めずに、例えば、最高4つに設定されており、図1に示すように、表示装置13の表示画面34における下端部の特図保留数表示部14Xに表示される。特図保留数表示部14Xは、例えば、横並びの4つの「○」印で構成され、保留数が増えるに従い、その数に応じて左端から「○」印の色が薄い色から濃い色に切り替わる。なお、以下の説明において、「当否判定権利の保留数」と「特別図柄の保留球数」とは同じ意味である。また、「特図表示部14Dが変動表示されている」とは、特別図柄が変動表示されていることを指す。
つまり、遊技球の始動入賞口14A,14Bへの入賞順に、入賞時に取得したデータに基づいて特図表示部14Dの変動が順次行われる構成であり、特図表示部14Dの変動中の始動入賞口14A,14Bへの遊技球の入賞に基づいて取得したデータ(大当り乱数値や変動態様選択乱数値等)は、最大4つまで保留可能であると共に、特図表示部14Dの変動開始時に取得したデータを判定値と比較することによって遊技の当否、変動パターン、当り種別等が決定される構成である。つまり、取得したデータに基づいて当否判定が行われるのは、現在特図表示部14Dが変動中ではない場合である。従って、本発明の「当否判定条件」は、本実施例においては、現在特図表示部14Dの変動中ではなく、当該データに基づく特図表示部14Dの変動順番になったときに成立する。なお、少なくとも取得した当否判定用データに基づく当否判定を、遊技球の始動入賞口14A,14Bへの入賞時に予め行う構成としてもよい。この場合は、「当否判定条件」は、保留数が上限数になっていない場合に成立する。
図3には、パチンコ遊技機10の制御に係る電気的な構成が示されている。同図において符号50は、主制御基板50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備えている。そして、主制御基板50は、本発明の「主制御手段」として機能するものであり、CPU51Aは、パチンコ遊技機10の電源をオンするとROM51Cから後述する主制御回路メインプログラムPG1(図6参照)を取り出してランする。そして、主制御基板50のCPU51Aは、入出力回路54,54を介して、入賞球を検出するためのゲートスイッチ30、始動口センサ31A,31B及びその他のセンサ、スイッチ類等から検出信号を受け取り、主制御回路メインプログラムPG1の各処理を行い、後述する「可変遊技実行条件」の成立の有無を判別して、その処理結果に応じて、サブ制御基板55、特図表示部14D及び普通図柄表示部18D、払出制御基板59、発射制御回路60等に制御データ(本発明の「制御信号」に相当する)を出力して、遊技に関わる主制御を行う。
なお、主制御基板50は、可変遊技が実行される前に本発明の「可変遊技開始前信号」に相当するOPコマンド(後述する「オープニング表示」を開始するための制御信号)をサブ制御基板55に出力し、可変遊技を開始する時に本発明の「可変遊技開始信号」に相当するラウンドコマンド(後述する「ラウンド表示」を開始するための制御信号)をサブ制御基板55に出力する。
サブ制御基板55は、本発明の「サブ制御手段」として機能するものであり、主制御基板50と同様に、CPU55AをRAM55B及びROM55Cと共にパッケージしたワンチップマイコンとして備えている。そして、サブ制御基板55のCPU55Aも、パチンコ遊技機10の電源をオンするとROM55Cから後述するサブ制御回路メインプログラムPG2(図31参照)を取り出してランする。ROM55Cには、サブ制御回路メインプログラムPG2等の制御用プログラムの他に、表示装置13に画像を表示するための画像制御データや画像データ等が記憶されている。そして、サブ制御基板55のCPU55Aは、入出力回路を介して、主制御基板50から表示装置13での表示内容(演出画像、装飾図柄の変動表示を含む)を指示するための制御信号(OPコマンド、ラウンドコマンドを含む)や、装飾ランプ35やスピーカ56Sに対する制御信号、後述する表示制御基板52を介して音声データ等の制御データ、操作ジョグ90からの信号等を受け取り、サブ制御回路メインプログラムPG2の各処理を行い、ROM55Cから所定のデータを取り出してRAM55Bの作業領域にて遊技画像(装飾図柄13A,13B,13C、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等)を作成し、その処理結果に応じて、表示制御基板52、ランプ中継基板57等に制御データを出力して、遊技機10のランプ装置、モータ等の駆動装置の制御を行う。
表示制御基板52は、サブ制御基板55からの制御信号(OPコマンド、ラウンドコマンド等)に基づきCPU52AがROM52Cから所定の表示制御データを読み出し、RAM52Bの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPU52Aからの指令に基づいてROM52Cから必要なデータを読み出し、表示装置13で表示する表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示装置13に出力される。また、CPU52Aは、サブ制御基板55からの制御信号に基づいて、音声に関わる制御信号を音声制御基板56に出力する。
なお、表示制御基板52は、サブ制御基板55を用いずに、主制御基板50からの制御信号に基づいて遊技の制御を行う本発明の「サブ制御手段」として構成してもよい。
ランプ中継基板57は、サブ制御基板55から出力される制御信号に基づき発光パターン選択を行い、報知ランプ24L、装飾ランプ35等を点灯させる。
音声制御基板56は、表示制御基板52から出力される制御信号に基づきBGMや演出時の音声の選択を行い、スピーカ56S,56Sからの音声を制御する。具体的には、ROMから必要な音声データを読み出し、表示制御基板52に出力する。
払出制御基板59は、各入賞口14A,14B,15,18,20,21への遊技球の入賞に基づいたワンチップマイコン51からの信号や、パチンコ遊技機10の一側部もしくは遊技場設備として設けられたプリペイドカードユニット150(図3参照。図1には図示せず)からの信号に基づいて、賞球払出装置62及び貸球払出装置63を駆動して、所定数の遊技球を上皿27Aに払い出す。
発射制御回路60は、遊技者が操作ノブ28に振れているか否かを図3に示すタッチスイッチにより検出し、発射装置70を制御し、遊技球を遊技領域YRに向けて発射する。
電源基板58は、パチンコホールに備えられたAC24V設備電源から受電している。具体的には、各パチンコ遊技機10の電力ケーブルが、AC24V設備電源に接続されている。そして、この電源基板58から、各制御基板、各種ソレノイド、ランプ等に給電している。
さて、本実施例のパチンコ遊技機10には、下記表1に示した「大当り」と「小当り」の「当り」が設定されている。「当り」と判定されると、各種可変遊技が開始される。即ち、本発明の「可変遊技実行条件」には、当否判定の結果が「当り」であることが含まれる。
可変遊技は、一のラウンド(期間)又は複数のラウンドから構成され、各ラウンドは、遊技球が所定数(本実施例では10個とするが、適宜設定可能)入賞するか所定時間が経過すると終了するようになっている。詳細には、大入賞口15の内部には、図示しない継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイド15S(図3参照)が駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサ(図示しない)が遊技球の入賞を検出すると継続権利が発生して、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ(図示しない)が遊技球の入賞を検出すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。可変遊技中は、大入賞口15の可動扉15Tが開放し、遊技球が入賞する期待度(可能性)は、可動扉15Tが閉鎖している場合よりも高くなり、遊技者は特典(例えば、大入賞口15への入賞に基づき遊技者に払い出される賞球)を獲得可能となる。
「大当り」には、15ラウンドに亘って可動扉15Tの開放動作が行われる「15R当り」と、2ラウンドに亘って可動扉15Tの開放動作が行われる「2R当り」とに分類することができる。15R当りと2R当りでは、ラウンド数以外に、1ラウンドにおける可動扉15Tの開放回数、開放時間も異なる。
本実施例では、「15R当り」として、一のラウンド内で大入賞口15が1開放1閉鎖で構成されている「普通15R当り」と、初回のラウンドだけ大入賞口15が3回開閉し、それ以外は普通15R当りと同様にラウンド内で大入賞口15が1開放1閉鎖で構成されている「特殊15R当り」とが設けられている。そして、普通15R当りは、さらに、可変遊技終了後「確変」の特典が付いている「確変15R当り」と、「確変」の特典が付いていない「通常15R当り」に分類できる。ここで、「確変」とは、可変遊技実行条件の成立する当り確率が高くなり、次回の大当りまで継続される状態をいう。なお、「特殊15R当り」にも「確変」の特典が付いている。遊技者に付与される特典のうち、1回の15R当り終了時点での遊技者が獲得可能な賞球数は、普通15R当りより特殊15R当りの方が小さくなる。これは大入賞口15の総開放時間順の並びとも一致する。但し、特殊15R当りには、確変の特典が付与されているため、遊技者が獲得可能な賞球の総数は普通15R当りの場合よりも多くなる可能性が高い。
一方、「2R当り」では、一のラウンド内で大入賞口15が1開放1閉鎖で構成されている。そして、可変遊技終了後、可変遊技実行条件の成立する当り確率が高くなる「確変」の特典が付くので、その後の遊技で「15R当り」になれば、賞球の増加が望める。この点で、「2R当り」も通称「大当り」と呼ばれている。
これらに対し、「小当り」は、一のラウンド内で大入賞口15が2回開閉するように構成されている。そして、可変遊技終了前後で、可変遊技実行条件の成立する当り確率が変化しない、即ち、「確変」の特典が付いていないので、賞球の増加は望めない。
以下、「確変」の特典が付与される前の通常確率状態を「通常状態」、確変の特典が付与された後の高確率状態を「確変状態」というものとする。また、本実施例では、通常状態と確変状態との間で、当否判定結果が大当りになる確率のみが異なっており、当否判定結果が小当りになる確率は、通常状態と確変状態との間で同一になっている。具体的には、大当りになる確率は通常状態で1/315、確変状態で10/315に設定されている。また、小当りになる確率は、通常状態か確変状態かに関わらず3/315に設定されている。さらに、パチンコ遊技機10が、通常状態から確変状態に切り替わるタイミングは、可動扉15Tの開放動作を伴った可変遊技の終了後に設定されている。そして、一度、確変状態になると、確変遊技が所定回数(本実施例では次回大当りまで)持続される。
「確変」の特典付きの「確変15R当り」及び「特殊15R当り」の可変遊技後は、確変状態となることに加え、始動ゲート18への入球に対する抽選時間が短くなりかつ、可動翼14C,14Cの開放秒数が、0.5秒から1.5秒へと長くなり、開放回数も1回から3回と増える遊技が行われる。このように、始動ゲート18への入球に対する抽選時間が短くなりかつ可動翼14C,14Cの1.5秒間開放し得る状態を、「時短状態」という。即ち、確変遊技が所定回数終了するまでは、「確変状態」でありかつ「時短状態」でもある有利な状態が持続されることになる。これにより、下始動入賞口14Bへの入賞に対する賞球が通常時より多く払い出され、持ち球が減り難い状態になる。そして、持ち球を減らすことを抑制しつつ次の大当りまで遊技を行うことができる。
これに対し、「通常15R当り」の可変遊技後は、通常状態となるが、必ず100回の「時短」が付く構成である。そして、「2R当り」及び「小当り」の可変遊技後に「時短状態」に切り替わることはない。即ち、2R当り及び小当りの可変遊技後における始動ゲート18への入球に対する抽選時間や、可動翼14Cの開放頻度、開放時間は変わらない。
以下、図4に示す演出画像、及び、図5に示すタイミングチャート1を参照しながら、各種当りの可変遊技を説明する。なお、各種当りの可変遊技の前には、表示画面34にて、装飾図柄が変動停止されると共に、可変遊技の開始を知らせるオープニング表示(本発明の「開始前表示態様」に相当する。以下、「OP表示」と呼ぶ。)が行われるので、合わせて説明する。なお、各種当りの可変遊技の各ラウンドにおける大入賞口15の開閉パターンは、図40に示されている。
普通15R当りの可変遊技、即ち、通常15R当り又は確変15R当りの可変遊技は、本発明の「疑似無し大利益型の可変遊技」かつ「完全大利益型の可変遊技」に相当する。変動時間終了時、表示画面34では、図4(B)に示すように、例えば「7 7 7」のぞろ目となって装飾図柄の変動が停止され、図4(C)に示すように「大当り」という文字が表示されるOP表示が行われる。
図5のタイミングチャート1に示すように、OP表示の開始から8秒後、OP表示が終了し、大入賞口15が開放されると共に、何ラウンド(R)目かを表示する「ラウンド表示」(本発明の「可変遊技表示態様」に相当する)が行われる(図4(D)参照)。普通15R当りでは、大入賞口15は29.5秒間開放する。これは、本発明の「長期開放動作」に相当し、大入賞口15を所定の下限時間より長く開状態とすることで大入賞口15への入球を許容し、図2(B)に示すように可動扉15Tを案内にして、通常時より多くの利益の取得が可能になる。なお、「下限時間」とは、大入賞口15を開放して、大入賞口15への入球を許容することで、その入球により通常時より多くの利益を遊技者に付与可能な大入賞口15の連続開放時間の下限値をいう。なお、本実施例では下限値は0.2秒に設定されている。
その後、大入賞口15が閉鎖されると共に、ラウンド表示が終了し、初回のラウンド(1R目)が終了する。ラウンドの間には、大入賞口15内に入球した遊技球が大入賞口15内からはける球はけ時間を考慮して、2秒間大入賞口15が閉鎖されるインターバル期間(ラウンド休止期間。以下、「INT期間」と呼ぶ。)が設けられている。以後、INT期間2.0秒間と、大入賞口15が開く29.5秒間とを繰り返す(2〜15R目)。そして、15R目が終了すると、可変遊技が終了する。即ち、普通15R当りの可変遊技では、可変遊技の開始後、本発明に係る「大利益期間」のみに移行するように大入賞口15を開閉動作させる。
2R当りの可変遊技は、本発明の「確率変化特典付きの小利益型の可変遊技」に相当する。変動時間終了時、表示画面34では、図4(J)に示すように、扉の画面に表示された「扉の先には・・・」という文字と共に右下に装飾図柄13A,13B,13Cが「1 3 5」のチャンス目で停止表示され、図4(K)に示すように「何も無かった・・・」という文字が表示されるOP表示が行われる。
図5のタイミングチャート1に示すように、OP表示の開始から2.3秒後に、大入賞口15が開放して可変遊技が開始される。2R当りでは、大入賞口15は0.2秒間開放する(1R目の1回目の開放)。これは、本発明の「短期開放動作」に相当し、大入賞口15を長期開放動作よりも短い期間開状態とすることで、大入賞口15への入球を規制し、通常時よりも多くの利益の取得を困難或いは不可能にする。
その後、大入賞口15が閉鎖されて初回のラウンド(1R目)が終了する。そして、大入賞口15が閉鎖される2秒間のINT期間経過後、再び大入賞口15が0.2秒間開放する(2R目の1回目の開放)。これも、本発明の「短期開放動作」に相当する。その後、大入賞口15が閉鎖されて2回目のラウンド(2R目)が終了し、可変遊技が終了する。即ち、2R当りの可変遊技では、可変遊技の開始後、本発明に係る「小利益期間」のみに移行するように大入賞口15を開閉動作させる。
この間、表示画面34では、ラウンド表示は行われずに、図4(L)に示すように閉まった扉の演出画像のOP表示が引き続き行われている。そして、OP表示開始から6.7秒後、OP表示が終了する。
詳細には、後述のサブ制御回路メインプログラムPG2のコマンド監視処理(S563、図36参照)に示すように、2R当り及び小当りの可変遊技では、ラウンド無視フラグにより、サブ制御基板55は、主制御基板50から受信したラウンドコマンド(ラウンド表示を開始するための制御信号)を無視する構成となっている。これにより、ラウンドコマンドが表示制御基板52に送信されないため、ラウンド表示が行われずにOP表示が継続して表示される。従って、遊技者は可変遊技が行われていることに気がつきにくい構成となっている。
小当りの可変遊技は、本発明の「通常の小利益型の可変遊技」に相当する。小当りでは、一のラウンド内で大入賞口15が2回開閉する1ラウンド構成である。従って、一のラウンド内で大入賞口15が1開放1閉鎖する2ラウンド構成の2R当りとはラウンド数が異なるが、その他の点は上記した2R当りの可変遊技と同様の可変遊技が行われる。即ち、小当りの可変遊技でも、可変遊技の開始後、本発明に係る「小利益期間」のみに移行するように大入賞口15を開閉動作させる。また、上述したように、ここでもラウンド表示は行われずに、2R当りの可変遊技と同一のOP表示が継続して表示される。
特殊15R当りの可変遊技は、本発明の「疑似小利益型の可変遊技」に相当する。変動時間終了時、表示画面34では、図4(E)に示すように、扉の画面に表示された「扉の先には・・・」という文字と共に右下に装飾図柄13A,13B,13Cが「1 3 5」のチャンス目で停止表示され、図4(F)に示すように「何も無かった・・・」という文字が表示されるOP表示が行われる。
図5のタイミングチャート1に示すように、OP表示の開始から2.3秒後に、大入賞口15が開放して可変遊技が開始される。特殊15R当りでは、大入賞口15は0.2秒間開放する(1R目の1回目の開放)。これは、本発明の「短期開放動作」に相当する。その後、大入賞口15が2秒間閉鎖され、再び大入賞口15が0.2秒間開放する(1R目の2回目の開放)。これも、本発明の「短期開放動作」に相当する。そして、大入賞口15が2秒間閉鎖される。
この間、表示画面34では、ラウンド表示は行われずに、図4(G)に示すように、閉まった扉の演出画像のOP表示が引き続き行われている。その後、図4(H)に示す「お宝発見!」の文字が表示される。
詳細には、後述のサブ制御回路メインプログラムPG2のコマンド監視処理(S563、図36参照)に示すように、特殊15R当りの可変遊技では、遅延フラグがセットされ、さらに1R目の場合に遅延時間(本実施例では4.4秒)がセットされる。これにより、サブ制御基板55は、特殊15R当りの1R目の1回目の大入賞口15の開放時(即ち、OP表示の開始から2.3秒後)に主制御基板50からラウンドコマンドを受信しているが、セットされた遅延時間(4.4秒間)が経過するまで表示制御基板52に対してラウンドコマンドを送信しない(サブ制御基板55がラウンドコマンドの送信を遅延させている)構成となっている。これにより、1R目が開始して4.4秒間はラウンドコマンドが表示制御基板52に送信されないため、ラウンド表示が開始されず、OP表示が継続して表示されている状態となる。
そして、図5のタイミングチャート1に示すように、OP表示の開始から6.7秒(可変遊技開始から4.4秒)後、OP表示が終了して図4(I)に示すラウンド表示が行われると共に、大入賞口15が25.1秒間開放する(1R目の3回目の開放)。これは、本発明の「長期開放動作」に相当する。なお、この特殊15R当りの1R目の長期開放動作は、通常15R当りの長期開放動作とは異なる特殊15R当り特有の長期開放動作となっている。
その後、大入賞口15が閉鎖されると共に、ラウンド表示が終了し、初回のラウンド(1R目)が終了する。以後、INT期間2.0秒間と、大入賞口15が開く29.5秒間とを繰り返す(2〜15R目)。そして、15R目が終了すると、可変遊技が終了する。
即ち、特殊15R当りの可変遊技では、可変遊技の開始から「小利益期間」、「大利益期間」の順で移行するように大入賞口15を開閉動作させる。本実施例では、特殊15R当りの可変遊技において、1R目の3回目の大入賞口15の開閉動作が行われる直前(本実施例でOP表示開始から約6.7秒。詳細には、図4(H)に示す「お宝発見!」の文字が表示される直前)までの間、大入賞口15の開閉動作(短期開放動作)と表示画面34に表示される表示内容が、2R当り及び小当りの可変遊技の開始から終了までの大入賞口15の開閉動作(短期開放動作)と表示画面34に表示される表示内容と同一になるように構成されている。換言すると、特殊15R当りの可変遊技の中で、2R当り及び小当りの可変遊技が模倣されている。つまり、特殊15R当りは開始時に2R当り及び小当りと思わせるようなフェイク開放動作が行われる開始時フェイク型の可変遊技となっている。
なお、特殊15R当りは、普通15R当りと同じ15ラウンド構成であるが、1R目の大入賞口15の開放期間のトータルが25.5秒となり、1つのラウンドで29.5秒大入賞口15が開放される普通15R当りに対して、若干短くなっている。
本実施例のパチンコ遊技機10のうち内部の情報処理(信号処理)に係る構成以外の説明は以上である。その情報処理に係る説明を行う前に、以下、本実施例のパチンコ遊技機10の動作、作用及び効果について説明する。
本実施例のパチンコ遊技機10の操作ノブ28を操作して遊技を行うと、遊技球が遊技領域YRを流下して、そのうちの幾つかの遊技球は、始動ゲート18を通過し、幾つかは、上始動入賞口14Aに入賞する。また、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄表示部18Dが変動表示後、停止表示されて、その停止表示が点灯の場合には可動翼14Cが開き、下始動入賞口14Bにも入賞が可能になる。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、遊技状態及び当否判定に応じて、変動パターンが選択される。本実施例では、図41に示すように、特殊15R当り、2R当り、小当りの場合に同じ変動パターン(11〜13)が選択され、普通15R当り、リーチ有外れの場合に同じ変動パターン(4〜6)が選択される。即ち、変動パターンから、「特殊15R当り」、「小当り」、「2R当り」の何れかと、「普通15R当り」、「リーチ有外れ」の何れかを識別することは困難に構成されている。
そして、特図表示部14Dが変動表示され、予め定められた図柄の組合せによって、当否判定の結果を報知する。本実施例では、図42に示すように、後述する大当り図柄乱数に基づいて、通常15R当りで50種類、2R当りで20種類、確変15R当りで20種類、特殊15R当りで10種類、の組合せから選択される。即ち、大当りの割合は、通常当り50/100、確変当り50/100となる。なお、小当りは「−1」、外れは「−−」が選択される。
一方、表示画面34では、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、例えば、図4(A)に示すように洞窟をキャラクタが歩いている演出画像が映され、変動パターンに応じた変動時間が終了するまで、左上方で装飾図柄13A,13B,13Cが変動表示される。そして、後述する主制御基板50により決定された当否結果及び当りの種別に基づき、サブ制御基板55において装飾図柄の組み合わせが決定され、例えば、左、右、中の順で各装飾図柄13A,13B,13Cを停止表示し、このときの、左、中、右の装飾図柄13A,13B,13Cの組み合わせによって、当否判定の結果を報知する。
本実施例では、当否判定の結果が「通常15R当り」の場合には全ての装飾図柄13A,13B,13Cが同じ偶数のぞろ目、「確変15R当り」の場合には奇数のぞろ目、「特殊15R当り」及び「2R当り」及び「小当り」の場合には「1 3 5」のチャンス目、「外れ」の場合にはそれ以外となって停止表示される。即ち、表示画面34の装飾図柄13A,13B,13Cの組合せから、「特殊15R当り」、「小当り」、「2R当り」の何れの当りかを識別することは困難に構成されている。それ故に予期しない態様となる可能性があるため、遊技者に驚きを与え易くなっている。
なお、各装飾図柄13A,13B,13Cを、変動表示後、左、右、中の順で各装飾図柄13A,13B,13Cを停止する際に、左、右の各装飾図柄13A,13Cが同じ図柄になって先に停止した状態で、中装飾図柄13Bが変動表示されたリーチ状態になる場合がある。この「リーチ」には、その後に大当り(ぞろ目)になる「リーチ有当り」と、外れになる「リーチ有外れ」とがある。リーチ状態とは、「表示画面34の装飾図柄13A,13B,13Cが可変開始された後、停止表示される前段階において、大当りの組み合わせが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態」であれば、上記のように例示した、左、右の各装飾図柄13A,13Cが同じ図柄のものに限定されない。
そして、上記上下の始動入賞口14A,14Bへの入賞に対する当否判定結果が当りの場合には、パチンコ遊技機10が、当り状態になり、前述した「可変遊技」の何れかが実行される。
さて、本実施例では、大入賞口15を開放する遊技として設定された複数種類の可変遊技のうち、特殊15R当り、2R当り、小当りの何れかの可変遊技が実行されると、大入賞口15の短期開放動作を2回行う小利益期間に移行する。そして、特殊15R当りの可変遊技では、小利益期間終了後に大入賞口15の長期開放動作を行う大利益期間に移行する一方、2R当り又は小当りの可変遊技では、小利益期間終了と共に可変遊技が終了する。従って、可変遊技の実行開始後、小利益期間に移行したときには、大入賞口15の動作を見ていても、その可変遊技が、特殊15R当りの可変遊技であるか2R当り又は小当りの可変遊技であるかの区別ができない。そして、その小利益期間終了後、大利益期間に移行するか否かによって、特殊15R当りの可変遊技であるか、2R当り又は小当りの可変遊技であるかが判明する。即ち、大入賞口15の3回目の開放動作が行われた場合に遊技者を驚かせることができる。そして、2R当り又は小当りの可変遊技だと思っていた遊技者に、実は遊技者が得られる特典(獲得可能な賞球数)の大きい当りであったという驚きを与えることができる。
また、大利益期間中に行われる大入賞口15の長期開放動作では、大入賞口15を25.1秒以上開状態とすることで大入賞口15への入球を許容し、通常時より多くの利益の取得が可能になる。これに対し、小利益期間中に行われる大入賞口15の短期開放動作では、大入賞口15を0.2秒開状態とすることで大入賞口15への入球を規制し、通常時よりも多くの利益の取得が困難或いは不可能になる。
これにより、遊技者は、小利益期間中は、その小利益期間の終了後に大利益期間に移行して小利益期間より多くの利益の取得が可能になることを期待しながら遊技を続けることができる。即ち、可変遊技の実行開始後に移行する小利益期間中も、遊技者の遊技に対する興味を持続させて、遊技を長く楽しませることができる。換言すると、2R当り又は小当りの可変遊技であったとしても、2R当り又は小当りの可変遊技の開始から終了まで、その可変遊技が特殊15R当りの可変遊技であるかもしれないという期待を抱いて遊技を続けることができる。
さらに、2R当り又は小当りの可変遊技が実行される場合には、ラウンド表示を行わずに2R当り又は小当りの可変遊技の期間が終了するまでの間OP表示を表示させ、特殊15R当りの可変遊技が実行される場合には、ラウンド表示の開始を遅延させて2R当り又は小当りの可変遊技の期間と同じ期間が経過するまでの間OP表示を表示させた後にラウンド表示を表示させる。
そして、特殊15R当りの可変遊技の開始から最初に長期開放動作が開始される直前まで表示画面34に表示されるOP表示(図4(E)〜(G))と、2R当り又は小当りの可変遊技中に表示画面34に表示されるOP表示(図4(J)〜(L))とを同一にしたので、長期開放動作が開始される直前まで、或いは、図4(H)の演出画像が表示されるまでは、大入賞口15の動作と表示画面34の表示内容の何れを見ていても、その可変遊技が、特殊15R当りの可変遊技であるか2R当り又は小当りの可変遊技であるかの区別ができなくなる。これにより、遊技を長く楽しませることができる。
なお、2R当りの可変遊技と、小当りの可変遊技においては、その可変遊技終了後、遊技状態が確変状態に移行するか否かの違いがあるものの、2R当りには電サポがないため、2R当りの可変遊技か、小当りの可変遊技かが分かりにくくなっている。但し、2R当りの場合には確変により次に大当りとなる確率が高くなるため、2R当りか小当りなのか分からない状況でも確変状態のまま遊技をやめたくない遊技者に遊技を継続させることが可能となる。これによって、例えば、小当りの可変遊技であったとしても、その小当りによる大入賞口15の動作の終了後に、その可変遊技が、「確変」の特典付きの2R当りの遊技であったかもしれないと期待を持って遊技を続行する可能性があり、遊技内容の幅が広がり、遊技者をより長く楽しませることができる。
しかも、可変遊技には、可変遊技の開始後、小利益期間に移行せずに大利益期間に移行するように大入賞口15を開閉動作させる普通15R当りの可変遊技が含まれているので、可変遊技の実行直後に小利益期間に移行したときには、普通15R当りの可変遊技でないことが判明して遊技者は失望する。ところが、小利益期間後に大利益期間が開示されて特殊15R当りの可変遊技であることが判明したときには、失望状態から一気に歓喜状態になる。このように、本発明によれば、遊技者の感情に起伏を生じさせて楽しませることができる。
なお、本実施例では、特殊15R当り、2R当り、小当りの可変遊技におけるOP表示(図4(F)〜(H)、図4(K)〜(L))のうち、OP表示開始後2.3秒〜4.7秒までの2.4秒間に表示される演出画像が、本発明の「小利益期間を意味する表示内容」に相当し、普通15R当り及び特殊15R当りの可変遊技におけるラウンド表示(図4(D)と図4(I))が、本発明の「大利益期間を意味する表示内容」に相当する。これにより、大入賞口15の動作だけではなく、表示画面34に表示される演出画像によっても、小利益期間か大利益期間か或いは、可変遊技を実行していない通常期間であるかを区別することができる。
また、図4(H)の演出画像は、本発明の「前兆演出画像」に相当し、特殊15R当りの可変遊技における初回ラウンドでの3回目の開放の直前(即ち、小利益期間の最後)に表示画面34に表示されて、大利益期間に切り替わる前兆を演出している。これにより、小利益期間中の表示画面34の表示内容に対する興味を高めることができる。なお、前兆演出画像は、予め特殊15R当りの可変遊技が実行される場合に選択されるOP表示の一部として構成してもよいし、ラウンド表示が遅延される分の遅延時間に合わせて、OP表示とは別に、OP表示から前兆演出画像に切り替わり、それからラウンド表示が表示されるように構成してもよい。
さらに、例えば、図1に示す可動プレート24を役物表示装置として表裏のどちらが遊技者に向けられているかによって遊技の当否判定結果を表示する表示手段として構成し、OP表示及びラウンド表示を表示するようにしてもよい。そして、特殊15R当りにおける「前兆演出画像」の表示開始時や3回目の大入賞口15の開放動作の開始時に、この役物表示装置を作動させてもよい。
なお、特殊15R当りの可変遊技で表示されるOP表示と、2R当り及び小当りの可変遊技で表示されるOP表示とは、例えば味方グループの演出画像などで共通化されていれば、異なるキャラクタを用いてもよく、完全に同一でなくてもよい。
また、装飾図柄を大当り種別と対応させずに構成し、例えば、特別図柄の組合せが確変15R当りであるにもかかわらず、偶数のぞろ目が選択されるように構成してもよい(所謂内部確変状態)。内部確変状態とは、特別図柄の組み合わせが確変当りを表示しているにも拘らず、装飾図柄が通常当りとなる組み合わせで表示されており、特別図柄が確変当りとなる組合せで停止表示される以外には確変状態となったことが明確ではない状態をいう。この内部確変状態があるため、遊技者に大当り終了後の遊技状態が即座に判別されないようにすることが可能である。これにより、本実施例においても、遊技者は通常15R当りと思っていたのに、大当り中にあたかも通常15R当りから確変15R当りへと昇格したかのような演出を行うことが可能となり、遊技特典の獲得に対する期待感をより持続させることができる。
上記した本実施例のパチンコ遊技機10の動作を実現するための、主制御基板50、サブ制御基板55等は、前記した主制御回路メインプログラムPG1、サブ制御回路メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、主制御基板50、サブ制御基板55における情報処理に関して図6〜図39に示したフローチャートを参照しつつ詳説する。
主制御基板50に備えたワンチップマイコン51(図3を参照)は、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図6に示した主制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。
主制御回路メインプログラムPG1がランされると、まず初期設定が行われる(S1)。初期設定(S1)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。そして、RAMクリアスイッチがONされているか、もしくは電源断フラグがONでRAM51Bの内容が異常と判断された場合には、RAM51Bの初期化が行われる。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、割り込みが禁止され(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。本実施例においては、乱数を生成するために表2に示したカウンタが設けられている。
表2に示した各力ウンタは、電源投入時には「0」に設定され、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される毎に、1インクリメントされる。また、表2における各カウンタの数値範囲の上限値を越えた場合には、「0」にリセットされて、再び「0」から1インクリメントされる。このように更新された各カウンタの数値は、前記RAM51Bの更新値記憶領域に逐一記憶され、この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)から抜ける。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御回路割り込み処理(S5)が実行可能となる。主制御回路割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、主制御回路割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御回路割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
主制御回路割り込み処理(S5)について説明する。図7に示すように、主制御回路割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が実行される。この処理(S10)では、以下説明する各処理において決定された各種コマンド(変動パターンコマンド、OPコマンド、ラウンドコマンド等)が、RAM51Bの出力バッファに格納されているか否かをチェックして、コマンドが格納されていた場合には、出力バッファ内のコマンドを、サブ制御基板55や特図表示部14D、普通図柄表示部18D、払出制御基板59等の各種制御回路に出力する。
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、主にパチンコ遊技機10に取り付けられている各種センサ(ゲートスイッチ30、始動口センサ31A,31B、その他センサ、スイッチ類(図3参照)等)が検知した検出信号を取り込み、払出数情報として、RAM51Bの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている上記普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表2に示した各種カウンタ値と普通図柄当り乱数カウンタ値は、主制御回路割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(主制御回路割り込み処理(S5)の終了後、次の主制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の間の期間との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで始動口スイッチ検出処理(S15)が実行される。始動口(始動ゲート18,上始動入賞口14A,下始動入賞口14B)に入賞がありかつ保留球数が4個未満の場合に、保留球数を加算し、当該入賞に対する各種乱数を取得し、対応するRAM51Bに記憶する。
具体的には、図8に示すように、まず、遊技球が始動ゲート18を通過したかどうかを判断する(S148)。このとき、遊技球が始動ゲート18を通過していれば(S148でyes)、ゲート通過処理(S149)を行う。一方、遊技球が始動ゲート18を通過していなければ(S148でno)、ゲート通過処理(S149)をパスしてステップ150に進む。
ゲート通過処理(S149)では、図9に示すように、ゲート保留球数(普通図柄の保留球数)が4以上であるか判断し(S140)、ここでゲート保留球数が4以上であれば(S140でyes)、ただちにこの処理(S149)から抜ける。一方、ゲート保留球数が4以上でなければ(S140でno)、ゲート保留球数に1を加算し(S141)、ゲート乱数取得処理(S142)を行う。これらにより、始動ゲート18に遊技球が通過するたびに、更新領域の普通図柄当り乱数カウンタ値を取り込む。そして、始動ゲート18に係る普通図柄の保留球数の保留上限数である4つの普通図柄の保留球数に対応して、最大4つの普通図柄当り乱数カウンタ値を格納する。
次いで、始動口スイッチ検出処理(S15)では、図8に示すように、ステップ150において、上始動入賞口14A又は下始動入賞口14Bに遊技球が入賞したか否か、即ち、上始動入賞口14A又は下始動入賞口14Bに備えた始動口センサ31A,31Bによって遊技球が検出されたか否かチェックする(S150)。ここで、上始動入賞口14A又は下始動入賞口14Bに遊技球が入賞している場合(S150でyes)、保留球数(特別図柄の保留球数)が4以上であるか判断する(S151)。特別図柄の保留球数が4以上でなければ(S151でno)、特別図柄の保留球数に1を加算し(S152)、前記RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されているカウンタ値を乱数値として取得して、RAM51Bに別途設定した特別図柄の保留球数に応じたアドレス空間に格納する(S153,S154)。一方、上始動入賞口14A及び下始動入賞口14Bに遊技球が入賞していない場合(S150でno)、特別図柄の保留球数が4以上である場合(S151でyes)、ただちにこの処理(S15)を終了する。
これらにより、上始動入賞口14A又は下始動入賞口14Bに遊技球が通過するたびに、更新領域の特別図柄当り判定用乱数カウンタ値を取り込む。そして、上始動入賞口14A又は下始動入賞口14Bに係る特別図柄の保留球数の保留上限数である4つの特別図柄の保留球数に対応して、最大4つの特別図柄当り判定用乱数カウンタ値を格納する。また、上下何れかの始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞する度に、即ち、本発明の「当否判定条件の成立」の度に、当否判定権利を発生させて、表2の乱数値群を取得し、格納する。
図7に示すように、始動口スイッチ検出処理(S15)に次いで、普通動作処理(S16)が行われる。この普通動作処理(S16)は、図10に示されており、更新されてRAM51Bに記憶されている普通図柄乱数値が取得されて、普通図柄当りの判定や普通図柄表示部18Dでの普通図柄の変動及び停止表示、普通図柄当りに基づく下始動入賞口14Bの開閉等、普通図柄当りに関する処理が行われる。
詳細には、普通図柄表示部18Dの表示状態を4つの状態に場合分け、それら各状態を「普通動作ステータス1,2,3,4」に割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合に(S160でyes)、普通図柄待機処理(S161)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合に(S160でno,S162でyes)、普通図柄変動処理(S163)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合に(S160,S162で共にno、S164でyes)、普通図柄確定処理(S165)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合に(S160,S162,S164でno)、普通電動役物作動処理(S166)を行う。なお、主制御基板50は、この処理(S16)によって、普通図柄当り乱数カウンタ値に基づいて、サブ制御基板55及び表示制御基板52を介さずに普通図柄表示部18Dの表示状態及び可動翼14C,14Cを直接制御する。
図10に示した普通動作処理(S16)において普通図柄待機処理(S161)を実行すると、図11に示すように、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かが判別され(S120)、「0」であれば(S120でyes)、直ちにこの処理(S161)から抜け、「0」でなければ(S120でno)、普通図柄当り判定処理(S121)を行う。
普通図柄当り判定処理(S121)は、図12に示されており、普通図柄当り乱数カウンタ値(ラベル−TRND−F)を取り出す(S300)。次いで、当り判定値テーブルのアドレスをセットする(S301)。これにより、通常状態における普通図柄当り設定値として例えば「236」〜「240」が設定され、確変中(確変状態)又は時短中(時短状態)における普通図柄当り設定値として例えば「1」〜「240」が設定される。
次いで、現在の遊技状態が確変状態又は時短状態であるかをチェックし(S302)、確変状態でも時短状態でもない場合(S302でno)には、普通図柄当り乱数カウンタ値(ラベル−TRND−F)が「236」〜「240」の何れかと一致したか否かに基づいて、当りか否かが判定される(S303)。一方、確変状態又は時短状態である場合(S302でyes)には、普通図柄当り乱数カウンタ値(ラベル−TRND−F)が「1」〜「240」の何れかと一致したか否かに基づいて、当りか否かが判定される(S304)。ここで、普通図柄当り乱数カウンタ値(ラベル−TRND−F)は、前記したように0〜240の範囲で変化するので(表2参照)、普通図柄当否判定が当りになる確率は、通常状態では5/241であるのに対し、確変状態又は時短状態では、240/241に変化することになる。
そして、何れの場合も「当りである」と判定された場合(S303でyes、S304でyes)には、RAM51Bに格納された普通当りフラグがONされる(S305)。また、「当りではない」と判定された場合(S303でno及びS304でno)には、この処理(S121)を抜ける。
図11に示すように、普通図柄当り判定処理(S121)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理(S122)を行う。この普通図柄普通図柄変動パターン選択処理(S122)では、確変状態又は時短状態であるか、通常状態であるか、普通図柄当り乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)値が当りであるか外れであるかによって、普通図柄変動パターンを決定する。
より詳細には、例えば、「時短状態当り」及び「時短状態外れ」の普通図柄変動パターンでは、例えば、1秒間、普通図柄表示部18Dにて普通図柄を変動表示した後、「時短状態当り」の普通図柄変動パターンでは、普通図柄表示部18Dが点灯で停止表示する一方、「時短状態外れ」の普通図柄変動パターンでは、普通図柄表示部18Dが消灯で停止表示する。また、「通常状態当り」及び「通常状態外れ」の普通図柄変動パターンでは、例えば、30秒間、普通図柄表示部18Dが変動後、「通常状態当り」の普通図柄変動パターンでは、普通図柄表示部18Dが点灯で停止表示する一方、「通常状態外れ」の普通図柄変動パターンでは、普通図柄表示部18Dが消灯で停止表示する。
なお、「時短状態当り」の普通図柄変動パターンで普通図柄表示部18Dの変動表示が行われたあと停止表示されたときには、可動翼14C,14Cが1.5秒間だけ開く開放動作が3回繰り返され、「通常状態当り」の普通図柄変動パターンで普通図柄表示部18Dが変動表示したあとに点灯したときには、可動翼14C,14Cが0.5秒間だけ開く開放動作が1回行われる。これら可動翼14C,14Cの開放動作は、以下に、後述する普通図柄確定処理(S165)及び普通電動役物作動(電サポ)処理(S166)で制御される。
図11に示すように、普通図柄変動パターン選択処理(S122)に次いで、普通図柄乱数シフト処理(S123)を行う。普通図柄乱数シフト処理(S123)では、図13に示すように、普通図柄の保留球数を1ディクリメントし(S306)、普通図柄当り乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)値が格納されている普通図柄カウンタ値記憶領域のアドレスを上位側にずらし(S307)、さらに、普通図柄カウンタ値記憶領域の最上位のアドレスに格納されていたデータ(普通図柄当り乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)値)を空(「0」)にして(S308)、この普通図柄乱数シフト処理(S123)から抜ける。
これにより、普通図柄カウンタ値記憶領域に格納されている普通図柄当り乱数カウンタ値と対応した普通図柄判定権利を1つ消化して、それ以外にも1つ又は複数の普通図柄判定権利分の普通図柄当り乱数カウンタ値が普通図柄カウンタ値記憶領域に格納されている場合には、それら普通図柄当り乱数カウンタ値の格納位置が1つずつ消化される側にずらされる。このようにして、普通図柄判定権利が古い順(先に発生した順)に消化されていく。
図11に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S123)に次いで、普通図柄変動開始処理(S124)を行い、選択された普通図柄変動パターンに従って普通図柄表示部18Dが変動される。このとき、普通動作ステータスは「2」にセットされる。以上が普通図柄待機処理(S161)の説明である。
図10に示した普通動作処理(S16)において普通図柄変動処理(S163)を実行すると、図14に示すように、普通図柄表示部18Dにおいて変動時間が経過したか否かが判別され(S130)、変動時間が経過していなかったら(S130でno)、直ちにこの処理(S163)から抜け、変動時間が経過していれば(S130でyes)、変動停止コマンドをセットし(S131)、普通動作ステータスを「3」にセットして(S132)から、その他の処理を行って(S133)、この普通図柄変動中処理(S163)を抜ける。
図10に示した普通動作処理(S16)において、普通図柄確定処理(S165)を実行すると、図15に示すように、普通当りフラグがONしているか否かが判別される(S220)。そして、普通当りフラグがONしていない場合(S220でno)には、普通動作ステータスを「1」にセットして(S226)、この普通図柄確定処理(S165)を抜ける。また、普通当りフラグがONしている場合(S220でyes)には、確変状態又は時短状態か判断し(S221)、確変状態又は時短状態であった場合に(S221でyes)、確変、時短中の仕様で下始動入賞口14Bの可動翼14C,14Cを開放する特殊開放動作コマンド(1.5秒間開く開放動作が3回)をセットする(S223)。一方、確変中又は時短中でなかった場合(S221でno)、即ち、通常状態の場合、通常の仕様で下始動入賞口14Bの可動翼14C,14Cを開放する通常開放動作コマンド(0.5秒間開く開放動作が1回)をセットする(S224)。そして、ステップ223又はステップ224に続いて、普通動作ステータスを「4」にセットして(S225)、この普通図柄確定処理(S165)を抜ける。
図10に示した普通動作処理(S16)において普通電動役物(電サポ)作動処理(S166)を実行すると、図16に示すように、普通当り終了フラグがONしているか否かが判別される(S230)。この普通当り終了フラグは、数秒間に亘る可動翼14C,14Cの開放動作が終了しているか否かを判別するためのものであって、普通当り終了フラグがONしている場合は(S230でyes)、可動翼14C,14Cの開放動作の終了が確認済みであることを意味し、この場合には、普通当り終了フラグをOFFし(S240)、普通当りフラグをOFFし(S241)、さらに、普通動作ステータスを「1」にセットして(S242)、この処理(S166)を抜ける。
一方、普通当り終了フラグがONしていない場合(S230でno)、即ち、可動翼14C,14Cの開放動作の途中である場合には、下始動入賞口14Bの可動翼14C,14Cが開放している状態(電サポ)か否かをチェックする(S231)。そして、下始動入賞口14Bの可動翼14C,14Cが開放している状態であった場合(S231でyes)には、可動翼14C,14Cの開放動作を開始してから予め定められた下始動口閉鎖時間が経過したか否かをチェックし(S234)、下始動口閉鎖時間が経過していない場合(S234でno)には、何もせずにこの処理(S166)を抜ける。そして、下始動口閉鎖時間が経過している場合(S234でyes)には、可動翼14C,14Cを閉じて下始動入賞口14Bを閉鎖し(S235)、開放カウンタを1ディクリメントする(S236)。
この開放カウンタは、可動翼14C,14Cの開放回数をカウントするためのものであって、確変状態又は時短状態で普通図柄カウンタ値が当りの場合の可動翼14C,14Cの開放パターンでは、可動翼14C,14Cが開く開放動作が3回繰り返されるので、可動翼14C,14Cが3回開放されると開放カウンタが「0」になり、通常状態で普通図柄カウンタ値が当りの場合の可動翼14C,14Cの開放パターンでは、可動翼14C,14Cが開く開放動作が1回行われるので、可動翼14C,14Cが1回開放されると開放カウンタが「0」になる。
そして、開放カウンタが「0」になった場合(S237でyes)、可動翼14C,14Cの開放動作が終了したものと判断し、普通当り終了処理(S238)を行い、普通当り終了フラグをONにセットして(S239)、この普通電動役物(電サポ)処理(S166)を抜ける。一方、開放カウンタが「0」でなかった場合(S237でno)、何もせずにこの処理(S166)を抜ける。
普通当り終了フラグがONしておらず(S230でno)、下始動入賞口14Bの可動翼14C,14Cが開放していない場合(S231でno)には、下始動入賞口14Bの開放時間かどうか判断する(S232)。そして、開放時間中であった場合(S232でyes)には、可動翼14C,14Cを駆動して下始動入賞口14Bを開放して(S233)、この処理(S166)を抜ける。そして、下始動入賞口14Bの開放時間中でない場合(S232でno)には、何もせずにこの処理(S166)を抜ける。
以上が、図10に示した普通動作処理(S16)の説明である。この普通動作処理(S16)によって、所定条件が成立した場合には、可動翼14C,14Cが開閉動作を行っている状態(電サポ)になる。なお、普通図柄表示部18Dで表示する普通図柄は、複数のランプを点滅させて組み合わせてもよいし、数字やアルファベット、記号等でもよい。
図7に示すように、普通動作処理(S16)に次いで、特別動作処理(S17)を行う。特別動作処理(S17)は、特図表示部14Dの表示及び大入賞口15の可動扉15Tを制御するための処理である。なお、主制御基板50は、以下説明する特別動作処理(S17)によって、サブ制御基板55及び表示制御基板52を介して表示装置13を間接的に制御する。
この特別動作処理(S17)は、図17に示されており、普通動作処理(S16)と同様に、表示装置13の表示状態を5つの状態に場合分け、それら各状態を「特別動作ステータス1,2,3,4,5」に割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合に(S171でyes)、特別図柄待機処理(S172)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合に(S171でno,S173でyes)、特別図柄変動中処理(S174)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合に(S171,S173で共にno、S175でyes)、特別図柄確定処理(S176)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合に(S171,S173,S175でno、S177でyes)、特別電動役物処理(大当り)(S178)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合に(S171,S173,S175,S177でno)、特別電動役物処理(小当り)(S179)を行う。
図17に示した特別動作処理(S17)において、特別図柄待機処理(S172)を実行すると、図18に示すように、上始動入賞口14A及び下始動入賞口14Bの保留球数(即ち特別図柄の保留球数)が「0」か否かがチェックされる(S202)。特別図柄の保留球数が「0」である場合(S202でyes)、即ち、上始動入賞口14A及び下始動入賞口14Bへの入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、表示画面34の表示が待機画面であるか否かがチェックされる(S208)。そして、待機画面中である場合(S208でyes)には、直ちにこの処理(S172)を抜ける。一方、待機画面中でない場合(S208でno)には、待機画面設定処理(S209)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。
そして、特別図柄の保留球数が「0」ではない場合(S202でno)、即ち、上始動入賞口14A又は下始動入賞口14Bの入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、以下に説明する、特別図柄大当り判定処理(S203)、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン選択処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われ、この処理(S172)を抜ける。
特別図柄大当り判定処理(S203)は、可変遊技の実行の可否を判定する。また、この特別図柄大当り判定処理(S203)を実行することで、CPU51Aが本発明の「当否判定手段」として機能する。詳細には、図19に示すように、まず、判定値として、RAM51Bの最下位に保留記憶された各種乱数値がロードされて、当該保留にかかわる大当り・小当り判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S310)。次に、大当り判定値テーブルのアドレスをセットし(S311)、これにより、通常状態における大当り設定値として例えば「3」,「397」が設定され、確変状態における大当り設定値として例えば、「3」,「33」,「53」,「59」,「81」,「87」,「105」,「113」,「157」,「173」,「227」,「249」,「281」,「337」,「397」,「423」,「449」,「503」,「571」,「629」が設定され、小当り設定値として例えば、「70」〜「72」が設定される。
次いで、確変状態(確変フラグがON)か否かをチェックし(S312)、確変状態である場合(S312でyes)には、大当り・小当り判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が確変状態における大当り設定値「3」,「33」,「53」,「59」,「81」,「87」,「105」,「113」,「157」,「173」,「227」,「249」,「281」,「337」,「397」,「423」,「449」,「503」,「571」,「629」の何れかと一致したか否かに基づいて、大当りか否かが判定される(S315)。一方、通常状態である場合(S312でno)には、大当り・小当り判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が通常状態における大当り設定値「3」,「397」と一致したか否かに基づいて、大当りか否かが判定される(S313)。
ここで、大当り・小当り判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)は、前記したように0〜629の範囲で変化するので(表2参照)、大当り判定が当りになる確率は、通常状態では2/629であるのに対し、確変状態では、20/629に変化することになる。そして、何れの場合も「大当りである」と判定された場合(S313でyes、S315でyes)には、RAM51Bに格納された大当りフラグがONされる(S314)。
また、「大当りではない」と判定された場合(S313でno及びS315でno)には、次いで、大当り・小当り判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)が小当り設定値「70」〜「72」の何れかと一致したか否かに基づいて、小当りか否かが判定される(S316,S318)。そして、「小当りである」と判定された場合(S316でyes及びS318でyes)には、RAM51Bに格納された小当りフラグがONされ(S317,S319)、「小当りではない」と判定された場合(S313でno及びS315でno)には、この処理(S203)を抜ける。
図18に示すように、特別図柄大当り判定処理(S203)に次いで、特別図柄選択処理(S204)が実行される。特別図柄選択処理(S204)は、図20に示されており、大当りフラグがONか判断する(S320)。大当りフラグがONの場合には(S320でyes)、ロードした大当り図柄(種別)決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)「0」〜「99」に基づき、特図表示部14Dの停止用図柄に大当り図柄をセーブする(S321)。詳細には、図42の特別図柄組合せ表に示すように、本実施例では「A」〜「J」のアルファベットと、「0」〜「9」の数字の組合せの100通りがあり、「通常15R当り」となる図柄が50通り、「確変15R当り」となる図柄が20通り、「特殊15R当り」となる図柄が10通り、「2R当り」となる図柄が20通りに分類されている。0〜99までの大当り図柄(種別)決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)に基づいて選択される。
そして、大当りフラグがONでない場合(S320でno)には、小当りフラグがONか判断する(S322)。小当りフラグがセットされている場合(S322でyes)には、特図表示部14Dの停止用図柄に小当り図柄「−1」をセーブする(S323)。また、小当りフラグがONでない場合(S322でno)には、特図表示部14Dの停止用図柄に外れ図柄「−−」をセーブする(S324)。
図18に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、特別図柄変動パターン選択処理(S205)が実行される。特別図柄変動パターン選択処理(S205)は、図21及び図22に示されており、最初に、遊技状態が通常状態(確変フラグがOFF)か否かが判別される(S330)。通常状態であると判断された場合(S330でyes)には、続いて時短中かが判定され(S331)、時短中であると判断されると(S331でyes)時短カウンタが1ディクリメントされる(S332)。そして、時短カウンタが0かどうか判定され(S333)、時短カウンタが0であれば(S333でyes)時短フラグがOFFされる(S334)。
ステップ334に続いて、また、ステップ331で時短中でないと判断された場合(S331でno)、及び、ステップ333で時短カウンタが0でない場合(S333でno)には、大当りフラグがONしているか否かが判別される(S335)。そして、大当りフラグがONの場合(S335でyes)、ロードされた大当り図柄(種別)決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)の値に基づいて、2R当りか否かが判断される(S336)。
本実施例では、図42に示すように、大当り図柄(種別)決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)の値が、例えば「50」,「54」,「55」,「59」,「60」,「64」,「65」,「69」,「70」,「74」,「75」,「79」,「80」,「84」,「85」,「89」,「90」,「94」,「95」,「99」と一致すると、大当り種別は「2R当り」として設定されている。
2R当りだった場合(S336でyes)、図41に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「2R当り」の欄から、変動態様決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)の値に基づいて、変動パターン11,12,13の何れかを選択し(S337)、ステップ357へジャンプする。なお、変動パターンテーブルでは、変動態様決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)「0」〜「250」が、変動パターンに割り振られている。この表では、251個ある変動態様選択カウンタ値のうち、171個が変動パターン11に割り振られ、残りの80個のうち、40個ずつ変動パターン12又は変動パターン13に割り振られている。
一方、2R当りでなかった場合(S336でno)、続いて、大当り図柄(種別)決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)の値に基づいて、特殊15R当りか否かが判断される(S338)。
本実施例では、図42に示すように、大当り図柄(種別)決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)の値が、例えば「52」,「57」,「62」,「67」,「72」,「77」,「82」,「87」,「92」,「97」と一致すると、大当り種別は「特殊15R当り」として設定されている。
特殊15R当りだった場合(S338でyes)、図41に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「特殊15R当り」の欄から、変動態様決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)の値に基づいて、変動パターン11,12,13の何れかを選択し(S339)、ステップ357へジャンプする。
そして、特殊15R当りでなかった場合(S338でno)、即ち、普通15R当り(通常15R当り又は確変15R当り)の場合、図41に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「普通15R当り」の欄から、変動態様決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)の値に基づいて、変動パターン4〜10の何れかを選択し(S340)、ステップ357へジャンプする。
一方、ステップ335において、大当りフラグがONでない場合(S335でno)には、小当りフラグがONか否かが判断される(S341)。小当りフラグがONの場合(S341でyes)は、図41に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「小当り」の欄から、変動態様決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)の値に基づいて、変動パターン11,12,13の何れかを選択し(S345)、ステップ357へジャンプする。
小当りフラグがONでない場合(S341でno)は、リーチ有無決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数値であるかが判断される(S342)。リーチ成立乱数値は、例えば、「5」、「17」、「28」、「40」、「51」、「63」、「74」、「86」、「97」、「109」、「120」とする。
リーチ成立の場合(S342でyes)は、図41に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「リーチ有外れ」の欄から、変動態様決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)の値に基づいて、変動パターン4,5,6の何れかを選択し(S343)、ステップ357へジャンプする。一方、リーチ成立でない場合(S342でno)は、図41に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「通常」の「リーチ無外れ」の欄から、変動態様決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)の値に基づいて、変動パターン1,2,3の何れかを選択し(S344)、ステップ357へジャンプする。
また、ステップ330において、遊技状態が通常状態でない(確変状態である)と判断された場合(S330でno)には、上記したステップ335〜S345と同様の手順で、図22に示すステップ346〜S356が実行される。なお、ステップ346〜S356では、図41に示す変動パターンテーブルのうち、遊技状態が「確変」の欄から変動態様決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)の値に基づいて変動パターンを選択し、ステップ357へジャンプする。
そして、特別図柄変動パターン選択処理(S205)において、変動パターンが選択されたら、その他の処理(S357)を行ってこの処理(S205)を抜ける。なお、その他の処理(S357)では、選択された変動パターンに応じた変動パターンコマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。これにより、上記した出力処理(S10)でRAM51Bの出力バッファにセットされた「変動パターンコマンド」が、サブ制御基板55に出力される。
図18に示すように、特別図柄変動パターン選択処理(S205)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われる。この処理(S206)は図23に示されており、最初に、特別図柄の保留球数(RAM51Bの特別図柄の保留数記憶領域の数値)が1ディクリメントされる(S325)。次いで、各種カウンタ値の格納場所が、1つ下位側にシフトされる(S326)。そして、最上位の各アドレス空間に「0」をセット(即ち特別図柄保留4個目にあたるRAM領域を0クリア)して(S327)、この処理(S206)を抜ける。
図18に示すように、特別図柄乱数シフト処理(S206)に次いで行われる特別図柄変動開始設定(S207)では、特別動作ステータスを「2」に設定すると共に、特別図柄選択処理、特別図柄変動パターン作成処理等で決定された特別図柄の変動データ並びにそれらに基づく変動開始信号をセットするなど、その他特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。以上が特別図柄待機処理(S172)の説明である。
図17に示した特別動作処理(S17)において特別図柄変動中処理(S174)を実行すると、図24に示すように、変動時間のタイマを確認することで現在変動中の特別図柄の動作終了時間(図41に示す変動パターンに応じた変動時間)を経過したか否かがチェックされ(S261)、経過していない場合(S261でno)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて装飾図柄13A,13B,13Cの変動表示を続行する。一方、変動パターンに応じて設定された変動時間に亘って装飾図柄13A,13B,13Cの変動表示が行われた場合(S261でyes)には、変動表示中の装飾図柄13A,13B,13Cを停止表示させる変動停止テーブルのアドレスをセットして(S262)、データ格納処理を行い(S263)、特別動作ステータスを「3」に設定し(S264)、その他の処理(S265)を行ってから、この処理(S174)を抜ける。なお、その他の処理(S265)では、当否結果に応じたOPコマンド(普通15R当り、特殊15R当り、2R当り、小当り)をRAM51Bの出力バッファにセットする。これにより、上記した出力処理(S10)でRAM51Bの出力バッファにセットされた「OPコマンド」が、サブ制御基板55に出力される。なお、OPコマンドによって、「OP表示」が開始される。
図17に示した特別動作処理(S17)において特別図柄確定処理(S176)を実行すると、図25に示すように、最初に大当りフラグがONしているか否か(大当りか否か)がチェックされる(S270)。ここで、大当りフラグがONしている場合(S270でyes)には、大当りの種別に応じた特別電動役物の動作カウンタ並びにラウンドカウンタのテーブルがセットされる(S271〜S275)。即ち、普通15R当り又は特殊15R当りの場合ラウンドカウンタとして「15」がセットされ、2R当りの場合ラウンドカウンタとして「2」がセットされる。そして、特別動作ステータスを「4」にセットする(S276)。
一方、大当りフラグがONでない場合(S270でno)、小当りフラグがONか否かが判断され(S277)、小当りフラグがONの場合(S277でyes)、ラウンドカウンタとして「1」がセットされる(S278)。そして、特別動作ステータスを「5」にセットする(S279)。一方、小当りフラグもONでない場合(S277でno)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S280)、この処理(S176)を抜ける。
図17に示した特別動作処理(S17)において特別電動役物処理(大当り)(S178)を実行すると、図26に示すように、確変フラグ及び時短フラグをリセットし(S281)、その後大当り終了フラグがONか否かがチェックされる(S282)。大当り終了フラグがONではない場合(S282でno)、即ち、可変遊技の実行中である場合には、開放フラグに基づいて、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S283)。
大入賞口15が開放されていなかった場合(S283でno)には、大入賞口開放時間か否か、つまり、大当り動作カウンタが0かどうかの判断を行う(S284)。そして、大当り動作カウンタが0で無い場合(S284でno)大当り動作カウンタを−1して、大当り動作カウンタが0である場合(S284でyes)後述の大入賞口開放処理(S285)を行い、この処理(S178)を抜ける。なお、大当り動作カウンタは、ラウンド間のいわゆるインターバルとなるもので、次回のラウンドの大入賞口15の開放開始までの時間(2秒)を計るカウンタである。
大入賞口開放処理(S285)は、図27に示すように、当りの種別に応じて、図40に示す開閉パターンテーブルから、現在のラウンドカウンタに対応する「開放秒数」、「開放回数」及び「開放ステータス」がセットされる(S360〜S364)。これにより、上記した出力処理(S10)でRAM51Bの出力バッファにセットされたラウンドコマンドが、サブ制御基板55に出力される。なお、大入賞口15の開放回数が一のラウンド内で複数ある場合(例えば、特殊15R当りや小当り)は、開放ステータスの値に基づいて各開放時の開放時間がセットされる。
そして、ソレノイド15Sが励磁されて大入賞口15を開放する(S365)。即ち、可変遊技の開始又は前回のラウンドが終了してから所定時間が経過すると、可動扉15Tが閉位置から開位置に移動して大入賞口15が開放される。
一方、特別電動役物処理(大当り)(S178)において、大入賞口15が開放中(開放フラグがON)である場合(S283でyes)には、大入賞口15に遊技球が規定数入賞したかが判断される(S286)。規定数入賞した場合(S286でyes)は、当該ラウンドを終了させるため開放回数を0に設定すると共に大入賞口15の閉鎖を行い(S290)、ステップ291へジャンプする。一方、大入賞口15に遊技球が規定数入賞していない場合(S286でno)は、上記した大入賞口開放処理(S285)にてセットされた開放ステータスに対応した大入賞口開放終了時間(図40に示す開閉パターンテーブルを参照)となったかが判断される(S287)。そして、大入賞口開放終了時間でない場合(S287でno)は、この処理(S178)を終了する一方、大入賞口開放終了時間となった場合(S287でyes)は、大入賞口閉鎖処理を行い(S288)、開放回数を1減算し(S289)、ステップ291へジャンプする。なお、大入賞口開放終了時間となったことがラウンド終了時間とはなってはいない。
ここで、特殊15R当り及び小当りの可変遊技では、大入賞口15が、1つのラウンド内で複数回開閉するが、規定数の入賞数に達したときは、最大開放数まで開放されずに当該ラウンドが終了する場合がある。そのため、常に大入賞口15を最大開放数分開放させるために、ラウンドの終了条件を予め設定した例えば29.5秒や2.4秒等の所定の時間のみとしてもよい。
そして、ステップ291において、開放回数が0かどうか判断し(S291)、0でない場合(S291でno)はこの処理(S178)を終了する一方、0になった場合(S291でyes)は、ラウンドカウンタを1減算し(S292)、ラウンドカウンタが0でなければ(S293でno)、この処理(S178)を終了する。ラウンドカウンタが0になった場合(S293でyes)には、大当り終了処理(S294)を行う。大当り終了処理(S294)では、保留記憶領域内に記憶されている大当り・小当り判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を大当り終了コマンドとともにサブ制御基板55に送信し、大当り終了カウンタ(大当りが終了してから、次回図柄が変動開始するまでの時間を計るカウンタ本実施例では2秒)をセットする。そして、大当り終了フラグをセットして(S295)、この処理(S178)を抜ける。
また、ステップ282において、大当り終了フラグがONの場合(S282でyes)、大当り終了フラグをOFFし(S296)、大当りフラグをOFFし(S297)、大当り図柄(種別)決定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)が確変当りの組合せか否かが判断する(S298)。確変の場合は(S298でyes)、確変フラグをONし(S299)、確変でない場合は(S298でno)時短フラグをONするとともに時短カウンタに100をセットする(S227)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットし(S228)、この処理(S178)を抜ける。以上が特別電動役物処理(大当り)(S178)の説明である。
図17に示した特別動作処理(S17)において特別電動役物処理(小当り)(S179)を実行すると、図28に示すように、まず、小当り終了フラグがONか否かがチェックされる(S370)。小当り終了フラグがONでない場合(S370でno)には、開放フラグに基づいて、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S371)。
大入賞口15が開放されていなかった場合(S371でno)には、大入賞口開放時間か否か、つまり、大当り動作カウンタが0かどうかの判断を行う(S372)。そして、大当り動作カウンタが0で無い場合(S372でno)大当り動作カウンタを−1して、大当り動作カウンタが0である場合(S372でyes)、大入賞口開放処理(小当り)(S373)を行い、この処理(S179)を抜ける。
大入賞口開放処理(小当り)(S373)では、図40に示す開閉パターンテーブルの開閉パターン4から、現在のラウンドカウンタに対応する「開放秒数」、「開放回数」及び「開放ステータス」をセットする。これにより、上記した出力処理(S10)でRAM51Bの出力バッファにセットされたラウンドコマンドが、サブ制御基板55に出力される。そして、大入賞口15を開放する。
大入賞口15が開放中(開放フラグがON)である場合(S371でyes)には、大入賞口15に遊技球が規定数入賞したかが判断される(S374)。規定数入賞した場合(S374でyes)は、当該ラウンドを終了させるため開放回数を0に設定すると共に大入賞口15の閉鎖を行い(S378)、ステップ379へジャンプする。一方、大入賞口15に遊技球が規定数入賞していない場合(S374でno)は、前述の大入賞口開放処理(小当り)(S373)にてセットされた開放ステータスに対応した大入賞口開放終了時間(図40に示す開閉パターンテーブルを参照)となったかが判断される(S375)。そして、大入賞口開放終了時間でない場合(S375でno)は、この処理(S179)を終了する一方、大入賞口開放終了時間となった場合(S375でyes)は、大入賞口閉鎖処理を行い(S376)、開放回数を1減算し(S377)、ステップ379へジャンプする。
ステップ379において、開放回数が0かどうか判断し(S379)、0でない場合(S379でno)はこの処理(S179)を終了する一方、0になった場合(S379でyes)は、ラウンドカウンタを1減算し(S380)、ラウンドカウンタが0でなければ(S381でno)、この処理(S179)を終了する。ラウンドカウンタが0になった場合には(S381でyes)、小当り終了処理を行う(S382)。小当り終了処理では、保留記憶領域内に記憶されている大当り・小当り判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を小当り終了コマンドとともにサブ制御基板に送信し、小当り終了カウンタ(小当りが終了してから、次回図柄が変動開始するまでの時間を計るカウンタ本実施例では2秒)をセットする。そして、小当り終了フラグをセットして(S383)、この処理(S179)を抜ける。
ステップ370において、小当り終了フラグがONの場合(S370でyes)、小当り終了フラグをOFFし(S384)、小当りフラグをOFFし(S385)、特別動作ステータスを「1」にセットし(S386)、この処理(S179)を抜ける。以上が特別電動役物処理(小当り)(S179)の説明であり、特別動作処理(S17)の説明である。この特別動作処理(S17)によって、所定条件が成立した場合には、可動扉15Tが開閉動作を行っている可変遊技状態になる。なお、特図表示部14Dで表示する特別図柄は、複数のランプを点滅させて組み合わせてもよい。
図7に示すように主制御回路割り込み処理(S5)では、特別動作処理(S17)に次いで保留球数処理(S18)が行われる。この処理(S18)は、図29に示されており、RAM51Bに記憶されたカウンタ値群の組数から保留球数を読み取り(S180)、その保留球数のデータを保留コマンドとして、RAM51Bの出力バッファにセットする(S181)。
図7に示すように主制御回路割り込み処理(S5)では、保留球処理(S18)に次いで電源断監視処理(S19)が行われる。この処理(S19)は、図30に示されており、電源断信号が入力したか判断され(S190)、入力していなければ(S190でno)この電源断監視処理(S19)が終了する。一方、電源断信号が入力している場合(S190でyes)には、現在のデータ(状態)が前記主制御基板50のRAM51Bに記憶され(S191)、次いで電源断フラグがONにされ(S192)、その後ループ処理が行われる。
主制御回路割り込み処理(S5)では、電源断監視処理(S19)に次いで、表示制御処理(S20)が行われる。この処理(S20)は、普通図柄表示部18D及び特図表示部14Dで、普通図柄及び特別図柄を表示させるための処理を行う。
主制御回路割り込み処理(S5)では、表示制御処理(S20)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S21)を実行して、主制御回路割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図6に示すように、次にCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップ2〜S4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、主制御回路割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、主制御回路割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行された主制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が主制御回路メインプログラムPG1の説明である。
さて、サブ制御基板55(図3参照)に備えられたRAM55Bの記憶領域も、主制御基板50におけるRAM51Bの記憶領域と同様に、複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間で構成されたカウンタ値記憶領域が、下記表3に示した各種の乱数カウンタのデータ格納部として設けられている。また、このアドレス空間は、乱数カウンタの更新領域以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。なお、フラグは、全てデフォルトは「OFF(オフ)」又は「0」になっている。
サブ制御基板55のCPU55Aは、前述したように図31に示したサブ制御回路メインプログラムPG2をランしている。そのサブ制御回路メインプログラムPG2をランすると、CPU初期化処理(S50)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU55Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。また、電源基板58に電源を投入すると、電源基板58から電源断信号がサブ制御基板55に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM55Bの内容が正常であるか判断する(S51)。正常であれば(S51でyes)次に進み、正常でなければ(S51でno)、RAM55Bを初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S52)。なお、このステップ50,S51及びS52は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップ50,S51及びS52を終えると、乱数シード更新処理(S53)を、所定周期で無限に繰り返して行う。乱数シード更新処理(S53)が実行されるたびに、上記表3における「乱数カウンタ名」の各カウンタが、同表における「数値範囲」の連続した複数個の整数からなるカウンタ値を、1ずつインクリメントしてカウントし、逐次、そのカウント結果、即ち、「カウンタ値」が、前記RAM55Bのアドレス空間における所定のカウンタ値記憶領域に格納される。また、各乱数カウンタのカウント結果が、各乱数カウンタによって異なる「数値範囲」の最大値まで達したら、次に「数値範囲」の最小値をカウントする。
乱数シード更新(S53)の無限ループに対して、受信割り込み処理(S54)、2msタイマ割り込み処理(S55)、10msタイマ割り込み処理(S56)、が割り込んで実行される。その受信割り込み処理(S54)は、サブ制御基板55が主制御基板50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S55,S56)より優先して実行される。受信割り込み処理(S54)が実行されると、図32に示すように、ストローブ信号の入力を確認してから(S510でyes)、上記した主制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)でサブ制御基板55に送信される制御データ、例えば、変動パターンコマンド、OPコマンド、ラウンドコマンド等を取り込み、RAM55Bの記憶領域に設けた入力信号一次記憶領域に格納する(S511)。また、上始動入賞口14A,下始動入賞口14Bに遊技球が入賞した場合にも主制御基板50からサブ制御基板55に制御信号が送信される。すると、上始動入賞口14A,下始動入賞口14Bが遊技球に入賞する度に、表3に示した各種カウンタ値群がRAM55Bのカウンタ値記憶領域に格納(記憶)される。また、カウンタ値記憶領域には、前述した4つの特図保留球に対応して、乱数値群が格納(記憶)されるようになっている。
2msタイマ割り込み処理(S55)は、図33に示されており、サブ制御基板55に2ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S55)では、後述する10msタイマ割り込み処理(S56)で作成したデータを表示制御基板52や、ランプ中継基板57等に出力する出力処理を実行する(S550)。そして、操作ジョグ90の押下判定や、モータの原点検知判定を行う入力処理を実行する(S551)。
10msタイマ割り込み処理(S56)は、図34に示されており、サブ制御基板55に10ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S56)では、まず、スイッチ状態取得処理(S560)を実行し、2msタイマ割り込み処理(S55)の入力処理(S551)で検知したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理(S56)用のスイッチデータとして格納する。続いて、客待ち演出などの一定間隔で行う演出の設定を行うループシナリオ設定処理(S561)を実行する。
続いて、遅延時間監視処理(S562)を実行する。この遅延時間監視処理(S562)は、後述するコマンド監視処理(S563)にて遅延フラグ及び遅延時間が設定されていた場合に、主制御基板50から送信されたラウンドコマンドに対して、表示制御基板52にラウンドコマンドを送信するタイミングを遅延させる。具体的には、図35に示すように、まず遅延フラグがONかが判断され(S600)、遅延フラグがONの場合(S600でyes)、遅延時間が0より大きいかが判断される(S601)。そして、遅延フラグがONでない場合(S600でno)及び、遅延時間が残っていない場合(S601でno)は、ステップ605へジャンプする。
一方、遅延時間がまだ残っている場合(S601でyes)には、遅延時間を1減算し(S602)、遅延時間が0になったかが判断される(S603)。そして遅延時間がまだ残っている場合(S603でno)には、この処理(S562)を終了し、遅延時間が0になった場合(S603でyes)は、ラウンドコマンドを送信し(S604)、ステップ605へ進む。ステップ605において、遅延フラグをOFFし、この処理(S562)を終了する。
この遅延時間監視処理(S562)によって、遅延フラグが設定され、かつ遅延時間が設定されていた場合、即ち、特殊15R当りの場合には、セットされた遅延時間が0になって初めて、サブ制御基板55から表示制御基板52に対してラウンドコマンドが送信される(サブ制御基板55が表示制御基板52に対してラウンドコマンドの送信を遅延させている)。これにより、特殊15R当りでは、可変遊技の開始後、遅延時間が経過するまでは、表示装置13において、1R目が開始しているにも関わらず、OP表示が表示された状態が続くようになっている。なお、主制御基板50からサブ制御基板55に対しては、可変遊技の開始時にラウンドコマンドが送信されている。
図34の10msタイマ割り込み処理(S56)において、遅延時間監視処理(S562)に次いで、コマンド監視処理(S563)が実行される。この処理(S563)は、受信割り込み処理(S54)でサブ制御基板55が主制御基板50等の他の基板から受信割り込み処理で受信してバッファに蓄えられたコマンドの全てに対して解析処理、及び動作の設定を行い、それぞれの制御基板に対して送信するコマンドを作成する。
具体的には、図36に示されており、まず、受信したコマンドが大当りに関するコマンド(OPコマンド、ラウンドコマンド、大当り終了コマンド)であるか否かが判断される(S610)。大当りに関するコマンドであると判断されると(S610でyes)、続いて、特殊15R当りのOPコマンドであるか判断され(S611)、特殊15R当りのOPコマンドである場合(S611でyes)には、遅延フラグがONされて(S612)、この処理(S563)を抜ける。一方、特殊15R当りのOPコマンドでない場合(S611でno)は、続いて、2R当りのOPコマンドであるかが判断される(S613)。2R当りのOPコマンドである場合(S613でyes)には、ラウンド無視フラグがONされて(S614)、この処理(S563)を抜ける。また、2R当りOPコマンドではない場合(S613でno)は、小当りのOPコマンドであるかが判断される(S615)。小当りのOPコマンドである場合(S615でyes)には、ラウンド無視フラグがONされて(S616)、この処理(S563)を抜ける。
そして、小当りのOPコマンドではない場合(S615でno)には、特定ラウンド(本実施例の場合は1R目)のラウンドコマンドであるかが判断される(S617)。特定ラウンドのラウンドコマンドである場合(S617でyes)は、遅延フラグがONか判断され(S618)、遅延フラグがONの場合(S618でyes)には、遅延時間(本実施例では4.4秒)がセットされて(S619)、この処理(S563)を抜ける。一方、遅延フラグがONでない場合(S618でno)は、ラウンド無視フラグがONであるかが判断される(S620)。ラウンド無視フラグがONである場合(S620でyes)は、そのままこの処理(S563)を終了し、ラウンド無視フラグがONでない場合(S620でno)は、ラウンドコマンドの送信設定を行い(S621)、この処理(S563)を終了する。
また、ステップ617において、特定ラウンドのラウンドコマンドでない場合(S617でno)は、大当り終了コマンドかが判断され(S622)、大当り終了コマンドである場合(S622でyes)は、遅延時間、遅延フラグ、ラウンド無視フラグを全て初期化し(S623)、大当り終了コマンドでない場合(S622でno)は、表示制御基板52により行われるラウンド表示用コマンドのセット等の大当りに関するその他の設定(特殊15R当り以外の15R当りのOPコマンドや特定ラウンド以外のラウンドコマンドに基づく)が行われ(S624)、この処理(S563)を終了する。
一方、ステップ610において、大当りに関するコマンドでない場合(S610でno)は、変動に関するコマンド(大当り図柄、変動パターンコマンド等)であるかが判断される(S625)。変動に関するコマンドである場合(S625でyes)は、後述の装飾図柄抽選処理(S626)を行った後、変動に関するその他の設定(表示制御基板52により行われる変動パターンに基づいた装飾図柄の変動表示用のコマンドのセット等)が行われて(S627)、この処理(S563)を終了する。また、大当りに関するコマンドでも変動に関するコマンドでもない場合(S625でno)には、その他の設定(客待ち待機画面の表示用コマンドのセットや保留球数表示のための設定等)を行い(S628)、この処理(S563)を終了する。
以上が、図36に示したコマンド監視処理(S563)の説明である。このコマンド監視処理(S563)によって、特殊15R当りの可変遊技の場合は、可変遊技開始前に遅延フラグがONされ、1R目に遅延時間がセットされる。これにより、1R目は、遅延時間が経過してからサブ制御基板55から表示制御基板52へとラウンドコマンドが送信され、それ以外のラウンドではラウンドの開始時(即ち、主制御基板50からサブ制御基板55に対してラウンドコマンドが送信された時)にサブ制御基板55から表示制御基板52へとラウンドコマンドが送信される。
また、2R当り及び小当りの可変遊技の場合は、可変遊技開始前にラウンド無視フラグがONされて、サブ制御基板55から表示制御基板52へとラウンドコマンドが送信されない。そして、普通15R当りの場合には、ラウンドの開始時(即ち、主制御基板50からサブ制御基板55に対してラウンドコマンドが送信された時)にサブ制御基板55から表示制御基板52へとラウンドコマンドが送信される。
装飾図柄抽選処理(S626)は、図37に示すように、まず普通15R当りであるか否かが判断される(S630)。普通15R当りである場合(S630でyes)は、通常15R当りかが判断され(S631)、通常15R当りである場合(S631でyes)は、上記表3の左装飾図柄用(通常当り時)カウンタ値(ラベル−TRND−SUB−B4)から左装飾図柄を抽選し、抽選結果に基づいて中装飾図柄及び右装飾図柄を左装飾図柄として偶数図柄のぞろ目をセットして(S632)、この処理(S626)を抜ける。そして、通常15R当りでない場合、即ち、確変15R当りの場合(S631でno)には、上記表3の左装飾図柄用(確変当り時)カウンタ値(ラベル−TRND−SUB−B5)から左装飾図柄を抽選し、同様の手順で奇数図柄のぞろ目をセットして(S633)、この処理(S626)を抜ける。
一方、普通15R当りでない場合(S630でno)、特殊15R当り、2R当り、小当りであれば(S634,S635,S636でyes)、左装飾図柄に1、中装飾図柄に3、右装飾図柄に5(チャンス目)をセットして(S637)、この処理(S626)を抜ける。
そして、特殊15R当り、2R当り、小当りでもない、即ち、外れの場合(S634,S635,S636でno)はリーチか否かが判断され(S638)、リーチの場合(S638でyes)には、上記表3の左装飾図柄用(外れ時)カウンタ値(ラベル−TRND−SUB−B1)を左装飾図柄とし、同じ図柄を右装飾図柄としてセットし(S639)、左装飾図柄に1加算したものを中装飾図柄としてセットして(S640)、この処理(S626)を抜ける。リーチでない場合(S638でno)は、上記表3の左装飾図柄用(外れ時)カウンタ(ラベル−TRND−SUB−B1)値、中装飾図柄用(外れ時)カウンタ(ラベル−TRND−SUB−B2)値、右装飾図柄用(外れ時)カウンタ(ラベル−TRND−SUB−B3)値をそれぞれの装飾図柄としてセットして(S641)、この処理(S626)を抜ける。但し、ここで、装飾図柄の組み合わせが「135」となった場合(S642でyes)は、特殊15R当り、2R当り、小当りの場合と同じになるのを避けるため、右装飾図柄が1加算される(S643)。
なお、左装飾図柄用(外れ時)カウンタ値(ラベル−TRND−SUB−B1)は、電源投入時に0からスタートし、乱数シード更新処理(S53)で1加算される。但し、このカウンタが9までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。そして、中装飾図柄用(外れ時)カウンタ値(ラベル−TRND−SUB−B2)は、電源投入時に0からスタートし、左装飾図柄用(外れ時)カウンタ値(ラベル−TRND−SUB−B1)が0に戻る毎に1加算される。但し、このカウンタが9までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。また、右装飾図柄用(外れ時)カウンタ値(ラベル−TRND−SUB−B3)は、電源投入時に0からスタートし、中装飾図柄用(外れ時)カウンタ値(ラベル−TRND−SUB−B2)が0でない時に1加算される。但し、このカウンタが9までいくと再び0に戻って加算を繰り返す。このように更新されるので、外れの場合には、ぞろ目にならないようになっている。
図34の10msタイマ割り込み処理(S56)において、コマンド監視処理(S563)に次いで、ランプ処理(S564)が実行され、出力するランプデータの作成及び演出時間の管理を行う。
ランプ処理(S564)に次いで、SW処理(S565)が実行され、スイッチ状態取得処理(S560)で格納したデータをもとに、スイッチ有効時間の管理及び動作の設定を行う。
SW処理(S565)に次いで、上記説明した各処理においてサブ制御基板55のRAM55Bに設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、対応するランプ中継基板57及び表示制御基板52等に送信するコマンド送信処理(S566)を実行する。そして、10msタイマ割り込み処理(S56)から抜ける。
そして、図31に示すように、2msec毎に2msタイマ割り込み処理(S55)、10msec毎に10msタイマ割り込み処理(S56)が実行され、その間にCPU55Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS53の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因に受信割り込み処理(S54)が実行される。以上がサブ制御回路メインプログラムPG2の説明である。
なお、表示制御基板52(図3参照)も、主制御基板50、サブ制御基板55と同様に、処理を行っている。図38には、表示制御回路割り込み処理(S20)が示されている。まず、サブ制御基板55から送信されたコマンドを受信するコマンド受信処理(S100)が実行される。続いて、表示制御回路コマンド監視処理(S101)が実行される。この処理(S101)は、コマンド受信処理(S100)で表示制御基板52がサブ制御基板55から受信してバッファに蓄えられたコマンドの全てに対して解析処理を行い、表示データをセットする。
具体的には、図39に示すように、まず、受信したコマンドがOPコマンドであるか否かが判断する(S110)。OPコマンドであれば(S110でyes)、OP表示データをセットして(S111)、この処理(S101)を抜ける。一方、OPコマンドでなければ(S110でno)、続いて、ラウンドコマンドであるか判断する(S112)。そして、ラウンドコマンドであれば(S112でyes)、ラウンド表示データをセットして(S113)、この処理(S101)を抜ける。そして、ラウンドコマンドでなければ(S112でno)、その他の表示データをセットして(S114)、この処理(S101)を抜ける。
図38の表示制御回路割り込み処理(S20)において、表示制御回路コマンド監視処理(S101)に次いで、データ出力処理(S102)が実行される。そして、その他の処理(S103)が実行されて、この処理(S20)を抜ける。
以上が表示制御回路割り込み処理(S20)の説明である。この表示制御回路割り込み処理(S20)によって、サブ制御基板55からコマンドを受信したタイミングで、表示制御基板52が表示装置13の表示画面34の演出画像を切り替える。従って、普通15R当りでは、OP表示開始後、各ラウンドの開始と共にサブ制御基板55からラウンドコマンドが送信されるので、各ラウンドでラウンド表示を行い、特殊15R当りでは、OP表示開始後、1R目のラウンド開始から4.4秒後にサブ制御基板55からラウンドコマンドが送信されるので、1R目の開始後4.4秒間はOP表示を継続して行ってからラウンド表示に切り替える。また、2R当り、小当りの可変遊技では、サブ制御基板55からラウンドコマンドが送信されないためラウンド表示を行わずにOP表示を継続して行うことになる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態において、特殊15R当りの可変遊技における初回ラウンドのラウンド表示の開始タイミング(即ち、遅延時間の設定)は、2R当り及び小当りの可変遊技の初回ラウンドの実行後から当該ラウンドが終了するまでの間で適宜設定可能である。例えば、図43のタイミングチャート2に示すように、ラウンド表示の開始タイミングを、特殊15R当りの可変遊技の開始から最初の小利益期間における最後の短期開放動作の終了時点(即ち、OP表示開始から4.7秒後)とし、ラウンド表示が開始されて10秒後に、大入賞口15の3回目の開放(長期開放動作)を行うようにしてもよい。この場合、大入賞口15は17.1秒後に閉鎖されて、特殊15R当りの1R目が終了する。これにより、小利益期間中の大入賞口15が開放した状態から閉じた直後に、表示画面34にてラウンド表示が開始されるか否かで、特殊15R当りの可変遊技であるか否かが判明するので、大入賞口15が開いてから特殊15R当りの可変遊技が開始されると思って見ていた遊技者を驚かせて楽しませることができる。また、ラウンド表示の開始から3回目の開放まで10秒間あるため、ラウンド表示が開始しているのにも拘わらず大入賞口15が開放されない状態を創出して大入賞口15が開放することで遊技者に驚きを与えることができる。
(2)前記第1実施形態の特殊15R当りにおいて、小利益期間の最後の短期開放動作を長期開放動作に変えてもよい。これにより、小利益期間中に短期開放動作が行われ、次に行われる開放動作も短期開放動作であると遊技者の気を緩ませた状態にして、その短期開放動作が実は長期開放動作であったという驚きを遊技者に付与することができる。また、前記第1実施形態では2R当り又は小当りの小利益期間中に、大入賞口15が開放している途中で(大入賞口が閉じて短期開放動作が終了すると思った時に)、表示画面34に表示される表示内容が、ラウンド表示に切り替わるので、遊技者を驚かせて楽しませることができる。
具体的には、前記第1実施形態において、例えば、図44のタイミングチャート3に示すように、1R目の大入賞口15の2回目の開放を、27.3秒間開放するようにして、2R当り及び小当りの可変遊技における2回目の短期開放動作の大入賞口15が閉じる直前(OP表示開始から約4.7秒)までを模倣するように構成してもよい。ここで、さらに、ラウンド表示の開始タイミングを、特殊15R当りの2回目の開放と同時に行ってもよい。これにより、2回目の開放により2R当りもしくは小当りと予期している遊技者に対して早めに驚きを与えることができる。
(3)前記第1実施形態において、INT期間には、INT期間専用のINT表示を表示するように構成していたが、前のラウンドのラウンド表示が表示されるように構成してもよい。
(4)前記第1実施形態において、遊技者から遊技球の流下が視認困難となるような前立てを大入賞口15の上方の遊技領域YRに設け、前立ての背面側に大入賞口15に遊技球が入賞不可能となるようにブロックする入賞排除部材を設けて、遊技者から見た場合は大入賞口15の開閉動作は変わらないが、短期開放動作が行われる小利益期間には、入賞排除部材によって大入賞口15をブロックするようにしてもよい。また、前立てを設けない場合には、入賞排除部材を透明な部材で形成し、遊技者からの視認が困難となるように小利益期間の間もしくは短期開放動作期間の間だけ遊技盤11の前面へ突出させて大入賞口15への入賞を不可能としてもよい。なお、本発明の「可変入賞口」は、大入賞口15に限られず、開状態と閉状態とに切り替え可能であれば、始動入賞口14Bや他の入賞口であってもよい。
本実施例における当りをまとめると次のようになる。通常遊技状態は大入賞口15が閉鎖された状態となるため、遊技者は大入賞口15への遊技球の入賞に基づき付与される賞球を獲得することは不可能であり、無益状態である。15R当りでは、次回大当りまで大当り確率が向上される確変が付与される確変15R当り及び特殊15R当りは、通常15R当りよりも多くの賞球が遊技者に付与される当りである。さらに、2R大当りと小当りでは、確変が付与される2R当りの方が遊技者に付与される賞球は多くなる可能性が高い。また、2R当り及び小当りの場合は、大入賞口15の開放秒数が非常に短いため、1球でも入賞すれば通常時よりも獲得賞球が多くなるが、1球も入賞しない事態が高確率で起きるため、通常時よりも多くの賞球を獲得することが不可能な場合がある。従って、本実施例において遊技者が獲得可能な賞球数(利益)の大小は、通常時≦小当り≦2R当り<通常15R当り<特殊15R当り<確変15R当りとなる。
なお、本実施例では、2R当りの場合は確変が付与されるように構成されているが、時短のみが付与されるように構成してもよいし、確変も時短も付与されずに小当りと同じように構成してもよい。
なお、上述のように可変遊技実行時に遊技球が入賞不可能な構成とした場合でも、小当りや確変及び時短なしの2R当りの場合と比べて遊技者が獲得可能な利益は実質的に変わらないため、当りの本質が削がれることはない。