JP4999138B2 - 射出成形で高い寸法安定性と高い加工性を示すポリエチレン - Google Patents

射出成形で高い寸法安定性と高い加工性を示すポリエチレン Download PDF

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Description

本発明は、メタロセンを用いて作られた(metallocene−produced)ポリエチレンから射出成形で作られた向上した寸法安定性、向上した加工性、向上した感覚受容性(organoleptic)および機械的特性を有する製品に関する。
高密度ポリエチレン、例えばSolvayが商業名Eltex(商標)4020の下で販売していて射出成形で用いられる高密度ポリエチレンなどの製造は、一般に、チーグラー・ナッタ触媒を用いて行われる。このような樹脂から作られた製品が示す寸法安定性は非常に劣っていることから加工性が限定される。そのような欠点を克服する目的で今までに採用された解決法はいずれもあまり満足されるものでなかった:
− ポリエチレン樹脂の分子量を低くすると寸法安定性が良好になりかつ加工性も向上するが、機械的特性が犠牲になる。
− また、ポリプロピレン樹脂が示す寸法安定性も良好ではあるが、低温における耐衝撃性が受け入れられない。
従って、そのような欠点を克服するであろう樹脂が求められている。
本発明の目的は、収縮の度合が低い射出成形用ポリエチレン樹脂を提供することにある。
本発明の別の目的は、反り(warpage)の度合が低い射出成形用ポリエチレン樹脂を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、耐衝撃性が高い射出成形用ポリエチレン樹脂を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、加工が容易で良好な機械的特性を有する射出成形用ポリエチレン樹脂を提供することにある。
本発明の目的は、また、良好な感覚受容特性を有するポリエチレン樹脂を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、優れた反撥弾性(resiliency)を示すポリエチレン樹脂を提供することにある。
従って、本発明は、ビス−インデニルメタロセン触媒系を用いて作られたポリエチレン(PE)樹脂で本質的に構成されていて射出成形で製造された製品、好適には単層製品を提供するものである。
本発明で用いるポリエチレンは0.910から0.980g/cm、好適には0.945から0.960g/cm、最も好適には0.947から0.960g/cmの範囲の密度を有しかつ0.5から2000g/10分、好適には0.5から400g/10分、より好適には0.5から200g/分、最も好適には0.5から50g/10分のメルトフローインデックス(melt flow index)を示す。
本明細書では、前記ポリエチレンの密度を標準試験ASTM D 1505の手順を用いて23℃で測定する。
メルトインデックスMI2の測定では、標準試験ASTM D 1238の手順を用い、MI2では2.16kgの荷重下およびHLMIでは21.6kgの荷重下で測定を190℃で行う。
前記ポリエチレン(PE)の製造で好適に用いるメタロセンは、一般式:
I. R”(Ind)MQ
[式中、(Ind)は、インデニルもしくは水添インデニルであり、これは置換されているか或は置換されておらず、R”は、2個のインデニルの間に位置していて立体剛性を与える構造ブリッジ(structural bridge)であり、これにはC−Cアルキレン基、ジアルキルゲルマニウムもしくはケイ素またはシロキサン、またはアルキルホスフィンもしくはアミン基が含まれ、このブリッジは置換されているか或は置換されておらず、Qは、炭素原子数が1から20のヒドロカルビル基またはハロゲンであり、そしてMは、IVb族の遷移金属またはバナジウムである]
で表されるビス−インデニルである。
各インデニル化合物は、シクロペンタジエニル環、シクロヘキセニル環およびブリッジの中の1つ以上の位置が同じ様式もしくは互いに異なる様式で置換されていてもよい。
各置換基は、独立して、式XR[式中、Xは、IVA族、酸素および窒素から選択され、各Rは、同一もしくは異なり、水素または炭素原子数が1から20のヒドロカルビルから選択され、そしてv+1はXの原子価である]で表される置換基から選択可能である。Xは好適にはCである。前記シクロペンタジエニル環が置換されている場合、それの置換基は、金属Mに配位するオレフィン単量体の配位に影響を与えるほどかさ高くあるべきではない。前記シクロペンタジエニル環に置換基Rとして好適には水素またはCHを持たせる。より好適には少なくとも一方、最も好適には両方のシクロペンタジエニル環とも置換されていない状態である。
特に好適な態様では、両方のインデニルとも水添インデニルである。より好適には、それらは置換されていない状態である。
R”は、好適にはC−Cアルキレン基(本明細書でこれを用いる場合、二官能基を記述する目的で用い、またアルキリデンとも呼ばれる)、最も好適にはエチレンブリッジ(本明細書でこれを用いる場合、二官能基を記述する目的で用い、またエチリデンとも呼ばれる)であり、これは置換されているか或は置換されていない。
金属Mは、好適にはジルコニウム、ハフニウムまたはチタン、最も好適にはジルコニウムである。
各Qは、同一もしくは異なり、炭素原子数が1から20のヒドロカルビルもしくはヒドロカルボキシ基またはハロゲンであってもよい。適切なヒドロカルビルにはアリール、アルキル、アルケニル、アルキルアリールまたはアリールアルキルが含まれる。各Qは好適にはハロゲンである。
本発明で用いる好適なメタロセンの中で、例えばWO 96/35729に開示されている如きビステトラヒドロ−インデニル化合物およびビスインデニル化合物を挙げることができる。最も好適なメタロセン触媒はエチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドである。
そのようなメタロセンを本技術分野で公知の任意方法に従って支持型(supported)にしてもよい。それを支持型にする場合、本発明で用いる支持体は如何なる有機もしくは無機固体、特に多孔質支持体、例えばタルク、無機酸化物および樹脂状支持体材料、例えばポリオレフィンなどであってもよい。そのような支持体材料は好適には微細形態の無機酸化物である。
そのような支持体に、この支持体と反応しかつイオン化作用を有する作用剤を加えると、活性部位が作り出される。
好適には、アルモキサン(alumoxane)を重合手順中に用いて触媒をイオン化させるが、本技術分野で公知の如何なるアルモキサンも適する。
好適なアルモキサンは、オリゴマー状の線状アルモキサンの場合には式:
Figure 0004999138
で表されそしてオリゴマー状の環状アルモキサンの場合には式:
Figure 0004999138
で表されるオリゴマー状の線状および/または環状アルキルアルモキサンを含んで成り、ここで、nは1−40、好適には10−20であり、mは3−40、好適には3−20であり、そしてRはC−Cアルキル基、好適にはメチルである。
好適にはメチルアルモキサンを用いる。
反応槽に入れる共触媒(cocatalyst)として1種以上のアルミニウムアルキルを用いることも可能である。そのようなアルミニウムアルキルは式AlR[式中、各Rは、同一もしくは異なり、ハライド、または炭素原子数が1から12のアルコキシもしくはアルキル基から選択され、そしてxは1から3である]で表される。特に適切なアルミニウムアルキルはトリアルキルアルミニウムであり、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)が最も好適である。
その上、そのような触媒を反応ゾーンの中に導入する前そして/または反応槽の中の反応条件を安定にする前にそれを前以て重合させておいてもよい。
前記メタロセンを用いて作られたポリエチレンの重合は気相、溶液またはスラリー相中で実施可能である。高密度ポリエチレンを製造しようとする時にはスラリー重合を好適に用いる。重合温度を20から125℃、好適には60から95℃の範囲にし、そして圧力を0.1から5.6MPa、好適には2から4MPaの範囲にして、時間を10分から4時間、好適には1から2.5時間の範囲にする。
この重合を準定常状態条件下で実施しようとする時には連続単一ループ反応槽(continuous single loop reactor)を好適に用いる。
水素を重合中に添加することで平均分子量を調節する。重合反応槽に導入する水素とオレフィンの相対量は、存在させる水素とオレフィンの総量を基準にして、水素が0.001から15モルパーセントでオレフィンが99.999から85モルパーセント、好適には水素が0.2から3モルパーセントでオレフィンが99.8から97モルパーセントである。
反応槽に注入する共重合用単量体の量を用いてポリエチレンの密度を調節するが、使用可能な共重合用単量体の例には、1−オレフィン、典型的にはC3からC20のオレフィンが含まれ、とりわけプロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、4−メチル−ペンテンが好適であり、ヘキセンが最も好適である。
本発明では本技術分野で公知の如何なる射出機も使用可能であり、例えばENGEL 125T、Stork 330T、Netstal Synergy 100Tなどを用いてもよい。あらゆる種類の鋳型が使用可能であり、例えば試験用部品、バケツ、かご(crates)、蓋または薄壁部品用鋳型などを用いてもよい。
本発明に従って製造した製品は加工性が良好でありかつ収縮および反り(warpage)の度合が非常に低いことを特徴とする。
ポリエチレンの構造は主に重合で用いる触媒系の影響を受け、そして前記構造は最終製品の特性の原因となる。ジ(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド触媒を用いると約2.5の狭い分子量分布を示す線状ポリエチレン樹脂がもたらされ、チーグラー・ナッタ触媒を用いると5の桁のより幅広い分子量分布を示す線状ポリエチレン樹脂がもたらされそしてテトラヒドロ−インデニル触媒を用いると長鎖分枝を多い量で有しかつ2.8の桁の狭い分子量分布を示すポリエチレンがもたらされることを観察した。
分子量分布(MWD)は多分散指数Dで完全に定義され、これは数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比率、即ちMw/Mnである。
ダウレオロジカルインデックス(Dow Rheological Index)(DRI)は長鎖分枝の量の尺度を与えるものである。長鎖分枝の量はDRI値が低ければ低いほど少ない。本発明では、本明細書の以下に記述するCrossレオロジーモデルを用いてHDPEのレオロジー的動的分析(Rheological Dynamic Analysis)(RDA)曲線に適合させることでDRIを測定する。
RDA方法を用いて動的レオロジー(dynamic rheology)を測定する。これは、往復運動を伴って回転する互いに平行な2枚のプレートの間に位置させた材料の流れに対する抵抗の尺度である。この装置には、正弦変形(sinusoidal deformation)をサンプルに伝達するモーターが含まれている。次に、そのサンプルが結果として生じた拘束(constraints)を伝達するが、前記結果として生じた拘束もまた正弦形である。調査を受けさせるべき材料は固体であり、これを2つのつなぎ止め地点(anchoring points)の間に取り付けるか、或はそれを前記2枚のプレートの間で溶融させてもよい。ダイナミックレオメーター(dynamic rheometer)を用いて、当該材料の弾性率と粘弾性率(viscous modulus)の両方を同時に測定することができる。実際、その結果として生じた正弦拘束はかけられた変形を基準にして位相角(phase angle)δだけ押しやられ、その結果として生じた正弦を数学的に下記に分解することができる:
− 初期変形によって位相に生じる1番目の正弦[これは当該材料の弾性成分に相当する。前記成分はエネルギーを保存する]。
− 前記初期変形を基準にしてπ/2の位相角だけ押しやられる2番目の正弦[これは粘性成分に相当する。前記成分はエネルギーを熱に逸散させる]。
前記初期変形は式
γ=γsin(ωt)
[式中、ωは振動数である]
で表される。
従って、結果として生じた拘束は形態
τ=τsin(ωt+δ)
で表される。
複素弾性率(complex modulus)は式
G=τ/γ
で表される。
前記複素弾性率は弾性率G’と粘弾性率G”に分解可能であり、それらは、それぞれ、
G’=Gcos(δ)
および
G”=Gsin(δ)
として定義される。
複素粘性率(complex viscosity)はG/ωとして定義される。
温度を一定にしかつ変形振幅(deformation amplitude)を一定にすると、いろいろなω値に関してG’およびG”を測定することができる。この測定を下記の操作条件下で実施した:
− 190℃の一定操作温度、
− 平行なプレートを1.5mm離す、
− 最大変形を10%に維持。
弾性成分G’と粘性成分G”を振動数ωの関数としてグラフにすることができる。弾性曲線と粘度曲線の間の交差点[クロスオーバー点(cross−over point)(COP)と呼ぶ]は振動数ωと粘性成分Gで特徴づけられる。このクロスオーバー点は各重合体に特徴的であり、分子量と分子量分布の関数である。
S LaiおよびG.W.Knightは、実質的に線状である(substantially linear)エチレン重合体のレオロジー的挙動を特徴付ける目的で新しいレオロジー的測定、即ちダウレオロジーインデックス(DRI)を紹介し、これは、重合体が「長鎖分枝の結果として示す弛緩時間(relaxation time)を正規化した値」を表す[ANTEC ’93 Proceedings、InsiteTM Technology Polyolefins(ITP)−New Rules in the Structure/Rheology Relationship of Ethylene &−Orefin Copolymers、New Orleans、La.、1993年5月]。S.Lai他[Antec ’94,Dow Rheology Index(DRI)for InsiteTM Technology Polyolefins(ITP): Unique Structure−Processing Relationships、1814−1815頁]は、長鎖分枝が重合体バックボーンの中に組み込まれているITP[ダウのインサイトテクノロジーによるポリオレフィン(Dow’s Insite Technology Polyolefins)]であるとして知られているエチレン−オクテン共重合体が示すレオロジー(rheology)が長鎖分枝(LCB)を全く持たないとして報告されている通常の線状均一ポリオレフィン(linear homogeneous polyolefins)が示す流動性から逸脱している度合であるとしてDRIを定義しており、これは、下記の正規化した式:
DRI=(365000(t/η)−1)/10
[式中、tは、当該材料が示す特徴的な弛緩時間であり、そしてηは、当該材料が示すゼロせん断粘度(zero shear viscosity)である]
で表される。このDRIの計算では、米国特許第6,114,486号に記述されているように、下記の一般化したCross式、即ち
η=η/(1+(σ・t
[式中、nは、当該材料が示す指数則インデックス(power law index)であり、ηおよびσは、それぞれ、測定粘度および測定せん断速度データである]
を用いて、レオロジー曲線(振動数に対比させた複素粘性率)の最小自乗適合(least squares fit)で計算を行う。この動的レオロジー分析を190℃で実施しそして反りの大きさを10%にした。結果をASTM D 4440に従って報告する。ダウレオロジカルインデックスの値が低いことは、長鎖分枝(LCB)の量が少ないか或は存在しないことの指標である。分子量分布が等しい時、LCBの含有量はDRIの上昇に伴って高くなる。DRI値が1より高いことはLCBの濃度が高いことを示している。また、LCBの濃度が高いとそれに伴って動的レオロジーで示されるように弾性成分が大きいことも知られている。
本出願人は、テトラヒドロ−インデニル触媒系を用いて重合させたポリエチレン樹脂は実質的に向上した寸法安定性と加工性を示す射出成形品をもたらすことを見いだした。そのような注目すべき挙動は、テトラヒドロ−インデニル触媒系を用いて重合させたPE樹脂には長鎖分枝が多量に存在することと関連している。
本発明に従って調製した射出成形品は、高い寸法安定性が要求される製品、例えばキャップおよび栓(closures)、蓋または工業部品などの製造、または良好な加工性が要求される製品、例えば薄壁包装材などの製造で使用可能である。加工における利点はあらゆる用途の生産性における利点に相当する。
いろいろな触媒系を用いて製造したいくつかのPE樹脂に試験を受けさせた。
樹脂R1からR3およびR13の重合では、本発明に従ってエチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド(THI)を用いた。
樹脂R4からR6は、通常のチーグラー・ナッタ触媒(ZN)を用いて製造された比較樹脂である。
樹脂R7からR9およびR14は、ジ(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド触媒(n−butyl)を用いて製造された比較樹脂である。
樹脂R10は、BPが名称Rigidex(商標)6070の下で販売している標準の市販HDPE樹脂である。
樹脂R11およびR15は、ATOFINAがそれぞれ名称Lacqtene(商標)2070ML60および2110MN50の下で販売している標準の市販HDPE樹脂である。
R12は、Solvayが名称Eltex(商標)4090の下で販売している標準の市販HDPE樹脂である。
前記樹脂の特性を表Iに要約する。
Figure 0004999138
前記サンプルの調製で用いた射出成形機はENGEL 125Tであった。
いろいろな特性を測定する目的で数種の鋳型を用いた:
− 反りの測定では盤を用いた;
− 収縮の測定ではマルチゲート鋳型(multi−gate moulds)および長い長方形鋳型を用いた;
− 衝撃の測定では正方形プラーク鋳型(square plaque moulds)を用いた。
これらの鋳型の特徴は下記の通りである。
盤型鋳型
これは直径が180mmで厚みが3mmの単一空洞鋳型であり、中心のスプルーゲート(sprue gate)の直径は8mmである。
マルチゲート鋳型
この鋳型の寸法は115x110x3mmであり、これは下記の可能なゲートをいくつか有する:
− 幅が110mmで厚みが1mmのファンゲート(ゲート3)
− 幅が25mmで厚みが1mmのセミ−ファン(semi−fan)ゲート(ゲート2)
− 幅が8mmで厚みが1mmのセミ−ファンゲート(ゲート1)。
長い長方形鋳型
− この鋳型の寸法は250x70x3mmでありそしてセミ−ファンゲートの幅は10mmで厚みは1.5mmである。
正方形プラーク鋳型
− この鋳型の寸法は60.95x60.95x2mmでありそしてファンゲートの幅は60.95mmで厚みは1mmである。
加工条件は下記の通りであった。
長い長方形鋳型のプログラムでは、処理を受けさせるあらゆるサンプル(樹脂R3、R6およびR9)に関して、溶融物の温度を200℃にし、鋳型の温度を40℃にし、射出速度を30mm/秒にし、保持圧力を430バール(HP)または270バール(LP)にし、保持時間を15秒にし、そして冷却時間を30秒にした。
マルチゲート鋳型のプログラムでは、処理を受けさせるあらゆるサンプル(樹脂R3、R6およびR9)および選択したあらゆるゲート(ゲート1およびゲート3)に関して、溶融物の温度を200℃にし、鋳型の温度を40℃にし、射出速度を25mm/秒にし、保持圧力を560バール(HP)または320バール(LP)にし、保持時間を25秒にし、そして冷却時間を25秒にした。
盤型鋳型のプログラムでは、処理を受けさせるあらゆるサンプル(樹脂R3、R6およびR9)に関して、溶融物の温度を200℃にし、鋳型の温度を40℃にし、射出速度を30mm/秒にし、保持圧力を160バールから800バールに変化し、保持時間を30秒にし、そして冷却時間を20秒にした。
耐衝撃性および寸法安定性(収縮率と反りの度合で定義)を測定する。
耐衝撃性の測定では、標準試験ISO 6603−02の方法に従い、−20℃および23℃(室温)の温度で測定を行った。延性または脆性を延性指数(DI)で記述し、これを
DI=(Etotal−Epeak)/Etotal
として定義し、ここで、Etotalは、落下する重りの曲線下の全面積[衝撃力の関数としての全転位(total displacement)に相当]を表し、そしてEpeakは、最大力に至るまでの落下する重りの曲線下の面積[衝撃力の関数としての転位に相当]を表す。DI値が小さいことは挙動が脆性であることに関係する一方、DI値が大きいことは挙動が延性であることに相当する。射出プログラムの実験デザインを統計学的に解析することで得たグローバルパレトダイアグラム(global Pareto diagram)から、延性指数は主に樹脂の密度に左右されると結論付けた。これはまた重合で用いた触媒系にも依存する。
成形収縮率(mould shrinkage factors)の測定では、成形品の寸法がその成形品を冷却した時にどれくらい小さくなるかを記録することで測定を行う。その小さくなった寸法を実際の鋳型から取った基準寸法と比較し、そして次に、収縮パーセントを決定する。収縮率の測定を縦方向および横方向の両方でゲートからの距離の関数として行う。
下記のいろいろな鋳型を用いて調製した製品に関して測定を実施した:
− それぞれ幅が10mmのゲートであるゲート1と幅が110mmのゲートであるゲート3が備わっている115x110x3mmのマルチゲート鋳型;
− 250x70x3mmの長い長方形鋳型。
測定を縦方向および横方向で実施し、保持圧力をマルチゲート鋳型の場合にはそれぞれ560および320バールにしそして長い長方形鋳型の場合には保持圧力をそれぞれ430および270バールにした。
正方形プラークを射出成形して1週間後に収縮率の測定を実施した。この正方形の板自身を正方形グリッド(grid)に細分した。グリッド要素間の寸法測定を長さ、幅および厚みに関して射出ゲート(injection gate)の中心として限定される源からのいろいろな距離の所で行った。精度が20ミクロンのキャリパ(caliper)を用いて縦方向および横方向の距離を測定した。
フロー収縮率(flow shrinkage)の結果を%で表し、それらを表IIおよび図1から6に示す。
Figure 0004999138
このような結果から、テトラヒドロ−インデニル触媒系を用いて調製した本発明に従う樹脂が示す縦方向収縮度合は有意に向上していてポリプロピレン樹脂のそれに匹敵し得ると結論付けることができる。本発明に従う樹脂が横方向に示す収縮度合は本技術分野で一般的に用いられているチーグラー・ナッタ触媒を用いて作られた樹脂のそれと一致し、n−butyl触媒系を用いて作られた樹脂のそれよりもずっと良好であった。
射出成形で製造された製品が示す反りの度合を下記の如く得る。試験を受けさせる製品は中心ゲートを有する射出成形盤である。圧力は中心ゲート近くの所が高く、盤(disc)中心部からの距離の関数として降下する。その結果として、盤の中心部近くに詰め込まれる重合体材料の方が多く、その結果として、盤中心部の所の収縮率の方が縁の所のそれよりも低い。収縮率が均一でないとこれは反りの原因になる。
座屈変形(buckling deformations)に関して主に下記の3種類が文献に記述されている:
− サドル様反り;
− ボウル様反り;
− 周囲に3周期を伴う波。
この試験で観察した反りはサドル様である。あらゆる射出成形サンプルに関して測定を下記の如く実施した:
− 1週間後;
− 6カ月後;および
− 6カ月後に80℃のオーブンに一晩入れる再熱処理を受けさせた後。
変形は周囲の所に生じる準対称的二重波であることを観察した。また、反りは保持圧力を高くするにつれて低下することも観察した。一般式:
反り=A・exp(−α・HP)
で表される指数関数曲線を用いて最大座屈振幅(maximum buckling amplitude)を保持圧力の関数として適合させることができ、ここで、HPは保持圧力であり、そしてAおよびαは、当該樹脂の構造的特徴に依存する定数である。
更に、時間の経過に伴って反りの原因となる残存応力が低下することから座屈の度合が射出成形後の時間の関数として小さくなることも観察した。しかしながら、このような反りの改善は非常に遅い。熱による再処理を行うと内部応力が更に低下し、従って、反りが更に低下する。
反りの結果をmmで表し、これを図7および表IIIに要約する。
Figure 0004999138
Cross流動モデルを用いたRDA曲線適合でゼロせん断粘度を測定した。いろいろな樹脂が示す分子量の関数としてPa.sで表すゼロせん断粘度のlog/logプロットは、THIが基になった樹脂の分子構造は射出成形分野で一般的に用いられる他の樹脂のそれとは異なることを示している(図8)。ゼロせん断粘度は
η∝ Mwβ
で描写可能であり、ここで、Mwは重量平均分子量であり、そしてβは、当該樹脂の分子構造に特徴的な係数である。線形構造を有する樹脂が示すβ係数は約3.5である一方、THIはβ係数が約8であることを特徴とし、これは、長鎖分枝の指標である。長鎖分枝は本発明に従う射出成形品が例外的な寸法安定性を示す一因である。
また、いくつかの樹脂がバケツ、かご、キャップおよび栓そして薄壁包装材の製造に関して示す加工性の試験も行った。
樹脂R13(THI)、R14(n−butyl)およびR15(チーグラー・ナッタ)にバケツに関する試験を受けさせた。ポリプロピレン(PP)用空洞鋳型が1個備わっている330トンのStork機を用いてバケツを製造した。この選択した鋳型はPP用として設計されていることから、前記空洞部を適切に満たすに必要な射出成形条件は、溶融物の温度が高いこと、鋳型の温度が高いこと、背圧が高いこと、そしてスクリュー滞留時間(screw residence time)が長いことを要求する。いくつかの材料が到達した最大機械条件は下記の通りであった:
− バレル温度:350℃
− 射出圧力:165バール
− 型締力:330トン。
比較の目的で、ATOFINAが名称PPC7760の下で販売していてこの分野で一般的に用いられている標準ポリプロピレン樹脂(PP)にもまたバケツの製造に関する試験を受けさせた。
その結果を表IVに示す。
Figure 0004999138
いろいろなポリエチレン樹脂を用いて得た加工性の結果を比較することで、THI触媒成分を用いて調製した樹脂R13が最良の挙動を示すと言った結論を引き出すことができる、即ちそれが示した溶融物温度は低く、310℃であり、切り替え点(switch over point)が39.8mmであることで示されるように射出圧力によって空洞部が良好に満たされ、かつスクリュー滞留時間、即ち冷却時間は短く、12秒である。
前記バケツに耐圧縮衝撃性および寸法安定性に関する試験を受けさせた。
標準試験ASTM D 2659−95の方法に従い、Zwick引張り試験機を25mm/分の速度で用いて、圧縮強度の測定を行った。その結果を表Vに要約する。
Figure 0004999138
THIを用いて調製した樹脂およびn−butylを用いて調製した樹脂が示した圧縮強度は密度がより低いにも拘らずZ−Nを用いて作られたそれに類似していることを観察した。
UN標準および標準試験ASTM 2463−95が基になった内部方法(internal method)を用いて落下試験を下記の如く実施した:バケツに水を95%満たしそして条件付けを−18℃で48時間受けさせた後、特定の高さHの縁からから45゜で落下させた。階段方法を用いた、即ち1組の試験片をいろいろな高さから落下させ、最後の試験片で得た結果に応じて落下高さを高くするか或は低くした。最後の試験片が壊れた場合には落下高さを低くし、そしてその逆も行った。高さの増分を300mmに設定し、出発高さを予備試験で限定した。式:
50=H+d・(A/N±0.5)
に従って平均破損高さ(H50)を計算した。ここで、dは落下高さの増分であり、Nは破損の数または非破損の数の中のどちらか小さい方の数であり、Hは、Nの中のいずれか一方が起こった時の最低高さであり、そしてAは、

A=Σi・n
i=0
として定義され、ここで、iはランニングインデックス(running index)であり、これは、大きさの累加的位数(progressive order of magnitude)で表す試験高さhを示し、そしてnは、レベルiにおける破損または非破損の中のいずれか関係のある数である。記号+は非破損に関係し、そして記号−は破損に関係する。
その結果を表VIに要約する。
Figure 0004999138
加うるに、本発明に従う樹脂では衝撃後の回復が瞬時で優れていることも観察した。
寸法安定性の評価を目で見た観察で実施した。THIが基になった樹脂R13を用いて調製した試験片では底部分に波を全く観察しなかった。
異なる5種類の樹脂に650トンのEngel機を用いたビアクレイト(bier crates)の製造に関する加工性の試験を受けさせた。その結果を表VIIに示す。
Figure 0004999138
n−butylを用いて製造された2種類の樹脂ではこれらの一方はかなり高いMI2を示すという事実にも拘らず空洞部が適切に満たされるようにする目的で射出圧力レベルを非常に高くする必要があることが分かるであろう。このように圧力が高いとフラッシング(flashing)が起こる、即ち鋳型が開放されることで完成かごにぎざぎざが生じてしまう。THIが基になった樹脂の場合には射出圧力がより低くかつフローナンバー(flow number)も低く、従って、本分野で一般的に用いられる市販のZ−N樹脂であるR11よりも加工性が良好であった。THIが基になった樹脂を用いて製造したかごが示した機械的特性は樹脂R11を用いて製造したそれに類似していた。
32個の空洞部を有する鋳型が備わっている200トンのBMB機を用いて、THI触媒成分を用いて製造したいくつかの樹脂からキャップと栓を製造した。本分野で一般的に用いられる高密度ポリエチレン樹脂である標準Solvay(Eltex 4020)およびSamsung(420A)に比べて加工時間が短くなることを観察し、加工時間が同じ条件下で3.85秒から3.6秒にまで短縮された。また、本発明に従う樹脂は良好な耐圧または短時間抵抗(short term resistance)も示しかつ示す収縮度合(これが起こるとキャップの収縮度合がより大きくなってしまう)も非常に僅かであり、かつ寸法安定性も優れており、その結果として、最終製品が同じ場合にサイクル時間が短くなり得ることも観察した。それらはまた反りが取り除かれた後の回復も良好であり、ボトル充填ラインで非常に高い有益性を示しかつ優れた感覚受容特性も示す。
感覚受容特性はポリエチレン樹脂の中に含まれている残存揮発性炭化水素の量で特徴づけられる。これの測定では下記の3段階を包含する動的上部空隙分析(dynamic head space analysis)方法に従って測定を行った:
− 熱脱離(thermal desorption);
− 再濃縮
− クロマトグラフィーカラムへの導入。
サンプルを既知量でオーブンに入れて、それに熱による脱離を150℃の温度で受けさせた。ヘリウムの流れを用いて揮発物を追い出して、液体窒素で−40℃に冷却しておいた2,6−ジフェニル−p−フェニレンのカートリッジに吸収させた。次に、揮発物で満たされたカートリッジを240℃の温度に加熱して、揮発物をクロマトグラフィーカラムの中に注入して、それを炎イオン化検出器で検出した。高純度の既知生成物を用いて得ておいた標準クロマトグラムと比較することでそれらの性質を決定した。1−ヘキセンを標準として用いて基準直線を確立することを通して、それらの量を測定した。その目的で、1−ヘキセンをn−デカンに入れることで生じさせたいくつかの検量溶液を用いた。
THIを用いて製造した2種類の樹脂が示した残存揮発物量はそれぞれ130ppmおよび189ppmであったが、チーグラー・ナッタ触媒を用いて作られた2種類の樹脂が示した残存揮発物量はそれぞれ304ppmおよび593ppmであった。
本発明の樹脂にまた感覚受容特性に関する評価をパネルテスト(panel test)でも受けさせ、それらは肯定的な結果を得た。
直径に対する長さの比率L/Dが20で直径Dが32mmの高溶融用スクリュー(high melt screw)が用いられている100トンのNestal射出成形機を用いて薄壁容器を調製した。いろいろな触媒系を用いて作られそして/またはいろいろなメルトインデックスを示す6種類の樹脂に試験を受けさせた。その結果を表VIIIに示す。
Figure 0004999138
樹脂が示すメルトフローインデックスが類似している場合にはTHI触媒成分を用いて製造した樹脂の方がチーグラー・ナッタ触媒成分を用いて作られた樹脂の場合よりもサイクル時間が実質的に短いと結論付けることができる。同様に、異なる2種類の樹脂、即ち一方のTHI触媒成分を用いて作られた低いメルトフローインデックス(7g/10分)を示す樹脂およびもう一方のチーグラー・ナッタ触媒成分を用いて作られた高いメルトフローインデックス(14.7g/10分)を示す樹脂で観察したサイクル時間は同じであった。n−butyl触媒成分を用いて作られた樹脂の場合にはそれで鋳型を満たすのは不可能であった。
結論として、THIが基になった樹脂は優れた加工性を示すことでサイクル時間の短縮をもたらしかつそれらは機械的特性の優れた均衡を示した。従って、それらは薄壁包装材分野の新規な用途で用いるに非常に適する。また、高い寸法安定性を示すことから、補強された構造を有する包装材、例えば農業または自動車用途用のかごなどの製造で壁厚を薄くすることが可能になる。
THI触媒成分を用いて製造した樹脂をまた圧縮成形用途でも成功裏に用いた。
図1に、ゲート幅がそれぞれ10mm(ゲート1)および110mm(ゲート3)のマルチゲート鋳型に関して保持圧力を560バールにした時に樹脂R3、R6およびR9が示した縦方向の収縮率(フロー収縮率)[パーセント(%)で表す]をゲートからの距離(cmで表す)の関数として示す。 図2に、ゲート幅がそれぞれ10mm(ゲート1)および110mm(ゲート3)のマルチゲート鋳型に関して保持圧力を320バールにした時に樹脂R3、R6およびR9が示した縦方向の収縮率(フロー収縮率)[パーセント(%)で表す]をゲートからの距離(cmで表す)の関数として示す。 図3に、長い長方形プレートに関して保持圧力をそれぞれ270および430バールにした時に樹脂R3、R6およびR9が示した縦方向の収縮率(フロー収縮率)[パーセント(%)で表す]をゲートからの距離(cmで表す)の関数として示す。 図4に、ゲート幅がそれぞれ10mm(ゲート1)および110mm(ゲート3)のマルチゲート鋳型に関して保持圧力を560バールにした時に樹脂R3、R6およびR9が示した横方向の収縮率(横方向収縮率)[パーセント(%)で表す]をゲートからの距離(cmで表す)の関数として示す。 図5に、ゲート幅がそれぞれ10mm(ゲート1)および110mm(ゲート3)のマルチゲート鋳型に関して保持圧力を320バールにした時に樹脂R3、R6およびR9が示した横方向の収縮率(横方向収縮率)[パーセント(%)で表す]をゲートからの距離(cmで表す)の関数として示す。 図6に、長い長方形プレートに関して保持圧力を270バールにした時に樹脂R3、R6およびR9が示した横方向の収縮率(横方向収縮率)[パーセント(%)で表す]をゲートからの距離(cmで表す)の関数として示す。 図7に、樹脂R1、R3、R4、R6、R7およびR9が示した反り(mmで表す)を保持圧力(バールで表す)の関数として示す。 図8に、樹脂R3、R6、R9および市販の樹脂R10、R11およびR12が示したゼロずり粘度(Pa.sで表す)を分子量の関数として示す。

Claims (2)

  1. エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド触媒系を用いて作られた0.75を超えるダウレオロジカルインデックス(DRI)で特徴づけられる高いレベルの長鎖分枝を有するポリエチレン(PE)樹脂で構成されていて射出成形で製造され、0.945から0.960g/cmの密度および0.5から200g/10分のメルトフローインデックスを示す、向上した寸法安定性を示す製品。
  2. 収縮率が1.5%未満であり、該収縮率が、
    (i)寸法が250×70×3mmであり、セミ−ファンゲートの幅が10mmで厚みが1.5mmである長い長方形鋳型を使用し、
    (ii)溶融物の温度を200℃とし、鋳型の温度を40℃とし、射出速度を30mm/秒とし、保持圧力を430バールまたは270バールとし、保持時間を15秒とし、冷却時間を30秒とするプログラムを使用し、
    (iii)成形品の寸法が冷却したときにどれくらい小さくなるかを記録し、その小さくなった寸法を実際の鋳型から取った基準寸法と比較し、次いで収縮パーセントを決定する、ことによって測定されるものである、請求項1に記載の製品。
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