次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置の一例を示す図である。この撮像装置は、大別して光学系、信号処理系、記録系、表示系、および、制御系から構成される。
光学系は、被写体の光画像を集光するレンズ11と、光画像の光量を調整する絞り12と、集光された光画像を光電変換して電気信号に変換する撮像素子13とから構成される。撮像素子13は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサなどにより実現される。
信号処理系は、撮像素子13からの電気信号をサンプリングするサンプリング回路21と、サンプリング回路21から供給されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路22と、A/D変換回路22から入力されるデジタル信号に所定の画像処理を施す画像処理回路23とから構成される。サンプリング回路21は、例えば、相関2重サンプリング回路(CDS:Correlated Double Sampling)によって実現される。これにより、撮像素子13で発生するノイズが軽減される。なお、画像処理回路23により実行される処理の詳細については後述する。
記録系は、画像信号を記憶するメモリ32と、画像処理回路23によって処理された画像信号を符号化してメモリ32に記録し、また、メモリ32から画像信号を読み出して復号し、画像処理回路23に供給する符号化/復号器31とから構成される。
表示系は、画像処理回路23によって処理された画像信号をアナログ化するD/A変換回路41と、アナログ化された画像信号を後段の表示部43に適合する形式のビデオ信号にエンコードするビデオエンコーダ42と、入力されるビデオ信号に対応する画像を表示する表示部43とから構成される。表示部43は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等により実現され、ファインダとしての機能も有する。
制御系は、撮像素子13、サンプリング回路21、A/D変換回路22、および、画像処理回路23の動作タイミングを制御するタイミング生成器51と、ユーザによるシャッタ操作やその他のコマンド入力を受け付けるための操作入力受付部52と、周辺機器を接続するためのドライバ53と、撮像装置全体を制御する制御部54とから構成される。ドライバ53には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または、半導体メモリ等が接続される。制御部54は、これらに記憶されている制御用プログラムをドライバ53を介して読み出し、読み出した制御用プログラムや操作入力受付部52から入力されるユーザからのコマンド等に基づいて制御を行う。
画像処理回路23、符号化/復号器31、メモリ32、タイミング生成器51、操作入力受付部52、および、制御部54は、バス59を介して相互に接続されている。
この撮像装置において、被写体の光学画像(入射光)は、レンズ11および絞り12を介して撮像素子13に入射され、撮像素子13によって光電変換されて電気信号となる。得られた電気信号は、サンプリング回路21によってノイズ成分が除去され、A/D変換回路22によってディジタル化された後、画像処理回路23が内蔵する(図示しない)画像メモリに一時格納される。
なお、通常の状態では、タイミング生成器51による信号処理系に対する制御により、画像処理回路23の内蔵する画像メモリには、一定のフレームレートで絶えず画像信号が上書きされるようになされている。画像処理回路23の内蔵する画像メモリの画像信号は、D/A変換回路41によってアナログ信号に変換され、ビデオエンコーダ42によってビデオ信号に変換されて対応する画像が表示部43に表示される。
表示部43は、撮像装置のファインダとしての役割も担っている。ユーザが操作入力受付部52に含まれるシャッターボタンを押下した場合、制御部54は、タイミング生成器51に対して、シャッターボタンが押下された直後の画像信号を保持するように、すなわち、画像処理回路23の画像メモリに画像信号が上書きされないように、信号処理系を制御する。画像処理回路23の画像メモリに保持された画像データは、符号化/復号器31によって符号化されてメモリ32に記録される。以上のような撮像装置の動作によって、1枚の画像データの取込みが完了する。
図2は、本発明の実施の形態における撮像装置の画像処理回路23の第1の実施例を示す図である。この第1の実施例による画像処理回路23は、画素選択部120と、背景生成部130と、相違度生成部140と、軌跡合成部150と、軌跡合成画像表示部190とを備えている。
画素選択部120は、時系列に撮像されたn枚(nは2以上の整数)の入力画像110(I1〜In)において対応する画素位置のn個の画素値を選択するものである。例えば、入力画像110のそれぞれが座標(1,1)乃至(p,q)のp×q画素(pおよびqは1以上の整数)からなる場合、画素選択部120は、まず、n枚の入力画像110の中から座標(1,1)の画素位置の画素値をそれぞれ選択する。これによりn個の画素値が選択される。画素選択部120は、次に、n枚の入力画像110の中から座標(1,2)の画素位置の画素値をそれぞれ選択する。これにより次のn個の画素値が選択される。この要領で、最終的には入力画像110(I1〜In)に対してn個の画素値がp×q組分選択されることになる。これら選択された画素値は、信号線129を介して、背景生成部130、相違度生成部140および軌跡合成部150に供給される。
背景生成部130は、信号線129を介して画素選択部120から供給されたn個の画素値に基づいて背景値を生成するものである。n個の画素値は上述のようにp×q組分供給されるため、背景生成部130は、最終的には入力画像110(I1〜In)に対してp×q個の背景値を生成する。これらの背景値は、信号線139を介して、相違度生成部140に供給される。
相違度生成部140は、信号線139を介して背景生成部130から供給された背景値と、信号線129を介して画素選択部120から供給された画素値との相違度を生成するものである。上述のように、背景生成部130によってp×q画素からなる背景値が1つ生成される。相違度生成部140は、この背景値の画素位置毎に入力画像110(I1〜In)のn個の画素値との相違度をそれぞれ生成する。これにより、最終的には入力画像110(I1〜In)に対してn個の相違度がp×q組分生成されることになる。これら生成された相違度は、信号線149を介して、軌跡合成部150に供給される。
軌跡合成部150は、信号線149を介して相違度生成部140から供給された相違度に基づいて、信号線129を介して画素選択部120から供給された画素値を合成するものである。上述のように、n個の相違度はp×q組分生成され、n個の画素値はp×q組分選択される。すなわち、相違度と画素値の数は一致している。軌跡合成部150は、最終的にはn個の画素値から1個の画素値を軌跡合成値として合成する。これにより、p×q個の軌跡合成値を有する軌跡合成画像が生成されることになる。これら軌跡合成値は、信号線159を介して、軌跡合成画像表示部190に供給される。
軌跡合成画像表示部190は、信号線159を介して軌跡合成部150から供給された軌跡合成値に基づいて軌跡合成画像を表示するものである。この軌跡合成画像表示部190は、表示部43をそのまま用いてもよく、また、撮像装置に接続された他の表示装置により実現されてもよい。
図3は、本発明の実施の形態における画像処理回路23の第1の実施例の背景生成部130の第1の構成例を示す図である。この背景生成部130は、ヒストグラム生成部131と、背景値判定部132とを備えている。
ヒストグラム生成部131は、信号線129を介して画素選択部120から供給されたn個の画素値についてヒストグラムを生成するものである。このヒストグラムは、画素値の大きさに対する出現頻度を表すものである。例えば、画素値が図4のような分布を示している場合を想定すると、そのヒストグラムは図5のようになる。すなわち、図4の13個の画素値において、画素値aの出現頻度が2回、画素値bの出現頻度が1回、画素値cの出現頻度が7回、画素値dの出現頻度が1回、画素値eの出現頻度が2回であることから、図5のようなヒストグラムが生成される。
なお、ヒストグラムは、輝度のみであれば図4のように一次元のヒストグラムになるが、RGB形式の画素値であれば三次元のヒストグラムになる。すなわち、定義する色空間に応じた次元のヒストグラムが生成される。
背景値判定部132は、ヒストグラム生成部131において生成されたヒストグラムに基づいて、背景値を判定するものである。具体的には、背景値判定部132は、ヒストグラムにおいて最も頻度の高い画素値を背景値であると判定する。例えば、図4の例であれば、最頻値を示す画素値cが背景値であると判定される。
図6は、本発明の実施の形態における画像処理回路23の第1の実施例の背景生成部130の第2の構成例を示す図である。この背景生成部130は、背景閾値設定部101と、基準値設定部133と、基準値カウンタ1331と、背景判定部134と、背景値算出部135と、更新判定部136と、背景頻度カウンタ1361と、背景頻度保持部137と、背景値保持部138とを備えている。
背景判定部134は、入力画像110の画素値が背景であるか否かを判定するものである。基準値設定部133は、背景判定部134が背景を判定する際の基準となる値(基準値)を設定するものである。基準値カウンタ1331は、基準値設定部133に設定すべき基準値を順次供給するものである。背景閾値設定部101は、背景判定部134が背景を判定する際の基準値からの閾値(背景閾値)を供給するものである。背景判定部134は、基準値設定部133に設定された基準値と入力画像110の画素値との間の距離を算出して、その距離が背景閾値以下である画素値を背景と判定する。なお、この場合の距離は、例えば色空間上の距離などを意味する。したがって、例えばRGB空間のように多次元空間であれば、全ての次元においてそれぞれ背景閾値以下である場合に、その距離が背景閾値以下であると判断される。
例えば、図7のような画素値の分布において、図のように基準値が与えられた場合、この基準値を中心として画素値の高低のそれぞれに背景閾値を加味した範囲が背景の範囲になる。基準値設定部133に設定される基準値は基準値カウンタ1331によって順次変更される。例えば、画素値の昇順もしくは降順に順次設定されていく。これにより、背景判定部134によって、基準値から見て背景の範囲にあるか否かが画素値の範囲の全てにおいて判定される。
背景値算出部135は、背景判定部134によって背景と判定された画素値から背景値を算出する。この背景値は、例えば、背景判定部134によって背景と判定された画素値の平均値として算出される。
更新判定部136は、背景判定部134によって背景と判定された画素値の頻度を背景頻度カウンタ1361によって計数し、背景頻度保持部137および背景値保持部138を更新すべきか否かを判定するものである。すなわち、背景頻度カウンタ1361のカウント値が背景頻度保持部137に保持された値より大きい場合のみ、背景頻度保持部137の内容を背景頻度カウンタ1361のカウント値によって更新するとともに背景値保持部138の内容を背景値算出部135から供給された背景値によって更新する。これにより、背景値保持部138にはその時点において最頻値を示す画素値が保持され、背景頻度保持部137には最頻値を示す画素値の頻度が保持されることになる。これを全ての画素値を基準値とするように基準値設定部133を順次変更していくことによって、最終的に背景値保持部138には最頻値を示す画素値が保持されることになる。
図3の背景生成部130の第1の構成例では、ヒストグラムの全体を記憶しておくためのメモリ領域が必要になるが、この図6の背景生成部130の第2の構成例によれば、その時点において最頻値を示す画素値の頻度を保持しておくだけでよいため、メモリ領域の節減が可能になる。
図8は、本発明の実施の形態における画像処理回路23の第1の実施例の相違度生成部140の一構成例を示す図である。この相違度生成部140は、距離算出部141と、距離閾値設定部102と、相違度算出部142とを備えている。
距離算出部141は、信号線139を介して背景生成部130から供給された背景値と、信号線129を介して画素選択部120から供給された画素値との間の距離を算出するものである。なお、この場合の距離は、例えば色空間上の距離などを意味する。
相違度算出部142は、距離算出部141によって算出された距離に応じて、背景値と入力画像の画素値との相違度を算出するものである。すなわち、この相違度算出部142は、入力画像において動被写体と背景とを区別して、両者が異なるものであることを相違度として示すものである。相違度は、例えば、動被写体に対して「1」、背景に対して「0」が付与されるように算出するものであるが、両者を完全には区別できない場合には、その中間値をとることもある。
相違度を算出する際、相違度算出部142は、画像の品質による誤差を考慮して、背景と動被写体とを区別するための距離の閾値(距離閾値)を想定する。すなわち、背景値と入力画像の画素値との間の距離が距離閾値以内であれば両者を完全には区別できないものとして扱い、距離閾値を越える場合には両者は完全に区別できるものとして扱う。その結果、例えば、背景値と入力画像の画素値との間の距離が距離閾値を越える場合には相違度として最大値の「1」が算出され、距離閾値以内の場合には距離に比例するように相違度が算出される。なお、距離閾値は、距離閾値設定部102に予め設定される。
図9は、本発明の実施の形態における画像処理回路23の第1の実施例の軌跡合成部150の第1の構成例を示す図である。この軌跡合成部150は、軌跡合成比率生成部151と、軌跡合成値算出部152と、軌跡合成値保持部153とを備える。
軌跡合成比率生成部151は、信号線149を介して相違度生成部140から供給された相違度に基づいて、入力画像の画素値を軌跡として合成する比率(軌跡合成比率)を生成するものである。この軌跡合成比率は、例えば、相違度に比例するように定められてもよく、また、その画素の近傍の相違度も考慮して定められてもよい。
軌跡合成値保持部153は、軌跡合成部150の出力画像の画素値(軌跡合成値)を保持するものである。軌跡合成値算出部152は、軌跡合成比率生成部151によって生成された軌跡合成比率に応じて、軌跡合成値保持部153に保持された画素値に対して入力画像の画素値を合成するものである。すなわち、軌跡合成値保持部153に保持される軌跡合成値は、軌跡合成値算出部152によって随時更新されていくことになる。
ここで、軌跡合成比率をβ、j番目の入力画像によって更新された後の軌跡合成値をSj、k(=j+1)番目の入力画像をIk、k番目の入力画像によって更新された後の軌跡合成値をSkとすると、
Sk=β×Ik+(1−β)×Sj
となる。但し、jおよびkは整数であり、β、Ik、SjおよびSkは実数である。
軌跡合成比率βによる効果を説明するために、図10(a)、同(b)、同(c)、同(d)および同(e)の順番で撮像された撮像画像を入力画像として想定する。軌跡合成比率βとして、相違度が大きい動被写体領域には「1」、相違度が小さい背景領域には「0」を与えた場合には、合成の際に背景と動被写体が混ざることがないため、図11(a)のように動被写体の軌跡が全て濃く表示される。
一方、軌跡合成比率βとして、動被写体領域には「1」、背景領域には「0.3」乃至「0.5」程度を与えた場合には、合成されるたびに背景が動被写体に混ざっていくため、図11(b)のように動被写体の軌跡は古いものほど薄く表示される。
図12は、本発明の実施の形態における画像処理回路23の第1の実施例の軌跡合成部150の第2の構成例を示す図である。この軌跡合成部150は、更新判定部154と、最新フレーム番号保持部155と、軌跡合成値保持部156とを備える。この軌跡合成部150の第2の構成例は、入力画像110(I1〜In)が撮像順に入力されない場合を考慮し、各画素位置において新しい画素値のみが更新されるように制御するものである。すなわち、入力画像110の各々に対して古い順に昇順の連続番号をフレーム番号として付与した場合、このフレーム番号が大きいほど新しいことになる。なお、このフレーム番号は、信号線129によって画素値とともに供給されるものとする。
軌跡合成値保持部156は、軌跡合成値保持部153と同様に、軌跡合成値を保持するものである。但し、この第2の構成例では、信号線139を介して供給された背景値を予め初期値として保持しているものとする。
最新フレーム番号保持部155は、現在の画素位置においてそれまでに入力された入力画像110のフレーム番号の最大値を保持するものである。
更新判定部154は、信号線129によって供給されたフレーム番号と最新フレーム番号保持部155に保持されたフレーム番号とを比較して、信号線129によって供給されたフレーム番号の方が新しければ、背景でないことを条件として、信号線129によって供給された画素値を軌跡合成値保持部156に保持させる。但し、更新判定部154は、各画素位置における最初の入力画像が選択される前に、信号線139を介して供給された背景値を軌跡合成値保持部156の初期値として保持させる。これにより、軌跡合成値保持部156には、最新であってかつ背景でない画素値のみが更新され、一番新しい時刻の動被写体が最終的な軌跡合成値になるため、時系列順を考慮した軌跡合成値を得ることができる。
図13は、本発明の実施の形態における画像処理回路23の第1の実施例の軌跡合成部150の第3の構成例を示す図である。この軌跡合成部150は、更新判定部157と、最大相違度保持部158と、軌跡合成値保持部156とを備える。軌跡合成値保持部156は、軌跡合成部150の第2の構成例のものと同様である。
最大相違度保持部158は、現在の画素位置においてそれまでに入力された相違度の最大値を保持するものである。
更新判定部157は、信号線149によって供給された相違度と最大相違度保持部158に保持された相違度とを比較して、信号線129によって供給された相違度の方が大きければ、信号線129によって供給された画素値を軌跡合成値保持部156に保持させる。これにより、軌跡合成値保持部156には、最も相違度の大きい画素値のみが更新され、動被写体が重なる領域においては相違度のより大きい軌跡が反映されることになる。
図14は、本発明の実施の形態における撮像装置の画像処理回路23の第2の実施例を示す図である。この第2の実施例による画像処理回路23は、軌跡画素選択部121と、背景画素選択部122と、背景生成部130と、相違度生成部140と、軌跡合成部150と、軌跡合成画像表示部190とを備えている。すなわち、図2の第1の実施例による画像処理回路23の画素選択部120が、この第2の実施例では軌跡画素選択部121および背景画素選択部122に分かれている点で、両者は異なっている。
背景画素選択部122は、時系列に撮像されたn枚の入力画像110(I1〜In)において対応する画素位置のn個の画素値の中から背景値の生成に必要な画素値を選択するものである。第1の実施例ではn枚の全てを背景値の生成のために選択していたが、この第2の実施例ではn枚の中から間引いて利用することにより背景値の生成のための処理を簡略化する。例えば、背景画素選択部122によって選択される画素値を「n/10」枚に間引くことにより、処理の高速化を図ることができる。
軌跡画素選択部121は、背景以外の画素値、すなわち動被写体の軌跡の画素値を選択するものである。この軌跡画素選択部121は、第1の実施例における画素選択部120と同様であり、n枚の入力画像110(I1〜In)において対応する画素位置のn個の画素値を選択する。
このように、この第2の実施例による画像処理回路23では、動被写体と比べて背景の変化の頻度が低いことを利用して、背景画素選択部122において選択される画像を間引くことにより、背景算出のコストを抑えることが可能となる。
図15は、本発明の実施の形態における撮像装置の画像処理回路23の第3の実施例を示す図である。この第3の実施例による画像処理回路23は、フレーム選択部220と、背景生成部230と、背景画像保持部260と、相違度生成部240と、軌跡合成部250と、軌跡合成画像保持部270と、軌跡合成画像表示部290とを備えている。第1および第2の実施例では動被写体の軌跡を1枚の軌跡合成画像に表示することを想定していたが、この第3の実施例では例えば図18や図19のように動被写体の移動する途中の状態を複数枚の軌跡合成画像として表示することを想定する。
フレーム選択部220は、入力画像111から時系列順にp×q画素からなる画像Itをフレームとして順次選択するものである。選択されたフレームは、信号線229を介して、背景生成部230、相違度生成部240および軌跡合成部250に順次供給されていく。
背景画像保持部260は、p×q画素からなる背景画像を保持するものである。この背景画像保持部260に保持された背景画像は、信号線269を介して背景生成部230に供給される。背景生成部230は、信号線269を介して背景生成部230から供給された背景画像Bt−1の画素値および信号線229を介してフレーム選択部220から供給されたフレームItの画素値に基づいて新たな背景画像Btを生成するものである。すなわち、背景生成部230は、背景画像保持部260に保持される背景画像を新たなフレームによって更新していくことによって、背景画像保持部260にその時点の背景画像を保持させる。生成された背景画像は、信号線239を介して、相違度生成部240および背景画像保持部260に供給される。
相違度生成部240は、信号線239を介して背景生成部230から供給された背景画像の画素値と、信号線229を介してフレーム選択部220から供給されたフレームの画素値との画素位置毎の相違度を生成するものである。すなわち、相違度生成部240は、p×q組の対応する画素値同士の距離を算出して、p×q組分の相違度を生成する。この相違度生成部240の内部構成は、図8の相違度生成部140と同様である。
軌跡合成画像保持部270は、p×q画素からなる軌跡合成画像を保持するものである。この軌跡合成画像保持部270に保持された軌跡合成画像は、信号線279を介して軌跡合成部250に供給される。軌跡合成部250は、信号線279を介して軌跡合成画像保持部270から供給された軌跡合成画像St−1の画素値と、信号線229を介してフレーム選択部220から供給されたフレームItの画素値とを合成して新たな軌跡合成画像Stを生成するものである。すなわち、軌跡合成部250は、軌跡合成画像保持部270に保持される軌跡合成画像を新たなフレームによって更新していくことによって、軌跡合成画像保持部270にその時点の軌跡合成画像を保持させる。
軌跡合成画像表示部290は、信号線259を介して軌跡合成部250から供給された軌跡合成画像Stを表示するものである。この軌跡合成画像表示部290は、表示部43をそのまま用いてもよく、また、撮像装置に接続された他の表示装置により実現されてもよい。
図16は、本発明の実施の形態における画像処理回路23の第3の実施例の背景生成部230の一構成例を示す図である。この背景生成部230は、背景合成比率生成部232と、背景画像更新部233とを備えている。
背景合成比率生成部232は、信号線229を介してフレーム選択部220から供給されたフレームと、信号線269を介して背景画像保持部260から供給された背景画像とから背景画像の合成比率(背景合成比率α)を生成するものである。背景合成比率αの具体的な算出方法としては、例えば、フレームItの画素値と背景画像Bt−1の画素値との間の相違度が小さい場合にはフレームItの画素値の寄与度が大きくなるように背景合成比率を決定し、または、時間的に近傍の相違度の分散が小さければフレームItの画素値の寄与度を大きくするなど、相違度に基づいて動的に合成比率を決定する方法が考えられる。また、予め固定値として背景合成比率αを定めておいてもよい。
背景画像更新部233は、背景合成比率生成部232によって生成された背景合成比率αに応じて、信号線269を介して背景画像保持部260から供給された背景画像を、信号線229を介してフレーム選択部220から供給されたフレームによって更新するものである。
ここで、座標(x,y)におけるフレームItの画素値をI(x,y,t)、同じく背景画像Bt−1の画素値をB(x,y,t−1)とすると、新たな背景画像Btの画素値B(x,y,t)は、次式により得られる。
B(x,y,t)=α×I(x,y,t)+(1−α)×B(x,y,t−1)
背景画像更新部233は、上式の処理を全ての画素に対して行う。
なお、上記の実施の形態では、フレーム選択部220が1つの画像Itをフレームとして選択しているが、変形例として、複数の画像に基づいてフレームを背景生成部230に供給するようにしてもよい。例えば、画像Itを中心とした前後の画像It−i乃至It+iに基づいて、図3もしくは図6の例のように、それらの頻度から暫定的な背景画像を求めて、その暫定的な背景画像を背景生成部230に供給することができる。これにより、背景生成部230において精度の高い背景生成を実現することが期待できる。
図17は、本発明の実施の形態における画像処理回路23の第3の実施例の軌跡合成部250の一構成例を示す図である。この軌跡合成部250は、軌跡合成比率算出部251と、軌跡合成値更新部252とを備えている。
軌跡合成比率算出部251は、信号線249を介して相違度生成部240から供給された相違度に基づいて軌跡合成の合成比率(軌跡合成比率β)を生成するものである。軌跡合成比率βの具体的な算出方法としては、例えば、フレームItの画素値と背景画像Bt−1との相違度が大きい場合には、フレームItの画素値の寄与度が大きくなるような軌跡合成比率を決定することが考えられる。これにより、背景と異なる領域ほど軌跡合成値への寄与率が高くなり、よりはっきりとした動被写体の軌跡を得ることができる。
軌跡合成値更新部252は、軌跡合成比率算出部251によって生成された軌跡合成比率βに応じて、信号線279を介して軌跡合成画像保持部270から供給された軌跡合成画像を、信号線229を介してフレーム選択部220から供給されたフレームによって更新するものである。
ここで、座標(x,y)におけるフレームItの画素値をI(x,y,t)、同じく軌跡合成画像St−1の画素値をS(x,y,t−1)とすると、新たな軌跡合成画像Stの画素値S(x,y,t)は、次式により得られる。
S(x,y,t)=β×I(x,y,t)+(1−β)×S(x,y,t−1)
軌跡合成値更新部252は、上式の処理を全ての画素に対して行う。
また、他の軌跡合成の手法として、相違度に基づいて2種類の算出規則を用いて軌跡合成比率を算出することが考えられる。すなわち、相違度が小さい背景領域における軌跡合成比率の算出規則を、相違度が大きい動被写体領域の算出規則とは別にして、相違度が小さくてもある程度の軌跡合成比率を与える。これにより、動被写体軌跡領域が古くなればなるほど背景の寄与率が高くなり、動被写体の軌跡がフェードアウトされたように見せることができる。つまり、新しい時刻の軌跡ははっきりしているが、時間が経つにつれて軌跡が背景に溶け込んでフェードアウトしていくようにすることが可能となる。
例えば、図10のような5枚のフレームを合成する際、軌跡をはっきり残したい場合には、軌跡合成比率βとして、相違度が大きい動被写体領域には「1」、相違度が小さい背景領域には「0」を与えれば、図18のような結果を得ることができる。一方、軌跡をフェードアウトさせたい場合には、軌跡合成比率βとして、動被写体領域には「1」、背景領域には「0.3」乃至「0.5」程度を与えれば、図19のような結果を得ることができる。
図20は、本発明の実施の形態における撮像装置の画像処理回路23の第4の実施例を示す図である。この第4の実施例による画像処理回路23は、軌跡画素フレーム選択部221と、背景画素フレーム選択部222と、背景生成部231と、背景画像保持部261と、相違度生成部240と、軌跡合成部250と、軌跡合成画像保持部270と、軌跡合成画像表示部290とを備えている。この第4の実施例は、動被写体の移動する途中の状態を複数枚の軌跡合成画像として表示する点では第3の実施例と同様である。但し、第3の実施例では入力画像111からのフレームが予め固定されていないことを想定したが、この第4の実施例ではn枚の入力画像110が予め判明していることを想定する。
背景画素フレーム選択部222は、時系列に撮像されたn枚の入力画像110(I1〜In)において対応する画素位置のn個の画素値の中から背景値の生成に必要な画素値を選択するものである。第3の実施例ではn枚の全てを背景値の生成のために選択していたが、この第4の実施例ではn枚の中から間引いて利用することにより背景値の生成のための処理を簡略化する。例えば、背景画素フレーム選択部222によって選択される画素値を「n/10」枚に間引くことにより、処理の高速化を図ることができる。
背景生成部231は、背景画素フレーム選択部222から供給された画素値に基づいて背景値を生成するものであり、第1の実施例の場合と同様の構成により実現される。
背景画像保持部261は、背景生成部231によって生成された背景画像を保持するものである。第3の実施例では背景画像保持部260に保持された背景画像を背景生成部230が順次更新していたが、この第4の実施例では背景画像が一旦生成されると、特に必要がない限り変更されない。
軌跡画素フレーム選択部221は、時系列に撮像されたn枚の入力画像110(I1〜In)において対応する画素位置のn個の画素値を選択するものである。すなわち、背景画素フレーム選択部222とは異なり、軌跡画素フレーム選択部221は間引きを行うことなく全ての入力画像を選択する。
なお、これ以外の構成は第3の実施例の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
このように、この第4の実施例では、背景画像のフレームを一度だけ算出して、それを利用して軌跡合成をフレーム単位で順次行うため、処理コストを簡略化することができる。
次に本発明の実施の形態における撮像装置の動作について図面を参照して説明する。
図21は、本発明の実施の形態における撮像装置の画像処理回路23の第1および第2の実施例による処理手順の一例を示す流れ図である。
まず、背景の生成対象となる画素(フレーム)が選択される(ステップS911)。この処理は、第1の実施例では画素選択部120によって行われるが、第2の実施例では背景画素選択部122によって行われる。そして、この選択された画素(フレーム)から背景が生成される(ステップS912)。この処理は、背景生成部130によって行われる。
次に、軌跡合成の対象となる画素(フレーム)が選択される(ステップS913)。この処理は、第1の実施例では画素選択部120によって行われるが、第2の実施例では軌跡画素選択部121によって行われる。そして、この選択された画素(フレーム)および背景から両者の相違度が生成される(ステップS914)。この処理は、相違度生成部140によって行われる。
そして、相違度に基づいて軌跡合成画像が出力される(ステップS915)。この処理は、軌跡合成部150によって行われる。
図22は、本発明の実施の形態における撮像装置の画像処理回路23の第3の実施例による処理手順の一例を示す流れ図である。
まず、軌跡合成の対象となるフレームが入力画像として選択される(ステップS931)。この処理は、フレーム選択部220によって行われる。そして、この選択されたフレームによって背景画像が更新される(ステップS932)。この処理は、背景生成部230によって行われる。
次に、背景画像および入力画像から両者の相違度が生成される(ステップS934)。この処理は、相違度生成部240によって行われる。
そして、相違度に基づいて軌跡合成画像が更新される(ステップS935)。この処理は、軌跡合成部250によって行われる。
軌跡合成の対象となるフレームが全て選択された場合には終了となり、そうでない場合はステップS931以降の処理が繰り返される(ステップS936)。ステップS931において時系列順にフレームを選択すると、ステップS935において時系列順に軌跡合成が行われ、それを出力することによって軌跡動画の再生が可能になる。
図23は、本発明の実施の形態における撮像装置の画像処理回路23の第4の実施例による処理手順の一例を示す流れ図である。
まず、背景生成の対象となるフレームが全て選択される(ステップS941)。この処理は、背景画素フレーム選択部222によって行われる。そして、この選択されたフレームによって背景画像が生成される(ステップS942)。この処理は、背景生成部231によって行われる。
次に、軌跡合成の対象となるフレームが入力画像として選択される(ステップS943)。この処理は、軌跡画素フレーム選択部221によって行われる。そして、背景画像および入力画像から両者の相違度が生成される(ステップS944)。この処理は、相違度生成部240によって行われる。
そして、相違度に基づいて軌跡合成画像が更新される(ステップS945)。この処理は、軌跡合成部250によって行われる。
軌跡合成の対象となるフレームが全て選択された場合には終了となり、そうでない場合はステップS943以降の処理が繰り返される(ステップS946)。
このように、本発明の実施の形態によれば、入力画像の画素値と背景画像の画素値との間の相違度を生成して、この相違度に応じて入力画像の画素値を出力画像としての軌跡合成画像に反映させることにより、動被写体の軌跡静止画や軌跡動画を生成することができる。
なお、本発明の実施の形態では、軌跡合成画像を生成する際に(その直前に)背景画像を生成する構成例について説明したが、予め生成されていた背景画像を利用するようにしても構わない。例えば、図24の変形例のように、背景画像保持部261に保持されて相違度生成部240に供給された背景画像を背景画像保存部206に保存しておく。そして、その後、軌跡合成画像を生成する際には、背景生成部231による背景画像の生成を行わずに、背景画像保存部206に保存されていた背景画像を復元して背景画像保持部261に保持させる。
これにより、同じ入力画像について軌跡合成画像を何度も生成する場合、背景画像の生成を省くことができる。背景生成のための計算コストは、軌跡合成画像の生成の場合よりも高くなるのが一般的であり、これを省略することによる効果は高い。例えば、連射撮影された複数フレーム、軌跡合成画像および背景画像を保存した後、表示部43において対象シーンの軌跡動画の再生を行う場合などに有効である。
図24において、軌跡画素フレーム選択部221、背景画素フレーム選択部222、背景生成部231、背景画像保持部261、相違度生成部240、軌跡合成部250、および、軌跡合成画像保持部270の構成および動作は、図20の例と同様である。この例では、画像処理回路23が、A/D変換回路22から信号線201を介して供給された入力画像を受け、その入力画像、背景画像および軌跡合成画像を、それぞれ信号線207、208および209を介して後段のD/A変換回路41や符号化/復号器31に供給することを想定している。
カメラ信号処理部202は、A/D変換回路22によってデジタル信号に変換された入力画像に対して、RGB同時化処理、カラーマトリックス処理、および、ガンマ処理などを施して、その結果を出力するものである。通常の画像出力の場合は、このカメラ信号処理部202の結果が信号線207を介してそのまま出力される。
入力画像保持部203は、軌跡画素フレーム選択部221および背景画素フレーム選択部222に供給する入力画像を保持するものである。ここでは、上述の第4の実施例と同様に、n枚の入力画像(I1〜In)が保持されるものとする。入力画像保存部205は、カメラ信号処理部202から供給された入力画像を保存するものである。入力画像保持部203は、撮影中の画像を入力画像とする場合にはカメラ信号処理部202から供給された画像を入力画像として保持し、過去に保存された画像を入力画像とする場合には入力画像保存部205に保存された画像を復元して入力画像として保持する。
背景画像保存部206は、背景画像保持部261に保持された背景画像を保存するものである。背景画像保存部206は、信号線208を介して背景画像保持部261から供給された背景画像を一旦保存する。その後、背景画像保存部206に保存された背景画像は、必要に応じて復元されて背景画像保持部261に保持される。すなわち、軌跡合成画像を生成する際に(その直前に)背景画像を生成する場合には、背景画像保持部261は背景生成部231から供給される背景画像を保持する。一方、以前に保存した背景画像を用いて軌跡合成画像を生成する場合には、背景画像保持部261は背景画像保存部206に保存された背景画像を復元して保持する。
軌跡合成部250から出力された軌跡合成画像は、軌跡合成画像保持部270に保持されるとともに、信号線209を介して後段のD/A変換回路41や符号化/復号器31に供給される。
図25は、本発明の実施の形態における撮像装置の操作関連の構成例を示す図である。ここでは、操作入力受付部52に撮影操作受付部421および撮影間隔設定部422が含まれ、画像処理回路23に被写体状態検出部431が含まれ、制御部54に撮影開始検出部441、撮影終了検出部442、撮影間隔取得部443および撮影制御部444が含まれるものと想定する。もっとも、これらの機能は他の回路等によって実現することができる。
撮影操作受付部421は、ユーザによる撮影のための操作を受け付けるものであり、例えば、デジタルスチルカメラにおけるシャッターボタンやデジタルビデオカメラにおける動画撮影ボタンなどに対応する。撮影間隔設定部422は、撮影の際の各フレームの時間的間隔が設定されるものである。撮影間隔は、連写モードにおいて用いられるものであり、ユーザによって予め設定され、もしくは、固定的に設定される。撮影間隔取得部443は、撮影間隔設定部422に設定された撮影間隔を取得するものである。
被写体状態検出部431は、入力画像における被写体の状態を検出するものである。被写体状態検出部431は、時間的に連続する入力画像のフレームについて各画素の差分を生成して、その差分が無ければ被写体は静止した状態であると判断し、差分が有れば被写体は動いている状態であると判断する。
撮影開始検出部441は、撮影操作受付部421において受け付けられた撮影操作に基づいて撮影の開始が指示されたことを検出する。撮影終了検出部442は、撮影操作受付部421において受け付けられた撮影操作に基づいて撮影の終了が指示されたことを検出する。例えば、通常の連写モードにおいては、シャッターボタンが押下されると撮影の開始を意味し、シャッターボタンの押下が解除されると撮影の終了を意味する。
また、被写体の状態に注目して連写の制御を行うことも可能である。例えば、シャッターボタンが押下されている状態で、被写体状態検出部431によって被写体が静止した状態であると判断された場合に撮影を終了するように制御してもよい。
撮影制御部444は、撮影開始検出部441によって撮影開始が検出されてから撮影終了検出部442によって撮影終了が検出されるまでの間、撮影間隔取得部443によって取得された撮影間隔で連続撮影を行うようタイミング生成器51を制御するものである。
図26は、本発明の実施の形態における撮像装置の撮影の際の処理手順の一例を示す流れ図である。まず、撮影開始検出部441によって撮影の開始が検出されると(ステップS951)、撮影間隔取得部443によって取得された撮影間隔によって撮影が行われる(ステップS952)。この撮影は、撮影終了検出部442によって撮影の終了が検出されるまで繰り返され(ステップS954)、この間、被写体状態検出部431によって被写体の状態が検出される(ステップS953)。
撮影操作受付部421においてシャッターボタンの押下の解除が受け付けられた場合や、被写体状態検出部431において被写体が静止した状態であることが検出された場合に撮影の終了が検出される(ステップS954)。
撮影が終了すると、背景生成部231において背景画像が生成される(ステップS955)。すなわち、図23のように背景生成の対象となるフレームが全て選択され(ステップS941)、この選択されたフレームによって背景画像が生成される(ステップS942)。
そして、軌跡合成部250によって軌跡合成画像が生成される(ステップS956)。また、入力画像や背景画像が、それぞれ入力画像保存部205や背景画像保存部206に保存される(ステップS957)。
図27は、本発明の実施の形態における撮像装置の再生の際の処理手順の一例を示す流れ図である。まず、操作入力受付部52による再生の開始指示が検出されると(ステップS961)、再生方向および再生速度が取得される(ステップS962)。再生方向および再生速度は、操作入力受付部52によって受け付けられるものである。例えば、順方向の再生ボタン、逆方向の再生ボタン、および、早送りボタンなどが想定される。
ステップS957において背景画像が保存されていた場合、背景画像保存部206から背景画像が復元されて背景画像保持部261に保持される(ステップS963)。また、入力画像保存部205から入力画像が復元されて入力画像保持部203に保持された後に、ステップS962で取得された再生方向の時系列順に入力画像保持部203から入力画像が取得される(ステップS964)。これにより、軌跡合成部250において軌跡合成画像が生成され(ステップS965)、ステップS962で取得された再生速度によって再生が行われる(ステップS966)。これらステップS964乃至S966の処理は、対象シーンの全撮影画像について繰り返される(ステップS967)。
なお、本発明の実施の形態では、撮像装置における画像処理を回路によって実現する一態様について説明したが、この画像処理の内容はソフトウェアにより実現してもよい。すなわち、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。また、撮像装置と一体化した画像処理回路だけでなく、独立した画像処理装置として実現することもできる。さらに、画像再生装置や携帯機器に内蔵させるようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。