JP4997470B2 - 加工方法及び加工装置 - Google Patents
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例えば、定寸装置は、測定しているワークの外径が指定された径に到達すると、加工装置が備えている数値制御装置に到達信号を出力し、数値制御装置は到達信号が入力されると、加工手段の切込みを終了させる。
従って、定寸装置の接触子とワークとの間に異物(研削屑等)が挟まると、実際のワークの径よりも大きな径と認識してしまう。この場合、目標とする径よりも小さな径のワークができあがることになる。
例えば、特許文献1に記載された従来技術では、異物の噛み込みを検出した際は、所定時間、ワークから定寸装置の接触子を離間させることで異物を除去し、その後、定寸装置の接触子を再度ワークに接触させて研削を再開する加工装置が提案されている。
また、異物の噛み込みを検出した際、加工手段も接触子も一旦離間させているため、接触子を再度ワークに接触させて加工を再開すると、離間前と同じ個所に接触させたとしても、離間の前後で定寸装置の測定値に差が生じ、測定誤差が大きくなる場合がある。
また、仕上げ研削時に接触子を一旦ワークから離間し、再度接触させると、ワークに傷が付く可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、定寸装置(測定手段)の接触子をワークから離間させることなく噛み込んだ異物を除去することができる加工方法及び加工装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の加工方法は、回転手段と、加工手段と、測定手段と、異常検出手段と、流体供給手段とを用いてワークを加工する加工方法であって、前記回転手段にて、前記ワークの回転軸回りに前記ワークを回転させるステップと、前記加工手段にて、回転している前記ワークの外周部を徐々に加工していくステップと、前記流体供給手段にて、前記加工手段と前記外周部との接触部に流体を供給するステップと、前記測定手段にて、加工している外周部に接触した状態を保持して当該外周部の外径を測定するステップと、前記異常検出手段にて、前記測定手段における前記外周部との接触部が異物を噛み込んだことを示す異常を検出するステップと、前記異常を検出した場合に、前記測定手段を前記ワークから離間することなく前記測定手段を前記ワークの外周部に接触させた状態を保持し、前記流体供給手段から供給する流体の流量を一時的に増加させることで前記接触部に噛み込んだ異物を除去するステップとを有する。
請求項2に記載の加工装置は、支持したワークを前記ワークの回転軸回りに回転させる回転手段と、前記ワークの外周部を加工可能な加工手段と、前記ワークの回転軸に直交する方向から前記ワークに対して相対的に前記加工手段を進退移動させる切込み手段と、前記加工手段にて加工された前記ワークの外周部の外径を測定可能な測定手段と、前記加工手段と前記外周部との接触部に流体を供給する流体供給手段と、前記ワーク回転手段と前記切込み手段と前記流体供給手段とを制御する制御手段と、を備えた加工装置であって、前記測定手段は、前記ワークの外周部に接触した状態を保持する検出部を有している。
そして、前記制御手段は、前記回転手段を制御して前記ワークを前記ワークの回転軸回りに回転させながら、前記切込み手段を制御して前記ワークに対して前記加工手段が相対的に徐々に切込む方向に移動させて前記ワークの外周部を徐々に加工していくとともに、前記測定手段からの検出信号に基づいて前記加工手段にて加工している外周部の外径を測定し、測定した前記外周部の外径が大きくなる方向に所定量以上変化した場合、前記検出部が異物を噛み込んだと判定し、前記切込み手段による相対的な移動を停止し、前記測定手段を前記ワークから離間することなく前記測定手段を前記ワークの外周部に接触させた状態を保持し、前記流体供給手段から供給する流体の流量を一時的に増加させることによって流体が異物を押し流す力が高まり(異物に対して流体の流量の変化という刺激を与えて)、前記検出部が噛み込んだ異物を除去する。
請求項3に記載の加工装置は、請求項2に記載の加工装置であって、前記制御手段は、前記流体供給手段から供給する流体の流量を一時的に増加させる際、前記外周部の外径の測定値の増減状態に応じて増加させる流量を変更する。
請求項4に記載の加工装置は、請求項3に記載の加工装置であって、前記制御手段は、前記検出部が異物を噛み込んだと判定して前記切込み手段による相対的な移動を停止した後、所定時間経過毎に、または前記回転手段の所定回転毎に、前記増減状態を判定する。
加工装置1(研削盤)は、ベース2と主軸テーブルTB1と、砥石テーブルTB2と、数値制御装置40(制御手段に相当)とを備えている。
砥石テーブルTB2には、略円柱状の砥石30(加工手段に相当)を備えている。砥石30は、砥石テーブルTB2に載置された砥石回転駆動モータ24により、Z軸に平行な回転軸を中心に回転する。なお、Z軸は、ワークWの回転軸であるC軸に平行な軸であり、後述する送りネジ23BがZ軸である。
また、クーラントノズル70は、ワークWの被加工部と砥石30の冷却と潤滑を行うためのクーラント(冷却油等の流体)を吐出するノズルである。クーラントは、数値制御装置40から制御されるクーラント供給ポンプ74によりクーラントノズル70に供給されて吐出される。なお、クーラントの吐出量は、数値制御装置40から制御される流量調節バルブ72にて調節される(クーラントノズル70、流量調節バルブ72、クーラント供給ポンプ74が流体供給手段に相当する)。
また、主軸モータ21(C軸駆動装置であり、回転手段に相当)は、ワークWを支持してワークWをC軸回りに回転させる。
また、砥石テーブルTB2は、ベース2に設けられた砥石テーブル駆動モータ22(X軸駆動装置であり、切込み手段に相当)と送りネジ22B、及び砥石テーブルTB2に設けられたナット(図示省略)により、ベース2に対してX軸方向に移動可能である。なお、X軸は、前記C軸に直交する方向の軸であり、送りネジ22BがX軸である。
主軸テーブルTB1の上には、心押し台21Tが固定され、主軸台21Dが、種々の長さのワークに対応可能とするように、心押し台21Tに近接または離間可能となるように、心押し台21Tに対向する位置に載置されている。主軸台21D及び心押し台21Tには、それぞれ支持部21C、21S(チャック等)が設けられており、これら支持部21C、21Sの間にワークWが保持(支持)される。この支持部21C、21Sを結ぶ軸がC軸である。
なお、ワークWの被加工部の外径を測定可能な定寸装置60(測定手段に相当)についての説明は後述する。
また、砥石テーブル駆動モータ22には砥石テーブルTB2のX軸方向の位置を検出する位置検出器22Eが設けられており、主軸テーブル駆動モータ23には主軸テーブルTB1のZ軸方向の位置を検出する位置検出器23Eが設けられており、主軸モータ21には、ワークWの回転角度または回転速度を検出する位置検出器21Eが設けられている。これらの位置検出器としては種々のものを用いることができるが、本実施の形態ではエンコーダを用いている。
CPU41は、入出力装置43から入力されるデータと、記憶装置42に記憶されているプログラムやデータと、インターフェース44を介して入力される外部入力信号に基づいて出力指令値を計算し、インターフェース44を介して出力指令値を出力する。
外部入力信号としては、ワークWの回転角度(あるいは回転速度)を検出する位置検出器21Eからの信号、砥石テーブルTB2のX軸方向の位置を検出する位置検出器22Eからの信号、主軸テーブルTB1のZ軸方向の位置を検出する位置検出器23Eからの信号、ワークWの外径を測定する定寸装置60からの検出信号等が用いられる。
ドライブユニット51は主軸モータ21を制御し、C軸を回転中心としたワークWの回転速度を制御する。ドライブユニット52は砥石テーブル駆動モータ22を制御し、砥石テーブルTB2のX軸方向の位置を制御する。ドライブユニット53は主軸テーブル駆動モータ23を制御し、主軸テーブルTB1のZ軸方向の位置を制御する。また、ドライブユニット54は砥石回転駆動モータ24を制御し、砥石30の回転速度を制御する。また、ドライブユニット55は定寸装置60のX軸方向の位置や一対の揺動アーム61a、61bの開閉等を制御する。
なお、図1の例では、砥石回転駆動モータ24には検出器を設けていないが、砥石回転駆動モータ24にも速度検出器等を設け、砥石回転駆動モータ24の回転速度をフィードバック制御することも可能である。
次に、図2(加工装置1の側面図)と図3(図2における定寸装置60の一部の拡大図(一部断面図))を用いて、定寸装置60の構成について説明する。
定寸装置60(測定手段に相当)は、ワークWを挟んで砥石30と対向する位置のベース2上に設けられ、ワークWの外径を測定可能である。定寸装置60は、C軸回りに回転する被加工部の外径の寸法をリアルタイムに検出して検出信号を出力する。そして数値制御装置40は、増幅器56(図1を参照)を介して定寸装置60からの検出信号を取り込み、被加工部の外径がどれだけであるか、リアルタイムに連続的に認識することができる。
定寸装置本体66には、先端にワークWの被加工部の外周部の上下2個所に接触する接触子である一対のフィーラ62a、62b(検出部に相当)を設けた一対の揺動アーム61a、61bが、ピン63a、63bを支点として揺動可能に設けられている。また、揺動アーム61a、61bは、スプリング65a、65bの弾性力により、互いに閉止する方向(フィーラ62a、62bの間隔が狭くなる方向)に付勢されている。
また、揺動アーム61a、61bの後端(フィーラ62a、62bと反対側の端部)には、変位検出器を構成する差動トランスの鉄心67a、67bが連結されており、鉄心67a、67bは定寸装置本体66の内部に設けられたコイル68a、68b内で摺動可能に嵌挿されている。これにより、一対のフィーラ62a、62bの相対変位量は、一対の揺動アーム61a、61bの揺動変位量となり、鉄心67a、67bがコイル68a、68b内で変位し、変位量に応じた検出信号がコイル68a、68bから出力される。
なお、リトラクト装置64a、64bは、スプリング65a、65bの弾性力に抗して、揺動アーム61a、61b(フィーラ62a、62b)を開放する方向に駆動可能である。また、リトラクト装置64a、64bは、一対の揺動アーム61a、61bをワークWから離間するのみでなく、スプリング65a、65bの弾性力に抗する力を調節可能であり、一対の揺動アーム61a、61bをワークWの方向に押圧する押圧力を調節することが可能である。数値制御装置40は、ドライブユニット55(図1を参照)を介してリトラクト装置64a、64bに制御信号を出力し、一対の揺動アーム61a、61bの押圧力を調節可能である。
ワークWの被加工部の外径の測定を行う場合、例えば、ワークWの粗研削中に定寸装置60の前進が数値制御装置40からドライブユニット55(図1を参照)を介して指令され、駆動装置69が定寸装置本体66をX軸方向に沿ってワークWに近接する方向に移動させる。そして、一対のフィーラ62a、62bがワークWの外径を測定可能な位置に到達すると、定寸装置本体66の移動が停止される。そして、数値制御装置40からドライブユニット55(図1を参照)を介してリトラクト装置64a、64bに解除指令を出力すると、一対のフィーラ62a、62bはワークWの外周部の上下2個所に接触する。
しかし、被加工部を砥石30で研削しながら外径を測定しているため、フィーラ62a、62bとワークWとの間に、ワークWや砥石30の屑等の異物が噛み込まれる場合がある。この場合、定寸装置60はワークWの正しい外径よりも大きな寸法を示す検出信号を出力してしまい、出来上がったワークWの外径が許容範囲よりも小さくなることがある。
以下にて、この噛み込んだ異物を除去する処理手順について説明する。
次に、図4に示すフローチャートを用いて、噛み込んだ異物の除去方法の手順について説明する。
なお、図5(A)に示すグラフは、粗研削(区間N)、精研削(区間S)、仕上げ研削(区間SS)の工程における研削中の砥石30のX軸方向の位置、定寸装置60にて測定されたワークWの外径の測定値(このグラフでは、直径でなく、半径を示す)、ワークWと砥石30との接触部に供給されるクーラント等の流体の流量、と時間の関係を示すグラフであり、図5(A)中の(α)部にて異物の噛み込みが発生し、(β)部にて異物が除去された様子を示している。なお、図5(A)に示す例では、粗研削(区間N)、精研削(区間S)、仕上げ研削(区間SS)に応じて流体の流量を段階的に減少させる例を示している。流体はワークWと砥石30との間に入り込むため、流体の流量を増加させると、ワークWの湾曲(砥石30の反対方向への湾曲)が大きくなる。
また、図5(B)は、(α)部及び(β)部近傍の拡大図の例を示している。
例えば、図4に示すフローチャートに示す処理は、所定時間毎(10ms毎等)に数値制御装置40にて実行される。
なお、前述したように、砥石30をワークWに押し付けて研削すると、ワークWが僅かに反対方向に湾曲するため、図5(A)及び(B)に示すグラフでは、砥石30のX軸方向の位置に対して、ワークWの外径の測定値のほうが大きい値を示している。
なお、主軸モータ21、砥石回転駆動モータ24、リトラクト装置64a及び64b、クーラント供給ポンプ74、流量調節バルブ72は、既に数値制御装置40からの制御指令にて、所定の動作状態に達している(図4に示すフローチャートでは省略している)。
ステップS12では、数値制御装置40は、定寸装置60からの検出信号に基づいて研削している被加工部の外径の測定値を求めて記憶し、ステップS16に進む。
ステップS16では、ステップS12にて求めた測定値を用いて、ワークWの測定値の最小値の更新処理を行う。当該最小値は、研削処理の開始時に初期化されており、ステップS12にて求めた測定値が、現在記憶している最小値よりも小さい場合、ステップS12にて求めた測定値を最小値として記憶し、ステップS20に進む。
ステップS20では、ステップS12にて求めた今回の測定値と、記憶されている最小値との差分が閾値Rth(図5(A)及び(B)を参照)以上であるか否かを判定する。閾値Rth以上である場合(Yes、図5(B)中の時間[T+2]の(α)参照)は、異物の噛み込みが発生したと判定してステップS22に進む(この場合、外径が大きくなる方向に所定量以上変化したと判定)。なお、閾値Rth未満である場合(No)は、異物の噛み込みは発生していないと判定して処理を終了する。
ここで砥石30をワークWから離間する方向に移動させると、砥石30でワークWを押し付ける負荷が変化することで、測定している外径の測定値が変化する可能性があるため、好ましくない。
前述したように、砥石30をワークWに押し付けてワークWの外周部を研削すると、ワークWが僅かに反対方向に湾曲するため、砥石30を移動させた寸法と実際に研削された寸法とは完全には一致しない。そこで、目標とする研削寸法を正確に把握するために定寸装置60を用いてワークWの外径を測定している。
ステップS24では、所定時間(例えば、10ms等)または所定回転(例えば、ワークWを1回転等)の間、その状態で待機した後、ステップS26に進む。後述するステップS36BまたはステップS36C等にて流量調節バルブ72によって流体の流量を増加させた場合、噛み込んだ異物は、この待機時間の間に除去あるいは減少されることになる。この待機時間が適切なタイミングとなるように、所定時間または所定回転が設定される。
ステップS26では、定寸装置60からの検出信号に基づいて被加工部の外径の測定値を求め、ステップS30に進む。
ステップS30では、ステップS26にて求めた測定値が、記憶されている最小値未満であるか否かを判定する。最小値未満である(Yes、図5(B)中の時間[T+9]の(β)参照)場合、噛み込んだ異物が全て除去されたと判断して、ステップS40に進む。最小値未満でない(No)場合、噛み込んだ異物がまだ残っていると判断して、ステップS32に進む。
ステップS34に進んだ場合、今回の測定値が前回の測定値より大きいか否かを判定する。大きい(Yes)場合はステップS36Cに進み、そうでない(No)場合はステップS36Aに進む。
ステップS36Bに進んだ場合は、今回の測定値が前回の測定値に対して増加傾向も減少傾向も示していない(±所定値Rwの範囲内)場合である(異物が除去されずに残留している)ため、例えば、流量調節バルブ72による流体の流量を本来の研削で用いる流量の130%に相当する設定2の流量となるようにして、流量を増加させ、ステップS24に戻る。
ステップS36Cに進んだ場合は、今回の測定値が前回の測定値に対して増加傾向を示している場合である(異物の堆積が増加している)ため、例えば、流量調節バルブ72による流体の流量を本来の研削で用いる流量の150%に相当する設定3の流量(設定2よりも更に大きい流量)となるようにして、流体の流量を増加させ、ステップS24に戻る。
上記のように、噛み込んだ異物の増減状態に応じて流量調節バルブ72による流体の流量を増加させる。
また、ステップS40に進んだ場合は、異物が全て除去されたことにより、今回の測定値が、記憶している最小値以下となった場合であるため、流量調節バルブ72による流体の流量を本来の研削で用いる流量となるように復帰させ、ステップS42に進む。
そして、ステップS42では、ステップS22にて停止させた砥石30の切込み方向への移動を再開させる。
このように、異物を噛み込んだ異常を検出した場合、流量調節バルブ72による流体の流量を一時的に増加させることで、接触子であるフィーラ62a、62bをワークWから離間することなく、噛み込んだ異物を除去することができる。
他の実施例として、例えば、粗研削(区間N)、精研削(区間S)、仕上げ研削(区間SS)のそれぞれにて、本来の研削で用いる流量をそれぞれ、流量A、流量B、流量C(流量A>流量B>流量C)として、粗研削の場合におけるステップS36Cの設定3では流量A*1.5(150%)に設定し、精研削の場合におけるステップS36Cの設定3では流量A*1.5(150%)に設定し、仕上げ研削の場合におけるステップS36Cの設定3では流量A*1.5(150%)に設定するようにしてもよい。
また、更に他の実施例として、例えば、粗研削(区間N)、精研削(区間S)、仕上げ研削(区間SS)にて本来の研削で用いる流量を一定(流量A)として、粗研削(区間N)、精研削(区間S)、仕上げ研削(区間SS)のどの区間であっても、ステップS36Cの設定3では流量A*1.5(150%)に設定するようにしてもよい。
以上では、ステップS36Cの設定3について説明したが、ステップS36Bの設定2も同様であり、一時的に増加させる流量(ステップS36B、ステップS36Cにおける設定2、設定3による流量)は、種々の値に設定することができる。
また、以上の説明では、図1の例に示した加工装置1により、ワークに対して砥石30をX軸方向に移動させたが、砥石30に対してワークをX軸方向に移動させる構成にすることもできる。従って、X軸駆動装置は、ワークに対して砥石30を相対的にX軸方向に移動させることができるものである。
同様に、Z軸方向については、砥石30に対してワークをZ軸方向に移動させたが、ワークに対して砥石30をZ軸方向に移動させる構成にすることもできる。従って、Z軸駆動装置は、ワークに対して砥石30を相対的にZ軸方向に移動させることができるものである。
また、定寸装置60は、スプリング65a、65bの弾性力に抗してフィーラ62a、62bを開放する方向に駆動するリトラクト装置64a、64bを省略してもよい。リトラクト装置64a、64bを省略した場合、定寸装置60をワークWの方向に押し込んでいくと、フィーラ62a、62bはワークWの外周部に沿って押し開かれる。
また、異常の状態(異物の量等)に応じて流体の流量を変更することで、適切に異物を除去することができる。
また、ワークWに接触させるフィーラ62a、62bをワークWから離間させることなく異物を除去することで、誤差の発生を抑制し、繰り返し精度が良くなる。
また、異常の状態(異物の量等)をリアルタイムに判断しているので、異物が除去された場合に迅速に加工の再開に移ることが可能であり、ムダ時間がない。
また、噛み込んだ異物を除去するための流体は、ワークWと砥石30との冷却及び潤滑を行うために加工装置1が元々備えているクーラントと共用しているため、異物除去用の流体供給装置を別個に独立して設ける必要がない。さらに、異物除去時に流体の流量を一時的に増加させる機構も、加工装置1が元々備えている粗研削、精研削、仕上げ研削の各工程にてクーラントの流量を切り替える流量調節バルブ72等と兼用しているため、異物除去のための追加装置を全く必要とせず、低コストで実施できる。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
また、本実施の形態の説明では、加工装置1の例として研削盤を用いて説明したが、研削盤に限定されるものではなく、例えば旋盤に適用することも可能である。
2 ベース
W ワーク
21 主軸モータ(回転手段)
22 砥石テーブル駆動モータ(切込み手段)
23 主軸テーブル駆動モータ
24 砥石回転駆動モータ
21E、22E、23E 位置検出器
TB1 主軸テーブル
TB2 砥石テーブル
22B、23B 送りネジ
30 砥石(加工手段)
40 数値制御装置(制御手段)
41 CPU
42 記憶装置
43 入出力装置
44 インターフェース
51〜55 ドライブユニット
60 定寸装置(測定手段)
61a、61b 揺動アーム
62a、62b フィーラ(検出部)
64a、64b リトラクト装置
65a、65b スプリング
70 クーラントノズル(流体供給手段)
72 流量調節バルブ(流体供給手段)
74 クーラント供給ポンプ(流体供給手段)
Claims (4)
- 回転手段と、加工手段と、測定手段と、異常検出手段と、流体供給手段とを用いてワークを加工する加工方法であって、
前記回転手段にて、前記ワークの回転軸回りに前記ワークを回転させるステップと、
前記加工手段にて、回転している前記ワークの外周部を徐々に加工していくステップと、
前記流体供給手段にて、前記加工手段と前記外周部との接触部に流体を供給するステップと、
前記測定手段にて、加工している外周部に接触した状態を保持して当該外周部の外径を測定するステップと、
前記異常検出手段にて、前記測定手段における前記外周部との接触部が異物を噛み込んだことを示す異常を検出するステップと、
前記異常を検出した場合に、前記測定手段を前記ワークから離間することなく前記測定手段を前記ワークの外周部に接触させた状態を保持し、前記流体供給手段から供給する流体の流量を一時的に増加させることで前記接触部に噛み込んだ異物を除去するステップとを有する、
ことを特徴とする加工方法。 - 支持したワークを前記ワークの回転軸回りに回転させる回転手段と、
前記ワークの外周部を加工可能な加工手段と、
前記ワークの回転軸に直交する方向から前記ワークに対して相対的に前記加工手段を進退移動させる切込み手段と、
前記加工手段にて加工された前記ワークの外周部の外径を測定可能な測定手段と、
前記加工手段と前記外周部との接触部に流体を供給する流体供給手段と、
前記ワーク回転手段と前記切込み手段と前記流体供給手段とを制御する制御手段と、
を備えた加工装置であって、
前記測定手段は、前記ワークの外周部に接触した状態を保持する検出部を有しており、
前記制御手段は、
前記回転手段を制御して前記ワークを前記ワークの回転軸回りに回転させながら、
前記切込み手段を制御して前記ワークに対して前記加工手段が相対的に徐々に切込む方向に移動させて前記ワークの外周部を徐々に加工していくとともに、前記測定手段からの検出信号に基づいて前記加工手段にて加工している外周部の外径を測定し、
測定した前記外周部の外径が大きくなる方向に所定量以上変化した場合、前記検出部が異物を噛み込んだと判定し、前記切込み手段による相対的な移動を停止し、前記測定手段を前記ワークから離間することなく前記測定手段を前記ワークの外周部に接触させた状態を保持し、前記流体供給手段から供給する流体の流量を一時的に増加させて前記検出部が噛み込んだ異物を除去する、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項2に記載の加工装置であって、
前記制御手段は、
前記流体供給手段から供給する流体の流量を一時的に増加させる際、前記外周部の外径の測定値の増減状態に応じて増加させる流量を変更する、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項3に記載の加工装置であって、
前記制御手段は、
前記検出部が異物を噛み込んだと判定して前記切込み手段による相対的な移動を停止した後、所定時間経過毎に、または前記回転手段の所定回転毎に、前記増減状態を判定する、
ことを特徴とする加工装置。
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