JP4997164B2 - 処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法および装置に関し、詳しくは、有色インクを凝集させる無色透明な処理液を吐出するノズルを有するインクジェット記録方法および装置における、処理液吐出ノズルから吐出された処理液の着弾位置を決定する処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法および装置に関する。
従来、インクジェット記録装置においては、記録媒体に画像を描画する際に、記録媒体の種類によっては、記録した画像の耐水性が不十分であることがあった。
また、特に、カラー画像を記録する場合に、高濃度の画像を描画しようとして多量のインクを記録媒体に吐出すると、インクの記録媒体への浸透によっては、フェザリングを生じることがあり、一方、この浸透を抑制しつつ、高濃度の画像を描画しようとすると、異なる色のインク間でにじみを生じることがあり、いずれの場合も、カラー画像を描画する場合の画像の品位を著しく低下させていた。
そこで、近年、インクジェット記録装置において、描画する画像の耐水性を向上させて高品質な画像(印字)を得るために、処理液を使用する方法が提案されている。
処理液は、有色インクの色材を凝集定着させる作用を有するので、インクジェット記録装置において、このような処理液を用いる場合には、有色インクを記録媒体に打滴する前に、処理液を記録媒体に打滴し、この処理液上に有色インクを打滴することにより、記録媒体上における有色インクのフェザリングやにじみを防止することができ、高品質な画像を得ることができる。
通常、インクジェット記録装置において、処理液を、記録媒体上の有色インクの画像記録領域に重ねて像様(イメージワイズ)に打滴する場合には、インクジェットヘッドで、処理液を記録媒体に打滴する。
この際に、処理液を吐出するインクジェットヘッドのノズルの中に、処理液を吐出しない処理液吐出ノズルが存在すると、記録媒体上に処理液が打滴さていない領域が生じる。
当然のことながら、記録媒体上の処理液が打滴されていない領域に、有色インクを打滴しても、有色インクの色材の定着凝集が不十分になるため、所望のインク濃度や所望のドット径が得られず、画像の品質は低下する。
特に、インクジェットヘッドの構成が、ラインヘッドの場合に、処理液不吐出ノズルが存在すると、記録画像上に生じる処理液が打滴されていないことにより画像の品質が低下する領域が、ライン状(スジ状)になり、非常に目立ってしまう。
そのため、処理液としては、記録媒体における記録画像領域の色濃度を正確に制御するために、無色透明なものを用いるので、記録媒体上において、処理液が打滴されているかどうかを検知することが、非常に難しいが、記録媒体上において、処理液が、インクを打滴する領域(画像記録領域)に打滴されているかどうかを検知(検出)することは、記録画像の品質を維持していく上で、非常に重要である。
そこで、従来より、通常のプリントに先だって、テストプリントを行って無色透明な処理液を検出する技術が知られている(特許文献1、2および3参照)。
そこで、特許文献1には、記録媒体上に、処理液および有色インクを重ねて打滴して形成した線と、有色インクのみを打滴して形成した線とを形成し、これらの濃度、色相、にじみ等を比較し、この比較結果を用いて、処理液不吐出ノズルを検出する方法が開示されている。
さらに、特許文献1には、記録媒体上に、処理液を階段状の線を形成するように打滴した後に、この記録媒体全面に、有色インクを打滴(ベタ打滴)して、処理液とインクとが重なった線の濃度、色等を求め、これらを用いて、不吐出ノズルを検出する方法が開示されている。
また、特許文献2には、記録媒体上における2つの有色インクを隣接して打滴した領域に、処理液を打滴して、有色インクと処理液との着弾位置が一致しているかを判断し、処理液の着弾位置を調整する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、処理液とインクとのプリント位置合わせを適正に行う方法を提案している特願平10−309242号(特開2000−127375号公報)に記載の発明の課題として、用いる記録媒体(プリント媒体)や環境状態によっては、にじみを利用してインクと処理液との自動プリント位置合わせを行うことができないことを挙げており、この課題を解決するために、相対的に変化する濃度やにじみに応じて変化する光学特性を用いて、処理液とインクとのプリント位置合わせを行う方法が開示されている。
特開平08−118616号公報 特開平11−198357号公報 特開2001−13894号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法は、処理液を吐出していないノズルを検出することはできるものの、処理液とインクとの着弾位置が一致するように、処理液の着弾位置を決定する方法が開示されていないので、処理液とインクとの着弾位置ずれが引き起こすインク定着不良による記録画像の品質の低下を防止することができない。
また、特許文献2に開示されている方法は、処理液吐出ノズルの走査方向への移動における吐出のタイミングを調整することにより、処理液の着弾位置を調整することができるものの、処理液吐出ノズル(処理液ヘッド)が走査方向に移動しつつ処理液を吐出する構成の装置でなければ、適用することができない。すなわち、前記処理液ヘッドの走査方向に平行に配置された処理液吐出ノズルを用いて、前記処理液ヘッドの走査方向と直交する方向に、処理液吐出ノズルを移動させて、記録媒体に処理液を打滴するような構成の装置では、適用することができない。
また、特許文献3に開示されている方法も、処理液とインクとのプリント位置合わせはできるものの、インクのプリント(記録)と処理液のプリント(記録)の位置合わせをするために用いる、インクの濃度やにじみの光学特性を求めるために、2種類の有色インクで形成したプリントパターン上または付近に処理液を打滴した、パターンを複数生成しなければならないので、時間がかかり、かつ、有色インク毎の個体差が懸念される。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、処理液吐出ノズルやインク吐出ノズルが、それぞれ、ラインヘッドなどの1直線状に並んでいる記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に対しても適用することができ、さらに、安定的で、かつ、簡便な方法で、処理液ヘッドの着弾位置を決定することができる処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法および装置ならびにインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、処理液吐出ノズルおよびインクノズルからそれぞれ透明な処理液および有色インクを像様に重ねて打滴し、前記有色インクを定着して記録するインクジェット記録方法における処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法であって、打滴された処理液の着弾位置決定対象として選択された1つの処理液吐出ノズルおよびこれを中心とする両側の複数の処理液吐出ノズルにおいて、それぞれ、打滴される前記処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら前記処理液を所定ドッド数連続して打滴した線状の着弾位置決定対象領域が形成され、これらの線状の着弾位置決定対象領域がその中心から遠ざかるにつれ、処理液濃度の濃いまたは薄いドッド数が減少する複数の線状の位置決定対象領域を形成し、前記着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、前記線状の着弾位置決定対象領域とは逆に前記処理液の濃度を変化させながら前記処理液が連続して打滴されるように、処理液打滴パターンを設定し、設定された処理液打滴パターンに応じて前記処理液を前記処理液吐出ノズルから記録媒体上に吐出して前記記録媒体に前記処理液打滴パターンを形成し、前記選択された処理液吐出ノズルと対応するインクノズルを含みその両側のインクノズルの中からノズル間隔をあけて選択された複数のインクノズルから前記有色インクを、前記記録媒体に形成された前記処理液打滴パターン上に打滴して前記記録媒体に複数の線状の有色インク画像を記録して、前記記録媒体に処理液着弾位置決定パターンを形成し、前記記録媒体に形成された前記処理液着弾位置決定パターンを検出センサで読み取り、前記検出センサで読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の線状の有色インク画像を検出し、検出された前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅を測定し、測定された前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像における濃度分布および/または線幅分布から、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの着弾位置を決定することを特徴とする処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法を提供するものである。
ここで、前記前記処理液の濃度は、処理液吐出ノズルから1つの処理液ドッドに打滴される前記処理液の液量、前記1つの処理液ドッドのサイズ、前記1つの処理液ドッドを形成する所定液量の小滴の密度、および、前記1つの処理液ドッドへの前記処理液の吐出率の少なくとも1つを制御することにより制御され、前記濃度の濃淡は、前記処理液の液量の多少、前記サイズの大小、前記密度の大小、または、吐出率の大小に対応するものであるのが好ましい。
また、全処理液吐出ノズルが前記着弾位置決定対象として選択されるように、少なくとも1つの処理液吐出ノズル毎に前記処理液打滴パターンが設定され、設定された複数の前記処理液打滴パターンが連続して組み合せられるのが好ましい。
また、前記処理液吐出ノズルの着弾位置を決定は、前記複数の線状の有色インク画像の各々の長さを求めるとともに、各線状の有色インク画像の前記濃度分布および/または線幅分布から当該線状の有色インク画像の特徴点を求め、前記特徴点が存在しない前記線状の有色インク画像を除き、前記特徴点が存在する前記線状の有色インク画像の中から2つを選び、選ばれた2つの線状の有色インク画像の各々について、前記特徴点の長さを求めるとともに、選ばれた2つの線状の有色インク画像間の距離を求め、求められた2つの前記特徴点の長さと、前記距離と、選ばれた2つの線状の有色インク画像を描画した各インクノズルに対応して予め決定されている有色インクの着弾位置とを用いて、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出することであるのが好ましい。
また、前記特徴点は、前記線状の有色インク画像の前記濃度分布および/または線幅分布からその最大値および最小値を求め、求められた最大値および最小値をそれぞれ所定基準値に規格化し、規格化濃度が所定値となる前記線状の有色インク画像上の位置を求めることにより得られ、前記特徴点の長さは、求められた位置と、前記規格化濃度が最大となる位置または最小となる位置との間の距離として求められるのが好ましい。
また、記濃度分布および/または線幅分布が存在する前記線状の有色インク画像がつ以上存在する時、異なる組み合わせの2つの線状の有色インク画像を選択し、複数の組み合せについて、それぞれ、前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出し、複数の組み合せについて算出された前記着弾位置の平均値を求め、求められた前記平均値を前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置として決定するのが好ましい。
また、本発明においては、さらに、前記濃度分布および/または線幅分布が存在しない前記線状の有色インク画像を決定した場合には、前記濃度が不変であり、かつ、前記線幅が不変である前記線状の有色インク画像を記録した前記インクノズルに対応する前記処理液吐出ノズルを不吐出処理液吐出ノズルとして検出するのが好ましい。
また、本発明においては、さらに、前記検出センサで読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の線状の有色インク画像を検出する際に、前記線状の着弾位置決定対象領域に対応する前記線状の有色インク画像が形成されていない場合に、当該線状の着弾位置決定対象領域に対応する前記インクノズルを不吐出インクノズルとして検出するのが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の態様は、処理液吐出ノズルおよびインクノズルからそれぞれ透明な処理液および有色インクを記録媒体上に像様に重ねて打滴し、前記有色インクを定着して記録するインクジェット記録方法における処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法であって、全処理液吐出ノズルの中から、打滴された処理液の着弾位置決定対象として、少なくとも隣接しないように選択された処理液吐出ノズルの各々において、打滴される前記処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら前記処理液を所定ドッド数連続して打滴した線状の着弾位置決定対象領域が形成され、前記着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、前記線状の着弾位置決定対象領域とは逆方向に前記処理液の濃度を変化させながら前記処理液が連続して打滴されるように、処理液打滴パターンを設定し、前記設定された処理液打滴パターンに応じて、前記処理液を前記処理液吐出ノズルから前記記録媒体上に吐出することを繰り返して、同一の前記処理液打滴パターンを、前記記録媒体に繰り返し形成し、前記着弾位置決定対象として選択された処理液吐出ノズルと対応するとして、それぞれ異なる色の有色インクを打滴する複数種のインクノズルが設定され、設定された複数種のインクノズルおよび複数の周辺のインクノズルの中から1種のインクノズルから対応する前記有色インクを選択し、選択された処理液吐出ノズルと対応して前記記録媒体に繰り返し形成された1つの前記処理液打滴パターン上に吐出して前記記録媒体に線状の有色インク画像を形成することを、前記インクノズルの種類および前記有色インクの色の種類を対応する色に変えて繰り返し、複数の色の各色について複数の前記線状の有色インク画像を前記記録媒体に記録して、前記記録媒体に処理液着弾位置決定パターンを形成し、前記記録媒体に形成された前記処理液着弾位置決定パターンを検出センサで読み取り、前記検出センサで読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像を検出し、前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅を測定し、測定された前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像の中から、その濃度の変化の方向が前記線状の着弾位置決定対象領域の処理液濃度の変化の方向と一致する、および/またはその線幅の変化が細くなる方向が、前記線状の着弾位置決定対象領域の前記処理液濃度の変化が濃くなる方向と一致する線状の有色インク画像を求め、求められた変化の方向が一致する1以上の前記線状の有色インク画像が同一線上に存在する場合に、当該線状の有色インク画像の位置を、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの着弾位置として決定することを特徴とする処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法を提供するものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様は、インクジェットヘッドの処理液吐出ノズルおよびインクノズルからそれぞれ透明な処理液および有色インクを像様に重ねて記録媒体上に打滴し、前記有色インクを定着して記録するインクジェット記録装置に用いられる処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置であって、打滴された処理液の着弾位置決定対象として1つの処理液吐出ノズルおよびこれを中心とする両側の複数の処理液吐出ノズルを選択するノズル設定部と、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの各々において、それぞれ、打滴される前記処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら前記処理液を所定ドッド数連続して打滴した線状の着弾位置決定対象領域が形成され、これらの線状の着弾位置決定対象領域がその中心から遠ざかるにつれ、処理液濃度の濃いまたは薄いドッド数が減少する複数の線状の着弾位置決定対象領域を形成し、前記着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、前記線状の着弾位置決定対象領域とは逆に前記処理液の濃度を変化させながら前記処理液が連続して打滴されるように、処理液打滴パターンを設定する処理液打滴パターン設定部と、設定された処理液打滴パターンに応じて前記処理液を前記処理液吐出ノズルから記録媒体上に吐出して前記記録媒体に前記処理液打滴パターンを形成するように、前記処理液吐出ノズルの吐出制御を行うとともに、前記選択された処理液吐出ノズルと対応するインクノズルを含みその両側のインクノズルの中からノズル間隔をあけて選択された複数のインクノズルから前記有色インクを、前記記録媒体に形成された前記処理液打滴パターン上に打滴して前記記録媒体に複数の線状の有色インク画像を記録して、前記記録媒体に処理液着弾位置決定パターンを形成するように、前記インクノズルの吐出制御を行う吐出制御部と、前記記録媒体に形成された前記処理液着弾位置決定パターンを検出センサで読み取り、読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の線状の有色インク画像の画像データを取得するデータ取得部と、前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅を測定する測定部と、前記測定部で測定された前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像における濃度分布および/または線幅分布から、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの着弾位置を決定する決定部とを有することを特徴とする処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置を提供するものである。
ここで、前記決定部は、前記複数の線状の有色インク画像の各々の長さを求めるとともに、各線状の有色インク画像の前記濃度分布および/または線幅分布から当該線状の有色インク画像の特徴点を求め、前記特徴点が存在しない前記線状の有色インク画像を除き、前記特徴点が存在する前記線状の有色インク画像の中から2つを選び、選ばれた2つの線状の有色インク画像の各々について、前記特徴点の長さを求めるとともに、選ばれた2つの線状の有色インク画像間の距離を求め、求められた2つの前記特徴点の長さと、前記距離と、選ばれた2つの線状の有色インク画像を描画した各インクノズルに対応して予め決定されている有色インクの着弾位置とを用いて、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出するのが好ましい。
また、前記決定部は、前記特徴点として、前記線状の有色インク画像の前記濃度分布および/または線幅分布からその最大値および最小値を求め、求められた最大値および最小値をそれぞれ所定基準値に規格化し、規格化濃度が所定値となる前記線状の有色インク画像上の位置を求め、前記特徴点の長さを、求められた位置と、前記規格化濃度が最大となる位置または最小となる位置との間の距離として求めるのが好ましい。
また、前記決定部は、前記濃度分布および/または線幅分布が存在する前記線状の有色インク画像がつ以上存在する時、異なる組み合わせの2つの線状の有色インク画像を選択し、複数の組み合せについて、それぞれ、前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出し、複数の組み合せについて算出された前記着弾位置の平均値を求め、求められた前記平均値を前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置として決定するのが好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の第4の態様は、インクジェットヘッドの処理液吐出ノズルおよびインクノズルからそれぞれ透明な処理液および有色インクを記録媒体上に像様に重ねて打滴し、前記有色インクを定着して記録するインクジェット記録装置に用いられる処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置であって、全処理液吐出ノズルの中から、打滴された処理液の着弾位置決定対象として、少なくとも隣接しないように複数の処理液吐出ノズルを選択するノズル設定部と、前記着弾位置決定対象として選択された前記複数の処理液吐出ノズルの各々において、打滴される前記処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら前記処理液を所定ドッド数連続して打滴した線状の着弾位置決定対象領域が形成され、前記着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、前記線状の着弾位置決定対象領域とは逆方向に前記処理液の濃度を変化させながら前記処理液が連続して打滴されるように、処理液打滴パターンを設定する処理液打滴パターン設定部と、前記設定された処理液打滴パターンに応じて、前記処理液を前記処理液吐出ノズルから前記記録媒体上に吐出することを繰り返して、同一の前記処理液打滴パターンを、前記記録媒体に繰り返し形成するように、前記処理液吐出ノズルの吐出制御を行うとともに、前記着弾位置決定対象として選択された処理液吐出ノズルと対応するとして、それぞれ異なる色の有色インクを打滴する複数種のインクノズルが設定され、設定された複数種のインクノズルおよび複数の周辺のインクノズルの中から1種のインクノズルから対応する前記有色インクを選択し、選択された処理液吐出ノズルと対応して前記記録媒体に繰り返し形成された1つの前記処理液打滴パターン上に吐出して前記記録媒体に線状の有色インク画像を形成することを、前記インクノズルの種類および前記有色インクの色の種類を対応する色に変えて繰り返し、複数の色の各色について複数の前記線状の有色インク画像を前記記録媒体に記録して、前記記録媒体に処理液着弾位置決定パターンを形成するように、前記インクノズルの吐出制御を行う吐出制御部と、前記記録媒体に形成された前記処理液着弾位置決定パターンを検出センサで読み取り、読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の画像データを取得するデータ取得部と、前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅を測定する測定部と、測定された前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像の中から、その濃度の変化の方向が前記線状の着弾位置決定対象領域の処理液濃度の変化の方向と一致する、および/またはその線幅の変化が細くなる方向が、前記線状の着弾位置決定対象領域の前記処理液濃度の変化が濃くなる方向と一致する線状の有色インク画像を求め、求められた変化の方向が一致する1以上の前記線状の有色インク画像が同一線上に存在する場合に、当該線状の有色インク画像の位置を、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの着弾位置として決定する決定部とを有することを特徴とする処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置を提供するものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の第5の態様は、透明な処理液および有色インクを記録媒体上にそれぞれ像様に重ねて打滴する処理液吐出ノズルおよびインクノズルを備えるインクジェットヘッドと、前記記録媒体上にそれぞれ像様に打滴された有色インクを定着する定着手段と、前記記録媒体と前記インクジェットヘッドとを相対的に移動する移動手段と、上記処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置とを有することを特徴とするインクジェット記録装置を提供するものである。
本発明によれば、安定的で、かつ、簡便な方法で、処理液ヘッドの着弾位置を正確に、決定することができ、これにより、高品質な画像の提供を実現することができる。
また、本発明によれば、記録媒体を搬送する記録装置における搬送手段に殆どインクを付着させることなく、処理液吐出ノズルの着弾位置を決定することができる。
また、本発明は、走査方向と略直交する方向に並ぶ処理液吐出ノズルおよびインク吐出ノズルで構成された記録ヘッドを有する記録装置に対しても適用することができる。
さらに、本発明によれば、処理液吐出ノズルの打滴する処理液と、インク吐出ノズルの打滴するインクとの対応関係を常に更新することができ、これにより、処理液吐出ノズルとインク吐出ノズルとの対応付けを正確に行うことができる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置および処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像記録装置の構成を表わすブロック図である。
図1に示す画像記録装置10は、供給された画像情報に応じて、画像を形成するための有色インクおよびこの有色インクを定着させる処理液とを用いて、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、画像記録部12と、画像読取装置14と、本発明の処理液吐出ノズル着弾位置決定装置16とで構成される。
画像記録部12は、インク吐出ノズル(以下、単に、インクノズルともいう)および処理液吐出ノズル(以下、単に、処理液ノズルともいう)を有するインクジェットヘッド(以下、単に吐出ヘッドという)や、記録媒体を搬送する搬送手段等を具備し、供給された画像情報に応じて、供給された記録媒体に、画像を記録し、例えば、本発明では、特に、処理液ノズルによる処理液打滴パターンや、処理液ノズルおよびインクノズルによる処理液着弾位置決定パターンを形成する部位である。
画像読取装置14は、CCD(charge-coupled device)やMOS(metal oxide semiconductor)センサなどからなる撮影素子を含む検出センサによって画像記録部12で記録媒体上に記録された画像、例えば、処理液着弾位置決定パターンを読み取り、読み取った画像のデータをデジタルデータに変換して、本発明の処理液ノズル着弾位置決定装置16に供給するものであり、公知のスキャナを用いればよい。
本発明の処理液ノズルの着弾位置決定装置(以下、単に決定装置ともいう)16は、本発明の処理液ノズルの着弾位置決定方法を実施し、画像記録部12の吐出ヘッドを構成する処理液ノズルから記録媒体上に吐出された処理液の液滴(吐出処理液滴)の着弾位置を決定し、好ましくは、選択した処理液ノズルや、この処理液ノズルに対応するインクノズル、このインクノズルを中心として中心から両側にノズル間隔を空けて選択された、着弾位置決定に用いるテスト用の複数のインクノズル(以下、単に、テストインクノズルともいう)、対応インクノズルの周辺に位置するインクノズル(以下、単に、周辺インクノズルともいう)の吐出状態を判断し、また、処理液ノズルとインクノズルとの着弾位置のずれを検出し、さらに好ましくは、この位置ずれを修正し、処理液ノズルとインクノズルとの新たな対応付けの設定を行うものである。
ここで、図2を用いて、本発明の決定装置16について、説明する。
なお、図2は、本発明の決定装置16の構成を示したブロック図である。
本発明の決定装置16は、図2に示すように、ノズル設定部18、打滴パターン設定部19、吐出制御部20、データ取得部22、ライン検出部24、ライン測定部26、決定部28、および、記憶部29とを有する。
ノズル設定部18は、処理液ノズルの番号設定や、処理液ノズルの着弾位置を決定する際に、処理液の着弾位置決定対象とする処理液ノズルの番号設定や、対象処理液ノズルに対応するインクノズル、このインクノズルからノズル間隔をあけて選択された複数のインクノズル、または、対応インクノズルの周辺のインクノズルの決定を行なう部位である。
なお、本発明においては、処理液打滴パターンを設定するために、処理液の着弾位置決定対象の処理液ノズルを決定する場合には、例えば、全処理液ノズルの中から処理液の着弾位置決定対象として少なくとも隣接しないように対象処理液ノズルを選択する。
また、処理液ノズルおよびインクノズルによって形成された処理液着弾位置決定パターンから処理液ノズルの着弾位置の決定を行う場合には、所定処理液ノズル、例えば、吐出ヘッドの一方の端部にある処理液ノズル、あるいは、着弾位置の決定を行った次の処理液ノズルを対象処理液ノズルとして選択する。なお、選択された対象処理液ノズル(のノズル番号)は、ライン検出部24に送られる。
打滴パターン設定部19は、ノズル設定部18によって設定された着弾位置決定対象の処理液ノズルに応じて、処理液の着弾位置を決定するために、全処理液ノズルを用いて処理液を打滴するためのテストパターンとして処理液打滴パターン(後述する図4および17参照)を設定する部位である。
なお、打滴パターン設定部19では、処理液打滴パターンは、処理液打滴用テストパターンデータ(以下、単に、処理液パターンデータともいう)として生成される。
例えば、上述の処理液打滴パターンは、全処理液ノズルの中から打滴された処理液の着弾位置決定対象として選択された1つの処理液ノズルおよびこれを中心とする両側の複数の処理液ノズルにおいて、それぞれ、打滴される処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら処理液を所定ドッド数連続して打滴した、処理液濃度に濃度分布、いわゆるグラデーションを持つ線状の着弾位置決定対象領域(以下、ライン対象領域という)が形成され、これらのライン対象領域がその中心から遠ざかるにつれ、処理液濃度の濃いまたは薄いドッド数が減少する複数のライン対象領域を形成し、着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液ノズルにおいては、ライン対象領域とは逆に処理液の濃度を変化させながら処理液が連続して打滴されるように設定される(後述する第1の実施形態および図4参照)。すなわち、複数のライン対象領域からなる着弾位置決定対象領域は、各ライン対象領域自体がライン方向に濃度分布(グラデーション)を持つばかりでなく、中心からライン方向と直交する幅方向にも濃度分布(グラデーション)を持つ、例えば、図4に示す例では、等濃度部分が矢形(逆V字型)を成す。もちろん、複数のライン対象領域以外の領域は、各ラインが逆方向の濃度分布(グラデーション)を持つ。
または、上述の処理液打滴パターンは、全処理液吐出ノズルの中から、打滴された処理液の着弾位置決定対象として、少なくとも隣接しないように選択された処理液吐出ノズルの各々において、打滴される処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら処理液を所定ドッド数連続して打滴した、濃度分布(グラデーション)を持つライン対象領域が形成され、着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、ライン対象領域とは逆方向に処理液の濃度を変化させながら処理液が連続して打滴される(濃度分布(グラデーション)を持つ)ように設定される(後述する第2の実施形態および図17参照)。
なお、処理液打滴パターンの具体例(図4および図17参照)については、後述する。
吐出制御部20は、打滴パターン設定部19から、設定された処理液打滴パターンの処理液パターンデータに応じて、対応インクノズル、テストインクノズル、周辺インクノズルを用いて有色インクを打滴するためのインク打滴用テストパターンデータ(以下、インクパターンデータという)を生成するとともに、処理液パターンデータおよびインクパターンデータを画像記録部12に供給して、画像記録部12において、供給された処理液パターンデータに応じて、吐出ヘッドの処理液ノズルから処理液を吐出させて打滴し、記録媒体上に複数のライン対象領域が形成された処理液打滴パターン(後述する図4および図17参照)を形成すると共に、供給されたインクパターンデータに応じて、吐出ヘッドのインクノズルから有色インクを記録媒体上に吐出させて打滴し、記録媒体上に線状の有色インク画像(以下、単にライン画像という)を記録して、テストパターン、すなわち、処理液着弾位置決定パターン(後述する図5および図18参照)を形成するように、制御する部位である。
データ取得部22は、吐出制御部20による制御に基いて画像記録部12によって形成された処理液着弾位置決定パターンが画像読取装置14において読み取られた後、画像読取装置14から、処理液ノズルの着弾位置を決定するために用いる処理液着弾位置決定パターン(テストパターン)の画像データ(以下、単に、着弾位置決定用データともいう)を取得し、打滴パターン設定部19から、決定部28における処理液ノズルの着弾位置の決定に用いる特性データを取得する部位である。
なお、データ取得部22は、さらに、打滴パターン設定部19から処理液打滴パターン
の処理液パターンデータをも取得する。
ライン検出部24は、データ取得部22で取得された着弾位置決定用データから、対応インクノズル、テストインクノズル、周辺インクノズルが描画したライン画像のデータ(以下、単にラインデータともいう)を検出し、ライン測定部26に、検出したラインデータを供給する部位である。
ライン測定部26は、ラインデータに記録されているライン画像の記録媒体上における濃度(以下、単にライン画像の濃度ともいう)と、ラインデータに記録されているライン画像のライン幅(記録媒体上における記録媒体搬送方向と直交する方向の線幅;単にライン画像の幅ともいう)を測定し、その結果を記録した測定結果データを、決定部28に供給する部位である。なお、本発明においては、ライン画像の濃度および幅は、その絶対値を計測する必要はなく、ライン画像の濃度の変化あるいは濃度分布として、ライン画像の幅は、ライン画像の線幅の変化あるいは線幅分布として、測定するものであっても良い。
決定部28は、ラインデータに記録されているライン画像の濃度および/または線幅の変化の有無、または、濃度分布および/または線幅分布の有無を検出して、この変化の状態、あるいは、濃度分布および/または線幅分布から、特に、変化や分布の方向性から、処理液の着弾位置決定対象して選択された処理液ノズルの吐出処理液滴の着弾地位を決定し、決定結果を決定結果記録データとし、記憶部29に供給する部位である。
詳細は後述するが、第1の実施形態では、例えば、決定部28は、インクノズルによる2つのライン画像の濃度分布および/または線幅分布の変化から各ライン画像の特徴点を求め、予め決定されている、各ライン画像の位置、求められた各特徴点の長さ、ライン画像の長さおよび2つのライン画像間の距離とを用いて、処理液ノズルによる吐出処理液滴の着弾位置を算出し、決定する(図8〜図14参照)。
また、決定部28は、後述する第2の実施形態では、処理液ノズルによる線状の着弾位置決定対象領域の処理液濃度分布の方向性が、インクノズルによるライン画像の濃度分布の方向性と一致、および/または線幅分布の方向性(濃くなると狭くなる方向)(図6および図7参照)と一致する時、処理液ノズルによる吐出処理液滴の着弾位置を、一致した該当ライン画像の位置に決定する(図19参照)。
また、決定部28は、ラインデータに記録されているライン画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像における濃度分布および/または線幅分布から、具体的には、ライン画像の濃度および/または線幅の特徴点から、例えば、2ライン画像の特徴点の長さと、2ライン画像間の距離と、これらの2ライン画像を描画した各インクノズルに対応して予め決定されているインクの着弾位置とを用いて、処理液の着弾位置決定対象として選択された処理液ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出するとともに、選択された処理液ノズル、対応インクノズル、テストインクノズル、および周辺インクノズルの吐出状態、また、対象処理液インクノズルとインクノズルとの着弾位置の位置関係や、対応インクノズルの更新を判断し、判断結果を判断結果記録データとし、記憶部29に供給する部位でもある。
対象処理液吐出ノズルの着弾位置の決定方法については、後述する。
記憶部29は、決定結果記録データ、例えば、処理液ノズルの着弾位置や、不吐出処理液ノズルのノズル番号や、対象処理液ノズルと対応インクノズルとの位置ずれや、対象処理液ノズルと対応インクノズル、テストインクノズル、または、周辺インクノズルとの位置関係や、更新された対応インクノズルの番号(周辺インクノズルへの変更)などのデータを格納する部位であり、サーバ等の公知の記憶手段を用いることができる。
次に、さらに、図3〜図15を参照して、本発明の決定装置の作用および本発明の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法の第1実施形態を説明する。
図3は、本発明の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法の一実施例を示すフロー図である。
なお、図示例においては、すでに、テストパターン、例えば、図5に示す処理液着弾位置決定パターンが形成されているものとする。すなわち、記録媒体上に処理液打滴用テストパターンデータ(処理液パターンデータ)による図4に示す処理液打滴パターンが形成され、この処理液打滴パターン上にインク打滴用テストパターンデータ(インクパターンデータ)による処理液着弾位置決定パターンが形成されているものとする。
まず、図3に示すステップS1に示すように、データ取得部22において、画像読取装置14から、処理液着弾位置決定パターンを読み取って得た着弾位置決定用データが、打滴パターン設定部19から、複数のライン対象領域からなる着弾位置決定対象領域の処理液濃度分布の特性データや予め設定されている各インクノズルに対応するインク打滴位置などの着弾位置決定に用いられる特性データを取得され、着弾位置決定用データは、ライン検出部24に供給され、特性データは、決定部28に供給される。
なお、着弾位置決定用データおよび特性データについては、後に詳述する。
次いで、ステップS2に示すように、ノズル設定部18において、対象処理液ノズルの番号を初期値に戻す。
例えば、処理液ノズル、それぞれに、SN1番、SN2番、SN3番・・・・と番号を設定されていて、処理液ノズルの着弾位置を決定する場合に、常に、SN1番の処理液ノズルを、対象処理液ノズルとして、処理液ノズルの着弾位置を決定を開始しているのであれば、ここでは、ノズル設定部18において、対象処理液ノズルの番号を、SN1番に戻す。
対象処理液ノズルの番号を初期値に戻した後、ステップS3に示すように、対象処理液ノズルが打滴した処理液上にインクを打滴するインクノズル、すなわち、対象処理液ノズルに対応するインクノズル(対応インクノズル)、および、この対応インクノズルのその両側からノズル間隔をあけて選択された複数のインクノズル(複数のテストインクノズル)を決定する。
対応インクノズルの決定方法には、特に限定は無いが、通常、処理液ノズルとインクノズルとは、処理液を打滴した位置にインクが打滴されるように吐出ヘッド内に配置されているので、この配置データを用いて、対象処理液ノズルに対応するインクノズルを決定する方法が挙げられる。
同様に、テストインクノズルの決定方法にも、特に限定はなく、上記配置データを用いて、対応インクノズルの、その両側から所定ノズル間隔を空けるようにして決定する方法が挙げられる。
次いで、ステップS4に示すように、ライン検出部24において、着弾位置決定用データから、ステップS3において決定した複数の対応インクノズルおよびテストインクノズルで記録したライン画像のデータ(ラインデータ)を検出し、ライン測定部26に供給する。
なお、着弾位置決定用データからラインデータを検出する方法については、特に限定は無いが、記録媒体に対するインクノズルの書き出し位置の情報等を用いて、検出する方法が挙げられる。
ラインデータを検出した後、ステップS5に示すように、ライン測定部26において、供給されたラインデータの値からライン画像の濃度およびライン画像の幅を測定し、この測定結果を記録した測定結果データを、決定部28に供給する。
次いで、ステップS6に示すように、決定部28においては、ライン測定部26から供給された測定結果データと、データ取得部22から供給された特性データとを用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を決定する。
なお、このステップ6の対象処理液ノズルの着弾位置の算出・決定方法については、後に詳述する。
次いで、ステップS7に示すように、S6において決定した結果を、着弾位置記録データに記録する。
記憶部29において、着弾位置記録データを記録(記憶)した後、ステップS8に示すように、ノズル設定部18において、全ての処理液ノズルを対象処理液ノズルに設定したかどうかを確認する。
設定していなかった場合には、ステップS9に示すように、対象とする処理液ノズルの設定番号を1つ繰り上げる。
例えば、現在の対象処理液ノズルの番号が、SN1番であれば、次の対象処理液ノズルの番号を、SN2番に設定する。
対象とする処理液ノズルの設定番号を1つ繰り上げた後は、再度、STEP3から処理を繰返す。
全ての処理液ノズルを対象処理液ノズルとした場合は、ステップS10に示すように、着弾位置記録データを記憶部29に供給し、処理液ノズルの着弾位置の決定を終了する。
次に、測定結果データおよび特性データを用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を決定する方法について、説明する。
まず、ここでは、測定結果データについて説明するにあたり、上述の通り、測定結果データは、着弾位置決定用データからライン画像のデータ(ラインデータ)を検出し、検出したライン画像の濃度および幅を測定した結果を表すデータであることから、図4および図5を用いて、着弾位置決定用データの説明から行う。
本実施形態において、テスト画像データは、対象処理液ノズルおよびこれを中心とする両側の複数の処理液ノズルによって、これらに対応してそれぞれ処理液濃度がライン方向に濃度分布(グラデーション)を持ち、そのライン方向と直交する方向にも濃度分布を持つ複数のライン対象領域と、ライン方向に逆の濃度分布を持つ処理液打滴パターンが形成された記録媒体に対し、対応インクノズルと複数のテストインクノズルとで、有色インクを打滴して形成したライン画像を含む画像を表すデータである。
着弾位置決定用データの生成方法については、特に限定はないが、図4および図5を用いて、その一例を説明する。
図4は、対象処理液ノズル32(SN12、SN14、SN16)およびこの両側の複数の処理液ノズル32(SN9〜11、SN11〜13、SN13〜15)および32(SN13〜15、SN15〜17、SN17〜19)において、それぞれ、打滴される処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら処理液が所定ドッド数連続して打滴された処理液濃度に濃度分布(グラデーション)を持つ線状の着弾位置決定対象領域(以下、ライン対象領域という)が形成され、これらのライン対象領域がその中心から遠ざかるにつれ、処理液濃度の濃いまたは薄いドッド数が減少するように複数のライン対象領域を形成し、着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液ノズルにおいては、ライン対象領域とは逆に処理液の濃度を変化させながら処理液が連続して打滴されて処理液打滴パターンが形成された、3種類(P1、P2、P3)の処理液打滴パターンが形成された記録媒体Aと、27個の処理液ノズル32で構成された処理液ヘッド30とを模式的に表した説明図である。
なお、図4に示す3種類(P1、P2、P3)の処理液打滴パターンは、それぞれ、ノズル設定部18によって設定された対象処理液ノズル32(SN12、SN14、SN16)に対し、打滴パターン設定部19によって設定されたものである。
また、図5は、図4に示す記録媒体Aの3種類(P1、P2、P3)の処理液打滴パターンの各所定領域に、対応インクノズル34および/またはテストインクノズル34で打滴して形成したライン画像を有する処理液着弾位置決定パターンが形成された記録媒体Bと、27個のインクノズル34で構成されたインクヘッド36および処理液ヘッド30を備える吐出ヘッド38とを模式的に表した説明図である。
なお、図5に示す処理液着弾位置決定パターンは、着弾位置決定用データが表す画像の一例を示す図である。
まず、例えば、画像記録部12において、決定装置16の打滴パターン設定部19によって設定された処理液打滴パターンに応じて吐出制御部20から伝送された吐出制御信号によって制御される処理液ヘッド30の処理液ノズル32で処理液打滴パターンに応じた吐出制御信号に従って処理液を打滴して、図4に示すような複数の線状の着弾位置決定対象領域が形成された処理液打滴パターンを形成した記録媒体Aを作製する。
ここでは、処理液ヘッド30は、図4に示すように、図面横方向に、列状に、27個の処理液ノズル32(左からSN1番、SN2番・・・・・SN27番)が配置されているものとする。
また、ここでは、図4に示す記録媒体Aの図面横方向(以下、列方向という)の幅は、同方向に1列に配置された27個の処理液ノズル32によって打滴された1列の27個の処理液ドットを並べた長さに一致し、他方、図5に示す記録媒体Aの図面縦方向(以下、行方向またはライン方向という)の長さは、1個の処理液ノズル32によって、34回打滴された1行(ライン)の34個のドットを並べた長さに一致するものとする。
すなわち、ここでは、処理液ヘッド30の全27個の処理液ノズル32で、34列分、処理液を吐出することにより、処理液で、記録媒体Aの一面を被覆することができるものとする。
上記のような記録媒体Aと処理液ノズル32を用いて、複数の線状の着弾位置決定対象領域を持つ処理液打滴パターンからなる記録媒体Aを生成する。
例えば、SN12番の処理液ノズル32を対象処理液ノズルに設定した場合には、SN12番の処理液ノズル32を中心に、その両側の所定数、図示例では各3個のSN9番〜SN11番およびSN13番〜SN15番の処理液ノズル32から、ライン(行)方向にも、これと直交する幅(列)方向にも濃度が薄くなる濃度分布(グラデーション)を持つように、それ以外の残りの、図示例では、SN1番〜SN8番およびSN16番〜SN27番の処理液ノズル32からは、ライン(行)方向の濃度分布(グラデーション)が逆になるように、処理液ヘッド30と記録媒体Aを相対的に移動させて、所定列数、図示例では3列目〜12列目に、処理液が記録媒体Aに打適され、着弾位置決定対象領域TAが形成された処理液打滴パターンP1が形成される。
なお、処理液打滴パターンにおける濃度分布は、いずれのノズルにおいても、処理液ノズル32による処理液の吐出量を、複数段階、例えば図示例では、3段階に切り替えて、高濃度、中濃度、低濃度の処理液ドッドを形成する。例えば、図示例の処理液打滴パターンP1の着弾位置決定対象領域TAでは、対象処理液ノズル32(SN12)によって、3列目に低濃度、4列目〜7列目に中濃度、8列目〜12列目に高濃度の処理液ドッドからなるライン対象領域LAがを形成される。なお、対象処理液ノズル32(SN12)の両側の処理液ノズル32(SN11およびSN13)によるライン対象領域LAでは、3〜4列目に低濃度、5列目〜8列目に中濃度、9列目〜12列目に高濃度、その外側の処理液ノズル32(SN10およびSN14)によるライン対象領域LAでは、3〜5列目に低濃度、6列目〜9列目に中濃度、10列目〜12列目に高濃度、さらにその外側の処理液ノズル32(SN9およびSN15)によるライン対象領域LAでは、3〜6列目に低濃度、7列目〜10列目に中濃度、11列目〜12列目に高濃度の処理液ドッドが形成される。
さらに、図示例において、SN14番の処理液ノズル32を対象処理液ノズルに設定した場合には、これを中心に含みSN11番〜SN17番の7個の処理液ノズル32から吐出された低濃度、中濃度および高濃度の処理液ドッドによる7本のライン対象領域LAを持つ同一構成の着弾位置決定対象領域TAが、13列目〜22列目に同様に形成され、他の領域では、ライン(行)方向の濃度分布(グラデーション)が逆の、低濃度、中濃度および高濃度の処理液ドッドによる多数のライン対象領域LAを持つ処理液打滴パターンP2が形成される。
上記に加えて、記録媒体Aの13列目〜22列目には、SN16番の処理液ノズル32を対象処理液ノズルとする7本のライン対象領域LAを持つ同一構成の着弾位置決定対象領域TAが形成され、他の領域では、ライン(行)方向の濃度分布(グラデーション)が逆の、低濃度、中濃度および高濃度の処理液ドッドによる多数のライン対象領域LAを持つ処理液打滴パターンP3が形成されている。
ところで、処理液吐出ノズル32から1つの処理液ドッドに打滴される処理液の液量、1つの処理液ドッドのサイズ、1つの処理液ドッドを形成する所定液量の小滴の密度、および、1つの処理液ドッドへの処理液の吐出率の少なくとも1つを制御することにより、処理液の濃度を制御することができる。したがって、処理液濃度の濃淡は、処理液の液量の多少、サイズの大小、小滴の密度の大小、または、吐出率の大小に対応させることができる。
また、全処理液吐出ノズル32が着弾位置決定対象として選択されるように、少なくとも1つの処理液吐出ノズル毎に処理液打滴パターンが設定されるのが好ましく、また、設定された複数の処理液打滴パターンが連続して組み合せられるのが好ましい。例えば、図示例の場合には、対象処理液ノズル1つに1つの処理液打滴パターンが形成されているので、27個の処理液打滴パターンが形成されるのが好ましく、27個の処理液打滴パターンが連続して形成されているのが好ましい。
次いで、図4に示す3種の処理液打滴パターンP1〜P3がそれぞれ形成された記録媒体A上に、吐出制御部20による制御の下、またはその制御信号に応じて、SN12番、SN14番およびSN16番の対象処理液ノズル32の対応インクノズル34および/またはその周辺のテストインクノズル34によって、インク打滴用テストパターンデータ(インクパターンデータ)に従って、等濃度のインクを打滴して、ライン画像を形成し、このライン画像を有する処理液着弾位置決定パターンが形成された記録媒体Bを生成する。この場合にも、対応インクノズル34および/または、テストインクノズルは、1列〜34列までの全列においてインクを打滴するのではなく、対象処理液ノズル32が線状の位置検出対象領域を形成している処理液打滴パターンの部分のみにインクを打滴する。
なお、ここでも、図5に示すように、インクヘッド36も、図面横方向(列方向)に、1列状に、処理液ヘッド32と同様の大きさのインクノズル34が27個配置されているものとする。
また、吐出ヘッド38は、処理液ヘッド30とインクヘッド36とで構成される。
例えば、図5に示すように、SN12番、SN14番、SN16番の対象処理液ノズル32に対応するインクノズル34/またはテストインクノズル34が、IN10番、IN12番〜IN16番、IN18番〜IN21番のインクノズル34である場合には、各インクノズル34は、図4に示す記録媒体Aのライン対象領域LAに、インクを打滴するために、IN10番、IN13番、IN15番、およびIN19番のインクノズル34は、3列目〜12列目、IN10番、IN13番、IN15番、およびIN19番のインクノズル34は、13列目〜22列目、IN13番、IN15番、IN18番、およびIN21番のインクノズル34は、23列目〜32列目まで、記録媒体Aにインクを打滴して、ライン画像L(12−1〜L12−4,L14−1〜L14−4,L16−1〜L16−4)を形成し、これらのライン画像を有する3種の処理液着弾位置決定パターンP1’,P2’,P3’が形成された記録媒体Bを生成する。
なお、図5に示す記録媒体Aの領域P1’,P2’,P3’は、図4に示す記録媒体Aの領域P1,P2,P3に相当するものとする。
このように、記録媒体B上に形成された3種の処理液着弾位置決定パターンP1’,P2’,P3’の各ライン画像Lは、記録媒体A上に形成された3種の処理液打滴パターンP1,P2,P3の各ライン対象領域LAやその他の領域に形成されるが、各ライン対象領域LAやその他の領域は、ライン方向に処理液濃度分布を持つので、インクが処理液と重なっていても、インクの定着に差が生じるので、処理液濃度分布に応じたインクの濃度分布を持つライン画像になる。
このようなインク濃度分布のあるライン画像を持つ記録媒体Bを、画像読取装置14で読み取り、デジタルデータに変換して、着弾位置決定用データを生成する。
次に、測定結果データを生成するために、このような着弾位置決定用データから、ライン画像のデータを検出する。
ここでは、図6に示す処理液着弾位置決定パターンの画像データから、同図に示すライン画像L(12−1〜L12−4,L14−1〜L14−4,L16−1〜L16−4)を表す画像データのみを検出する。
検出されるライン画像Lのうち、ライン画像L1(12−1〜L12−3,L14−1〜L14−3,L16−1〜L16−2)は、打滴された処理液とインクとが重なっているが、処理液ドッドに濃度分布があるため、定着に差が生じ、濃度分布や幅分布を持つインクドッドからなり、その濃度分布の方向性や幅分布特性の方向性が、処理液ドッドの濃度分布の方向性と一致する有色インクのライン画像である。
一方、検出されるライン画像のうち、ライン画像L2(12−4,L14−4,L16−4)は、ライン画像L2全体が、ライン画像L1と同様に、打滴された処理液とインクとが重なっており、濃度分布や幅分布を持つが、その濃度分布の方向性や幅分布特性の方向性が、処理液ドッドの濃度分布の方向性と逆となる有色インクのライン画像である。
また、ライン画像L3(16−3)は、ライン画像L3全体が、処理液の無い領域にインクが打滴されており、定着されていない、いわゆる無処理画像である。
ここで、図6を用いて、ライン画像の濃度分布や線幅分布や線幅分布特性やその方向性や無処理画像について説明する。
まず、図6は、方向1に向かって、濃度が薄い側から濃くなる濃度分布、および線幅が広い側から狭くなる線幅分布を持つ通常のライン画像であり、濃度が薄い側から濃くなる濃度分布を持つ処理液に等濃度のインクが重なった場合に形成されるライン画像である。
本発明では、ライン画像の線幅分布特性や幅分布特性とは、処理液濃度が濃い方から薄い方に向かう濃度分布を持つ場合に、ライン画像の幅(ライン幅)が、狭い方から広い方に向かう幅分布を持つことをいうものであり、ライン画像の濃度分布特性とは、同様な場合、処理液濃度の濃度分布がライン画像の濃度分布に一致する場合を言うものとする。
上述の通り、処理液は、有色インクの色材を、記録媒体に、凝集定着させる作用を有する。
そのため、例えば、図4に示すように、処理液が濃度分布を持つように打滴されているライン対象領域LAを持つ記録媒体A上に、図6中上側から下側方向に向かって、1つのインクノズルで、等濃度のインクを打滴して、画像を形成すると、図6に示すような、濃度分布および幅分布を持つライン画像を描くことができる。
これに対して、例えば、着弾位置決定対象領域TA外の領域に、図中矢印方向に、1つのインクノズルでインクを打滴して画像を形成すると、図6に示す濃度分布および幅分布を持つライン画像とは逆の濃度分布および幅分布を持つライン画像が形成される。
また、処理液が打滴されていない非打滴領域のライン画像は、濃度分布および幅分布を持つライン画像と比較しても、濃度分布において濃度が薄い方の画像よりも画像の濃度が薄く不変であり、方向性がなく、また、線幅分布において線幅が広い方の画像よりも幅がさらに広く不変であり、方向性がない画像(以下、無処理画像ともいう)となる。
ここで、着弾位置決定対象領域TA内のライン対象領域LA上に形成されたライン画像画像濃度および線幅の変化を、図7を用いて説明する。
なお、図7は、方向1におけるライン画像の濃度の変化とライン画像の線幅の変化を表すグラフである。
図7のグラフは、図6に示すライン画像の矢印1方向の濃度の変化および線幅の変化(濃度分布、線幅分布)を示している。
図7に示すように、ライン画像の濃度は、方向1に沿って増大する、すなわち、処理液濃度の変化(グラデーション;分布)の方向性と一致する方向性を持つ。
また、図7に示すように、ライン画像の線幅も、方向1に沿って減少する、すなわち、処理液濃度の変化(グラデーション;分布)の濃度増大の方向性と、線幅減少の方向性が一致する線幅分布特性を持つ。
なお、着弾位置決定対象領域TA内のライン対象領域LA上に形成されたライン画像と着弾位置決定対象領域TA外の領域上に形成されたライン画像とは、それらの濃度分布特性と線幅分布特性とが、それぞれ、逆方向となる。
また、無処理画像は、濃度分布および/または線幅分布を持つライン画像の低濃度よりさらに低濃度であり、また、このようなライン画像の太い幅よりさらに太い幅である。
これは、上述した通り、処理液が打滴されていない領域に、インクを打滴すると、インクが定着せず、にじみやすいためである。
このような特性を有するライン画像(L(12−1〜L12−4,L14−1〜L14−4,L16−1〜L16−4)のデータを検出した後、これらの濃度および線幅を測定し、測定結果データを生成する。
測定結果データにおいて、上記のような濃度分布および/または線幅分布を持つを有するライン画像L(12−1〜L12−3、L14−1〜L14−3、L16−1〜L16−2)は、図6および図7に示す濃度の変化および/または線幅の変化、すなわち濃度分布特性および/または線幅分布特性を持つ。
また、測定結果データにおいて、ライン画像L(12−4,14−4,16−4,16−3)は、同様に、濃度分布および線幅分布を持つが、その方向性は、図6および図7に示す濃度の変化の方向性および/または線幅の変化の方向性とは、逆方向である。
なお、本発明では、ライン画像L(12−4,14−4,16−4,16−3)は、同様に、濃度分布および/または線幅分布の方向性が分かれば良いので、濃度の基準値や線幅の基準値を用いる必要がないため、正確な測定が可能となる。
上述のような測定結果データおよび特性データを用いて、図3に示すステップS6の対象処理液ノズルの吐出液滴の着弾位置を決定する方法を、図8を用いて説明する。
なお、特性データについては、後に詳述するものとし、また、ここでは、測定結果データとして、上述した図5に示すライン画像の濃度および線幅を測定した結果を表すデータを用いる。
図8は、対象処理液ノズルの着弾位置決定方法の一実施例を示したフロー図である。
まず、決定部28において、図8に示すステップS20に示すように、測定結果データを取得する。なお、対象処理液ノズルの着弾位置決定方法に必要な特性データは、先に(図3のステップS1で)取得されているものとする。
次いで、ステップS22において、測定結果データの中から、対応インクノズルおよびテストインクノズルが記録したライン画像、すなわち、本実施形態においては、判定する領域の中、すなわち着弾位置決定対象領域TA内にあるライン画像の測定結果データを選択し、選択されたライン画像の濃度分布および/または線幅分布から、ライン画像の特徴点(ライン特徴点)、および、ライン画像の長さ(ライン長さ、)やライン特徴点までの長さなどや、ライン画像間の距離や、各インクノズルに対応する位置cpiなどのその他の対象処理液ノズルの着弾位置決定方法に必要なデータを算出する。なお、特徴点およびその他のデータの算出方法については、後述する。なお、各インクノズルに対応する位置cpiは、予め、別の手段による位置測定等によって決定されているものとする。
こうして、ステップS24に示すように、選択されたライン画像の測定結果データの中に、ライン特徴点、およびライン長さやライン特徴点までの長さなどがあるかどうかを確認する。
ライン特徴点を持つライン画像の測定結果データがなかった場合には、ステップS26に示すように、対象処理液ノズルの着弾位置を決定することは不可能であると判断する。
該当する測定結果データがあった場合には、ステップS28に示すように、そのような測定結果データが2つ以上あるかどうか確認する。
特徴点を有するライン画像の測定結果データを2つ以上確認できなかった場合には、ステップS30に示すように、その測定結果データの記録に用いられたインクノズルと予め対応付けられている、あるいは予め計算されている着弾位置を、対象処理液ノズルの着弾位置として算出する。
他方、特徴点を有する測定結果データを、2つ以上確認できた場合には、ステップS32に示すように、任意の2つの測定結果データを用いて、対象処理液ノズルが形成した着弾位置決定対象領域TA内にあるライン対象領域LAに位置する対象処理液ノズルの着弾位置を算出する。
なお、任意の2つの測定結果データを用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を算出する方法については、後に詳述する。
上記ステップS26、40および42のうちのいずれかの判断が終了した後、ステップ34に示すように、対象処理液ノズルの着弾位置の決定結果を、着弾位置記録データとして記録する。
着弾位置記録データとして記録した後、ステップS36に示すように、全ての領域を選択したかどうかを確認する。
全ての領域を選択していなかった場合には、上記の処理(ステップS2〜ステップS8)を繰り返し行い、全ての領域を選択したら、対象処理液ノズルの着弾位置決定を終了する。
上述のような測定結果データおよび特性データを用いて、図8に示すステップS22のライン画像の特徴点およびその他のデータの算出方法を図9〜図12を用いて説明する。
図9および図10は、それぞれ、ライン画像の測定結果データからライン画像の濃度の特徴点および線幅の特徴点の算出方法のフローの一例を示すブロック図であり、図11および図12は、それぞれ、ライン画像の濃度の特徴点および線幅の特徴点の算出方法の一例を説明するグラフである。
まず、図9のステップS40において、ライン画像の測定結果データからライン画像の濃度分布から濃度の最大値および最小値を求める。
例えば、図11に示すように、ライン方向に沿って3つのライン画像(ライン1、ライン2およびライン3)の濃度をグラフにプロットすると、各ライン画像の濃度の最大値および最小値には差があるので、本発明では、規格化するために、最大値および最小値を求める。
次に、ステップS41において、求められた濃度の最大値と最小値との差が所定値以上あるか否かの判定を行い、所定値未満であれば、ステップS42において、特徴点は存在していないとして、終了する。
一方、ステップS43において、所定値以上であれば、求められた濃度の最大値と最小値とを、それぞれ100および0に規格化した作成のライン濃度分布を作成する。
次に、ステップS44において、作成された規格化ライン濃度分布で所定値となる位置を求め、特徴点の位置とし、次いで、所定値から100%に相当する位置までの距離をライン特徴点の長さとて、終了する。
こうして、図12に示すように、ライン画像が複数ある場合、各ライン画像の最大値と最小値を規格化によって揃えることにより、比較することが可能となる。図12に示す例では、所定値として、規格化の50%を選択している。
また、ライン画像の線幅についても、同様にして、線幅特徴点を求めることができる。
まず、図10のステップS45において、ライン画像の測定結果データからライン画像の線幅分布から線幅の最大値および最小値を求める。
次に、ステップS46において、求められた線幅の最大値と最小値との差が所定値以上あるか否かの判定を行い、所定値未満であれば、ステップS42において、特徴点は存在していないとして、終了する。
一方、ステップS48において、所定値以上であれば、求められた線幅の最大値と最小値とを、それぞれ100および0に規格化した作成のライン画像の線幅分布を作成する。
次に、ステップS49において、作成された規格化ライン線幅分布で所定値となる位置を求め、特徴点の位置とし、次いで、所定値から100%に相当する位置までの距離をライン特徴点の長さとて、終了する。
こうして、図12に示すように、ライン画像が複数ある場合、各ライン画像の濃度や線幅の最大値と最小値を規格化によって揃えることにより、比較することが可能となる。図12に示す例では、所定値として、例えば、規格化の50%を選択しているが、本発明はこれに限定されない。
本発明の決定装置16は、上記のようにして、対象処理液ノズルの着弾位置を決定することができる。
ここで、具体的に、図5に示す領域P1’のライン画像L(12−1〜12−4)の測定結果データから、対象処理液ノズル32(SN12)の着弾位置を決定する方法を説明する。
まず、ステップS22に示すように、図5に示す領域P1’を選択し、ライン画像L(12−1〜12−4)の測定結果データを取得する。
次いで、ステップS24に示すように、ライン画像L(12−1〜12−4)の測定結果データの中に、画像の濃度分布および線幅分布(変化)を持ち、その結果、特徴点を持つデータがあるかどうかを確認する。
その結果、画像の濃度および線幅の特徴点を有するライン画像L(12−1〜12−3)の測定結果データを確認することができたので、ステップS28に示すように、そのような測定結果データが2つ以上あるかどうか確認する。
なお、ライン画像L(12−4)の測定結果データは、画像の濃度および幅の特徴点を有していないので、この時点で、対象処理液ノズルの着弾位置を算出するために用いるライン画像の測定結果データから、除外する。
画像の濃度および幅の特徴点を有するライン画像L(12−1〜12−3)の測定結果データを、3つ、すなわち、2つ以上、確認することができたので、ステップS32に示すように、ライン画像L(12−1および12−3),ライン画像L(12−1および2),ライン画像L(12−2および12−3)の組み合せで、それぞれ、対象処理液ノズルの着弾位置を算出し、その平均値を、対象処理液ノズル32(SN12)の着弾位置とする。
また、具体的に、図5に示す領域P3’のライン画像L(16−1〜16−4)の測定結果データから、対象処理液ノズル32(SN16)の着弾位置を決定する方法を説明する。
まず、ステップS22に示すように、図5に示す領域P2’を選択し、ライン画像L(16−1〜16−4)の測定結果データを取得する。
次いで、ステップS24に示すように、ライン画像L(16−1〜16−4)の測定結果データの中に、画像の濃度分布および線幅分布(変化)を持ち、その結果、特徴点を持つデータがあるかどうかを確認する。
その結果、画像の濃度および線幅の特徴点を有するライン画像L(16−1〜16−3)の測定結果データを確認することができたので、ステップS28に示すように、そのようなデータが2つ以上あるかどうか確認する。
なお、ライン画像L(16−3および16−4)の測定結果データは、画像の濃度および線幅の特徴点を有していないので、この時点で、対象処理液ノズルの着弾位置を検出するために用いるライン画像のデータから、除外する。
画像の濃度および線幅の特徴点を有するライン画像L(16−1〜16−2)の測定結果データを、2つ、すなわち、2つ以上、確認することができたので、ステップS32に示すように、ライン画像L(16−1および16−2)の組み合せで、対象処理液ノズルの着弾位置を算出し、その値を、対象処理液ノズル32(SN16)が形成した処理液ドットに対する、対象処理液ノズル32(SN16)の着弾位置として決定する。
なお、図5に示す領域P2’を選択し、ライン画像L(14−1〜14−4)の測定結果データ選択してから、これらの測定結果データから、対象処理液ノズル32(SN14)の着弾位置を決定する場合も、図5に示す領域P1’およびP’3と同様にして、決定することができる。
次に、任意の2つの測定結果データを用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を算出する方法について、詳述する。
本実施形態においては、対象処理液ノズルの着弾位置を算出するために、対象処理液ノズルの記録媒体Aにおける着弾位置検出対象領域として選択された処理液ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出するために、図12に示すように、選択したライン画像の測定結果データが表すライン画像の一端(規格化100%)から特徴点までの長さとライン画像のライン長と、選択した2つのライン画像の測定データが表すライン画像同士の離間距離とを用いる。
ライン画像の一端(規格化100%)から特徴点までの長さ(以下、単に特徴点の長さともいう)とライン画像のライン長とを求める方法については、特に限定はないが、規格化の他にも、処理液打滴パターンのパターンデータを用いて求める方法が挙げられる。
同様に、ライン画像同士の離間距離を求める方法についても、特に限定はないが、処理液打滴パターンのパターンデータを用いて求める方法が挙げられる。
次に、対象処理液ノズルの着弾位置を算出する方法を説明する。
本実施形態においては、対象処理液ノズルの着弾位置を算出する方法については、特に限定はないが、選択したライン画像から、画像の濃度および線幅の特徴点を有するライン画像を2つ選択し、各々について、特徴点の長さとライン長とを求めるとともに、選択した2つのライン画像同士の離間距離とを求め、求めた特徴点等の長さと、距離と、選択した2つのライン画像を記録した各インクノズルに対応して予め決定されている有色インクの着弾位置とを用いて、対象処理液ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出すればよい。
なお、特徴点を有するライン画像が2つ以上存在する場合には、異なる組み合せの2つライン画像を選択し、複数の組み合せにおいて算出した処理液ノズルの着弾位置の平均値を、対象処理液ノズルから打滴された処理液の打滴位置とすればよい。
ここで、上記の算出方法の具体例として、図13に示すように、上記ライン画像の特徴点の長さとライン画像のライン長と、ライン画像同士の離間距離dと、特性データとを用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を算出する方法を説明する。
なお、図13は、任意の2つのライン画像の測定結果データを用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を検出する方法のフローを示す図である。
また、ここでは、1つのライン画像の特徴点をlen1、他方のライン画像の特徴点をlen2と表すことにする。
まず、図13に示すステップS50に示すように、図14に示す特徴点特性に基いて、len1の交点A1およびB1と、len2の交点、A2およびB2を求める。
なお、本実施形態において、特徴点特性は、図14に示すような、記録媒体に記録されたライン画像の特徴点の長さと、2つのライン画像同士の離間距離との関係を示すものである。
例えば、len1の画像データから、記録媒体上におけるlen1の変化領域の長さを求め、その長さがaであった場合、図14に示すグラフを用いて、変化領域がaのときのライン画像同士の離間距離を求める。このときの離間距離の値が、cとd(c<d)だとしたら、交点A1は(a,c)、交点B1は、(a,d)となる。
他方、len2の画像データから、記録媒体上におけるlen2の変化領域の長さを求め、その長さがbであった場合、図14に示すグラフを用いて、変化領域がbのときのライン画像同士の離間距離を求める。このときの離間距離の値が、eとf(e<f)だとしたら、交点A2は(b,e)、交点B2は、(b,f)となる。
次いで、ステップS51に示すように、上記交点A1,A2,B1,B2を用いて、D1〜D4を求め、この中から、予めインクの打滴位置等で求めておいたlen1とlen2の離間距離に近い値を選び、len2およびlen1の位置関係を決定する。
なお、D1〜D4の求め方は、D1=(交点A2−交点A1)、D2=(交点B2−交点A1)、D3=(交点B2−交点B1)、D4=(交点A2−交点B2)である。
次いで、ステップS52に示すように、決定したlen2およびlen1の位置関係に対応する数式を選択する。
このとき、決定したlen2およびlen1の位置関係が、交点A1と交点A2の場合、または、交点B1と交点B2の場合には、
s=(Tlen1-Tlen2)/(Tlen0/Tlen2)
t=( Tlen0- Tlen1)/( Tlen0- Tlen2)
p=cp1-(t/s)*cp2
を用いる。
また、決定したlen2およびlen1の位置関係が、交点A1と交点B2の場合、または、交点B1と交点A2の場合には、
s=(Tlen0-Tlen1)/(T2len0-Tlen1-Tlen2)
t=(Tlen0-Tlen2)/(T2len0-Tlen1-Tlen2)
p=cp1*t-cp2*s
を用いる。
数式を選択した後、ステップS53に示すように、ステップS52で選択した数式を用いて、対象処理液ノズルの着弾位置(上記式中p)を算出する。
なお、上記式中のTlen0とは、対象処理液ノズルに対応するライン画像のライン長であり、同様に、Tlen1も、ライン画像len1の特徴点1の長さであり、Tlen2も、ライン画像len2の特徴点の長さである。
また、上記式中のcp1は、ライン画像len1の打滴ドットの位置を表すものであり、求め方に特に限定は無いが、予め求めておくものとする。同様に、cp2も、ライン画像len2の打滴ドットの位置を表すものであり、求め方に特に限定は無いが、予め求めておくものとする。
対象処理液ノズルの着弾位置が算出できたら、ステップS54に示すように、他に、任意の2つのライン画像の組み合せが無いかどうか確認する。
任意の2つのライン画像の組み合せがあった場合には、上記ステップS50からの処理を繰返す。
全てのライン画像を、任意の2つのライン画像の組み合わせた場合には、算出した処理液ノズルの打滴位置の平均値を算出し、この平均値を、対象処理液ノズルが形成した線状の位置検出対象領域の処理液打滴領域と処理液非打滴領域との境界に位置する処理液非打滴領域のドットに対する、対象処理液ノズルの着弾位置として算出する。
上記のようにして、本実施形態においては、ライン画像内の濃度および線幅の特徴点の長さに基いて、対象処理液ノズルの着弾位置を正確に検出することができる。
すなわち、ライン画像の濃度および線幅の絶対値を用いることなく、対象処理液ノズルの着弾位置を決定することができるので、多様な記録媒体で測定が可能である。
また、本発明に用いるライン画像の測定結果データを生成するために用いるテスト画像では、無処理画像が、記録媒体上の非常に狭い範囲なので、このようなテスト画像を記録することにより、処理液がインクと重ならないことにより、インクが記録媒体に定着せず、記録媒体の搬送手段等に付着(転写)した結果として生じる記録媒体の汚染が、少なくてすむ。
さらに、上記実施形態においては、対象処理液ノズルの着弾位置の検出に加え、対象処理液ノズルおよび対応インクノズルの吐出状態、対象処理液ノズルと対応インクノズルとの打滴位置の関係を判断することができる。
例えば、図8に示す上記ステップS28に示すように、選択したライン画像の測定結果データの中に、特徴点を有するライン画像の測定結果データがあるかどうかを確認した際に、特徴点を有するライン画像の測定結果データがあった場合には、この特徴点を有するライン画像の領域下に処理液を吐出した処理液ノズルと、この特徴点を有するライン画像を記録した対応インクノズルとは、正常に吐出していると判断することができ、さらに、上記処理液ノズルと対応インクノズルの着弾位置がかさなっていると判断することができる。
図15を参照して、処理液ノズルおよび対応インクノズルの吐出状態についての判断方法について説明する。この判断は、本発明の処理液ノズルの着弾位置決定を行う前に行っても良いし、後に行っても良い。
まず、図15に示すステップS60に示すように、ライン画像が存在するか否かの判断を行い、存在する場合には、ステップS61において、ライン画像のライン幅、ライン濃度の特徴点があるか否かを判断する。
特徴点があった場合には、ステップS62において、ライン画像のライン長、ライン特徴点までの長さ(特徴点の長さ)を計算する。
この時には、ステップS63に示すように、処理液ノズルSNi(iはノズル番号を表す)は正常吐出、インクノズルCNiは正常吐出、処理液ノズルSNiとインクノズルCNiは重なると判断できる。従って、処理液ノズルの着弾位置決定を行うことができる。
一方、ステップS60において、ライン画像が存在しない場合には、ステップS64に示すように、ライン画像のライン長、ライン特徴点までの長さを決定できないので、ステップS65に示すように、ステップS63に示すように、処理液ノズルSNiは吐出状態不明、インクノズルCNiは不吐出、処理液ノズルSNiとインクノズルCNiは重なりは不明であると判断できる。
また、ステップS61において、ライン画像のライン幅、ライン濃度の特徴点がない場合にも、ステップS66に示すように、ライン画像のライン長、ライン特徴点までの長さを決定できない。このため、ステップS67において、ライン画像のライン幅、ライン濃度の変化があるか否かを判断する。
ステップS67においてライン幅、ライン濃度の変化があれば、ステップS68に示すように、処理液ノズルSNiは吐出状態不明、インクノズルCNiは着弾位置ずれ、処理液ノズルSNiとインクノズルCNiとは重ならないと判断できる。
一方、ステップS67においてライン幅、ライン濃度の変化がない場合には、処理液ノズルSNiは不吐出、インクノズルCNiは正常吐出、処理液ノズルSNiとインクノズルCNiは重なりは不明であると判断できる。
このようにして、本発明においては、処理液ノズルおよびインクノズルの吐出状態と、処理液とインクとの着弾位置の関係とを判断することができる。
特に、処理液ノズルの着弾位置決定の際には用いなかった、図5に示すライン画像L(16−4)のような、ライン画像全体が正常画像のライン画像の濃度および線幅を用いて、上述のように、特徴点のないライン画像を記録したインクノズル、および、このインクノズルに対応する処理液ノズルの吐出状態、さらに、これらが吐出したインクと処理液との着弾位置との関係を判断することにより、安定した判断が可能になる。
以上のように、本実施形態は、正確に処理液の着弾位置を決定することができる。さらに、このときに、ライン画像の濃度および線幅の絶対値をわざわざ記録部で記録したものを用いなくてもよいため、多様な記録媒体において、正確に処理液の着弾位置を決定するこができる。
また、対象処理液ノズルの着弾位置決定のために用いる着弾位置決定用データが表すテスト画像は、インクと処理液とが重なっていない部分が非常に少なく、すなわち、処理液が無いことにより、インクが記録媒体に定着せず、記録媒体の搬送手段等に付着することを防止すこともできる。
なお、上記実施形態においては、1度に3つの処理液ノズルを、対象処理液ノズルに選択し、各対象処理液ノズルの間隔を1個ずつ離間させたが、本発明においては、これに限定されず、処理液ノズルの総数や記録媒体の大きさに応じて、対象処理液ノズルに選択する処理液ノズルの個数や、各対象処理液ノズルの離間距離を、適宜決定すればよい。
次に、図16を用いて、上記とは別の本発明の決定装置16の作用および本発明の処理液ノズル着弾位置決定方法の第2の実施形態を説明する。
なお、ここでは、上記実施形態と異なる部分を重点的に説明し、上記実施形態と同様のものや処理については、説明を簡潔にするため、省略する。
また、図16は、本発明の処理液ノズルの着弾位置決定方法の別の実施例を示すフロー図である。
まず、図16に示すステップS70に示すように、データ取得部22において、画像読取装置14から、着弾位置決定用データを取得する。
なお、本実施形態で用いる着弾位置決定用データについては、後に詳述する。
次いで、ステップS72に示すように、ノズル設定部18において、対象処理液ノズルの番号を初期値に戻す。
対象処理液ノズルの番号を初期値に戻した後、ステップS74に示すように、対象処理液ノズルが打滴した処理液上にインクを打滴する複数のインクノズル(以下、単に複数の対応ノズルともいう)およびその周辺のインクノズル(以下、単に、周辺インクノズルともいう)を決定する。
対応インクノズルの決定方法には、特に限定は無いが、処理液ノズルとインクノズルとの配置データを用いて、複数の対応インクノズルおよび周辺インクノズルを決定する方法が一例として挙げられる。
次いで、ステップS76に示すように、ライン検出部24において、着弾位置決定用データから、S74において決定した複数の対応インクノズルおよび周辺ノズルで、記録媒体上に描画したライン画像のデータ(以下、単にラインデータともいう)を検出し、ライン測定部26に供給する。
ラインデータを供給した後、ステップS78に示すように、ライン測定部26において、供給されたラインデータに記録されているライン画像の濃度およびライン画像の線幅を測定し、この測定結果を測定結果データに記録し、決定部28に供給する。
次いで、ステップS80に示すように、決定部28においては、ライン測定部26から供給された測定結果データを用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を決定する。
なお、本実施形態における対象処理液ノズルの着弾位置の決定方法については、後に詳述する。
対象処理液ノズルの着弾位置の決定した後、ステップS82に示すように、S80で導き出した結果を、決定結果記録データに記録する。
次いで、ステップS84に示すように、ノズル設定部18において、全ての処理液ノズルを対象処理液ノズルに設定したかどうかを確認する。
設定していなかった場合には、ステップS86に示すように、対象とする処理液ノズルの番号を1つ繰り上げる。
対象とする処理液ノズルの番号を1つ繰り上げた後は、S74から上記の処理を行い、全ての処理液ノズルを対象処理液ノズルに設定したら、ステップS88に示すように、決定結果記録データを、記憶部29に供給し、対象処理液ノズルの着弾位置の決定を終了する。
次に、図16のステップS80に示す対象処理液ノズルの着弾位置の決定方法を説明する。
上述の通り、対象処理液ノズルの着弾位置の決定には、測定結果データを用いる。この測定結果データは、上述の通り、着弾位置決定用データからライン画像のデータ(ラインデータ)を検出し、検出したライン画像の濃度および幅を測定した結果を表すデータであるため、ここでは、まず、図17および図18を用いて、着弾位置決定用データの説明を行う。
本実施形態における着弾位置決定用データは、パターン状に処理液を打滴した記録媒体Cに、対応インクノズルおよび周辺インクノズルで、特定の領域にインクを打滴して形成した画像を表すデジタルデータである。
着弾位置決定用データの生成方法については、特に限定は無いが、図17および図18を用いて、一例を説明する。
図17は、所定の領域を除いた特定のパターン状に処理液を打滴した記録媒体Cと、27個の処理液ノズルで構成された処理液ヘッドとを模式的に表した図である。
なお、図17に示す記録媒体Cは、対象処理液ノズルによって形成される処理液打滴ラインのみにおいて、所定方向に濃度分布を持つライン対象領域LAが形成された1種類の処理液打滴パターンが5回繰返し形成されたものである。
また、図18は、図17に示す記録媒体C上に、対象処理液ノズルに対応する複数の対応インクノズルおよびこれらの周辺に位置するインクノズルで打滴して形成したライン画像を有する処理液着弾位置決定パターンが形成された記録媒体Dと、吐出ヘッド38とを模式的に表した説明図である。
なお、吐出ヘッド38は、処理液ヘッド30とインクヘッド36とで構成される。
まず、例えば、画像記録部12において、処理液ヘッドの処理液ノズルで処理液を打滴して、図17に示すようなライン対象領域LAが形成された処理液打滴パターンを形成した記録媒体Cを生成する。
上記のような記録媒体Cと処理液ノズルを用いて、複数のライン対象領域LAを持つ処理液打滴パターンからなる記録媒体Dを形成する。
例えば、図17に示すように、SN12番、SN22番の処理液ノズル32を対象処理液ノズルに設定した場合は、SN12番、SN22番の処理液ノズル32は、記録媒体Cの2列目〜7列目、8列目〜13列目、14列目〜19列目、20列目〜25列目、26列目〜31列目のみ、所定方向、図示例では上から下に向かう方向に濃くなる濃度分布を持つライン対象領域LAが形成されるように、処理液を吐出し、それ以外の処理液ヘッドは、ライン対象領域LAとは、逆の方向に濃度分布を持つように、処理液を吐出するように設定して、処理液ヘッド30と記録媒体Cを相対的に移動させて、記録媒体Cの全面に処理液を打滴した記録媒体Cを生成する。
こうして、図17に示す記録媒体C上には、SN12番、SN22番の処理液ノズル32によって形成される処理液打滴ラインの2列目〜7列目には、それぞれ所定方向、図示例では上から下に向かう方向に濃くなる濃度分布を持つライン対象領域LAが形成される処理液打滴パターンを、5回繰返した処理液打滴パターンが形成される。
次いで、図17に処理液打滴パターンが形成された記録媒体C上に、SN12番およびSN22番の対象処理液ノズル32の複数の対応インクノズル34および周辺インクノズル34によって、インクを打滴して、ライン画像を形成し、このライン画像を有する処理液着弾位置検出パターンが形成された記録媒体Dを生成する。この場合にも、対象処理液ノズル32に対応する複数のインクノズル34および周辺インクノズル34は、1列〜34列までの全列においてインクを打滴するのではなく、対象処理液ノズル32がライン対象領域LAを形成している処理液打滴パターン部分のみにインクを打滴する。
なお、ここでは、図18に示すように、インクヘッド36は、27個のインクノズル34が一直線状に配置されたラインを、図面下から、ブラック(BK)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の順で有するものとする。
さらに、ブラックのライン40のインクノズル34の番号は、図面左から、BK1番、BK2番、・・・・BK27番とし、シアンのライン42のインクノズル34の番号は、図面左から、C1番、C2番、・・・・C27番、マゼンダのライン44の番号は、図面左から、M1番、M2番、・・・・M27番とし、イエローのライン46の番号は、図面左から、Y1番、Y2番、・・・・Y27番とする。
ここのようなインクヘッド36を用いる場合に、例えば、対象処理液ノズル32を、処理液ノズル32(SN12)とすると、対応インクノズル34は、インクノズル34(C12およびBK12)とし、他方、周辺インクノズル34は、例えば、インクノズル34(C10,C11,BK11,BK13)とし、また、対象処理液32を、処理液ノズル32(SN22)とすると、対応インクノズルは、インクノズル34(C22およびBK22)とし、周辺インクノズル34は、例えば、インクノズル34(C21,C23,BK23,BK24)とする。
インクノズル34(C10および21)は、記録媒体Cの2列目〜7列目のみにインクを打滴し、インクノズル34(C11およびC22)は、記録媒体Aの8列目〜13列目のみにインクを打滴し、インクノズル34(C12およびC23)は、記録媒体Aの14列目〜19列目のみにインクを打滴し、インクノズル34(BK11およびBK22)は、記録媒体Aの20列目〜25列目のみにインクを打滴し、インクノズル34(BK12およびBK23)は、記録媒体Aの26列目〜31列目のみにインクを打滴して、インクノズル34(BK13およびBK24)は、記録媒体Aの32列目〜34列目のみにインクを打滴して、記録媒体C上にライン画像を形成し、これらのライン画像を有する記録媒体Dを生成する。
なお、ここでは、インクノズル34(C10)が記録したライン画像を、ライン画像L(C10)、インクノズル34(C22)が記録したライン画像を、ライン画像L(C22)、・・・・・・インクノズル34(BK24)が記録したライン画像を、ライン画像L(BK24)とする。
このような記録媒体Aを、画像読取装置14で読み取り、デジタルデータに変換して、着弾位置決定用データを生成する。
次に、測定結果データを生成するために、着弾位置決定用データから、ライン画像のデータ(ラインデータ)を検出する。
ここでは、図18に示す記録媒体Aを表す着弾位置決定用データから、図18に示すライン画像L(L(N12C10)〜L(N12C12),L(N22C21)〜L(N22C23),L(N12BK11)〜L(N12BK13),L(N12BK22)〜L(N12BK24))を表す画像データを検出する。なお、以下では、ライン画像を、単に、インクノズルの番号だけで表示する。例えば、ライン画像L(N12C10)は、L(C10)とする。
検出されるライン画像データが表すライン画像Lのうち、ライン画像L(C12およびBK12)は、ライン対象領域LAの処理液の濃度分布と方向性が一致する濃度分布を持つライン画像となる。なお、一般的には、上述した通り、処理液の濃度が低いほうがライン画像の濃度が低く、また、幅が広い。
検出されるライン画像データが表すライン画像のうち、ライン画像L(C22およびBK22)は、全く処理液が打滴されていない領域に、インクを打滴して記録したものであり、ライン画像L(C10,C11,BK12,BK13,C21,C23,BK23,BK24)は、ライン対象領域LAの処理液の濃度分布とは、方向性が逆となるように、処理液が打滴されている領域に、インクを打滴して記録したものである。
上記のようなライン画像のデータ(ラインデータ)を検出した後、これらのデータが表すライン画像の濃度および線幅を測定し、測定結果を記録して、測定結果データを生成する。
ライン画像L(C12およびBK12)のような、ライン対象領域LAの処理液の濃度分布と方向性が一致する濃度分布を持つライン画像の測定結果データにおいては、他の領域のライン画像とは濃度分布の方向性が異なる。
ライン画像L(C22およびBK22)のようなライン画像の測定結果データにおいては、インクと処理液とが重ならないため、ライン画像の濃度および幅は、変化することなく、かつ、所定の値を得ることができない。
また、ライン画像L(C10,C11,BK11,BK13,C21,C23,BK23,BK24)のようなライン画像の測定結果データにおいては、ライン画像L(C12およびBK12)とは逆方向の濃度分布を持つ。
次に、図19を用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を算出する方法について、詳述する。
図19は、対象処理液ノズルの着弾位置を算出する方法の別のフロー図である。
決定部28においては、まず、図19に示すステップS90に示すように、測定結果データを取得する。
次いで、測定結果データの中から、対象処理液ノズル32に対応させて記録したライン画像の測定結果データを選択し、ステップS92に示すように、選択した測定結果データの中に、対象処理液ノズル32がライン対象領域LAに吐出した処理液の濃度分布の方向性と一致する濃度分布を持つライン画像の測定結果データがあるかどうかを確認する。
すなわち、ここでは、選択した測定結果データの中に、画像の濃度および線幅の分布の方向性が一致するライン画像の測定結果データがあるかどうかを確認すればよい。
上記に該当するデータがあった場合には、ステップS94に示すように、該当するライン画像の測定結果データに対応するインクノズルの着弾位置に基いて、対象処理液ノズルが形成したライン対象領域LAが位置する処理液ドットに対する、対象処理液ノズルの着弾位置を算出する。
このとき、ステップS92において、複数のライン画像の測定結果データを取得した場合には、夫々のライン画像に対応するインクノズルの着弾位置の平均値を用いて、対象処理液ノズルの着弾位置を決定する。
なお、このとき、複数の対応インクノズルが描画したライン画像から、対象処理液ノズルの着弾位置を検出した場合には、これらの平均値を求め、その平均値を、対象処理液ノズルの着弾位置とすればよい。
他方、上記に該当するデータがなかった場合には、ステップS96に示すように、対象処理液ノズルの着弾位置が不明であると決定する。
ステップS94およびS96のいずれかのステップが終了した後には、ステップS98に示すように、決定結果を、決定結果記録データに記録する。
決定結果記録データに結果を記録した後、ステップS100に示すように、全てのライン画像の測定結果データを、選択したかどうかを確認する。
選択するライン画像の測定結果データが残っている場合には、ステップS92からの処理を行い、選択するライン画像の測定結果データがなくなったら、対象とした処理液ノズルの着弾位置を算出できたとして、対象処理液ノズルの着弾位置の算出を終了する。
ここで、具体的に、測定結果データとして、上述した図18に示すライン画像の測定結果データを用いた場合について説明する。
例えば、ステップS90に示すように、測定結果データを取得した後、対象処理液ノズル(SN12)に対応させて記録したライン画像の測定結果データ、すなわち、ライン画像L(C10,C11,C12,BK11,BK12,13)の測定結果データを選択し、ステップS92に示すように、この中から、画像の濃度および幅の特徴点を有するライン画像の測定結果データがあるかどうかを確認する。
選択した測定結果でデータの中には、上述した通り、画像の濃度および幅の特徴点を有するライン画像L(C12およびBK12)の測定結果データがあるので、ステップS94に示すように、ライン画像L(C12およびBK12)を記録したインクノズル(C12およびBK12)の着弾位置(打滴位置)を用いて、対象処理液ノズル(SN12)の着弾位置を算出する。
算出した結果は、ステップS98に示すように、決定結果記録データに記録し、ステップS100に示すように、全てのライン画像の測定結果データを選択したかどうかを確認すると、他に、選択していないライン画像の測定結果データがあることを確認する。
そこで、例えば、対象処理液ノズル(SN22)に対応させて記録したライン画像の測定結果データ、すなわち、ライン画像L(C21,C22,C23,BK22,BK23,BK24)の測定結果データを選択し、ステップS92に示すように、この中から、画像の濃度および線幅の分布の方向性が一致するライン画像の測定結果データがあるかどうかを確認する。
選択した測定結果でデータの中に、該当するライン画像の測定結果データがなかったので、ステップS96に示すように、対象処理液ノズル(SN22)の着弾位置が不明であると決定する。
次いで、ステップS98に示すように、上記ステップS96で得た決定結果を、決定結果記録データに記録し、ステップS100に示すように、全てのライン画像の測定結果データを選択したかどうかを確認する。
その結果、他に、選択していないライン画像の測定結果データはないので、対象処理液ノズルの着弾位置の算出を終了する。
以上のようにして、本実施形態においては、対象処理液ノズルの着弾位置を決定することができる。
さらに、上記実施形態のステップS94では、対象処理液ノズルの着弾位置の決定に加え、対象処理液ノズルと対応インクノズルおよび周辺インクノズルとの対応付けを行うこともできる。
例えば、対象処理ノズル32(SN12)に対応するライン画像の測定結果データを選択した場合に、選択した測定結果でデータの中に、画像の濃度および幅の特徴点を有するライン画像L(C12およびBK12)の測定結果データがあると、対象処理液ノズル32(SN12)と、インクノズル34(C12およびBK12)との着弾位置が一致していることがわかるので、対象処理液ノズル32(SN12)とインクノズル34(C12およびBK12)とが対応していることがわかるので、対象処理液ノズル32(SN12)とインクノズル34(C12およびBK12)とを対応付けすることができる。
さらに、上記実施形態のステップS96では、対象処理液ノズルの着弾位置が不明であることを決定することに加え、ライン画像の測定結果データの中に、対象処理液ノズルの処理液と重なっていないことを表すデータがあるかどうかを確認し、該当するデータがあった場合には、対象処理液ノズルと、この対象処理液ノズルに対応するインクノズルとは「対応していない。」と判断し、これらの対応付けを、「対応しない」に変更することもできる。
例えば、対象処理ノズル32(SN22)に対応するライン画像の測定結果データを選択した場合に、選択した測定結果でデータの全てが、画像の濃度および幅に特徴点を有さないので、対象ノズル32(SN22)とインクノズル(C22およびBK22)との対応付けを、「対応していない。」に変更することができる。
さらに、上記実施形態のステップS94では、対象処理液ノズルの着弾位置の決定に加え、処理液ノズルおよび対応インクノズルまたは周辺インクノズルの吐出状態や、処理液ノズルと、対応インクノズルまたは周辺インクノズルとの着弾位置の位置関係を判断することもできる。
例えば、対象処理ノズル32(SN12)に対応するライン画像の測定結果データを選択した場合には、選択した測定結果データの中に、画像の濃度および幅の特徴点を有するライン画像L(C12およびBK12)の測定結果データがあり、このことから、対象処理液ノズル32(SN12)の処理液と、インクノズル34(C12およびBK12)のインクとが重なっていることが判断でき、さらに、処理液ノズル32(SN12)およびインクノズル(C12およびBK12)が、「正常吐出」であることを判断できる。
さらに、上記実施形態のステップS96では、対象処理液ノズルの着弾位置が、不明であることを決定することに加え、ライン画像の測定結果データのうちの、画像の線幅が基準値以下で、且つ、濃度が基準値以上のライン画像を表している測定結果データを確認した場合には、記録したインクノズルの吐出状態を、「位置ずれ」、対象処理液ノズルの吐出状態を、「不明」、処理液ノズルと前記インクノズルとの着弾位置の位置関係は、「不明」であると判断し、他方、該当するデータを確認できなかった場合には、判定したライン画像の測定結果データを記録したインクノズルの吐出状態を、「正常吐出」、対象インクノズルを、「不吐出」、前記インクノズルと対象処理液ノズルとの着弾位置関係を、「不明」と判断することができる。
なお、ここでの濃度の基準値とは、処理液とインクとが重なったライン画像の濃度であり、線幅の基準値も、処理液とインクとが重なったライン画像の線幅である。
例えば、対象処理ノズル32(SN22)に対応するライン画像の測定結果データを選択した場合に、選択した測定結果データのうち、ライン画像L(C21,C22,BK23,BK24)は、ライン画像の幅が略基準値で、かつ、濃度も略基準値であるので、インクノズル(C21,C22,BK23,BK24)の吐出状態を、「位置ずれ」、対象処理液ノズル(SN22)の吐出状態を、「不明」、処理液ノズル32(SN22)とインクノズル34(C21,C22,BK23,BK24)との着弾位置の位置関係は、「不明」であると判断することができる。
他方、選択した測定結果データのうち、ライン画像L(C22およびBK22)は、ライン画像の幅が基準値未満で、かつ、濃度が基準値超なので、インクノズル34(C22およびBK22)の吐出状態を、「正常吐出」、対象インクノズル32(SN22)を、「不吐出」、インクノズル(C22およびBK22)と処理液ノズル32(SN22)との着弾位置関係を、「不明」と判断することができる。
なお、図16に示すステップS76において、着弾位置決定用データからライン画像のデータを検出することができなかった場合には、ライン画像を記録しようとしたインクノズル、全てが、不吐出ノズルであり、これにより、これらのノズルに対応する処理液ノズルの吐出状態は、不明であるとし、さらに、処理液とインクとの着弾位置の関係も不明であると判断することができる。
図20を参照して、処理液ノズルおよび対応インクノズルの吐出状態についての判断方法について説明する。この判断は、本発明の処理液ノズルの着弾位置決定を行う前に行っても良いし、後に行っても良い。
まず、図20に示すステップS102に示すように、ライン画像が存在するか否かの判断を行い、存在する場合には、ステップS104において、ライン幅の変化の方向とライン濃度の変化の方向が所定方向(ライン対象領域の処理液の濃度分布と同じ方向性)か否かを判断する。
所定方向であった場合には、ステップS106に示すように、処理液ノズルSNi(iはノズル番号を表す)は正常吐出、インクノズルCNiは正常吐出、処理液ノズルSNiとインクノズルCNiは重なると判断できる。従って、処理液ノズルの着弾位置決定を行うことができる。
一方、ステップS102において、ライン画像が存在しない場合には、ステップS108に示すように、処理液ノズルSNiは吐出状態不明、インクノズルCNiは不吐出、処理液ノズルSNiとインクノズルCNiは重なりは不明であると判断できる。
また、ステップS104において、所定方向でなかった場合には、ステップS110において、ライン幅の変化の方向とライン濃度の変化の方向が所定方向(ライン対象領域の処理液の濃度分布と同じ方向性)と逆方向か否かを判断する。
ステップS110において、逆方向であれば、ステップS112に示すように、処理液ノズルSNiは吐出状態不明、インクノズルCNiは着弾位置ずれ、処理液ノズルSNiとインクノズルCNiとは重ならないと判断できる。
一方、ステップS110において、逆方向でない(ライン幅とライン濃度とに変化がない)場合には、処理液ノズルSNiは不吐出、インクノズルCNiは正常吐出、処理液ノズルSNiとインクノズルCNiは重なりは不明であると判断できる。
以上のように、本実施形態は、対象処理液ノズルの着弾位置を決定できることに加え、対象処理液ノズルとインクノズルとの対応づけや、対象処理液ノズル、対応インクノズル、周辺インクノズルの吐出状態や、対象処理液ノズルと、対応インクノズルまたは周辺インクノズルとの着弾位置の位置関係を判断することもできる。
なお、上記各実施形態においては、画像読取装置14から、特性データと着弾位置決定用データとを取得したが、本発明においては、これに限定されず、例えば、特性データや着弾位置決定用データが、サーバ等に保存されている場合には、サーバから取得してもよい。
本発明は、基本的に以上のようなものである。
以上、本発明の処理液ノズルの着弾位置決定方法および処理液ノズルの着弾位置決定装置ついて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明に係る画像記録装置の一実施例の構成を表わすブロック図である。 本発明の処理液ノズルの着弾位置決定装置の一実施例の構成を示したブロック図である。 本発明の処理液ノズルの着弾位置決定方法の一実施例を示すフローチャートである。 本発明の処理液打滴パターンの一例が形成された記録媒体と処理液ヘッドとを模式的に表した説明図である。 本発明の着弾位置決定パターンの一例が形成された記録媒体と吐出ヘッドとを模式的に表した説明図である。 本発明におけるライン画像の濃度および線幅の分布を説明するための説明図である。 図6に示すライン画像の濃度および線幅の変化を示すグラフである。 本発明法における対象処理液ノズルの着弾位置を決定する方法の一実施例を示したフロー図である。 本発明法におけるライン濃度特徴点の算出方法の一例を示すフローチャートである。 本発明法におけるライン濃度特徴点の算出方法の一例を示すフローチャートである。 本発明法において検出されたライン画像の濃度/幅のグラフである。 図11に示すライン画像の規格化された濃度/幅のグラフである。 本発明法における対象処理液ノズルの着弾位置の算出方法を示すフローチャートである。 本発明法における対象処理液ノズルの着弾位置の算出方法を説明するためのグラフである。 本発明法における対象処理液ノズルおよびインクノズルの吐出状態を判断する方法の一実施例を示したフローチャートである。 本発明の処理液ノズルの着弾位置決定方法の別の実施例を示すフローチャートである。 本発明の処理液打滴パターンの別の例が形成された記録媒体と処理液ヘッドとを模式的に表した説明図である。 本発明の着弾位置決定パターンの別の例が形成された記録媒体と吐出ヘッドとを模式的に表した説明図である。 本発明法における対象処理液ノズルの着弾位置を決定する方法の別の実施例を示したフロー図である。 本発明法における対象処理液ノズルおよびインクノズルの吐出状態を判断する方法の別の実施例を示したフローチャートである。
符号の説明
10 画像記録装置
12 画像記録部
14 画像読取装置
16 処理液ノズルの着弾位置決定装置
18 ノズル設定部
19 打滴パターン設定部
20 吐出制御部
22 データ取得部
24 ライン検出部
26 ライン測定分
28 決定部
29 記憶部
30 処理液ヘッド
32 処理液吐出ノズル
34 インク吐出ノズル
36 インクヘッド
38 吐出ヘッド
40 ブラックのライン
42 シアンのライン
44 マゼンダのライン
46 イエローのライン

Claims (15)

  1. 処理液吐出ノズルおよびインクノズルからそれぞれ透明な処理液および有色インクを像様に重ねて打滴し、前記有色インクを定着して記録するインクジェット記録方法における処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法であって、
    打滴された処理液の着弾位置決定対象として選択された1つの処理液吐出ノズルおよびこれを中心とする両側の複数の処理液吐出ノズルにおいて、それぞれ、打滴される前記処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら前記処理液を所定ドッド数連続して打滴した線状の着弾位置決定対象領域が形成され、これらの線状の着弾位置決定対象領域がその中心から遠ざかるにつれ、処理液濃度の濃いまたは薄いドッド数が減少する複数の線状の位置決定対象領域を形成し、前記着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、前記線状の着弾位置決定対象領域とは逆に前記処理液の濃度を変化させながら前記処理液が連続して打滴されるように、処理液打滴パターンを設定し、
    設定された処理液打滴パターンに応じて前記処理液を前記処理液吐出ノズルから記録媒体上に吐出して前記記録媒体に前記処理液打滴パターンを形成し、
    前記選択された処理液吐出ノズルと対応するインクノズルを含みその両側のインクノズルの中からノズル間隔をあけて選択された複数のインクノズルから前記有色インクを、前記記録媒体に形成された前記処理液打滴パターン上に打滴して前記記録媒体に複数の線状の有色インク画像を記録して、前記記録媒体に処理液着弾位置決定パターンを形成し、
    前記記録媒体に形成された前記処理液着弾位置決定パターンを検出センサで読み取り、
    前記検出センサで読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の線状の有色インク画像を検出し、
    検出された前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅を測定し、
    測定された前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像における濃度分布および/または線幅分布から、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの着弾位置を決定することを特徴とする処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  2. 前記処理液の濃度は、処理液吐出ノズルから1つの処理液ドッドに打滴される前記処理液の液量、前記1つの処理液ドッドのサイズ、前記1つの処理液ドッドを形成する所定液量の小滴の密度、および、前記1つの処理液ドッドへの前記処理液の吐出率の少なくとも1つを制御することにより制御され、前記濃度の濃淡は、前記処理液の液量の多少、前記サイズの大小、前記密度の大小、または、吐出率の大小に対応するものである請求項1に記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  3. 全処理液吐出ノズルが前記着弾位置決定対象として選択されるように、少なくとも1つの処理液吐出ノズル毎に前記処理液打滴パターンが設定され、設定された複数の前記処理液打滴パターンが連続して組み合せられる請求項1または2に記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  4. 前記処理液吐出ノズルの着弾位置の決定は、
    前記複数の線状の有色インク画像の各々の長さを求めるとともに、各線状の有色インク画像の前記濃度分布および/または線幅分布から当該線状の有色インク画像の特徴点を求め、
    前記特徴点が存在しない前記線状の有色インク画像を除き、前記特徴点が存在する前記線状の有色インク画像の中から2つを選び、
    選ばれた2つの線状の有色インク画像の各々について、前記特徴点の長さを求めるとともに、選ばれた2つの線状の有色インク画像間の距離を求め、
    求められた2つの前記特徴点の長さと、前記距離と、選ばれた2つの線状の有色インク画像を描画した各インクノズルに対応して予め決定されている有色インクの着弾位置とを用いて、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出することである請求項1〜3のいずれかに記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  5. 前記特徴点は、前記線状の有色インク画像の前記濃度分布および/または線幅分布からその最大値および最小値を求め、求められた最大値および最小値をそれぞれ所定基準値に規格化し、規格化濃度が所定値となる前記線状の有色インク画像上の位置を求めることにより得られ、
    前記特徴点の長さは、求められた位置と、前記規格化濃度が最大となる位置または最小となる位置との間の距離として求められる請求項4に記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  6. 前記濃度分布および/または線幅分布が存在する前記線状の有色インク画像がつ以上存在する時、
    異なる組み合わせの2つの線状の有色インク画像を選択し、
    複数の組み合せについて、それぞれ、前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出し、
    複数の組み合せについて算出された前記着弾位置の平均値を求め、
    求められた前記平均値を前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置として決定する請求項3に記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  7. さらに、前記濃度分布および/または線幅分布が存在しない前記線状の有色インク画像を決定した場合には、前記濃度が不変であり、かつ、前記線幅が不変である前記線状の有色インク画像を記録した前記インクノズルに対応する前記処理液吐出ノズルを不吐出処理液吐出ノズルとして検出する請求項1〜6のいずれかに記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  8. さらに、前記検出センサで読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の線状の有色インク画像を検出する際に、前記線状の着弾位置決定対象領域に対応する前記線状の有色インク画像が形成されていない場合に、当該線状の着弾位置決定対象領域に対応する前記インクノズルを不吐出インクノズルとして検出する請求項1〜7のいずれかに記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  9. 処理液吐出ノズルおよびインクノズルからそれぞれ透明な処理液および有色インクを記録媒体上に像様に重ねて打滴し、前記有色インクを定着して記録するインクジェット記録方法における処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法であって、
    全処理液吐出ノズルの中から、打滴された処理液の着弾位置決定対象として、少なくとも隣接しないように選択された処理液吐出ノズルの各々において、打滴される前記処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら前記処理液を所定ドッド数連続して打滴した線状の着弾位置決定対象領域が形成され、前記着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、前記線状の着弾位置決定対象領域とは逆方向に前記処理液の濃度を変化させながら前記処理液が連続して打滴されるように、処理液打滴パターンを設定し、
    前記設定された処理液打滴パターンに応じて、前記処理液を前記処理液吐出ノズルから前記記録媒体上に吐出することを繰り返して、同一の前記処理液打滴パターンを、前記記録媒体に繰り返し形成し、
    前記着弾位置決定対象として選択された処理液吐出ノズルと対応するとして、それぞれ異なる色の有色インクを打滴する複数種のインクノズルが設定され、設定された複数種のインクノズルおよび複数の周辺のインクノズルの中から1種のインクノズルから対応する前記有色インクを選択し、選択された処理液吐出ノズルと対応して前記記録媒体に繰り返し形成された1つの前記処理液打滴パターン上に吐出して前記記録媒体に線状の有色インク画像を形成することを、前記インクノズルの種類および前記有色インクの色の種類を対応する色に変えて繰り返し、複数の色の各色について複数の前記線状の有色インク画像を前記記録媒体に記録して、前記記録媒体に処理液着弾位置決定パターンを形成し、
    前記記録媒体に形成された前記処理液着弾位置決定パターンを検出センサで読み取り、前記検出センサで読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像を検出し、
    前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅を測定し、
    測定された前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像の中から、その濃度の変化の方向が前記線状の着弾位置決定対象領域の処理液濃度の変化の方向と一致する、および/またはその線幅の変化が細くなる方向が、前記線状の着弾位置決定対象領域の前記処理液濃度の変化が濃くなる方向と一致する線状の有色インク画像を求め、求められた変化の方向が一致する1以上の前記線状の有色インク画像が同一線上に存在する場合に、当該線状の有色インク画像の位置を、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの着弾位置として決定することを特徴とする処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  10. インクジェットヘッドの処理液吐出ノズルおよびインクノズルからそれぞれ透明な処理液および有色インクを像様に重ねて記録媒体上に打滴し、前記有色インクを定着して記録するインクジェット記録装置に用いられる処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置であって、
    打滴された処理液の着弾位置決定対象として1つの処理液吐出ノズルおよびこれを中心とする両側の複数の処理液吐出ノズルを選択するノズル設定部と、
    前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの各々において、それぞれ、打滴される前記処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら前記処理液を所定ドッド数連続して打滴した線状の着弾位置決定対象領域が形成され、これらの線状の着弾位置決定対象領域がその中心から遠ざかるにつれ、処理液濃度の濃いまたは薄いドッド数が減少する複数の線状の着弾位置決定対象領域を形成し、前記着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、前記線状の着弾位置決定対象領域とは逆に前記処理液の濃度を変化させながら前記処理液が連続して打滴されるように、処理液打滴パターンを設定する処理液打滴パターン設定部と、
    設定された処理液打滴パターンに応じて前記処理液を前記処理液吐出ノズルから記録媒体上に吐出して前記記録媒体に前記処理液打滴パターンを形成するように、前記処理液吐出ノズルの吐出制御を行うとともに、前記選択された処理液吐出ノズルと対応するインクノズルを含みその両側のインクノズルの中からノズル間隔をあけて選択された複数のインクノズルから前記有色インクを、前記記録媒体に形成された前記処理液打滴パターン上に打滴して前記記録媒体に複数の線状の有色インク画像を記録して、前記記録媒体に処理液着弾位置決定パターンを形成するように、前記インクノズルの吐出制御を行う吐出制御部と、
    前記記録媒体に形成された前記処理液着弾位置決定パターンを検出センサで読み取り、読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の線状の有色インク画像の画像データを取得するデータ取得部と、
    前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅を測定する測定部と、
    前記測定部で測定された前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像における濃度分布および/または線幅分布から、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの着弾位置を決定する決定部とを有することを特徴とする処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置。
  11. 前記決定部は、
    前記複数の線状の有色インク画像の各々の長さを求めるとともに、各線状の有色インク画像の前記濃度分布および/または線幅分布から当該線状の有色インク画像の特徴点を求め、
    前記特徴点が存在しない前記線状の有色インク画像を除き、前記特徴点が存在する前記線状の有色インク画像の中から2つを選び、
    選ばれた2つの線状の有色インク画像の各々について、前記特徴点の長さを求めるとともに、選ばれた2つの線状の有色インク画像間の距離を求め、
    求められた2つの前記特徴点の長さと、前記距離と、選ばれた2つの線状の有色インク画像を描画した各インクノズルに対応して予め決定されている有色インクの着弾位置とを用いて、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出する請求項10に記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置。
  12. 前記決定部は、前記特徴点として、前記線状の有色インク画像の前記濃度分布および/または線幅分布からその最大値および最小値を求め、求められた最大値および最小値をそれぞれ所定基準値に規格化し、規格化濃度が所定値となる前記線状の有色インク画像上の位置を求め、前記特徴点の長さを、求められた位置と、前記規格化濃度が最大となる位置または最小となる位置との間の距離として求める請求項11に記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置。
  13. 前記決定部は、前記濃度分布および/または線幅分布が存在する前記線状の有色インク画像がつ以上存在する時、
    異なる組み合わせの2つの線状の有色インク画像を選択し、
    複数の組み合せについて、それぞれ、前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置を算出し、
    複数の組み合せについて算出された前記着弾位置の平均値を求め、
    求められた前記平均値を前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルから打滴された処理液の着弾位置として決定する請求項10〜12のいずれかに記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法。
  14. インクジェットヘッドの処理液吐出ノズルおよびインクノズルからそれぞれ透明な処理液および有色インクを記録媒体上に像様に重ねて打滴し、前記有色インクを定着して記録するインクジェット記録装置に用いられる処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置であって、
    全処理液吐出ノズルの中から、打滴された処理液の着弾位置決定対象として、少なくとも隣接しないように複数の処理液吐出ノズルを選択するノズル設定部と、
    前記着弾位置決定対象として選択された前記複数の処理液吐出ノズルの各々において、打滴される前記処理液の濃度を徐々に濃くまたは薄く一方向に変化させながら前記処理液を所定ドッド数連続して打滴した線状の着弾位置決定対象領域が形成され、前記着弾位置決定対象として選択されなかった残りの処理液吐出ノズルにおいては、前記線状の着弾位置決定対象領域とは逆方向に前記処理液の濃度を変化させながら前記処理液が連続して打滴されるように、処理液打滴パターンを設定する処理液打滴パターン設定部と、
    前記設定された処理液打滴パターンに応じて、前記処理液を前記処理液吐出ノズルから前記記録媒体上に吐出することを繰り返して、同一の前記処理液打滴パターンを、前記記録媒体に繰り返し形成するように、前記処理液吐出ノズルの吐出制御を行うとともに、前記着弾位置決定対象として選択された処理液吐出ノズルと対応するとして、それぞれ異なる色の有色インクを打滴する複数種のインクノズルが設定され、設定された複数種のインクノズルおよび複数の周辺のインクノズルの中から1種のインクノズルから対応する前記有色インクを選択し、選択された処理液吐出ノズルと対応して前記記録媒体に繰り返し形成された1つの前記処理液打滴パターン上に吐出して前記記録媒体に線状の有色インク画像を形成することを、前記インクノズルの種類および前記有色インクの色の種類を対応する色に変えて繰り返し、複数の色の各色について複数の前記線状の有色インク画像を前記記録媒体に記録して、前記記録媒体に処理液着弾位置決定パターンを形成するように、前記インクノズルの吐出制御を行う吐出制御部と、
    前記記録媒体に形成された前記処理液着弾位置決定パターンを検出センサで読み取り、読み取られた前記処理液着弾位置決定パターン中の前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の画像データを取得するデータ取得部と、
    前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅を測定する測定部と、
    測定された前記複数の色の各色についての前記複数の線状の有色インク画像の濃度および/または線幅の変化の有無を検出して、この変化が存在する線状の有色インク画像の中から、その濃度の変化の方向が前記線状の着弾位置決定対象領域の処理液濃度の変化の方向と一致する、および/またはその線幅の変化が細くなる方向が、前記線状の着弾位置決定対象領域の前記処理液濃度の変化が濃くなる方向と一致する線状の有色インク画像を求め、求められた変化の方向が一致する1以上の前記線状の有色インク画像が同一線上に存在する場合に、当該線状の有色インク画像の位置を、前記着弾位置決定対象として選択された前記処理液吐出ノズルの着弾位置として決定する決定部とを有することを特徴とする処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置。
  15. 透明な処理液および有色インクを記録媒体上にそれぞれ像様に重ねて打滴する処理液吐出ノズルおよびインクノズルを備えるインクジェットヘッドと、
    前記記録媒体上にそれぞれ像様に打滴された有色インクを定着する定着手段と、
    前記記録媒体と前記インクジェットヘッドとを相対的に移動する移動手段と、
    請求項10〜14のいずれかに記載の処理液吐出ノズルの着弾位置決定装置とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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