JP2004223847A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004223847A
JP2004223847A JP2003013565A JP2003013565A JP2004223847A JP 2004223847 A JP2004223847 A JP 2004223847A JP 2003013565 A JP2003013565 A JP 2003013565A JP 2003013565 A JP2003013565 A JP 2003013565A JP 2004223847 A JP2004223847 A JP 2004223847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
dot
clear ink
image density
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003013565A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhide Kubota
和英 窪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2003013565A priority Critical patent/JP2004223847A/ja
Priority to US10/761,802 priority patent/US7182424B2/en
Publication of JP2004223847A publication Critical patent/JP2004223847A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】記録媒体上に画像形成用インクとクリアインクとを重ねて記録する場合に、クリアインクのドット抜けを確実に検出できるインクジェット記録方法、及び、画像を確実に再現可能なインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録方法は、画像形成用インクとクリアインクとが重なってなる混合ドットの画像濃度を測定することにより、クリアインクのドット抜けの有無を判定するドット抜け検出工程を有する。インクジェット記録装置5は、混合ドットの画像濃度を測定できるドット画像濃度測定手段と、混合ドットの画像濃度に応じてクリアインクのドット抜けの有無を判定できる判定手段と、記録ヘッド56をクリーニングできるクリーニング機構と、判定手段の判定結果に応じて“記録ヘッド56によるインクジェット記録”及び“記録ヘッド56に対するクリーニング機構によるクリーニング”のいずれかを選択できる制御手段とを具備する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、周知のように微細なノズルからインクジェット記録用インクを小滴として吐出して、記録媒体の表面に多数のドットを形成することにより、文字や図形等の画像を紙等に記録する方法である。
【0003】
このようなインクジェット記録方法としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変化して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法や、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い個所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法などが開発、実用化されている。
【0004】
インクジェット記録方法によれば、高解像度で高品位な画像を高速且つ簡便に印刷することが可能で、特に、近年はカラー印刷においては写真に代わりうる画像形成方法となってきている。
【0005】
インクジェット記録に使用できるインクとしては、染料を着色剤とする水系染料インクと、顔料を着色剤とする水系顔料インクとが広く知られている。水系顔料インクは、耐候性に優れた印刷物を作製できるという利点を有している。しかし、顔料単独では水性溶媒に分散しにくいことから、通常、水系顔料インクには、顔料を分散させるための高分子型分散剤が所定濃度で含有されている。
【0006】
ところで、例えば写真調の画像をインクジェット記録方法によって再現する場合、通常、印字濃度が高い領域に関してはドットの密度が高くなるように、印字濃度が低い領域に関してはドットの密度が低くなるようにインクジェット記録が行われる。
【0007】
しかしながら、インクとして、特に、前記した水系顔料インクを使用する場合、ドットの密度が高くなる領域(高duty領域)には、ドットの密度が低くなる領域(低duty領域)と比較して、より多くの水系顔料インクが存在することになり、これに応じて、より多くの高分子型分散剤が存在することとなる。そして、高分子型分散剤は、通常、光沢性を有することから、印刷物の高duty領域では高光沢となり、低duty領域では低光沢となって、再現しようとする画像の内容によっては、印刷物全体として観た場合に、光沢ムラが顕在化するという問題があった。
【0008】
この問題を解決すべく、光沢性を付与できるクリアインクを、前記印刷物に対して、さらに、「低duty領域>高duty領域」となる量で印刷し、高duty領域と低duty領域の間における光沢性の格差を低減することによって、前記した光沢ムラの問題を解消しようとする技術が知られている。
【0009】
一方、インクジェット記録による画像の品質を保持するためには、ドット抜けのないことが要求される。“ドット抜け”とは、インクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドのノズルに不良が生じるなどして、本来ドットが形成されるべき位置に、ドットが形成されない現象をいう。
【0010】
ドット抜けの検出方法としては、図5に示すように、記録ヘッド110から用紙112に至るまでのインク111を挟むように、光Lを射出する発光部113と、前記光Lを受ける受光部114とを設け、次いで、インク111を所定の間隔で連続して飛行させることによって、前記光Lが前記インク111によって間欠的に遮られることに基づく検出パルスを作成し、この検出パルスのパルス間隔を所定のしきい値と比較する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−192740公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、記録ヘッド110から適正なタイミングでインク111が滴下された場合に、発光素子113から出された光Lがインク111によって所定のタイミングで遮られるか否かを検出することによって、ドット抜けを検出するものであり、反応性クリアインクを使用する場合は、光Lが反応性クリアインクによって遮られにくいことから、反応性クリアインクのドット抜けを検出することは困難であった。
【0013】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録媒体上に、画像形成用インクと反応性クリアインク(クリアインクであって、記録画像の印字品質を高くできる)とを重ねて記録する場合に、反応性クリアインクのドット抜けを確実に検出できるインクジェット記録方法、及び、画像を確実に再現可能なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は、画像形成用インクと透明な反応性クリアインクとを重ねて記録する場合、そのドットの画像濃度が、インク単独によるドットと比較して上昇することを見出し、これによって本発明を完成したものである。すなわち、本発明の技術的構成及びその作用は以下の通りである。
【0015】
請求項1に係るインクジェット記録方法は、記録ヘッドによって記録媒体上に画像形成用インクと反応性クリアインクとを重ねて混合ドットを設けるインクジェット記録方法であって、混合ドットの画像濃度を測定することにより、反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定するドット抜け検出工程を有することを特徴としている。
【0016】
反応性クリアインクのドット抜けが発生した混合ドットは、画像形成用インクのみから構成されるなどして、その画像濃度は、反応性クリアインクのドット抜けが発生しなかった場合と比較して、上昇しない、あるいは、上昇の度合いが不十分である。正常時における画像濃度上昇の度合いは、反応性クリアインクのドット抜けが発生しない場合の結果から、予め知ることができるので、前記方法のように混合ドットの画像濃度を測定することにより、反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定できる。
【0017】
請求項2に係るインクジェット記録方法は、ドット抜け検出工程が、混合ドットの画像濃度が所定の基準値超過である場合を反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定し、混合ドットの画像濃度が所定の基準値以下である場合を反応性クリアインクのドット抜けが有りと判定する工程であることを特徴としている。
例えば、基準値を“画像形成用インクのみのドットの画像濃度”〜“画像形成用インクと反応性クリアインクとが重なってなるドットの画像濃度”の範囲内に設定し、請求項2に係る方法のようにすることによって、反応性クリアインクのドット抜けをより確実に判定できる。
【0018】
請求項3に係るインクジェット記録方法は、記録媒体の混合ドットとは別の領域に、画像形成用インクを単独で記録することにより単ドットを設け、単ドットの画像濃度に基づいて基準値を作成することを特徴としている。
このような方法によれば、混合ドットの作成に適用される条件(画像形成用インクや記録媒体の種類、環境条件(湿度,温度)等)と同一の条件で、単ドットを作製することができる。そして、このような単ドットの画像濃度は、上記条件が確実に反映され得るから、これに基づいて作成された基準値の信頼性は高い。よって、請求項3に係る方法のようにすることで、反応性クリアインクのドット抜けをより正確に判定できる。
【0019】
本発明者らは、請求項3の方法において、基準値を下記式を満たすように作成することにより、反応性クリアインクのドット抜けを確実に判定できることを見出した。
基準値=単ドットの画像濃度+α(α≧0)
よって、請求項4に係るインクジェット記録方法は、請求項3において、基準値を下記式を満たすように作成することを特徴とする。
基準値=単ドットの画像濃度+α(α≧0)
【0020】
請求項5に係るインクジェット記録方法は、ドット抜け検出工程により、反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定された場合はインクジェット記録を行い、反応性クリアインクのドット抜けが有りと判定された場合は、記録ヘッドのクリーニングを行うことを特徴としている。
ところで、従来、印刷休止などにより記録ヘッドを作動させない状態が長期間続いた後で、再度、記録ヘッドを作動させようとする際には、記録ヘッドのクリーニングが、通常、強制的になされていた。しかしながら、請求項6の方法によれば、印刷再開時の場合であっても、反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定されれば、記録ヘッドのクリーニングを行うことなく、インクジェット記録を再開することができる。よって、クリーニングに掛かる時間等の負担を低減できる。
【0021】
請求項6に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドによって記録媒体上に画像形成用インクと反応性クリアインクとを重ねて混合ドットを設けることのできるインクジェット記録装置であって、混合ドットの画像濃度を測定できるドット画像濃度測定手段と、混合ドットの画像濃度に応じて反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定できる判定手段と、記録ヘッドをクリーニングできるクリーニング機構と、判定手段の判定結果に応じて“記録ヘッドによるインクジェット記録”及び“記録ヘッドに対するクリーニング機構によるクリーニング”のいずれかを選択できる制御手段とを具備している。
このような構成によれば、前記したように、混合ドットの画像濃度によって反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定するとともに、この判定結果によって、“記録ヘッドによるインクジェット記録”及び“記録ヘッドに対するクリーニング機構によるクリーニング”のいずれかを選択できるように構成されているので、前記混合ドットから構成される画像を確実に再現可能なインクジェット記録装置とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を図面に基づいて説明する。
【0023】
本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法は、図1に示す本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置5を用いて好適に実施できる。
先ず、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置5について詳細に説明する。インクジェット記録装置5は、記録ヘッドによって記録媒体上に画像形成用インクと反応性クリアインクとを重ねて混合ドットを設けることのできるインクジェット記録装置であり、混合ドットの画像濃度を測定できるドット画像濃度測定手段と、混合ドットの画像濃度に応じて反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定できる判定手段と、記録ヘッドをクリーニングできるクリーニング機構と、判定手段の判定結果に応じて“記録ヘッドによるインクジェット記録”及び“記録ヘッドに対するクリーニング機構によるクリーニング”のいずれかを選択できる制御手段とを具備している。
【0024】
より具体的には、図1に示すように、インクジェット記録装置5は、印刷部51、排出ローラ52、及び排出ローラ52に伴って回転する従動ローラ53を有している。印刷部51で画像が記録された記録紙55は、排出ローラ52と従動ローラ53に挟まれて排出される。
【0025】
印刷部51は、インクカートリッジを載置するキャリッジ54、このキャリッジ54の記録紙55に対向する面に設けられインクを吐出する記録ヘッド56、タイミングベルト57、キャリッジモータ58、反応性クリアインクカートリッジ59及び画像形成用インクカートリッジ60を有している。
【0026】
また、このインクジェット記録装置5は、前記クリーニング機構として、印刷部51の記録ヘッド56から排出されたインクを廃液として搬送するインク廃液搬送部70と、ワイピング手段80とを備えている。
【0027】
インク廃液搬送部70は、記録ヘッド56の吐出口を封止するキャッピング手段72と、ポンプ76とを有している。そして、記録ヘッド56の吐出口内の異物やキャッピング手段72に吐出されたインクは、ポンプ76により吸引されて排出される。
【0028】
上記キャッピング手段72は、記録紙55の供給経路としての印刷領域外のいわゆるホームポジションに配置される。
【0029】
ワイピング手段80は弾性を有しており、キャッピング手段72の記録領域側の端部近傍に配置される。このワイピング手段80は、二色成形法により、キャッピング手段72と一体に射出成形される。
【0030】
このインクジェット記録装置5は、キャリッジモータ58がタイミングベルト57を駆動することにより、キャリッジ54がガイド軸(図示せず)に案内されて記録紙55の給送方向に対し略直角に往復移動する。
【0031】
キャリッジ54の記録紙55に対向する側には、上記記録ヘッド56が搭載される。キャリッジ54の上部には、記録ヘッド56にインクを供給する反応性クリアインクカートリッジ59及び画像形成用インクカートリッジ60が着脱可能に装着されている。
図2に示すように、記録ヘッド56には、記録紙55に対向する面に、反応性クリアインクの吐出口C1〜Cm、及び、画像形成用インクの吐出口P11〜Pnmが設けられている。ここで、nは1以上の整数を表し、画像形成用インクの吐出口のX方向における順番を示している。一方、mは1以上の整数を表し、反応性クリアインク及び画像形成用インクの吐出口のY方向における順番を示している。
【0032】
また、キャリッジ54には、記録紙55上のドットの画像濃度を検出できるドット画像濃度測定手段の第一構成要素として、CCDカメラ(図示せず)が設けられている。
CCDカメラは、CCDカメラにより測定されたドットの情報に基づいてドット画像濃度を算出できる画像濃度算出装置(ドット画像濃度測定手段の第二構成要素,図示せず)と電気的に接続している。例えば、画像濃度算出装置は、予め種々の画像濃度に関する基準データが記憶されており、ドットの情報と基準データとが比較されて、ドット画像濃度が算出されるように構成されている。画像濃度算出装置は、画像濃度算出装置で算出された画像濃度に応じて反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定できる判定装置(図示せず)と電気的に接続しており、さらにこの判定装置は、前記機能を有する制御装置(図示せず)と電気的に接続している。判定装置には、予め、画像濃度算出装置により算出されたドットの画像濃度と比較するための基準値dが記憶されている。基準値dは、使用される反応性クリアインク、画像形成用インク及び記録媒体の種類や外部環境因子(湿度,温度)等を鑑みて、適宜、設定されている。また、制御装置は、判定装置によって反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定された場合は、記録ヘッド56を駆動してインクジェット記録を行い、反応性クリアインクのドット抜けが有りと判定された場合は、クリーニング機構を駆動し、記録ヘッド56をクリーニングするように構成されている。
【0033】
次に、インクジェット記録装置5を使用する本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法について説明する。
先ず、記録媒体の所定位置に、図3(a)に示すように、記録ヘッド56に設けられた画像形成用インクの吐出口P11〜Pnmのうち、Y方向におけるいずれかの一列を使って、単ドットSD1〜SDmを設ける(mは前記同様)。記録媒体としては、普通紙やインクジェット用記録媒体(インクジェット記録用インクを受容するためのインク受容層が表面に設けられた記録媒体)などの公知のものを採用できる。
【0034】
次いで、図3(b)に示すように、単ドットSD1〜SDmに被さるように、記録ヘッド56に設けられた反応性クリアインクの吐出口C1〜Cmから反応性クリアインクを吐出し、混合ドットMD1〜MDmを作製する(mは前記同様)。本明細書において、“混合ドット”とは、反応性クリアインクの吐出口C1〜Cmの不良の有無にかかわらず、反応性クリアインクの吐出操作がなされた後における記録媒体上のドットのことの指すものとする。
【0035】
次に、混合ドットMD1〜MDmの画像濃度d1〜dmをCCDカメラと画像濃度算出装置とによって測定する(mは前記同様)。そして、測定されたd1〜dmを予め設定された所定の基準値dと比較して、反応性クリアインクのドット抜けを検出する(ドット抜け検出工程)。本実施形態では、基準値dを“画像形成用インクのみのドットの画像濃度”〜“画像形成用インクと反応性クリアインクとが重なってなるドットの画像濃度”の範囲内で設定しており、混合ドットの画像濃度d1〜dmが基準値d超過である場合を反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定し、混合ドットの画像濃度が基準値d以下である場合を前記反応性クリアインクのドット抜けが有りと判定する。例えば、混合ドットMD1の画像濃度d1がdを超える場合は、反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定し、反応性クリアインクの吐出口C1から問題なく反応性クリアインクが吐出されたものと判断する。一方、混合ドットMD2の画像濃度d2がd以下の場合は、反応性クリアインクのドット抜けが有りと判定し、反応性クリアインクの吐出口C2に何らかの不具合が生じたことにより、反応性クリアインクが正常に吐出されなかったものと判断する。
【0036】
画像形成用インクとしては、公知の水系染料インク及び水系顔料インクをいずれも使用できる。
ここで、通常、水系顔料インクは、無機顔料や有機顔料等の顔料と、顔料を分散させるための高分子型分散剤が含有されている。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等が挙げられる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、多環式顔料(フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジメチルキナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料、ジケトピロロピロール顔料など)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。
【0037】
更に詳しくは、黒インクとして使用される顔料として、以下のカーボンブラックが例示される。三菱化学製のNo.2300, No.900, MCF88, No.33, No.40, No.45,No.52, MA7, MA8, MA100, No2200B等が、コロンビアンカーボン製の Raven C, Raven5750, Raven5250, Raven5000, Raven3500, Raven1255, Raven700 等が、キャボット社製のRegal 400R, Regal 330R, Rega l660R, Mogul L,Monarch 700, Monarch 800, Monarch 880, Monarch 900, Monarch 1000, Monarch 1100, Monarch 1300, Monarch 1400 等が、デグッサ社製のColor Black FW1, Color Black FW2, Color Black FW2V, Color Black FW18, Color Black FW200, Color Black S150, Color Black S160, Color Black S170, Printex 35, Printex U, Printex V, Printex 140U, Special Black 6, Special Black 5, Special Black 4A, Special Black 4 等が使用できる。イエローインクに使用される顔料としては、 C.I.Pigment Yellow 1, C.I.Pigment Yellow 2, C.I.Pigment Yellow 3, C.I.Pigment Yellow 12, C.I.Pigment Yellow 13, C.I.Pigment Yellow 14, C.I.Pigment Yellow 16, C.I.Pigment Yellow 17, C.I.Pigment Yellow 73, C.I.Pigment Yellow 74, C.I.Pigment Yellow 75, C.I.Pigment Yellow 83, C.I.Pigment Yellow93, C.I.Pigment Yellow 95, C.I.Pigment Yellow 97, C.I.Pigment Yellow 98, C.I.Pigment Yellow 114, C.I.Pigment Yellow 128, C.I.Pigment Yellow 129, C.I.Pigment Yellow 151, C.I.Pigment Yellow 154, C.I.Pigment Yellow 180等が挙げられる。また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Red 5, C.I.Pigment Red 7, C.I.Pigment Red 12, C.I.Pigment Red 48(Ca), C.I.Pigment Red 48(Mn), C.I.Pigment Red 57(Ca), C.I.Pigment Red 57:1, C.I.Pigment Red 112, C.I.Pigment Red 122, C.I.Pigment Red 123, C.I.PigmentRed 168, C.I.Pigment Red 184, C.I.Pigment Red 202 等が挙げられる。シアンインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Blue 1, C.I.Pigment Blue 2, C.I.Pigment Blue 3, C.I.Pigment Blue 15, C.I.Pigment Blue 15:3, C.I.Pigment Blue 15:34, C.I.Pigment Blue 16, C.I.Pigment Blue 22, C.I.Pigment Blue 60, C.I.Vat Blue 4, C.I.Vat Blue 60 等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
顔料のインク全量に対する含有量は、好ましくは4〜15%重量%、より好ましくは4〜8重量%の範囲とされている。
【0038】
高分子型分散剤の好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステルアルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。さらに、高分子分散剤の好ましい例としては合成高分子も挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、及び疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましく、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。上記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどの塩が挙げられる。塩を形成するためのこれら化合物は、塩を形成する前の有機物からなる分散剤の中和当量以上であればよいが、印字後の定着性の点から中和当量の約1.3倍位の添加量が好ましい。
これらの共重合体は、重量平均分子量が1000〜50000であるのが好ましく、より好ましくは3000〜10000である。
このような高分子型分散剤の添加量は、顔料に対して好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜30重量%の範囲とされている。
【0039】
特に、以上に例示したような水系顔料インクは、水系顔料インクの分散安定性や1ドットでの画像品質の観点からは、最適となるように設計され得るものの、高分子型分散剤が光沢性を有していることによって、高duty領域と低duty領域の間における光沢性の格差が生じ、印刷物全体として観た場合に、光沢ムラが顕在化しやすい。これを解消すべく、反応性クリアインクを、「低duty領域>高duty領域」となる量で印刷するなどして、高duty領域と低duty領域の間における光沢性の格差を低減しようとする場合、前記したドット抜け検出工程を有する本発明の実施形態のインクジェット記録方法は非常に有効である。
【0040】
次に本発明の実施形態にて好適に使用できる反応性クリアインクについて説明する。
反応性クリアインクは、光沢性を付与するとともに、記録媒体上にて着色剤(アニオン性染料やアニオン性顔料等)と反応することで記録画像の印字品質を高くできるインクであり、水と、ポリマー微粒子と、反応剤とを含み、かつ、着色剤を含まない形態を好適に例示できる。
【0041】
ポリマー微粒子を構成するポリマーの具体例としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メタクリル酸樹脂、ウレタン樹脂、アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。また、これらのポリマーは、共重合の態様によっては制限されず、例えばブロックコポリマー、ランダムコポリマーなどの形態で存在するものであっても良い。
ポリマー微粒子は、特に、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを主成分とするポリマーを含んでなるものが好ましい。
【0042】
前記ポリマー微粒子は、反応性クリアインク中においてエマルジョンを形成してコロイド分散することが好ましい。すなわち、ポリマー微粒子は、エマルジョンの形で反応性クリアインク中に添加されるのが好ましい。
【0043】
前記ポリマー微粒子の平均粒子径は、70nm以上であることが好ましく、さらに好ましくは100nm以上、150nm以下である。ポリマー微粒子径がこの範囲内であると、水中においてポリマー微粒子がエマルジョンを形成し易くなり、高品位な記録画像が得られる。
【0044】
上記反応性クリアインクにおいて、ポリマー微粒子をこのような特定の物性を有するものとすると、反応性クリアインク中においてポリマー微粒子が乳白色のエマルジョンとなって分散する。
【0045】
前記ポリマー微粒子のガラス転移温度(Tg;JIS K6900に従い測定)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは20℃以下であり、より好ましくは10℃以下である。
【0046】
前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは20℃以下、より好ましくは0℃以下である。前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MFT)がこの範囲内であると、さらに記録画像の非印字部分における光沢性向上の効果が顕著である。
【0047】
前記ポリマー微粒子の重量平均分子量(Mw)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは10万以上、100万以下であり、より好ましくは40万以上、60万以下である。前記ポリマー微粒子の重量平均分子量(Mw)がこの範囲内であると、さらに記録画像の非印字部分における光沢性向上の効果が顕著である。
【0048】
上記のポリマー微粒子の含有量(固形分換算量)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点からは、反応性クリアインク中、好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下である。
【0049】
ポリマー微粒子は一種添加してもよく、あるいは、これらのうち二種以上を混合して添加してもよい。混合して添加する場合には、これらの合計含有量が反応性クリアインク中、好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下(より好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下)である。
【0050】
反応剤は、インク中の顔料および/またはポリマー微粒子の分散および/または溶解状態を破壊し、凝集させ得るものである。その例としては、カチオン性樹脂及び多価金属塩が挙げられる。
【0051】
前記カチオン性樹脂は、アミノ基含有樹脂であってもよい。
【0052】
あるいは、前記カチオン性樹脂は、ポリエチレンイミンであってもよい。
【0053】
ポリエチレンイミンとしては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含む高分子が好適である。
【0054】
【化1】
Figure 2004223847
(式(1)中、Rは水素、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいピリジル基、置換されていてもよいアルキルアミノ基、又は置換されていてもよいヒドラジノ基である。)
上記の構成とすることにより、記録画像の発色性及び光沢性がより向上する。
【0055】
前記ポリエチレンイミンの重量平均分子量(Mw)は、発色性、光沢性、及び反応性クリアインクの貯蔵性向上の観点からは、好ましくは10万以下であり、より好ましくは100〜10000であり、さらに好ましくは100〜5000である。
【0056】
上記のポリエチレンイミンは、エチレンイミンを二酸化炭素、塩酸、臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等を触媒として開環重合させるか、あるいは、塩化エチレンとエチレンジアミン系化合物との重縮合反応等によって得られる。
【0057】
以下に、一般式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含む高分子の具体例を示す。
【0058】
【化2】
Figure 2004223847
(式中、m,nはポリエチレンイミンの重量平均分子量(Mw)が10万以下となるような数値である。)
用いられるポリエチレンイミンは、側鎖又は末端の一部がアニオン変性やカチオン変性がなされたものであってもよい。
【0059】
前記ポリエチレンイミンの含有量は、発色性向上及び光沢性向上の観点からは、反応性クリアインク中、好ましくは0.1重量%以上、30.0重量%以下、より好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下である。
【0060】
ポリエチレンイミンは一種添加してもよく、あるいは、二種以上を混合して添加してもよい。混合して添加する場合には、これらの合計含有量が好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以下(より好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%以下)である。
【0061】
上記カチオン樹脂は、以下に示すような、ポリビニルアミン、ポリアミドポリアミン、ポリアミジン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエチルアクリレートであってもよい。
【0062】
【化3】
Figure 2004223847
【0063】
またカチオン樹脂としては、ポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体を挙げることもできる。ポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体は水に可溶で、水中でプラスに荷電する。例えば、下記の式(VI)、式(VII)、および式(VIII)で表されるものが挙げられる。
【0064】
【化4】
Figure 2004223847
[上記式中、
X−は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等を表す]
上記以外に、アリルアミンとジアリルアミンが共重合したポリマーやジアリルメチルアンモニウムクロライドと二酸化硫黄との共重合体を使用することができる。
【0065】
これらポリアリルアミンおよびポリアリルアミン誘導体の含有量は、反応性クリアインクの0.5〜10重量%であることが好ましい。
【0066】
多価金属塩としては、二価以上の多価金属イオンとこれら多価金属イオンに結合する陰イオンとから構成され、水に可溶なものである。多価金属イオンの具体例としては、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Zn2+、Ba2+ などの二価金属イオン、Al3+、Fe3+、Cr3+ などの三価金属イオンがあげられる。陰イオンとしては、Cl、NO3−、I、Br、ClO3− 、およびCHCOOなどがあげられる。
【0067】
とりわけ、Ca2+ またはMg2+ より構成される金属塩は、反応性クリアインクのpH、得られる印刷物の品質という二つの観点から、好適な結果を与える。
【0068】
これら多価金属塩の反応性クリアインク中における濃度は印刷品質、目詰まり防止の効果が得られる範囲で適宜決定されてよいが、好ましくは0.1〜40重量%程度であり、より好ましくは5〜25重量%程度である。
【0069】
本発明の好ましい態様によれば、反応性クリアインクに含まれる多価金属塩は、二価以上の多価金属イオンと、これら多価金属イオンに結合する硝酸イオンまたはカルボン酸イオンとから構成され、水に可溶なものである。
【0070】
ここで、カルボン酸イオンは、好ましくは炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸または炭素数7〜11の炭素環式モノカルボン酸から誘導されるものである。炭素数1〜6の飽和脂肪族モノカルボン酸の好ましい例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸などが挙げられる。特に蟻酸、酢酸が好ましい。
【0071】
このモノカルボン酸の飽和脂肪族炭化水素基上の水素原子は水酸基で置換されていてもよく、そのようなカルボン酸の好ましい例としては、乳酸が挙げられる。
【0072】
さらに、炭素数6〜10の炭素環式モノカルボン酸の好ましい例としては、安息香酸、ナフトエ酸等が挙げられ、より好ましくは安息香酸である。
【0073】
本発明の好ましい態様によれば、反応性クリアインクは、多価金属塩に加えて、ポリオールを含んでなる。ここで、このポリオールは、20℃での蒸気圧が0.01mmHg以下であるものであり、かつその添加量は多価金属塩に対して重量比で1以上、好ましくは1.0〜5.0とされる。さらに本発明の好ましい態様によれば、このポリオールの反応性クリアインクに対する添加量は10重量%以上であるのが好ましく、より好ましくは10〜30重量%程度である。
【0074】
ポリオールの好ましい具体例としては、多価アルコール、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。さらに、ポリオールの好ましい具体例としては糖、例えば単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげられる。
【0075】
これらポリオールは単独で添加されても、二以上の混合物として添加されてよい。二以上の混合物として添加される場合、その添加量は、合計として多価金属塩に対して重量比で1以上とされる。
【0076】
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水の何れも好ましく用いることができる。また、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理したものを用いると、カビやバクテリアの発生が抑制されるため、さらに好ましい。
【0077】
上記水系染料インク、水系顔料インク及び反応性クリアインク(これらを総称して、以下、単にインクともいう)は、さらに、アセチレングリコール系化合物、アセチレンアルコール系化合物、又はポリシロキサン系化合物のいずれかを界面活性剤として含有してもよい。
【0078】
これにより、発色性及び光沢性を劣化させることなく、インクの吐出安定性を高めることができる。
【0079】
界面活性剤の含有量は、インク中好ましくは0.1重量%以上、3.0重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以上、1.0重量%以下である。
【0080】
インクの表面張力は、吐出安定性向上の観点から、好ましくは15mN/m以上、45mN/m以下であり、より好ましくは25mN/m以上、35mN/m以下である。
【0081】
アセチレングリコール系化合物としては、オルフィンE1010、STG、Y(何れも商品名、日信化学社製)、サーフィノール82、104、440、465、485(何れも商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等の市販品を用いることができる。
【0082】
アセチレンアルコール系化合物としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、サーフィノール61(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)等を用いることができる。
【0083】
ポリシロキサン系化合物としては、下記の一般式(2)で表わされる化合物等を用いることができる。
【0084】
【化5】
Figure 2004223847
(式(2)中、R〜Rは、独立してC1−6アルキル基を表し、j、k及びxは独立して1以上の整数を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、m及びnは0以上の整数を表すが、m+nは1以上の整数を表し、EO及びPOは[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)
【0085】
上記インクは、さらに、グリコールエーテル系化合物又はアルキルジオール系化合物を含んでいてもよい。これら化合物を溶剤として用いることにより、発色性及び光沢性を低下させることなく、記録画像の画像品質を高めることができる。これら化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、画像品質の向上の観点から、インク中好ましくは1.0重量%以上、30重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以上、10重量%以下である。
【0086】
グリコールエーテル系化合物としては、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好適である。
【0087】
アルキルジオール系化合物としては、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられる。特に、1,2−ヘキサンジオールが好適である。
【0088】
上記インクは、さらに、多価アルコール系化合物を含有していてもよい。多価アルコール系化合物としては、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等の水溶性の有機溶剤が挙げられる。特に、グリセリンが好適である。
【0089】
多価アルコール系化合物の含有量(複数種を混合する場合にはその総量)は、インク中好ましくは5.0重量%以上、40重量%以下、より好ましくは10重量%以上、30重量%以下である。
【0090】
インクは、必要に応じてインクジェット記録用の水性インク組成物に一般的に用いられている溶媒をさらに含むことができる。そのような溶媒としては、2−ピロリドン、トリエタノールアミン、糖等が挙げられる。
糖の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、等が挙げられる。ここで多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH(CHOH)nCHOH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表わされる)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。また市販品としては、HS−300、500(登録商標林原商事)等を入手することができる。
【0091】
また、インクは、助剤をさらに含むことができる。そのような助剤としては、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、耐擦性向上剤等が挙げられる。
【0092】
以上のように、本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法によれば、画像形成用インクと透明な反応性クリアインクとを重ねて記録する場合、そのドットの画像濃度が、画像形成用インク単独によるドットと比較して上昇することを利用して、反応性クリアインクのドット抜けを検出できるので、透明な反応性クリアインクが画像形成用インクからなるドットの上に被せられているか否かを確実に検出できる。
【0093】
なお、本発明の実施形態としては、記録媒体の混合ドットとは別の領域に、画像形成用インクを単独で記録することにより単ドットを設け、単ドットの画像濃度に基づいて基準値を作成しても良い。これにより、混合ドットの作成に適用される条件(画像形成用インクや記録媒体の種類、環境条件(湿度,温度)等)が確実に反映されるので、基準値の信頼性を高くすることができる。
より具体的には、混合ドットを設ける領域とは異なる領域Iに単ドットを設け、この単ドットの画像濃度を測定し、基準値を下記式を満たすように作成する(第一工程:図4(a)参照)、前記領域Iとは異なる領域IIに混合ドットの作成し、この混合ドットの画像濃度を測定する(第二工程:図4(b)参照)、混合ドットの画像濃度を基準値と比較して反応性クリアインクのドット抜けの判定を行う(第三工程)の順で実施する方法を好適に例示できる。
基準値=単ドットの画像濃度+α(α≧0)
【0094】
反応性クリアインクの吐出口C1からの反応性クリアインクと、画像形成用インクの吐出口Pa1(aは1以上n以下の整数で任意。nは前記同様。)からの画像形成用インクとが重なって形成された混合ドットMD1は、前記吐出口Pa1からの画像形成用インクのみによって形成された単ドットSD1に基づく値(単ドットSD1+α(α≧0))を基準値とするのが好ましい。すなわち、混合ドットMDb(bは1以上m以下の整数。mは前記同様。)は、単ドットSDbに基づく値(単ドットSDb+α(α≧0))を基準値とするのが好ましい。
ここで、αを0を超える値とすることにより、使用条件の相違によって発生する混合ドットの画像濃度の誤差を吸収できる。
なお、前記第一工程及び前記第二工程に関し、これらの順番は特に限定されない。
【0095】
また、本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法は、前記ドット抜け検出工程により、前記反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定された場合はインクジェット記録を行い、前記反応性クリアインクのドット抜けが有りと判定された場合は、前記記録ヘッドのクリーニングを行う。
本実施形態において、記録ヘッドのクリーニングは、以下に示す(1)〜(3)の操作を適宜組み合わせることによって実施できる。
【0096】
(1) キャリッジ54をホームポジションに向けて、あるいは、ホームポジションから離れるように移動させること、記録ヘッド56とワイピング手段80とを摺接させ、記録ヘッド56の外表面に付着した塵埃などの異物を清掃する。
(2) キャリッジ54をホームポジションに移動させることにより、記録ヘッド56をキャッピング手段72によりキャップさせるとともに、ポンプ76を作動させて、記録ヘッド56を負圧下に供することによて、インク吐出口内部に詰まった異物を強制的に排出する。
(3) キャリッジ54をホームポジションに移動させることにより、記録ヘッド56をキャッピング手段72によりキャップさせた状態で、記録ヘッド56とは関係のない駆動信号を印加して、インク滴を吐き出させる(通常、フラッシング操作と呼ばれる)。キャッピング手段72も吐き出されたインクは、ポンプ76を作動させることにより排出する。
【0097】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法によれば、例えば、印刷休止などにより記録ヘッドを作動させない状態が長期間続いた後で、再度、記録ヘッドを作動させようとする際であっても、反応性クリアインクのドット抜けが無い場合には、記録ヘッド56をクリーニングすることなく、そのままインクジェット記録を実施できるので、印刷を迅速に行うことができる。
【0098】
また、前記した本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置は、前記したように、混合ドットの画像濃度によって反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定するとともに、この判定結果によって、“記録ヘッドによるインクジェット記録”及び“記録ヘッドに対するクリーニング機構によるクリーニング”のいずれかを選択できるように構成されている。これにより、反応性クリアインクのドット抜けが無しの場合は“記録ヘッドによるインクジェット記録”を選択し、反応性クリアインクのドット抜けが有りの場合は“記録ヘッドに対するクリーニング機構によるクリーニング”を選択することによって、混合ドットから構成される画像を確実に再現可能なインクジェット記録装置とすることができる。
【0099】
【発明の効果】
本発明のインクジェット記録方法によれば、記録媒体上に画像形成用インクと反応性クリアインクとを重ねて記録する場合に、反応性クリアインクのドット抜けを確実に検出できるインクジェット記録方法を提供できる。
また、本発明のインクジェット記録装置によれば、記録媒体上に画像形成用インクと反応性クリアインクとを重ねて記録する場合に、画像を確実に再現可能なインクジェット記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置が具備する記録ヘッドを示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るインクジェット記録方法を説明する図である。
【図5】従来のドット抜け検出方法を説明する図である。
【符号の説明】
5 インクジェット記録装置
51 印刷部
52 排出ローラ
53 従動ローラ
54 キャリッジ
55 記録紙
56,110 記録ヘッド
57 タイミングベルト
58 キャリッジモータ
59 反応性クリアインクカートリッジ
60 画像形成用インクカートリッジ
70 インク廃液搬送部
72 キャッピング手段
76 ポンプ
76 吸引ポンプ
80 ワイピング手段
111 インク
112 用紙
113 発光素子
114 受光素子
C1,C2,Cm 反応性クリアインクの吐出口
11,P12,P1m,Pn1,Pn2,Pnm 画像形成用インクの吐出口
SD1,SD2,SDm 単ドット
MD1,MD2,MDm 混合ドット

Claims (6)

  1. 記録ヘッドによって記録媒体上に画像形成用インクと反応性クリアインクとを重ねて混合ドットを設けるインクジェット記録方法であって、前記混合ドットの画像濃度を測定することにより、前記反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定するドット抜け検出工程を有するインクジェット記録方法。
  2. 前記ドット抜け検出工程は、前記混合ドットの画像濃度が所定の基準値超過である場合を前記反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定し、前記混合ドットの画像濃度が前記所定の基準値以下である場合を前記反応性クリアインクのドット抜けが有りと判定する工程である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記記録媒体の前記混合ドットとは別の領域に、前記画像形成用インクを単独で記録することにより単ドットを設け、前記単ドットの画像濃度に基づいて前記基準値を作成する請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記基準値を下記式を満たすように作成する請求項3に記載のインクジェット記録方法。
    基準値=単ドットの画像濃度+α(α≧0)
  5. 前記ドット抜け検出工程により、前記反応性クリアインクのドット抜けが無しと判定された場合はインクジェット記録を行い、前記反応性クリアインクのドット抜けが有りと判定された場合は、前記記録ヘッドのクリーニングを行う請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  6. 記録ヘッドによって記録媒体上に画像形成用インクと反応性クリアインクとを重ねて混合ドットを設けることのできるインクジェット記録装置であって、前記混合ドットの画像濃度を測定できるドット画像濃度測定手段と、前記混合ドットの画像濃度に応じて前記反応性クリアインクのドット抜けの有無を判定できる判定手段と、前記記録ヘッドをクリーニングできるクリーニング機構と、前記判定手段の判定結果に応じて“前記記録ヘッドによるインクジェット記録”及び“前記記録ヘッドに対する前記クリーニング機構によるクリーニング”のいずれかを選択できる制御手段とを具備するインクジェット記録装置。
JP2003013565A 2003-01-22 2003-01-22 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Pending JP2004223847A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003013565A JP2004223847A (ja) 2003-01-22 2003-01-22 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
US10/761,802 US7182424B2 (en) 2003-01-22 2004-01-21 Ink jet recording process for detecting dot omission of clear ink and apparatus for conducting the process

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003013565A JP2004223847A (ja) 2003-01-22 2003-01-22 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004223847A true JP2004223847A (ja) 2004-08-12

Family

ID=32901860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003013565A Pending JP2004223847A (ja) 2003-01-22 2003-01-22 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004223847A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009241561A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fujifilm Corp 処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法および装置
US8123325B2 (en) 2008-03-31 2012-02-28 Fujifilm Corporation Non-ejecting nozzle detecting method and device and inkjet recording apparatus
JP2019064144A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 株式会社リコー 液体吐出装置、吐出判定方法、及びプログラム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009241561A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Fujifilm Corp 処理液吐出ノズルの着弾位置決定方法および装置
US8123325B2 (en) 2008-03-31 2012-02-28 Fujifilm Corporation Non-ejecting nozzle detecting method and device and inkjet recording apparatus
JP2019064144A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 株式会社リコー 液体吐出装置、吐出判定方法、及びプログラム
JP7017056B2 (ja) 2017-09-29 2022-02-08 株式会社リコー 液体吐出装置、吐出判定方法、及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3550637B2 (ja) インクジェット記録方法
JP3829993B2 (ja) インク組成物
JP4448649B2 (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
US6286953B1 (en) Ink jet recording method
JP5787482B2 (ja) インクジェット記録用インク及びインクジェット画像形成方法
JP4239152B2 (ja) 液体組成物
JP4365896B2 (ja) インクジェット記録用インクセットおよびインクジェット記録方法
JP4717475B2 (ja) インクジェット記録装置
US6550903B2 (en) Liquid composition, ink set for ink-jet recording, ink-jet recording process, recording unit and ink-jet recording apparatus
JP5106687B2 (ja) 色分解テーブルの作成方法およびその装置、並びに、画像形成装置
US7988276B2 (en) Ink jet printing method and ink jet printing apparatus
JPH09207424A (ja) インクジェット記録方法
CN109572259B (zh) 记录方法
US20050083363A1 (en) Method and apparatus for ink jet printing
US7182424B2 (en) Ink jet recording process for detecting dot omission of clear ink and apparatus for conducting the process
US20060274113A1 (en) Droplet ejecting apparatuses and methods for cleaning droplet ejecting face and wiping member
JP2012040871A (ja) 記録装置および記録方法
CN109554024B (zh) 油墨组及记录方法
JP2004223847A (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2004223846A (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2011116851A (ja) インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2011110755A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP3601358B2 (ja) インクジェット記録用反応液およびそれを用いたインクジェット記録方法
JP5590805B2 (ja) インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
JP2005225114A (ja) インクジェット記録方法、プリンタドライバ及びインクジェット記録装置