JP4994643B2 - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Description

この発明は円すいころ軸受に関し、たとえば自走車両の動力伝達軸を支持する軸受に利用することができる。
円すいころ軸受は、外径面に軌道面を設けた内輪と、内径面に軌道面を設けた外輪と、内輪と外輪の軌道面間に介在させた複数の円すいころと、これらの円すいころを保持する保持器とからなる。保持器は、円すいころの小端面側で連なった環状部と、円すいころの大端面側で連なった環状部と、これらの環状部同士を連結する複数の柱部とを有し、隣り合った柱部間に円すいころを収納するためのポケットが画成してある。このような保持器では、ころの転動面と接する柱部の内径面の両側にテーパ面を設け、ころの転動面に接触疵が生じないようにしている。従来、このテーパ面の幅方向の長さ寸法Lは、ころの平均直径Dの11〜20%とするのが一般的である。
自走車両のデファレンシャルやトランスミッション等の動力伝達軸を支持する円すいころ軸受は、一部が油浴に漬かった状態で使用され、その回転に伴って油浴の油を潤滑油とする油浴潤滑状態となる。このように油浴潤滑状態で使用されるころ軸受では、ころの転動面と保持器の柱部内径面のテーパ面との間も、これらの面で形成されるくさび空間に入り込む潤滑油で潤滑される。
特開平09−096352号公報 特開平11−210765号公報 特開2003−343552号公報
従来の、保持器の柱部テーパ面の長さ寸法Lをころの平均直径Dの11〜20%としたころ軸受は、ころの転動面と柱部テーパ面との間に比較的大きいくさび空間が形成され、多量の潤滑油がくさび空間に入り込む。このくさび空間からころの転動面と保持器のテーパ面との界面に入る潤滑油の量は限られているので、このように多量の潤滑油がくさび空間に入り込むと、これらの潤滑油の逃げ場がなくなって軸受回転の抵抗となり、トルク損失が大きくなるという問題がある。また、このように潤滑油が軸受内部へ流入するころ軸受では、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗も、無視できないトルク損失の要因となる。
したがって、軸受内部に潤滑油が流入するころ軸受における潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減させる必要がある。以上が低トルク化のために油の流動抵抗を減少させる方法であるが、大幅な低トルク化を行うためには、ころがり粘性抵抗が低下するように軸受諸元を変更することが必要である。しかしながら、従来の低トルク化手法(特許文献1〜3参照)では、定格荷重を低下させない低トルク化は可能であるが、軸受剛性がいくらか低下する。
この発明の主要な目的は、軸受剛性を低下させることなく、低トルク化を実現することにある。
この発明は、ころ本数を減らさず、あるいは増加させつつ、ころピッチ円径(PCD)を小さくすることによって、課題を解決したものである。図11は円すいころ軸受においてPCDを変化させたときの剛性比(−●−)およびトルク比(−○−)を表したものである。ころの弾性変形量を計算確認した結果、図11に示すように、PCDを小さくすると軸受のトルクは大幅に低下するが、軸受剛性はあまり低下しないといった知見を得た。そこで、ころ本数を減らさないか増加させつつ、PCDを小さくすることによって、剛性を低下させずにトルクを低減させることができる。
この発明の円すいころ軸受は、外径面に軌道面を設けた内輪と、内径面に軌道面を設けた外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に介在させた複数の円すいころと、前記ころをポケットに保持する保持器とからなり、前記保持器が、前記円すいころの一方の端部側で連なる環状部と、前記円すいころの他方の端部側で連なった環状部と、前記両環状部を連結する複数の柱部とからなり、前記柱部の内径面の両側に前記円すいころの転動面と接するテーパ面が形成してあり(ただし、柱部8の縁を折り曲げたものを除く。)、前記テーパ面の幅方向の長さ寸法が、前記円すいころの平均直径の5%以上11%未満で、ころピッチ径を小さくすることにより、前記円すいころが、ころピッチ円上におけるころ間隔が(ころ径/ころ本数)未満になるように均等に配置してあることを特徴とするものである。
円すいころを、ころピッチ円上におけるころ間隔が(ころ径/ころ本数)未満になるように均等に配置することにより、ころ本数を減らさず、あるいは増加させつつ、ころピッチ円径(PCD)を小さくすることができる。
ころの転動面と接する保持器の柱部のテーパ面の幅方向の長さ寸法を、ころの平均直径の11%未満、好ましくは9%以下とすることにより、ころの転動面とテーパ面との間にあまり大きなくさび空間が形成されないようにして、くさび空間に入り込む潤滑油の量を少なくし、潤滑油の逃げ場がなくなることによるトルク損失を低減させるようにした。なお、テーパ面の幅方向の長さ寸法をころの平均直径の5%以上としたのは、5%未満では、ころの外径面とテーパ面との弾性接触領域がテーパ面の幅よりも大きくなるおそれがあるからである。
請求項2の発明は、請求項1のころ軸受において、前記柱部の厚さ寸法が、前記ころの平均直径の5%以上17%未満であることを特徴とするものである。これにより、柱部の厚みを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくし、トルク損失をより低減させることができる。なお、柱部の厚さ寸法をころの平均直径の5%以上としたのは、5%未満では保持器の剛性を十分に確保できないからである。
請求項3の発明は、請求項2の円すいころ軸受において、保持器のポケットの窓角が55°以上80°以下であることを特徴とするものである。窓角とは、柱部の、ころの転動面と接する面がなす角度をいう。窓角を55°以上としたのは、ころとの良好な接触状態を確保するためであり、80°以下としたのは、これ以上大きくなると半径方向への押し付け力が大きくなり、自己潤滑性の樹脂材であっても円滑な回転が得られなくなる危険性が生じるからである。なお、通常の保持器では窓角は25°〜50°となっている。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの円すいころ軸受において、保持器が機械的強度、耐油性および耐熱性に優れたエンジニアリング・プラスチックで形成してあることを特徴とするものである。保持器に樹脂材を使用することにより、鉄板製保持器に比べ、保持器重量が軽く、自己潤滑性があり、摩擦係数が小さいという特徴があるため、軸受内に介在する潤滑油の効果と相俟って、外輪との接触による摩耗の発生を抑えることが可能になる。これらの樹脂は鋼板と比べると重量が軽く摩擦係数が小さいため、軸受起動時のトルク損失や保持器摩耗を低減させる上で有利である。
上述の各円すいころ軸受は、自走車両の動力伝達軸を支持するものに好適である(請求項5)。
この発明によれば、剛性を低下させることなくトルク損失を減少させることができる。すなわち、この発明の円すいころ軸受は、ころピッチ円上におけるころ間隔が(ころ径/ころ本数)未満になるようにしたことにより、ころ本数を減らさず、あるいは増加させつつ、ころピッチ円径(PCD)を小さくすることができる。また、ころの転動面と接する保持器の柱部のテーパ面の幅方向の長さ寸法を、ころの平均直径の5%以上11%未満としたことにより、ころの転動面とテーパ面との間にあまり大きなくさび空間が形成されず、くさび空間に入り込む潤滑油の量が少なくなる。したがって、潤滑油の逃げ場がなくなることによるトルク損失が減少し、この面からも低トルク化を促進することができる。
さらに、この発明によれば、負荷容量がアップするばかりでなく、軌道面の最大面圧を低下させることができるため、過酷潤滑条件下での極短寿命での表面起点剥離を防止することができる。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。円すいころ軸受1は、図1に示すように、内輪2と外輪3と円すいころと保持器とを主要な構成要素としている。内輪2は外周に円すい状の軌道面2aが形成してあり、外輪3は内周に円すい状の軌道面3aが形成してある。内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間に複数の円すいころ4が転動自在に介在させてある。各円すいころ4は保持器5のポケット内に収容され、内輪2の小つば2bと大つば2cとで軸方向移動を規制される。
ここで、円すいころ軸受1は、ころピッチ円上におけるころ間隔が(ころ径/ころ本数)未満となっている。ちなみに、従来の典型的な保持器付き円すいころ軸受は、図12に示すように、外輪71と保持器72との接触を避けた上で、保持器72の柱幅を確保し、適切な保持器72の柱強度と円滑な回転を得るために、次式で定義されるころ係数γを、通常0.94以下にして設計している。
ころ係数γ=(Z・DA)/(π・PCD)
ここで、Z:ころ本数、DA:ころ平均径、PCD:ころピッチ円径。
図12中、符号73,74,75は、それぞれ、円すいころ、柱面、内輪を指し、符号θは窓角を表している。
保持器5は、図2(A)に示すように、円すいころ4の小端面側で連なった環状部6と、円すいころ4の大端面側で連なった環状部7と、これらの環状部6,7を連結する複数の柱部8とからなり、隣り合った柱部8間に台形状のポケット9が画成される。図2(B)に示すように、柱部8の内径面の両側には、円すいころ4の転動と接するテーパ面8aが形成してある。このテーパ面8aの幅方向の長さ寸法Lは、円すいころ4の平均直径Dの5%以上11%未満、たとえば7%に設定するのが望ましい。このような構成とすることにより、円すいころ4の転動面とテーパ面8aとの間にあまり大きなくさび空間が形成されることはない。また、柱部の厚さ寸法Tは、円すいころ4の平均直径Dの5%以上17%未満、たとえば10%に設定するのが望ましい。このような構成とすることにより、保持器5の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さく抑えることができる。
図2(B)に示したテーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの7%とした保持器を用いた円すいころ軸受(実施例)と、テーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの13%とした従来の保持器を用いた円すいころ軸受(比較例)とを用意した。円すいころ軸受の寸法は、いずれも、外径100mm、内径45mm、幅27.25mmとした。また、保持器の柱部の厚さ寸法Tは、実施例のものが円すいころの平均直径Dの13%、比較例のものが17%とした。
実施例と比較例の円すいころ軸受について、縦型トルク試験機を用いたトルク測定試験を行った。試験条件は次のとおりである。
・アキシアル荷重:300kgf
・回転速度 :300〜2000rpm(100rpmピッチ)
・潤滑条件 :油浴潤滑(潤滑油:75W−90)
図3は、上記トルク測定試験の結果を示し、同図のグラフの縦軸は、比較例のもののトルクに対する実施例のもののトルクの低減率を表す。テーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの7%と小さくした実施例のものは、低速回転から高速回転まで顕著なトルク低減効果が認められ、試験の最高回転速度である2000rpmでも12.0%のトルク低減率が得られている。この実施例のトルク低減効果には、柱部の厚さ寸法Tを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくした効果も含まれている。
図4および図5を参照して、柱部8の、ころの転動面と接する面8aがなす角度すなわち窓角θについて述べると、下限窓角θminが55°(図4)、上限窓角θmaxが80°(図5)である。従来の、保持器が外輪から離間している典型的な保持器付き円すいころ軸受(図12参照)では、窓角は大きくても約50°である。ここでは窓角を大きめに設定することにより、ころピッチ円上におけるころ間隔を(ころ径/ころ本数)未満にしてある。下限窓角θminを55°としたのは、ころとの良好な接触状態を確保するためであり、窓角55°未満ではころとの接触状態が悪くなる。すなわち、窓角を55°以上にすると、保持器強度を確保した上で、ころピッチ円上におけるころ間隔を(ころ径/ころ本数)未満にして、かつ、良好な接触状態を確保できるのである。また、上限窓角θmaxを80°としたのは、これ以上大きくなると半径方向への押し付け力が大きくなり、自己潤滑性の樹脂材であっても円滑な回転が得られなくなる危険性が生じるからである。
図6に軸受の寿命試験の結果を示す。同図の「軸受」欄中、「比較例1」は保持器と外輪とが離れた典型的な従来の円すいころ軸受(図12参照)である。「比較例2」がこの発明の円すいころ軸受のうち従来品に対してピッチ円上におけるころ間隔のみが(ころ径/ころ本数)未満となっている円すいころ軸受、「実施例」がピッチ円上におけるころ間隔のみが(ころ径/ころ本数)未満で、かつ、窓角が55°〜80°の範囲であるこの発明の円すいころ軸受である。試験は、過酷潤滑、過大負荷条件下で行った。同図より明らかなように、「比較例2」は「比較例1」の2倍以上の長寿命となる。さらに、「実施例」の軸受はころ係数が「比較例2」と同じ0.96であるが、寿命時間は「比較例2」の約5倍以上にもなる。なお、「比較例1」、「比較例2」および「実施例」の寸法はφ45×φ81×16(単位mm)、ころ本数は24本(「比較例1」)、27本(「比較例2」、「実施例」)、油膜パラメータΛ=0.2である。
保持器5は、例えばPPS、PEEK、PA、PPA、PAI等のスーパーエンプラで一体成形することができる。また、必要に応じて、強度増強のため、これら樹脂材料またはその他のエンジニアリング・プラスチックにガラス繊維または炭素繊維などを配合したものを使用してもよい。エンジニアリング・プラスチックは、汎用エンジニアリング・プラスチックとスーパー・エンジニアリング・プラスチックを含む。以下に代表的なものを掲げるが、これらはエンジニアリング・プラスチックの例示であって、エンジニアリング・プラスチックが以下のものに限定されるものではない。
〔汎用エンジニアリング・プラスチック〕ポリカーボネート(PC)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)
〔スーパー・エンジニアリング・プラスチック〕ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリメチルベンテン(TPX)、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリアミド11,12(PA11,12)、フッ素樹脂、ポリフタルアミド(PPA)
次に、図7に示す変形例について説明する。同図に示す円すいころ軸受1は、エンジニアリング・プラスチックで一体成形した保持器5の柱部8の外径面に、外輪軌道面側に向けて凸状となった突起部8bを形成したものである。その他は前述した保持器5と同じである。この突起部8bは図8に示すように柱部8の横断方向の断面輪郭形状が円弧状をしている。この円弧状の曲率半径R2は外輪軌道面半径R1より小さくしてある。これは、突起部8bと外輪軌道面との間に良好なくさび状油膜が形成されるようにするためである。望ましくは突起部の曲率半径R2は外輪軌道面半径R1の70〜90%程度に形成するとよい。70%未満では、くさび状油膜の入口開き角度が大きくなりすぎて却って動圧が低下する。90%を超えると、くさび状油膜の入口角度が小さくなりすぎて同様に動圧が低下する。
また、突起部8bの横幅W2は望ましくは柱部の横幅W1の50%以上とする(W2≧0.5W1)。50%未満では良好なくさび状油膜を形成するための十分な突起部8bの高さが確保できなくなるためである。なお、外輪軌道面半径R1は大径側から小径側へと連続的に変化しているので、突起部8bの曲率半径R2もそれに合わせて大径側環状部7の大きな曲率半径R2から小径側環状部6の小さな曲率半径R2へと連続的に変化するようにする。
図7の円すいころ軸受1は以上ように構成されているため、軸受1が回転して保持器5が回転し始めると、外輪軌道面と保持器5の突起部8bとの間にくさび状油膜が形成される。このくさび状油膜は軸受1の回転速度にほぼ比例した動圧を発生するので、保持器5のピッチ円径(PCD)を従来よりも大きくして外輪軌道面に近接させても、軸受1を大きな摩耗ないしトルク損失を生じることなく回転させることが可能となり、無理なくころ本数を増加させることが可能となる。
図9に、この発明の円すいころ軸受を使用し得る自動車のデファレンシャルの概略構成を示す。このデファレンシャルは、エンジンの駆動力をプロペラシャフト(図示省略)から左右のドライブシャフト(図示省略)に伝達する働きをするもので、デファレンシャルケース21内に配置したドライブピニオン22が、差動歯車ケース23に取り付けたリングギヤ24とかみ合い、差動歯車ケース23の内部に取り付けたピニオンギヤ25が、差動歯車ケース23に左右から挿入したドライブシャフトと結合するサイドギヤ26とかみ合う。このデファレンシャルでは、動力伝達軸であるドライブピニオン22と差動歯車ケース23が、それぞれ一対の円すいころ軸受1a,1bで支持してある。デファレンシャルケース21には潤滑油を貯留させてシール部材27a,27b,27cで密封してあり、各円すいころ軸受1a,1bは、下部が潤滑油の油浴に漬かった状態で回転し、油浴の潤滑油が軸受内部へ流入する。
図10に、この発明による円すいころ軸受を使用し得る自動車のトランスミッションの概略構成を示す。自動車のトランスミッション(主変速機)は大別するとマニュアルタイプとオートマチックタイプがあり、また車輌の駆動方式によって前輪駆動(FWD)用トランスアクスル、後輪駆動(RWD)用トランスミッション、および四輪駆動(4WD)用トランスファ(副変速機)がある。これらは、エンジンからの駆動力を変速して駆動軸などへ伝達するものである。
このトランスミッションは同期噛合式のもので、図10の左側がエンジン側、右側が駆動車輪側である。メインシャフト41とメインドライブギヤ42との間に円すいころ軸受43が配置してある。この例では、メインドライブギヤ42の内周に円すいころ軸受43の外輪軌道面が直接形成してある。メインドライブギヤ42は、円すいころ軸受44でケーシング45に対して回転自在に支持させてある。メインドライブギヤ42にクラッチギヤ46を連結させ、そのクラッチギヤ46に近接させてシンクロ機構47が配置してある。
シンクロ機構47は、セレクタ(図示省略)の作動によって軸方向(同図の左右方向)に移動するスリーブ48と、スリーブ48の内周に軸方向移動自在に装着したシンクロナイザーキー49と、メインシャフト41に取り付けたハブ50と、クラッチギヤ46の外周(コーン部)に摺動自在に装着したシンクロナイザーリング51と、シンクロナイザーキー49をスリーブ48の内周に弾性的に押圧する押さえピン52およびスプリング53とを備えている。
図10に示す状態では、スリーブ48およびシンクロナイザーキー49が押さえピン52によって中立位置に保持されている。この時、メインドライブギヤ42はメインシャフト41に対して空転する。一方、セレクタの作動により、スリーブ48が同図に示す状態から例えば軸方向左側に移動すると、それに伴ってシンクロナイザーキー49が軸方向左側に移動し、シンクロナイザーリング51をクラッチギヤ46のコーン部の傾斜面に押し付ける。これにより、クラッチギヤ46の回転速度が落ち、逆にシンクロ機構47側の回転速度が高まる。そして、両者の回転速度が同期した頃、スリーブ48がさらに軸方向左側に移動して、クラッチギヤ46とかみ合い、メインシャフト41とメインドライブギヤ42との間がシンクロ機構47を介して連結される。これにより、メインシャフト41とメインドライブギヤ42とが同期回転する。
(A)はこの発明の実施の形態を示す保持器の展開平面図、(B)は図1(A)のB−B矢視図 (A)はこの発明の実施の形態を示す円すいころ軸受の横断面図、(B)は図2(A)の円すいころ軸受の縦断面図 トルク測定試験の結果を示すグラフ 窓角が下限の円すいころ軸受の部分拡大断面図 窓角が上限の円すいころ軸受の部分拡大断面図 軸受の寿命試験の結果を示す図 この発明の変形例に係る円すいころ軸受の部分断面図 図7の保持器の柱部の断面図 一般的な自動車デファレンシャルの断面図 一般的な自動車トランスミッションの断面図 円すいころ軸受においてころピッチ円径(PCD)を変化させたときの剛性比(−●−)およびトルク比(−○−)の変化を表した線図 従来の円すいころ軸受の部分拡大断面図
符号の説明
1a,1b 円すいころ軸受
2 内輪
2a 軌道面
2b 小つば
2c 大つば
3 外輪
3a 軌道面
4 円すいころ
5 保持器
6 環状部(ころ小端面側)
7 環状部(ころ大端面側)
8 柱部
8a テーパ面
8b 突起部
9 ポケット


Claims (5)

  1. 外径面に軌道面を設けた内輪と、内径面に軌道面を設けた外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に介在させた複数の円すいころと、前記ころをポケットに保持する保持器とからなり、前記保持器が、前記円すいころの一方の端部側で連なる環状部と、前記円すいころの他方の端部側で連なった環状部と、前記両環状部を連結する複数の柱部とからなり、前記柱部の内径面の両側に前記円すいころの転動面と接するテーパ面が形成してあり(ただし、柱部8の縁を折り曲げたものを除く。)、前記テーパ面の幅方向の長さ寸法が、前記円すいころの平均直径の5%以上11%未満で、ころピッチ径を小さくすることにより、前記円すいころが、ころピッチ円上におけるころ間隔が(ころ径/ころ本数)未満になるように均等に配置してある円すいころ軸受。
  2. 前記柱部の厚さ寸法が、前記円すいころの平均直径の5%以上17%未満である請求項1の円すいころ軸受。
  3. 前記保持器のポケットの窓角が55°以上80°以下である請求項1または2の円すいころ軸受。
  4. 前記保持器が機械的強度、耐油性および耐熱性に優れたエンジニアリング・プラスチックで形成してある請求項1ないし3のいずれかの円すいころ軸受。
  5. 自走車両の動力伝達軸を支持するものである請求項1ないし4のいずれかの円すいころ軸受。
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