JP5008856B2 - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Description

この発明は円すいころ軸受に関し、たとえば自走車両の動力伝達軸を支持する軸受に利用することができる。
円すいころ軸受は、外径面に軌道面を設けた内輪と、内径面に軌道面を設けた外輪と、内輪と外輪の軌道面間に介在させた複数の円すいころと、これらの円すいころを保持する保持器とからなる。保持器は、円すいころの小端面側で連なった環状部と、円すいころの大端面側で連なった環状部と、これらの環状部同士を連結する複数の柱部とを有し、隣り合った柱部間にころを収納するためのポケットが画成してある。このような保持器では、ころの転動面と接する柱部の内径面の両側にテーパ面を設け、ころの転動面に接触疵が生じないようにしている。従来、このテーパ面の幅方向の長さ寸法Lは、ころの平均直径Dの11〜20%とするのが一般的である。
自走車両のデファレンシャルやトランスミッション等の動力伝達軸を支持するころ軸受は、一部が油浴に漬かった状態で使用され、その回転に伴って油浴の油を潤滑油とする油浴潤滑状態となる。このように油浴潤滑状態で使用されるころ軸受では、ころの転動面と保持器の柱部内径面のテーパ面との間も、これらの面で形成されるくさび空間に入り込む潤滑油で潤滑される。
特開平09−096352号公報 特開平11−210765号公報 特開2003−343552号公報
従来の、保持器の柱部テーパ面の長さ寸法Lをころの平均直径Dの11〜20%としたころ軸受は、ころの転動面と柱部テーパ面との間に比較的大きいくさび空間が形成され、多量の潤滑油がくさび空間に入り込む。このくさび空間からころの転動面と保持器のテーパ面との界面に入る潤滑油の量は限られているので、このように多量の潤滑油がくさび空間に入り込むと、これらの潤滑油の逃げ場がなくなって軸受回転の抵抗となり、トルク損失が大きくなるという問題がある。また、このように潤滑油が軸受内部へ流入するころ軸受では、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗も、無視できないトルク損失の要因となる。
したがって、軸受内部に潤滑油が流入するころ軸受における潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減させる必要がある。以上が低トルク化のために油の流動抵抗を減少させる方法であるが、大幅な低トルク化を行うためには、ころがり粘性抵抗が低下するように軸受諸元を変更することが必要である。しかしながら、従来の低トルク化手法(特許文献1〜3参照)では、定格荷重を低下させない低トルク化は可能であるが、軸受剛性はいくらか低下する。
この発明の主要な目的は、軸受剛性を低下させることなく、低トルク化を実現することにある。
この発明は、ころ本数を減らさず、あるいは増加させつつ、ころピッチ径(PCD)を小さくすることによって、課題を解決したものである。図12は円すいころ軸受においてPCDを変化させたときの剛性比(−●−)およびトルク比(−○−)を表したものである。ころの弾性変形量を計算確認した結果、図12に示すように、PCDを小さくすると軸受のトルクは大幅に低下するが、軸受剛性はあまり低下しないといった知見を得た。そこで、ころ本数を減らさないか増加させつつ、PCDを小さくすることによって、剛性を低下させずにトルクを低減させることができる。
この発明の円すいころ軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に介在させた複数の円すいころと、前記円すいころをポケットに保持する保持器とからなり、ころピッチ径を小さくすることによってころ係数γが0.94を越え、前記保持器が、前記円すいころの小端面側で連なった環状部と、前記円すいころの大端面側で連なった環状部と、前記両環状部を連結する複数の柱部とからなり、前記柱部の内径面の両側に前記ころの転動面と接するテーパ面が形成してあり(ただし、柱部8の縁を折り曲げたものを除く。)、前記テーパ面の幅方向の長さ寸法が、前記ころの平均直径の5%以上11%未満であり、前記柱部のころ当たり幅が左右共にポケット軸方向中央位置に対しポケット長さの10%以上確保してあることを特徴とするものである。
ころ係数γ(ころの充填率)は(ころ本数×ころ平均径)/(π×PCD)で表されるパラメータであって、ころ平均径が一定とした場合、γの値が大きいほどころ本数が多いことを意味する。従来の典型的な保持器付き円すいころ軸受ではころ係数γを通常0.94以下に設定しているのに対し、ころ係数γが0.94を越えるということは、従来と比較して、ころ充填率ひいては軸受剛性が高いことを意味する。
柱部のころ当たり幅を、左右共にポケット軸方向中央位置に対しポケット長さの10%以上確保して、ころから保持器に作用する荷重が局部的に集中したり、偏って負荷されたりすることによって、異常な摩耗が発生したり、応力集中による破損が発生したりしないようにしてある。これらにより、ころ係数をγ>0.94とすることが可能となった。
ころの転動面と接する保持器の柱部のテーパ面の幅方向の長さ寸法を、ころの平均直径の11%未満、好ましくは9%以下とすることにより、ころの転動面とテーパ面との間にあまり大きなくさび空間が形成されないようにして、くさび空間に入り込む潤滑油の量を少なくし、潤滑油の逃げ場がなくなることによるトルク損失を低減させるようにした。なお、テーパ面の幅方向の長さ寸法をころの平均直径の5%以上としたのは、5%未満では、ころの外径面とテーパ面との弾性接触領域がテーパ面の幅よりも大きくなるおそれがあるからである。
請求項2の発明は、請求項1の円すいころ軸受において、保持器が軸中心に位置した状態では保持器外径と外輪軌道面間にすきまが存在していることを特徴とするものである。すきまが存在する保持器寸法とすることにより、軸受運転中には外輪と保持器との接触が殆ど発生しないようにしている。
請求項3の発明は、請求項1または2の円すいころ軸受において、前記柱部の厚さ寸法が、前記ころの平均直径の5%以上17%未満であることを特徴とするものである。これにより、柱部の厚みを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくし、トルク損失をより低減させることができる。なお、柱部の厚さ寸法をころの平均直径の5%以上としたのは、5%未満では保持器の剛性を十分に確保できないからである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの円すいころ軸受において、前記保持器が鉄板製であることを特徴とするものである。鉄板製保持器は耐油性(油への浸漬による材質劣化)を気にせず使用できるというメリットがある。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの円すいころ軸受において、保持器が樹脂製であることを特徴とするものである。すなわち、保持器は鉄板製のほか、樹脂製すなわちエンジニアリング・プラスチック製としてもよい。樹脂製保持器は軸受の組立において底広げ、かしめといった作業が不要となるため、所要の寸法精度を確保することが容易である。また、樹脂製保持器は鉄板製に比べ保持器重量が軽く、自己潤滑性があり、摩擦係数が小さいという特徴があるため、軸受内に介在する潤滑油の効果と相俟って、外輪との接触による摩耗の発生を抑えることが可能になる。また、樹脂製保持器は重量が軽く摩擦係数が小さいため、軸受起動時のトルク損失や保持器摩耗の低減に好適である。
上述の各円すいころ軸受は、自走車両の動力伝達軸を支持するものに好適である(請求項6)。
この発明によれば、剛性を低下させることなくトルク損失を減少させることができる。すなわち、この発明のころ軸受は、ころ係数γが0.94を越え設定とすることにより、ころ本数を減らさず、あるいは増加させつつ、ころピッチ径(PCD)を小さくすることができ、剛性を低下させることなく低トルク化が実現する。しかも、ころ係数γを0.94より大きくすることにより、負荷容量がアップするばかりでなく、軌道面の最大面圧を低下させることができるため、過酷潤滑条件下での極短寿命での表面起点剥離を防止することができる。
また、ころの転動面と接する保持器の柱部のテーパ面の幅方向の長さ寸法を、ころの平均直径の5%以上11%未満としたことにより、ころの転動面とテーパ面との間にあまり大きなくさび空間が形成されず、くさび空間に入り込む潤滑油の量が少なくなる。したがって、潤滑油の逃げ場がなくなることによるトルク損失が減少し、この面からも低トルク化を促進することができる。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。まず、図2を参照して全体構成を説明すると、円すいころ軸受1は、内輪2と外輪3と円すいころと保持器とを主要な構成要素としている。内輪2は外周に円すい状の軌道面2aが形成してあり、外輪3は内周に円すい状の軌道面3aが形成してある。内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間に複数の円すいころ4が転動自在に介在させてある。各円すいころ4は保持器5のポケット内に収容され、内輪2の小つば2bと大つば2cとで軸方向移動を規制される。
円すいころ軸受1は、ころ係数γ>0.94となっている。ころ係数(ころの充填率)γは次式で表される。
ころ係数γ=(Z・DA)/(π・PCD)
ここに、Z:ころ本数、DA:ころ平均径、PCD:ころピッチ円径。
なお、従来の典型的な保持器付き円すいころ軸受は、図13に示すように、外輪71と保持器72との接触を避けた上で、保持器72の柱幅を確保し、適切な保持器72の柱強度と円滑な回転を得るために、通常、ころ係数γを0.94以下にして設計している。図13中、符号73,74,75は、それぞれ、円すいころ、柱面、内輪を指し、符号θは窓角すなわち、ころの転動面と接する柱面がなす角度を表している。保持器72のポケット寸法をそのままにして単純にころ充填率を高めようとすると、保持器72の柱72aが細くなり、充分な柱強度を確保することができない。一方、柱強度を確保するため、保持器と外輪とのすきまが小さくなる方向に保持器径を変更(径寸法を大きく)すると、保持器の外輪接触部での摩耗を促進し、いわゆる引きずりトルクの増大を引き起こすおそれがある。
そこで、柱部のころ当たり幅を、左右共にポケット軸方向中央位置に対しポケット長さの10%以上確保して、ころから保持器に作用する荷重が局部的に集中したり、偏って負荷されたりすることによって、異常な摩耗が発生したり、応力集中による破損が発生したりしないようにしておく。これにより、ころ係数をγ>0.94とすることが可能になり、軌道面の最大面圧を低下させることができる。したがって、過酷潤滑条件下での極短寿命での表面起点剥離を防止することができる。また、保持器の接触による引きずりトルクを発生させないため、保持器ポケット部の摩耗も最小限とすることができる。
表1に、過酷潤滑、過大負荷条件下の寿命試験結果を示す。比較例1はころ係数0.86の従来品である。比較例2は鉄板製保持器付きで運転時に外輪と保持器が接触するようにした点を除き実施例と同じである。
Figure 0005008856
表1に示す試験結果から明らかなように、比較例1は内輪剥離を起こし、寿命時間は16.4hであった。比較例2は、保持器摩耗によるトルク増大のため、寿命時間40.2hで停止した。実施例は200hでも全く異常が認められなかった。なお、同じ試験条件の場合、JISによる計算寿命は92.2hである。
保持器5は、図1(A)に示すように、円すいころ4の小端面側で連なった環状部6と、円すいころ4の大端面側で連なった環状部7と、これらの環状部6,7を連結する複数の柱部8とからなり、隣り合った柱部8間に台形状のポケット9が画成される。柱面8aがなす角度すなわち窓角θは、例えば25°〜50°である。
図1(B)に示すように、柱部8の内径面の両側には、円すいころ4の転動と接するテーパ面8aが形成してある。このテーパ面8aの幅方向の長さ寸法Lは、円すいころ4の平均直径Dの5%以上11%未満、たとえば7%に設定するのが望ましい。このような構成とすることにより、円すいころ4の転動面とテーパ面8aとの間にあまり大きなくさび空間が形成されることはない。また、柱部8の厚さ寸法Tは、円すいころ4の平均直径Dの5%以上17%未満、たとえば10%に設定するのが望ましい。このような構成とすることにより、保持器5の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さく抑えることができる。
図1(B)に示したテーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの7%とした保持器を用いた円すいころ軸受(実施例)と、テーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの13%とした従来の保持器を用いた円すいころ軸受(比較例)とを用意した。円すいころ軸受の寸法は、いずれも、外径100mm、内径45mm、幅27.25mmとした。また、保持器の柱部の厚さ寸法Tは、実施例のものが円すいころの平均直径Dの13%、比較例のものが17%とした。
実施例と比較例の円すいころ軸受について、縦型トルク試験機を用いたトルク測定試験を行った。試験条件は次のとおりである。
・アキシアル荷重:300kgf
・回転速度 :300〜2000rpm(100rpmピッチ)
・潤滑条件 :油浴潤滑(潤滑油:75W−90)
図3は、上記トルク測定試験の結果を示し、同図のグラフの縦軸は、比較例のもののトルクに対する実施例のもののトルクの低減率を表す。テーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの7%と小さくした実施例のものは、低速回転から高速回転まで顕著なトルク低減効果が認められ、試験の最高回転速度である2000rpmでも12.0%のトルク低減率が得られている。この実施例のトルク低減効果には、柱部の厚さ寸法Tを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくした効果も含まれている。
保持器5はここでは鉄板製であって、油への浸漬による材質劣化(耐油性)を気にせず使用できる。保持器5は、鉄板製に代えて、例えばPPS、PEEK、PA、PPA、PAI等のスーパーエンプラで一体成形してもよい。また、必要に応じて、強度増強のため、これら樹脂材料またはその他のエンジニアリング・プラスチックにガラス繊維または炭素繊維などを配合したものを使用してもよい。エンジニアリング・プラスチックは、汎用エンジニアリング・プラスチックとスーパー・エンジニアリング・プラスチックを含む。以下に代表的なものを掲げるが、これらはエンジニアリング・プラスチックの例示であって、エンジニアリング・プラスチックが以下のものに限定されるものではない。
〔汎用エンジニアリング・プラスチック〕ポリカーボネート(PC)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)
〔スーパー・エンジニアリング・プラスチック〕ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリメチルベンテン(TPX)、ポリ1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリアミド11,12(PA11,12)、フッ素樹脂、ポリフタルアミド(PPA)
なお、鉄板製保持器の場合は底広げやかしめ作業が必要であるが、樹脂製保持器の場合はこれらが不要となるため、必要な寸法精度を確保することが容易である。ここで、「底広げ」とは、ころを組み込んだ保持器5を内輪に組み付ける時、ころが内輪の小つばを乗り越えるように保持器5の小径側の柱部の径を大きく拡げることをいう。「かしめ作業」とは、前述のように大きく拡げた保持器5の小径部の柱部を外側から型で押して元に戻すことをいう。
保持器5の外径は、図4(A)の状態から同図に矢印で示すように保持器5を軸方向小径側に移動させ(図4(B))、次に図5(A)のように径方向下側に移動させると、外輪3と保持器5が接触し、軸受が回転して図5(C)のように保持器5がセンタリングされると、保持器5と外輪3が全周にわたり所定すきまをあけて非接触となるような寸法に設定してある。言い換えれば、そのような寸法とは、保持器5が軸中心に配置され、図4(B)のように保持器5が小径側に寄った状態では保持器5と外輪3の間にすきまが存在するが、保持器5を軸中心から径方向に移動させると外輪3と保持器5が接触するような寸法である。これにより、運転初期(図5(B))には外輪3と保持器5は接触するが、運転中(図5(C))は非接触となることから、接触による引きずりトルクの増大や摩耗を抑制することができる。
図6〜9は、保持器の内径側から見たポケットを示し、ポケット柱面(柱部の側面)にころの当たりを二点差線で示してある。いずれの場合も、ポケット柱面のころの当たり幅を、ポケットの軸方向中央位置すなわちポケット中央位置からポケット長さの10%以上確保してある。ころから保持器に作用する荷重が局部的に集中したり、偏って負荷されたりすることによって、異常な摩耗が発生したり、応力集中による破損が発生したりしないようにするためである。
具体的には、図6の場合、ころ当たり幅は、ポケット中央位置から軸方向両側にそれぞれポケット長さの10%以上にわたって確保されている。したがって、ポケット中央位置でのころ当たり幅はポケット長さの20%以上となっている。
図7の場合は、ころの当たりが図中の左側寄りになっているが、ポケット中央位置から右側にもポケット長さの10%以上のころ当たり幅が確保されている。
図8の場合は、図7と逆にころの当たりが図中の右側寄りになっているが、ポケット中央位置から左側にもポケット長さの10%以上のころ当たり幅が確保されている。
図9は、図中上側のポケット柱面と図中下側のポケット柱面とでころの当たりが逆方向に片寄っている場合であるが、いずれも、ポケット中央位置から少なくともポケット長さの10%以上のころ当たり幅が確保されている。
図10に、この発明の円すいころ軸受を使用し得る自動車のデファレンシャルの概略構成を示す。このデファレンシャルは、エンジンの駆動力をプロペラシャフト(図示省略)から左右のドライブシャフトに伝達する働きをするもので、デファレンシャルケース21内に配置したドライブピニオン22が、差動歯車ケース23に取り付けたリングギヤ24とかみ合い、差動歯車ケース23の内部に取り付けたピニオンギヤ25が、差動歯車ケース23に左右から挿入したドライブシャフトと結合するサイドギヤ26とかみ合う。このデファレンシャルでは、動力伝達軸であるドライブピニオン22と差動歯車ケース23が、それぞれ一対の円すいころ軸受1a、1bで支持されている。デファレンシャルケース21には潤滑油を貯留させてシール部材27a、27b、27cで密封してあり、各円すいころ軸受1a、1bは、下部が潤滑油の油浴に漬かった状態で回転し、油浴の潤滑油が軸受内部へ流入する。
図11に、この発明の円すいころ軸受を使用し得る自動車のトランスミッションの概略構成を示す。このトランスミッションは同期噛合式のもので、同図の左側がエンジン側、右側が駆動車輪側である。メインシャフト41とメインドライブギヤ42との間に円すいころ軸受43が配置してある。この例では、メインドライブギヤ42の内周に円すいころ軸受43の外輪軌道面が直接形成してある。メインドライブギヤ42は、円すいころ軸受44でケーシング45に対して回転自在に支持される。メインドライブギヤ42にクラッチギヤ46を連結させ、クラッチギヤ46に近接してシンクロ機構47が配置してある。
シンクロ機構47は、セレクタ(図示省略)の作動によって軸方向(同図で左右方向)に移動するスリーブ48と、スリーブ48の内周に軸方向移動自在に装着したシンクロナイザーキー49と、メインシャフト41の外周に係合連結されたハブ50と、クラッチギヤ46の外周(コーン部)に摺動自在に装着したシンクロナイザーリング51と、シンクロナイザーキー49をスリーブ48の内周に弾性的に押圧する押さえピン52及びスプリング53とを備えている。
同図に示す状態では、スリーブ48及びシンクロナイザーキー49が押さえピン52によって中立位置に保持されている。この時、メインドライブギヤ42はメインシャフト41に対して空転する。一方、セレクタの作動により、スリーブ48が同図に示す状態から例えば軸方向左側に移動すると、スリーブ48に従動してシンクロナイザーキー49が軸方向左側に移動し、シンクロナイザーリング51をクラッチギヤ46のコーン部の傾斜面に押し付ける。これにより、クラッチギヤ46の回転速度が落ち、逆にシンクロ機構47側の回転速度が高まる。そして、両者の回転速度が同期した頃、スリーブ48がさらに軸方向左側に移動して、クラッチギヤ46とかみ合い、メインシャフト41とメインドライブギヤ42との間がシンクロ機構47を介して連結される。これにより、メインシャフト41とメインドライブギヤ42とが同期回転する。
以上、この発明の実施の形態につき説明したが、この発明は前記実施の形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
(A)はこの発明の実施の形態を示す保持器の展開平面図(B)は図1(A)のB−B矢視図である。 (A)はこの発明の実施の形態を示す円すいころ軸受の横断面図(B)は図2(A)の円すいころ軸受の縦断面図である。 トルク測定試験の結果を示すグラフである。 (A)は保持器が軸方向に移動する前の円すいころ軸受の縦断面図(B)は保持器が移動した後の円すいころ軸受の縦断面図である。 (A)は静止時の円すいころ軸受の横断面略図(B)は回転初期の円すいころ軸受の横断面略図(C)は回転中の円すいころ軸受の横断面略図である 保持器のポケットの略図である。 保持器のポケットの略図である。 保持器のポケットの略図である。 保持器のポケットの略図である。 一般的な自動車デファレンシャルの断面図である。 一般的な自動車トランスミッションの断面図である。 円すいころ軸受においてころピッチ径(PCD)を変化させたときの剛性比(‐●‐)およびトルク比(‐○‐)の変化を表した線図である。 従来の円すいころ軸受の部分拡大断面図である。
符号の説明
1,1a,1b 円すいころ軸受
2 内輪
2a 軌道面
2b 小つば
2c 大つば
3 外輪
3a 軌道面
4 円すいころ
5 保持器
6 環状部(ころ小端面側)
7 環状部(ころ大端面側)
8 柱部
8a テーパ面(ポケット柱面)
9 ポケット

Claims (6)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に介在させた複数の円すいころと、前記円すいころをポケットに保持する保持器とからなり、
    ころピッチ径を小さくすることによってころ係数γが0.94を越え、
    前記保持器が、前記円すいころの小端面側で連なった環状部と、前記円すいころの大端面側で連なった環状部と、前記両環状部を連結する複数の柱部とからなり、前記柱部の内径面の両側に前記ころの転動面と接するテーパ面が形成してあり(ただし、柱部8の縁を折り曲げたものを除く。)、前記テーパ面の幅方向の長さ寸法が、前記ころの平均直径の5%以上11%未満であり、
    前記柱部のころ当たり幅が左右共にポケット軸方向中央位置に対しポケット長さの10%以上確保してある円すいころ軸受。
  2. 保持器が軸中心に位置した状態では保持器外径と外輪軌道面間にすきまが存在している請求項1の円すいころ軸受。
  3. 前記柱部の厚さ寸法が、前記ころの平均直径の5%以上17%未満である請求項1または2の円すいころ軸受。
  4. 前記保持器が鉄板製である請求項1ないし3のいずれかの円すいころ軸受。
  5. 前記保持器が樹脂製である請求項1ないし3のいずれかの円すいころ軸受。
  6. 自走車両の動力伝達軸を支持するものである請求項1ないし5のいずれかの円すいころ軸受。
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