JP4994340B2 - ジルコニウムとハフニウムの分離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジルコニウムとハフニウムの分離方法に関する。
ジルコニウムは熱中性子吸収断面積が小さく、耐熱性、耐蝕性に優れていることから原子炉用材料として用いられている。しかし、天然に産出するジルコニウム鉱石中にはジルコニウムとその化学的性質の類似したハフニウムがHf/Zr比にして1〜4重量%含まれている。原子炉材料として使用するためにはHf/Zr比にして100ppm以下まで分離しなくてはならない。
このため、ジルコニウムとハフニウムの分離方法については、現在までに数多くの提案がなされており、大別すると溶媒抽出法、イオン交換法、吸着法、選択還元法等である。
この中で商業的に利用されているのは、選択還元法とMIBK−HSCN系及びTBP(ケロシン)−HNO系の溶媒抽出法である。
選択還元法の商業プロセスでは、酸化ジルコニウムを塩素化して四塩化ジルコニウムとし、これを精製した後、クロール(Kroll)法による還元を行いジルコニウム金属を製造する。このプロセスに用いる水性及び有機液体は廃棄される金属及び他の物質を含むため、これらは適切に廃棄する必要がある。また、塩素ガスを用いることから設備投資・維持に費用がかかることと制御が煩雑である。
一方、商業的に用いられている溶媒抽出法では、ヘキサンまたはメチルイソブチルケトン(MIBK)等の有機溶媒と、チオシアン酸及び塩酸を含む種々の水性溶液が使用されているが、各抽出ステップと同数の分離カラムが必要で、大量の有機廃棄物が発生する。
近年、溶媒抽出に用いる有機溶媒、薬剤の処理が問題とされ、改善が求められており、これに対して、有機廃棄物量を低減させる方法として、US5,023,061号(Snyder,et al)、US5,024,749号(Snyder,et al)、US5,098,676号(Lee,et al)、US5,110,566号(Snyder,et al)、US5,112,493号(Snyder,et al)及びUS5,174,971号(Snyder,etal)等に提案されているが、完全に満足できるものはないのが、現状である。
ところで、イオン交換法として、特許文献1には、「ジルコニウムとハフニウムとの共存する溶液を、3級アミンを交換基とする陰イオン交換樹脂と接触させて、ジルコニウムを選択的に樹脂に吸着させることを特徴とするジルコニウムとハフニウムとの分離法」が記載されているが、分離係数は約3であり、Zr:Hf=98:2の比率で含有されているジルコニウムを吸着することからイオン交換樹脂が大量に必要となり、再生頻度も高いため実用化されていない。
又、特許文献2には、「ジルコニウムとハフニウムの交差重合を実質的に減少させるジルコニウムとハフニウムの連続式分離・精製方法であって、(a)ジルコニウムとハフニウムの交差重合を実質的に減少させるジルコニウムとハフニウムイオンの水性原料溶液を調製し、(b)原料溶液をイオン交換樹脂を含む連続式イオン交換クロマトグラフ・カラムに注入し、(c)水性溶離液をカラムに供給することにより原料溶液をイオン交換樹脂から溶離し、(d)実質的に純粋なジルコニウム画分、実質的な純粋なハフニウム画分及び少なくとも1つの廃棄物画分を別々に収集するステップより成る方法」、すなわち、連続式環状クロマトグラフ(CAC)法が記載され、特許文献3には、「ジルコニウムとハフニウムとを含む溶液をと、この工程の吸着残液または樹脂を酸水溶液で処理して得た溶離液を強酸性陽イオン交換樹脂または弱塩基性イオン交換樹脂と接触させてハフニウムまたはジルコニウムを選択的に吸着する工程とを含むことを特徴とするジルコニウムとハフニウムとの相互分離法」が記載されているが、CAC法は分離工程数が多く、煩雑で商業化するのは困難であり、又、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を組み合わせる方法も、商業的な操作、工程は提案されていない。
特開昭57−38323号公報 特表平11−509632号公報 特公平01−44644号公報
本発明は上記の課題に鑑みて成されたものであって、その目的は陽イオン交換樹脂を用い、ジルコニウムとハフニウムを効率的に分離する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ジルコニウムとハフニウムを含む水溶液にジスルホン酸及び/又はその塩を添加した後、該水溶液と陽イオン交換樹脂とを接触させることにより、ハフニウムが陽イオン交換樹脂に選択的に吸着されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ジルコニウムとハフニウムを含む水溶液にジスルホン酸及び/又はその塩を添加した後、該水溶液と陽イオン交換樹脂とを接触させ、ハフニウムを陽イオン交換樹脂に選択的に吸着させることを特徴とするジルコニウムとハフニウムの分離方法、
(2)ジスルホン酸が、O−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、1,4−ブタンジスルホン酸から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする前記(1)記載のジルコニウムとハフニウムの分離方法、
を提供する。
本発明により、簡単な方法でジルコニウムとハフニウムの分離を効率的に行うことが出来、斯界において好適に用いることができる。
すなわち、選択還元法のような制御設備が不要で、塩素ガスのような危険な化学物質も用いない。又、MIBK−HSCN系及びT.B.P.(ケロシン)−HNO系の溶媒抽出法のように二次的有機廃棄物も発生がない、というメリットもある。
以下、本発明のジルコニウムとハフニウムの分離方法について詳細に説明する。
先ず、本発明で用いるジルコニウムとハフニウムを含む水溶液は、特に限定されるものではないが、通常、市販されている水溶性のジルコニウム化合物を水(好ましくは、純水又はイオン交換水、以下、同様)に溶解させたものである。
水溶性のジルコニウム化合物としては、例えば、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等のジルコニウム無機酸塩を用いることができるが、硝酸イオンによりイオン交換樹脂の耐久性が低下する点で、オキシ塩化ジルコニウムを用いることが好ましい。
ところで、ハフニウムの化学的性状はジルコニウムに良く似ており、ジルコニウムの鉱石中には常にハフニウムが含まれているので、ジルコニウムの単体及び化合物には、鉱石にもよるが、ハフニウムを1〜4重量%、通常、1〜2.5重量%混有している。
そして、例えば、酸化ジルコニウム等のジルコニウム化合物と酸化ハフニウム等のハフニウム化合物とは、化学的な性質が非常に良く似ているため、ジルコニウムがハフニウムを含んでいても、ジルコニウム化合物の性状に影響を及ぼすことはない。
従って、通常は、複雑な分離・分析法を用いて両者を積極的に分離・分析を行う必要はなく、ハフニウムを不可避不純物として含むジルコニウムの化学分析においては、ハフニウムを分離せずに、「ジルコニウム+ハフニウム」の状態で分析され、ジルコニウムに含まれるハフニウムは、不可避不純物としてジルコニウムと見做して表記されている。
すなわち、上記の通り、本発明で用いるジルコニウムとハフニウムを含む水溶液は、特に限定されるものではないが、通常、市販されている水溶性のジルコニウム化合物を水に溶解させたものであり、これには、不可避的不純物として、ハフニウムが含まれている。
本発明において、以後、特別の記載がない限り「ジルコニウム」とは、不可避的不純物として含まれる「ハフニウム」を含まないものとして記載する。
本発明で用いるジルコニウムとハフニウムを含む水溶液のジルコニウム濃度は、特に限定されるものではないが、通常、0.001〜2.0mol/L、好ましくは、0.01〜1.0mol/Lである。
なお、ハフニウム濃度は、Hfを不可避的不純物として含むジルコニウム化合物中に含まれるハフニウムにより決定され、ジルコニウム濃度が0.001〜2.0mol/Lのとき、通常ハフニウム濃度は、0.000005〜0.041mol/Lである。
このジルコニウムとハフニウムを含む水溶液の酸濃度は特に限定されるものでないが、通常は、市販のHfを不可避的不純物として含むジルコニウム化合物を水に溶解させたままの酸濃度(pH=0.1〜1.5)で十分であるが、必要に応じて、酸を添加しても良い。ただし、酸濃度の上限は、限定されるものでないが、通常、0.2mol/L程度である。0.5mol/Lを超え、pHが0付近になるとジルコニウム及びハフニウムの吸着率が低下するので好ましくない。具体的には、アルキルジスルホン酸の場合、これの酸解離定数(pKa=1.6程度)から、アルキルジスルホン酸の2つの酸解離定数はpKa=2、pKa=1程度と考えられる。これらの値より、pHが0付近でジスルホン酸は、酸型ジスルホン酸 H2Lで存在することがわかる。H2Lで存在するためジルコニウムと錯体形成ができないため、添加による分離効果が低下する。
使用できる酸は、特に限定されるものではないが、通常、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸であるが、使用するHfを不可避的不純物として含むジルコニウム化合物の陰イオンに合わせるが好ましい。
次に、上記のようにして調製したジルコニウムとハフニウムを含む水溶液にジスルホン酸及び/又はその塩を添加した後、該水溶液と陽イオン交換樹脂とを接触させ、ハフニウムを陽イオン交換樹脂に選択的に吸着させ、ジルコニウムとハフニウムの分離を行う。
ジスルホン酸としては、スルホン酸基(−SOH)を二つ有する化合物であれば特に限定されないが、O(オルト)−ベンゼンジスルホン酸、m(メタ)−ベンゼンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、1,4−ブタンジスルホン酸等が例示され、これらの1種又は2種以上を用いることが出来る。
ジスルホン酸の塩としては、水溶性のものであれば特に限定されるものではないが、通常、ジスルホン酸のアルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)塩等が例示され、これらの1種又は2種以上を用いることが出来る。
ジスルホン酸及び/又はその塩を添加する目的は、ジスルホン酸及び/又はその塩の添加により、ジルコニウムと安定な錯体を形成し、ハフニウムを陽イオン交換樹脂に選択的に吸着させるためである。
ジスルホン酸及び/又はその塩の添加量は、ジルコニウムとハフニウムを含む水溶液中のジルコニウム含有量(モル)に対し、2モル〜5モル倍、より好ましくは、2〜3モルである。
2モル未満では、ジスルホン酸及び/又はその塩と錯体形成していないジルコニウムが溶液中に存在するため分離係数が低下する。過剰に存在しても、分離係数は変化しないが大過剰のジスルホン酸及び/又はその塩の添加は分離に影響しないため、経済的に好ましくない。
次に、ジスルホン酸及び/又はその塩を添加したジルコニウムとハフニウムを含む水溶液と陽イオン交換樹脂とを接触させ、ハフニウムを陽イオン交換樹脂に選択的に吸着させることが出来る。
陽イオン交換樹脂としては、スチレンとジビニルベンゼンとの架橋共重合体をスルホン化して得られるスルホン酸型の樹脂若しくは溶液中で化学変化しない物質で作られた多孔質担体中に担持されたもの、若しくは樹脂自身を多孔質体としたものであれば、特に限定されず、三菱化学(株)製の強酸性陽イオン交換樹脂(SK1B、SK104、SK110、SK112)、Dow Chem.(株)製強酸性陽イオン交換樹脂(DOWEX 50W(X2、X4、X8)及びバイオ・ラッド社製の強酸性陽イオン交換樹脂(AG 50W、AG MP−50)等が例示される。
本発明の特徴は、このように陽イオン交換樹脂とジスルホン酸及び/又はその塩を用いることにあり、その組み合わせにより、ハフニウムが選択的に樹脂に吸着し、ジルコニウムとハフニウムを相互分離できる。
ハフニウムが選択的に吸着されるのは、スルホン酸基に配位して生成するジルコニウム錯体とハフニウム錯体の安定化度の違いによる。ハフニウム錯体よりジルコニウム錯体がより安定であるためハフニウムが陽イオン交換樹脂に選択的に吸着される。安定化度は、スルホン酸基を有する化合物によって異なる。これは、2個のスルホン基で錯体形成したときの距離による。Cが3個のプロパン1,3−ジスルホン酸を用いると、2個のスルホン酸がジルコニウムを挟むために適した距離に離れている。キレート錯体の安定度はキレート環のサイズが6で最も大きく、ついで7であることが知られていが、ジルコニウムは、最大8配位をとるため、1,2−エタンジスルホン酸(7員環)や、1,4−ブタンジスルホン酸(9員環)より、8員環となる1,3−プロパンジスルホン酸が最も安定となる効果が大きく、分離係数Sfが最も大きくなるものと考えられる。
ところで、本発明により効率的にジルコニウムとハフニウムを分離するためには、ジルコニウムとハフニウムを含む水溶液にジスルホン酸及び/又はその塩を添加した後、該水溶液と陽イオン交換樹脂とを接触させる場合に、陽イオン交換樹脂を充填したカラムに連続的に通液する方法が好ましい。
そして、陽イオン交換樹脂にジルコニウムとハフニウムを吸着させた後、適当な溶離液(展開液)を用いて、ジルコニウムとハフニウムを溶離すると共にジルコニウムとハフニウムを分離することが出来る(ジルコニウムが先に溶離され、その後、ハフニウムが溶離される)。溶離液としては、特に限定されるものではないが、通常、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸が用いられるが、使用するHfを不可避的不純物として含むジルコニウム化合物の陰イオンに合わせるが好ましく、酸濃度は、例えば塩酸の場合、分離係数が1以下となる0.8mol/L以上、好ましくは1.0mol/L、特に好ましくは2.0mol/L以上である。酸濃度が、0.5mol/L以下になると、イオン交換樹脂よりハフニウムを溶離することが出来なくなる。
なお、この場合、明確な理由はわかっていないが、バッチ法の試験結果より溶離液に、好ましくは、ジスルホン酸及び/又はその塩を(ジスルホン酸及び/又はその塩/ジルコニウム(モル比))が2〜5となるように添加しておくことにより、ジルコニウムとハフニウムをより効率的に分離することが出来る。
この連続通液方式によるイオン交換法の条件については、特に限定されず、カラムから流出する溶液中のハフニウム濃度を検出することにより、適宜、設定することが出来る。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
(1)1.0mol/L塩酸10ml、(2)1.0×10−3mol/LのZr溶液と1.0×10−3mol/LのHf溶液をそれぞれ10ml、(3)0.05mol/Lの各種ジスルホン酸塩や硫酸をそれぞれ10ml加え、最後に(4)イオン交換水で全量を50mlとした(初期Zr濃度:18.24ppm、初期Hf濃度:35.7ppm、酸濃度0.2mol/L、pH1.1)。この混合液をよく振り混ぜしばらく放置した後、陽イオン交換樹脂(Dowex 50W X4)0.5gを添加した。そして、これを室温(25℃)で振とう機を用いて80ストローク/分で24時間振り混ぜた。
次に、この上液を分取し、溶液中のZrとHfをICP−AESにて分析し、分配係数D及び分離係数Sfを求めた。
各ジスルホン酸及び硫酸によるZrとHfの分配係数と分離係数等を表1に示す。
なお、分配係数Dは、次に示す式を用い計算した。
D={((水相中の初期M濃度)−(水相中の平衡M濃度))/(水相中の平衡M濃度)}×((水相容積)/(イオン交換樹脂景))
又、分離係数Sfは次に示す式を用いて計算した。
Sf=DHf/DZr
Figure 0004994340
表1より、分離係数は、1,3−プロパンジスルホン酸二Na>1,2−エタンジスルホン酸二Na>O−ベンゼンジスルホン酸二Na>m−ベンゼンジスルホン酸二Naの順になっており、分離係数の大きさから、1,3−プロパンジスルホン酸二Na及び1,2−エタンジスルホン酸二Naが好ましいことが判る。
(1)1.0mol/L又は4.0mol/Lの塩酸、(2)2.0×10−3mol/LのZr、Hfの混合溶液(Zr及びHf共に2.0×10−3mol/L、以下同様)、(3)0.05mol/Lの1,2−エタンジスルホン酸二Na溶液の添加量を表2の通りとし、最後に(4)イオン交換水で全量を50mlとした。
この混合液をよく振り混ぜしばらく放置した後、陽イオン交換樹脂(Dowex 50W X4)0.5gを添加した。そして、これを室温(30℃)で振とう機を用いて80ストローク/分で48時間振り混ぜた。
次に、この上液を分取し、溶液中のZrとHfをICP−AESにて分析し、分配係数D及び分離係数Sfを求めた。その結果を表3に示す。
Figure 0004994340
Figure 0004994340
ジスルホン酸塩として、▲1▼1,3−プロパンジスルホン酸二ナトリウムと▲2▼1,4−ブタンジスルホン酸二ナトリウムを用いた以外は実施例2と同様の操作を行い分配係数D及び分離係数Sfを求めた。その結果を表4及び表5に示す。
Figure 0004994340
Figure 0004994340
表3〜表5より、塩酸濃度が低いほど分離係数が高いことがわかる。又、塩酸濃度が0.8mol/L以上では分離係数が1.4以下であり、ジルコニウムとハフニウムの分離は効率的に行うことが出来ないものと考えられる。
(1)1.0mol/Lの塩酸、(2)2.0×10−3mol/LのZr、Hfの混合溶液(3)0.05mol/Lの1,2−エタンジスルホン酸二Na溶液の添加量を表6の通りとし、最後に(4)イオン交換水で全量を50mlとした。この混合液をよく振り混ぜしばらく放置した後、陽イオン交換樹脂(Dowex 50W X4)0.5gを添加した。そして、これを室温(30℃)で振とう機を用いて80ストローク/分で48時間振り混ぜた。
次に、この上液を分取し、溶液中のZrとHfをICP−AESにて分析し、分配係数D及び分離係数Sfをもとめた。その結果を表7に示す。
Figure 0004994340
Figure 0004994340
表7より、1,2−エタンジスルホン酸二Na/Zr(モル比)が大きくなるほど分離係数が大きくなっているが、1,2−エタンジスルホン酸二Na/Zr(モル比)=4、すなわち、1,2−エタンジスルホン酸二Na/(Zr+Hf)(モル比)=2程度で、その添加効果が飽和してきていることが判る。
内径1.05cm、長さ40cmのカラムに、水に浸漬させた陽イオン交換樹脂(Dowex 50WX4)30ml(約24g)を充填した。このときの充填樹脂カラムの長さは34cmであった。カラムに充填した樹脂面より上2cmにイオン交換水の液面がなる様に調整し、カラム下部の活栓を閉めた。
オキシ塩化ジルコニウム(Zr/(Zr+Hf)=97.87%、Hf/(Zr+Hf)=2.13%)をビーカに2.2254gを量りとり、脱イオン交換水を加え溶解し1000mlメスフラスコに移し、1.0mol/L塩酸をホールピペットで1mlを加えた後、標線までイオン交換水で希釈した。
このオキシ塩化ジルコニウム水溶液を、ホールピペットで10mlを採取し25mlメスフラスコに加え、ついで1.0mol/L塩酸をメスピペットで2.5mlと0.05mol/L 1,4−ブタンジスルホン酸二Na溶液1mlをホールピペットで計りとり加えた後、イオン交換水で標線まで希釈し試験溶液を調製した。この試料溶液中のジルコニウム濃度は0.0028mol/L、ハフニウム濃度は、0.000031mol/Lであった。
展開溶液は、5.0mol/L塩酸をホールピペットを用いて200ml採取し、1000mlメスフラスコに加えた。ついで0.05mol/L 1,4−ブタンジスルホン酸溶液5mlをホールピペットで計りとり加えた後、イオン交換水で標線まで希釈した。
流速SV=0.5(樹脂体積の1/2量を1時間で流す)になるようにカラム下部の活栓を調整した。流速の調整にはイオン交換水を用いた。
先に調製したオキシ塩化ジルコニウム水溶液25mlをカラム上端から流速SV=0.5(樹脂体積の1/2量を1時間で流す)になるように、ペリスタポンプを用い(シリコンチューブ 内径2mm)添加した。このとき、液面はカラム樹脂面より上1cmになるようにした。
試料溶液を添加後、メスフラスコ及び配管洗浄水約10mlを通水後、カラム樹脂面より上1cmでカラムの下部活栓を閉めた。溶出液中のZr及びHf濃度をICPで分析を行い、樹脂への吸着量を求めた結果、Zrは0.0063g(6.3mg)、Hfは0.00014g(0.14mg)吸着していた。このZr・Hf吸着樹脂カラムに、先に調製した展開溶液を流速SV=0.5で通水した。展開液はペリスタポンプを用いカラム樹脂面より1cm上に液面が保持されるように調整し、溶出液は、15mlづつ分画した。溶出液中のZr濃度及びHf濃度は、ICPを用いて定量した。図1に溶出曲線を示す。
表8に、15ml毎に分取した溶液中のジルコニウム濃度及びハフニウム濃度を示す。
なお、溶出液中に含まれているZr=6263.85μgで回収率は99.4%、一方、溶出液中に含まれているHf=133.95μgで回収率は95.7%であった。
図1から明らかなように、ZrとHfは明確に分離されており、Zr含有溶液を用いて、99.99%(4N)以上のZrメタルを製造することが出来る。
本発明の実施例5の溶出試験におけるZrとHfの溶出曲線を示す。

Claims (2)

  1. ジルコニウムとハフニウムを含む水溶液にジスルホン酸及び/又はその塩を添加した後、該水溶液と陽イオン交換樹脂とを接触させ、ハフニウムを陽イオン交換樹脂に選択的に吸着させることを特徴とするジルコニウムとハフニウムの分離方法。
  2. ジスルホン酸が、O−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、1,4−ブタンジスルホン酸から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載のジルコニウムとハフニウムの分離方法。
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