JP4994250B2 - キャピラリ電気泳動装置及び電気泳動媒体のリーク検査方法 - Google Patents

キャピラリ電気泳動装置及び電気泳動媒体のリーク検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、キャピラリ電気泳動装置に関し、より詳細には、キャピラリ電気泳動装置における電気泳動媒体のリーク検査方法に関する。
キャピラリ電気泳動法は、デオキシリボ核酸(DNA)をはじめ、多くの生体試料を分離分析する技術として広く普及している。その技術的な利点の一つは、キャピラリの表面積対体積率から生まれる、優れた放熱特性である。この放熱特性が、高電圧を用いた電気泳動による、高速で高分解能な試料分離を実現している。
特開2001−281221号公報には、電気泳動媒体であるポリマをキャピラリに充填するためのポンプ機構が開示されている。更に、ポリマ充填のための圧力を発生させる手段として、モータの停動トルクを利用する手法が開示されている。
特開2001−324473号公報には、分析の種類や、ユーザが必要とするスループットに応じて、長さ、あるいは本数の異なるキャピラリを収容可能なオーブンを備えた電気泳動装置が開示されている。更に、このオーブンは、熱源としてペルチェ素子を用い、室温以下の温度から50℃以上の温度まで設定できる。
特開2001−324475号公報には、ユーザが交換できる形態のキャピラリアレイが開示されている。キャピラリアレイは、試料導入側端部、光学検出部、ポリマ溶液供給端部の3ヶ所で保持される構造となっている。キャピラリアレイのポリマ溶液供給端部は、電気泳動装置のポンプ機構に接続される。
特開2001−281221号公報 特開2001−324473号公報 特開2001−324475号公報
キャピラリ電気泳動装置には、キャピラリにポリマを注入するためのポリマ注入機構が設けられている。ポリマの注入を効率的に行うには、高い圧力でキャピラリにポリマを注入する必要がある。ポリマ注入機構は、耐圧性を備えているが、シール部からポリマがリークする可能性がある。
リークの有無を検出する方法として、従来、幾つかの方法が知られている。その1つとして、ポンプ注入機構にポリマの圧力と流量を監視する機能を設ける方法がある。ポリマの圧力に対してポリマの流量が予想よりも大きいときはリークが発生していると判断する。
しかしながら、ポリマの流量は、キャピラリの内径のばらつきによっても変化する。そのため、ポリマの流量の変動が、リークに起因するのか、キャピラリの内径のばらつきに起因するのかを、判断しなければならない。
他の方法として、リーク検査のときに、ポンプ注入機構からキャピラリを取り外して、代わりに流路を閉塞させるプラグを装着するという方法がある。ポンプ注入機構にプラグを取り付けた状態で加圧を行う。ポンプのプランジャの移動量を測定することによりリーク量を計測する。この方法の場合、ポンプ注入機構に圧力を監視する機能が設けられているときには、加圧した後にポンプを停止し、その後の圧力変化を観察することにより、リークを検出できる。リークがあれば、圧力は急激に減少するからである。ただし、この方法では、キャピラリをプラグに交換するという操作が必要である。
本発明の目的は、簡単な方法で且つ正確にリークの有無を検出することができるリーク検査方法を提供することにある。
本発明の電気泳動媒体のリーク検査方法によると、ポリマ注入時間と温度の関係を示すグラフを求め、そのグラフの傾斜が、大きい場合には、リーク無しと判定し、そのグラフの傾斜が、小さい場合には、リーク有りと判定する。
本発明のキャピラリ電気泳動装置には、電気泳動媒体のリーク検査方法を予め設定された時刻又は周期にて自動的に実行する機能が設けられている。
本発明によると、簡単な方法で且つ正確にリークの有無を検出することができる。
図1は、本発明によるキャピラリ電気泳動装置の例を示す図である。本例のキャピラリ電気泳動装置は、1又は複数のキャピラリを含むキャピラリ電気泳動部1、キャピラ内の電気泳動媒体によって分離された試料を光学的に検出する光学検出部2、キャピラリに電気泳動媒体である高粘性ポリマ溶液(以下、ポリマと称す)を注入するポリマ注入機構3、及び、これらを制御するプログラムを備えたコンピュータ4を有する。
キャピラリ電気泳動部1は、キャピラリアレイ110、オーブン(恒温槽)115、バッファリザーバ(バッファ容器)112、及び、高電圧電源114を有する。
キャピラリアレイ110は、1又は複数のキャピラリを含むが、ここでは、16本のキャピラリを含むものとする。キャピラリは、外径が0.1〜0.7mm、内径が0.02〜0.2mmの石英パイプであり、外被はポリイミド樹脂でコーティングされている。キャピラリアレイ110の一端は、キャピラリを束ねて接着したキャピラリヘッド203となっている。キャピラリアレイ110の他端は、ロードヘッダ202に保持されている。ロードヘッダ202はオーブン115に固定されている。
ロードヘッダ202には、管状の陰極電極204が設けられている。キャピラリは、陰極電極204を貫通して、陰極電極204の下端より突出している。こうして、キャピラリ陰極端206は、バッファリザーバ112内のバッファ溶液に漬かっている。
オーブン115はキャピラリアレイ110を収容し、キャピラリ110の温度を調節する。オーブン115の熱源にはペルチェ素子が使用され、室温より低い温度から50℃以上の高温まで温度設定が可能である。
ポリマ注入機構3は、プランジャを有するポンプ103、内部に流路を備えるブロック104、ポリマを貯蔵するポリマボトル101、及び、バッファ溶液を貯蔵するバッファ容器107を有する。バッファ容器107のバッファ溶液には、陽極電極106が漬かっている。ブロック104内の流路の内径は0.5〜2mmであり、キャピラリの内径よりも数〜数十倍大きい。これは、電気泳動の際に電圧ロスの発生を回避するためである。
ブロック104には、ポンプ103、キャピラリヘッド203、及び、2つの管104a、104bが接続されている。ポンプ103、キャピラリヘッド203、及び、2つの管104a、104bは、ブロック104の内の流路によって互いに接続されている。第1の管104aは、ブロック104とポリマボトル101内のポリマの間を接続している。第1の管104aには、逆止弁102が設けられている。第2の管104bは、ブロック104とバッファリザーバ107内のバッファ溶液の間を接続している。第2の管104bには、電動のバッファバルブ105が設けられている。
ポリマボトル101には、連続運転に必要十分な容量のポリマが貯蔵されている。ポリマボトル101からポリマを吸入してもポリマボトル内が負圧にならないように、ポリマボトル101には排気弁が設けられ、又は、チューブ挿入口に十分な隙間が設けられている。ポリマボトル101はバッファ容器107よりも低い位置に配置されている。高低差による圧力でポリマボトル101からバッファ容器107にポリマが逆流することを回避するためである。逆に、ポリマボトル101へポリマもしくはバッファ液の逆流は、逆止弁102によって阻止される。2つのバッファリザーバ112、107内のバッファ液の液面は同一の高さに保持される。
キャピラリアレイ110のキャピラリにポリマを注入するときには、電動のバッファバルブ105を閉じる。それによって、キャピラリアレイ110とバッファリザーバ107間の流路が閉鎖される。ポンプ103を駆動することによって、ポリマボトル101内のポリマをキャピラリに注入する。電気泳動を行うときには、バッファバルブ105を開き、キャピラリアレイ110とバッファリザーバ107間の流路を接続する。
光学検出部2は、光源111と光検出器108を有する。光学検出部2は、キャピラリアレイ110に設けられた検出部205に配置される。光源111は励起光としてレーザ光を発生する。検出部205では、キャピラリのコーティングが除去されており、石英パイプが露出している。光源111からの励起光は、検出部205において、キャピラリ内を電気泳動する検出対象を照射する。検出対象から蛍光が発生する。この蛍光は、光検出器108によって検出される。
電気泳動方法を説明する。図1では省略されているが、サンプルトレイやバッファ容器112を搬送するオートサンプラが備えられている。オートサンプラによって、キャピラリの陰極端206に、サンプルトレイを配置する。先ず、キャピラリの陰極端206の下に、サンプルトレイを配置し、次に、サンプルトレイを上昇させる。サンプルトレイは、多数のウエルを有しており、各ウエルには、蛍光標識されたDNA等の検査対象を含むサンプルが収納されている。キャピラリ201の陰極端206は、サンプルトレイのウエルのサンプルに漬かる。次に、陽極電極106と陰極電極204の間に高電圧電源114による数kV程度の高電圧を印加する。蛍光標識されたDNA等の検出対象物は、キャピラリの陰極端206を介してキャピラリ内に導入される。その後、キャピラリの陰極端206は、図1に示すようにバッファ容器112に浸けられる。検出対象は、キャピラリ内を移動する間に、分離される。蛍光標識された検出対象が検出部205を通過するとき、光源111からの励起光が照射される。励起光によって、検出対象は蛍光を発生する。この蛍光は、光検出器108によって検出される。
ポリマ注入機構の動作を説明する。ポンプ103において、プランジャをチャンバ内に押し込む方向をモータの正転、プランジャを引き込む方向をモータの反転として説明を行う。まず初めに、バルブ105を閉じる。次に、モータを反転する。プランジャが引き込まれ、ポンプ103のチャンバ内にポリマボトル101内のポリマは、ブロック104内の流路を経由して、ポンプ103のチャンバ内に吸入される。次に、モータを正転する。プランジャが押し込まれ、ポンプ103のチャンバ内のポリマは、ブロック104内の流路に押し込まれる。このとき、逆支弁102の作用により、ポンプ103のチャンバ内のポリマが、ポリマボトル101へ逆流することが防止される。従って、ポリマはブロック104内の流路を経由してキャピラリに流れ込み、キャピラリの陰極端206から流出する。最後に、バルブ105を開けて電気泳動に備える。
次に、キャピラリへ注入するポリマの圧力制御方法について説明する。ポリマ注入動作を効率的に行うには、ポリマの注入圧力は高いほうがよい。しかしながら、ポリマの注入圧力が高すぎると、流路系に漏れや損傷が発生する。そこで、ポリマの注入圧力は、流路系に漏れや損傷が発生しないように所望の圧力に設定される。
本発明によると、ポンプ103のプランジャを動かす動力源としてステッピングモータを使用してよい。この場合、ポリマの注入圧力の制御方法として、ステッピングモータの特性を利用した方法がある。ステッピングモータは、負荷トルクが大きくなると脱調状態になるという特性がある。これを、圧力の制御方法として利用する。即ち、モータの停動トルクを利用する。
モータが脱調状態のとき、ポンプのピストンは小刻みな振動を続けるだけで入力信号に対応する直進運動を行うことができない。つまり、ポンプからポリマが排出されない状態になる。ポリマ注入時は、(1)ポンプ内の圧力が所望の圧力まで上昇し、負荷トルクが大きくなり、モータが脱調状態になる。(2)ポリマがキャピラリに流入し、ポンプ内の圧力が下がり、モータが回転を始める。この2つの状態を繰り返して、ポリマを注入する圧力を制御する。本例では、所望の圧力のときに、モータが脱調状態になるように、モータに流す電流値を調整する。
ポンプ103の動力源としてステッピングモータの代わりに、DCモータを使用してもよい。特開2001−281221号公報には、DCモータを使用する場合のポリマ注入圧力の制御方法が開示されている。更に、他の方法として、ポリマの注入圧力を監視する機能を設ける方法がある。ポリマの圧力を監視しながらモータの回転を調節することにより、ポリマ注入圧力を一定に保持する。本発明では、ポリマの注入圧力の制御方法として、どのような方法が用いられてもよい。
コンピュータ4は、本発明による電気泳動媒体のリーク検査を行うプログラムを備えるが、リーク検査については、後に詳細に説明する。
図2を参照して、本発明によるキャピラリアレイ110の構造を説明する。キャピラリアレイ110は、1又は複数のキャピラリを含むが、ここでは、16本のキャピラリを含むものとする。キャピラリは、外径が0.1〜0.7mm、内径が0.02〜0.2mmの石英パイプであり、外被はポリイミド樹脂でコーティングされている。
キャピラリアレイ110は、ロードヘッダ202、キャピラリヘッド203、及び、検出部(ウインドウユニット)205を有する。ロードヘッダ202には、管状の陰極電極204が設けられている。キャピラリは、陰極電極204を貫通して、陰極電極204の下端より突出している。キャピラリの陰極端206は陰極電極204より露出している。キャピラリヘッド203は、キャピラリを束ねて接着したものである。
検出部205では、16本のキャピラリは平面状に並んで配列されている。検出部205は、光源からの励起光を取り入れるための開口205aと、検出対象からの蛍光を取り出すための開口205bが設けられている。
光源111からの励起光であるレーザ光は、励起光学系を経由して、検出部205の開口205aに導かれる。励起光の照射によってキャピラリ中を泳動している検査対象は蛍光を発生する。この蛍光は、開口205bを経由して光検出器108に導かれ、それによって検出される。
図3を参照して、ポリマの粘度の温度依存性を説明する。図3は、ポリマの粘度の温度依存性を示すグラフであり、縦軸は、ポリマの粘度、横軸は、ポリマの温度である。図示のように、ポリマの粘度は、温度が高くなると、小さくなる。即ち、ポリマは、温度が高くなると、流動性が高くなる。
本例では、キャピラリはオーブン115に収容されている。オーブン115の温度が高いほど、ポリマの流動性が高くなり、ポリマ注入時の流量が増える。キャピラリ中のポリマの温度は、オーブン115によって所望の値に保持される。オーブン115の温度は、ポリマ流量が一定になるように制御されている。
図4A及び図4Bを参照して、ポリマ注入時間の温度依存性を説明する。図4A及び図4Bは、ポリマ注入時間の温度依存性を示すグラフであり、縦軸は、キャピラリにポリマを注入するのに要する時間、横軸は、オーブン115の設定温度である。オーブン115の設定温度は、キャピラリ中のポリマの温度に等しいと仮定する。
図4Aの曲線は、ポリマの流路系に、リークが無い場合の、ポリマの注入時間を示すグラフであり、図4Bの曲線は、ポリマの流路系に、リークが有る場合の、ポリマの注入時間を示すグラフである。オーブン115の設定温度が高くなると、ポリマの注入時間が短くなる。これは、オーブン115の設定温度が高くなると、ポリマの粘性が低くなり、流動性が高くなるためである。
2つのグラフを比較すると、次のことが明らかになる。図4Aに示すように、リークが無い場合には、ポリマ注入時間の温度依存性は高い。即ち、オーブン115の設定温度を高くすれば、ポリマの注入時間は十分短くなる。図4Bに示すように、リークが有る場合には、ポリマ注入時間の温度依存性は低い。即ち、オーブン115の設定温度を高くしても、ポリマの注入時間は僅かしか短くならない。
キャピラリ電気泳動装置におけるポリマのリークは、通常、オーブン115の外側で起きる。リークは、ポリマ注入機構において起きる。リークは、例えば、ブロック104とポンプ103の間の接続部、ブロック104とキャピラリヘッド203の間の接続部、及び、ブロック104と2つの管の間の接続部、管と逆止弁102の間の接続部、管とバッファバルブ105の間の接続部等で起きる。リークは、特に、これらの接続部のシール部において起きる。
流路系にリークがある場合、ポンプ103が供給するポリマの総流量は、キャピラリ内に流入する流量と、リークにより流出する流量の和である。リークがオーブンの外側で起きるとき、リークにより流出するポリマの流量はポンプの圧力で決まり、オーブン115の温度に依存しない。従って、ポリマの注入時間と温度の関係は、図4Bの曲線に示すようになる。つまり、オーブン115の温度を変化させて、キャピラリ内のポリマの粘度を変化させても、リークがオーブンの外側で起きるとき、ポリマの注入時間は、大きな変化を示さない。
本発明によると、ポリマ注入時間と温度の関係を示すグラフを求め、そのグラフの傾斜が、図4Aに示すように、大きい場合には、リーク無しと判定する。そのグラフの傾斜が、図4Bに示すように、小さい場合には、リーク有りと判定する。例えば、温度がT1のときのポリマ注入時間をt1、温度がT2(>T1)のときのポリマ注入時間をt2とする。ポリマ注入時間の差をt1−t2=δtを求める。このポリマ注入時間の差δtは、グラフの傾斜を表す。そこで、このポリマ注入時間の差δtを所定の閾値と比較する。ポリマ注入時間の差δtが所定の閾値より大きい場合には、リーク無しと判定し、ポリマ注入時間の差δtが所定の閾値より小さい場合には、リーク有りと判定する。尚、ポリマ注入時間の差δtの代わりに、曲線の勾配δt/(T2−T1)=δt/δTを求めてもよい。
この閾値は次のように設定する。リーク無しが予め判っているキャピラリ電気泳動装置のポリマ注入機構を用いて、2つの温度T1、T2における注入時間t1、t2を測定し、その偏差を求める。この偏差を補正した値を閾値とする。
図5を参照して本発明によるポリマのリーク検査方法を説明する。ステップS501にて、リーク検査の対象となる電気泳動装置のオーブン115の温度を第1の温度T1に設定する。ステップS502にて、オーブン115の温度が第1の温度T1になり、安定したら所定の量のポリマ注入を行う。このとき、ポリマ注入に要した時間t1を計測し記録する。次に、ステップS503にて、オーブン115の温度を第2の温度T2に設定する。ステップS504にて、オーブン115の温度が第2の温度T2になり、安定したら所定の量のポリマ注入を行う。同様に、ポリマ注入に要した時間t2を計測し記録する。ステップS505にて、二つの注入時間の差分δt=t1−t2を計算する。ステップS506にて、二つの注入時間の差分δtが閾値より大きいか否かを判定する。差分が閾値よりも大きければステップS507にて、リーク無しと判定する。差分が閾値よりも大きくなければステップS508にて、リーク有りと判定する。
閾値の設定方法を説明する。リーク無しが予め判っている電気泳動装置を用いて、ステップS501からステップS505の処理を行う。こうして、リーク無しが予め判っている電気泳動装置において、二つの注入時間の差分δt=t1−t2を求める。この差分δtに基づいて、閾値を設定する。
図1に示すように本発明によるキャピラリ電気泳動装置には、図示しないオートサンプラが設けられているが、更に、コンピュータ4が設けられている。このコンピュータ4には、本発明の電気泳動媒体のリーク検査を、所定の時刻に、又は、所定の周期にて、自動的に実行するためのプログラムが装填されている。
このプログラムは、予め設定された時刻又は周期になると、リーク検査を開始する。プログラムは、先ず、オーブン115に設けられた温度調節装置に、オーブンの温度を第1の温度T1に設定する命令を供給する。次に、ポリマ注入機構に、所定の量のポリマを供給するように命令を供給する。次に、ポリマ注入時間を計測する。プログラムは、更に、オーブン115に設けられた温度調節装置に、オーブンの温度を第2の温度T2に設定する命令を供給し、次に、ポリマ注入機構に、所定の量のポリマを供給するように命令を供給する。次に、ポリマ注入時間を計測する。プログラムは、2つのポリマ注入時間の差を演算し、それを所定の閾値と比較する。それによって、リークの有無を判定する。判定結果は、表示装置に表示する。
本発明のリーク検査方法は、手間がかからないのが利点の一つである。従って、リーク検査の頻度を増加しても、ユーザの負担が急激に増えることはない。ユーザが定期的にリーク検査を実施しても大きな負担にはならない。リーク検査を定期的に実施することで、データの信頼性が向上する。
リーク検査を行うタイミングは、例えば、その日の分析を開始する前に、毎朝一回やることにしてもよい。あるいは、週に1回や月に1回など、定期的にリーク検査を行ってもよい。
以上本発明の例を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に容易に理解されよう。
本発明によるキャピラリ電気泳動装置の基本的構成を示す図である。 キャピラリアレイの基本的構成を示す図である。 温度とポリマ粘度の関係の例を示す図である。 オーブンの設定温度と注入時間の関係の例を示す図である。 リーク検査の手順を示す流れ図である。
符号の説明
101…ポリマボトル、102…逆止弁、103…ポンプ、104…ブロック、105…バッファバルブ、106…電極、107…バッファ容器、108…光検出器、110…キャピラリアレイ、111…光源、112…バッファ容器、113…電極、114…高電圧電源、115…オーブン、201…キャピラリ、202…ロードヘッダ、203…キャピラリヘッド、204…電極、205…検出部、205a、205b…開口

Claims (12)

  1. キャピラリの温度を一定に保持するオーブンと、キャピラリに電気泳動媒体を注入するポリマ注入機構と、を有するキャピラリ電気泳動装置における電気泳動媒体のリーク検査方法において、
    前記オーブンの温度を第1の温度T1に設定する第1の温度設定ステップと、
    前記キャピラリに所定の量のポリマ注入を行い、該ポリマ注入に要した時間t1を計測する第1の時間計測ステップと、
    前記オーブンの温度を第2の温度T2に設定する第2の温度設定ステップと、
    前記キャピラリに所定の量のポリマ注入を行い、該ポリマ注入に要した時間t2を計測する第2の時間計測ステップと、
    前記二つの注入時間の差分δt=t2−t1を計算する時間の差分計測ステップと、
    前記二つの注入時間の差分δtに基づいて、前記ポリマ注入機構にリークが有るか否かを判定する判定ステップと、
    を含む電気泳動媒体のリーク検査方法。
  2. 請求項1記載の電気泳動媒体のリーク検査方法において、
    前記判定ステップは、前記二つの注入時間の差分δtを予め設定した閾値と比較し、前記差分δtが前記閾値より大きいとき、前記ポリマ注入機構にリークが無いと判定し、前記差分δtが前記閾値より大きくないとき、前記ポリマ注入機構にリークが有ると判定することを特徴とする電気泳動媒体のリーク検査方法。
  3. 請求項2記載の電気泳動媒体のリーク検査方法において、
    前記閾値は、ポリマ注入機構にリークが無いキャピラリ電気泳動装置を用いて、ポリマ注入を行うことによって設定したことを特徴とする電気泳動媒体のリーク検査方法。
  4. 請求項2記載の電気泳動媒体のリーク検査方法において、
    前記閾値は、ポリマ注入機構にリークが無いキャピラリ電気泳動装置を用いて、請求項1の第1の温度設定ステップ、第1の時間計測ステップ、第2の温度設定ステップ、第2の時間計測ステップ、及び、差分計測ステップを実行することによって得られた、二つの注入時間の差分δtに基づいて、設定することを特徴とする電気泳動媒体のリーク検査方法。
  5. 請求項1記載の電気泳動媒体のリーク検査方法において、
    前記二つの温度の差分δT=T2−T1を計算する温度の差分計測ステップと、
    を有し、
    前記判定ステップは、前記二つの温度の差分δTに対する前記二つの注入時間の差分δtの比δt/δTに基づいて、前記ポリマ注入機構にリークが有るか否かを判定することを特徴とする電気泳動媒体のリーク検査方法。
  6. 1又は複数のキャピラリを含むキャピラリアレイと、該キャピラリアレイを一定の温度に保持するオーブンと、前記キャピラリに電気泳動媒体を注入する注入機構と、前記キャピラ内の電気泳動媒体によって分離された試料を光学的に検出する光学検出部と、前記注入機構及び前記オーブンの温度を制御するコンピュータと、を有するキャピラリ電気泳動装置において、
    前記コンピュータは、
    前記オーブンの温度を第1の温度T1に設定する第1の温度設定ステップと、
    前記キャピラリに所定の量のポリマ注入を行い、該ポリマ注入に要した時間t1を計測する第1の時間計測ステップと、
    前記オーブンの温度を第2の温度T2に設定する第2の温度設定ステップと、
    前記キャピラリに所定の量のポリマ注入を行い、該ポリマ注入に要した時間t2を計測する第2の時間計測ステップと、
    前記二つの注入時間の差分δt=t2−t1を計算する時間の差分計測ステップと、
    前記二つの注入時間の差分δtに基づいて、前記ポリマ注入機構にリークが有るか否かを判定する判定ステップと、
    を含む電気泳動媒体のリーク検査を実行するためのプログラムを有することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  7. 請求項6記載のキャピラリ電気泳動装置において、前記プログラムは、予め設定された時刻又は周期にて前記電気泳動媒体のリーク検査を実行することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  8. 請求項6記載のキャピラリ電気泳動装置において、
    前記判定ステップは、前記二つの注入時間の差分δtを予め設定した閾値と比較し、前記差分δtが前記閾値より大きいとき、前記ポリマ注入機構にリークが無いと判定し、前記差分δtが前記閾値より大きくないとき、前記ポリマ注入機構にリークが有ると判定することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  9. 請求項8記載のキャピラリ電気泳動装置において、
    前記閾値は、ポリマ注入機構にリークが無いキャピラリ電気泳動装置を用いて、ポリマ注入を行うことによって設定したことを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  10. 請求項8記載のキャピラリ電気泳動装置において、
    前記閾値は、ポリマ注入機構にリークが無いキャピラリ電気泳動装置を用いて、請求項1の第1の温度設定ステップ、第1の時間計測ステップ、第2の温度設定ステップ、第2の時間計測ステップ、及び、差分計測ステップを実行することによって得られた、二つの注入時間の差分δtに基づいて、設定することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  11. 請求項6記載のキャピラリ電気泳動装置において、
    前記二つの温度の差分δT=T2−T1を計算する温度の差分計測ステップと、
    を有し、
    前記判定ステップは、前記二つの温度の差分δTに対する前記二つの注入時間の差分δtの比δt/δTに基づいて、前記ポリマ注入機構にリークが有るか否かを判定することを特徴とするキャピラリ電気泳動装置。
  12. 請求項1から5のいずれか1項記載の電気泳動媒体のリーク検査方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータによって読み取り可能なプログラム。
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