JP4992746B2 - 薄膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜形成方法に関する。
近年、液滴吐出法を用いた成膜技術が注目されている。液滴吐出法によれば、膜の形成材料を含んだ微小な液状体を所望の位置に配置することが可能である。これにより、微細な膜パターンを形成することができ、フォトリソグラフィ法を用いる場合よりもパターニングが容易化される。また、膜の形成材料のムダを少なくできるので、製造コストを低くすることができる。
液滴吐出法に用いられる液滴吐出ヘッドは、例えばY方向に並んだ多数の吐出ユニットを備えている。各吐出ユニットは、液状体の貯留部、ノズル、液状体を加圧しノズルから押し出すピエゾ素子等を備えている。このような液滴吐出ヘッドで成膜面上をX方向に走査しつつ、吐出ユニットから液状体を吐出させて液状体を配置している。
液滴吐出ヘッドにあっては、複数の吐出ユニットにおける液状体の吐出量を均一にすることが重要である。吐出量にばらつきを生じているとY方向に膜厚のばらつきを生じてしまうからである。例えば、画像表示装置のカラーフィルタに膜厚ばらつきを生じると、これがX方向に沿うスジ(スジムラ)として視認され、表示品質が損なわれてしまう。
吐出量のバラつきを小さくする方法としては、各吐出ユニットの吐出量を制御する方法が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、液滴の吐出量が設定値と大きく異なる吐出ユニットの吐出動作を規制して、吐出量のばらつきを小さくしている。このような技術を適用する上で、各吐出ユニットの吐出量を正確に知ることは極めて重要である。吐出量が設定値に対してどの程度異なっているかを知ることで、吐出量の制御を良好に行うことが可能となるためである。
特開2003−159787号公報
吐出量を測定する方法としては、検査用基板上に液滴吐出ヘッドを用いて液状体を配置した後に、配置された液状体の体積を光干渉法等で測定する方法が挙げられる。しかしながら、このような方法によっても、正確かつ効率的に吐出量を測定できないおそれがある。これは以下のような理由による。
液滴吐出ヘッドは多数の吐出ユニットを備えており、各々の吐出量を独立したプロセスで測定することは、多大な労力や時間を要するため現実的ではない。そこで、複数の吐出ユニットの各々に対応させて検査用基板上の複数箇所に液状体を配置した後、各々の体積を一括してあるいは並行して測定する方法が考えられる。ところが、配置された液状体に含まれる溶媒の揮発速度が、配置位置によって異なることがある。すると、乾燥の程度が配置位置によって異なってしまい、これが測定結果に影響してしまう。また、1箇所に配置された液状体についても、その乾燥の程度が部分的に異なってしまうことがある。すると、その形状が非対称になり、光干渉法による測定精度が低下してしまう。
本発明は、前記事情に鑑み成されたものであって、吐出ユニットの吐出量を効率的にかつ高精度で測定可能とし、良好な薄膜が得られる形成方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の薄膜形成方法は、薄膜の形成材料及び溶媒を含んだ液状体を吐出する複数の吐出ユニットを備えた液滴吐出装置を用いて薄膜を形成する薄膜形成方法であって、前記複数の吐出ユニットのうちの2以上を所定の駆動信号で駆動して前記液状体を吐出させ、吐出された液状体の各々の吐出量を検査する検査工程と、前記検査工程の検査結果に基づいて、前記所定の駆動信号を調整する調整工程と、前記調整工程で調整した駆動信号を用いて前記複数の吐出ユニットを駆動して前記液状体を配置し、該液状体を固化して薄膜を形成する薄膜形成工程と、を有し、前記検査工程は、検査用基板の検査領域に前記液状体を配置するとともに、前記検査用基板の前記検査領域を囲むダミー検査領域に前記溶媒を含んだダミー液状体を配置する配置処理と、該配置処理で配置された前記液状体の体積を測定する測定処理と、を含み前記配置処理では、配置する前記液状体の体積の最大値以上の前記ダミー液状体を配置することを特徴とする
このようにすれば、配置処理で検査領域のいずれの位置に配置された液状体の周辺にも、液状体又はダミー液状体が同様に配置されるようになる。したがって、液状体あるいはダミー液状体の溶媒が揮発した成分(以下、揮発成分と称す)の濃度の検査領域における空間分布が均一化され、検査領域において溶媒の揮発速度が均一になる。よって、液状体の乾燥の程度が、複数の配置位置で均一となるとともに、各配置位置における液状体で均一となり、測定処理において液状体の体積を正確に測定することが可能になる。これにより、調整工程では吐出量を良好に調整することが可能となり、複数の吐出ユニットにおける吐出量を均一にすることができる。また、複数の吐出ユニットにおける吐出量を1つのプロセスで高精度に測定することができるので、吐出ユニットごとに独立して配置・測定する場合よりも格段に効率よく計測することができる。以上のように、本発明によれば、膜厚が均一な薄膜を効率的に形成することが可能になる。
なお、ここで言う体積の測定とは、直接的な体積の測定の他に、測定した寸法に基づいて体積を算出する間接的な測定や、これに加えて算出した体積に揮発による体積減少分を補正することも含まれる。
また、前記配置処理では、配置する前記液状体の体積の最大値以上の前記ダミー液状体を配置することが好ましい。
このようにすれば、ダミー液状体の溶媒が、液状体の溶媒よりも先に完全に揮発することがなくなる。したがって、ダミー液状体を良好に機能させることができ、液状体の体積を正確に測定することが可能になる。
また、前記配置処理では、前記液状体を等間隔で配置するとともに、前記液状体の間隔と、前記液状体及び前記ダミー液状体の間隔と、が等しくなるように、前記液状体及び前記ダミー液状体を配置することが好ましい。
このようにすれば、揮発成分の濃度の空間分布がさらに均一化されるので、測定処理における液状体の体積の測定精度を向上させることができる。
また、前記ダミー検査領域が、前記検査領域を囲む主ダミー検査領域と、この主ダミー検査領域を囲む副ダミー検査領域と、からなり、前記配置処理では、前記主ダミー検査領域及び前記副ダミー検査領域に前記ダミー液状体を配置することが好ましい。
このようにすれば、主ダミー検査領域のダミー液状体の周辺には、副ダミー検査領域のダミー液状体が配置されるようになる。したがって、主ダミー検査領域において揮発成分の濃度の空間分布が均一化され、主ダミー検査領域における溶媒の揮発速度が均一化される。よって、主ダミー検査領域と隣接する部分の検査領域において、揮発成分の濃度の空間分布が均一化され、検査領域において溶媒の揮発速度が均一化される。これにより、測定処理における測定精度を向上させることができる。
また、前記測定処理では、光干渉法を用いて前記液状体の体積を測定することが好ましい。
前記のように本発明によれば、各配置位置における液状体で溶媒の揮発速度が均一となるので、配置面を平面視した状態で液状体は点対称の形状になる。したがって、光干渉法を用いた場合に、形状崩れに起因して精度低下を生じることが防止され、液状体の体積を正確に測定することが可能になる。また、光干渉法によれば、液状体の重量を測定するよりも、計測精度の向上や計測装置の低コスト化が図られる。
また、前記薄膜形成工程では、前記複数の吐出ユニットを選択的に動作させる吐出動作パターンで前記液状体を配置し、前記検査工程の配置処理では、前記薄膜形成工程での吐出動作パターンに基づいて前記液状体を配置することが好ましい。
このようにすれば、選択的に液状体を配置することができるので、薄膜パターンを形成することが可能になる。したがって、フォトリソグラフィ法及びエッチング法等を用いて薄膜パターンを形成する場合よりも、形成材料のムダを少なくすることができるとともにプロセスの低コスト化が図られる。一方、吐出動作パターンを異ならせると、吐出量が変化してしまうおそれがある。
前記の方法のように、薄膜形成工程で用いる吐出動作パターンに基づいて検査工程の配置処理で液状体を配置すれば、吐出動作パターンに応じた吐出量を測定することができ、薄膜形成工程で膜厚が均一な薄膜パターンを形成することが可能になる。なお、ここでいう吐出動作パターンとは、吐出動作させるタイミングあるいは位置と、吐出動作させる吐出ユニットとを対応させた組合せのことである。
以下、本発明の一実施形態を説明するが、本発明の技術範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以降の説明では図面を用いて各種の構造を例示するが、構造の特徴的な部分を見やすくするために、構造の寸法や縮尺を実際の構造と適宜異ならせて図示する。なお。本実施形態の薄膜形成方法の説明に先立ち、まず液滴吐出装置の構成例を説明する。本例の液滴吐出装置は、カラーフィルタ材料と溶媒とを含んだ液状体を選択的に吐出し、これを固化してカラーフィルタ層の色材部を形成する装置である。ここでは、赤・緑・青のそれぞれに対応した3種類の液状体を吐出させる。
[液滴吐出装置]
図1は、本例の液滴吐出装置100の構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、液滴吐出装置100は、支持台110上に設けられたワークステージ120と、ワークステージ120よりも高い位置に設けられた液滴吐出ヘッド140と、を備えている。
以下、図1に示したXYZ直交座標系に基づいて説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がワークステージ120に対して平行となるよう設定し、Z軸がワークステージ120に対して直交する方向に設定する。実際には、XY平面が水平面に平行な面に設定されており、Z軸が鉛直方向に設定されている。
ワークステージ120は、その上面に被処理基板Pを載置可能になっている。また、真空吸着装置(図示略)等を備えており、載置された被処理基板Pを着脱可能に固定することができる。ワークステージ120には、ステージ移動機構125が設けられている。ステージ移動装置125は、ボールネジまたはリニアガイド等の軸受け機構を備え、制御装置160から入力される制御信号に基づいて、ワークステージ120をX方向に移動させる。これにより、被処理基板PをX方向の所定の位置に移動させることができるようになっている。
本例の液滴吐出装置100は、3種類(赤・緑・青)のカラーフィルタ材料の各々に対応して、3つの液滴吐出ヘッド140を備えている。3つの液滴吐出ヘッド140は、いずれもキャリッジ130に取付けられており、キャリッジ130には、キャリッジ移動装置135が設けられている。キャリッジ移動装置135は、制御装置160から入力される制御信号に基づいて、キャリッジ130をY方向やZ方向に移動させる。これにより、液滴吐出ヘッド140をY方向やZ方向の所定の位置に移動させることができるようになっている。
各液滴吐出ヘッド140は、多数の吐出ユニットを備えている。各吐出ユニットは、制御装置160からの描画データや制御信号に基づいて、液状体を吐出する。3種類のカラーフィルタ材料に対応した3種類の液状体は、それぞれタンク150A、150B、150Cに貯留されている。貯留された液状体は、その種類ごとにチューブ群155を通って、対応する液滴吐出ヘッド140に供給される。
図2(a)〜(c)は、液滴吐出ヘッド140の構成を示す図である。図2(a)は各吐出ユニットに設けられたノズルの平面配置図、図2(b)は液滴吐出ヘッド140の要部を示す分解斜視図、図2(c)は吐出ユニットのX方向に垂直な断面図である。なお、3つの液滴吐出ヘッド140はいずれも同様の構成となっており、ここではその一つについて説明する。
図2(a)に示すように、本例の液滴吐出ヘッド140は、Y方向に並んだ180個の吐出ユニットU〜U180を備えており、吐出ユニットU〜U180の各々に対応してノズルN〜N180が設けられている。図2(b)に示すように、液滴吐出ヘッド140は、互いに離間して設けられた振動板141及びノズルプレート142と、これらの間を区画して設けられた隔壁144とを備えている。隔壁144に区画された空間は、キャビティ145となっており、一つのキャビティ145が一つの吐出ユニットに対応している。吐出ユニットU〜U180の各々に対応して、ノズルプレート142にはノズルN〜N180が設けられており、振動板141には圧電素子(駆動素子)PZ〜PZ180が設けられている。圧電素子PZ〜PZ180は、例えばピエゾ素子等である。
複数のキャビティ145は、各々に対応した供給孔145aを介して、共通の液溜まり143に通じている。振動板141には、液溜まり143に対応させて導入口141aが設けられており、導入口141aにはチューブ群155のうちの一つが接続されている。このような構成により、接続されたチューブから供給される液状体は、導入口141aを通って液溜り143に貯留され、さらに供給孔145aを通って各キャビティ145に充填されるようになっている。
図2(c)に示すように、圧電素子PZは、圧電材料146と、これを挟持する一対の電極147を備えている。また、圧電素子PZ〜PZ180に駆動信号を供給するための駆動回路基板(後述する)が、液滴吐出ヘッド140に対応して設けられている。この駆動回路基板は、制御装置160に接続されており、制御装置160から入力される描画データや制御信号に基づいて、実際に圧電素子PZ〜PZ180に供給する駆動電圧波形の選択、駆動信号の生成、吐出タイミングの制御等を行う。
駆動回路基板により駆動信号が供給されると、一対の電極147間に電圧が印加され、その電圧値に応じたひずみ量だけ圧電材料146が収縮する。すると、圧電素子PZの配置部分における振動板141は、圧電素子PZと一体に外側(キャビティ145の反対側)へ撓曲する。これにより、キャビティ145の容積が増大し、増大した容積分の液状体が液溜まり143からキャビティ145に流入する。
そして、一対の電極147間における電圧の印加が停止されると、圧電素子PZ及び振動板141はともに元の形状に戻り、キャビティ145が元の容積に戻る。すると、キャビティ145内の液状体の圧力が上昇し、ノズルNから被処理基板Pに向けて液状体の液滴Lが吐出される。液状体の吐出量、すなわち液滴Lの体積はキャビティ145の容積変化量に基づいており、一対の電極147間に印加される電圧値により調整可能になっている。
図3は、液滴吐出ヘッド140及び駆動回路基板200の回路構成を示す模式図である。図3に示すように、駆動回路基板200は、インターフェース210、描画データメモリ220、波形選択回路230、及び第1〜4のD/Aコンバータ240A〜240Dを備えている。また、液滴吐出ヘッド140は、COM選択回路170、スイッチング回路180、及び圧電素子PZ〜PZ180からなる圧電素子群190を備えている。
インターフェース210は、制御装置160(図1参照)にPCIバス等(図示略)で接続されている。制御装置160は、吐出データSIA及びCOM選択データSIBが含まれる描画データSIや、回路を駆動・制御するクロック信号やラッチ信号等の各種の制御信号等を出力する。描画データSI及び各種の制御信号は、描画データメモリ220に書き込まれる。描画データメモリ220は、例えば32ビットのSRAMである。
吐出データSIAは、吐出動作パターンを規定するデータである。すなわち、液滴吐出ヘッド140の位置に応じて、吐出ユニットU〜U180の各々に駆動信号を供給するか否かを規定するデータである。例えば、形成する薄膜パターンをマトリクス状に区分し、区分された各ビットにおける吐出動作のオンオフを2値データでマッピングしたビットマップデータとなっている。
COM選択データSIBは、各吐出ユニット用の駆動信号を規定するデータである。ここでは、各吐出ユニット用に4種類の駆動信号COM1〜COM4から1つを選択するようになっている。COM選択データSIBには、駆動信号COM1〜COM4の波形を規定する駆動波形番号データWNと、各吐出ユニット用に駆動信号COM1〜4のいずれを選択するかを規定するデータが含まれている。
描画データメモリ220は、各種の制御信号によるデータ読出しの要求に応じて、吐出データSIAをシリアルデータとして液滴吐出ヘッド140のスイッチング回路180に出力し、COM選択データSIBをシリアルデータとして液滴吐出ヘッド140のCOM選択回路170に出力する。駆動波形番号データWNは、波形選択回路230に出力される。
波形選択回路230は、予め記憶されている波形データ(例えば64種類)から駆動波形番号データWNが指定する波形データを読出し、これを吐出データSIAに対応するアドレスに記憶する。また、各種の制御信号によるデータ読出しの要求に応じて、指定されるアドレスに記憶されている駆動波形データを各D/Aコンバータに出力する。
第1のD/Aコンバータ240Aは、各種の制御信号に同期して波形選択回路230から入力される駆動波形データを保持する。また、この駆動波形データをアナログ変換して駆動信号COM1を生成し、液滴吐出ヘッド140のCOM選択回路170に出力する。以下同様に、第2のD/Aコンバータ240Bは駆動信号COM2を、第3のD/Aコンバータ240Cは制御信号COM3を、第4のD/Aコンバータ240Dは駆動信号COM4を生成して、それぞれCOM選択回路170に出力する。
COM選択回路170は、各種の制御信号により制御されCOM選択データSIBに基づいて、各吐出ユニットにおける圧電素子用の駆動信号V〜V180の各々をスイッチング回路180に出力する。また、スイッチング回路180は、各種の制御信号により制御され、吐出データSIAに基づいて駆動信号V〜V180を吐出ユニットごとにオンオフする。これにより、各吐出ユニットに対応して設けられた圧電素子PZ〜PZ180のうち、所定の圧電素子に所定の駆動信号が供給される。駆動信号が供給された圧電素子は、前記のように一対の電極147間に印加された電圧値に応じた吐出量の液状体を吐出するようになっている。
[液滴吐出装置の使用方法]
次に、図1を参照しつつ前記の液滴吐出装置100の使用方法を説明する。ワークステージ120の上面に、搬送装置等(図示略)により運ばれた被処理基板Pを載置し、前記真空吸着装置等によりここに着脱可能に固定する。そして、ステージ移動機構125によりワークステージ120を移動させるともに、キャリッジ移動装置135により液滴吐出ヘッド140を移動させて、被処理基板Pと液滴吐出ヘッド140との相対位置を調整する。また、所定の相対位置で液滴吐出ヘッド140に吐出動作させることにより、液状体を配置する。
本例では、複数回数のスキャンにより1回のパスを行い、複数回数のパスにより所定量の液状体を配置する。ここでいうスキャン、パスは以下のような動作のことである。所定のタイミングで吐出ユニットU〜U180から選択される吐出ユニットに吐出動作させることにより、被処理基板PのY方向における所定の幅にわたって列状に液状体が配置される。また、被処理基板PをX方向の所定位置に移動させつつ、選択される吐出ユニットの組合せを適宜変更して吐出動作を繰り返すことにより、Y方向に沿って配置された液状体複数の列が、X方向に並ぶ配列が得られる。これが1回のスキャンに相当し、ここでは1回のスキャンに1種類の吐出動作パターンを対応させている。
次いで、液滴吐出ヘッド140をY方向に移動させて、先ほどのスキャンとY方向の位置を異ならせて2回目のスキャンを行う。このようなスキャンを複数回数行うことにより、被処理基板Pにおける成膜領域全体にわたって、液状体を配置する。これが1回のパスに相当する。これのようなパスを複数回数行うことにより、所定量の液状体を配置する。例えば、3回のスキャンで1回のパスを行い、8回のパスで所定量の液状体を配置する場合には、合計24回のスキャンを行うため、吐出動作パターンは最大24種類になる。
なお、パスごとに吐出動作パターンを異ならせて、複数の吐出ユニットにより1箇所に液状体を重ねて配置することもできる。これにより、配置される液状体の体積を平均化(誤差分散)することができ、後述する吐出量のばらつきを少なくすることができる。
一般に、液滴吐出ヘッドは、複数の吐出ユニットの特性が同じになるように設計されている。しかしながら、加工誤差等によるキャビティの容積ばらつきや圧電素子の特性ばらつき等により、実際には、同じ電圧値で吐出動作させても複数の吐出ユニットでの吐出量にばらつきを生じてしまう。また、使用する吐出ユニットの組合せにより設定値に対する吐出量が変化して、吐出量のばらつきを生じてしまうこともある。例えば、1つの吐出ユニットに着目すると、その近隣の吐出ユニットを動作させた場合と動作させない場合とで、吐出量が変化してしまう場合がある。その理由としては、液溜まり等を介した圧力の伝播が変化すること等が考えられる。以上のような吐出量のばらつきを生じると、形成した薄膜に膜厚ムラを生じてしまう。このような不都合は、電気機械変換式、帯電制御方式、加圧振動方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等のいずれの吐出技術を用いた液滴吐出ヘッドにあっても、同様に生じてしまう。
本例の液滴吐出装置100のように、各吐出ユニット用に駆動信号を選択して供給することが可能になっていれば、駆動信号により各吐出ユニットの吐出量を調整することができので、複数の吐出ユニットでの吐出量のばらつきを小さくすることが可能になる。吐出量の調整を適切に行う観点から、吐出動作パターンに対応した各吐出ユニットの吐出量を正確に知ることが重要であることは言うまでもない。そこで、以下の実施形態では、吐出動作パターンに対応した各吐出ユニットの吐出量を高精度に測定し、この測定結果に基づいて駆動信号を調整した後に、薄膜を形成する。以下、本発明に係る薄膜形成方法の一実施形態を説明する。
[薄膜形成方法]
図4(a)〜(c)は、本実施形態の薄膜形成方法のうち検査工程の配置処理を模式的に示す工程図であり、液状体の配置面を平面視した図で示している。なお、本実施形態は、本発明の薄膜形成方法をカラーフィルタ層の形成に適用した例である。
まず、図4(a)に示すように、検査用基板300を用意する。本実施形態では、後に光干渉法を用いて吐出量を測定する。光干渉法を用いる場合には、検査用基板300と液状体との接触角により、その測定精度が変化してしまう。例えば接触角が50°未満であると、液状体が薄く濡れ広がってしまう。すると、配置された液状体は、その輪郭が不明瞭となるとともにその厚さの変化量が小さくなり、測定精度が低くなってしまう。例えば、接触角が70°より大きく90°未満であると、配置された液状体の端部における厚さの変化量が大きくなり、干渉縞の間隔が狭くなるため、測定精度が低くなってしまう。例えば、接触角が90°以上であると、配置された液状体の端部の底面側が配置面上方の光源から陰となるため、この部分を計測することができなくなる。
以上の理由から、本実施形態では、液状体との接触角が50°以上70°以下になるように、検査用基板300を選択する。例えば、検査用基板の材質を選択すればよく、撥液・親液処理等により接触角を調整してもよい。ここでは、平面視略長方形の検査用基板300を採用し、その長辺方向をY方向とし、短辺方向をX方向とする。X方向及びY方向は、図1に示したXYZ直交座標系と対応している。
また、検査用基板300において、後に液状体を配置する部分を検査領域とし、検査領域を囲む部分をダミー検査領域とする。ここでは、検査用基板300の中央部における平面視略長方形の部分を検査領域A1、検査領域A1を枠状に囲む部分を主ダミー検査領域(ダミー検査領域)A2、主ダミー検査領域A2を枠状に囲む部分を副ダミー検査領域(ダミー検査領域)A3、とする。
次いで、図4(b)に示すように、主ダミー検査領域A2にダミー液状体310aを配置するとともに、副ダミー検査領域A3にダミー液状体310bを配置する。ダミー液状体310a、310bは、前記液状体の少なくとも溶媒を含むものである。本実施形態では、前記液滴吐出装置100を用いて、液状体と同じ溶液の液滴を配置し、これをダミー液状体310a、310bとする。ダミー液状体310a、310bの体積としては、後に配置する液状体の各々の体積の最大値以上とする。また、ダミー液状体310a、310bの間隔は、X方向に沿う部分、及びY方向に沿う部分で、ともにノズルピッチと同程度とする。
次いで、図4(c)に示すように、検査領域A1に液滴吐出装置100を用いて液状体320を配置する。例えば、後の薄膜形成工程で用いる吐出動作パターンをそのまま用いることや、吐出動作させる吐出ユニット数と吐出動作させない吐出ユニット数との比であるノズルデューティを吐出動作パターンと同程度にすること、各吐出ユニットに吐出動作させる回数(ショット数)を吐出動作パターンと同程度にすること等により、吐出動作パターンに基づいて液状体320を配置することができる。なお、後の薄膜形成工程で用いる吐出動作パターンが複数種類ある場合には、1又は2以上を選択して配置処理を行うことができる。
ここでは、吐出動作パターンを前記ショット数で代表させ、後の薄膜形成工程で用いる全種類の吐出動作パターンの各々に対応させて配置処理を行う。詳細は後述するが、本実施形態では薄膜形成工程において3回のスキャンで1回のパスを行い、8回のパスで所定量の液状体を配置する。したがって、薄膜形成工程におけるスキャンは合計24回となり、各スキャンに対応して吐出動作パターンは24種類となる。まず、この24種類から選択される第1の吐出動作パターンに基づいて、Y方向に沿う列状に液状体320をノズルピッチと同程度の間隔で配置する。また、液状体320と、主ダミー検査領域A2に配置したダミー液状体310aとの間隔が、X方向において及びY方向においてノズルピッチと同程度になるように、液状体320を配置する。
なお、第1の吐出動作パターンにおける各吐出ユニットのショット数を所定の倍率で大きくすれば、配置される液状体320の体積が大きくなり、後の測定処理における測定精度を高めることができる。この場合には、測定された体積を前記所定の倍率及びショット数で割ることにより、各吐出ユニットの1回あたりの吐出量を算出することができる。
次いで、X方向に検査用基板300をノズルピッチ程度だけ移動させた後、前記24種類から選択され、かつ前記第1の吐出動作パターンと異なる第2の吐出動作パターンに基づいて液状体320を配置する。以下同様に、液滴吐出ヘッド140の移動、吐出動作パターンの変更、液状体320の配置を順に繰り返すことにより液状体320を配置する。これにより、液状体320が吐出動作パターンごとにY方向に沿って列状に配置されるとともに、このような列が24種類の吐出動作パターンに対応してX方向に並んだ二次元配列が得られる。この二次元配列の周縁に配置された液状体320は、主ダミー検査領域A2に配置されたダミー液状体310aとの間隔が、X方向において及びY方向において、等間隔(ここでは、ノズルピッチ程度)となっている。
また、主ダミー検査領域A2にダミー液状体310aを配置しているので、配置されたいずれの液状体320の周辺にも同様に、液状体320又はダミー液状体310aが配置されている。例えば、検査領域A1の角に配置された液状体320の周辺には、3つの液状体320、及び5つのダミー液状体310aが配置されている。検査領域A1の角を除いた周縁には、配置された液状体320の周辺には、5つの液状体320、及び3つのダミー液状体310aが配置されている。検査領域A1の周縁より内側(中央側)に配置され液状体320の周辺には、8つの液状体320が配置されている。
このように本実施形態では、液状体320の周辺には、その配置位置によらず、液状体320又はダミー液状体310aが合計8つ配置されている。
次いで、検査用基板300に配置された液状体320の各々の体積を測定する(測定処理)。吐出量の評価方法としては、その重さを測定する方法やその体積を測定する方法が考えられる。各吐出ユニットの吐出量は微小であり、その重さを個別に測定することは、測定精度や作業効率の観点から困難である。本発明では、体積を測定する方法を採用することにより、重さを測定するよりも吐出量の高精度な評価を可能にしている。本実施形態では、体積の測定方法として垂直走査方式の白色光干渉法を用いる。
図5は、走査型白色干渉計400で体積を測定する方法を示す説明図である。ここでは、走査型白色干渉計400として、Zygo社製の非接触3次元表面形状・粗さ測定機器 NewView6300(商品名)を用いる。走査型白色干渉計400は、ミラウ型であるが、マイケルソン型、リニーク型を用いてもよい。
図5に示すように、走査型白色干渉計400は、白色光の照射側と測定対象物(ここでは液状体320)との間に配置されて用いられる。走査型白色干渉計400は、白色光の照射側から順に配置される、対物レンズ410、反射鏡430、及びビームスプリッタ420を備えている。ビームスプリッタ420及び反射鏡430は、所定の間隔W2で配置されており、光干渉レンズ440を構成している。光干渉レンズ440は、位置調節機構(図示略)により光軸方向に微小移動させることが可能になっている。すなわち、光干渉レンズ440と測定対象物との距離W1が調整可能になっている。
このような構成により、白色光の照射側からの平行光は、対物レンズ410により集束される。集束光の一部はビームスプリッタ420に反射されて参照光L1となり、残りの集束光はビームスプリッタ420を透過して測定光L2となる。参照光L1は反射鏡430により反射され、ビームスプリッタ420側に進行した後、ビームスプリッタ420に再度反射される。また、測定光L2は液状体320の表面で反射され、ビームスプリッタ420側に進行し、ビームスプリッタ420を透過する。このようにして、参照光L1と測定光L2とが重ね合わされて干渉光となり、これが白色光の照射側に出射される。
干渉光の強度は、参照光L1と測定光L2との光路差がない場合に最大となる。したがって、干渉光の強度が最大となる光干渉レンズ440の位置を求めることにより、測定光L2が照射された位置(測定位置)における測定対象物と光干渉レンズ440との距離が得られる。この距離と、光干渉レンズ440と検査用基板300との距離と、を比較することにより、測定位置における測定対象物の厚さが求まる。これにより、測定対象物の形状データが求まり、測定対象物の体積が得られる。
以上のような白色光干渉法により、検査用基板300に配置された液状体320の体積を測定する(測定処理)。体積の測定は、液状体320を配置した直後、液状体320が乾燥する過程、あるいは液状体320が乾燥した後、いずれのタイミングで行ってもよい。ここでは、液状体320の乾燥後に測定処理を行う。
図6(a)〜(c)は、本実施形態の薄膜形成方法のうち検査工程の測定処理を模式的に示す工程図であり、図4(c)に示したVI−VI’線に沿う断面図で示している。
図6(a)に示すように、検査用基板300に配置された液状体320、及びダミー液状体310a、310bは、時間経過とともにその溶媒が揮発する。雰囲気中での揮発成分の濃度が高いほど溶媒の揮発速度が低く、揮発成分の濃度は、液状体320、及びダミー液状体310a、310bが密に配置されている部分に対応して高くなる。すなわち、検査領域A1及び主ダミー検査領域A2では、液状体320又はダミー液状体310aが均一に配置されているので、揮発成分の濃度がほぼ均一となり、溶媒の揮発速度が均一になる。また、副ダミー検査領域A3では、その内側(主ダミー検査領域A2側)から外側に向うにつれて揮発成分の濃度が低くなり、内側から外側に向うにつれて揮発速度が高くなる。
そして、図6(b)に示すように溶媒の揮発が進むと、検査領域A1及び主ダミー検査領域A2では、液状体320及びダミー液状体310aは、いずれの配置位置でも溶媒が均一に揮発するので、その体積減少が均一となる。また、各液状体320に着目すると、その部分的な揮発速度が均一となっているので、検査領域A1の中心側と周縁側とで対称性を保持しつつ、乾燥が進行する。一方、副ダミー検査領域A3では、溶媒の揮発速度が全体的に主ダミー検査領域A2よりも高くなり、ダミー液状体310bは、ダミー液状体310aよりもその体積減少が顕著になる。また、各ダミー液状体310bに着目すると、その内側(主ダミー検査領域A2側)よりも外側で揮発速度が高いため、乾燥が進むにつれてその形状の対称性が損なわれてしまう。以上のような溶媒の乾燥過程は、Y方向に沿う断面に関しても同様である。
そして、図6(c)に示すように、液状体320が乾燥し固化したカラーフィルタ材料330の体積を前記した白色光干渉法を用いて測定する。
従来の方法では、外側に配置された液状体の形状の対称性が低くなってしまう。形状の対称性が低いものを高精度に測定しようとすれば、高解像度の測定や高度な解析等が必要となり、測定の手間や時間、装置コスト等が増加してしまう。
ところが、本発明の方法では、ダミー液状体310a、310bを配置しているので各カラーフィルタ材料330の形状の対称性が良好になり、効率的にかつ高精度でカラーフィルタ材料330の体積を求めることができる。
このようにして得られたカラーフィルタ材料330の体積に基づいて、各液状体320の体積の値や複数の液状体320における相対的な体積の比等を求めることができる。ここでは、測定されたカラーフィルタ材料330の体積、及び液状体320における溶媒の組成比等を用いて、液状体320の体積を算出する。カラーフィルタ材料330は、その配置位置によらず均一に乾燥されているので、乾燥の程度の違いによる体積の違いがなくなっている。したがって、その測定結果に基づいて吐出量を高精度に評価することができる。また、配置位置による液状体の揮発速度の違いを無くすことができるので、多数の液状体の体積を測定することができる。そのため、複数の吐出動作パターンにおける各吐出ユニットの吐出量を効率よく評価することが可能になっている。
次いで、前記の検査工程で得られた吐出量に基づいて、薄膜形成工程で吐出ユニットに供給する駆動信号を調整する(調整工程)。吐出ユニットごとに異なる駆動信号(例えば180種類)を用意することもできるが、部品数や装置コスト、消費電力等が増大してしまう。そこで、本実施形態では、前記のように4種類の駆動信号を用いて各吐出ユニットの吐出量が適正重量に近づくように設定する。これは、4種類以上の駆動信号を用いることで、吐出量のばらつきを所定の範囲に抑えることができ、スジムラを視認されなくすることができきるからである。以下、図7〜9を参照しつつ調整工程を説明する。
図7は、検査工程で得られた吐出量の一例を示すグラフである。図7において、横軸は吐出ユニットU11〜U170の番号を示しており、縦軸は吐出量を示している。吐出量は、液状体320の体積に基づいて、その重量を算出したものである。図7に示すように、吐出ユニットU11〜U170の各吐出量は、両端側に配置されたものほど大きくなっている。図示しないものの吐出ユニットU〜U10、U171〜U180からの各吐出量はさらに大きくなっており、これらは吐出量のばらつきを低減する観点から、後の薄膜形成工程で用いないようにする。
本実施形態の調整工程では、まず図7に示した吐出量の分布に基づいて、吐出ユニットU11〜U170を複数のグループに分割する。各グループは、同じ駆動信号で駆動する吐出ユニットが属するものである。本実施形態では、4種類の駆動信号を用いるので、4つのグループに分割する。ここでは、最小重量から最大重量までの範囲を均等に4分割し、値が小さい順にレンジ1、レンジ2、レンジ3、レンジ4とする。また、レンジ1内の吐出量になっている吐出ユニットによりグループ1を構成し、同様にレンジ2〜4に対応させてグループ2〜4を構成する。
次いで、吐出ユニットの圧電素子に印加する電圧に対する吐出量の関係式に基づいて、所定の吐出量となる電圧(補正駆動電圧)を算出する。補正駆動電圧を求める式は、例えば下記の式(1)で表される。式(1)においてV0は、補正前の印加電圧であり、Kは予め実験等で求めた係数である。また、式(1)において、「レンジの中心重量」という統計値を、「各レンジ内における吐出ユニットの平均重量」という統計値に替えても良い。
補正駆動電圧=V0−K・(レンジの中心重量−適正重量) ・・・・(1)
そして、グループ1について算出した補正駆動電圧に基づいて圧電素子に供給する駆動信号COM1を設定し、同様にグループ2〜4に対応する駆動信号COM2〜4を設定する。なお、検査工程で24種類の吐出動作パターンの各々に対応した吐出量が得られており、これらのデータを統計処理する方法は適宜選択することができる。例えば、24種類の吐出動作パターンごとに駆動信号COM1〜4を設定してもよいし、各吐出ユニットの吐出量として、24種類の吐出動作パターンでの平均値を用いて、吐出動作パターンで共通の駆動信号COM1〜4を設定してもよい。ここでは、平均値を用いて図8に示すような駆動信号COM1〜4を設定し、これに対応する描画データSI等を作成する。
図9は、検査工程で得られた吐出量(補正前)の分布、及び調整工程で設定した制御信号COM1〜4による吐出量(補正後)の分布の比較を示すグラフである。なお、補正後の吐出量も前記の検査工程と同様にして測定したものである。図9に示すように、補正前に比べて補正後は、吐出量がほとんど適正重量と同程度となっており、吐出量のばらつきも格段に低減されている。これは、本発明によれば検査工程で吐出量を高精度に評価することができ、調整工程で駆動信号COM1〜4を適切に設定することができたためと考えられる。また、このような比較においても、補正後の吐出量を高精度に測定し、評価することができるので、駆動信号COM1〜4が適切に設定されたことを確認することができるのである。なお、補正後の吐出量のばらつきが許容範囲以上である場合には、この時の駆動信号COM1〜4を用いて検査工程、調整工程を再度行ってもよい。この場合には、薄膜形成工程に近い条件で検査工程を行うので、吐出量を設定値にさらに近づけることができる。
次いで、先に説明した[液滴吐出装置の使用方法]ように液滴吐出装置100を動作させて、薄膜形成工程を行う。具体的には、図1に示したワークステージ120に、被処理基板Pとしてカラーフィルタ基板を着脱可能に固定する。そして、被処理基板Pと液滴吐出ヘッド140との相対位置を変化させながら、3回のスキャンで1回のパスを行い、8回のパスにより所定量の液状体を配置する。24回の各スキャンでは、調整工程で調整した駆動信号COM1〜COM4を用いて吐出動作させる。これにより、図9に示したように吐出量を適正重量とすることができ、かつ吐出量のばらつきを低減することができる。したがって、所定量の液状体を配置することができるとともに、均一な量の液状体を配置することができる。
また、配置された液状体を適宜乾燥させて固化すること等により、カラーフィルタ層(薄膜)が得られる。
以上のような本発明の薄膜形成方法にあっては、検査工程で複数の吐出ユニットの各吐出量を高精度かつ効率的に評価することが可能になっている。したがって、調整工程で吐出ユニットの駆動信号を適切に設定することができ、吐出量のばらつきを格段に低減することができる。よって、所定量の液状体を配置することができ、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。例えば、本発明をカラーフィルタ層の形成に適用すれば、均一な膜厚のカラーフィルタ層を形成することができる。したがって、スジムラ等を生じることなくカラーフィルタ層を機能させることができ、これを備えた画像表示装置の表示品質を良好にすることが可能になる。
従来の方法でこのような薄膜を形成するためには、複数の吐出ユニットにおける特性ばらつきが小さくなるように、高精度の加工が必要であった。そのため、液滴吐出装置の高コスト化や歩留りの低下等の不都合を生じていた。
本発明によれば、駆動信号を調整することにより良好な薄膜が得られるので、液滴吐出ヘッドに許容される加工誤差等が大きくなる。したがって、液滴吐出ヘッドの製造コストの低減や、液滴吐出ヘッドを選別する工程の簡略化ないし省略、液滴吐出ヘッドの歩留り向上等が図られ、液滴吐出装置の低コスト化が可能になる波及効果も得られる。
なお、前記実施形態では、ダミー液状体と液状体とを独立したプロセスで配置したが、同じプロセスで配置してもよい。例えば、液滴吐出ヘッド140に設けられた吐出ユニットU〜U180の一部、あるはキャリッジ130に取り付けられた他の液滴吐出ヘッド140からダミー液状体を配置し、これと平行して液状体を配置してもよい。
また、ダミー検査領域としては、主ダミー検査領域A2のみでも本発明の効果を得ることができるが、副ダミー検査領域A3もあわせて用いることにより本発明の効果を高めることができる。副ダミー検査領域A3にダミー液状体を一重の枠状に配置する他にも、2重以上の枠状に配置してもよい。また、吐出動作パターンと異なる条件で液状体の体積を測定してもよい。また、検査領域が複数あってもよく、例えば複数の検査領域ごとに異なる吐出動作パターンにより液状体を配置するようにしてもよい。
また、液状体及びダミー液状体をX方向及びY方向に等間隔で並ぶ行列状に配置する他にも、全体的あるいは部分的に千鳥状に配置されていてもよい。千鳥状とは、例えばX方向に並ぶ列がY方向にも並んでおり、各列の要素の位置が隣り合う列でX方向にずれている配置のことである。
また、検査工程において液状体320の体積を測定するタイミングは、液状体320が乾燥する過程であってもよい。この場合には、液状体320に含まれる溶媒の揮発速度を予め調べておき、液状体320が配置されてから測定までの時間、溶媒の揮発速度、及び測定結果に基づいて、吐出量の体積を算出することができる。
また、カラーフィルタ層の形成以外にも本発明を適用することができる。例えば、液晶装置の配向膜、オーバーコート等の保護膜、有機エレクトロルミネッセンス装置における有機発光層や正孔注入(輸送)層等の機能層、金属配線、樹脂等からなるスペーサ等、ベタ状の薄膜や薄膜パターンの形成時に吐出量の均一性が必要とされる場合に本発明を適用すれば、その効果を得ることができる。
液滴吐出装置の構成例を示す概略斜視図である。 (a)〜(c)は、液滴吐出ヘッドの構成例を示す図である。 液滴吐出ヘッド及び駆動回路基板回路構成を示す模式図である。 (a)〜(c)は、検査工程の配置処理を模式的に示す工程図である。 走査型白色干渉計で体積を測定する方法を示す説明図である。 (a)〜(c)は、検査工程の測定処理を模式的に示す工程図である。 検査結果で得られた吐出量の一例を示すグラフである。 駆動信号の例を示すグラフである。 補正前後における吐出量の分布の比較を示すグラフである。
符号の説明
100・・・液滴吐出装置、140・・・液滴吐出ヘッド、147・・・圧電素子(駆動素子)、200・・・駆動回路基板、300・・・検査用基板、310a、310b・・・ダミー液状体、320・・・液状体、A1・・・検査領域、A2・・・主ダミー検査領域(ダミー検査領域)、A3・・・副ダミー検査領域(ダミー検査領域)、COM1〜COM4・・・制御信号、N〜N180・・・ノズル、U〜U180・・・吐出ユニット

Claims (5)

  1. 薄膜の形成材料及び溶媒を含んだ液状体を吐出する複数の吐出ユニットを備えた液滴吐出ヘッドを用いて薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
    前記複数の吐出ユニットのうちの2以上を所定の駆動信号で駆動して前記液状体を吐出させ、吐出された液状体の各々の吐出量を検査する検査工程と、
    前記検査工程の検査結果に基づいて、前記所定の駆動信号を調整する調整工程と、
    前記調整工程で調整した駆動信号を用いて前記複数の吐出ユニットを駆動して前記液状体を配置し、該液状体を固化して薄膜を形成する薄膜形成工程と、を有し
    前記検査工程は、検査用基板の検査領域に前記液状体を配置するとともに、前記検査用基板の前記検査領域を囲むダミー検査領域に前記溶媒を含んだダミー液状体を配置する配置処理と、該配置処理で配置された前記液状体の体積を測定する測定処理と、を含み
    前記配置処理では、配置する前記液状体の体積の最大値以上の前記ダミー液状体を配置することを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 前記配置処理では、前記液状体を等間隔で配置するとともに、前記液状体の間隔と、前記液状体及び前記ダミー液状体の間隔と、が等しくなるように、前記液状体及び前記ダミー液状体を配置することを特徴とする請求項に記載の薄膜形成方法。
  3. 前記ダミー検査領域が、前記検査領域を囲む主ダミー検査領域と、この主ダミー検査領域を囲む副ダミー検査領域と、からなり、前記配置処理では、前記主ダミー検査領域及び前記副ダミー検査領域に前記ダミー液状体を配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜形成方法。
  4. 前記測定処理では、光干渉法を用いて前記液状体の体積を測定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄膜形成方法。
  5. 前記薄膜形成工程では、前記複数の吐出ユニットを選択的に動作させる吐出動作パターンで前記液状体を配置し、前記検査工程の配置処理では、前記薄膜形成工程での吐出動作パターンに基づいて前記液状体を配置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の薄膜形成方法。
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