JP4992545B2 - 膨張機 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧流体を膨張させることによって動力を回収する膨張機に関する。
従来より、高圧流体の膨張により動力を発生させる膨張機として、例えばロータリ式の膨張機が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、膨張機単体だけでなく、圧縮機と一体となった膨張機一体型圧縮機も知られており、冷凍サイクル内に設置して、膨張機で回収した動力を圧縮機で作動流体を圧縮するためのエネルギーの一部として利用する用途などに用いられている(例えば、特許文献2参照)。
従来の膨張機一体型圧縮機を用いた冷凍サイクルについて説明する。図9は、従来の膨張機一体型圧縮機200を用いた冷凍サイクル90の概略図である。冷凍サイクル90は、圧縮機1、膨張機3B、および回転電動機6を有する膨張機一体型圧縮機200と、ガスクーラ2、蒸発器4、膨張弁5から構成されている。従来の膨張機一体型圧縮機200では、圧縮機1と回転電動機6と膨張機3Bとを順にシャフト7で直結している。
冷凍サイクル90において、圧縮機1、ガスクーラ2、膨張機3B、蒸発器4は、主回路8により順に接続されている。また、ガスクーラ2と蒸発器4とは、副回路9により接続されている。これにより、作動流体の流路は、ガスクーラ2の出口側で膨張機3Bを通る主回路8と、膨張弁5を通る副回路9に分岐し、蒸発器4の入口側で合流する。
冷凍サイクル90の作動流体としては、二酸化炭素を用いている。作動流体は、圧縮機1において高温高圧へと圧縮された後、ガスクーラ2において冷却される。そして、ガスクーラ2から吐出された作動流体は、膨張機3Bあるいは膨張弁5において低温低圧へと膨張した後、蒸発器4で加熱される。膨張機3Bでは、作動流体の膨張エネルギーを回収してシャフト7の回転エネルギーに変換し、圧縮機1を駆動するエネルギーの一部として利用することで、回転電動機6の動力を低減させている。
次に、従来の膨張機一体型圧縮機200について、具体的に説明する。図10は、従来の膨張機一体型圧縮機200の縦断面図である。図11(a)は、図10のC−C断面線における膨張機3Bの横断面図、図11(b)は、図10のD−D断面線における膨張機3Bの横断面図である。
図10に示すように、密閉容器11内には、上方から、スクロール式の圧縮機1、回転電動機6、2段ロータリ式の膨張機3Bが配され、シャフト7により順に連結されている。
スクロール式の圧縮機1は、固定スクロール21、旋回スクロール22、軸受25、マフラー26、吸入管28、吐出管30から構成されている。旋回スクロール22は、シャフト7の偏心部7aと嵌合され、シャフト7の回転運動により旋回運動を行う。固定スクロール21および軸受25には、マフラー26内の空間27、および密閉容器11の内部空間11aと連通した流路24が軸方向に形成されている。旋回スクロール22と軸受25との間には、オルダムリングなどの自転規制機構23が設けられている。固定スクロール21と旋回スクロール22とが対向して配置されることにより、作動室29が形成される。
吸入管28より吸入した作動冷媒は、作動室29に流入し、旋回スクロール22の旋回運動により作動室29の容積が縮小することで、圧縮される。圧縮された作動冷媒は、吐出孔20からマフラー26内の空間27、流路24を経由し、密閉容器11内の内部空間11aへ吐出される。作動流体は、内部空間11aに滞留する間に、重力や遠心力などにより混入した潤滑用オイルと分離された後、吐出管30からガスクーラ2へと吐出される。
回転電動機6は、ロータ6aとステータ6bとにより構成されている。ステータ6bは、密閉容器11に固定されている。ロータ6aは、ステータ6bの内側に配置され、シャフト7が貫通している。
2段ロータリ式の膨張機3Bは、図10、図11に示すように、吸入管40、下側端面板43、第1のシリンダ44、第1のピストン45、中仕切り板46、第2のシリンダ49、第2のピストン50、上側端面板51、吐出管54から構成されている。
上側端面板51には、吐出管54と連通する流路59および吐出孔53が形成されている。下側端面板43には、吸入管40と連通する流路41および第1の吸入孔42が形成されている。第1のシリンダ44の内部には、第1のベーン57および第1のばね55が設けられている。第2のシリンダ49の内部には、第2のベーン58および第2のばね56が設けられている。中仕切り板46には、連通孔48が形成されている。
作動室47は、下側端面板43、第1のシリンダ44、第1のピストン45、および中仕切り板46から形成され、第1のベーン57により作動室47a、47bに区画される。作動室52は、第2のシリンダ49、第2のピストン50、中仕切り板46、および上側端面板51から形成され、第2のベーン58により作動室52a、52bに区画される。作動室47bと作動室52aとは、連通孔48を介して連通している。作動室52は、作動室47よりも容積が大きくなるように形成されている。
第1のピストン45、第2のピストン50は、それぞれシャフト7の偏心部7b、7cと嵌合し、シャフト7の回転運動により、偏心回転運動する。
吸入管40より吸入した作動冷媒は、流路41および第1の吸入孔42を経て、作動室47aに流入する。作動室47aに流入した作動冷媒は、第1のピストン45の偏心回転運動により、作動室47bの位置まで移動し、連通孔48を介して作動室52aへ流入する。作動室47b、連通孔48および作動室52aはひとつの膨張室を形成している。膨張室内の作動冷媒は、シャフト7の回転に伴って、容積の小さい作動室47bから容積の大きい作動室52aへ移動し、膨張する。
このように、膨張機3Bに流入した作動冷媒は、作動室47b、連通孔48および作動室52aで形成される膨張室の容積の増加とともに膨張され、吐出孔53および流路59を経て、吐出管54から蒸発器4へと吐出される。
一般に、ロータリ式の膨張機は、ピストンとシリンダとの間に形成される膨張室に作動冷媒を導入して膨張させることで動力を発生させるため、作動冷媒の吸入容積と吐出容積はピストンとシリンダの幾何学形状で決定される。すなわち、この種の膨張機では、膨張比は一定となっている。
一方、ロータリ式の膨張機が用いられる冷凍サイクルでは、冷却対象(または加熱対象)の温度変化により、冷凍サイクルの高圧側の圧力と低圧側の圧力が変化し、膨張機の吸入冷媒と吐出冷媒の密度もそれぞれ変動する。したがって、この場合、冷凍サイクルは膨張機と異なる膨張比で運転されることになり、その結果、運転効率が低下してしまう。
この問題を解決するために、特許文献2では、図9に示す膨張弁5を開けて、膨張機3Bを流れる作動流体の一部を副回路9に流すことにより、運転効率の低下を抑制している。また、この他に上記問題を回避する手段として、膨張機3Bでの膨張過程に、膨張機への吸入冷媒量を追加導入する方式が特許文献3、4に開示されている。
図12は、従来の膨張機一体型圧縮機200におけるインジェクション回路図である。なお、図12は、図10に記載の膨張機一体型圧縮機200にインジェクション通路66を接続した場合の、C−C断面線およびD−D断面線における膨張機3Bの断面図である。
図12に示すように、インジェクション通路66は、膨張機吸入経路65より分岐し、流通制御機構60を介して連通孔48に連通するように、膨張機一体型圧縮機200に設置されている。流通制御機構60としては、切換弁、電磁切換弁、差圧弁が用いられている。流通制御機構60の開閉および開度調節は、低圧圧力センサ61、高圧圧力センサ62、過膨張圧力センサ64により検出される圧力に基づいて、コントローラ63で制御されており、必要に応じて作動室47bおよび52aに高圧流体を導入する。これにより、冷凍サイクルの膨張比に対する膨張機の膨張比の不一致により発生する、過膨張による動力回収の低下を回避している。
特開平8−338356号公報 特開2001−116371号公報 特開2004−197640号公報 特開2005−256667号公報
しかしながら、特許文献2では、副回路9を通過する作動流体の膨張エネルギーを回収できないという課題がある。また、特許文献3および4では、膨張室への高圧流体導入量を制御するコントローラ63、低圧圧力センサ61、高圧圧力センサ62、過膨張圧力センサ64が必要であり、部品点数の増加によるコストの増加およびシステム制御の複雑化が問題となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、動力回収式の冷凍サイクルにおいて、冷凍サイクルの膨張比に対する膨張機の膨張比の不一致による回収動力の低下を防ぎ、簡素な構成で、作動流体の膨張エネルギーを効率良く回収することが可能な膨張機を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の膨張機は、冷凍サイクル内に設置され、高圧の作動流体が作動室で膨張することにより、シャフトを回転させて動力を発生させる膨張機において、前記作動室に前記作動流体を導くための吸入孔であって、第1の吸入孔と、前記第1の吸入孔の位置から前記シャフトの回転方向に所定角度進んだ位置に設けられた、差圧弁を備える第2の吸入孔とを含む、複数の吸入孔を備え、前記差圧弁はピストンとばねから構成され前記ピストンの受圧面の一方に前記ばねと制御圧力である前記冷凍サイクルの低圧側圧力、前記ピストンの受圧面の他方に制御圧力である前記冷凍サイクルの高圧側圧力を作用させることで、前記冷凍サイクルの高圧側圧力と低圧側圧力が常時作用しており、前記高圧側圧力と前記低圧側圧力との圧力差が所定値よりも小さくなると開状態となるように前記制御圧力を導入する経路の少なくとも一方にオイルを導入し、オイル流路に絞りを設置している
本発明の膨張機によれば、膨張機を用いた動力回収式の冷凍サイクルにおいて、冷凍サイクルの膨張比に対する膨張機の膨張比の不一致による回収動力の低下を防ぎ、簡素な構成で、作動流体の膨張エネルギーを効率良く回収することができるので、従来よりも高効率な動力回収式の冷凍サイクルを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における膨張機一体型圧縮機100は、2段ロータリ式の膨張機3Aの一部形状が異なることを除き、従来の膨張機一体型圧縮機200とほぼ同様の構成である。同一機能部品については同一番号を使用し、従来例と同一の構成および作用の説明は省略する。
本実施の形態1における2段ロータリ式の膨張機3Aの構成を説明する。図1は、本実施の形態1における膨張機一体型圧縮機100の構成を示す縦断面図、図2は、図1における膨張機3Aの拡大図である。図3(a)は、図2のA−A断面線における横断面図、図3(b)は、図2のB−B断面線における横断面図である。図4(a)は、図1における差圧弁70の詳細図、図4(b)は、図1における差圧弁71の詳細図である。
図1〜図4に示すように、本実施の形態1における2段ロータリ式の膨張機3Aは、従来の膨張機一体型圧縮機200における膨張機3Bに加えて、差圧弁70、71を備えた第2の吸入孔73、第3の吸入孔74と、流路72、圧力導入路78を有する。
第2の吸入孔73、第3の吸入孔74は、作動室47aに開口するよう下側端面板43と下側端面板カバー79に連通して形成されている。差圧弁70、71は、それぞれ往復動可能なピストン75a、75bと、ばね76a、76bとで構成され、第2の吸入孔73、第3の吸入孔74の内部に設置されている。流路72は、吸入管40と連通する流路41から分岐するよう下側端面板43に形成され、差圧弁70および71を経由して第2の吸入孔73および第3の吸入孔74に連通している。圧力導入路78は、吐出管54と連通する流路59より分岐するよう上側端面板51に形成され、さらに第2のシリンダ49、中板仕切り板46、第1のシリンダ44を貫通して、第2の吸入孔73、第3の吸入孔74に開口するよう下側端面板43に連通して形成されている。膨張機3Aの吐出圧力を差圧弁70、71に導いている。
ピストン75a、75bのそれぞれの上側受圧面側には、圧力室81a、81bを備えている。圧力室81aおよび81bは、圧力導入路78、流路59を介して吐出管54に連通している。また、ピストン75aおよび75bの下側受圧面側には、圧力室77a、77bを備えている。圧力室77a、77bの底部には、圧力室77a、77bよりも断面積が縮小され、密閉容器11の内部空間11aに連通する絞り80a、80bを備えている。上記構成により、圧力室81a、81bには、膨張機3Aの吐出圧力を差圧弁70、71に導くことができ、圧力室77a、77bには、圧縮機1の吐出圧力を差圧弁70、71に導くことができる。
ピストン75a、75bは、上側から圧力室81a、81bの圧力とばね76a、76bにより下方に押され、下側から圧力室77a、77bの圧力により上方に押されている。上記各圧力室の圧力が、差圧弁70、71の開閉を操作する制御圧力となる。例えば、上側から押される力が、下側から押される力より大きくなると、ピストン75a、75bは下方に移動し、吸入管40と連通した流路72と、第2の吸入孔73および第3の吸入孔74とが連通する。なお、差圧弁70、71に対する制御圧力は、冷凍サイクルの運転条件によってそれぞれ異なるため、第2の吸入孔73のみが流路72と連通する場合もある。また、第2の吸入孔73および第3の吸入孔74の両方が流路72と連通する場合もある。
本実施の形態1における膨張機一体型圧縮機100を用いた動力回収式の冷凍サイクル95について説明する。図5は、本実施の形態1における膨張機一体型圧縮機100を用いた動力回収式の冷凍サイクル95の概略図である。作動流体は、圧縮機1、ガスクーラ2、膨張機3A、蒸発器4の順に流れ、各部で作動流体に対して圧縮、放熱、膨張、蒸発を行う。
図5に示した冷凍サイクル95において、差圧弁70、71の上側受圧面側の圧力室81a、81bには、膨張機3Aと蒸発器4とを接続する主回路8より分岐した圧力導入路78を経由して、膨張機3Aの吐出圧力Plが導入されている。また、差圧弁70、71の下側受圧面側の圧力室77a、77bには、圧縮機1とガスクーラ2とを接続する主回路8より分岐した圧力導入路80を経由して、圧縮機1の吐出圧力Phが導入されている。
このように、本実施の形態1では、差圧弁70、71を備え、膨張機3Aの吐出圧力Plおよび圧縮機1の吐出圧力Phを圧力室81a、81b、および圧力室77a、77bにそれぞれ導入することで、差圧弁70、71を制御することができる。
本実施の形態1における膨張機一体型圧縮機100の動作について説明する。なお、圧縮機1の動作については、従来の膨張機一体型圧縮機200と同様であるので、説明を省略する。
まず、本実施の形態1における2段ロータリ式の膨張機3Aの動作について説明する。なお、第2の吸入孔73および第3の吸入孔74が閉口しているときは、従来の膨張機3Bと同様の動作を行う。
第2の吸入孔73だけが差圧弁70の動作により開口し、第3の吸入孔74は閉口している場合について説明する。図1〜図4に示すように、第2の吸入孔73は、差圧弁70の動作により開かれると、流路72を介して作動室47aと連通する。このとき、作動室47a内の冷媒は、流路72から流入する冷媒と同一圧力になる。第1のピストン45がシャフト7の回転により偏心回転運動するため、第1の吸入孔42は徐々に閉じられていく。しかし、この時点では、第2の吸入孔73は第1のピストン45の影響を受けず、まだ開いているため、第1の吸入孔42が第1のピストン45により閉じられた後も、吸入管40より作動流体は作動室47aへ流入する。さらに、第1のピストン45が、偏心回転運動を行って第2の吸入孔73を閉じると同時に、作動流体の流入は無くなり、作動流体の流入が完了する。
第2の吸入孔73および第3の吸入孔74が差圧弁70、71の動作により共に開口している場合は、第2の吸入孔73だけが開口している場合と同様、第1の吸入孔42、第2の吸入孔73、第3の吸入孔74は共に流路72を介して作動室47aと連通する。このとき、作動室47a内の冷媒は、流路72から流入する冷媒と同一圧力になる。図3に示すように、第3の吸入孔74は第2の吸入孔73よりも下流側に設置されているため、第1の吸入孔42および第2の吸入孔73が第1のピストン45の偏心回転運動により閉じられた後も、作動流体が作動室47aへ流入する。さらに、第1のピストン45が、偏心回転運動を行って第3の吸入孔74を閉じると同時に、作動流体の流入は無くなり、作動流体の流入が完了する。
このように、第2の吸入孔73および第3の吸入孔74を設けることにより、従来の膨張機3Bに比べて、作動流体の流入終了タイミングを遅らせることができ、膨張機3Aでの作動流体の膨張比が小さくなる。なお、第2の吸入孔73および第3の吸入孔74を任意の位置に設置すれば、任意の膨張比を得ることができる。
これにより、冷凍サイクルの膨張比が運転条件により変化しても、膨張機の膨張比を冷凍サイクルの膨張比に合わせることができ、膨張比の不一致により発生する回収動力の低減を防止することができる。
次に、本実施の形態1における膨張機3Aの差圧弁70、71の動作について説明する。図6(a)は、本実施の形態1における第2の吸入孔73が閉じた場合の差圧弁70の動作原理図、図6(b)は、本実施の形態1における第2の吸入孔73が開いた場合の差圧弁70の動作原理図である。図7は、本実施の形態1における膨張機一体型圧縮機100を用いた冷凍サイクル95のモリエル線図である。
図7に示すように、圧縮機1に流入した作動冷媒は、Aから圧縮されてBまで昇圧される。圧縮機1から吐出されてガスクーラ2に流入した作動冷媒は、放熱してCに達する。ガスクーラ2から吐出されて膨張機3Aに流入した作動冷媒は、膨張してDまで降圧する。膨張機3Aから吐出されて蒸発器4に流入した作動冷媒は、蒸発した後、再びAに戻る。このように、冷凍サイクル95において、作動冷媒はA−B−C−Dのサイクルを繰り返す。
冷凍サイクル95は必要能力、外気温等により運転条件を変更して運転するため、図7に示すサイクル1(A1−B1−C1−D1)、サイクル2(A2−B2−C2−D2)、サイクル3(A3−B3−C3−D3)のように、冷凍サイクル95内の圧力、エンタルピーは変化する。
サイクル1の低圧側の圧力をPl1、高圧側の圧力をPh1、サイクル2の低圧側の圧力をPl2、高圧側の圧力をPh2、サイクル3の低圧側の圧力をPl3、高圧側の圧力をPh3とすると、各サイクルにおける高低の圧力差Psは、それぞれ、Ps1=Ph1−Pl1、Ps2=Ph2−Pl2、Ps3=Ph3−Pl3と表すことができ、Ps1>Ps2>Ps3となる。
上述したように、本実施の形態1においては、ピストン75a、75bの上側受圧面側の圧力室81a、81bには低圧側の圧力Plが作用し、下側受圧面側の圧力室77a、77bには高圧側の圧力Phが作用している。
上記ピストン75a、75bへの圧力Pl、Phの作用を用いて、例えば、ばね76aが、図6(a)のように、圧力差Ps1の時には圧縮されて、第2の吸入孔73と流路72とは連通しないが、図6(b)のように、圧力差Ps2の時には伸長して、第2の吸入孔73と流路72とが連通するように、ばね76aのばね力を設定する。サイクル1では、ピストン75aが第2の吸入孔73を塞ぐため、流路72の作動流体は作動室47aへ導入されないが、運転条件が変更されてサイクル2になると、第2の吸入孔73が開き、流路72の作動流体を作動室47aへ導入することができる。
また同様に、例えば、ばね76bが、圧力差Ps2の時には圧縮されて、第3の吸入孔74と流路72とは連通しないが、圧力差Ps3の時には伸長して、第3の吸入孔74と流路72とが連通するように、ばね76bのばね力を設定する。サイクル1、2では、ピストン75bが第3の吸入孔74を塞ぐため、流路72の作動流体は作動室47aへ導入されないが、運転条件が変更されてサイクル3になると、第3の吸入孔74が開き、流路72の作動流体を作動室47aへ導入することができる。
したがって、本実施の形態1の膨張機一体型圧縮機100においては、冷凍サイクルの運転条件の変更に伴う高低圧力の変化によって生じる圧力差の変化を利用して、差圧弁を自動的に開閉することができるので、差圧弁を制御するコントローラ等を必要としない構成で、効率の良い冷凍サイクルの運転が可能となる。
また、圧力差に応じて開度が変化する差圧弁を用いることにより、作動室へ流入する作動流体の流入経路の断面積を調節することができる。さらに、作動室に流入する作動流体の流量を追加した吸入孔の位置と差圧弁の開度により、作動室へ流入する作動流体の流入経路の断面積をより細かく調節することができる。そのため、膨張機の膨張比もより細かな調整が可能となり、これにより、必要とされる冷凍サイクルの膨張比に対して、より細かく対応させることができ、膨張比の不一致により発生する回収動力の低減をより防止することができる。
なお、本実施の形態1では、図5に示すように、ピストン75a、75bの下側受圧面側の圧力室77a、77bに密閉容器11内の圧縮機1から吐出された高圧側の圧力Phを導入しているが、図8に示す本実施の形態1における別の動力回収式の冷凍サイクル98の概略図のように、ガスクーラ2と膨張機3Aとを接続する主回路8から流路72とは別に分岐した圧力導入路80により、ガスクーラ2の吐出圧力Phを圧力室77a、77bに導入して差圧弁70、71の開閉制御に利用した場合でも、上記同様、効率の良い冷凍サイクルの運転が可能となる。
また、密閉容器11内の底部に貯留されている圧縮機1および膨張機3Aの潤滑用オイルを、断面積を縮小した絞り80a、80bを介して圧力室77a、77bに導入することで、ピストン75a、75bの上下動により発生する潤滑用オイルが、絞り80a、80bを通過する際に抵抗を付与することができる(ダンパー効果)。そのため、差圧弁70、71の制御圧力が急激に変化しても、ピストン75a、75bの上下運動の時間を遅らせることが可能となり、激しい上下動によるピストン75a、75b、および、ばね76a、76bの損傷や破損を防止することができる。また、第2の吸入孔73、第3の吸入孔74の急激な開閉を防止することができるため、作動室47aへ流入する作動流体の急激な流量変化を抑制することができ、冷凍サイクルの安定化を図ることができる。
本実施の形態1では、膨張機3Aと圧縮機1がシャフト7で連結された膨張機一体型圧縮機100を用いたが、膨張機3Aと圧縮機1が独立してそれぞれ異なる回転軸を有する構成としても、上記同様、効率の良い冷凍サイクルの運転が可能となる。
また、本実施の形態1では、差圧弁70、71としてピストンタイプを用いたが、リードバルブ、またはボール弁を用いた場合でも、上記同様、効率の良い冷凍サイクルの運転が可能である。
本実施の形態1では、追加の吸入孔を2つとしたが、追加の吸入孔が1つの場合でも、作動流体の流入終了タイミングを遅らせることができ、膨張機3Aによる作動流体の膨張比を変化させることができる。そのため、追加の吸入孔を有しない場合に比べて、膨張比の不一致による膨張機の回収動力の低減を緩和することができ、安価な構成で効率の良い冷凍サイクルの運転が可能である。また、追加の吸入孔が3つ以上の場合では、作動流体の流入終了をより細かく変化させることができるため、更なる冷凍サイクル効率の向上が可能となる。
本発明の膨張機は、作動流体の膨張エネルギーを回収する動力回収手段として有用であり、冷凍サイクルを用いた空調機や給湯機などの用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における膨張機一体型圧縮機の縦断面図 図1における膨張機の拡大図 (a)図2のA−A断面線における横断面図(b)図2のB−B断面線における横断面図 (a)図1における差圧弁の詳細図(b)図1における差圧弁の詳細図 本発明の実施の形態1における動力回収式の冷凍サイクルの概略図 (a)本発明の実施の形態1における追加吸入孔が閉じた場合の差圧弁の動作原理図(b)本発明の実施の形態1における追加吸入孔が開いた場合の差圧弁の動作原理図 本発明の実施の形態1における冷凍サイクルのモリエル線図 本発明の実施の形態1における別の動力回収式の冷凍サイクルの概略図 従来の膨張機一体型圧縮機を用いた動力回収式の冷凍サイクルの概略図 従来の膨張機一体型圧縮機の縦断面図 (a)図10のC−C断面線における膨張機の横断面図(b)図10のD−D断面線における膨張機の横断面図 従来の膨張機一体型圧縮機におけるインジェクション回路図
符号の説明
1 圧縮機
2 ガスクーラ
3A,3B 膨張機
4 蒸発器
5 膨張弁
6 回転電動機
6a ロータ
6b ステータ
7 シャフト
7a,7b,7c 偏心部
8 主回路
9 副回路
11 密閉容器
11a 内部空間
20 吐出孔
21 固定スクロール
22 旋回スクロール
23 自転規制機構
24 流路
25 軸受
26 マフラー
27 空間
28 吸入管(圧縮機)
29 作動室
30 吐出管(圧縮機)
40 吸入管(膨張機)
41 流路
42 第1の吸入孔
43 下側端面板
44 第1のシリンダ
45 第1のピストン
46 中仕切り板
47,47a,47b,52,52a,52b 作動室
48 連通孔
49 第2のシリンダ
50 第2のピストン
51 上側端面板
53 吐出孔
54 吐出管(膨張機)
55 第1のばね
56 第2のばね
57 第1のベーン
58 第2のベーン
59 流路
60 流通制御機構
61 低圧圧力センサ
62 高圧圧力センサ
63 コントローラ
64 過膨張圧力センサ
65 膨張機吸入経路
66 インジェクション通路
70,71 差圧弁
72 流路
73 第2の吸入孔
74 第3の吸入孔
75a,75b ピストン
76a,76b ばね
77a,77b,81a,81b 圧力室
78,80 圧力導入路
79 下側端面板カバー
80a,80b 絞り
90,95,98 冷凍サイクル
100,200 膨張機一体型圧縮機

Claims (3)

  1. 冷凍サイクル内に設置され、高圧の作動流体が作動室で膨張することにより、シャフトを回転させて動力を発生させる膨張機において、
    前記作動室に前記作動流体を導くための吸入孔であって、第1の吸入孔と、前記第1の吸入孔の位置から前記シャフトの回転方向に所定角度進んだ位置に設けられた、差圧弁を備える第2の吸入孔とを含む、複数の吸入孔を備え、
    前記差圧弁はピストンとばねから構成され前記ピストンの受圧面の一方に前記ばねと制御圧力である前記冷凍サイクルの低圧側圧力、前記ピストンの受圧面の他方に制御圧力である前記冷凍サイクルの高圧側圧力を作用させることで、前記冷凍サイクルの高圧側圧力と低圧側圧力が常時作用しており、前記高圧側圧力と前記低圧側圧力との圧力差が所定値よりも小さくなると開状態とな
    前記制御圧力を導入する経路の少なくとも一方にオイルを導入し、オイル流路に絞りを設置した、
    膨張機。
  2. 前記膨張機が密閉容器内に配され、前記差圧弁の制御圧力に用いる前記冷凍サイクルの高圧側圧力または低圧側圧力の少なくとも一方に前記密閉容器の内部空間の圧力を利用する、請求項1に記載の膨張機。
  3. 前記差圧弁は、制御圧力の変動により開度が変化する、請求項1または2のいずれかに記載の膨張機。
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