JP4990235B2 - ねじ回し工具 - Google Patents

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Description

本発明は、ねじ回し工具に関するものである。
例えばプラスドライバなどの工具の刃先には、ビスの十字穴と係合可能な刃稜部や溝部が先方から見て十字状に形成されている。このような工具の刃先は、ビスの十字穴との嵌めあいがすきまばめになっており、ビスの十字穴との間に一定の隙間が設けられている。このような隙間があると、ビスに対して刃先が強い係合力で係合することが困難となる。
即ち、工具の刃先は、ビスの十字穴に工具を挿し込んだり抜いたりしやすいようにテーパ状に形成され、刃稜部の側面は軸心に対して傾斜した傾斜面となっている。このような傾斜面を有する刃先をビスの十字穴に挿し込んで回動させると、刃先の傾斜面に回動方向に力が加わる。この傾斜面に加わる力は、傾斜面が軸心に対して傾斜しているため、周方向の力成分だけでなく軸方向の力成分としても作用する。その結果、軸方向の力成分の反力により刃先が十字穴から浮きあがるカムアウト現象が起こる虞がある。このようなカムアウト現象が起こると、ビスに対して刃先が強い係合力で係合することがさらに困難となる。
そこで、特許文献1〜3には、刃先の刃稜部の側面に突起や凹部などを形成した工具が開示されている。同文献には、このような突起や凹部を刃稜部の側面に設けることで、刃先を十字穴に対して回動させた際に十字山部の側面に突起や凹部が係合し、ビスに対する刃先の係合力が強化されてカムアウト現象の防止が可能になることも開示されている。
特開昭54−71500号公報 特表2003−517538号公報 特許3148727号公報
ところで、特許文献1〜3の工具では、工具の刃先をビスの十字穴に挿入しても、それだけでは突起や凹部が十字山部の側面に十分に係合することはない。工具をビスの十字穴に対して回動した時にはじめて突起や凹部が十字山部の側面に接触し、両者が係合することでカムアウト現象が抑制されるのである。それゆえ、工具をビスに対して回動させると上述のようにカムアウト現象も多少は発生するため、このような工具の回動を伴う手段ではカムアウト現象を確実に防止することはできなかった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、ねじ回し工具の刃先をビスの十字穴に挿し込むだけで工具を回動させなくてもビスに対して刃先を強い力で係合させることができ、カムアウト現象の発生を確実に抑制することができるねじ回し工具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明のねじ回し工具は、ビスの十字穴に係合する刃稜部とビスの十字山部に係合する溝部とを備える刃先が軸心方向の先端側に形成されたねじ回し工具であって、
前記溝部の溝底には当該溝底から隆起した少なくとも1つの突起部が設けられており、
前記突起部は、前記刃先の軸心から当該突起部の頂面までの距離が、前記十字穴における中心から十字山部の頂面までの径方向の距離よりも大きく形成されていることを特徴とする。
このようにすれば、刃先とビスの十字穴との嵌め合いがすきまばめとなっていても、ビスの十字穴の十字山部に接触する溝部の溝底に突起部が形成されているため、ねじ回し工具の刃先をビスの十字穴に挿し込むだけで突起部を十字山部の頂面に係合させることができる。また、突起部は、刃先の軸心から突起部の頂面までの距離が十字穴における中心から十字山部の頂面までの径方向の距離よりも大きく形成されており、溝部の溝底に対する嵌め合いがしまりばめになっている。それゆえ、突起部の頂面が十字穴の山部に確実に食らいつき、ねじ回し工具の刃先をビスの十字穴に強い力で係合させることができる。
その結果、工具を回動させなくてもビスの十字穴に対して刃先を強い力で係合させることができ、カムアウト現象の発生を確実に抑制することができる。
前記突起部は、前記刃先の軸心を挟んで対向する少なくとも1組の溝部に、溝長手方向に距離をあけて2つ以上形成されているのが好ましい。
このようにすれば、ねじ回し工具が十字穴に対して傾いて挿入されたとしても、突起部のいずれかが山部に係合し、ねじ回し工具の刃先をビスの十字穴に強い力で係合させることができる。
前記溝部は、刃先端側で十字山部に対向しかつ前記突起部が形成された深溝と当該深溝から刃後端側に至る浅溝とを備えており、前記深溝は前記軸心から当該深溝の溝底までの距離が前記十字穴の中心から前記十字山部の頂面までの距離以下になるように形成されており、前記突起部における前記刃先の軸心から当該突起部の頂面までの距離は前記十字穴の中心から前記十字山部の頂面までの距離以上になるように形成することもできる。
これによれば、浅溝を形成した上で、この浅溝を利用して深溝の形成に合わせて突起部を容易に形成することができる。
本発明によれば、ねじ回し工具の刃先をビスの十字穴に挿し込むだけで工具を回動させなくてもビスに対して刃先を強い力で係合させることができ、カムアウト現象の発生を確実に抑制することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明のねじ回し工具1の第1実施形態を図面に基づき説明する。
図1〜図5に示すように、ねじ回し工具1(以下、単に工具1と呼ぶ)は、プラスドライバであり、基端側に柄部(図示略)を備え、この柄部から軸心方向に沿って先端側に伸びる工具軸2を備えている。工具軸2の先端側には刃先3が備えられており、刃先3には刃稜部4と溝部5とが形成されている。
図1に示すように、刃先3は軸心Xを有する円柱状に形成された工具軸2に形成されており、先端側に向かって尖った形状に形成されている。刃先3には、刃稜部4と溝部5とが軸心X回りに交互に配置されて十字状に形成されており、刃稜部4と溝部5との間には刃側面13が形成されている。
図2に示すように、刃稜部4は、刃先3における軸心Xから径外側に向かって突出した部分の突端側に平坦な面状に形成されている。刃稜部4は、その平坦面が軸心方向の先端側を向くように、先端側から後端側に向かうに連れて軸心Xから離れるように傾斜している。この刃稜部4が軸心Xに対して有する傾斜角度はマイナス公差を備えており、軸心X回りに等間隔をあけて4箇所形成されている。
溝部5は、刃稜部4から径内側に向かって凹んで形成されている。溝部5は先端側の深溝6と後端側の浅溝7とで構成されている。深溝6の溝底6aは浅溝7の溝底7aより径内側に位置しており、深溝6は浅溝7より深く形成されている。深溝6の溝底6a及び浅溝7の溝底7aと刃稜部4との間には平坦な面状の刃側面13が形成されており、この刃側面13は深溝6及び浅溝7の溝側面にもなっている。
深溝6の溝底6a及び浅溝7における先端側の溝底7aは、刃稜部4と同様に先端側から後端側に向かうに連れて軸心Xから離れるように傾斜している。これらの溝底6a、7aが軸心Xに対して為す傾斜角度は、マイナス公差を備えており、刃稜部4の傾斜角度より小さい角度となっている。
刃側面13は、軸心Xに対して傾斜した刃稜部4及び溝底6a、7aと同様に先端側から後端側に向かうに連れて軸心Xから離れるように軸心Xに対して傾斜している。
図3の左側に示すように、ビス8は、上述のような刃稜部4、溝部5、及び刃側面13を備えた刃先3と係合可能な十字穴9を備えている。十字穴9は、工具1を挿し込んだ際に刃先3の軸心Xが穴中心線Yと一致する。十字穴9は、穴中心線Y回りに等間隔をあけて4箇所の十字山部10と十字谷部14とを交互に備えている。
十字谷部14は、十字穴9における穴中心線Yから最も径外側に凹んだ部分に平坦な面状に形成されており、刃先3を十字穴9に挿入した際に刃稜部4に対面するようになっている。十字谷部14は、刃稜部4に合わせて穴奥側から穴口側に向かうに連れて穴中心線Yから離れるように傾斜状に形成されている。十字谷部14と刃稜部4とは軸心Xや穴中心線Yに対して同じ傾斜角に仕上げられており、十字谷部14はプラス公差、刃稜部4はマイナス公差となっている。それゆえ、刃先3の刃稜部4を十字穴9の十字谷部14に支障なく挿入することが可能となる。
十字山部10は、十字穴9における十字谷部14から径内側に向かって突出した部分の突端側に形成される頂面10aと、頂面10aと十字谷部14との間に形成される側面10bとの2種類の平坦面を備えている。十字山部10の頂面10aは、深溝6の溝底6aに合わせて先端側から後端側に向かうに連れて軸心Xから離れるように軸心Xに対して傾斜状に形成されており、刃先3を十字穴9に挿入した際に深溝6の溝底6aに対面するようになっている。十字山部10の頂面10aと深溝6の溝底6aとは傾斜角度が等しくされており、十字山部10の頂面10aはプラス公差、溝底6aはマイナス公差となっている。それゆえ、深溝6の溝底6aを十字穴9の十字山部10に支障なく挿入することが可能となる。
十字山部10の側面10bは、穴中心線Yに対して傾斜した頂面10aと十字谷部14との間に平坦状に形成されており、穴奥側から穴口側に向かうに連れて穴中心線Yから離れるように軸心Xに対して傾斜して刃側面13と対面可能となっている。
次に、上述の刃先3とビス8との係合状態を、JIS B1012に規定されるH形十字穴の4番をビス8とした場合を例示して説明する。
まず、ビス8については、十字谷部14が穴中心線Yに対して傾斜角度26°30′、公差0〜15′で形成され、十字山部10の頂面10aが穴中心線Yに対して傾斜角度7°、公差0〜15′で形成される。
一方、このビス8に挿入する刃先3については、刃稜部4を軸心Xに対して傾斜角度26°30′、公差−15〜0′で形成し、溝部5については深溝6の溝底6a及び浅溝7の溝先端側の溝底7aが軸心Xに対して傾斜角度7°、公差−15〜0′で形成する。
そして、上述のように、刃稜部4と十字谷部14とは軸心X(穴中心線Y)に対する傾斜角度が互いに等しく、また十字山部10の頂面10aと溝底6aと傾斜角度が等しくなっている。そして、刃稜部4と十字谷部14との間には両者の公差の差0〜30′に相当する隙間が形成され、十字山部10の頂面10aと溝底6aとの間にも両者の公差の差0〜30′に相当する隙間が形成される。それゆえ、刃先3の刃稜部4や溝部5を十字穴9の十字谷部14や十字山部10に支障なく挿入することができる。
ところで、図3の右側に示すように、工具1の刃先3をビス8の十字穴9に挿し込んで、工具1をビス8に対して回動させると、刃側面13が十字山部10の側面10bに面状態で係合する。そして、工具1に加えられたビス8を回動させようとする力が、刃側面13と側面10bとの係合面を介して、ビス8に伝達されることになる。
ところが、刃側面13と側面10bとは上述のように軸心X(穴中心線Y)に対して傾斜しており、これらの係合面も軸心X(穴中心線Y)に対して傾斜している。それゆえ、係合面に加えられたビス8を回動させようとする力の一部は工具1をビス8から引き離す方向(軸心方向)にも作用し、その結果、工具1の刃先3がビス8の十字穴9より浮き上がるカムアウト現象の要因となる。
そこで、本発明では、上述のカムアウト現象を防止すべく、挿入するだけで刃先3を十字穴9に強固に係合させる突起部12を設けている。この突起部12は、溝部5の溝底から隆起(本実施形態では深溝6の溝底6aから隆起)している。そして、突起部12の突端は、十字山部10の頂面10aより径外側に位置しており、頂面10aに食らいつくようになっている。
すなわち、上述のJIS B1012に規定されるH形十字穴の4番をビス8とした場合を例に挙げれば、図3の左側に示すように十字穴9の寸法bは3.48mmに定められている。そして、従来の工具では刃先3の寸法b’がJIS規格で3.58mmとなっているので、刃先3を十字穴9の奥まで挿入することはできない。しかし、本発明の刃先3では、寸法b’を3.58mmより小さくしているので、突起部12がなければ刃先3を十字穴9の奥まで挿入することが可能となっている。それゆえ、十字穴9に対して刃先3を挿入すれば、突起部12が十字穴9の十字山部10に当接し、突起部12を十字山部10の頂面10aに食い込ませることができる。その結果、ビス8に対して刃先3を回動しなくても、十字穴9に対して刃先3が強固に係合してカムアウト現象を防止することができる。
具体的には突起部12を、軸心方向のP位置における刃先3の各部の寸法関係が以下の通りとなるように形成する。
図4及び図5に示すように、深溝6は、浅溝7に対して溝長手方向の先端側に隣接して形成されており、その溝底6aは十字山部10の頂面10a、すなわち従来のビットの溝底より径内側に向かって深く形成されている。そして、突起部12は、溝底6aから径外側に向かって突出しており、その突端は十字山部10の頂面10aより径外側に位置している。それゆえ、十字穴9に対して刃先3を挿入するだけで、突起部12が十字山部10の頂面10aに食い込んで強固に係合する。
なお、突起部12の突出高さは、浅溝7の溝底7aとの間に以下のような寸法関係を有している。
浅溝7は、刃先3を十字穴9に挿入した際に、刃先3の軸心Xから溝底7aまでの距離L1が、同じ軸心方向の位置で比較した十字穴9の穴中心線Yから十字山部10の頂面10aまでの距離L2よりも大きく形成されている。この浅溝7の溝底7aと十字山部10の頂面10aとの位置関係は、軸心方向のいずれの位置でも成立する。
それゆえ、突起部12が形成されている軸心方向のP位置で比較しても、刃先3の軸心Xから溝底7aの延長線上までの距離L1が、十字穴9の穴中心線Yを通る軸心Xから十字山部10の頂面10aまでの距離L2よりも大きく形成されていることになる。
一方、深溝6は、浅溝7の溝底7aよりさらに径内側に向かって断面視略三角状に凹んだ溝であり、刃先3を十字穴9に挿入した際には、軸心Xから溝底6aまでの距離L3がビスにおける十字穴9の穴中心線Yから十字山部10の頂面10aまでの距離L2以下になるように形成されている。
さらに、突起部12は、深溝6の溝底6aから径外側に向かって突出しており、刃先3を十字穴9に挿入した際には、突起部12が形成されている軸心方向の位置で比較すると、刃先3の軸心Xから突起部12の頂面15までの距離Lが浅溝7における刃先3の軸心Xから浅溝7の延長面上の溝底までの距離L1と略等しくなるように形成されている。つまり、突起部12は、その頂面15が十字山部10より径外側に突出しており、十字山部10に食らいつくようになっている。
深溝6と浅溝7との間には中間溝11が形成されている。この中間溝11は、浅溝7と深溝6との中間の深さを持った溝であり、十字穴9が軸長さ方向に深く形成されたビス8に刃先3を挿入する際に浅溝7が十字穴9に引っ掛からないようにする逃がし部分となっている。
次に、ビス8へのねじ回し工具1の係合方法について説明する。
図3〜図5に示すように、工具1をビス8に係合させる際は、刃先3の先端側を十字穴9に挿入し、十字穴9の奥側まで刃先3の先端側を挿し込む。刃先3の先端側が十字穴9の奥側まで十分深く挿し込まれると、刃先3の軸心Xと十字穴9の穴中心線Yが一致し、刃先3の深溝6に十字穴9の十字山部10が嵌り込んで刃先3がビス8に係合するようになる。
ここで、突起部12の頂面15と十字穴9の十字山部10との径方向の位置関係(深さと高さの関係)について説明する。なお、突起部12の頂面と十字穴9の十字山部10との径方向の位置関係は、軸心方向の同位置(突起部12の頂面を通る軸心方向位置)で比較する。
まず、浅溝7については、軸心方向のいずれの位置でも、上述のように刃先3の軸心Xから浅溝7の溝底7aまでの距離L1が、十字穴9の穴中心線Yから十字山部10の頂面10aまでの距離L2よりも大きく形成されている。
ここで、深溝6の溝底6aと十字穴9の十字山部10とはほぼ平行になるように形成されているため、浅溝7の溝底7aの延長線上でも上述の関係は変化しない。それゆえ、突起部12の頂面15を通る軸心方向位置でも、刃先3の軸心Xから浅溝7の延長線上の溝底7aまでの距離L1とL2との間にもL1>L2の関係が成立する。
なお、深溝6については、上述のように、軸心Xから溝底6aまでの距離L3が十字穴9の穴中心線Yから十字山部10の頂面10aまでの距離L2以下になるように形成されている。当然、突起部12の頂面10aを通る軸心方向位置でも上述の関係は変化しない。それゆえ、軸心Xから深溝6の溝底6aまでの距離L3と、十字穴9の中心から十字山部10までの距離L2との間にはL1>L2≧L3の関係が成立する。
さらに、突起部12における刃先3の軸心Xから突起部12の頂面15までの距離Lは、浅溝7における刃先3の軸心Xから浅溝7の延長面上の溝底までの距離L1と略等しくなるように形成されている。
つまり、軸心Xから突起部12の頂面15までの突出高さ(距離L)は、十字穴9の穴中心線Yから十字山部10の頂面10aまでの距離L2よりも大きいことになる。それゆえ、ねじ回し工具1の刃先3をビス8の十字穴9に挿し込むだけで、突起部12の頂面15が十字穴9の十字山部10の頂面10aに対して食い込む(しまりばめで嵌め込まれる)ことになり、刃先3をビス8に強い力で係合することができる。
次に、工具1をビス8に対して回動させると、刃側面13と十字山部10の側面10bとの係合面に回動力が作用する。この力は、刃側面13と十字山部10の側面10bとが軸心X(穴中心線Y)に対して傾斜しているため、力の一部が工具1をビス8から引き離す方向に作用する。しかし、上述のように突起部12は十字山部10の頂面10aに対して食い込んでいるので、刃先3が十字穴9から浮き上がるのが抑えられ、カムアウト現象の発生が確実に防止される。
次に、本発明のねじ回し工具1の製造方法について説明する。ねじ回し工具1の製造方法は、以下のように行われる。
まず、先端側が円錐状に尖った丸棒材に対して浅溝7の形成を行う。次に、形成された浅溝7に対して、浅溝7の先端側に深溝6と突起部12とを同時に形成する。深溝6の形成は、プレス金型を浅溝7の溝底7aに対して径外側から径内側に向かって押圧することで行う。
深溝6のプレス金型には、金型長手方向に沿って距離をあけて凹部が2箇所形成されている。それゆえ、プレス金型で浅溝7を押圧すると、刃先3側は凹部に対応する部分が押圧されずに残り、また刃先3の肉の一部が凹部に逃げ、深溝6の形成に合わせて突起部12が同時に(一度に)形成される。
[第2実施形態]
図6〜図8に示すように、第2実施形態のねじ回し工具1は、ドライバビットであり、軸心X回りに略多角柱(本実施形態では六角柱形状)の棒状に形成されており、両端側にそれぞれ刃先3が形成されている。これらの両端側の刃先3には第1実施形態と同様な浅溝7、深溝6、及び突起部12が形成されており、どちらの刃先3でも工具1を回動させなくてもビス8に対して刃先3を強い力で係合させることができるようになっている。それゆえ、刃先3をビス8の十字穴9に挿し込むだけで、カムアウト現象の発生を確実に抑制しつつビス8に対して刃先3を強い力で係合させることができる。なお、第2実施形態の工具1における上記以外の構成及び作用効果については第1実施形態と同じである。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、突起部12は溝長手方向に距離をあけて少なくとも2つ形成されていた。しかし、突起部12は溝長手方向に1個だけとしても良いし、3つ以上としても良い。
また、上記実施形態では、突起部12における刃先3の軸心Xから頂面までの距離Lは、浅溝7における刃先3の軸心Xから浅溝7の延長面上の溝底7aまでの距離L1と略等しくなるように形成されていた。しかし、突起部12における刃先3の軸心Xから頂面15までの距離Lを、浅溝7における刃先3の軸心Xから浅溝7の延長面上の溝底7aまでの距離L1より大きく形成することもできる。
第1実施形態のねじ回し工具の刃先の斜視図である。 図1の刃先の拡大図である。 左側は後端側から見たビスの正面図であり、右側は先端側から見た刃先の正面図である。 図2のA−A線断面図である。 刃先をビスの十字穴に係合した状態の突起部の拡大断面図である。 第2実施形態のねじ回し工具の正面図である。 図6の側面図である。 図6の刃先の拡大図である。
符号の説明
1 ねじ回し工具
2 工具軸
3 刃先
4 刃稜部
5 溝部
6 深溝
6a深溝の溝底
7 浅溝
7a浅溝の溝底
8 ビス
9 十字穴
10 十字山部
10a十字山部の頂面
10b十字山部の側面
11 中間溝
12 突起部
13 刃側面
14 十字凹部
15 突起部の頂面
X 軸心
Y 穴中心線
P 突起部を通る軸心方向の位置
L1 刃先の軸心から浅溝の延長線上の溝底までの距離
L2 十字穴の穴中心線から十字山部の頂面までの距離
L3 軸心から深溝の溝底までの距離
L 軸心から突起部の頂面までの距離

Claims (3)

  1. ビスの十字穴に係合する刃稜部とビスの十字山部に係合する溝部とを備える刃先が軸心方向の先端側に形成されたねじ回し工具であって、
    前記溝部の溝底には当該溝底から隆起した少なくとも1つの突起部が設けられており、
    前記突起部は、前記刃先の軸心から当該突起部の頂面までの距離が、前記十字穴における中心から十字山部の頂面までの径方向の距離よりも大きく形成されていることを特徴とするねじ回し工具。
  2. 前記突起部は、前記刃先の軸心を挟んで対向する少なくとも1組の溝部に、溝長手方向に距離をあけて2つ以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載のねじ回し工具。
  3. 前記溝部は、刃先端側で十字山部に対向しかつ前記突起部が形成された深溝と当該深溝から刃後端側に至る浅溝とを備えており、
    前記深溝は、前記軸心から当該深溝の溝底までの距離が、前記十字穴の中心から前記十字山部の頂面までの距離以下になるように形成されており、
    前記突起部における前記刃先の軸心から当該突起部の頂面までの距離は、前記十字穴の中心から前記十字山部の頂面までの距離以上になるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のねじ回し工具。
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