JP4989922B2 - 変異体及びこれをコードする遺伝子 - Google Patents

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Description

本発明は、改良された高い比活性を有するシクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの変異体、及びこの変異体をコードする遺伝子、並びにこの遺伝子を用いた変異体の製造方法に関する。
シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ(CGTase;EC 2. 4. 1. 19)は澱粉等のα-1,4-グルカンに作用し、その分子内転移反応によりα-1,4グルコピラノシド結合で結合した環状マルトオリゴ糖であるシクロデキストリン(CD)を生成させる酵素である。CGTaseにより澱粉等から生成されるCDは主としてブドウ糖6〜8個で構成されるα-CD、β-CD、γ-CDである。これらのCDは多くの分子(ゲスト化合物)と包接物を形成する能力を有し、ゲスト化合物の化学的・物理的・生理的諸性質を変化させることから、食品、医薬、農薬、化粧品、日用雑貨、化成品分野等において非常に有用である。
CGTaseは、澱粉等から生成されるCDの主成分の違いによって、α-CDを優先的に生成するα-CGTase、β-CDを優先的に生成するβ-CGTase、α-CD及びβ-CDを優先的に生成するα/β-CGTase及びγ-CDを優先的に生成するγ-CGTaseと分類される。過去に報告された多くのCGTaseはα-CGTase、β-CGTase及びα/β-CGTaseであり、γ-CGTase の報告例は数少ない。又、γ-CGTaseとして報告されている酵素においても、反応後期にβ-CDの生成速度が加速され、γ-CDと同量若しくはそれ以上のβ-CDが生成する酵素もあり、10 % 以上の高濃度の基質ではγ-CDの生成量が著しく低下するため、γ-CD生成反応中にエタノールや各種有機溶媒を共存させてγ-CDの生成量を増加させる必要があった。本方法は溶媒除去等の煩雑な工程を必要とするため、γ-CD及びγ-CDを含有する組成物の安全で安価な工業生産には不向きであった。
これらの問題を解決するため、CGTase の構造遺伝子を改変し、γ-CDの生成量を改善する試みも行われている(Akira Nakamura, Keiko Haga, and Kunio Yamane, Biochemstry, 32, 6624-6631, 1993(非特許文献1)、Michio Kubota, Yoshiki Matsuura, Shuzo Sakai and Yukiteru Kutsume, Oyo Toshitsu Kagaku, 41 (2), 245-253, 1994(非特許文献2)、特表2003-531564号公報(特許文献1)、特表平11-503906号公報(特許文献2)、特開平10-33187号公報(特許文献3))。しかし、これもCD合成に関する比活性の低下や、γ-CD生成量が増加しても元来の活性で生ずるβ-CD生成量が顕著に減少せず、工業的観点から考えると充分とはいえなかった。それ故、α-CD及びβ-CDに関しては、各分野に利用されているが、γ-CDに関しては、ほとんど利用されていないのが現状である。
CD含有組成物についても同様であり、α-あるいはβ-CDを主成分とするCD含有組成物は各分野に利用されているがγ-CDを主成分とするCD含有組成物の利用例は少ない。CD含有組成物においては、それを調製する際に用いるCGTaseがα-、β-あるいはγ-CGTaseであるかによってそのCD組成が一律に決定されるため、所望のCD組成を有するCD含有組成物の調製は困難であった。
この様な状況に鑑み、バチルス クラーキー(Bacillus clarkii)7364株が、γ-CDを主生産物とする新規γ-CGTaseを生産する事が発見され、また、本酵素をコードする遺伝子配列及びアミノ酸配列の決定及び本酵素を利用したγ-CD及び所望のCD組成を有するCD含有組成物製造方法の確立がなされ、特許出願されている(特開2003-102489号公報(特許文献4)、特開2001-327299号公報(特許文献5)、特開2001-327284号公報(特許文献6))。
しかしながら、これまでに報告されているγ-CGTaseは比活性が比較的低い。そのため、γ-CD及び所望のCD組成を有するCD含有組成物を工業的スケールで生産する場合、γ-CGTaseを大量に必要とする為、酵素生産のために微生物の大量培養を必要とする。そればかりでなく、目的とする組成物を得るために酵素を大量に必要とすることから、CD生成反応後の糖化液の精製工程における負荷増大という経済的に大きな問題があった。
Akira Nakamura, Keiko Haga, and Kunio Yamane, Biochemstry, 32, 6624-6631, 1993 Michio Kubota, Yoshiki Matsuura, Shuzo Sakai and Yukiteru Kutsume, Oyo Toshitsu Kagaku, 41 (2), 245-253, 1994 特表2003-531564号公報 特表平11-503906号公報 特開平10-33187号公報 特開2003-102489号公報 特開2001-327299号公報 特開2001-327284号公報
そこで、本発明は、γ-CGTaseに変異を加えることにより、親γ-CGTaseと比較し、より高い比活性を有し、目的とするCD組成物を得るための必要酵素量を低減し得る改良されたCGTase変異体を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記CGTase変異体の遺伝子及びこれを用いたCGTase変異体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、親γ-CGTaseに比べて改良された比活性を有するCGTase変異体の探索を行なった。その結果、ある種のγ-CGTaseにおいて、当該アミノ酸配列中の特定位置のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換したCGTase変異体が、親γ-CGTaseに比べてより高い比活性を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下のとおりである。
[1]
配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列内の75位、82位、91位、92位、119位、134位、147位、151位、223位、225位、234位、320位、347位、359位、360位、361位、451位、625位、656位、及び662位の少なくとも1つのアミノ酸残基を、親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの該当するアミノ酸残基とは異なる下記に示すアミノ酸残基で置換した変異体であって、
75位が、Ala、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Ser、Thr、Tyr、又はValであり、
82位が、Aspであり、
91位が、Leuであり、
92位が、Thrであり、
119位が、Valであり、
134位が、Ala、Pro、Ser、又はThrであり、
147位が、Thrであり、
151位が、Aspであり、
223位が、Arg、His、Lys、又はValであり、
225位が、Leuであり、
234位が、Asnであり、
320位が、Gluであり、
347位が、Asn、Asp、Cys、Glu、His、Ile、Leu、Ser、Thr、Tyr、又はValであり、
359位が、Glnであり、
360位が、Argであり、
361位が、Ala、Asn、Cys、Gln、Gly、Glu 、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、又はVal であり、
451位が、Valであり、
625位が、Cysであり、
656位が、Tyrであり、
662位が、Leuであり、
親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼと比較して、改良されたγ-シクロデキストリン合成に関する比活性を有するシクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ変異体。

配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列が、75位、82位、91位、92位、119位、134位、147位、151位、223位、225位、234位、320位、347位、359位、360位、361位、451位、625位、656位、及び662位以外のアミノ酸残基において、1〜数個のアミノ酸残基が欠失、置換又は付加されたものである[]に記載の変異体。

前記変異体は、pH6〜11のいずれかのpHにおいて測定した比活性が、親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの比活性の1.1倍以上である[1]〜[]のいずれかに記載の改良変異体。

前記変異体は、pH7.5又はpH10において測定した比活性が、親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの比活性の1.1倍以上である[1]〜[]のいずれかに記載の改良変異体。

[1]〜[]のいずれかに記載の変異体のアミノ酸配列をコードする遺伝子。

]に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。

]に記載の組換えベクターで形質転換された又は染色体相同組換えされた形質転換体。
[8]
]に記載の形質転換体を培養し、前記形質転換体が生成するシクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ変異体を回収することを含む、[1]〜[]のいずれかに記載の変異体の製造方法。
本発明によれば、親γ-CGTaseに比べてより高い比活性を有する改良されたCGTase変異体を提供することができる。さらに、この変異体を用いることで、CDを含有する組成物の製造の際に、生成されるCD量の増大あるいは酵素使用量の低減が可能になり、この変異体は、γ-CD生成用酵素として産業上非常に有用である。
本発明は、親γ-CGTaseのアミノ酸残基の少なくとも1つを、親γ-CGTaseの該当するアミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基で置換したCGTase変異体であって、親γ-CGTaseと比較して、改良されたγ-CD合成に関する比活性を有する。
本発明において、親γ-CGTaseとは、澱粉又は澱粉由来の基質に作用させた時、生成するCDのうち、50〜100重量%のγ-CDを生成する能力を有する活性を有するCGTaseである。そのような親γ-CGTaseとしては、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するγ-CGTase、又はこのγ-CGTaseとは異なる種類のγ-CGTaseを挙げることができ、野生型、野生型の変異体或いは人為的に変異を施した変異体であってもよい。
澱粉又は澱粉由来の基質とは、澱粉としては馬鈴薯、コーン、甘藷、小麦、米、タピオカ、サゴ等から得られる澱粉が挙げられ、これらはもち種、うるち種、高アミロース種のいずれでもよく、また、澱粉由来の基質としては、アミロース、アミロペクチン、可溶性澱粉、デキストリン、粉アメ、マルトオリゴ糖等が挙げられ、γ-CGTaseをこれらに作用させた時にγ-CDを生成する特性を有する限り、いずれのものでもよい。
本発明の変異体の1つの態様は、親γ-CGTaseが、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するCGTase変異体である。この変異体においては、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列内の75位、82位、91位、92位、119位、134位、147位、151位、223位、225位、234位、320位、347位、359位、360位、361位、451位、625位、656位、及び662位の少なくとも1つのアミノ酸残基が、該当位置に示されたアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基に置換され、かつ親γ-CGTaseである配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するγ-CGTaseと比べてより高い比活性を有する改良されたCGTase変異体である。
配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するγ-CGTaseとしては、例えばバチルス クラーキー7364株(FERM BP-7156)由来のγ-CGTaseを挙げることができる。
命名法
本明細書及び特許請求の範囲において、アミノ酸残基についての慣用的な1文字及び3文字コードを用いる。引用を容易にするため、本発明のCGTase変異体は以下の命名法を用いて記述する。
もとのアミノ酸:位置:置換されるアミノ酸
この命名法によれば、例えば、位置75でのトリプトファンのロイシンへの置換は、
Trp75Leu又はW75L
と示す。
複数の変異は/の印で分離され、例えば位置75及び82で、トリプトファン及びアスパラギンを各々ロイシン及びアスパラギン酸へ置換する場合は、
Trp75Leu/Asn82Asp又はW75L/N82D
と示す。
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる親γ-CGTaseの上記のそれぞれの位置におけるアミノ酸残基は75位:Trp、82位:Asn、91位:Phe、92位:Ser、119位:Ile、134位:Val、147位:Ala、151位:Asn、223位:Ala、225位:Met、234位:Ile、320位:Asp、347位:Ala、359位:Lys、360位:Gly、361位:Asp、451位:Asp、625位:Tyr、656位:His、662位:Serである。
本発明のCGTase変異体は、上記位置のアミノ酸残基が、配列番号1で示されるアミノ酸配列中の上記該当位置に示されたアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基に置換されたものである。アミノ酸残基は、全部で、Ala、Asn、Asp、Arg、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr及びValの20種類であり、例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列中の75位については、野生型の酵素のアミノ酸残基はTrpであるが、変異体においては、上記Trp以外の19種類から選択することができる。75位以外のアミノ酸残基についても同様である。但し、変異体が、親γ-CGTaseの比活性に比べて、高い比活性を有するアミノ酸残基に置換する。
各アミノ酸残基における置換後の好ましいアミノ酸残基(該当位置に示されたアミノ酸残基と異なるアミノ酸残基配列)は、以下のとおりである。実施例に具体的に示すように、以下のアミノ酸置換を有する変異体は、親γ-CGTaseの比活性に比べて、少なくとも10%(1.1倍)以上高い、比活性を有する。
75位についてはAla、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Ser、Thr、Tyr又はValであるのが好ましい。
82位についてはAspであるのが好ましい。
91位についてはLeuであるのが好ましい。
92位についてはThrであるのが好ましい。
119位についてはValであるのが好ましい。
134位についてはAla、Pro、Ser又はThrであるのが好ましい。
147位についてはThrであるのが好ましい。
151位についてはAspであるのが好ましい。
223位についてはArg、His、Lys又はValであるのが好ましい。
225位についてはLeuであるのが好ましい。
234位についてはAsnであるのが好ましい。
320位についてはGluであるのが好ましい。
347位についてはAsn、Asp、Cys、Glu、His、Ile、Leu、Ser、Thr、Tyr又はValであるのが好ましい。
359位についてはGlnであるのが好ましい。
360位についてはArgであるのが好ましい。
361位についてはAla、Asn、Cys、Gln、Gly、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValであるのが好ましい。
451位についてはValであるのが好ましい。
625位についてはCysであるのが好ましい。
656位についてはTyrであるのが好ましい。
662位についてはLeuであるのが好ましい。
さらに、本発明のCGTase変異体は、上記の当該位置に相当する位置のいずれかのアミノ酸残基を他のアミノ酸に置換したもののみならず、高い比活性を有する改良された特性を有する限り、該アミノ酸配列中の他の位置において、1〜数個のアミノ酸残基が欠失、置換又は付加されたものも包含する。その場合の比活性について比較対象となる親γ-CGTaseは、これら欠失、置換又は付加がないものとする。
本発明の変異体において、アミノ酸残基の置換は、親γ-CGTaseに比べて高い比活性を有する改良された特性を有する限り、2箇所以上が同時に置換されたものであってもよい。
本発明において比活性とは、γ-CD生成活性に関する一定タンパク量当りの活性量である。タンパク量の測定は、実施例2−3に記載の方法で行うことができる。比活性は、pH6〜11のいずれかのpHにおいて、好ましくは、pH7.5又はpH10において、例えば、20〜65℃、好ましくは30〜60℃、より好ましくは40〜55℃の温度で、5〜30分間、好ましくは10〜15分間の条件で測定されたγ-CD生成に関するCGTase活性から求まる値である。γ-CD生成に関するCGTase活性は、反応液のpH及び温度等により変化する。代表的なγ-CD生成についての比活性の測定及び算出方法は、実施例に具体的に記載する。比活性算出のためのCGTase活性測定は、より具体的には、実施例2−4に記載の方法で行うことができる。即ち、pH7.5又はpH10において、40℃の温度で、10分間の条件で測定する。
本発明においては、親γ-CGTaseと比べて高い比活性とは、上記γ-CD生成に関するCGTase活性についての比活性が、親γ-CGTaseの比活性に比べて、例えば、10%(1.1倍)以上高いことを意味する。より好ましくは30%(1.3倍)以上高く、さらに好ましくは50%(1.5倍)以上、最も好ましくは100%(2倍)以上高い。
本発明のCGTase変異体は、例えば以下の方法により得ることができる。即ち、クローニングされた親γ-CGTase(例えば、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するCGTase)をコードする遺伝子(例えば、配列番号2で示される塩基配列を有する)に対して置換(以下、「変異」ともいう)を施し、得られた変異遺伝子を用いて適当な宿主を形質転換し、当該組換え宿主を培養し、培養物から採取することにより得られる。
親γ-CGTaseをコードする遺伝子のクローニングは、一般的な遺伝子組換え技術を用いればよく、例えばバチルス クラーキー7364株(FERM BP-7156)の染色体より、ショットガン法やPCR法により取得できる。
親γ-CGTaseをコードする遺伝子の変異手段としては、一般的に行なわれているランダム変異や部位特異的変異の方法がいずれも採用できる。より具体的には、エラープローンPCR法やリコンビナントPCR法等を用いて行なうことができる。
得られた変異遺伝子を用いた本発明のCGTase変異体の生産は、宿主菌体内で複製維持が可能であり、該酵素を安定に発現させることができ、該遺伝子を安定に保持できるベクターに当該遺伝子を組込み、得られた組換えベクターを用いて宿主菌を形質転換することにより行なえばよい。
斯かるベクターとしては大腸菌を宿主とする場合、pUC19、pHY300PLK等が挙げられ、枯草菌を宿主にする場合、pUB110、pHY300PLK、pAMα1等が挙げられる。
宿主菌を形質転換するには、コンピテントセル法、エレクトロポレーション法、プロトプラスト法等を用いればよく、宿主菌としては、例えば大腸菌等のグラム陰性菌、バチルス属(枯草菌)等のグラム陽性菌、ストレプトマイセス属等の放線菌、サッカロマイセス属等の酵母あるいはアスペルギルス属等のカビが挙げられる。
得られた形質転換体は、資化しうる炭素源、窒素源、金属塩、ビタミン等を含む培地を用いて適当な条件下で培養すればよく、培養温度及び時間は、使用する形質転換体についての最適条件を考慮して適宜決定することができる。培養後、得られた培養液から、一般的な方法によって分取や精製を行ない、精製酵素を得ることができる。
かくして得られる本発明のCGTase変異体は、親γ-CGTaseよりも高い比活性を有するものである。なお、上記では、本発明のCGTase変異体を、遺伝子工学的手法により調製する方法を説明した。しかし、本発明のCGTase変異体は、親γ-CGTaseを遺伝子工学的に変異させる方法以外に、そのような変異を含む天然のCGTaseを自然界から採取することでも、得ることができ、そのような天然のCGTaseも、本発明のCGTase変異体に包含される。
得られた本発明のCGTase変異体は親γ-CGTaseと比べて、高い比活性を有し、γ-CDを含有する組成物の製造の際に、生成されるγ-CD量の増大あるいはγ-CGTase使用量の低減が可能であり、γ-CD生成用酵素として有用である。
尚、本発明のCGTase変異体は、上記アミノ酸残基の変異導入により、γ-CD生成に関する比活性の向上に加え、α-CD及び/またはβ-CD生成に関する比活性が向上している場合がある。本発明のCGTase変異体は、親γ-CGTaseの比活性に比べて、γ-CD生成に関する比活性が少なくとも10%(1.1倍)以上高い比活性を有する限り、このようなCGTase変異体も包含する。
CGTaseを澱粉又は澱粉由来の基質に作用させた時、生成するα-CD、β-CD及びγ-CDの各生成量と割合は、反応時間等の反応条件によっても異なる。さらに本発明のCGTase変異体は、上記アミノ酸残基の変異導入により、CD生成量と割合に変化が生じる場合がある。反応条件の設定によっては、α-CD及び/またはβ-CDの生成量や割合と比較して、γ-CDの生成量や割合が相対的に低い場合もあり得る。しかし、そのような場合であっても、反応条件を最適化すれば、本発明のCGTase変異体によるγ-CD生成量や割合を高くすることはできる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
CGTase変異体作製
バチルス クラーキー7364株由来のCGTase構造遺伝子の開始コドンの20base上流から終止コドンの100base下流までを含む約2.2kbの範囲に対し、該約2.2kbのDNAを増幅できるプライマー1(配列番号3)、プライマー2(配列番号4)及びTakara Taq(タカラ)を用い、エラープローンPCRを行なうことにより、ランダム変異を与えた。プライマー1はセンス鎖の5'末端側にSphIリンカーを、プライマー2はアンチセンス鎖の5'末端側にSacIリンカーを付与した。PCRの条件は、94℃で5分間鋳型DNAを変性させた後、94℃で1分間、55℃で1.5分間、74℃で3分間を1サイクルとし30サイクル反応させた。増幅したDNA断片をGFX PCR DNA and Gel Band Purification Kit(アマシャム バイオサイエンス)にて精製し、末端制限酵素リンカーをSphI、SacIにより切断した。切断処理後のDNA断片をGFX PCR DNA and Gel Band Purification Kitにて精製した。精製したDNA断片をSphI、SacI処理したpUC19と混合した後、Ligation High(東洋紡)により、リガーゼ反応を行なった。リガーゼ反応後液を用い、宿主菌である大腸菌JM109を形質転換した。
大腸菌JM109の形質転換体をLB-AG寒天培地[ポリペプトン(ディフコ) 1%(w/v)、酵母エキス(ディフコ)0.5%(w/v)、塩化ナトリウム1%(w/v)、アンピシリン50ppm、グルコース0.5%(w/v)、寒天1.5%(w/v)]上に30℃で14〜20時間培養した。大腸菌JM109の形質転換体が生育したLB-AG寒天培地にイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)含有澱粉アズール寒天[澱粉アズール(シグマ)0.5%(w/v)、可溶性澱粉0.5%(w/v)、寒天1.5%(w/v)、0.1mM IPTG、25mM HEPES-NaOH(pH 7.5)]を重層し、30℃で4〜8時間反応させた。ハローの形成状況により、親γ-CGTaseに比べてより高い比活性を有する改良されたCGTase変異体を生産する形質転換体の候補株を得た。
実施例2
CGTase変異体の評価
実施例2−1
CGTase変異体をコードする遺伝子の塩基配列の決定
前記候補株を2mlのLB-A培地[ポリペプトン(ディフコ) 1%(w/v)、酵母エキス(ディフコ)0.5%(w/v)、塩化ナトリウム1%(w/v)、アンピシリン50ppm]に植菌し、30℃で12〜16時間培養後、遠心分離により得られた菌体からGFX Micro Plasmid Prep Kit(アマシャム バイオサイエンス)を用いて、プラスミドを回収した。回収したプラスミド中に挿入されたCGTase変異体をコードする遺伝子の塩基配列の決定をMegaBACE 1000マルチキャピラリーシステム(アマシャム バイオサイエンス)を用いて行なった。
実施例2−2 CGTase変異体の精製
前記候補株を5mlのLB-A培地に植菌し、30℃で12〜20時間培養後、300mlのLB-A培地に植菌し、30℃で振盪培養を行ない、600nmにおける濁度が0.4〜1.0の時にIPTGを終濃度0.1mMになるよう添加し、さらに12〜20hr培養した。培養液から遠心分離により得られた菌体をULTRASONIC DISRUPTOR UD-201(トミー)を用いる5分間の超音波破砕処理を行ない、超音波処理液から遠心分離により菌体内粗酵素溶液を得た。該粗酵素溶液について、Sepharose6B(アマシャム バイオサイエンス)にγ-CDを固定化したγ-CD固定化Sepharose6Bを用いたアフィニティークロマトグラフィー法により、電気泳動的に均質なレベルにまで精製を行なった。
実施例2−3 タンパク濃度測定
精製CGTaseのタンパク質濃度はDCプロテインアッセイキット(バイオラッド)を用いて測定した。標準タンパク質として牛血清アルブミンを用いた。
実施例2−4 CGTase活性測定
450μlの1.5%可溶性澱粉溶液/各緩衝液(pH5-7:1/4×McIlvaine緩衝液、pH7.5-8.5:25mM HEPES-NaOH緩衝液、pH9-10.5:25 mM Gly-NaCl-NaOH 緩衝液、pH11-11.9:25mM Na2HPO4-NaOH緩衝液)を40℃で保温し、適当に希釈した酵素溶液50μl を添加することで反応を開始した。反応開始10分後に500μl の0.05 N HClを添加する事で反応を停止した。反応液に5 mM BCG溶液(in 20 % Ethanol)を添加混合後、20分間室温で保持し、2mlの1M BCG緩衝液(pH 4.2)を加え630 nm の吸光度を測定した。該吸光度値からあらかじめ作成した検量線を用いて反応液中のγ-CD含量を求めた。CGTase活性1unitを上記反応条件で単位時間当りに1μmolのγ-CDを生成させる酵素量と定義した。
実施例2−5
CGTase変異体の評価法
前記候補株由来の精製CGTase変異体のCGTase活性値及びタンパク質濃度から比活性を算出した。本比活性をバチルス クラーキー7364株由来のCGTase(親CGTase)の比活性と比べることで、改良された比活性を有するCGTase変異体を選別した。選別したCGTase変異体をコードする遺伝子の塩基配列決定により特定した変異部位を比活性の改良に関与する変異部位とした。
実施例2−6
CGTase変異体の評価
親CGTase及び各CGTase変異体のpH7.5及び10.0におけるCGTase活性及びタンパク質濃度を測定し、比活性を算出した。表2に比活性の実測値及び親CGTaseの比活性を100とした時の本発明のCGTase変異体の相対値を示した。親CGTaseのpH 7.5における比活性は0.47U/mg、pH 10.0においては5.41U/mgであった。それに対して、各CGTase変異体の比活性はpH 7.5において0.39-4.35U/mg、pH 10.0において2.98-9.28U/mgであった。pH 7.5とpH10.0の両方あるいはどちらか一方での比活性が1.1倍以上向上したCGTase変異体が得られた。
Figure 0004989922
実施例2−7
75位における各種変異体の評価
pH7.5及びpH10.0における大幅な比活性の向上が認められた75位のTrpからLeuへの置換について、75位のTrpのその他のアミノ酸への置換の影響を確認するため、プライマー3〜15(配列番号5〜17)、CGTase遺伝子内に存在する適当な対向プライマー及びPyrobest DNAポリメラーゼ(タカラ)を用いて、親CGTase構造遺伝子に部位特異的変異を行ない、各CGTase変異体をコードする遺伝子を有するプラスミドを作製した。作製したプラスミドで形質転換した大腸菌JM109を培養し、調製した精製酵素について比活性の評価を行なったところ、W75A、W75C、W75E、W75F、W75H、W75I、W75K、W75M、W75Q、W75S、W75T、W75V、W75Yにおいて、pH 7.5とpH10.0の両方あるいはどちらか一方での比活性の向上が認められた。表3参照。
Figure 0004989922
25mM HEPES-NaOH(pH 7.5)中に10%(w/v)可溶性澱粉を加熱溶解させた基質に精製親CGTase及び各精製CGTase変異体をそれぞれ0.15mg/g乾燥澱粉になるように添加し、50℃、8時間反応させた。反応液を100℃で10分間保持することで酵素を失活させ、CD含有組成物を調製し、その糖組成をHPLC法で求めた。表4に示すように、親CGTaseを使用したときのCD生成量に対して、CGTase変異体を使用した場合、CD生成量の増加が認められた。
Figure 0004989922
実施例2−8
134位における各種変異体の評価
pH7.5における大幅な比活性の向上が認められた134位のValからAlaへの置換について、134位のValのその他のアミノ酸への置換の影響を確認するため、プライマー16〜18(配列番号18〜20) 、CGTase遺伝子内に存在する適当な対向プライマー及びPyrobest DNAポリメラーゼ(タカラ)を用いて、親CGTase構造遺伝子に部位特異的変異を行ない、各CGTase変異体をコードする遺伝子を有するプラスミドを作製した。作製したプラスミドで形質転換した大腸菌JM109を培養し、調製した精製酵素について比活性の評価を行なったところ、V134P、V134S、V134Tにおいて、pH 7.5とpH10.0の両方あるいはどちらか一方での比活性の向上が認められた。表5参照。
Figure 0004989922
25mM HEPES-NaOH(pH 7.5)中に10%(w/v)可溶性澱粉を加熱溶解させた基質に精製親CGTase及び各精製CGTase変異体をそれぞれ0.15mg/g乾燥澱粉になるように添加し、50℃、8時間反応させた。反応液を100℃で10分間保持することで酵素を失活させ、CD含有組成物を調製し、その糖組成をHPLC法で求めた。表6に示すように、親CGTaseを使用したときのCD生成量に対して、CGTase変異体を使用した場合、CD生成量の増加が認められた。
Figure 0004989922
実施例2−9
223位における各種変異体の評価
223位のおけるアミノ酸残基の置換について、Val以外のその他のアミノ酸への置換の影響を確認するため、プライマー19〜21(配列番号21〜23)、CGTase遺伝子内に存在する適当な対向プライマー及びPyrobest DNAポリメラーゼ(タカラ)を用いて、親CGTase構造遺伝子に部位特異的変異を行ない、各CGTase変異体をコードする遺伝子を有するプラスミドを作製した。作製したプラスミドで形質転換した大腸菌JM109を培養し、調製した精製酵素について比活性の評価を行なったところ、A223H、A223K、A223Rにおいて比活性の向上が認められた。表7参照。
Figure 0004989922
25mM HEPES-NaOH(pH 7.5)中に10%(w/v)可溶性澱粉を加熱溶解させた基質に精製親CGTase及び各精製CGTase変異体をそれぞれ0.15mg/g乾燥澱粉になるように添加し、50℃、8時間反応させた。反応液を100℃で10分間保持することで酵素を失活させ、CD含有組成物を調製し、その糖組成をHPLC法で求めた。表8に示すように、親CGTaseを使用したときのCD生成量に対して、CGTase変異体を使用した場合、CD生成量の増加が認められた。
Figure 0004989922
実施例2−10
347位における各種変異体の評価
pH7.5及びpH10.0における大幅な比活性の向上が認められた347位のAlaからValへの置換について、347位のAlaのその他のアミノ酸への置換の影響を確認するため、プライマー22〜31(配列番号24〜33)、CGTase遺伝子内に存在する適当な対向プライマー及びPyrobest DNAポリメラーゼ(タカラ)を用いて、親CGTase構造遺伝子に部位特異的変異を行ない、各CGTase変異体をコードする遺伝子を有するプラスミドを作製した。作製したプラスミドで形質転換した大腸菌JM109を培養し、調製した精製酵素について比活性の評価を行なったところ、A347C、A347D、A347E、A347H、A347I、A347L、A347N、A347S、A347T、A347Yにおいて、pH 7.5とpH10.0の両方あるいはどちらか一方での比活性の向上が認められた。表9参照。
Figure 0004989922
25mM HEPES-NaOH(pH 7.5)中に10%(w/v)可溶性澱粉を加熱溶解させた基質に精製親CGTase及び各精製CGTase変異体をそれぞれ0.15mg/g乾燥澱粉になるように添加し、50℃、8時間反応させた。反応液を100℃で10分間保持することで酵素を失活させ、CD含有組成物を調製し、その糖組成をHPLC法で求めた。表10に示すように、親CGTaseを使用したときのCD生成量に対して、CGTase変異体を使用した場合、CD生成量の増加が認められた。
Figure 0004989922
実施例2−11
361位における各種変異体の評価
pH7.5における大幅な比活性の向上が認められた361位のAspからGlyへの置換について、361位のAspのその他のアミノ酸への置換の影響を確認するため、プライマー32〜48(配列番号34〜50)、CGTase遺伝子内に存在する適当な対向プライマー及びPyrobest DNAポリメラーゼ(タカラ)を用いて、親CGTase構造遺伝子に部位特異的変異を行ない、各CGTase変異体をコードする遺伝子を有するプラスミドを作製した。作製したプラスミドで形質転換した大腸菌JM109を培養し、調製した精製酵素について比活性の評価を行なったところ、D361A、D361C、D361E、D361F、D361H、D361I、D361K、D361L、D361M、D361N、D361P、D361Q、D361S、D361T、D361V、D361W、D361Yにおいて、pH 7.5とpH10.0の両方あるいはどちらか一方での比活性の向上が認められた。表11参照。
Figure 0004989922
25mM HEPES-NaOH(pH 7.5)中に10%(w/v)可溶性澱粉を加熱溶解させた基質に精製親CGTase及び各精製CGTase変異体をそれぞれ0.15mg/g乾燥澱粉になるように添加し、50℃、8時間反応させた。反応液を100℃で10分間保持することで酵素を失活させ、CD含有組成物を調製し、その糖組成をHPLC法で求めた。表12に示すように、親CGTaseを使用したときのCD生成量に対して、CGTase変異体を使用した場合、CD生成量の増加が認められた。
Figure 0004989922
実施例2−12
変異体の各種pHにおける比活性の評価
親CGTase(図1中●)、A223R(図1中▲)、D361V(図1中■)について、pH5-11.9における比活性の評価を行なった。結果を図1に示す。その結果、A223R、D361V変異体共にpH6-11において比活性の向上効果が認められた。
本発明は、γ-CD及びγ-CD含有組成物の製造分野に有用である。
実施例2−12で求めた、変異体の各種pH(pH5-11.9)における比活性の評価結果。

Claims (8)

  1. 配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列内の75位、82位、91位、92位、119位、134位、147位、151位、223位、225位、234位、320位、347位、359位、360位、361位、451位、625位、656位、及び662位の少なくとも1つのアミノ酸残基を、親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの該当するアミノ酸残基とは異なる下記に示すアミノ酸残基で置換した変異体であって、
    75位が、Ala、Cys、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Ser、Thr、Tyr、又はValであり、
    82位が、Aspであり、
    91位が、Leuであり、
    92位が、Thrであり、
    119位が、Valであり、
    134位が、Ala、Pro、Ser、又はThrであり、
    147位が、Thrであり、
    151位が、Aspであり、
    223位が、Arg、His、Lys、又はValであり、
    225位が、Leuであり、
    234位が、Asnであり、
    320位が、Gluであり、
    347位が、Asn、Asp、Cys、Glu、His、Ile、Leu、Ser、Thr、Tyr、又はValであり、
    359位が、Glnであり、
    360位が、Argであり、
    361位が、Ala、Asn、Cys、Gln、Gly、Glu 、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、又はVal であり、
    451位が、Valであり、
    625位が、Cysであり、
    656位が、Tyrであり、
    662位が、Leuであり、
    親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼと比較して、改良されたγ-シクロデキストリン合成に関する比活性を有するシクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ変異体。
  2. 配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列が、75位、82位、91位、92位、119位、134位、147位、151位、223位、225位、234位、320位、347位、359位、360位、361位、451位、625位、656位、及び662位以外のアミノ酸残基において、1〜数個のアミノ酸残基が欠失、置換又は付加されたものである請求項に記載の変異体。
  3. 前記変異体は、pH6〜11のいずれかのpHにおいて測定した比活性が、親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの比活性の1.1倍以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の改良変異体。
  4. 前記変異体は、pH7.5又はpH10において測定した比活性が、親γ-シクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼの比活性の1.1倍以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の改良変異体。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の変異体のアミノ酸配列をコードする遺伝子。
  6. 請求項に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
  7. 請求項に記載の組換えベクターで形質転換された又は染色体相同組換えされた形質転換体。
  8. 請求項に記載の形質転換体を培養し、前記形質転換体が生成するシクロデキストリン・グルカノトランスフェラーゼ変異体を回収することを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の変異体の製造方法。
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